JP2666117B2 - 予蒸発予混合燃焼器 - Google Patents

予蒸発予混合燃焼器

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JP2666117B2
JP2666117B2 JP15175494A JP15175494A JP2666117B2 JP 2666117 B2 JP2666117 B2 JP 2666117B2 JP 15175494 A JP15175494 A JP 15175494A JP 15175494 A JP15175494 A JP 15175494A JP 2666117 B2 JP2666117 B2 JP 2666117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてガスタービン
に用いられる予蒸発予混合燃焼器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の予蒸発予混合燃焼器は図8で示す
ように、プライマリ燃料噴射弁14から噴射した燃料を
スワーラ13によって渦流を生成し予蒸発予混合管12
を介して導入する旋回室4と、この旋回室4と環状流路
形成部材5(オリフィス)によるスロート部11を介し
て連通する燃焼室6と、前記旋回室4内を貫通する保炎
器3を介して配置され、前記燃焼室6内に燃料を噴射す
るセカンダリ燃料噴射弁2とを備えている。
【0003】前記燃焼室6にはエクステンションライナ
7およびゾーンセパレータ8を介して希釈ライナー9が
結合されている。前記保炎器3,旋回室4,環状流路形
成部材5,燃焼室6,エクステンションライナ7,ゾー
ンセパレータ8および希釈ライナー9はすべてセラミッ
クであり、ボルト等により締め付け結合ができないた
め、これらを積み重ねて支持部材10で支持している。
1は前記支持部材10等を保持する燃焼器キャップであ
り、図略のエンジン本体に固着されている。18は点火
栓であり、着火の時のみ燃焼室6内に前進して侵入し、
着火後は後退して燃焼室6外に待機する。
【0004】前記の構成よりなるガスタービンの予混合
燃焼器は、始動時に前記点火栓18を燃焼室6内に前進
して侵入させ、セカンダリ燃料噴射弁2によって燃焼室
6内に燃料を噴射して着火する。この着火後に燃料噴射
はプライマリ燃料噴射弁14に切替えられ、点火栓18
は後退して燃焼室6外に位置させ、点火栓18を高熱に
さらされないようにする。
【0005】前記プライマリ燃料噴射弁14から噴射さ
れる燃料はスワーラ13によって渦流を生成し予蒸発予
混合管12を介して旋回室4に導入され、スロート部1
1を通過して燃焼室6内に入り、この燃焼室6内で燃焼
する。エンジンが低負荷の場合は前記プライマリ燃料噴
射弁14からの燃料噴射であるが、エンジンの負荷が上
がり、ある一定以上の高負荷になった場合は、プライマ
リ燃料噴射弁14とセカンダリ燃料噴射弁2とによって
燃料噴射を行うよう制御される。上記従来の予蒸発予混
合燃焼器では、未燃ガスやNOx等の有害ガスを低減す
ることを主眼にしている。また、二酸化炭素の排出を低
減するためにガスタービンの燃料消費量を低減すること
も重要な技術課題で、例えば文献(アメリカ機械学会論
文 93−GT−63)にあるように高効率な自動車用
ガスタービンの研究開発を進めている。
【0006】この研究等では、燃料消費量の少ない10
0kw級のガスタービンを開発しており、その燃焼器で
は燃焼すべき液体燃料の噴射流量が最低で毎秒0.2グ
ラム以下となり、非常に少量である。一方、最大噴射量
が毎秒9グラムも要求されるため、燃料噴射弁のターン
ダウン比は45以上が要求されることになり、広い流量
範囲にわたって良好な微粒化特性が要求される。
【0007】そこで、前記図8に示すように、最小燃料
流量の毎秒0.2グラム以下を実現するために単噴孔の
気流噴射弁で液体燃料を噴霧状にして燃焼器側方の一方
向から供給すると共に、予蒸発予混合部で燃料噴霧を予
め蒸発させつつ燃焼用空気と十分に混合させた後に燃焼
室に供給する予蒸発予混合燃焼器が開発されている。こ
の燃焼器では空気過剰の希薄燃焼をさせて主にNOx排
出を抑制しつつ高い燃焼効率を達成している。
【0008】また、ガスタービン用燃焼器の蓋部回りの
小型,単純化を目的として、燃料噴射弁をアクチュエー
タにより軸回りに回転させることにより、前記燃料噴射
弁の突起部に係合するスワーラ本体及び爪部を介して希
釈用空気量制御用円筒も一体に軸回りに回転させ、蒸発
用空気導入孔とスワール生成孔との重合開口面積及び希
釈用空気導入孔の重合開口面積を可変に制御して空燃比
一定の燃焼をおこなわせるようにした燃焼器が特開平4
−244512号で提供されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の前者の
予蒸発予混合燃焼器では、軽油や灯油等の比較的蒸発し
にくい液体燃料を完全に蒸発・混合するためには十分に
長い蒸発・混合距離を燃焼室の上流通路に設ける必要が
ある。このため、燃焼器全体の構造寸法が大きくなりコ
ンパクトなガスタービンには採用できない不具合があ
る。また、蒸発・混合距離が長いと予蒸発予混合通路内
で着火したり火炎が壁近傍を伝播したりする不具合があ
り、実用化が困難であった。
【0010】さらに、前記従来の予蒸発予混合燃焼器で
は、要求される燃焼器の作動条件が時間経過とともに大
きく変化するため、液体燃料を完全蒸発させつつ燃焼用
空気と完全な予混合をすることが技術的に困難であっ
た。例えば、燃焼器の全平均空燃比は75から450
に、燃焼器入口の空気温度は900℃から1100℃に
も変化する。このため、エンジン作動条件により燃焼室
に導入される予蒸発予混合気の状況は大きく変化してし
まう。
【0011】さらに、予蒸発予混合部から燃焼室に流入
する予混合気の燃料濃度と流入速度が空間的にも時間的
にも不均一を生じている。例えば、文献(平成5年度ガ
スタービン秋季講演会論文集A−14,A−15あるい
はA−16)にあるように、予蒸発予混合通路出口のス
ロート部で壁面近傍に燃料噴霧が片寄り、しかもその領
域の流速が遅いため、特に予蒸発予混合部の温度、圧力
が高い場合、容易に燃焼室内の火炎が予蒸発予混合部の
上流に逆火して、上流の構造部品を熱損傷する不具合が
ある。
【0012】または、予混合気の周方向に濃度の不均一
が発生して、スロート部の円周上のある領域では希薄に
なりすぎてしまうために火炎が燃焼室内に保持しきれな
くなって吹き飛ぶこともある。例え、予混合気の空気過
剰率が一定になるように可変機構を駆使して燃焼用空気
量を噴射燃料に対応するよう制御して火炎安定性を確保
しようとしても、予混合気の時間的・空間的な変化と不
均一のために燃焼室内に火炎を安定に保持させることが
困難であった。結果として、従来の予蒸発予混合燃焼器
では、高効率ガスタービンの運転ができない条件があっ
た。また、火炎が安定な従来の噴霧燃焼器では目標とす
る排気清浄化(例えば自動車の長期排気規制値)を達成
することが不可能に近い状況である。
【0013】比較的短い寸法あるいはコンパクトな構造
で、十分な予混合と予蒸発を達成して、均一な燃料・空
気混合気を形成させるためには、前記従来技術の後者の
燃焼器(特開平4−244512号)のように単に予蒸
発予混合通路に燃料を噴射するだけでは、旋回流が強い
と壁面に燃料が集中して燃料濃度の不均一が形成され、
十分に均一な予混合気を生成させることができず、低N
Ox燃焼を達成することができない。また、ストレート
な環状の前記予蒸発予混合通路では、通路内に2次流れ
や剥離領域が形成されて、この領域に燃料が滞留してし
まうため、この領域に火炎が形成される不具合がある。
【0014】本発明の目的は、要求される広い燃料流量
範囲(ターンダウン比45以上)で、急峻な燃料噴射量
の変化に対しても十分な液体燃料の蒸発と混合を確保す
ると共に、予蒸発予混合通路のスロート部から燃焼室に
導入される予混合気の燃料濃度と速度分布の均一化を図
り、燃焼室内の火炎が安定になる作動条件範囲を拡大し
てガスタービンの運転を容易にすると同時に排気清浄化
を実現する予蒸発予混合燃焼器を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の特徴とする構成は、燃料噴射弁と、前記燃
料噴射弁から噴射した燃料を蒸発させつつ、燃焼用空気
と混合する予蒸発予混合通路とを備え、前記予蒸発予混
合通路の下流に燃焼室を連接する予蒸発予混合燃焼器で
あって、前記予蒸発予混合通路の上流には燃焼用空気に
旋回速度を付与する旋回装置を設け、前記燃料噴射弁を
前記予蒸発予混合通路の軸中心領域に配置すると共に、
その外周に前記予蒸発予混合通路を環状の軸対称形状に
配置し、前記旋回装置に連接した前記予蒸発予混合通路
を、旋回速度を付与した燃焼用空気を軸中心方向に流す
第1環状通路部と、その下流に徐々に通路面積を減少さ
せつつ軸中心に向かう半径方向から前記燃焼室の軸方向
に空気を転向させる第2環状通路部および軸方向に混合
気を流す第3環状通路部とを備え、前記環状の予蒸発予
混合通路の内壁に設けた複数の燃料噴射孔を持つ前記燃
料噴射弁から燃料を前記予蒸発予混合通路内に噴射する
構造である。
【0016】また、前記予蒸発予混合通路の中央領域に
環状のルーバを設けると共に、前記燃料噴射弁の燃料噴
射孔を前記ルーバの表面に対向する位置に配置し、前記
ルーバの片方の表面に沿っては燃焼用空気が流れて前記
ルーバの後端縁で燃料空気混合気流と空気流が合流する
ように配置して、前記ルーバの後端縁が前記予蒸発予混
合通路の出口より上流位置にある構成にすることであ
る。
【0017】さらに、前記予蒸発予混合通路の通路面積
を上流から漸次減少させると共に、前記燃焼室の直前で
通路面積が最小となるスロート部を配置する構造であ
る。
【0018】また、通路面積を漸次減少させる前記予蒸
発予混合通路が、前記燃焼室にラッパ状に開口する構造
である。
【0019】さらには、前記旋回装置の上流には燃焼用
空気の流量を調整する開口絞り装置を配置し、燃焼用空
気流量に連動して旋回装置による燃焼用空気に付与する
旋回速度を可変にする機構を備えた構成である。
【0020】
【作用】上記の構成により、燃料分散と微粒化および噴
霧蒸発を促進し、著しく短い予蒸発予混合通路で一様で
均一な予混合気を形成して燃焼させることができ、逆火
や自着火に起因する火炎不安定を改善し、可燃範囲を広
く確保して高効率ガスタービンの運転を可能にする。
【0021】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1において、6は燃焼室、7はエクステンション
ライナ、8はゾーンセパレータ、9は希釈ライナー、9
aは希釈孔、9bは希釈混合室である。この希釈混合室
9bは燃焼室6からの燃焼ガスに希釈孔9aを通して空
気を混合して燃焼器下流にある図略のガスタービンの耐
熱温度以下に温度を調節するものである。10は前記燃
焼室6、エクステンションライナ7、ゾーンセパレータ
8、希釈ライナー9等を保持する支持部材である。18
は着火の時のみ燃焼室6内に前進して侵入し、着火後は
後退して燃焼室6外に待機する点火栓である。
【0022】前記燃焼室6の上方の軸中央には燃料噴射
弁20が配置され、その先端部の外周には軸対称な環状
の予蒸発予混合通路21を形成し、ブラフボディ22に
より形成されるスロート部11を介して燃焼室6に連通
している。
【0023】前記予蒸発予混合通路21の上流には旋回
装置23と、さらにその上流に燃焼用空気量を調節する
開口絞り装置24を備えている。25は旋回装置用可操
作軸であり、26は開口絞り装置用操作軸である。前記
旋回装置23は図4で示すように、円周上で多数に分割
された固定ブロック23bと、この各固定ブロック23
b間で円周方向に回動可能であり、前記固定ブロック2
3bとによって空気導入スリット23cを形成し、かつ
この空気導入スリット23cの角度および開口絞りを前
記旋回装置用可操作軸25、開口絞り装置用操作軸26
で可変設定する可動ブロック23aとから構成されてい
る。
【0024】前記旋回装置23に連接した前記予蒸発予
混合通路21は図2にも示すように、旋回速度を付与し
た燃焼用空気を軸中心方向に流す第1環状通路部19a
と、その下流に徐々に通路面積を減少させつつ軸中心に
向かう半径方向から前記燃焼室6の軸方向に空気を転向
させる第2環状通路部19bおよび軸方向に混合気を流
す第3環状通路部19cとによって形成されている。
【0025】そして、前記旋回装置23の下流直後には
ルーバ27が前記予蒸発予混合通路21の中央に配置さ
れ、前記半径方向から軸方向流れに偏向される第2環状
通路部19bの領域に前記燃料噴射弁20の燃料噴射孔
28が、円周上等分配位置に多数個(本実施例では4乃
至6個)が配置されている。この燃料噴射弁20の燃料
噴射孔28の噴射方向はルーバ27の表面に対して噴霧
が衝突する関係位置に向けられている。
【0026】前記旋回装置23の下流直後に配置される
ルーバ27は、その前端縁が図2の左断面図で示すよう
に旋回装置23に当接させてもよいし、図2の右断面図
で示すように旋回装置23と離間させてもよい。また、
ルーバ27の後端縁は図2で示すように前記予蒸発予混
合通路21の出口より上流に位置するよう配置される
が、図3で示すように燃料噴射弁20の燃料噴射孔28
から直接燃料を噴霧衝突させる配置ではなく、ルーバ2
7の後流の予蒸発予混合通路21中に噴出させるように
配置してもよい。
【0027】前記したように予蒸発予混合通路21の出
口のスロート部11は燃焼室6の直前にあり、燃焼室軸
の中央領域には前記ブラフボディ22を形成し、燃焼室
6内の火炎保持を容易にしている。また、ブラフボディ
22の軸中心には燃料噴射弁20の先端部が配置されて
いて、その燃料噴射孔は燃焼室6に直面している。
【0028】前記燃焼室6や予蒸発予混合通路21を構
成する部品は窒化ケイ素や炭化ケイ素等の高耐熱セラミ
ックでであり、ボルト等により締め付け結合ができない
ため、これらを積み重ねて支持部材10で支持し、セラ
ミックス製スプリング29で押し付けている。
【0029】前記の構成よりなる予蒸発予混合燃焼器に
おいて、燃焼用の空気は、セラミックガスタービンの主
要な構成部品である空気圧縮機で外気を吸引して圧縮し
た後に熱交換器に送られ、熱交換器では排気ガスの熱で
圧縮空気加熱した後に燃焼器に供給される。燃焼器入
口における圧縮空気は、ガスタービン定格条件で5気
圧、約900℃程度になる。空気温度については、部分
負荷条件の方が高く、約1100℃に達する。このよう
な、高温に加熱された圧縮空気が希釈孔9aと開口絞り
装置24で最適に分配される。開口絞り装置24を通過
した空気は燃焼に使用される。
【0030】この燃焼用空気は、開口絞り装置24を軸
方向から流入して一旦半径方向に偏向されて、旋回装置
23に導かれ、ここを通過する間に旋回速度が付与され
る。この旋回装置23は図4で示すように、固定ブロッ
ク23bに対し接触及び離間移動する可動ブロック23
aを有し、この可動ブロック23aを移動操作すること
により空気導入スリット23cは図4(A)では0°、
図4(B)では5°、図4(C)では10°のようにス
ワーラ設定角が可変調節制御される。
【0031】旋回装置23を出た旋回空気は、ルーバ2
7によって2分割された予蒸発予混合通路21におい
て、ルーバ27に沿って第1環状通路部19aで軸中心
に向かう半径方向に導かれ、徐々に半径方向から軸方向
に第2環状通路部19bで偏向され、さらに、第3環状
通路部19cでは燃料噴射弁20の外周を旋回しつつ略
軸方向に向かう流れとなる。
【0032】前記スワーラ設定角が各位置に設定された
旋回装置23を通過して、予蒸発予混合通路21内を流
れる旋回空気の流動状況は図5(A),(B),(C)
で示すように、空気導入スリット23cの直後には後流
渦があるが、第2環状通路部19bでは十分に安定した
旋回流が形成されて剥離等の2次流はない。このよう
に、安定した気流領域を形成するために第1環状通路部
19aが必須である。
【0033】一方、燃料噴射弁20の燃料噴射孔28か
ら噴射された燃料噴霧はルーバ27の表面に衝突して、
噴霧と空気が共にルーバ27の表面に沿って流れる。ル
ーバ27の後端縁は第3環状通路部19cまで延在して
おり、一方の空気流と、もう一方の噴霧混合気流とが第
3環状通路部19cの上部で合流すると共に、さらに、
噴霧の蒸発と混合が予蒸発予混合通路21の出口のスロ
ート部11までの間に促進される。
【0034】第3環状通路部19c内の旋回流のため
に、内側の通路内壁には燃料噴霧が到達しにくく、一
方、第3環状通路部19cの外側の通路と内壁にはルー
バ27からの空気が層状に流れるため、燃料濃度が比較
的低くなる。すなわち、第3環状通路部19cの両通路
内壁近傍の燃料濃度が低くなり、スロート部11の内外
両壁間の空間では、予混合気の速度と濃度が略一様にな
る。
【0035】前記多数の燃料噴射孔28から噴射した燃
料がルーバ27の表面で分散されると共に、旋回流で撹
拌されるために円周方向にも予混合気の濃度と速度が均
一になり、図6及び図7で示すように、スロート部11
における燃料蒸気濃度と速度の分布が均一化される。
【0036】また、予混合気の燃焼室6への流入速度が
スロート部11で最大になるために燃焼室6内に形成さ
れる火炎は予蒸発予混合通路21に伝播しないし、予蒸
発予混合通路21内の流れがスムースで安定していて、
予混合気の滞在時間が短いため、予蒸発予混合通路21
内では自着火が発生しない。
【0037】予混合気は旋回しながらスロート部11か
ら燃焼室6に流入して、ブラフボディ22と気流の旋回
作用により燃焼室6内には適度な循環領域が軸中央領域
に形成され、この渦で火炎が安定に保持される。また、
予混合気の燃焼室6への流入が軸対称であるため、作動
条件の変動によって影響されにくく、比較的火炎安定性
が高まる。
【0038】尚、ガスタービン始動時には熱交換器によ
る空気加熱がないため、燃焼器入口空気温度は低い。こ
のため、400℃程度以上に温度が上昇するまではブラ
フボディ22軸中心に配置した燃料噴射弁20で燃料を
噴霧して、着火と起動等をする。
【0039】本実施例では、噴射燃料流量に対応して、
燃焼用空気流量を開口絞り装置24で調節し、それに連
動して旋回装置23で旋回速度の強さを制御する。この
開口絞り装置24と旋回装置23は電気式あるいは油圧
アクチュエータで制御される構成である。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によると、燃焼用空
気が旋回装置で旋回速度を持って予蒸発予混合通路を通
過し、その領域に液体燃料を複数の燃料噴射孔から噴霧
供給するため燃料分散が一様になり、燃料噴霧が予蒸発
予混合通路を旋回するため噴霧の飛翔距離が延び、軸方
向距離を比較的短くしても十分な噴霧蒸発を達成するこ
とができる。
【0041】燃料噴射弁の外周に軸対称形状の環状予蒸
発予混合通路を形成することで燃焼器の全長が短縮さ
れ、かつ空間的な予混合気濃度と速度分布の均一化が得
られ、火炎安定性を向上し、燃焼室内温度分布が一様に
なり、その結果として、セラミックで構成する部品が単
純な形状となると共に、温度分布の一様化により耐久信
頼性が著しく向上する。
【0042】燃焼用空気を旋回装置で旋回速度を付与し
た後に、軸対称形状の環状予蒸発予混合通路の第1環状
通路部の外周から軸中心方向に向かって流すことによ
り、流路面積の減少に伴い安定で一様な旋回空気流が生
成され、その後、さらに流路面積を半径方向に狭めると
共に、半径方向流に転向させる第2環状通路部及び第3
環状通路部を連接し、予蒸発通路軸中央に燃料噴射弁を
配置することにより、環状予蒸発予混合通路内の流れを
剥離や逆流等の2次流れのないスムースで安定な自由渦
的な旋回流にすることができる。
【0043】この安定な渦流が形成されている第2環状
通路部あるいは第3環状通路部の軸中央に配置した燃料
噴射弁の複数の燃料噴射孔から液体燃料を噴射させる
と、渦流のせん断力により液体燃料の微粒化が促進され
ると共に、遠心力により大きな燃料噴霧ほど外周方向に
分散されやすく、最大粒径の噴霧は環状予蒸発予混合通
路の外側壁面に集中して、その領域で蒸発が促進される
効果がある。このため、通過時間が数mm秒と短い予蒸
発予混合通路距離であっても十分な予蒸発予混合が得ら
れる。
【0044】軸対称形状の環状予蒸発予混合通路内の中
央領域にルーバを設け、このルーバの表面に対向する位
置に燃料噴射孔を配置して燃料噴霧を衝突させることに
より、燃料噴霧の分散と微粒化が著しく促進され、ま
た、ルーバの片方の表面に沿っては燃焼用空気が流れて
ルーバの後端縁で燃料空気予混合と空気流が合流するよ
うルーバの後端縁が第3環状通路部に位置された構成に
より、燃焼用空気が2分割され、環状通路の外側内壁面
に空気流が形成されて、この領域に燃料噴霧が集中して
濃度が平均より高くなりすぎるのを防止することができ
る。また、ルーバの両表面の速度差で空気流に乱れが生
成され、その領域に燃料噴霧を噴射することで噴霧の蒸
発と混合が促進される。
【0045】上記の効果によって、従来の予蒸発予混合
燃焼器で必要とされていた噴霧蒸発時間の短縮と十分な
予蒸発予混合性能が実現でき、通路距離を著しく短小化
すると共に、予蒸発予混合通路への逆火や自着火が抑止
できる。
【0046】予蒸発予混合通路の通路面積を漸次減少さ
せることで予混合気を加速すると共に、予蒸発予混合通
路のスロート部、すなわち、燃焼室流入部の直前で最小
面積にすることで、予蒸発予混合通路内の流れの剥離を
防止し、燃焼室内の火炎が予蒸発予混合通路に伝播した
り、剥離領域で混合気が自着火したりする逆火を抑止す
る。
【0047】予蒸発予混合通路の第3環状通路部をラッ
パ状に開口することにより、燃焼室に混合気が流入した
時に比較的大きな循環渦領域が燃焼室中央領域に形成さ
れるため、火炎を燃焼室内に安定に形成することができ
る。
【0048】旋回装置の上流に燃焼用空気の流量を調節
する開口絞り装置を配置し、空気流量に連動して旋回装
置による燃焼用空気に付与する旋回速度を可変にする機
構を備えているため、燃焼用空気を絞り制御することに
より旋回装置で予混合気の旋回強さ(旋回速度)を最適
に制御させて火炎の安定を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による予蒸発予混合燃焼器の断面図
【図2】本発明の要部拡大断面図
【図3】本発明の他の実施例による予蒸発予混合燃焼器
の断面図
【図4】旋回装置の空気導入スリットの各設定角状態を
示す断面図
【図5】旋回装置作動時における予蒸発予混合通路内の
速度分布図
【図6】予蒸発予混合通路内の燃料濃度分布図
【図7】予蒸発予混合通路内の速度分布図
【図8】従来の予蒸発予混合燃焼器の断面図
【符号の説明】
6 燃焼室 7 エクステンションライナ 8 ゾーンセパレータ 9 希釈ライナー 10 支持部材 11 スロート部 19a 第1環状通路部 19b 第2環状通路部 19c 第3環状通路部 20 燃料噴射弁 21 予蒸発予混合通路 22 ブラフボディ 23 旋回装置 23a 可動ブロック 23b 固定ブロック 23c 空気導入スリット 24 開口絞り装置 25 旋回装置用操作軸 26 開口絞り装置用操作軸 27 ルーバ 28 燃料噴射孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−106942(JP,A) 特開 平4−244512(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁から噴射
    した燃料を蒸発させつつ、燃焼用空気と混合する予蒸発
    予混合通路とを備え、前記予蒸発予混合通路の下流に燃
    焼室を連接する予蒸発予混合燃焼器であって、前記予蒸
    発予混合通路の上流には燃焼用空気に旋回速度を付与す
    る旋回装置を設け、前記燃料噴射弁を前記予蒸発予混合
    通路の軸中心領域に配置すると共に、その外周に前記予
    蒸発予混合通路を環状の軸対称形状に配置し、前記旋回
    装置に連接した前記予蒸発予混合通路を、旋回速度を付
    与した燃焼用空気を軸中心方向に流す第1環状通路部
    と、その下流に徐々に通路面積を減少させつつ軸中心に
    向かう半径方向から前記燃焼室の軸方向に空気を転向さ
    せる第2環状通路部および軸方向に混合気を流す第3環
    状通路部とを備え、前記環状の予蒸発予混合通路の内壁
    に設けた複数の燃料噴射孔を持つ前記燃料噴射弁から燃
    料を前記予蒸発予混合通路内に噴射する構成にしたこと
    を特徴とする予蒸発予混合燃焼器。
  2. 【請求項2】 前記予蒸発予混合通路の中央領域に環状
    のルーバを設けると共に、前記燃料噴射弁の燃料噴射孔
    を前記ルーバの表面に対向する位置に配置し、前記ルー
    バの片方の表面に沿っては燃焼用空気が流れて前記ルー
    バの後端縁で燃料空気混合気流と空気流が合流するよう
    に配置して、前記ルーバの後端縁が前記予蒸発予混合通
    路の出口より上流位置にある構成を特徴とする前記請求
    項1記載の予蒸発予混合燃焼器。
  3. 【請求項3】 前記予蒸発予混合通路の通路面積を上流
    から漸次減少させると共に、前記燃焼室の直前で通路面
    積が最小となるスロート部を配置することを特徴とする
    前記請求項1または2記載の少なくともいずれかの予蒸
    発予混合燃焼器。
  4. 【請求項4】 通路面積を漸次減少させる前記予蒸発予
    混合通路が、前記燃焼室にラッパ状に開口することを特
    徴とする前記請求項1,2ないし3記載の少なくともい
    ずれかの予蒸発予混合燃焼器。
  5. 【請求項5】 前記旋回装置の上流には燃焼用空気の流
    量を調整する開口絞り装置を配置し、燃焼用空気流量に
    連動して旋回装置による燃焼用空気に付与する旋回速度
    を可変にする機構を備えたことを特徴とする前記請求項
    1,2,3,ないし4記載の少なくともいずれかの予蒸
    発予混合燃焼器。
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