JP3986685B2 - ガスタービンエンジン用燃焼器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンケーシングの軸線上に配置された単缶型の気相燃焼室と、前記軸線上に配置されて気相燃焼室の上流端に混合気を供給する第1燃料ノズルと、第1燃料ノズルの外周を囲むように配置されて気相燃焼室の上流端に接続された予混合・予蒸発室と、第1燃料ノズルの外周を囲むように配置されて予混合・予蒸発室の上流端に混合気を供給する第2燃料ノズルとを備えたガスタービンエンジン用燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるガスタービンエンジン用燃焼器は、特開平7−332671号公報により既に知られている。このガスタービンエンジン用燃焼器の軸線上に配置された拡散燃焼用の第1燃料ノズルは、その燃焼室に燃料を直接的に圧力噴射するように構成されている。また前記第1燃料ノズルの外周を囲むように配置された予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズルは、スワーラにより発生した旋回空気流が流れる環状の予混合・予蒸発室内にルーバーを配置し、燃料噴射孔から予混合・予蒸発室内に噴射した燃料を前記ルーバーに衝突させて微粒化させるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のガスタービンエンジン用燃焼器は、その第1燃料ノズルが燃焼室に燃料を直接的に圧力噴射するので燃料を充分に微粒化することが難しく、そのためにエミッション特性が悪化する問題がある。また第2燃料ノズルが燃料噴射孔から噴射した燃料をルーバーに衝突させて微粒化するようになっているため、ルーバーの形状やルーバーと燃料噴射孔との相対的な位置関係を適切に設計するのが難しいだけでなく、ルーバーを設けたことにより部品点数の増加を招く問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、拡散燃焼方式および予混合・予蒸発燃焼方式を組み合わせたガスタービンエンジン用燃焼器において、燃料の微粒化を促進してエミッション特性の向上を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、エンジンケーシングの軸線上に配置された単缶型の気相燃焼室と、前記軸線上に配置されて気相燃焼室の上流端に混合気を供給する第1燃料ノズルと、第1燃料ノズルの外周を囲むように配置されて気相燃焼室の上流端に接続された予混合・予蒸発室と、第1燃料ノズルの外周を囲むように配置されて予混合・予蒸発室の上流端に混合気を供給する第2燃料ノズルとを備えてなり、前記第1燃料ノズルは、前記軸線上に配置されて燃料を供給する第1燃料液膜化通路と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第1空気通路とからなるエアーブラストノズルであり、前記第2燃料ノズルは、前記軸線の外周を取り囲むように配置されて燃料を供給する環状の第2燃料液膜化通路と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第2空気通路とからなり、前記第2燃料液膜化通路は、そこに燃料を供給する燃料噴出口の位置からノズルチップの位置に向けて流路断面積が漸減するエアーブラストノズルであることを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、気相燃焼室、予混合・予蒸発室、第1燃料ノズルおよび第2燃料ノズルがエンジンケーシングの軸線に対して軸対称に配置されているので、空気、燃料、混合気および燃焼ガスの流れが軸対称になって円周方向に均一化されるため、圧損が減少して出力の増加および燃費の低減が可能となるだけでなく、気相燃焼室に供給される混合気の空燃比が円周方向に均一になってエミッション特性が向上し、しかも燃焼器の温度分布も軸対称になって各部材の熱的な歪みが最小限に抑えられる。
【0007】
また着火性能および保炎性能に優れた拡散燃焼用の第1燃料ノズルと、エミッション特性に優れた予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズルとを併用しているので、着火性能および保炎性能、並びにエミッション特性を両立させることができる。
【0008】
また気相燃焼室に直接混合気を供給する拡散燃焼用の第1燃料ノズルが、前記軸線上に配置されて燃料を供給する第1燃料液膜化通路と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第1空気通路とからなるエアーブラストノズルで構成されるため、その第1燃料ノズルで燃料を充分に微粒化してエミッション特性の向上に寄与することができる。更に予混合・予蒸発室を介して気相燃焼室に混合気を供給する予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズルが、前記軸線の外周を取り囲むように配置されて燃料を供給する環状の第2燃料液膜化通路と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第2空気通路とからなるエアーブラストノズルで構成されるため、その第1燃料ノズルによる燃料の微粒化と予混合・予蒸発室による混合気の予混合・予蒸発効果とが相俟って、エミッション特性の更なる向上に寄与することができる。
【0009】
更に、第2燃料液膜化通路の流路断面積を燃料噴出口の位置からノズルチップの位置に向けて漸減させたので、ノズルチップの位置において最大の流速を得ることができる。従って、第2燃料液膜化通路の上記構造と、第2燃料液膜化通路の下流端のエアーブラスト方式のノズルチップとの相乗効果により、径方向外側に配置された第2燃料ノズルは大径でありながら優れた燃料の微粒化性能を発揮することができる。
【0010】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1燃料ノズルのノズルチップの近傍に点火詮を配置したことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、ガスタービンエンジンの始動時に燃料を供給する第1燃料ノズルのノズルチップの近傍に点火詮を配置したので、始動時に第1燃料ノズルのノズルチップから供給される混合気を前記点火詮により確実に着火することができる。
【0012】
また請求項3に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1燃料液膜化通路に供給される燃料および空気に予旋回を与えたことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、第1燃料液膜化通路に供給される燃料および空気に予旋回を与えたので、第1燃料液膜化通路における燃料の微粒化を一層効果的に促進することができる。
【0014】
また請求項4に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記第2燃料液膜化通路に供給される燃料および空気に予旋回を与えたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、第2燃料液膜化通路に供給される燃料および空気に予旋回を与えたので、第2燃料液膜化通路における燃料の微粒化を一層効果的に促進することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1はガスタービンエンジンの縦断面図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3はガスタービンエンジンの燃焼器の拡大縦断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7は第2燃料液膜化通路のスワール数と燃料粒径との関係を示すグラフ、図8は第2燃料液膜化通路の流れ方向に沿う流速分布を示すグラフである。
【0018】
先ず、図1および図2に基づいてガスタービンエンジンEの構造の概略を説明する。
【0019】
図1に示すように、ガスタービンエンジンEは概略円筒状に形成されたエンジンケーシング1を備える。エンジンケーシング1の外周には圧縮空気通路4が形成されており、この圧縮空気通路4の上流側には図示せぬエアクリーナおよびサイレンサに連なる吸気通路5が接続される。
【0020】
吸気通路5の中央を貫通して一対のベアリング6,7で支持された回転軸8には、遠心式のコンプレッサホイール9と遠心式のタービンホイール10とが隣接して同軸に固定される。後方側のベアリング7をコンプレッサホイール9とタービンホイール10との間に配置したので、このベアリング7をコンプレッサホイール9の前方に配置する場合に比べて、ベアリング7からのタービンホイール10の後方張出量を減少させて振動を軽減することができる。コンプレッサホイール9の外周に放射状に形成された複数のコンプレッサブレード91 …は前記吸気通路5に臨んでおり、これらコンプレッサブレード91 …の直下流に位置する圧縮空気通路4に複数のコンプレッサディフューザ111 …が設けられる。回転軸8の前端にはタービンホイール10により駆動される発電機2が設けられる。
【0021】
エンジンケーシング1の後端には円環状の伝熱型熱交換器12が配置される。伝熱型熱交換器12は後端外周寄りの位置に圧縮空気入口13を備えるとともに前端内周寄りの位置に圧縮空気出口14を備え、前端外周寄りの位置に燃焼ガス入口15を備えるとともに後端内周寄りの位置に燃焼ガス出口16を備える。
【0022】
図2から明らかなように、伝熱型熱交換器12は大径円筒状のアウタハウジング28と小径円筒状のインナハウジング29とを、金属板をつづら折り状に折り曲げてなる伝熱板30で結合したもので、その伝熱板30を挟んで圧縮空気流路31…と燃焼ガス流路32…とが交互に形成される。
【0023】
図1に示すように、実線で示す比較的に低温の圧縮空気と、破線で示す比較的に高温の燃焼ガスとを相互に逆方向に流すことにより、その流路の前長に亘って圧縮空気および燃焼ガス間の温度差を大きく保ち、熱交換効率を向上させることができる。
【0024】
単缶型燃焼器18は、上流側に配置された予混合部19と、下流側に配置された気相燃焼室20とを備えている。伝熱型熱交換器12の圧縮空気出口14と予混合部19とは圧縮空気通路21で接続される。気相燃焼室20と伝熱型熱交換器12の燃焼ガス入口15とを接続する燃焼ガス通路24の上流部分には、タービンホイール10の外周に放射状に形成された複数のタービンブレード101 …が臨んでおり、その更に上流には気相燃焼室20からの燃焼ガスを導く遮熱板25およびタービンノズル261 …が設けられる。
【0025】
次に、図3〜図6を併せて参照しながら予混合部19の構造を更に詳細に説明する。
【0026】
予混合部19はエンジンケーシング1(図1参照)の軸線Lを中心として実質的に軸対称な構造を有しており、軸線L上に位置する第1燃料ノズル41と、その第1燃料ノズル41の上流側(図中右側)の外周を囲むように配置された第2燃料ノズル42と、前記第1燃料ノズル41の外周を囲むように環状に形成された予混合・予蒸発室43とを備える。予混合部19の上流側外周には環状の前室44が形成されており、この前室44は複数の空気導入口45…を介して前記圧縮空気通路21に連通する。
【0027】
第1燃料ノズル41は2重管構造になっており、その中心を第1燃料液膜化通路46が貫通する。第1燃料液膜化通路46の外周を囲むように形成された第1空気通路47は、その上流端が半径方向外側に向けて湾曲して前室44に連通し、その中間部がスワーラ48を介して第1燃料液膜化通路46の上流端に連通し、その下流端にスワーラ50が設けられる。第1燃料ノズル41には第1燃料通路51が形成されており、その下流端に連なる環状溝54の内周に形成された複数の燃料噴出口52…は、前記第1燃料液膜化通路46の上流部であって前記スワーラ48の直下流部に開口する。前記燃料噴出口52…は第1燃料液膜化通路46に接線方向に開口する(図5参照)。而して、気相燃焼室20に臨む第1燃料ノズル41の下流端には第1燃料液膜化通路46および第1空気通路47が開口しており、かつ軸線L上に位置する第1燃料液膜化通路46の開口部の外周を、第1空気通路47の環状の開口部が取り囲むことにより、エアーブラスト型のノズルチップ53を構成する。
【0028】
予混合・予蒸発室43の上流端と前室44とが第2燃料液膜化通路56および第2空気通路57で接続される。第2燃料液膜化通路56の上流端にはスワーラ58が設けられるとともに、中間部には第2燃料通路59に連なる環状溝55の内周に形成された複数の燃料噴出口60…が開口する。前記燃料噴出口60…は第2燃料液膜化通路56に接線方向に開口する(図6参照)。予混合・予蒸発室43の上流端に臨む第2燃料液膜化通路56の下流端が環状に開口しており、その外周を囲むように第2空気通路57の下流端が環状に開口することにより、エアーブラスト型のノズルチップ61が構成される。気相燃焼室20に臨む予混合・予蒸発室43の下流端には、前記第1燃料ノズル41のノズルチップ53の外周を囲むようにスワーラ62が設けられる。
【0029】
ガスタービンエンジンEの始動時に混合気に着火すべく、セラミックヒータよりなる点火栓63が第2燃料ノズル42を貫通して第1燃料ノズルノズル41と平行に延びており、その先端が第1燃料ノズル41のノズルチップ53の近傍に臨んでいる。
【0030】
次に、本発明の実施例の作用について説明する。
【0031】
図1において、吸気通路5から吸い込まれてコンプレッサホイール9により圧縮された空気は圧縮空気通路4を経て伝熱型熱交換器12に送られ、そこで高温の燃焼ガスとの間で熱交換することにより加熱される。伝熱型熱交換器12を通過した圧縮空気は圧縮空気通路21を経て単缶型燃料器18の予混合部19に達し、そこで燃料と混合する。予混合部19から単缶型燃焼器18の気相燃焼室20に流入した混合気は気相燃焼し、発生した燃焼ガスは燃焼ガス通路24を通過する間にタービンホイール10を駆動する。燃焼ガスは更に伝熱型熱交換器12を通過して空気との間で熱交換した後にエンジンケーシング1から排出される。このようにしてタービンホイール10が回転すると、その回転トルクは回転軸8を介してコンプレッサホイール9および発電機2に伝達される。
【0032】
次に、図3および図4を参照して予混合部19における作用を説明する。
【0033】
圧縮空気通路21から前室44を経て第1燃料ノズル41の第1空気通路47に供給された空気は第1燃料液膜化通路46の上流端に供給され、その際にスワーラ48を通過して旋回流となる。第1燃料通路51から燃料噴出口52…(図5参照)を経て第1燃料ノズル41の第1燃料液膜化通路46の上流端に供給された燃料は、接線方向に開口する前記燃料噴出口52…により旋回流となる。そして同方向の旋回流である空気と混合して微粒化され、旋回流の遠心力により半径方向外側に付勢されて第1燃料液膜化通路46の外周面に沿う燃料液膜が形成される。一方、第1空気通路47の空気は、第1燃料液膜化通路46の外周に沿って流れ、その下流端に設けられたスワーラ50を通過して旋回流となる。而して、ノズルチップ53において、内側に位置する第1燃料液膜化通路46の下流端から噴出する燃料および空気の混合気と、第1燃料液膜化通路46の外周を囲む第1空気通路47の下流端から噴出する空気とが出会い、第1空気通路47から高圧で噴射される空気の圧力で第1燃料液膜化通路46から噴出する燃料液膜が更に微粒化されて気相燃焼室20に供給される。
【0034】
拡散燃焼用の第1燃料ノズル41は着火性や保炎性が優れているという特徴を持ち、混合気に速やかに着火する必要があるガスタービンエンジンEの始動時や、炎が消え易い減速時に気相燃焼室20に燃料を供給する。また拡散燃焼方式は予混合・予蒸発燃焼方式に比べてエミッション特性の点では若干不利である。しかしながら、第1燃料液膜化通路46に供給される空気および燃料が、それぞれスワーラ48および接線方向に開口する燃料噴出口52…により予旋回が与えられて微粒化されるだけでなく、ノズルチップ53において第1燃料液膜化通路46から供給される燃料が第1空気通路47から供給される高圧の空気と混合し、そのエアーブラスト作用により微粒化が促進されるため、拡散燃焼方式でありながらエミッション特性を充分に向上させることができる。
【0035】
一方、予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズル42はエミッション特性が優れているという特徴を持ち、ガスタービンエンジンEの始動時や減速時を除く通常運転時に気相燃焼室20に燃料を供給する。即ち、前室44の空気は第2燃料ノズル42のスワーラ58を通過して旋回流となり、第2燃料液膜化通路56に供給される。第2燃料通路59から燃料噴出口60…(図6参照)を経て第2燃料液膜化通路56の中間部に供給された燃料は、接線方向に開口する前記燃料噴出口60…により旋回流となり、同方向の旋回流である空気と混合して効果的に微粒化され、旋回流の遠心力により半径方向外側に付勢されて第2燃料液膜化通路56の外周面に沿う燃料液膜が形成される。第2燃料液膜化通路56の燃料液膜は、ノズルチップ61から予混合・予蒸発室43の上流端に噴出し、更に前室44から第2空気通路57に供給された高圧の空気はノズルチップ61から前記燃料液膜の外周を囲むように噴出する。而して、エアーブラストノズルを構成するノズルチップ61において、内側に位置する第2燃料液膜化通路56の下流端から噴出する燃料および空気の混合気と、第2燃料液膜化通路56の外周を囲む第2空気通路57の下流端から噴出する空気とが出会い、第2空気通路57の空気の圧力で第2燃料液膜化通路56から噴出する燃料が更に微粒化されて予混合・予蒸発室43に供給される。予混合・予蒸発室43内の混合気はスワーラ62を通過して旋回流となり、気相燃焼室20に供給される。
【0036】
第1燃料ノズル41を囲むように設けられた第2燃料ノズル42は必然的に大径になるため、燃料を微粒化する上で不利になるが、スワーラ58により第2燃料液膜化通路56を流れる空気に与えられるスワールを強めるとともに、該第2燃料液膜化通路56を流れる空気の流速を高めることにより燃料の微粒化を促進している。図7は第2燃料液膜化通路56のスワール数と燃料粒径との関係を示すグラフであって、本実施例ではスワーラ58により発生するスワール数を充分に高めることにより、目標とする燃料粒径の最小値を大幅に下回る燃料粒径を確保している。図8は第2燃料液膜化通路56の流れ方向に沿う流速分布を示すグラフであって、第2燃料液膜化通路56の流路断面積を燃料噴出口60…の位置からノズルチップ61の位置に向けて漸減させることにより、ノズルチップ61の位置において最大の流速が得られるようにしている。
【0037】
而して、第2燃料液膜化通路56の構造と、その下流端のエアーブラスト方式のノズルチップ61との相乗効果により、第2燃料ノズル42は大径でありながら優れた燃料の微粒化性能を発揮することができる。
【0038】
また第2燃料液膜化通路56からノズルチップ61を経て噴出した混合気は予混合・予蒸発室43の内部に旋回流を生成するが、一般に旋回流の中心部近傍では流れに淀みが発生するため逆火による自己着火現象が起こり易くなる。しかしながら、本実施例では、ノズルチップ61において第2燃料液膜化通路56の外周を覆うように第2空気通路57が開口しており、しかも第2空気通路57から予混合・予蒸発室43の内部に供給される空気流はスワールを伴わないストレート流であるため、内側の混合気の旋回流を、外側の流速の大きい空気のストレート流で覆って該旋回流の中心部近傍での自己着火現象を回避することができる。更に予混合・予蒸発室43の出口にスワーラ62を配置したことにより、そのスワーラ62で混合気の淀みを抑制して逆火による自己着火現象を回避することができる。
【0039】
以上のように、着火性能および保炎性能に優れた拡散燃焼用の第1燃料ノズル41と、エミッション特性に優れた予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズル42とを併用しているので、着火性能および保炎性能、並びにエミッション特性を両立させることができる。
【0040】
図1から明らかなように、回転軸8の中心を通るエンジンケーシング1の軸線Lに対して、コンプレッサホイール9、タービンホイール10、伝熱型熱交換器12、単缶型燃焼器18を含む各部材が軸対称に配置されている。その結果、ガスタービンエンジンE内部の圧縮空気や燃焼ガスの流れが軸対称になって円周方向に均一化されるため、圧損が減少して出力の増加および燃費の低減が可能となる。また、ガスタービンエンジンE内部の温度分布も軸対称になって各部材の熱的な歪みが最小限に抑えられ、コンプレッサホイール9やタービンホイール10のスムーズな回転が確保されるとともに、熱応力によるセラミック製部品の損傷等が効果的に防止される。更に、エンジンケーシング1や各ダクト類も軸対称化することができるので、それらを板金等の薄肉材料で製作することが可能となって軽量化が達成されるばかりか、ヒートマスの減少によって冷間始動時の熱損失を減少させて更なる燃費の低減が可能となる。
【0041】
また、単缶型燃焼器18の入口における空気密度の均一化や流速の均一化は燃焼ガス中の有害成分の低減に対して重要であるが、前記軸対称配置により単缶型燃焼器18に流入する空気の流れを軸対称化することができる。更に、伝熱型熱交換器12の圧縮空気入口13および燃焼ガス入口15における流速の均一化は熱交換効率の向上や圧損の低減を図る上で重要であるが、前記軸対称配置により伝熱型熱交換器12に流入する圧縮空気や燃焼ガスの流れを軸対称化することができる。
【0042】
更に、図3から明らかなように、単缶型燃焼器18を構成する気相燃焼室20、予混合・予蒸発室43、第1燃料ノズル41および第2燃料ノズル42も軸線Lに対して軸対称に配置されているので、空気、燃料、混合気および燃焼ガスの流れが軸対称になって円周方向に均一化される。その結果、気相燃焼室20に供給される混合気の空燃比が円周方向に均一になってエミッション特性が更に向上するだけでなく、単缶型燃焼器18の各部の温度分布も軸対称になって熱的な歪みを最小限に抑えることができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、気相燃焼室、予混合・予蒸発室、第1燃料ノズルおよび第2燃料ノズルがエンジンケーシングの軸線に対して軸対称に配置されているので、空気、燃料、混合気および燃焼ガスの流れが軸対称になって円周方向に均一化されるため、圧損が減少して出力の増加および燃費の低減が可能となるだけでなく、気相燃焼室に供給される混合気の空燃比が円周方向に均一になってエミッション特性が向上し、しかも燃焼器の温度分布も軸対称になって各部材の熱的な歪みが最小限に抑えられる。
【0045】
また着火性能および保炎性能に優れた拡散燃焼用の第1燃料ノズルと、エミッション特性に優れた予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズルとを併用しているので、着火性能および保炎性能、並びにエミッション特性を両立させることができる。
【0046】
また気相燃焼室に直接混合気を供給する拡散燃焼用の第1燃料ノズルが、前記軸線上に配置されて燃料を供給する第1燃料液膜化通路と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第1空気通路とからなるエアーブラストノズルで構成されるため、その第1燃料ノズルで燃料を充分に微粒化してエミッション特性の向上に寄与することができる。更に予混合・予蒸発室を介して気相燃焼室に混合気を供給する予混合・予蒸発燃焼用の第2燃料ノズルが、前記軸線の外周を取り囲むように配置されて燃料を供給する環状の第2燃料液膜化通路と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第2空気通路とからなるエアーブラストノズルで構成されるため、その第1燃料ノズルによる燃料の微粒化と予混合・予蒸発室による混合気の予混合・予蒸発効果とが相俟って、エミッション特性の更なる向上に寄与することができる。
【0047】
更に、第2燃料液膜化通路の流路断面積を燃料噴出口の位置からノズルチップの位置に向けて漸減させたので、ノズルチップの位置において最大の流速を得ることができる。従って、第2燃料液膜化通路の上記構造と、第2燃料液膜化通路の下流端のエアーブラスト方式のノズルチップとの相乗効果により、径方向外側に配置された第2燃料ノズルは大径でありながら優れた燃料の微粒化性能を発揮することができる。
【0048】
また請求項2に記載された発明によれば、ガスタービンエンジンの始動時に燃料を供給する第1燃料ノズルのノズルチップの近傍に点火詮を配置したので、始動時に第1燃料ノズルのノズルチップから供給される混合気を前記点火詮により確実に着火することができる。
【0049】
また請求項3に記載された発明によれば、第1燃料液膜化通路に供給される燃料および空気に予旋回を与えたので、第1燃料液膜化通路における燃料の微粒化を一層効果的に促進することができる。
【0050】
また請求項4に記載された発明によれば、第2燃料液膜化通路に供給される燃料および空気に予旋回を与えたので、第2燃料液膜化通路における燃料の微粒化を一層効果的に促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガスタービンエンジンの縦断面図
【図2】 図1の2−2線拡大断面図
【図3】 ガスタービンエンジンの燃焼器の拡大縦断面図
【図4】 図3の要部拡大図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図3の6−6線断面図
【図7】 第2燃料液膜化通路のスワール数と燃料粒径との関係を示すグラフ
【図8】 第2燃料液膜化通路の流れ方向に沿う流速分布を示すグラフ
【符号の説明】
1 エンジンケーシング
20 気相燃焼室
41 第1燃料ノズル
42 第2燃料ノズル
43 予混合・予蒸発室
46 第1燃料液膜化通路
47 第1空気通路
53 ノズルチップ
56 第2燃料液膜化通路
57 第2空気通路
60 燃料噴出口
61 ノズルチップ
63 点火詮
L 軸線

Claims (4)

  1. エンジンケーシング(1)の軸線(L)上に配置された単缶型の気相燃焼室(20)と、
    前記軸線(L)上に配置されて気相燃焼室(20)の上流端に混合気を供給する第1燃料ノズル(41)と、
    第1燃料ノズル(41)の外周を囲むように配置されて気相燃焼室(20)の上流端に接続された予混合・予蒸発室(43)と、
    第1燃料ノズル(41)の外周を囲むように配置されて予混合・予蒸発室(43)の上流端に混合気を供給する第2燃料ノズル(42)と、
    を備えてなり、
    前記第1燃料ノズル(41)は、前記軸線(L)上に配置されて燃料を供給する第1燃料液膜化通路(46)と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第1空気通路(47)とからなるエアーブラストノズルであり、
    前記第2燃料ノズル(42)は、前記軸線(L)の外周を取り囲むように配置されて燃料を供給する環状の第2燃料液膜化通路(56)と、その外周を取り囲むように配置されて空気を供給する環状の第2空気通路(57)とからなるエアーブラストノズルであり、
    前記第2燃料液膜化通路(56)は、そこに燃料を供給する燃料噴出口(60)の位置からノズルチップ(61)の位置に向けて流路断面積が漸減することを特徴とするガスタービンエンジン用燃焼器。
  2. 前記第1燃料ノズル(41)のノズルチップ(53)の近傍に点火詮(63)を配置したことを特徴とする、請求項1に記載のガスタービンエンジン用燃焼器。
  3. 前記第1燃料液膜化通路(46)に供給される燃料および空気に予旋回を与えたことを特徴とする、請求項1に記載のガスタービンエンジン用燃焼器。
  4. 前記第2燃料液膜化通路(56)に供給される燃料および空気に予旋回を与えたことを特徴とする、請求項1に記載のガスタービンエンジン用燃焼器。
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