JPH06213276A - 吸振体 - Google Patents

吸振体

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JPH06213276A
JPH06213276A JP2194893A JP2194893A JPH06213276A JP H06213276 A JPH06213276 A JP H06213276A JP 2194893 A JP2194893 A JP 2194893A JP 2194893 A JP2194893 A JP 2194893A JP H06213276 A JPH06213276 A JP H06213276A
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cylindrical body
inner cylinder
diaphragm
damper
vibration
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JP2194893A
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Masashi Yasuda
正志 安田
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Tokkyo Kiki KK
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Tokkyo Kiki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、簡単な構造
で6成分で構成された外乱に対して対処する事が出来、
しかも特に水平成分の振動に対して安定性に優れた吸振
体の開発にある。 【構成】 水平方向に自由に移動出来る
積層体(3)を介して荷重体(A)の下面に内筒体(6)を接続
し、内筒体(6)を上下方向に移動自在に外筒体(7)内に収
納し、前記内筒体(6)と外筒体(7)の底面並びに側面間に
形成された間隙(8)にダイアフラム(9)を配設してダイア
フラム(9)にて内筒体(6)を載置担持し、内筒体(6)と外
筒体(7)との間に形成された側面間隙(8a)に挿入されて
いるダイアフラム(9)の環状突畝部(9a)の内筒体(6)との
接離端(P)が積層体(3)の内筒体(6)への取付面(23)より
上方に位置するように形成した事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械装置の脚部に設置
されたり、除振台本体に装着される吸振体で、特に水平
方向や回転方向において減衰能力を高めた受動型吸振体
に関する。
【0002】
【従来の技術】防振装置は、一般に、測定機器や製造装
置を載置するため防振台本体と、防振台本体を支持する
ための吸振体とで構成されている。そして、除振台本体
には底面から伝わってくる地動外乱と、載置されている
機器類を動かした場合に発生する直動外乱とが入力し、
除振台本体の振動を引き起こしている。この振動は、垂
直成分、2方向の水平成分並びに3方向の回転成分の合
計6成分で構成されている。従来の受動態型防振装置に
あっては主として地動外乱に対応するように設計されて
おり、図6のように積層体(3')「可撓板(3c')と剛性板
(3d')とを交互に重ね合わせて構成されている。」と空
気ばね装置(2')とを直列に用いて除振台本体(1')を支持
するようにしていた。
【0003】さて、受動型除振装置において、地動外乱
の水平成分を効果的に遮断するには積層体(3')の水平方
向のバネ定数を出来るだけ小さいものにする必要があ
り、そのためには積層体(3')を細長いものにする必要が
ある。処が、積層体(3')を細長くしてバネ定数を小さく
した場合、少し大きい水平振動成分が入力すると積層体
(3')の撓みが大きくなり過ぎ、座屈を起こす恐れがある
という問題が発生してくる。
【0004】そこで、図7のようにバネ定数の非常に小
さい複数の積層体(3'')を併設し、これらをスタビライ
ザ(24')で接続するようにしたものが提案されたが、積
層体(3'')の構造が非常に複雑であり、コストがかかる
という経済上の欠点や、スペースを多く必要とし、省ス
ペース化する事が出来ないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前記従来例の問題点を克服するためのもの
で、簡単な構造で大きな水平振動成分の入力に対して座
屈を生じることもなく、省スペース化も達成出来、安定
性に優れた吸振体の開発にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1実施例は請
求項1に記載されているように『水平方向に自由に移動
出来る積層体(3)を介して荷重体(A)の下面に接続された
内筒体(6)と、内筒体(6)を上下方向に移動自在に収納す
る外筒体(7)と、前記内筒体(6)と外筒体(7)の底面並び
に側面間に形成された間隙(8)に配設され且つ内筒体(6)
を載置担持し、内筒体(6)と外筒体(7)との間に形成され
た側面間隙(8a)に挿入されているダイアフラム(9)の環
状突畝部(9a)の内筒体(6)との接離端(P)が積層体(3)の
内筒体(6)への取付面(23)より上方に位置するように形
成されたダイアフラム(9)とで構成されている』事を特
徴とする。入力した地動外乱の水平成分(H)により外筒
体(7)が移動し、ダイアフラム(9)の一方の突畝部(9a')
が内筒体(6)の側面に押し付けられて水平断面を減少す
ると同時に競り上がり、内筒体側面に対する接触面積を
増加させる事になる。一方、反対側の突畝部(9a'')で
は、内筒体(6)が外筒体(7)から離間する事により突畝部
(9a'')が引き下げられて内筒体(6)に対する接触面積が
減少する。ダイアフラム(9)内の圧力は均一であるか
ら、前記接触面積の変化は復元力(R)として働く。ここ
で、引張側突畝部(9a'')の内筒体(6)の側面への接離点
(P'')から上に位置する圧縮された方の突畝部(9a')の突
出部分(h)の復元力(R)が積層体(3)の水平撓みに抗する
力として働き、その結果、外乱の水平成分(H)が大きか
ったとしても積層体(3)の撓み(ΔX)が大幅に緩和されて
座屈を起こすことがなく、安定的に荷重体(A)を支持出
来るものであり、その結果、積層体(3)のバネ定数を更
に小さくする事が出来るものである。
【0007】請求項2は、その記載内容が請求項1に付
加されたもので、『内筒体(6)内に保持されているダン
パ液(4)と、前記ダンパ液(4)中に浸漬されており、荷重
体(A)から垂設されたダンパ部材(5)とが付加されてい
る』事を特徴とする。これにより、前述の作用に加えて
水平方向の粘性減衰によるダンパ効果も加わり、より一
層の積層体(3)の水平方向の撓みを緩和する事になる。
特に、荷重体(A)と内筒体(6)との間にダンパ機構(C)が
設置されていて減衰効果がダイアフラム(9)に直接働か
ないので、水平成分の高周波領域では減衰効果が作用せ
ず低周波領域のみで減衰効果が作用する事になり、高い
防振性能が得られる。
【0008】又、請求項3に記載の吸振体は、請求項1
の吸振体を逆向きに配置したもので、『荷重体(A)の下
面に接続された外筒体(7)と、外筒体(7)内を上下方向に
移動自在に配設された内筒体(6)と、前記内筒体(6)の上
面と外筒体(7)の天井面並びに側面間に形成された間隙
(8)に配設され且つ外筒体(7)を介して荷重体(A)を載置
担持するダイアフラム(9)と、水平方向に自由に移動出
来且つ内筒体(6)の下面に配設されていて荷重体(A)を支
持する積層体(3)とで構成されており、内筒体(6)と外筒
体(7)との間に形成された側面間隙(8a)に挿入されてい
る前記ダイアフラム(9)の環状突畝部(9a)の内筒体(6)と
の接離端(P)が積層体(3)の内筒体(6)への取付面(23)よ
り下方に位置するように形成されている』事を特徴とす
る。これにより、請求項1と同一の作用効果を達成する
ことが出来る。
【0009】請求項4は、その記載内容が第3項に付加
されたもので、『床面に保持されているダンパ液(4)
と、前記ダンパ液(4)中に浸漬されており、内筒体(6)か
ら垂設されたダンパ部材(5)とが付加されている』事を
特徴とする。これにより、前述の作用に加えて請求項2
と同様の水平方向の粘性減衰によるダンパ効果も加わ
り、より一層の積層体(3)の水平方向の撓みを緩和する
事になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って説明
する。図1は除振台本体(1)の4隅に吸振体(B)を配置し
た一般的な除振装置の平面図であり、図2はその正面図
で、吸振体(B)を構成する圧力容器(11)に外部空圧源(2
1)が接続されており、レギュレータ(22)にて常時一定圧
力に保たれるようになっている。図3は、吸収体(B)の
第1実施例の断面図で、空気バネ装置(2)、ダンパ機構
(C)並びに積層体(3)とで構成されている。ダンパ機構
(C)は必ずしも必要でなく、空気バネ装置(2)と積層体
(3)とで構成する事も可能である。ここでは、ダンパ機
構(C)を具備したもので説明を進める。
【0011】空気バネ装置(2)は、外筒体(7)、内筒体
(6)、圧力容器(11)並びにダイアフラム(9)とで構成され
ている。外筒体(7)は、上外筒体(7a)と下外筒体(7b)と
で構成されボルト(7c)にて接続一体化されており、圧力
容器(11)上に設置されている。外筒体(7)には上面開口
の収納穴(12)が形成されており、内筒体(6)が前記収納
穴(12)に昇降可能に収納されており、内筒体(6)と外筒
体(7)の間には側面並びに底部にダイアフラム収納間隙
(8)が設けられている。(7e)は外筒体(7)の上端に設けら
れた内鍔である。内筒体(6)には上面開口凹部(13)が形
成されており、(14)は上面開口凹部(13)の内側面に形成
された取付段部で、取付段部(14)の下部凹部分がダンパ
液収納凹部(15)となっている。(16)はダンパ液収納凹部
の底部に設けられた突起である。
【0012】ダイアフラム(9)は薄い可撓性膜体、例え
ばゴム膜によって形成されており、その中央部分に凹部
(9b)が形成されており、内筒体(6)の底部が収納固定さ
れるようになっている。中央凹部(6b)の周囲には断面凸
状に湾曲するように形成されていて、この環状突畝部(9
a)が内筒体(6)と外筒体(7)の側面間の間隙(8a)内に配設
されており、外周端部(9c)が上下外筒部(7a)(7b)の接合
面間に気密状にて挟持固定されている。前記凸湾曲状に
形成された環状突畝部(9a)の部分は外筒体(7)と内筒体
(6)の側面間隙(8a)間に側面に接するように収納されて
いて内筒体(6)の上下に合わせて昇降出来るようになっ
ている。前記両側面は互いに平行に形成されており、両
側面に密着するように配設されている前記環状突畝部(9
a)の水平断面は全周に亙って一定に保たれている。
【0013】積層体(3)は、上下に設置された取付板(3
a)(3b)と、前記取付板(3a)(3b)間に交互に水平に重ね合
わされて一体化された可撓板(3c)と剛性板(3d)とで構成
されている。可撓板(3c)は、例えば軟質ゴム板のように
撓むことができる材料であり、剛性板(3d)は金属板のよ
うなものである。従って、積層体(3)は圧縮荷重に対し
ては十分耐える事が出来るが、水平方向の荷重に対して
は可撓板(3c)がすべりを生じて撓むことができるもので
ある。図の実施例では、中央に通孔(3e)が穿設されてい
てダンパ部材(5)を挿通出来るようになっているが、勿
論これに限られず、図1中で破線で示すようにダンパ機
構(C)の周囲に積層体(3)を複数個(図1では4個である
し、図4では3個である。)配置してもよい。この積層
体(3)の上部取付板(3a)は荷重体取付板(17)を介して荷
重体(A)に固着されており、下部取付板(3b)は打ち筒体
(6)の取付段部(14)に固着されている。
【0014】荷重取付板(17)は、除振台本体(1)の底部
に固着されており、積層体(3)の上部取付板(3a)のみな
らず、ダンパ機構(C)を構成するダンパ部材(5)も固着さ
れている。(17a)は荷重取付板(17)の下面外周形成され
た係合外側段部で、外筒体(7)の上端面に形成された係
合内側段部(7d)が嵌まり込んでいる。使用時は、図のよ
うにダイヤフラム(9)内に圧力空気を供給して内筒体(6)
を持ち上げることにより、両者間に若干の間隙が形成さ
れるようになっている。(18)は両係合段部(7a)(17a)の
テーパー部である。
【0015】ダンパ機構(C)は、ダンパ液(4)とダンパ部
材(5)とで構成されている。ダンパ部材(5)は断面逆T字
状の棒材で、棒材部(5b)が荷重体取付板(17)に螺着さ
れており、下端円板部(5a)の部分がダンパ液収納凹部(1
5)に充填されたダンパ液(4)内に浸漬されている。ダン
パ液(4)は例えば、ばね定数を持たない又は非常に小さ
い材料が使用され、本実施例では例えば粘性抵抗の大な
るシリコンオイルやグリース状のシリコン剤、低反発
(制振)ゴム(外部から入力した振動エネルギを熱エネル
ギに変換して吸収する能力の大きな材料で、弾性に富む
ゴムと粘性を持ち弾性のない粘土とを合わせたような性
質を示す。)などが使用される。勿論、これに限られ
ず、粘性抵抗が大なるゾル状態のものやゾル状態に近い
ゲル材を使用する事が出来るものである。
【0016】圧力容器(11)は、外筒体(7)の下方に連接
された空洞容器で、固定ないし可変オリフィス(19)を介
してダイアフラム(9)にて形成される圧力空間(20)に接
続されている。圧力容器(11)は外部空圧源(21)に接続さ
れており、常時一定圧力に保たれている。
【0017】尚、内筒体(6)と外筒体(7)との間に支持部
材(10)を水平方向に張設してもよい。この場合、支持部
材(10)は垂直方向に自由に撓むが、水平方向には大きな
バネ定数を有する材料で形成されている。本実施例では
90°でV字状に形成された板バネが使用されるもの
で、V型板バネの要の部分がダイアフラム(9)を介して
内筒体(6)の底部中心に固着され、2つの自由端体が外
筒体(7)の内側壁に固着される事になる。又、支持部材
(10)は、前述のものに限られず、ワイヤのようなものを
4方から張り、内筒体(6)と外筒体(7)とを接続するよう
にしてもよい。これにより、内筒体(6)が常時外筒体(7)
のセンタに支持される事になる。
【0018】垂直荷重体(A)は、防振台本体(1)と、この
上に機器(1a)類が載置されている場合には機器(1a)類と
で構成され、防振台本体(1)がなく機器(1a)類の底部に
直接吸振体(B)が取り付けられる場合には、機器(1a)類
が垂直荷重体(A)という事になる。
【0019】しかして、除振台本体(1)上に測定機器や
精密加工装置などの被載置装置(D)を載置し、圧力容器
(11)に圧縮空気を供給し、オリフィス(19)を通してダイ
アフラム(9)内に圧縮空気を供給し、ダイアフラム(9)を
一定圧力の圧縮空気にて膨張させる。これにより、内筒
体(6)、積層体(3)を介して除振台本体(1)が被載置装置
(D)と共に持ち上げられ、外筒体(19)の上端面と荷重体
取付板(17)との間に隙間(T)が設けられ、この状態で測
定作業や加工作業が行われる。
【0020】前述のように被載置装置(D)と共に除振台
本体(1)は、ダイアフラム(9)の膨張によって一定の高さ
まで持ち上げられるが、内筒体(6)の持ち上げ高さに合
わせてダイアフラム(9)の突畝部(9a)の高さが変化す
る。内筒体(6)と外筒体(7)との側面間隙(8a)は上下全体
に亙ってほぼ同幅である場合は、除振台本体(1)の持ち
上げ高さに拘わらず、ダイアフラム(9)の突畝部(9a)の
水平断面積は一定であり、一定の除振性能を発揮する事
になる。(本実施例では前記側面間隙(8a)は上下全体に
亙ってほぼ同幅であるが、勿論これに限られない。)
【0021】以下、外乱が吸振体(B)によって振動が吸
収されるメカニズムに付いて詳述する。地動外乱の水平
成分(H)によって吸振体(B)の外筒体(7)が図5のように
水平方向に(X)だけ変位する。これに対して、荷重体
(A)は慣性によって直ちに水平移動せず、元の位置に留
まろうとする事とダイアフラム(9)の突畝部(9a)の撓み
のために積層体(3)が(ΔX)だけ水平方向に撓む事にな
る。ここで、積層体(3)の上端負荷点(W)と下端負荷点
(w)とでは(ΔX)だけずれる事になるが、これによってモ
ーメント(M)を生じる。積層体(3)の高さが高いほど(換
言すれば、荷重体(A)の重心が高いほど)前記モーメン
ト(M)は大きくなり、積層体(3)による支持は不安定にな
る。
【0022】一方、ダイアフラム(9)では、前述のよう
に入力した地動外乱の水平成分(H)により外筒体(7)が水
平方向に(X)だけ移動し、ダイアフラム(9)の一方の突
畝部(9a')が内筒体(6)の側面に押し付けられて水平断面
を減少すると同時に競り上がり、内筒体(6)側面に対す
る接触面積を増加させる事になる。一方、反対側の突畝
部(9a'')では、内筒体(6)が外筒体(7)から離間する事に
より突畝部(9a'')が引き下げられて内筒体(6)に対する
接触面積が減少する。ダイアフラム(9)内の圧力は均一
であるから、前記接触面積の差「=有効差圧面積(Δ
S)とダイアフラム(9)の内圧(p)の積である(R)が復元力
として作用する。 R=ΔS・p ここで、引張側突畝部(9a'')の内筒体(6)の側面への接
離点(P'')から上に位置する圧縮された方の突畝部(9a')
の突出部分(h)『この部分は引張側突畝部(9a'')の内筒
体(6)の側面への接離点(P'')から圧縮側突畝部(9a')の
内筒体(6)の側面への接離点(P')までである。』が積層
体(3)の下面取付面(23)より上にあるから、前記復元力
(R)は前記モーメント(M)に抗する力となって積層体(3)
に作用する。
【0023】その結果、積層体(3)に働くモーメント(M)
を緩和して積層体(3)による支持の安定化に役立つもの
であり、外乱の水平成分(H)が大きかったとしても積層
体(3)の撓みが大幅に緩和されて座屈を起こすことがな
く、安定的に荷重体(A)を支持出来るものであり、そし
て積層体(3)のバネ定数を更に小さくする事が出来るも
のである。なお、前述の場合で突出部分(h)が大きいほ
どモーメント(M)に対し反対回りの復元力(R)が大きくな
り、積層体(3)の安定性を増すことになる。
【0024】一方、垂直成分はダイアフラム(9)の主と
して底部(9b)によってパッシブに除振される。ダイアフ
ラム(9)内はオリフィス(19)を介して圧力容器(11)に接
続されており、垂直成分の除振に対して減衰作用を発揮
する。外乱の回転成分は垂直並びに水平成分(H)に分解
することが出来、前述のメカニズムで吸収される。
【0025】これに対して、図6は従来の吸振体(B')に
水平成分(H)が作用した場合の概略正面図で、積層体
(3')の下面支持部(23')が高いため、水平成分(H)が入力
して内筒体(6')によって下面支持面(23')より低い突畝
部(9a')が圧縮され、復元力(R')が発生したとしても下
面支持面(23')より突畝部(9')の接離端(P')が低いため
にこの復元力(R')の方向は前記モーメント(M')と概ね一
致し、積層体(3')の不安定性を助長する働きをなす。
【0026】又、本発明の吸振体(B)において、ダンパ
機構(C)を装備する事が出来、その場合、ダンパ液(4)が
内筒体(6)中に保持されており、ダンパ液(4)に浸漬され
ているダンパ部材(5)が荷重体(A)から垂設されているの
で、内筒体(6)と荷重体(A)との間に粘性抵抗が働くこと
になるが、水平成分(H)が外筒体(7)に入力して(X)だけ
水平移動した場合に圧縮側突畝部(9a')を介して内筒体
(6)も水平移動しようとするが、内筒体(6)に加わる水平
力はダンパ液(4)に浸漬されたダンパ部材(5)を通して荷
重体(A)に作用する事になり、この時ダンパ液(4)の粘性
減衰が働いて荷重体(A)の水平方向の振動を抑制する事
になると同時に積層体(3)の撓みも緩和する事になる。
【0027】ダンパ機構(C)の作用点(ダンパ液(4)にダ
ンパ部材(5)が浸漬されており、粘性減衰が作用する
点)は、合成力f=CΔXドット+KΔXである処から前
記復元力(R)に対してその位置が低いほうが望ましい。
ここで、C=粘性減衰、K=積層体(3)のバネ定数、(Δ
Xドット)は水平方向の変位速度、ΔXは水平方向の変位
量である。具体的には、ダイアフラム(9)の圧縮側突畝
部(9a')の内筒体(6)に対する接離端(P')より下であるこ
とが望ましい。これにより、前述の作用に加えて水平方
向の粘性減衰によるダンパ効果も加わり、より一層の積
層体の水平方向の撓みを緩和する事になる。特に、本発
明に使用されているダンパ装置(C)は、荷重体(A)と内筒
体(6)との間に設置されていて減衰効果がダイアフラム
(9)に直接働かない点が特徴的であり、これにより水平
成分の高周波領域では減衰効果が作用せず低周波領域の
みで減衰効果が作用する事になり、高い防振性能が得ら
れる。このようにして、本発明にかかる吸振体(B)は、
簡単な構造で1基で6成分で構成された外乱に対処する
事が出来るものである。
【0028】図7は本発明にかかる吸振体(B)の他の実
施例で、図3の吸振体(B)の機構部分をそっくり転倒し
て配置したもので、荷重体(A)の下面に外筒体(7)が接続
されており、前記外筒体(7)内を内筒体(6)が上下方向に
移動自在に配設されている。前記内筒体(6)の上面と外
筒体(7)の天井面並びに側面間に形成された間隙(8)には
ダイアフラム(9)が配設されており、外筒体(7)を介して
前記ダイアフラム(9)にて荷重体(A)を載置担持するよう
になっている。更に内筒体(6)の下面には水平方向に自
由に移動出来る積層体(3)が配設されていて荷重体(A)を
支持するようになっている。内筒体(6)と外筒体(7)との
間に形成された側面間隙(8a)には前記ダイアフラム(9)
の環状突畝部(9a)が挿入されており、環状突畝部(9a)の
内筒体(6)との接離端(P)が積層体(3)の内筒体(6)への取
付面(23)より下方に位置するように形成されている。
(C)はダンパ装置で、床面に設置されたダンパ液(4)中に
内筒体(6)から垂設したダンパ部材(5)を浸漬している。
作用効果は図3の吸振体(B)と同一である。
【0029】尚、上記実施例では受動的除振の場合を主
として説明したが、勿論これに限られず、公知の能動除
振制御装置(図示せず)を付加することにより能動除振
装置としても使用する事ができるものである。
【0030】
【発明の効果】本発明にかかる請求項1の吸振体は、水
平方向に自由に移動出来る積層体を介して荷重体の下面
に接続された内筒体と、内筒体を上下方向に移動自在に
収納する外筒体と、前記内筒体と外筒体の底面並びに側
面間に形成された間隙に配設され且つ内筒体を載置担持
し、内筒体と外筒体との間に形成された側面間隙に挿入
されているダイアフラムの環状突畝部の内筒体との接離
端が積層体の内筒体への取付面より上方に位置するよう
に形成されたダイアフラムとで構成されているので、入
力した地動外乱の水平成分により外筒体が移動した場
合、圧縮側突畝部と引張側突畝部との間で内筒体側面に
対する接触面積の相違が発生し、これによって復元力が
発生する。この復元力が積層体の水平撓みに抗する力と
して働き、大きな水平成分の入力に対しても積層体の撓
みを大幅に緩和する事ができ、安定的に荷重体を支持出
来るという利点がある。又、請求項3の吸振体も同様の
働きをなす。
【0031】更に、請求項2のように、内筒体内に保持
されているダンパ液に、荷重体から垂設されたダンパ部
材を前記ダンパ液中に浸漬した場合、又は床面に保持さ
れているダンパ液中に、内筒体から垂設されたダンパ部
材を浸漬している場合には、低周波領域のみで水平方向
の粘性減衰によるダンパ効果が加わることになり、前述
の作用に加えて防振性能をさほど劣化させる事なくより
一層の積層体の水平方向の撓みを効果的に緩和する事が
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸振体を設置した除振台の概略平面図
【図2】本発明の吸振体を設置した除振台の概略正面図
【図3】本発明の吸振体の一実施例の縦断面図
【図4】本発明の吸振体に水平成分が作用した場合を説
明する概略正面図
【図5】本発明の吸振体に水平成分が作用した場合を説
明する概略正面図
【図6】従来例の吸振体に水平成分が作用した場合を説
明する概略正面図
【図7】本発明の吸振体の他の実施例の縦断面図
【図8】従来例の他の吸振体の概略正面図
【符号の説明】
(A)…荷重体 (2)…空気バネ装置 (3)…積層体 (4)…ダンパ液 (5)…ダンパ部材 (6)…内筒体 (7)…外筒体 (8)…間隙 (8a)…側面間隙 (9)…ダイアフラム (9a)…突畝部 (P)…接離端 (23)…取付面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向に自由に移動出来る積層体
    を介して荷重体の下面に接続された内筒体と、内筒体を
    上下方向に移動自在に収納する外筒体と、前記内筒体と
    外筒体の底面並びに側面間に形成された間隙に配設され
    且つ内筒体を載置担持し、内筒体と外筒体との間に形成
    された側面間隙に挿入されているダイアフラムの環状突
    畝部の内筒体との接離端が積層体の内筒体への取付面よ
    り上方に位置するように形成されたダイアフラムとで構
    成されている事を特徴とする吸振体。
  2. 【請求項2】 内筒体内に保持されているダンパ液
    と、前記ダンパ液中に浸漬されており、荷重体から垂設
    されたダンパ部材とが付加されている事を特徴とする請
    求項1に記載の吸振体。
  3. 【請求項3】 荷重体の下面に接続された外筒体
    と、外筒体内を上下方向に移動自在に配設された内筒体
    と、前記内筒体の上面と外筒体の天井面並びに側面間に
    形成された間隙に配設され且つ外筒体を介して荷重体を
    載置担持するダイアフラムと、水平方向に自由に移動出
    来且つ内筒体の下面に配設されていて荷重体を支持する
    積層体とで構成されており、内筒体と外筒体との間に形
    成された側面間隙に挿入されている前記ダイアフラムの
    環状突畝部の内筒体との接離端が積層体の内筒体への取
    付面より下方に位置するように形成されている事を特徴
    とする吸振体。
  4. 【請求項4】 床面に保持されているダンパ液と、
    前記ダンパ液中に浸漬されており、内筒体から垂設され
    たダンパ部材とが付加されている事を特徴とする請求項
    3に記載の吸振体。
JP2194893A 1993-01-14 1993-01-14 吸振体 Pending JPH06213276A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101322326B1 (ko) * 2011-11-10 2013-10-28 주식회사 고려에프앤디 탁상용 제진장치
KR20160092317A (ko) * 2015-01-27 2016-08-04 조양근 에어스프링, 제진장치 및 그 설치방법

Citations (1)

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JPH0330735A (ja) * 1989-06-28 1991-02-08 Tadashi Yamagata 自動調理器

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