JP3488934B2 - ガスタービンの燃焼器 - Google Patents

ガスタービンの燃焼器

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JP3488934B2
JP3488934B2 JP32846694A JP32846694A JP3488934B2 JP 3488934 B2 JP3488934 B2 JP 3488934B2 JP 32846694 A JP32846694 A JP 32846694A JP 32846694 A JP32846694 A JP 32846694A JP 3488934 B2 JP3488934 B2 JP 3488934B2
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air
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fuel mixture
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浩之 市川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンエンジン
の燃焼器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジン(以下ガスタービ
ン)の燃焼器では、均一な混合気を得るために予混合室
を備えたものが知られている(特開昭60−11700
8号公報参照)。
【0003】これについて説明すると、図6に示すよう
に、ケーシング4の内周には断熱部材3を介して筒状の
燃焼室2が形成されるとともに、この燃焼室2へ混合気
を供給する筒状の予混合室1と、予混合室1へ図示しな
い熱交換器あるいは圧縮機からの加圧空気を導入する高
圧空気通路16がそれぞれ形成される。
【0004】高圧空気通路16から予混合室1へ流入し
た加圧空気はスワーラ15で旋回を付与された後、主燃
料噴射弁10から噴射された燃料と混合される。予混合
室1は筒状の燃焼室2とほぼ平行に配設されるととも
に、連通路5を介して予混合室1は燃焼室2の上流と連
通する。
【0005】連通路5は燃焼室2の基端において孔部6
Aを備えたバッフル板6を介して画成されており、この
燃焼室2の基端には内部に補助燃料噴射弁9を収装した
筒状の保炎器7が燃焼室2とほぼ同軸的に配設され、端
部7Aがバッフル板6に形成された孔部6Aへ挿通され
る。
【0006】そして、この保炎器7はガイド17を介し
て軸方向へ変位可能にケーシング4で支持されるととも
に、図示しない駆動手段によって端部7Aがバッフル板
6に形成された孔部6Aから燃焼室2の内部に突出する
方向へ駆動される。
【0007】保炎器7の外壁とバッフル板6の孔部6A
との間には所定の間隙で構成された環状ノズル8が形成
され、この環状ノズル8に面した保炎器7の端部7Aの
外周にはテーパー状に広がるテーパー部70が形成され
ており、保炎器7の軸方向の位置に応じて環状ノズル8
の断面積、すなわち、燃焼室2へ流入する混合気の流路
断面積を運転負荷に応じて変化させ、連通路5から燃焼
室2へ吹き出す混合気の空気配分率を変化させる。
【0008】予混合室1からの混合気は保炎器7とバッ
フル板6との間の環状ノズル8から燃焼室2へ導入さ
れ、連通路5は燃焼室2の内周に沿うように燃焼室2の
軸に対してオフセットされて配設されて、連通路5を通
過する混合気は保炎器7を中心として燃焼室2の内壁に
沿う旋回流となり、燃焼室2内の火炎は保炎器7の端部
7Aを起点とするコーン状の火炎を形成する。
【0009】さらに希釈筒13に開口した希釈口12か
ら流入した空気で燃焼ガス温度を下げた後、スクロール
入口14を介して図示しないタービンへ流入する。
【0010】このような、ガスタービンの燃焼器として
は、上記の他に、ASME PAPER 78−GT−
155(1978年4月9日発行)に開示されるものが
知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃焼室2に
おける燃焼の安定性は、環状ノズル8から燃焼室2へ流
入する混合気の流速のみに依存とすると従来から考えら
れていたため、低負荷時などでは環状ノズル8の断面積
を縮小すれば燃焼安定性を改善可能と考えられた。
【0012】しかしながら、このような従来のガスター
ビンの燃焼器にあっては、環状ノズル8からの吹き出し
流速を増大しても燃焼安定性は改善されず、特に、運転
負荷が低い状況では燃焼室2へ流入する混合気の流量が
低下するのに伴って、連通路5からの混合気の旋回も低
下するため、充分な保炎効果が得られずに燃焼が不安定
になる場合があった。
【0013】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、燃焼室へ流入する混合気の流速に加えて、
混合気の旋回を制御することで負荷にかかわらず安定し
た燃焼が可能なガスタービンの燃焼器を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、加圧空気
を導入する高圧空気通路と、主燃料噴射弁を備えて前記
高圧空気通路からの加圧空気と燃料とを混合する予混合
室と、燃焼室と予混合室とを連通するとともに、混合気
に所定の方向の旋回流を付与する連通路と、前記連通路
が燃焼室に開口する孔部と、この孔部に挿通可能かつ、
燃焼室の内部へ向けて変位可能に支持されるとともに、
筒状部材で形成された保炎器と、前記孔部と保炎器との
間に形成された環状ノズルとを備えたガスタービンの燃
焼器において、前記保炎器の外周に形成されて混合気に
所定の方向の旋回を付与するとともに、孔部の内周と接
離可能なスワーラとを備え、前記スワーラは、連通路が
混合気に付与する旋回方向とは逆方向へ混合気に旋回を
付与する。
【0015】 また、第2の発明は、加圧空気を導入す
る高圧空気通路と、主燃料噴射弁を備えて前記高圧空気
通路からの加圧空気と燃料とを混合する予混合室と、燃
焼室と予混合室とを連通するとともに、混合気に所定の
方向の旋回流を付与する連通路と、前記連通路が燃焼室
に開口する孔部と、この孔部に挿通可能かつ、燃焼室の
内部へ向けた軸方向へ変位可能に支持されるとともに、
筒状部材で形成された保炎器と、この保炎器の燃焼室側
の端部に形成されて燃焼室に向けて外径を拡大するテー
パー部と、前記孔部と保炎器のテーパー部との間に形成
された環状ノズルとを備えたガスタービンの燃焼器にお
いて、前記孔部の内周に形成されて混合気に所定の方向
の旋回を付与するとともに、保炎器のテーパー部の外周
と接離可能なスワーラとを備え、前記スワーラは、連通
路が混合気に付与する旋回方向とは逆方向へ混合気に旋
回を付与する。
【0016】 また、第3の発明は、前記第1または第
2の発明において、前記スワーラは、所定の間隔で配設
された翼で形成されるとともに、前記翼を所定の角度で
配設される。
【0017】また、第4の発明は、前記第1ないし第3
の発明のいずれかひとつにおいて、前記保炎器は、ガス
タービンの負荷に応じて伸縮駆動する手段を備えて、高
負荷時では保炎器を燃焼室へ向けて伸長駆動して環状ノ
ズルの流路断面積を拡大する一方、低負荷時では保炎器
を収縮駆動して環状ノズルを閉鎖する。
【0018】
【作用】したがって、第1の発明は、高圧空気通路から
予混合室へ流入した混合気は主燃料噴射弁からの燃料と
混合されて連通路へ導かれ、混合気は連通路によって所
定の方向の旋回を付与されて、旋回流となって孔部と保
炎器の間の環状ノズルから燃焼室へ流入する。燃焼室へ
向けた軸方向へ変位可能な保炎器を、ガスタービンの高
負荷時では最伸長位置に変位させて孔部内周とスワーラ
との間の環状ノズルの流路断面積を最大にして、連通路
に応じた旋回方向で混合気を燃焼室へ導く一方、低負荷
時では保炎器を収縮させてスワーラを孔部内周に当接さ
せて環状ノズルを閉鎖して、流路断面積を縮小するとと
もに、スワーラが付与する旋回方向に応じて混合気を旋
回させて燃焼室へ導き、流量が低下する低負荷時におい
て、混合気の流速を増大させるとともに、確実に旋回を
付与することで安定した火炎を形成する。そして、環状
ノズルの閉鎖時には連通路からの混合気がスワーラによ
って連通路が付与する旋回方向とは逆方向へ旋回を付与
され、流量の少ない低負荷時において、混合気の流速を
高めながら確実に旋回を付与して安定した火炎を形成す
るとともに、環状ノズルを開放する高負荷時において
は、連通路によって旋回を付与された混合気は、この旋
回方向と逆に旋回を付与するスワーラの影響を受ける可
能性が低いため、連通路に付与された旋回流を乱すこと
はなく、常時安定した火炎を形成することが可能とな
る。
【0019】 また、第2の発明は、予混合室からの混
合気は連通路によって所定の方向の旋回を付与されて、
旋回流となって保炎器のテーパー部と孔部に形成された
スワーラとの間の環状ノズルから燃焼室へ流入する。燃
焼室へ向けた軸方向へ変位可能な保炎器を、ガスタービ
ンの高負荷時では最伸長位置に変位させてテーパー部外
周とスワーラとの間の環状ノズルの流路断面積を最大に
して、連通路に応じた旋回方向で混合気を燃焼室へ導く
一方、低負荷時では保炎器を収縮させてテーパー部をス
ワーラ内周に当接させて環状ノズルを閉鎖して、流路断
面積を縮小するとともに、スワーラが付与する旋回方向
に応じて混合気を旋回させて燃焼室へ導き、流量が低下
する低負荷時において、混合気の流速を増大させるとと
もに、確実に旋回を付与することで安定した火炎を形成
する。そして、環状ノズルの閉鎖時には連通路からの混
合気がスワーラによって連通路が付与する旋回方向とは
逆方向へ旋回を付与され、流量の少ない低負荷時におい
て、混合気の流速を高めながら確実に旋回を付与して安
定した火炎を形成するとともに、環状ノズルを開放する
高負荷時においては、連通路によって旋回を付与された
混合気は、この旋回方向と逆に旋回を付与するスワーラ
の影響を受ける可能性が低いため、連通路に付与された
旋回流を乱すことはなく、常時安定した火炎を形成する
ことが可能となる。
【0020】また、第3の発明は、環状ノズルの閉鎖時
には連通路からの混合気はスワーラの翼と翼の間から燃
焼室へ流入し、このとき、連通路が付与する旋回方向と
は逆方向へ各翼が混合気に旋回を付与し、流量の少ない
低負荷時において、混合気の流速を高めながら確実に旋
回を付与して安定した火炎を形成するとともに、環状ノ
ズルを開放する高負荷時においては、連通路によって旋
回を付与された混合気は、この旋回方向と逆の旋回方向
へ向けられた翼間に流入する可能性が低いため、連通路
に付与された旋回流を乱すことはなく、常時安定した火
炎を形成することが可能となる。
【0021】また、第4の発明は、前記保炎器をガスタ
ービンの負荷に応じて伸縮駆動するため、燃焼室へ流入
する混合気は、高負荷時では連通路によって旋回を付与
される一方、低負荷時ではスワーラによって旋回を付与
されて、負荷変動に拘わらず常時安定した火炎を形成す
ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0023】図1において、ケーシング4の内周には断
熱部材3を介して円筒状の燃焼室2と、燃焼室2へ混合
気を供給する筒状の予混合室1及び予混合室1へ図示し
ない熱交換器等からの加圧空気を導入する高圧空気通路
16がそれぞれ形成される。
【0024】予混合室1は上流側に配設したスワーラ1
5を介して高圧空気通路16と連通すると共に、内部に
主燃料噴射弁10を備え、予混合室1の下流側は連通路
5を介して燃焼室2と連通する。
【0025】連通路5は前記従来例に示した図8と同様
にして混合気へ燃焼室2の内周に沿うような旋回を付与
するために燃焼室2の軸に対してオフセットして配設さ
れるとともに、連通路5は燃焼室2の基端においてバッ
フル板6で画成されると共に、燃焼室2と同軸的にバッ
フル板6に貫通形成された孔部6Aを介して連通路5は
燃焼室2と連通する。
【0026】連通路5は燃焼室2の基端において孔部6
Aを備えたバッフル板6及び隔壁50を介して画成され
ており、この燃焼室2の基端側には内部に補助燃料噴射
弁9を収装した筒状の保炎器7が燃焼室2とほぼ同軸的
に配設され、保炎器7の燃焼室2側の端部7Aは、バッ
フル板6に形成された孔部6Aへ挿通される。
【0027】補助燃料噴射弁9は高負荷時に燃料を増量
するもので、図示しない燃料供給手段によって選択的に
駆動されるものである。
【0028】そして、この保炎器7はガイド17を介し
て軸方向へ変位可能にケーシング4で支持されるととも
に、保炎器7の外壁は連通路5を画成する隔壁50とシ
ール18を介して摺接する。
【0029】保炎器7は燃焼室2へ向けた軸方向への変
位によって、孔部6Aに対して相対変位を行うもので、
保炎器7は図示しないし駆動手段によって軸方向へ駆動
される。
【0030】なお、駆動手段はタービンの負荷に応じて
保炎器7を伸縮駆動するもので、後述するように、低負
荷時では保炎器7を最収縮位置へ駆動する一方、高負荷
時では保炎器7を最伸長位置へ駆動する。
【0031】保炎器7とバッフル板6の孔部6Aとの間
には、保炎器7の軸方向の位置に応じた所定の間隙で構
成された環状ノズル8が形成され、この環状ノズル8に
面した保炎器7の端部7A側の外壁には燃焼室2へ向け
てテーパー状に広がるスワーラ20が形成される。
【0032】スワーラ20は図2に示すように、端部7
A側の外壁に沿って所定の間隔で配設された多数の旋回
発生翼20Aから構成され、これら旋回発生翼20A
は、保炎器7の外周へ向けて突設されるとともに、保炎
器7の軸方向に対して所定の角度θで取り付けられる。
【0033】そして、旋回発生翼20Aの取付角θは、
連通路5が混合気に付与する旋回方向とは逆になる所定
の角度に設定され、例えば、スワーラ20を通過する混
合気のスワールナンバーにして約0.1〜1.0に設定
される。
【0034】このスワールナンバーは、図7に示すよう
に、軸を中心に速度Vで旋回する流体の任意の点aにお
いて、この流体の軸方向の速度成分Vxと、周方向の速
度成分Vθの比で表されるもので、スワールナンバーを
Sとすると、 S=Vθ/Vx で表現される。
【0035】スワーラ20は保炎器7の最収縮位置にお
いて、外周の少なくとも一部が孔部6Aと当接可能な外
径に形成されるとともに、この保炎器7の最収縮位置で
は環状ノズル8は閉鎖されるが、スワーラ20の旋回発
生翼20A、20Aの間を介して連通路5と燃焼室2は
連通し、最小の流路断面積で連通路5の混合気を燃焼室
2へ導くのである。
【0036】一方、保炎器7の最伸長位置では端部7A
が所定量だけ燃焼室2へ向けて変位し、スワーラ20と
孔部6Aとの間隙は最大となって環状ノズル8の流路断
面積は最大値となる。
【0037】燃焼室2に面した所定の位置には点火せん
11が配設され、この燃焼室2の下流側には複数の希釈
口12を備えた希釈筒13が嵌合するとともに、希釈口
12は高圧空気通路16と連通して希釈用の加圧空気を
導入する。
【0038】そして、この希釈筒13は下流に結合した
スクロール入口14を介して図示しないタービンと連通
する。
【0039】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0040】図示しない熱交換器から圧送された加圧空
気の一部は高圧空気通路16からスワーラ15を介して
予混合室1へ導かれ、ここで主燃料噴射弁10から噴射
された燃料と混合して混合気となり、この混合気は連通
路5を経て導かれることにより保炎器7を中心とする旋
回流となり、バッフル板6の孔部6Aと保炎器7との間
の環状ノズル8から燃焼室2へ旋回しながら導入され
る。
【0041】こうして燃焼室2へ導かれた混合気は、高
負荷時では補助燃料噴射弁9から噴射される燃料とさら
に混合しながら燃焼室2で燃焼し、希釈筒13に開口し
た希釈口12から流入した空気で燃焼ガス温度を下げた
後、スクロール入口14を介して図示しないタービンへ
流入して圧縮機及び負荷を駆動する。
【0042】ここで、環状ノズル8の流路断面積はター
ビンの負荷に応じて変更され、中高負荷時では図3に示
すように、図示しない駆動手段は保炎器7を燃焼室2へ
向けて伸長させ、スワーラ20と孔部6Aの間に所定の
間隙を形成して環状ノズル8の流路断面積を増大する一
方、低負荷時においては図4に示すように、駆動手段は
保炎器7を収縮駆動して、スワーラ20の外周が孔部6
Aに当接する最収縮位置へ変位させて環状ノズル8を閉
鎖し、孔部6Aに当接したスワーラ20の旋回発生翼2
0Aの間から混合気を噴射する。
【0043】環状ノズル8を通過する混合気の流量が充
分な中、高負荷時では、予混合室1から導かれる混合気
は燃焼室2の軸に対してオフセットされた連通路5を通
過することにより所定の方向の旋回流となって環状ノズ
ル8から燃焼室2へ導かれて燃焼する。
【0044】このとき、環状ノズル8から燃焼室2へ流
入する混合気は、連通路5によってスワーラ20の旋回
発生翼20Aの案内方向とは逆の旋回を付与されるが、
混合気の流量、流速が大きいため充分な旋回を付与さ
れ、環状ノズル8の外周、すなわち、孔部6Aに沿って
燃焼室2へ流入する一方、混合気は連通路5の旋回方向
とは逆に向けられた旋回発生翼20A、20Aの間にほ
とんど流入することがなく、また、流入した混合気は連
通路5の旋回方向とは逆方向に向けられるため、連通路
5によって付与された旋回流を乱すことなく円滑に燃焼
室2へ流入でき、安定した火炎を形成することができ
る。
【0045】一方、連通路5において混合気の流量及び
流速が低下する低負荷時では、図4に示すように、保炎
器7が最収縮位置へ駆動されて、環状ノズル8は閉鎖さ
れ、スワーラ20の旋回発生翼20Aの間から連通路5
の混合気は燃焼室2へ案内される。
【0046】このとき、連通路5と燃焼室2の間の流路
断面積は最小となるのに加えて、連通路5が混合気に付
与する旋回方向とは逆方向に向けて配設された旋回発生
翼20Aによって、連通路5から燃焼室2へ流入する混
合気はスワーラ20の旋回発生翼20Aに応じた旋回流
となり、さらに縮小した流路断面積によって流速を増大
させることで、安定した火炎を形成することができ、低
負荷時における燃焼の安定性を確保することが可能とな
り、さらに、中、高負荷時では前記従来例と同様に連通
路5による旋回流によって燃焼の安定性を向上すること
ができるのである。
【0047】こうして、外周にスワーラ20を形成した
保炎器7を、タービンの負荷に応じてバッフル板6の後
部6Aに対して相対変位させ、環状ノズル8の流路断面
積を変更して混合気の流量に応じて流速を制御するとと
もに、中、高負荷時では連通路5によって混合気に旋回
を付与する一方、低負荷時にはスワーラ20によって旋
回を付与するようにしたため、負荷の変動にかかわらず
安定した火炎を形成して、安定した燃焼を確保すること
ができ、旋回発生翼20Aを連通路5の旋回方向とは逆
方向の所定の角度θで取り付けたため、中、高負荷時の
旋回流は旋回発生翼20A間に流入する確立は低くなっ
て連通路5に付与された旋回流を偏向することがなくな
って、負荷に応じた旋回流を効率良く発生することがで
き、燃焼室2に常時安定した火炎を形成してガスタービ
ンの安定性を向上させることができるのである。
【0048】図5は第2の実施例を示し、前記第1実施
例におけるスワーラ20をバッフル板6の孔部6A側に
設けたスワーラ21とし、保炎器7の端部7A側の外壁
を燃焼室2へ向けて拡大するテーパー部70としたもの
で、その他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0049】スワーラ21は、前記第1実施例と同様に
図示しない旋回発生翼を孔部6Aの内周に所定の間隔で
保炎器7に向けて突設するとともに、前記第1実施例の
旋回発生翼20Aと同様に連通路5の旋回付与方向とは
逆方向へ混合気に旋回を付与する所定の取付角度θに設
定されるものである。
【0050】スワーラ21の内周と保炎器7の外壁との
間に環状ノズル8が形成され、この環状ノズル8は保炎
器7の最収縮位置で閉鎖される一方、保炎器7の最伸長
位置で流路断面積を最大にする。
【0051】前記第1実施例と同様に、タービンの中、
高負荷時には保炎器7は最伸長位置に駆動され、環状ノ
ズル8から連通路5に応じて旋回を付与された混合気を
燃焼室2へ導いて、安定した燃焼を確保し、スワーラ2
1は前記第1実施例と同様に連通路5の旋回方向とは逆
方向に向けた旋回発生翼を備えるため、中、高負荷時の
混合気の流入を抑制して旋回流を乱すことがなく、円滑
に火炎を形成することができるのである。
【0052】一方、タービンの低負荷時では保炎器7を
最収縮位置へ駆動して端部7A側のテーパー部70をス
ワーラ21の内周に当接させて、環状ノズル8を閉鎖し
て流路断面積を縮小して流速を増大させるとともに、ス
ワーラ21の図示しない旋回発生翼で連通路5とは逆方
向に向けて混合気に旋回を付与することで、流速の増大
と旋回の付与を確実に行って、低負荷時においても安定
した燃焼を確保することができ、負荷に応じて保炎器7
を孔部6Aに対して相対変位させることで、環状ノズル
8を通過する混合気に、流量に応じた流速と旋回を付与
することができ、負荷の変動にかかわらず燃焼を安定さ
せることが可能となるのである。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、加圧
空気を導入する高圧空気通路と、主燃料噴射弁を備えて
前記高圧空気通路からの加圧空気と燃料とを混合する予
混合室と、燃焼室と予混合室とを連通するとともに、混
合気に所定の方向の旋回流を付与する連通路と、前記連
通路が燃焼室に開口する孔部と、この孔部に挿通可能か
つ、燃焼室の内部へ向けて変位可能に支持されるととも
に、筒状部材で形成された保炎器と、前記孔部と保炎器
との間に形成された環状ノズルとを備えたガスタービン
の燃焼器において、前記保炎器の外周に形成されて混合
気に所定の方向の旋回を付与するとともに、孔部の内周
と接離可能なスワーラとを備え、保炎器の軸方向への伸
縮に応じて、流路断面積を変更するとともに、混合気に
付与する旋回方向を切り換えることが可能となり、ガス
タービンの低負荷時に保炎器を収縮させてスワーラを孔
部内周に当接させて環状ノズルを閉鎖すれば、流路断面
積を縮小するとともに、スワーラが付与する旋回方向に
応じて混合気を旋回させることが可能となって、流量が
低下する低負荷時において、混合気の流速を増大させる
とともに、確実に旋回を付与することで安定した火炎を
形成し、ガスタービンの安定性を向上させることが可能
となるのである。さらに、環状ノズルの閉鎖時には連通
路からの混合気がスワーラによって連通路が付与する旋
回方向とは逆方向へ旋回を付与され、流量の少ない低負
荷時において、混合気の流速を高めながら確実に旋回を
付与して安定した火炎を形成するとともに、環状ノズル
を開放する高負荷時においては、連通路によって旋回を
付与された混合気は、この旋回方向と逆に旋回を付与す
るスワーラの影響を受ける可能性が低いため、連通路に
付与された旋回流を乱すことはなく、常時安定した火炎
を形成することが可能となる。
【0054】 また、第2の発明は、加圧空気を導入す
る高圧空気通路と、主燃料噴射弁を備えて前記高圧空気
通路からの加圧空気と燃料とを混合する予混合室と、燃
焼室と予混合室とを連通するとともに、混合気に所定の
方向の旋回流を付与する連通路と、前記連通路が燃焼室
に開口する孔部と、この孔部に挿通可能かつ、燃焼室の
内部へ向けた軸方向へ変位可能に支持されるとともに、
筒状部材で形成された保炎器と、この保炎器の燃焼室側
の端部に形成されて燃焼室に向けて外径を拡大するテー
パー部と、前記孔部と保炎器のテーパー部との間に形成
された環状ノズルとを備えたガスタービンの燃焼器にお
いて、前記孔部の内周に形成されて混合気に所定の方向
の旋回を付与するとともに、保炎器のテーパー部の外周
と接離可能なスワーラとを備え、保炎器の軸方向への伸
縮に応じて、流路断面積を変更するとともに、混合気に
付与する旋回方向を切り換えることが可能となり、ガス
タービンの低負荷時に保炎器を収縮させてテーパー部を
スワーラ内周に当接させて環状ノズルを閉鎖すれば、流
路断面積を縮小するとともに、スワーラが付与する旋回
方向に応じて混合気を旋回させることが可能となって、
流量が低下する低負荷時において、混合気の流速を増大
させるとともに、確実に旋回を付与することで安定した
火炎を形成し、ガスタービンの安定性を向上させること
が可能となるのである。さらに、環状ノズルの閉鎖時に
は連通路からの混合気がスワーラによって連通路が付与
する旋回方向とは逆方向へ旋回を付与され、流量の少な
い低負荷時において、混合気の流速を高めながら確実に
旋回を付与して安定した火炎を形成するとともに、環状
ノズルを開放する高負荷時においては、連通路によって
旋回を付与された混合気は、この旋回方向と逆に旋回を
付与するスワーラの影響を受ける可能性が低いため、連
通路に付与された旋回流を乱すことはなく、常時安定し
た火炎を形成することが可能となる。
【0055】また、第3の発明は、前記スワーラは、所
定の間隔で配設された翼で形成されるとともに、連通路
が混合気に付与する旋回方向とは逆方向へ混合気に旋回
を付与するように前記翼を所定の角度で配設され、環状
ノズルの閉鎖時には連通路からの混合気を翼と翼の間か
ら燃焼室へ流入させるとともに、翼の取付角度に応じて
連通路とは逆方向の旋回を付与することで、流量の低い
低負荷時においても混合気の流速を高めながら確実に旋
回を付与して安定した火炎を形成することが可能となる
とももに、中、高負荷時の混合気は連通路の旋回方向と
は逆方向に向けられた翼間に流入しにくいため、連通路
で付与された旋回を乱すことはなく、負荷に拘わらずガ
スタービンの安定性を向上させることができる。
【0056】また、第4の発明は、前記保炎器は、ガス
タービンの負荷に応じて伸縮駆動する手段を備えて、高
負荷時では保炎器を燃焼室へ向けて伸長駆動して環状ノ
ズルの流路断面積を拡大する一方、低負荷時では保炎器
を収縮駆動して環状ノズルを閉鎖し、燃焼室へ流入する
混合気は、高負荷時では連通路によって旋回を付与され
る一方、低負荷時ではスワーラによって旋回を付与され
て、負荷にかかわらず常時安定した火炎を形成して、ガ
スタービンの安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す燃焼器の断面図である。
【図2】同じくスワーラと環状ノズルの関係を示す拡大
図である。
【図3】中、高負荷時におけるスワーラと環状ノズルの
関係を示す拡大図である。
【図4】低負荷時におけるスワーラと環状ノズルの関係
を示す拡大図である。
【図5】第2の実施例を示す保炎器の断面拡大図であ
る。
【図6】従来の例を示す燃焼器の断面図である。
【図7】旋回流を示す説明図である。
【符号の説明】
1 予混合室 2 燃焼室 5 連通路 6 バッフル板 6A 孔部 7 保炎器 8 環状ノズル 10 主燃料噴射弁 16 高圧空気通路 20 スワーラ 21 スワーラ 70 テーパー部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加圧空気を導入する高圧空気通路と、 主燃料噴射弁を備えて前記高圧空気通路からの加圧空気
    と燃料とを混合する予混合室と、 燃焼室と予混合室とを連通するとともに、混合気に所定
    の方向の旋回流を付与する連通路と、 前記連通路が燃焼室に開口する孔部と、 この孔部に挿通可能かつ、燃焼室の内部へ向けて変位可
    能に支持されるとともに、筒状部材で形成された保炎器
    と、 前記孔部と保炎器との間に形成された環状ノズルとを備
    えたガスタービンの燃焼器において、 前記保炎器の外周に形成されて混合気に所定の方向の旋
    回を付与するとともに、孔部の内周と接離可能なスワー
    ラとを備え 前記スワーラは、連通路が混合気に付与する旋回方向と
    は逆方向へ混合気に旋回を付与するようにし たことを特
    徴とするガスタービンの燃焼器。
  2. 【請求項2】加圧空気を導入する高圧空気通路と、 主燃料噴射弁を備えて前記高圧空気通路からの加圧空気
    と燃料とを混合する予混合室と、 燃焼室と予混合室とを連通するとともに、混合気に所定
    の方向の旋回流を付与する連通路と、 前記連通路が燃焼室に開口する孔部と、 この孔部に挿通可能かつ、燃焼室の内部へ向けた軸方向
    へ変位可能に支持されるとともに、筒状部材で形成され
    た保炎器と、 この保炎器の燃焼室側の端部に形成されて燃焼室に向け
    て外径を拡大するテーパー部と、 前記孔部と保炎器のテーパー部との間に形成された環状
    ノズルとを備えたガスタービンの燃焼器において、 前記孔部の内周に形成されて混合気に所定の方向の旋回
    を付与するとともに、保炎器のテーパー部の外周と接離
    可能なスワーラとを備え 前記スワーラは、連通路が混合気に付与する旋回方向と
    は逆方向へ混合気に旋回を付与するようにし たことを特
    徴とするガスタービンの燃焼器。
  3. 【請求項3】前記スワーラは、所定の間隔で配設された
    翼で形成されるとともに、前記翼を所定の角度で配設し
    たことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガ
    スタービンの燃焼器。
  4. 【請求項4】 前記保炎器は、ガスタービンの負荷に応
    じて伸縮駆動する手段を備えて、高負荷時では保炎器を
    燃焼室へ向けて伸長駆動して環状ノズルの流路断面積を
    拡大する一方、低負荷時では保炎器を収縮駆動して環状
    ノズルを閉鎖することを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかひとつに記載のガスタービンの燃焼器。
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