JPH0621311B2 - 耐熱耐摩耗性アルミニウム合金 - Google Patents
耐熱耐摩耗性アルミニウム合金Info
- Publication number
- JPH0621311B2 JPH0621311B2 JP2096487A JP9648790A JPH0621311B2 JP H0621311 B2 JPH0621311 B2 JP H0621311B2 JP 2096487 A JP2096487 A JP 2096487A JP 9648790 A JP9648790 A JP 9648790A JP H0621311 B2 JPH0621311 B2 JP H0621311B2
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- JP
- Japan
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- aluminum alloy
- heat
- wear
- resistant aluminum
- hard particles
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- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、すぐれた高力アルミニウム合金の耐摩耗性を
改善し、バルブリフター、バルブスプリングリテーナ
ー、オイルポンプギア、スプロケット、その他エンジン
部品に応用し得る耐熱耐摩耗性アルミニウム合金に関す
るものである。
改善し、バルブリフター、バルブスプリングリテーナ
ー、オイルポンプギア、スプロケット、その他エンジン
部品に応用し得る耐熱耐摩耗性アルミニウム合金に関す
るものである。
［従来の技術］ 最近、エンジンを従来の鋼材に代えてアルミニウム合金
を用いて作製し、軽量化して省エネルギーを図ることが
行われている。しかし、特にバルブリフター、バルブス
プリングリテーナー、オイルポンプギア、スプロケット
その他エンジン部品は高温強度、耐摩耗性及び衝撃特性
が必要とされる。
を用いて作製し、軽量化して省エネルギーを図ることが
行われている。しかし、特にバルブリフター、バルブス
プリングリテーナー、オイルポンプギア、スプロケット
その他エンジン部品は高温強度、耐摩耗性及び衝撃特性
が必要とされる。
しかし、一般に耐熱用とされるアルミニウム合金には22
19、2618等があるがこれらは耐摩耗性が十分でない。
又、耐摩耗性とされるアルミニウム合金にはAC8A、AC9
B、A390等があるが、これらは耐熱性が乏しい上、靱
性、切削性、冷間及び熱間での鍛造性も十分でない。
19、2618等があるがこれらは耐摩耗性が十分でない。
又、耐摩耗性とされるアルミニウム合金にはAC8A、AC9
B、A390等があるが、これらは耐熱性が乏しい上、靱
性、切削性、冷間及び熱間での鍛造性も十分でない。
［発明が解決しようとする課題］ そこで先に粉末冶金法を利用して耐熱性と耐摩耗性の優
れたＡｌ−高Ｓｉ系合金を開発しているが（例えば特公
昭63−16459号）これらの靱性が低いことと冷間鍛造性
の点に問題を有している。
れたＡｌ−高Ｓｉ系合金を開発しているが（例えば特公
昭63−16459号）これらの靱性が低いことと冷間鍛造性
の点に問題を有している。
本発明はかかる点に鑑み、耐熱性と耐摩耗性とを兼ね備
え、しかも靱性と十分な冷間鍛造性をもったアルミニウ
ム合金を提供せんとするものである。
え、しかも靱性と十分な冷間鍛造性をもったアルミニウ
ム合金を提供せんとするものである。
［課題を解決するための手段］ 本発明は、Ｃｕ：2.0〜6.0％、Ｍｇ：0.3〜3.0％、Ｓ
ｉ：0.2〜1.2％を含みあるいはさらにこれらにＭｎ、Ｆ
ｅ、Ｎｉの中から１種または２種以上を合計で0.4〜4.0
％含み、あるいは更にＺｒ、Ｔｉのうち１種又は２種を
合計で0.02〜0.7％含み、残部が不可避的不純物を含む
Ａｌからなるアルミニウム合金マトリックスの中に、平
均粒径が１〜８μｍであるＳｉＣ、Ｓｉ３Ｎ４、Ａｌ２
Ｏ３、ＴｉＮ、ＴｉＣ、ＺｒＯ２・ＳｉＯ２の如き硬質
粒子の１種又は２種以上を0.5〜８％分散させてなる粉
末押出法により得られた耐熱耐摩耗性アルミニウム合金
である。
ｉ：0.2〜1.2％を含みあるいはさらにこれらにＭｎ、Ｆ
ｅ、Ｎｉの中から１種または２種以上を合計で0.4〜4.0
％含み、あるいは更にＺｒ、Ｔｉのうち１種又は２種を
合計で0.02〜0.7％含み、残部が不可避的不純物を含む
Ａｌからなるアルミニウム合金マトリックスの中に、平
均粒径が１〜８μｍであるＳｉＣ、Ｓｉ３Ｎ４、Ａｌ２
Ｏ３、ＴｉＮ、ＴｉＣ、ＺｒＯ２・ＳｉＯ２の如き硬質
粒子の１種又は２種以上を0.5〜８％分散させてなる粉
末押出法により得られた耐熱耐摩耗性アルミニウム合金
である。
上記において合金成分、硬質粒子の限定理由は下記のと
おりである。
おりである。
Ｃｕ：常温及び高温強度を向上する。2.0％未満ではそ
の効果が小さく、6.0％を超えると効果が飽和するとと
もに耐食性が低下する。
の効果が小さく、6.0％を超えると効果が飽和するとと
もに耐食性が低下する。
Ｍｇ：Ｃｕと共存して時効硬化して常温及び高温強度を
高める。0.3％未満では効果が十分でなく、3.0％を越え
ると効果が飽和する。
高める。0.3％未満では効果が十分でなく、3.0％を越え
ると効果が飽和する。
Ｓｉ：Ｓｉの添加によりＡｌ−Ｃｕ−Ｍｇ系析出中間相
（Ｓ′）が微細に形成され、時効硬化量が大きくなる。
更に後述のＭｎが共存していると、Ａｌ−Ｍｎ−Ｓｉ系
析出相が生じ、これが転位のビンニング効果を高め、サ
ブグレイン組織ないし微細な再結晶組織となる。0.2％
未満ではその効果が小さく、1.2％を越えると効果が飽
和するとともにＳｉ晶出物が生じて延性が低下させる。
（Ｓ′）が微細に形成され、時効硬化量が大きくなる。
更に後述のＭｎが共存していると、Ａｌ−Ｍｎ−Ｓｉ系
析出相が生じ、これが転位のビンニング効果を高め、サ
ブグレイン組織ないし微細な再結晶組織となる。0.2％
未満ではその効果が小さく、1.2％を越えると効果が飽
和するとともにＳｉ晶出物が生じて延性が低下させる。
Ｍｎ、Ｆｅ、Ｎｉ：高温強度の向上に役立つ。
合計量が0.4％未満ではその効果が小さく、4.0％を越え
ると粗大な晶出物を生じやすく延性を低下させる。
ると粗大な晶出物を生じやすく延性を低下させる。
Ｔｉ、Ｚｒ：凝固時の結晶粒を微細化するとともに、溶
体化処理中に発生する再結晶を抑制し、繊維状組織ある
いは微細な再結晶を有する組織をつくり、強度を向上さ
せる。合計量が0.02％未満ではその効果が小さく、0.7
％を越えると効果が飽和する。
体化処理中に発生する再結晶を抑制し、繊維状組織ある
いは微細な再結晶を有する組織をつくり、強度を向上さ
せる。合計量が0.02％未満ではその効果が小さく、0.7
％を越えると効果が飽和する。
硬質粒子：ＳｉＣ、Ｓｉ３Ｎ４、Ａｌ２Ｏ３、ＴｉＮ、
ＴｉＣ、ＺｒＯ２・ＳｉＯ２（ジルコン）の如き硬質粒
子を添加することによって耐摩耗性が大幅に向上する。
平均粒径が１μｍ未満では十分な耐摩耗性を得られな
い。更に粒子の均一分散が困難となり、粒子が偏在する
場合には延性が低下する。平均粒径が８μｍを越すと摩
擦する相手側の材料を傷つける。相手材が鋳鋼材である
場合には、傷も小さく問題となることはあまりないが、
相手材がアルミ合金のような軟質材である場合には、大
きく摩擦傷が生じる。又、添加量が0.5％未満では耐摩
耗性が十分でなく、添加量が８％を越えると延性と切削
性が低下する。
ＴｉＣ、ＺｒＯ２・ＳｉＯ２（ジルコン）の如き硬質粒
子を添加することによって耐摩耗性が大幅に向上する。
平均粒径が１μｍ未満では十分な耐摩耗性を得られな
い。更に粒子の均一分散が困難となり、粒子が偏在する
場合には延性が低下する。平均粒径が８μｍを越すと摩
擦する相手側の材料を傷つける。相手材が鋳鋼材である
場合には、傷も小さく問題となることはあまりないが、
相手材がアルミ合金のような軟質材である場合には、大
きく摩擦傷が生じる。又、添加量が0.5％未満では耐摩
耗性が十分でなく、添加量が８％を越えると延性と切削
性が低下する。
［実施例］ 表１に示す成分の硬質粒子を含むアルミニウム合金を製
造した。製造方法は次のとおりである。
造した。製造方法は次のとおりである。
エアアトマイズ法によって各種Ａｌ合金粉末を製造後14
5μｍ以下に分級し、これに所定の粒度および量の硬質
粒子を加えポットミルによって混合した。この混合粉末
を外径2.5インチのアルミニウム缶に装入した後、缶内
の空気及び粉末表面に吸着している水分を取除くため48
0℃にて１時間の真空脱ガス処理をして、これを押出用
ビレットとした。これを400℃で直径18mmに押出した
（押出比15）。そして、Ｔ６処理(480℃×１ｈ保持→水
焼入れ→175℃×６ｈ保持)を施し、引張試験及びピン・
ディスク式摩耗試験を行った。結果を表１に併記する。
ここで摩耗量とは、摩耗試験(120℃のマシン油の中でピ
ンを供試合金、ディスクをAC2Aとして、50kgf/cm2の面
圧、速度0.5m/secで摩擦を１時間行う）におけるピンの
長さ減量とディスクにつく摩擦跡の深さである。
5μｍ以下に分級し、これに所定の粒度および量の硬質
粒子を加えポットミルによって混合した。この混合粉末
を外径2.5インチのアルミニウム缶に装入した後、缶内
の空気及び粉末表面に吸着している水分を取除くため48
0℃にて１時間の真空脱ガス処理をして、これを押出用
ビレットとした。これを400℃で直径18mmに押出した
（押出比15）。そして、Ｔ６処理(480℃×１ｈ保持→水
焼入れ→175℃×６ｈ保持)を施し、引張試験及びピン・
ディスク式摩耗試験を行った。結果を表１に併記する。
ここで摩耗量とは、摩耗試験(120℃のマシン油の中でピ
ンを供試合金、ディスクをAC2Aとして、50kgf/cm2の面
圧、速度0.5m/secで摩擦を１時間行う）におけるピンの
長さ減量とディスクにつく摩擦跡の深さである。
上記表１から明らかなとおり、本発明合金No.１〜17は
室温及び150℃において十分高い強度と伸びを示し、更
にピンの摩耗量は小さくディスクの摩耗量も小さい。そ
れに対し、比較合金No.18〜22は硬質粒子の寸法あるい
は量が適切でないため、伸びが不足しているか、又はピ
ンの摩擦量あるいはディスクの摩耗量が大きく、比較合
金No.23〜26はアルミニウム合金マトリックスの成分が
適切でないため、強度又は伸びが低い。
室温及び150℃において十分高い強度と伸びを示し、更
にピンの摩耗量は小さくディスクの摩耗量も小さい。そ
れに対し、比較合金No.18〜22は硬質粒子の寸法あるい
は量が適切でないため、伸びが不足しているか、又はピ
ンの摩擦量あるいはディスクの摩耗量が大きく、比較合
金No.23〜26はアルミニウム合金マトリックスの成分が
適切でないため、強度又は伸びが低い。
又、合金No.２及びNo.11の調質を０材とし、冷間据込み
試験を実施したところ、限界据込み率はそれぞれ58％及
び52％であった。この値は十分高く、本発明合金は冷間
鍛造が容易であると判断される。
試験を実施したところ、限界据込み率はそれぞれ58％及
び52％であった。この値は十分高く、本発明合金は冷間
鍛造が容易であると判断される。
［発明の効果］ 本発明によれば高温強度と耐摩耗性にすぐれたアルミニ
ウム合金を得ることができる。そしてこのものは冷間鍛
造が容易で、本合金を摩擦部品として使用しても相手材
を傷つけない。したがって、本発明合金はバルブリフタ
ー、バルブスプリングリテーナーをはじめ、エンジン部
品等に適し、従来の鋼製品と置き換え得る材料である。
ウム合金を得ることができる。そしてこのものは冷間鍛
造が容易で、本合金を摩擦部品として使用しても相手材
を傷つけない。したがって、本発明合金はバルブリフタ
ー、バルブスプリングリテーナーをはじめ、エンジン部
品等に適し、従来の鋼製品と置き換え得る材料である。
Claims (4)
- 【請求項１】Cu：2.0〜6.0％（重量％：以下同じ）、M
g：0.3〜3.0％、Si：0.2〜1.2％を含み、残部が不可避
的不純物を含むAlからなるアルミニウム合金マトリック
スの中に、平均粒径が１〜８μｍの硬質粒子を0.5〜８
％分散させてなる粉末押出法により得られた耐熱耐摩耗
性アルミニウム合金。 - 【請求項２】Cu：2.0〜6.0％、Mg：0.3〜3.0％、Si：0.
2〜1.2％と更にMn，Fe，Niの中から１種又は２種以上を
合計で0.4〜4.0％を含み、残部が不可避的不純物を含む
Alからなるアルミニウム合金マトリックスの中に、平均
粒径が１〜８μｍの硬質粒子を０．５〜８％分散させて
なる粉末押出法により得られた耐熱耐摩耗性アルミニウ
ム合金。 - 【請求項３】Cu：2.0〜6.0％、Mg：0.3〜3.0％、Si：
０．２〜１．２％及びMn，Fe，Niの中から１種又は２種
以上を合計で0.4〜4.0％と更にZr，Tiのうち１種又は２
種を合計で0.02〜0.7％を含み、残部が不可避的不純物
を含むAlからなるアルミニウム合金マトリックスの中
に、平均粒径が１〜８μｍの硬質粒子を0.5〜８％分散
させてなる粉末押出法により得られた耐熱耐摩耗性アル
ミニウム合金。 - 【請求項４】硬質粒子がSiC，Si3N4，Al2O3，TiN，Ti
C，ZrO2・SiO2の１種又は２種以上である請求項(1)ない
し(3)のいずれかに記載の粉末押出法により得られた耐
熱耐摩耗性アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2096487A JPH0621311B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 耐熱耐摩耗性アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2096487A JPH0621311B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 耐熱耐摩耗性アルミニウム合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03294446A JPH03294446A (ja) | 1991-12-25 |
| JPH0621311B2 true JPH0621311B2 (ja) | 1994-03-23 |
Family
ID=14166429
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2096487A Expired - Lifetime JPH0621311B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 耐熱耐摩耗性アルミニウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0621311B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2700520B2 (ja) * | 1993-06-10 | 1998-01-21 | 住友軽金属工業株式会社 | 自転車用リム材 |
| CN103469037B (zh) * | 2013-08-28 | 2015-07-22 | 中南大学 | 具有高的热稳定性和抗疲劳性能的铝合金及热处理工艺 |
| CN105506435A (zh) * | 2015-12-14 | 2016-04-20 | 无锡福镁轻合金科技有限公司 | 一种用于曲轴的复合材料 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60121250A (ja) * | 1983-12-05 | 1985-06-28 | Mitsubishi Metal Corp | 摩擦および摺動部材用焼結Ａｌ合金 |
| JPS616243A (ja) * | 1984-06-19 | 1986-01-11 | Mitsubishi Metal Corp | 耐摩耗性のすぐれたＡｌ焼結合金製摺動部材 |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP2096487A patent/JPH0621311B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03294446A (ja) | 1991-12-25 |
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