JPH0621408Y2 - サイフォン式コーヒーメーカー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ヒーターを有するサイフォン式コーヒーメー
カーの改良に関し、特にコーヒーの抽出時間を正確に制
御することのできるサイフォン式コーヒーメーカーに関
する。

〔従来技術及び考案が解決しようとする課題〕

第３図は、従来のヒーターを具備したサイフォン式コー
ヒーメーカーを示すものである。このようなサイフォン
式コーヒーメーカー１では、コーヒーメーカー本体２の
略中央部にヒーター３が設けられている。このヒーター
３上に、図に示すようにサイフォン状の下部容器４を載
置し、この下部容器４内に入れた水５を沸騰させるよう
にしている。

沸騰した湯は、下部容器４内の蒸気圧により通水管６を
経てロート状の上部容器７に移動し、上部容器４内に収
容されたコーヒー原料と接触し、コーヒーの抽出を行
う。

そして、下部容器４内の水５が全部上部容器７内に移動
し、一定時間コーヒーの抽出を行うと、この抽出を終了
させる為に、下部容器４のヒーター３による加熱を停止
させ、下部容器４内を冷却して、この下部容器４内の蒸
気の圧力を低下させて、コーヒーの抽出を終了したコー
ヒー液を通水管５を通して下部容器４内へ戻す。

この下部容器４内を冷却する方法としては、上記ヒータ
ー３の電源を切り、自然冷却により上記下部容器４内を
冷却する方法があるが、これでは、ヒーター３の高温で
の熱慣性により、室温等の影響で冷却速度にバラツキを
生じるため、抽出時間が一定とならず、室温等によって
コーヒーの味が変化するという問題点があった。

そこで、上記のような問題を回避する冷却方法として、
熱慣性の大きいヒーター３を下部容器４の底面から離間
する方法が採用されている。この方法は、図に示すよう
に、コーヒーメーカー本体２内部に配設されたモータ８
によりカム９を回転させ、該カム９により曲げ又は伸ば
されるレバー１０を介して、ヒーター３を内部に収容す
るヒーターケース１１を昇降させるというものである。

しかし、このように、カム９，レバー１０等を用いてヒ
ーター３を下部容器４から離間させる方法では、メカニ
ズムが複雑である、あるいはコスト高に成ってしまうな
どの問題点があった。

従って、本考案の目的とするところは、簡単なメカニズ
ム及び低コストで室温等によりコーヒーの抽出時間が変
化することのないサイフォン式コーヒーメーカーを提供
することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案が採用する主たる手
段は、コーヒーメーカー本体に設けたヒーターにより、
下部容器内に蓄えた水を加熱し、上記下部容器に差し込
んだ通水管を経て下部容器内の水を上記通水管と一体の
上部容器に流入させ、上記容器内に収容したコーヒー原
料を煮処理するサイフォン式コーヒーメーカーにおい
て、上記コーヒーメーカー本体に、付勢手段により常時
上方に付勢され、その略中央部に上記下部容器を載置す
る容器載置部を有する下部容器載置台と、上記下部容器
載置台に対して昇降自在に設けられ、上記下部容器載置
台に対する離間距離が規制され、略中央部に上記ヒータ
ーが配置されてなるヒーターアームと、上記ヒーターア
ームに対して係脱自在で上記ヒーターアームに係合した
状態で該ヒーターアームを上記下部容器載置台に近接さ
せた位置で支持するヒーター支持部材とを具備してなる
点を要旨とするサイフォン式コーヒーメーカーである。

〔作用〕

下部容器内の湯が上部容器に全て移動した時点等から、
何らかの冷却開始のタイミングを調整する手段によって
調整された所定のタイミングを置いて、ヒーターアーム
を係合しているヒーター支持部材がヒーターアームから
外れ、下部容器を容器載置部に載置している下部容器載
置台に対して上記ヒーターアームが下降して上記下部容
器とヒーターとが離間する。そして、下部容器が速やか
に冷却され、上部容器内のコーヒー液が下部容器に引き
込まれる。

このようにしてコーヒー液が得られた下部容器は、コー
ヒー液をカップ等に注ぐため、上記下部容器載置台の容
器載置部から持ち上げられると、上記下部容器載置台は
付勢手段により上方へと上昇する。この動作に伴って、
上記ヒーターアームも上記下部容器載置台に近拷した位
置まで上昇し、上記ヒーター支持部材と再び係合する。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照して、本考案を具体化した
実施例につき説明し、本考案の理解に供する。ここに第
１図は本考案の一実施例に係るサイフォン式コーヒーメ
ーカーの概要を示す模式的側断面図、第２図はその制御
回路の一例を示すブロック図である。

尚、以下の実施例は本考案を具体化した一例に過ぎず、
本考案の技術的範囲を限定する性格のものではない。

また、以下の説明中、第３図に示した従来のサイフォン
式コーヒーメーカーの構成要素と共通の要素には同一の
符号を使用し、その説明を省略する。

この実施例において、サイフォン式コーヒーメーカー１
２が従来のサイフォン式コーヒーメーカー１と異なる点
は、第１図に示すように、コーヒーメーカー本体に、下
部容器載置台１４と、ヒーターアーム１５と、ヒーター
支持部材１６との具備してなる点である。

上記下部容器載置台１４は、バネ等の付勢手段１７によ
り常時図における上方に付勢され、その略中央部には下
部容器４を載置する容器載置部１８が形成されている。
更に、上記下部容器載置台１４の底面には、略中央部に
ヒーター１９の配置されたヒーターアーム１５を、上記
下部容器載置台１４に対して離間距離を規制すると共
に、昇降自在に吊設するバネ等の吊下部材２０が配設さ
れている。

そして、上記ヒーターアーム１５の一端側には、該ヒー
ターアーム１５の一端に対して係脱自在なヒーター支持
部材１６が配設されており、該ヒーター支持部材１６が
上記ヒーターアーム１５と係合した状態では、上記ヒー
ターアーム１５は上記下部容器載置台１４に近接した位
置で支持される。このようなヒーター支持部材１６を、
例えば、バネ等の付勢手段２１により常時上記ヒーター
アーム１５の一端と係合する方向（図における右側）に
付勢しておいて、上記ヒーター支持部材１６の外周部に
配設されたソレソイドコイル２２に電流が流れた時にの
み、上記ヒーターアーム１５の一端から外れるような構
造にしておく。

尚、ここで、２３は上記下部容器載置台１４が上記バネ
１７によりそれ以上上昇しないように係止させるための
上部ストッパー、２４はその下部ストッパー。２５は上
記下部容器載置台１４の支点、２６はヒーターアーム１
５の支点をそれぞれ示す。

従って、下部容器載置台１４が付勢手段１７により上方
に付勢されて上部ストッパー２３に当接し、ヒーターア
ーム１５が吊下部材２０により上方に吊上げられると共
に、ヒータ支持部材１６により支持された状態のコーヒ
ーメーカー本体１３の容器載置部１８上に、内部にコー
ヒー原料の入った上部容器７が装着されると共にその内
部に水５の入った下部容器４を載置する。

すると、上記下部容器載置台１４は、上記下部容器４等
の荷重を受けて、上記付勢手段１７を圧縮しながら下降
し、上記下部容器４の底面と上記ヒーター１９とが当接
することにより上記ヒーターアーム１５にも上記下部容
器４の荷重がかかる。しかし、上記ヒーターアーム１５
は、上記ヒーター支持部材１６により支持されているた
めそれ以上は下降せず、第１図に示す状態を維持する。
この状態で上記ヒーター１９に通電することにより上記
下部容器４内の水５を沸騰させ、上部容器７内に移動さ
せる。

そして、上記湯５が全て上部容器７内に移動したことを
何らかの抽出開始検出部２８で検出すると、その信号は
第２図に示すようなマイクロコンピュータ２７の入力部
に入力される。

上記マイクロコンピュータ２７の入力部には、操作用キ
ースイッチ２９からの信号も入力されており、一方出力
部には、ヒーター１９を制御するヒーターリレー用ドラ
イバ３０、ソレノイドコイル２２を制御するソレノイド
コイル用ドライバ３１及び表示部３２が接続されてい
る。

上記抽出開始検出部２８からの信号が上記マイクロコン
ピュータ２７の入力部に入力されると、所定時間コーヒ
ーの抽出を行わせた後、上記ソレノイドコイル２２に電
流を流すと共に、上記ヒーター１９への通電を停止して
上記ヒーター支持部材１６を図における左側に引き込
み、該ヒーター支持部材１６を上記ヒーターアーム１５
から外す。上記ヒーター支持部材１６が上記ヒーターア
ーム１５から外れると該ヒーターアーム１５と上記下部
容器載置台１４は下方へと下降を始めるが、上記下部容
器載置台１４は、上記下部ストッパー２４に当接した位
置で下降を停止し、上記ヒーターアーム１５だけが更に
下降を続け、上記吊下部材２０により規制されている位
置まで下降する。この際、上記下部容器４は上記下部容
器載置台１４の容器載置部１８上に載置されているた
め、上記下部容器４の底面と上記ヒーター１９とは離間
し、上記下部容器４が速やかに冷却され、上記上部容器
７内でコーヒーを十分抽出したコーヒー液が下部容器４
内に引き込まれる。

このようにしてコーヒー液が得られた下部容器４は、コ
ーヒー液をカップ等に注ぐため、上記下部容器載置台１
４の容器載置部１８から持ち上げられる。そうすると、
上記下部容器４等の荷重で下部ストッパー２４の位置ま
で下降していた上記下部容器載置台１４が、上記付勢手
段１７により再び上部ストッパー２３に当接する位置ま
で上昇する。この動作に伴って、上記ヒーターアーム１
５も上記吊下部材２０により上記下部容器載置台に近接
した元の位置まで持ち上げられる。この際、上記ヒータ
ー支持部材１６は再び第１図に示すような、ヒーターア
ーム１５と係合する位置まで突出しているが、その先端
がテーパー状に形成されているため、上記ヒーターアー
ム１５の先端が上記ヒーター支持部材１６をソレノイド
コイル２２内に押し込んだ状態にして、上昇する。

以上のようにして、コーヒーメーカー本体１３は元の状
態に戻る。

〔考案の効果〕

本考案は、以上述べたように、コーヒーメーカー本体に
設けたヒーターにより、下部容器内に蓄えた水を加熱
し、上記下部容器に差し込んだ通水管を経て下部容器内
の水を上記通水管と一体の上部容器に流入され、上記容
器内に収容したコーヒー原料を煮処理するサイフォン式
コーヒーメーカーにおいて、上記コーヒーメーカー本体
に、付勢手段により常時上方に付勢され、その略中央部
に上記下部容器を載置する容器載置部を有する下部容器
載置台と、上記下部容器載置台に対して昇降自在に設け
られ、上記下部容器載置台に対する離間距離が規制さ
れ、略中央部に上記ヒーターが配置されてなるヒーター
アームと、上記ヒーターアームに対して係脱自在で上記
ヒーターアームに係合した状態で該ヒーターアームを上
記下部容器載置台に近接させた位置で支持するヒーター
支持部材とを具備してなることを特徴とするサイフォン
式コーヒーメーカーであるから、簡単なメカニズムで室
温等によりコーヒーの抽出時間が変化することのないサ
イフォン式コーヒーメーカーを提供することができ、大
巾なコストダウンが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るサイフォン式コーヒー
メーカーの概要を示す模式的側断面図、第２図はその制
御回路の一例を示すブロック図、第３図は本考案の背景
となる従来のヒーターを具備したサイフォン式コーヒー
メーカーの模式的側断面図である。 〔符号の説明〕 １……サイフォン式コーヒーメーカー ２……コーヒーメーカー本体 ３……ヒーター ４……下部容器 ５……水 ６……通水管 ７……上部容器 １２……サイフォン式コーヒーメーカー １３……コーヒーメーカー本体 １４……下部容器載置台 １５……ヒーターアーム １６……ヒーター支持部材 １７……付勢手段 １８……容器載置部 １９……ヒーター ２０……吊下部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コーヒーメーカー本体に設けたヒーターに
   より、下部容器内に蓄えた水を加熱し、上記下部容器に
   差し込んだ通水管を経て下部容器内の水を上記通水管と
   一体の上部容器に流入させ、上記容器内に収容したコー
   ヒー原料を煮処理するサイフォン式コーヒーメーカーに
   おいて、 上記コーヒーメーカー本体に、 付勢手段により常時上方に付勢され、その略中央部に上
   記下部容器を載置する容器載置部を有する下部容器載置
   台と、 上記下部容器載置台に対して昇降自在に設けられ、上記
   下部容器載置台に対する離間距離が規制され、略中央部
   に上記ヒーターが配置されてなるヒーターアームと、 上記ヒーターアームに対して係脱自在で上記ヒーターア
   ームに係合した状態で該ヒーターアームを上記下部容器
   載置台に近接させた位置で支持するヒーター支持部材と
   を具備してなることを特徴とするサイフォン式コーヒー
   メーカー。