JPH06213786A - 分解能が高い鋼の偏析状態、凝固組織の転写方法 - Google Patents

分解能が高い鋼の偏析状態、凝固組織の転写方法

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JPH06213786A
JPH06213786A JP5004347A JP434793A JPH06213786A JP H06213786 A JPH06213786 A JP H06213786A JP 5004347 A JP5004347 A JP 5004347A JP 434793 A JP434793 A JP 434793A JP H06213786 A JPH06213786 A JP H06213786A
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浩一 磯部
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克己 谷川
Kiyoshi Matsuda
清 松田
Akio Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便に高い検出能、分解能で広範囲の鋼の偏
析状態や凝固組織を検出、記録する方法でプリントを提
供する。 【構成】 研磨仕上げした金属試料の被検査面を、強酸
性腐食液を用いて腐食した後、該表面をアルカリ溶液に
浸漬してから水洗、乾燥し、しかる後に粒径が20μm
以下の黒色粉を混入した有機性の高粘性液状物質を該表
面に塗布してから拭取り、該表面を細粒研磨紙を用いて
研磨した後、片面に接着剤が糊着されている透明な薄膜
を該表面に密着させてから剥ぎ取り、この透明薄膜を台
紙もしくは台板に貼付する。 【効果】 簡便で精度の高い鋳片の偏析状態や凝固組織
の評価が可能となり、鋳片の品質管理の迅速化や偏析改
善技術の開発に貢献する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広い検査面積にわたっ
て鋼の偏析状態や凝固組織を明瞭に検出し、かつ高い分
解能でそれらを記録、保存する方法に関わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼の偏析状態や凝固組織を検出す
る手段としてサルファープリント法が簡易で経済的な方
法として広く使用され、この方法では偏析状態や凝固組
織はサルファープリント紙に記録、保存される。
【0003】このサルファープリントのように特定元素
で偏析状況を検出して転写する方法では腐食処理して組
織、偏析を観察する場合に比べ分解能が低く、サンプル
によっては十分な品質のプリントが得られない場合があ
る。例えば、ポロシティーが存在するサンプルでサルフ
ァープリントを実施するとポロシティーから発生したガ
スに起因してその部位に白抜きが生じ品質の良いプリン
トが得られない。また、サルファープリントのように特
定元素で偏析状況を検出する方法では、その元素の含有
量が低い場合やその元素と他の元素と化合物を生成して
いるような場合、偏析状態や凝固組織が検出できないと
いった欠点があった。
【0004】また、鋼の偏析状態や凝固組織を現出する
腐食液、例えば塩酸やオバーホッファー液で研磨面を腐
食して偏析状態や凝固組織を現出させた状態で写真撮影
する方法も一般的に行なわれているが、この方法では広
範囲の偏析状態や凝固組織を観察しようとする場合、分
解能を維持しようとすると対象範囲が制約されたり、逆
に対象範囲を広げると分解能が低下するといった問題が
ある。
【0005】サルファープリント以外に凝固組織や偏析
を観察するプリント法として、エッチプリント(北村
ら:鉄と鋼,68(1982),S217)と呼ばれ、
腐食孔に研磨粉を詰め、それをテープに写し取り凝固組
織や偏析を写し取る方法が開発されている。特公昭64
−2212はこの方法に関する発明が開示されている。
この方法ではサルファープリント法に比べ分解能は大幅
に向上し、凝固組織や偏析を明瞭に検出、記録保存でき
るが、場合によってはプリントが変色して転写された鋼
の偏析状態や凝固組織が不鮮明になったり、あるいは該
方法では仕上研磨により腐食孔に研磨粉を詰めテープに
偏析状態や凝固組織を転写する方法のため研磨粉を十分
発生させ、且つ、研磨前に塗布したワセリン等の高粘性
の液状有機物を腐食孔を除いて除去する必要があり、研
磨作業にかなりの時間と労力を要し、しかも作業負荷も
高い方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上述べたよ
うな鋼の偏析状態や凝固組織を検出、記録する際、従来
法では十分検出できない、分解能が低いあるいは分解能
を維持しようとすると対象範囲が制約されるといった問
題、あるいはプリントの変質により検出像が不鮮明にな
ったり検出、転写に多大な時間と労力を要し、しかも作
業負荷も高いといった問題を解決しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
みてなされたもので、その特徴とするところは、研磨仕
上げした金属試料の被検査面を、偏析状態を現出する強
酸性腐食液を用いて腐食した後、該表面をアルカリ溶液
に浸漬してから水洗、乾燥し、しかる後に粒径が20μ
m以下の黒色粉を混入した有機性の高粘性液状物質を該
表面に塗布してから拭取り、さらに該表面を細粒研磨紙
を用いて研磨した後、片面に接着剤が糊着されている透
明な薄膜を該表面に密着させてから剥ぎ取り、この透明
薄膜を台紙もしくは台板に貼付することにより簡便に広
い範囲の検査面を対象に分解能が高い偏析状態、凝固組
織の検出、転写、記録できる方法である。
【0008】
【作用】本発明において上記手段の項に述べた腐食、研
磨、転写方法を採用する理由について述べる。研磨仕上
げした金属試料の被検査面で偏析状態を現出する強酸性
腐食液としては温塩酸系腐食液やピクリン酸系腐食液が
考えられるが、偏析状態や凝固組織の鮮明度はピクリン
酸系腐食液の方が優れる。
【0009】強酸性腐食液を用いて腐食した後、試料表
面をアルカリ溶液に浸漬してから水洗、乾燥する理由
は、強酸性腐食液が試料表面に残留すると腐食液により
後の研磨工程で腐食孔に充填した研磨粉が酸化され、そ
れが原因となってプリントが変色して偏析や凝固組織の
現出状況が不鮮明になる。従って、アルカリ溶液に浸漬
して試料表面のpHを7以上の状態に制御する必要があ
る。また、その後水洗、乾燥するのはアルカリ溶液をあ
る程度除去することにより偏析状態や凝固組織を転写す
る透明な薄膜の変質を防止するためである。
【0010】後述する表1に示すように従来のアルカリ
溶液に浸漬しない方法ではプリントの変色により25%
も再プリントする必要があったが、本法では再プリント
の割合は0%に減少した。再プリントする場合は再度腐
食からやり直す必要があったため、本法の適用により再
プリントによる時間ロスは大幅に削減された。
【0011】上記腐食処理後、粒径が20μm以下の黒
色粉を混入した有機性の高粘性液状物質を該表面に塗布
してから拭取り、さらに該表面を細粒研磨紙を用いて研
磨する理由について述べる。本発明の偏析状態や凝固組
織の現出原理は腐食できた凹部に黒色粉を混入した高粘
性の液状有機物を充填し、続いて行なわれる研磨により
生成した研磨粉を凹部に充填すると共に、凹部以外から
研磨粉及び黒色粉を混入した高粘性の液状有機物を除去
して、片面に接着剤が糊着されている透明な薄膜を該表
面に密着させ剥ぎ取ると、研磨粉、黒色粉と高粘性の液
状有機物が混合した状態のものが薄膜に転写されること
による。従って、研磨粉や黒色粉を混入した高粘性の液
状有機物を腐食孔へいかに効率良く充填し、腐食孔以外
から除去するかが本法のポイントである。
【0012】粒径が20μm以下の黒色粉を混入した有
機性の高粘性液状物質を該表面に塗布してから拭取る工
程において、有機性の高粘性液状物質を使用するのは、
腐食孔へ研磨粉が残留するのを補助するためであり、こ
れを用いないと腐食孔へ残留する研磨粉が不足して、偏
析状態や凝固組織が鮮明に現出されない。
【0013】粒径が20μm以下の黒色粉を有機性の高
粘性液状物質に混入するのは、これを混入することによ
り偏析や凝固組織を鮮明に現出させるのに必要な研磨粉
の発生量を混入しない場合に比べ大幅に減少させること
ができ、研磨の作業時間、負荷が大幅に削減できる。ま
た、事前に有機物と混合したものを用いる事により、腐
食孔への充填効率も向上し、それも研磨時間の短縮、研
磨の作業負荷軽減に寄与する。さらに腐食孔への充填を
効率良く行なうには使用する黒色粉の粒径を20μm以
下にするのが良い。上記混合物を試料表面に塗布してか
ら拭取る理由は、余分に付着していると腐食孔以外から
の除去に手間を要するためである。黒色粉については、
その種類を限定するものではないが、例えば、粒径分布
が整っている磁粉等が使用に適している。
【0014】該表面の研磨は500番以上2000番以
下の円板状の研磨紙を用いて10rpm 以上10000rp
m 以下の偏芯回転を与えて研磨するのが好ましい。50
0番より粗い研磨紙で研磨するとあるいは500〜20
00番の研磨紙を用いる場合も10000rpm 以上で研
磨すると腐食でできた凹凸がなくなり、偏析状態や凝固
組織が鮮明に現出されず、2000番より細かい研磨紙
で研磨したり、500〜2000番の研磨紙を用いて1
0rpm 以下の速度で研磨すると研磨粉の発生量が少な
く、また、研磨粉の充填や腐食孔以外から研磨粉や黒色
粉を混入した高粘性の液状有機物の除去にかなりの時間
を要する。
【0015】円板状研磨紙に偏芯回転を与える理由は、
回転を偏芯させない場合は、常に研磨紙上の同じ箇所で
研磨されるため研磨材のはく離等の影響により研磨状況
や液状有機物の除去が不均一になり易いのに対し、偏芯
回転させた場合は試料と研磨紙の接触する位置や接触状
況が変化し、研磨材のはく離等の影響を受けにくくより
均一で効率的な研磨や有機物の除去が可能となる。
【0016】上記仕上研磨により現出された偏析状況や
凝固組織は片面に接着剤が糊着されている透明な薄膜を
該表面に密着させてから剥ぎ取り、この透明薄膜を台紙
もしくは台板に貼付することにより転写されるが、この
薄膜は片面に接着剤が糊塗されていた透明な薄膜であれ
ば本発明の目的に適合する。尚、透明薄膜を貼付する台
紙もしくは台板については好ましくは白色のものが偏析
状況や凝固組織が良く観察される。
【0017】
【実施例】表1に鋼の連鋳鋳片の偏析状況及び凝固組織
の評価に本法を適用した結果を本法以外の方法を適用し
た結果と比較して示す。本実施例ではピクリン酸系腐食
液を用いて、アルカリ処理した場合は、水酸化カルシウ
ム水溶液に30分浸漬した。被検査面はいずれも162
mm×200mmである。従来法は特公昭64−2212号
公報で開示されている方法である。比較法は、本発明法
をベースに、アルカリ処理を実施しなかったもの、また
は黒色粉の粒径を20μ超としたものである。
【0018】表1からも明らかなように本発明法で得ら
れたプリントでは偏析状況や凝固組織は鮮明であり、変
色も全く発生せず、プリントに要する作業時間は大幅に
短縮されている。図1には本発明法を適用して得られた
連鋳鋳片の中心部の偏析及び凝固組織を示す。偏析及び
凝固組織が鮮明に転写されている。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明法を適用すれば簡便にしかも大き
な作業負荷をかけずに、従来法を大幅に上回る検出能、
分解能で広範囲の鋼の偏析状態や凝固組織を検出、記録
することができ、連鋳鋳片の品質管理の迅速化や偏析改
善技術の開発に貢献し、その工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法でプリントに転写された連鋳鋳片
の中心部の偏析及び凝固組織を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 昭夫 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 会社室蘭製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨仕上げした金属試料の被検査面を、
    偏析状態を現出する強酸性腐食液を用いて腐食した後、
    該表面をアルカリ溶液に浸漬してから水洗、乾燥し、し
    かる後に粒径が20μm以下の黒色粉を混入した有機性
    の高粘性液状物質を該表面に塗布してから拭取り、さら
    に該表面を細粒研磨紙を用いて研磨した後、片面に接着
    剤が糊着されている透明な薄膜を該表面に密着させてか
    ら剥ぎ取り、この透明薄膜を台紙もしくは台板に貼付す
    ることを特徴とする分解能が高い鋼の偏析状態、凝固組
    織の転写方法。
JP5004347A 1993-01-13 1993-01-13 分解能が高い鋼の偏析状態、凝固組織の転写方法 Expired - Lifetime JP2868681B2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS582657A (ja) * 1981-06-30 1983-01-08 Nippon Steel Corp 分解能が高い鋼の偏析状態・腐蝕像の転写法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS582657A (ja) * 1981-06-30 1983-01-08 Nippon Steel Corp 分解能が高い鋼の偏析状態・腐蝕像の転写法

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