JPH06213457A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH06213457A
JPH06213457A JP690693A JP690693A JPH06213457A JP H06213457 A JPH06213457 A JP H06213457A JP 690693 A JP690693 A JP 690693A JP 690693 A JP690693 A JP 690693A JP H06213457 A JPH06213457 A JP H06213457A
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JP
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combustion
fuel
pilot fuel
air
gas turbine
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JP690693A
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English (en)
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Yuzo Sato
雄三 佐藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】着火保炎性の向上及び低NOx 化の一層の推進が
図れるガスタービン燃焼器を提供する。 【構成】筒状の燃焼室22に、パイロット燃料の拡散燃
焼用の第一段燃焼部23と、メイン燃料の稀薄予混合燃
焼用の第二段燃焼部とを設ける。第一段燃焼部は、パイ
ロット燃料予混合燃焼機構51と、拡散燃焼及びパイロ
ット燃料予混合燃焼を制御する制御機構52を有する。
ほか、先端に空気噴出口32を有すると共に周壁に空気
導入孔31a,31bを有するスワラ25と、先端にパ
イロット燃料噴出口36を有する筒状のノズル体33と
を有する。パイロット燃料予混合燃焼機構は、スワラ内
にパイロット燃料を噴出する燃料噴出孔37a,37b
と、スワラ内でパイロット燃料・空気の稀薄予混合を行
なわせる予混合室38とを有する。制御機構は、燃料噴
出孔の開度を制御する燃料制御弁39と、スワラの空気
導入孔の開度を制御する空気制御弁40とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発電プラント等に適用さ
れるガスタービン燃焼器に係り、特に拡散燃焼および稀
薄予混合燃焼を行う二段燃焼方式のガスタービン燃焼器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガスタービン燃焼器とし
て、例えば特開平2−309123号公報に記載された
ものが知られている。図7は、このガスタービン燃焼器
の構成を示したもので、外筒1およびその内部に設けた
ライナ2によって二重筒状の炉体3が構成され、外筒1
とライナ2との間の空間が燃焼用空気通路4、ライナ2
の内部が燃焼室5とされている。燃焼室5の軸方向一端
側に、パイロット燃料aの拡散燃焼用の第一段燃焼部6
が設けられ、その周囲の下流側にメイン燃料bの稀薄予
混合燃焼用の第二段燃焼部7が設けられている。
【0003】第一段燃焼部6は、先端に燃料噴出口8a
を有するスワラ8と、このスワラ8の周囲部に設けられ
た空気流入部9とを有する構成とされている。そして、
パイロット燃料供給管10から供給されたパイロット燃
料aがスワラ8の燃料噴出口8aから燃焼室5に噴出さ
れ、空気流入部9から流入する燃焼用空気cによって拡
散燃焼が行われるようになっている。
【0004】また、第二段燃焼部7は、燃焼用空気通路
4内に設けられた筒状の予混合室11と、この予混合室
11を燃焼室5に連通する複数の通気ガイド12とを有
する構成とされている。そして、メイン燃料供給管13
から供給されたメイン燃料bと燃焼用空気cとが予混合
室11で予混合され、通気ガイド12から予混合気dと
して燃焼室5に噴出され、第一段燃焼部6におけるパイ
ロット火炎によって稀薄予混合燃焼が行われるようにな
っている。
【0005】このように、予混合気dを複数の通気ガイ
ド12から噴出させると、燃焼室5の流れが高乱流とな
り、燃焼速度が速くなって良好な燃焼効率を得ながら、
NOxの低減が図れるとともに、燃焼の均一化によるNOx
の低減も図れる。
【0006】図8は、このような二段燃焼方式のガスタ
ービン燃焼器の運転時におけるガスタービン負荷と燃料
流量との関係を示している。同図に破線FP で示すパイ
ロット燃料の流量は、着火直後(A点)において拡散燃
焼による第一段燃焼に供されて負荷に比例して増大す
る。そして、一定負荷状態(B点)に達したら、一点鎖
線FM で示すようにメイン燃料が供給され、第二段燃焼
が開始する(D点)。
【0007】第二段燃焼は最初に急カーブ、後に緩やか
なカーブで次第に増大する。メイン燃料は第二段燃焼開
始時(B点)から暫減し、その後一定負荷状態(B´
点,)を経て再び暫増し、定常負荷状態となる(C
点)。燃料トータル量は実線FT で示すように、負荷に
対して比例的に増大する。
【0008】このように従来の二段燃焼方式のガスター
ビン燃焼器においては、第一段燃焼部6でパイロット燃
料の拡散燃焼のみが行われる。この場合、第一段燃焼用
のパイロット燃料の流量制御は、図示しない外部設置の
燃料調節弁により行われる。ノズル部としてのスワラ8
等の構成部自体には、流量制御機構が設けられていな
い。
【0009】そして通常では、第一段拡散燃焼部6を構
成するスワラ8の燃料噴出口8aおよび空気流入部9の
開口面積が、第一段燃焼および第二段燃焼におけるガス
タービン定格運転条件(図8のC点)を考慮して設計さ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、着火時の燃
料噴出速度、燃焼空気噴出速度および拡散燃焼速度の変
化等に対する設計と、ガスタービン定格運転条件での最
適設計とは一致しない。したがって、従来では燃料吐出
流量範囲が広く設計されることになり、これに起因して
低流量時である着火時の火炎の安定性が低くなり易い。
【0011】また、燃焼器内圧力および燃料供給圧力
は、ガスタービン負荷に比例して増大するため、第一段
燃焼部6における設計点(C点)でのパイロット燃料の
圧力比Pc(Pc=燃料圧力/燃焼器内圧力)と、第二
段燃焼の開始点(B点,D点)におけるパイロット燃料
の圧力比Pbとは、Pc<Pbの関係にある。この場
合、燃料噴出口8aと燃焼用空気流入部9の開口面積す
べてが最適な燃焼状態になるように形状を設計すること
は極めて難しい。すなわち、C点ではガスタービン定格
運転での最適燃焼性能を必要とし、B点では燃料供給圧
力(設備性能)を必要とする。このため、パイロット燃
料の着火直後のA点における火炎は、空気噴出速度や燃
料噴出速度、空気口配列およびその形状による流れ状態
に左右され、不安定な火炎となり易い。
【0012】また、図8のパイロット燃料流量が変化す
るB点からB´点までと、メイン燃料流量が変化するD
点からD´点までとの、ガスタービン負荷変化時におい
て、D点付近では第二段燃焼用の予混合ガスが極めて稀
薄であるため、メイン燃料の着火保炎が不安定となり易
い。そのため、パイロット火炎の強化保持のためにも図
中B点のパイロット燃料流量が多くなり、低NOx 化に有
効な稀薄予混合燃焼のためのメイン燃料流量の充分な比
率配分設定を行うことが難しい等の問題もある。
【0013】図9は、従来例における計測データに基づ
くガスタービン負荷と排ガスNOx の量との関係を示して
いる。同図に示すように、ガスタービン負荷と、排ガス
NOxとの関係は、拡散燃焼に用いられたパイロット燃料
の流量に殆ど依存していることが分かった。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、着火保炎性の向上、および低NOx 化の一層の推
進が図れるガスタービン燃焼器を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、筒状
の燃焼室に、パイロット燃料の拡散燃焼用の第一段燃焼
部と、メイン燃料の稀薄予混合燃焼用の第二段燃焼部と
を設けたガスタービン燃焼器において、前記第一段燃焼
部は、パイロット燃料の稀薄予混合燃焼を行なわせるパ
イロット燃料予混合燃焼機構を有することを特徴とす
る。
【0016】請求項2の発明は、筒状の燃焼室に、パイ
ロット燃料の拡散燃焼用の第一段燃焼部と、メイン燃料
の稀薄予混合燃焼用の第二段燃焼部とを設けたガスター
ビン燃焼器において、前記第一段燃焼部は、パイロット
燃料と燃焼用空気とを予混合して燃焼させるパイロット
燃料予混合燃焼機構を有するとともに、拡散燃焼および
パイロット燃料予混合燃焼を制御する制御機構を有する
ことを特徴とする。
【0017】請求項3の発明は、請求項2に記載のガス
タービン燃焼器において、第一段燃焼部は、先端に空気
噴出口を有するとともに周壁に空気導入孔を有するスワ
ラと、このスワラの内部に同軸的に配置され先端にパイ
ロット燃料噴出口を有する筒状のノズル体とを有する構
成とし、パイロット燃料予混合燃焼機構は、前記ノズル
体の周壁に穿設され前記スワラ内にパイロット燃料を噴
出する燃料噴出孔と、前記スワラ内でパイロット燃料・
空気の稀薄予混合を行なわせる予混合室とを有する構成
とし、かつ制御機構は、前記ノズル体の燃料噴出孔の開
度を制御する燃料制御弁と、前記スワラの空気導入孔の
開度を制御する空気制御弁とを有する構成としたことを
特徴とする。
【0018】請求項4の発明は、請求項3に記載のガス
タービン燃焼器において、制御機構は、燃料制御弁およ
び空気制御弁を一体的に有しノズル体の内部で軸方向に
往復動可能とされた弁棒と、この弁棒を駆動するアクチ
ュエータとを備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1の発明によれば、着火時にパイロット
燃料の拡散燃焼を行い、その後負荷に応じたパイロット
燃料の稀薄予混合燃焼を行うというように、第一段燃焼
において拡散燃焼だけでなくパイロット燃料の稀薄予混
合燃焼も行えるようになる。したがって、拡散燃焼量の
低減が可能となり、第一段燃焼から第二段燃焼に亘る稀
薄予混合燃焼運転域の拡大により、良好な燃焼効率を得
ながら、NOx の低減が図れるようになる。
【0020】請求項2の発明によれば、第一段燃焼にお
けるパイロット燃料の拡散燃焼と稀薄予混合燃焼とにお
いて、それぞれ燃料供給量および空気供給量の制御を行
えるので、負荷に応じた最適な燃空比が設定できるよう
になり、良好な燃焼効率と低NOx 化が図れる。
【0021】請求項3の発明によれば、第一段燃焼部を
同一スワラで構成し、拡散燃焼時の空気噴出と稀薄予混
合燃焼時の空気混合燃料噴出とが同一部位で行えるよう
にしたので、第一段燃焼としての拡散燃焼から稀薄予混
合燃焼への移行がスムーズに行えるとともに、構成のコ
ンパクト化が図れるようになる。
【0022】請求項4の発明によれば、燃料制御弁およ
び空気制御弁を一体構成としたことにより、部品点数の
減少および駆動機構の簡素化が図れると同時に、操作の
簡便化ならびに制御の確実性も図れる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0024】図1〜図4は本発明の一実施例を示してい
る。図1は第一段燃焼部の要部構成、図2は系統構成、
図3は燃焼時における燃料流量とガスタービン負荷との
関係、図4はNOx 発生量とガスタービン負荷との関係を
それぞれ示している。
【0025】まず本実施例のガスタービン燃焼器の全体
構成を図2によって概略的に説明する。筒状のライナ2
1によって構成される燃焼室22の一端側ヘッド部に第
一段燃焼部23が設けられ、同ライナ21の一端側周壁
に第二段燃焼部24が設けられている。
【0026】第一段燃焼部23は、後述する燃焼機構を
組込んだ筒状のスワラ25に空気供給管26およびパイ
ロット燃料供給管27を接続して構成され、パイロット
燃料の拡散燃焼および予混合燃焼を行う。第二段燃焼部
24は、ライナ21に形成した複数の通気ガイド28に
空気供給管26およびメイン燃料供給管29を接続して
構成され、メイン燃料の稀薄予混合燃焼を行う。
【0027】次に図1によって第一段燃焼部の要部構成
を説明する(第二段燃焼部の予混合燃焼機構について
は、従来のものと変わらないので説明を省略する)。
【0028】図1に示すように、ライナ21の一端側軸
心位置にスワラ25が配置されている。このスワラ25
は、燃焼室22閉塞用のライナヘッド21aと、その外
側で対向するヘッドプレート30との間の燃焼用空気通
路部26aに組込まれている。このスワラ25の周壁に
は、軸方向2段の空気流入孔31a,31bが周方向全
体に亘って複数穿設され、また燃焼室22に臨む先端部
には空気噴出口32が開口している。
【0029】スワラ25の軸心部先端側には筒状のノズ
ル体33が固定設置され、このスワラ25の周壁とノズ
ル体33の周壁との筒状空間が空気通路34とされてい
る。空気通路34には、空気流入孔31a,31bの下
流側に位置して、旋回流を生じさせるための羽根35が
設けられている。
【0030】ノズル体33は先端にパイロット燃料噴出
口36を有し、このパイロット燃料噴出口36、空気導
入孔31a,31b、空気通路34および空気噴出口3
2によって拡散燃焼機構50が構成されている。
【0031】また、スワラ25には、拡散燃焼機構50
と共通部品を用いて構成されるパイロット燃料予混合燃
焼機構51、および拡散燃焼と予混合燃焼とを制御する
制御機構52が設けられている。
【0032】すなわち、パイロット燃料予混合燃焼機構
51は、ノズル体33の周壁に設けられてスワラ25内
にパイロット燃料を噴出する上下複数段の燃料噴出孔3
7a,37bと、スワラ25内で燃料・空気の稀薄予混
合を行なわせる予混合室38とを有している。予混合室
38は、空気通路34の一部をそのまま利用した構成と
なっている。
【0033】制御機構52は、ノズル体33の燃料噴出
孔37a,37bの開度を制御する燃料制御弁39と、
スワラ25の空気導入孔31a,31bの開度を制御す
る空気制御弁40とを有する構成とされている。燃料制
御弁39および空気制御弁40は、ノズル33体の内部
で軸方向に往復動可能とされた弁棒41によって一体構
造となっている。すなわち、弁棒41はその内部空間を
燃料導入孔42とするパイプ状のもので、スワラ25の
軸心部に沿って進退可能に配置され、一端がノズル体3
9内に摺動可能に挿入されて燃料制御弁39とされてい
る。この弁棒41の他端は、炉外の支持台43に支持さ
れて進退駆動用のアクチュエータ44に連結されてい
る。燃料導入孔42は、フレキシブルチューブ45を介
してパイロット燃料供給管27に接続されている。空気
制御弁40はスワラ25の内周面に摺接するピストン状
に構成され、弁棒41に締付けナット46で一体移動可
能に取付けられている。なお、47は弁棒41と支持台
43との摺接部をシールするパッキン、48はパッキン
押えである。
【0034】次に作用を説明する。
【0035】パイロット燃料は、フレキシブルホース4
5によって弁棒41の中央部の燃料導入孔42に導か
れ、さらにノズル体33内の燃料室33aに導かれる。
弁棒41がノズル体33に深く挿入され、これにより燃
料噴出孔37a,37bが燃料制御弁39によって閉塞
された場合(図示しないが、弁棒4が図4の状態から燃
焼室22側(右側)に移動した場合)には、パイロット
燃料はノズル体33先端の燃料噴出口36からだけ噴出
する。この場合、空気制御弁40はスワラ25先端側の
空気導入孔31aのみを所定量開口し、基端側の空気導
入孔31bは閉塞される。導入された空気はスワラ25
内の空気通路34を通り、空気噴出口32から燃焼室2
2に噴出される。この状態での燃焼が拡散燃焼である。
【0036】一方、弁棒41がノズル体33に浅く挿入
された図1の状態では、燃料制御弁39および空気制御
弁40によって燃料噴出孔37a,37bおよび空気導
入孔31a,31bが開となり、導入されたパイロット
燃料の一部は燃料噴出孔37a,37bから予混合室3
8に噴出され、この噴出燃料は、空気導入孔31a,3
1bから導入された多量の空気と混合して稀薄予混合ガ
スとなる。なお、空気は羽根35によって旋回状態とな
るので、前記の予混合は効率よく行われる。この稀薄予
混合ガスが空気噴出口32から燃焼室22内に噴出して
燃焼される状態が予混合燃焼である。なお、本実施例で
は、ノズル体33先端の燃料噴出口36は常時開放し、
予混合燃焼状態においても拡散燃焼は行われる。
【0037】しかして、着火時は弁棒41をノズル体3
3内に深い挿入位置に設定し、パイロット燃料のみを供
給して第一段燃焼のうちの拡散燃焼を行う。その後、次
第に弁棒41を開方向に移動してゆく。これにより、一
定負荷まで上昇した位置で、パイロット燃料予混合燃焼
に切替わる。さらに負荷が上昇した後は、従来と同様に
メイン燃料の予混合燃料に切替わる。
【0038】図3は本実施例によるガスタービン燃焼器
の各燃焼状態における負荷と燃料流量との関係を示して
いる。同図において、実線FT はトータル燃料、一点鎖
線FM はメイン燃料、破線FP はトータルパイロット燃
料(FP1+FP2+FP3)である。トータルパイロット燃
料FP のうち、FP1は拡散燃焼用パイロット燃料、FP2
およびFP3は予混合燃焼用パイロット燃料で、各燃料噴
出口37a,37bが順次に開となった場合をそれぞれ
示す。
【0039】同図に示すように、第一段燃焼における拡
散燃焼用パイロット燃料FP1の供給量は着火後しばらく
増大するが、拡散燃焼用パイロット燃料FP1,FP2の供
給とともに暫減する。トータルパイロット燃料FP は、
しばらく増加した後、メイン燃料FM の供給とともに減
少し、その後定常負荷まで暫増する。
【0040】本実施例によれば、NOx 発生原因となる第
一段燃焼におけるパイロット燃料の拡散燃焼を、パイロ
ット燃料予混合燃焼の加味によって比較的早い時期に減
少させることができる。すなわち、パイロット燃料の拡
散燃焼を最小限にし、パイロット燃料稀薄予混合燃焼お
よび第二段燃焼におけるメイン燃料稀薄予混合燃焼を増
大させることができる。したがって、稀薄予混合燃焼運
転域を広くし、拡散燃焼用燃料流量を低減することによ
り、NOx の発生量を減少することができる。
【0041】図4は、本実施例によるガスタービン燃焼
器の計測データに基づく負荷上昇と排ガスNOx との関係
を示している。同図から本実施例の場合(実線)は、従
来例(破線)に比してNOx 発生量が大幅に減少している
ことが分かる。
【0042】すなわち、本実施例によれば、着火時にパ
イロット燃料の拡散燃焼を行い、その後負荷に応じたパ
イロット燃料の稀薄予混合燃焼を行うというように、第
一段燃焼において拡散燃焼だけでなくパイロット燃料の
稀薄予混合燃焼も行えるようになるので、拡散燃焼量の
低減が可能となり、第一段燃焼から第二段燃焼に亘る稀
薄予混合燃焼運転域の拡大により、良好な燃焼効率を得
ながら、NOx の低減が図れる。
【0043】また、第一段燃焼におけるパイロット燃料
の拡散燃焼と稀薄予混合燃焼とにおいて、それぞれ燃料
供給量および空気供給量の制御を行えるので、負荷に応
じた最適な燃空比が設定できるようになり、これによっ
ても良好な燃焼効率と低NOx化が図れる。しかも、第一
段燃焼部23を同一スワラ25内に構成し、拡散燃焼時
の空気噴出と稀薄予混合燃焼時の空気混合燃料噴出とが
同一部位で行えるようにしたので、第一段燃焼としての
拡散燃焼から稀薄予混合燃焼への移行がスムーズに行え
るとともに、構成のコンパクト化が図れる。さらに、燃
料制御弁39および空気制御弁40を一体的に構成した
ので、部品点数の減少および駆動機構の簡素化が図れる
と同時に、操作の簡便化ならびに制御の確実性も図れ
る。
【0044】図5は本発明の他の実施例を示している。
【0045】本実施例が前記一実施例と異なる点は、第
一段燃焼の際に拡散燃焼からパイロット燃料予混合燃焼
に完全切替えを行うようにした点にある。すなわち、図
5に示すように、本実施例では、ノズル体33内に、拡
散燃焼用の燃料噴出口36に望む燃料室61と、この燃
料室61に切替え通路62を介して連通する上流側燃焼
室63とが設けられ、また弁棒41には、上流側燃焼室
63と連通し得る燃料供給口64が設けられている。そ
の他の構成については前記一実施例と略同様であるか
ら、対応する構成部分に図1と同一符号を付し、その説
明を省略する。
【0046】本実施例では、着火時に弁棒41が図5の
状態よりも燃焼室22側に移動し、その弁棒41の先端
側からなる燃料制御弁39によって予混合室38への燃
料噴出孔37a,37bが閉塞される一方、その弁棒4
1の燃料供給口36が上流側燃料室63に連通し、パイ
ロット燃料が切替え通路62および燃料室61を介して
燃料噴出口36から噴出し、拡散燃焼が行われる。
【0047】その後、負荷が上昇するに伴い、弁棒41
が反燃焼室側に移動し、これによって燃料供給口64が
徐閉するとともに、燃料噴出孔31a,31bが開放さ
れ、第一段燃焼において拡散燃焼から図5に示す稀薄予
混合燃焼に完全に切替わる。
【0048】図6は本実施例による燃焼器負荷と各燃料
の流量との関係を示す。同図に示すように、第一段燃焼
において拡散燃焼からパイロット燃料予混合燃焼に切替
わる。
【0049】このような本実施例の構成によれば、NOx
発生原因となる第一段燃焼におけるパイロット燃料の拡
散燃焼を、パイロット燃料予混合燃焼に切替えることに
より、パイロット燃料の拡散燃焼を最小限にすることが
できる。したがって、パイロット燃料稀薄予混合燃焼お
よび第二段燃焼におけるメイン燃料稀薄予混合燃焼を一
層増大させることができ、稀薄予混合燃焼運転域を広く
し、拡散燃焼用燃料流量を低減することにより、NOx の
発生量を減少することができる。
【0050】なお、本発明は以上の各実施例の構成に限
らず、第一段燃焼における燃料と燃焼空気との流量割
合、および流量変化の構造と弁機構、各吐出口の位置や
配列、弁棒の駆動機構等について、種々変更することが
できる。例えば、パイロット燃料予混合用の予混合室を
軸方向に長くし、燃料と燃焼用空気との予混合が高乱流
により十分に行われるようにする等が可能である。
【0051】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、第一段燃焼において拡散燃焼だけでなくパイロット
燃料の稀薄予混合燃焼も行えるようにしたので、拡散燃
焼量の低減が可能となり、第一段燃焼から第二段燃焼に
亘る稀薄予混合燃焼運転域の拡大により、良好な燃焼効
率を得ながら、NOx の低減が図れるようになる。また、
第一段燃焼におけるパイロット燃料の拡散燃焼と稀薄予
混合燃焼とにおいて、それぞれ燃料供給量および空気供
給量の制御を行うことにより、負荷に応じた最適な燃空
比が設定できる。しかも、第一段燃焼部を同一スワラで
構成し、拡散燃焼時の空気噴出と稀薄予混合燃焼時の空
気混合燃料噴出とが同一部位で行えるようにすること
で、第一段燃焼としての拡散燃焼から稀薄予混合燃焼へ
の移行がスムーズに行えるとともに、構成のコンパクト
化が図れる。さらに、燃料制御弁および空気制御弁を一
体構成とすることにより、部品点数の減少および駆動機
構の簡素化が図れると同時に、操作の簡便化ならびに制
御の確実性も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、第一段燃焼部
の要部構成図。
【図2】同実施例における系統構成図。
【図3】同実施例における燃焼時の燃料流量とガスター
ビン負荷との関係を示す図。
【図4】同実施例におけるNOx 発生量とガスタービン負
荷との関係を示す図。
【図5】本発明の他の実施例を示すもので、第一段燃焼
部の要部構成図。
【図6】同実施例における燃料流量とガスタービン負荷
との関係を示す図。
【図7】従来例を示す全体構成図。
【図8】従来例における燃料流量とガスタービン負荷と
の関係を示す図。
【図9】従来例におけるNOx 発生量とガスタービン負荷
との関係を示す図。
【符号の説明】
21 ライナ 22 燃焼室 23 第一段燃焼部 24 第二段燃焼部 25 スワラ 26 空気供給管 27 パイロット燃料供給管 28 通気ガイド 29 メイン燃料供給管 31a,31b 空気流入孔 32 空気噴出口 33 ノズル体 34 空気通路 35 羽根 36 パイロット燃料噴出口 37a,37b 燃料噴出孔 38 予混合室 39 燃料制御弁 40 空気制御弁 41 弁棒 44 アクチュエータ 50 拡散燃焼機構 51 パイロット燃料予混合燃焼機構 52 制御機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の燃焼室に、パイロット燃料の拡散
    燃焼用の第一段燃焼部と、メイン燃料の稀薄予混合燃焼
    用の第二段燃焼部とを設けたガスタービン燃焼器におい
    て、前記第一段燃焼部は、パイロット燃料の稀薄予混合
    燃焼を行なわせるパイロット燃料予混合燃焼機構を有す
    ることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】 筒状の燃焼室に、パイロット燃料の拡散
    燃焼用の第一段燃焼部と、メイン燃料の稀薄予混合燃焼
    用の第二段燃焼部とを設けたガスタービン燃焼器におい
    て、前記第一段燃焼部は、パイロット燃料と燃焼用空気
    とを予混合して燃焼させるパイロット燃料予混合燃焼機
    構を有するとともに、拡散燃焼およびパイロット燃料予
    混合燃焼を制御する制御機構を有することを特徴とする
    ガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のガスタービン燃焼器に
    おいて、第一段燃焼部は、先端に空気噴出口を有すると
    ともに周壁に空気導入孔を有するスワラと、このスワラ
    の内部に同軸的に配置され先端にパイロット燃料噴出口
    を有する筒状のノズル体とを有する構成とし、パイロッ
    ト燃料予混合燃焼機構は、前記ノズル体の周壁に穿設さ
    れ前記スワラ内にパイロット燃料を噴出する燃料噴出孔
    と、前記スワラ内でパイロット燃料・空気の稀薄予混合
    を行なわせる予混合室とを有する構成とし、かつ制御機
    構は、前記ノズル体の燃料噴出孔の開度を制御する燃料
    制御弁と、前記スワラの空気導入孔の開度を制御する空
    気制御弁とを有する構成としたことを特徴とするガスタ
    ービン燃焼器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のガスタービン燃焼器に
    おいて、制御機構は、燃料制御弁および空気制御弁を一
    体的に有しノズル体の内部で軸方向に往復動可能とされ
    た弁棒と、この弁棒を駆動するアクチュエータとを備え
    たことを特徴とするガスタービン燃焼器。
JP690693A 1993-01-19 1993-01-19 ガスタービン燃焼器 Pending JPH06213457A (ja)

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