JP4851674B2 - エネルギーシステムと併用する環状燃焼器 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は燃焼器に関し、より詳細には、エネルギーシステムと併用する環状燃焼器に関する。
【０００２】
本出願は、２０００年５月１日付で出願された米国仮出願第６０／２００，９４６号の特典を請求する。
【０００３】
燃焼器は、概念的にはその名の通りの装置である。いずれも、燃料と空気等の酸化剤とが内部で化合して燃焼し、高温燃焼ガスを生成するチャンバを備えている。しかし、効率的な燃焼器を設計することは、実際上は複雑な作業である。燃料から手に入れることのできる最大エネルギーを引き出して、しかも排出物を最少レベルに低減させるために、燃焼器は、燃料の完全燃焼が行える環境を提供しなければならない。方策を講じて、燃料と酸化剤を完全に混合するようにしなければならない。燃焼器内で燃焼させる燃料が、プロパンガスや天然ガス等のガスではなく、ディーゼル燃料等の液体である場合、燃焼器は、燃焼が起きる前にその液体を霧化して気化させる何らかの手段も備えていなければならない。燃焼器は、燃料と酸化剤の混合物を点火する何らかの手段、並びに点火後の火炎を安定して維持する何らかの手段も含んでいなければならない。エネルギーシステムと併用する環状燃焼器は、例えば、ここで引用して組み込んだＰＣＴ出願ＰＣＴ／ＵＳ９７／２２００７の開示で周知である。
【０００４】
本発明の目的は、低レベルのＮＯ_Ｘ、ＣＯ、および未燃焼炭化水素の各排出物とともに、効率的な燃料使用を結果としてもたらす環状燃焼器を提供することである。
【０００５】
環状燃焼器は、内表面と外表面を有する環状インナーシェル、内表面と外表面を有する同軸の環状アウターシェル、およびインナーシェルとアウターシェルを接続するドーム端壁とを備える。インナーシェル、アウターシェルおよびドーム端壁は、アウターシェルの内表面とインナーシェルの外表面との間に、チャンバ幅を持つ環状燃焼チャンバを画成し、ここで、チャンバは長手方向軸に沿って延在し、ドーム端壁の反対側に出口端を有する。ダムが、ドーム端壁と出口端との間に配置されて、インナーシェルとアウターシェルの少なくとも一方から半径方向に延在する。このダムは、燃焼チャンバ内に流路面積減少通路と、燃焼プロセスへ二次空気を供給するチャネルとを画成する。
【０００６】
更に、環状燃焼器は、内表面と外表面を有する環状インナーシェル、内表面と外表面を有する同軸の環状アウターシェル、およびインナーシェルとアウターシェルを接続するドーム端壁とを備え、ここで、インナーシェル、アウターシェルおよびドーム端壁は、アウターシェルの内表面とインナーシェルの外表面との間に、チャンバ幅を持つ環状燃焼チャンバを画成し、チャンバは長手方向軸に沿って延在し、ドーム端壁の反対側に出口端を有する。このダムは、ドーム端壁と出口端との間に配置されて、インナーシェルとアウターシェルの少なくとも一方から半径方向に延在し、ここで、ダムは燃焼チャンバ内に流路面積減少通路を画成する。燃焼チャンバは、ドーム端壁と燃焼器のダムとの間にある燃焼チャンバ領域によって画成される１次ゾーン、ダムに隣接する燃焼チャンバ領域によって画成される２次ゾーン、およびダムと出口端の間の燃焼チャンバ領域によって画成される希釈ゾーンを有する。燃焼器は更に、燃料と、空気または酸素とを１次ゾーンに供給する手段、１次ゾーン内に備えられた、点火を行う手段、２次ゾーン内に画成された空気、または酸素の複数通路、および希釈ゾーン内に備えられた、空気または酸素の複数通路を含む。
【０００７】
図１は、コンプレッサ／タービン編成１００へ接続された、本発明による環状燃焼チャンバ１０を示す。コンプレッサ／タービン編成１００は、コンプレッサーブレード１０２、ディフューザ１０３、タービンブレードノズルベーン１０４、および長手方向軸Ｘの周りを回転するロータリ駆動シャフト（不図示）の周りに配置されたタービンブレード１０５を含む。更に図２に示す燃焼器１０は、内表面(inner surface)１７と外表面(outer surface)１９とを有する環状インナーシェル１５を備える。燃焼器１０は、更に、内表面(inner surface)２２と外表面(outer surface)２４とを有する同軸の環状アウターシェル２０を有する。ドーム端壁３０はインナーシェル１５とアウターシェル２０を接続するが、ここで、インナーシェル１５、アウターシェル２０およびドーム端壁３０は、インナーシェル１５の外表面１９とアウターシェル２０の内表面２２との間にチャンバ幅Ｗを有する環状燃焼チャンバ３５を画成する。チャンバ３５は、長手方向軸Ｘに沿って延在し、ドーム端壁３０の反対側に出口端４０を有する。ダム４５は、ドーム端壁３０と出口端４０との間に配置され、インナーシェル１５から半径方向外側に向けて延在し、燃焼チャンバ３５内に流路面積減少通路５０を画成する。
【０００８】
言うまでもないが、更に説明を加えると、ダム４５は、図１と２で示すように、インナーシェル１５から半径方向外側に向けて延在してもよいし、あるいは、代替としてアウターシェル２０から半径方向内側に向けて延在してもよく、さもなければ、別の代替として、インナーシェル１５から半径方向外側に向けて、かつアウターシェル２０から半径方向内側に向けて延在してもよい。
【０００９】
図１に戻って、コンプレッサ／タービン編成１００内には、環状ハウジング壁１０８が備えられて、コンプレッサーブレード１０２に隣接して配置された吸気通路１１０を画成する。内側ハウジング壁１１４は、燃焼器１０の出口端４０に隣接して位置決めされて、燃焼チャンバ３５を囲んでいる。燃焼チャンバ３５、空気路１１８、およびタービンブレード１０５は、相互に流体連通状態にある。環状冷却領域１１９は、前部ハウジング壁１１４の末端１２０と、燃焼器１０のアウターシェル２０とによって画成される。環状冷却領域１１９は、タービンノズルベーン１０４とタービンブレード１０５に向かう、より多くの希釈空気を考慮している。
【００１０】
吸気通路１１０に入った空気は、通路１１８を通って燃焼器１０の外面(exterior surface)に沿って送られて、多数の通路１２５、１２８、１３０、および燃焼器の壁を貫通して延在する開口８０を通って、燃焼チャンバ３５へ導入され、さらに、通路１１８の端部１２０のところで燃焼チャンバ３５へ導入される。複数の燃料／空気混合管１３２が、燃焼器１０の壁を貫通して延在し、チャンバ３５の１次ゾーン５５への燃料供給に供する。燃料／空気混合管１３２は管形状を成し、液体燃料または気体燃料と、圧縮した空気または酸素を、燃焼器１０の１次ゾーン５５へ角度を成して向ける。点火器１４０は、燃焼器１０を貫通して燃焼チャンバ３５まで通っている。ここで、点火器１４０は、燃焼が自己持続着火状態になるまでは、チャンバ５５内の空気／燃料混合物に点火できる。
【００１１】
図１と図２に着目すると、燃焼チャンバ３５は、１次ゾーン５５、２次ゾーン６５、および希釈ゾーン７５を備える。１次ゾーン５５は、チャンバ３５内の、ドーム端壁３０とダム４５の間にある領域である。２次ゾーン６５は、チャンバ３５内の、通常、ダム４５周辺にある領域である。希釈ゾーン７５は、チャンバ３５内の、ダム４５と出口端部４０の間にある領域である。
【００１２】
先に検討したように、図２に示すダム４５は、インナーシェル１５から外方に向けて延在する。図６に概略で示すように、アウターシェル２０から半径方向内側に向けて延在して通路１５０を画成する第２のダム１４５によってダム４５を補間することも全く可能である。図７に示す代替では、燃焼器１０内の単一のダムを、アウターシェル２０から半径方向内側に向けて延在するダム１４５とするようにして、ダム４５を完全になくすことも可能である。
【００１３】
図１に戻って、ダム４５を、全く別の２つの部品から構成してもよく、そこでは、第１部品４６は、出口側４７からダム４５の周囲端４８まで延在し、第２部品４９に隣接して位置決めされる。ダム部品４６、４９は、相互に溶接しても、または共通アンカープレートによって相互を堅固に保持してもよい。
【００１４】
図２に戻り、更に図３に着目すると、ダム４５は、ダムを貫通して延在する複数の開口８０を有し、インナーシェル１５の内表面１７とインナーシェル１５の外表面１９との間の流体連通を可能にしている。開口８０は、ダム４５を貫通して半径方向に延在してよい。
【００１５】
図４に示すように、開口８０が燃焼器１０の出口端４０に向けて延在することができるように、ダム４５は、長手方向軸Ｘに対し角度を成す周面(circumferential faces)８２を有する。これらの周面８２は、長手方向軸Ｘに対して０から８０度の間の角度Ａを持ち、それにより、流体を開口８０から燃焼器１０の出口端４０へ向ける。
【００１６】
図３に示すように、互いに間隔をおいて半径方向に延在する開口８０は、ダム４５の前側８５に断続するパターンを備えてもよい。先に述べたように、ダム４５は、図６に示す第２のダム１４５で補間してもよい。このような場合、単独のダム４５とともに検討したときと同じ特徴（features）を実施してもよい。その代替では、先に述べたように、ダム４５をなくして、単独で残るダムをダム１４５とし、この場合も、類似する特徴（features）を単独ダム１４５に適用してよい。
【００１７】
ダム４５とダム１４５は、チャンバ幅Ｗの半分未満の距離だけ、それぞれのインナーシェル１５またはアウターシェル２０から半径方向に延在してもよい。好ましくは、ダムは、チャンバ幅Ｗの略３分の１の距離だけ延在する。インナーシェル１５とアウターシェル２０の各々から一つのダムが延在する場合、言うまでもなく、各々のダムは、チャンバ幅Ｗの略３分の１距離だけ半径方向に延在してもよい。
【００１８】
図１と図２に示すように、インナーシェル１５と、そこから延在するダム４５とが、一体部品であってもよい。実際上、インナーシェル１５は、ダム４５の形状を組み込んで成形されるので、結果的に、ダムは本質的に中空であり、開口は、ダム４５の周面８２だけに存在することになる。
【００１９】
図８は、ダム４５の別の実施の形態を示す。ダム４５を通過する流体が燃焼器１０の出口端４０に向けて偏向するように、偏向板１５５はダム４５の周端４８に沿って配置される。このような場合、開口８０は、出口端４０に面するダム４５の壁内にある。偏向板は、１次燃料／空気混合気と混合する２次空気が、出口端４０に向く方向へ円滑によどみなく流れるのを確保することにより、２次空気が１次ゾーンへ導入されないようにし、その上、直流する２次空気の貫流を衝撃冷却方式で(in an impinging cooling scheme)受け入る面を備える。
【００２０】
円周方向に間隔をあけたスロット部１４５が、出口壁を受けるアウターシェルの出口端４０の周りに設けられて、燃焼生成物を燃焼器から離れるように、例えば、タービンブレードへ向ける。
【００２１】
運転においては、圧縮空気または圧縮酸素が、例えば３２０ＫＰａ（４５ｐｓｉ）ｇでコンプレッサを介して供給されて燃焼器１０の外面を囲む。燃料は、燃料噴射装置１３５によって、角度がついた燃料／空気予混合管１３２（図５）の対応する内面に向けられる。圧縮空気および／または酸素も、角度がついた燃料／空気予混合管１３２へ流入し、リッチな燃料空気混合気(fuel to air mixture)を形成する。角度がついた管１３２は周方向の渦巻き動作(swirling action)を生起する。燃料／空気混合気は管１３２を出て、角度Ｂを成して第１部分へ入る（図３）。好ましくは、角度Ｂは、燃料／空気または酸素混合物がシェルの内面に対して、真直に、または接線方向に向けるほどの大きさではない。好ましくは、リッチな混合物を生成するのに十分な空気または酸素を供給するだけでよい。次に、このリッチな燃料混合気は、点火器１４０により点火される。燃焼の発生とともに、不完全燃焼(partial combustion)を通じて燃焼生成物(products of combustion)（ＰＯＣ）が形成される。このＰＯＣおよび他の物質は、次いで、この２次ゾーン６５内のダム４５に向けて流れる。追加の圧縮空気および／または酸素は、通路１２８を通って半径方向に向けられて、希薄混合気を結果として生ずる。更に、燃焼チャンバ４５の流路面積が２次ゾーン６５内で減少するので、混合気の速度は、１次ゾーン５５内での速度を超えて増加する。２次ゾーン６５で得られる混合気は希薄混合気である。追加燃焼が起きると、混合気とＰＯＣは希釈ゾーン７５へ向けて進む。希釈空気は通路１２５、１３０のところで希釈ゾーンへ添加されて、必要なタービン入口温度、および所望の低火炎パターンファクタを提供する。続いてＰＯＣは希釈ゾーン７５を出て、タービンノズルベーン１０４を経てタービンブレード１０５へ向けられる。
【００２２】
本発明およびその意図する利点の多くは、以上の説明で理解され、そして発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、または全ての材質上の利点を犠牲にすることなく、形状構造およびその部品編成において様々な変更が可能であり、ここに記載の形態は、単に好ましい実施の形態または説明用の実施の形態であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に従って製作された燃焼器を含むコンプレッサ／タービンの側断面図である。
【図２】 本発明による燃焼器の透視図である。
【図３】 本発明による燃焼器の端面図である。
【図４】 図２に示す燃焼器の側面図であり；
【図５】 図３に示す丸囲い部の拡大詳細図である。
【図６】 図１の燃焼器の代替の実施の形態の側面図である。
【図７】 図１の燃焼器の別の代替の実施の形態の側面図である。
【図８】 図１に示すダムの代替の実施の形態の側面図である。

Claims (2)

1. 環状燃焼器であって、
   ａ）内表面と外表面を有する環状インナーシェルと、
   ｂ）内表面と外表面を有する同軸の環状アウターシェルと、
   ｃ）前記インナーシェルと前記アウターシェルを接続するドーム端壁とを備え、
   前記インナーシェル、前記アウターシェルおよび前記ドーム端壁が、前記アウターシェルの前記内表面と前記インナーシェルの前記外表面との間に、チャンバ幅を有する環状燃焼チャンバを形成し、前記チャンバは長手方向軸に沿って延在して前記ドーム端壁の反対側に出口端を有し、
   ｄ）前記ドーム端壁と前記出口端の間に位置決めされて、前記インナーシェルと前記アウターシェルからそれぞれ半径方向に延在する第１のダムと第２のダムとを備え、
   前記ダムは前記燃焼チャンバ内に流路面積減少通路を形成し、
   前記ダムは、前記ダムが前記インナーシェルと前記アウターシェルの少なくとも一方に垂直であり、よって前記ダムと前記ドーム端壁の間にある１次燃焼ゾーンと、前記ダムの周辺にある２次燃焼ゾーンと、前記２次燃焼ゾーンと前記燃焼チャンバの出口端との間にある希釈ゾーンを形成し、
   前記ダムは、前記ダムを貫通して延在する複数の開口を有し、
   前記第１のダムが前記インナーシェルから半径方向外側に向けて突出し、前記第２のダムが前記アウターシェルから半径方向内側に向けて突出し、
   前記第１のダムと前記第２のダムが互いに同一平面上にある、
   環状燃焼器。
2. 前記環状燃焼器の壁を貫通して延在し前記１次燃焼ゾーンに燃料を供給する管に、燃料を噴射する燃料噴射装置を備える、
   請求項１に記載の環状燃焼器。

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