JPH06212504A - 耐切創性にすぐれた防護具 - Google Patents

耐切創性にすぐれた防護具

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JPH06212504A
JPH06212504A JP3212471A JP21247191A JPH06212504A JP H06212504 A JPH06212504 A JP H06212504A JP 3212471 A JP3212471 A JP 3212471A JP 21247191 A JP21247191 A JP 21247191A JP H06212504 A JPH06212504 A JP H06212504A
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Japan
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molecular weight
protective device
protector
woven fabric
knitted fabric
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JP3212471A
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English (en)
Inventor
Yoshiyasu Fujiwara
義康 藤原
Hirofumi Shirai
博典 白井
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量でありながら、強度、耐クリープ性、耐
候性、耐摩耗性、耐切創性に優れるとともに、適度の柔
軟性を保持した防護具を提供する。 【構成】 極限粘度[η]が少なくとも5dl/gであ
る超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体から構
成された編織物を主体とする防護具。 【効果】 本発明によれば、前記特定の編織物、または
編織物と不織布との層構成を主体とする積層体を使用す
ることによって、軽量でありながら、耐切創性に優れる
とともに、適度の柔軟性を保持した防護具が提供され
る。この防護具は、誤った刃物の操作などによっても、
人体を傷害から護ることができ、とくに、チェーンソー
などの大型の危険度の高い刃物を操作する林業従事者な
どの腕カバーあるいは足カバーなどの防護具としてして
好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐切創性にすぐれた防
護具に関するものであり、より詳しくは、誤った刃物の
操作によっても、人体を刃物による傷害から護ることの
できる、前掛けや腕カバーあるいは足カバー(脚半)な
どの防護具に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】食肉加工業者、魚市場
従事者、あるいは林業従事者(伐材、製材)のように、
大型の鋭利な刃物を使用する職業に従事する人は、その
作業中に誤った刃物の操作によって人体を損傷すること
のないように、人体に直接、あるいは、作業衣の上に前
掛けや腕カバーあるいは足カバー(脚半)などの防護具
を付けて身体を保護している。このような防護具の材料
としては、従来よりナイロンやポリエステルのクロス、
これらのクロス上にゴムやポリ塩化ビニルをコーティン
グしたもの、あるいは、前記クロスとスチ−ル網と他の
材料との積層体を使用していたが、これらの材料は、い
ずれも耐切創性の点で十分なものとはいい難く、誤った
刃物の操作によって人体を損傷する事故が多発してい
た。さらに、耐切創性を十分なものにしようとすると、
どうしても防護具の素材を厚くしたり、剛性の材料で構
成しなければならず、その場合には、耐切創性という点
の目的はある程度達成しうるものの、防護具の柔軟性に
欠け、また、防護具自体の重量が増え、作業において俊
敏な行動を阻害され、かえって刃物の操作を誤らせる結
果となるばかりでなく、材料費や縫製のための工賃も高
価になるというコストの点でのデメリットも避けられ
ず、軽量で柔軟な耐切創性にすぐれた防護具は未だ提案
されていないのが現状である。
【0003】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、軽量であり、
かつ、容易に刃物によって切創されることのない、前掛
けや腕カバーあるいは足カバー(脚半)などの防護具を
提供することにある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、前記目的を
達成するために提案されたものであって、特定の重合体
の分子配向成形体から構成された編織物からつくられた
防護具を特徴とする。すなわち、本発明によれば、極限
粘度[η]が少なくとも5dl/gである超高分子量エ
チレン系重合体の分子配向成形体からなる編織物を主体
とする耐切創性にすぐれた防護具が提供される。さら
に、本発明によれば、前記超高分子量エチレン系重合体
が、炭素数3個以上のα−オレフィンを、炭素数1000個
あたり平均0.1 ないし20個含有する、エチレンとα−
オレフィンの共重合体、とくにα−オレフィンが、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1およびデセン−1からなる群から選ばれた1種
または2種以上のものであるエチレンとα−オレフィン
共重合体を使用した場合に、一層耐切創性にすぐれた防
護具が提供される。
【0005】
【発明の具体的な説明】本発明に係る耐切創性の防護具
は、主たる構成材として、135℃デカリン溶媒中で測
定した極限粘度[η]が、少なくとも5dl/g、好ま
しくは7ないし30dl/gである超高分子量エチレン
系重合体の分子配向成形体からなる編織物が使用され、
その編織物同士あるいは編織物と不織布との層構成を基
本とする積層体を材料にして防護具を作ることもでき
る。
【0006】超高分子量エチレン系重合体としては、超
高分子量ポリエチレンばかりでなく、前記の極限粘度を
有するエチレンと、炭素数が3個以上、好ましくは4な
いし10個のα−オレフィン、たとえばプロピレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1
の1種または2種以上との共重合体が挙げられるが、な
かでも、エチレンと、ブテン−1、4−メチルペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1およびデセン−1か
らなる群より選ばれた1種または2種以上のα−オレフ
ィンとの共重合体が、耐切創性にすぐれるばかりでな
く、耐摩耗性、耐クリープ性にすぐれ、高い強度を有し
ており、本発明の目的に好適に使用される。さらに、前
記超高分子量エチレン系重合体が、エチレンとα−オレ
フィンとの共重合体である場合には、α−オレフィンコ
モノマーは、炭素数1000個あたり平均0.1 ないし20
個、好ましくは平均0.5 ないし10個含有されているこ
とが望ましい。共重合体中におけるα−オレフィンコモ
ノマーの含有量が前記の範囲にあることにより、α−オ
レフィン成分が高破断エネルギーの達成に有効な分子間
絡み合い構造を形成し、この構造が、耐切創性をはじめ
とする、前記物性向上に寄与し、その分子配向成形体か
ら構成される編織物によってつくられた防護具は、軽量
でありながら、高強度の耐切創性を有するものとなる。
【0007】本発明における超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体中のα−オレフィン成分の定量は、
赤外分光光度計(日本分光工業製)によって行った。つ
まりエチレン鎖の中に取り込まれたα−オレフィンのメ
チル基の変角振動を表わす1378cm-1の吸光度を測定
し、これからあらかじめ13C核磁気共鳴装置にて、モデ
ル化合物を用いて作成した検査線にて1000炭素原子
当りのメチル分岐数に換算することにより測定した値か
ら算出した。
【0008】超高分子量エチレン系重合体の極限粘度
[η]が5dl/g未満のものは、たとえ延伸倍率を大
きくしても、十分な強度の分子配向成形体が得られず、
逆に[η]が30dl/g以上のものは、高濃度下での
溶融粘度が極めて高く、押出時にメルトフラクチャー等
が発生し、溶融紡糸性に劣るため、好適なマルチフィラ
メントを得ることができない。
【0009】本発明の超高分子量エチレン系重合体は、
エチレン、またはエチレンと前記α−オレフィンコモノ
マーとを、周期律表第IVb,Vb,VIb,VIII族の遷移
金属化合物及び周期律表第IないしIII 族の金属水素化
物または有機金属よりなる触媒の存在下に、たとえば有
機溶媒中でスラリー重合することにより得ることができ
る。
【0010】かくして得られた超高分子量エチレン系重
合体は、たとえば、溶融成形を可能にするための稀釈剤
を配合したり、常温固体のパラフィン系ワックスを混合
して溶融押出しされ、ついで延伸されることによって、
繊維あるいはテープなどの分子配向成形体とする。
【0011】稀釈剤としては、超高分子量エチレン系重
合体に対する溶剤や、超高分子量エチレン系重合体に対
して分散性を有する各種ワックス状物が使用される。
【0012】溶剤は、好ましくは前記重合体の融点以
上、さらに好ましくは融点+20℃以上の沸点を有する
溶剤である。
【0013】かかる溶剤としては、具体的にはn−ノナ
ン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−
テトラデカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィ
ン、灯油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタ
リン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シク
ロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンチルベン
ゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリ
ン、メチルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭
化水素系溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2,2 −テ
トラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロ
エタン、1,2,3 −トリクロロプロパン、ジクロロベンゼ
ン、1,2,4 −トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン系プロセスオイ
ル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイ
ル等の鉱油が挙げられる。
【0014】ワックス類としては、脂肪族炭化水素化合
物あるいはその誘導体が使用される。
【0015】脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪
族炭化水素化合物を主体とするもので、通常分子量が2
000以下、好ましくは1000以下、さらに好ましく
は800以下のパラフィン系ワックスと呼ばれるもので
ある。これら脂肪族炭化水素化合物としては、具体的に
はドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタ
ン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはこれらを
主成分とした低級n−アルカンとの混合物、石油から分
離精製された所謂パラフィンワックス、エチレンあるい
はエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して得られ
る低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワック
ス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合ワッ
クスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチ
レン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を低下さ
せたワックス及びそれらのワックスの酸化物あるいはマ
レイン酸変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワック
ス等が挙げられる。
【0016】脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、た
とえば、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル
基)の末端もしくは内部に1個またはそれ以上、好まし
くは1ないし2個、特に好ましくは1個のカルボキシル
基、水酸基、カルバモイル基、エステル基、メルカプト
基、カルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素
数8以上、好ましくは炭素数12ないし50、または分
子量130ないし2000、好ましくは200ないし8
00の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪
酸エステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アルデヒド、
脂肪族ケトン等を挙げることができる。具体的には、脂
肪酸としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、脂肪族アルコ
ールとしてラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、脂肪酸
アミドとしてカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミ
チンアミド、ステアリルアミド、脂肪酸エステルとして
ステアリル酢酸エステル等を例示することができる。
【0017】超高分子量エチレン系重合体と稀釈剤との
比率は、これらの種類によっても相違するが、一般的に
言って3:97ないし80:20、特に15:85ない
し60:40の重量比で用いるのがよい。稀釈剤の量が
上記範囲よりも低い場合には、溶融粘度が高くなり過
ぎ、溶融混練や溶融成形が困難となると共に、成形物の
肌荒れが著しく、延伸切れ等を生じ易い。一方、稀釈剤
の量が上記範囲よりも多いと、やはり溶融混練が困難と
なり、また成形品の延伸性が劣るようになる。
【0018】溶融混練は、一般に150ないし300
℃、特に170ないし270℃の温度で行なうのが望ま
しく、上記範囲よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎ
て、溶融成形が困難となり、また上記範囲よりも高い場
合には、熱減成により超高分子量エチレン系重合体の分
子量が低下して高弾性率及び高強度の成形体を得ること
が困難となる。なお、配合はヘンシェルミキサー、V型
ブレンダー等による乾式ブレンドで行ってもよいし、単
軸あるいは多軸押出機を用いる溶融混合で行ってもよ
い。
【0019】溶融成形は、一般に溶融押出成形により行
われる。たとえば、紡糸口金を通して溶融押出すること
により、延伸用フィラメントが得られ、またフラットダ
イあるいはリングダイを通して押出すことにより延伸用
テープが得られる。 この際、紡糸口金より押出された
溶融物にドラフト、すなわち溶融状態での引き伸しを加
えることもできる。溶融樹脂のダイ・オリフィス内での
押出速度VO と冷却固化した未延伸物の巻き取り速度V
との比をドラフト比として次式で定義することができ
る。 ドラフト比=V/VO このようなドラフト比は、混合物の温度および超高分子
量エチレン系重合体の分子量等により変化するが、通常
は3以上、好ましくは6以上とすることができる。
【0020】次に、このようにして得られた超高分子量
エチレン系重合体の未延伸成形体を延伸処理する。延伸
操作は、一段あるいは二段以上の多段で行うことができ
る。延伸倍率は、所望とする分子配向及びこれに伴なう
融解温度向上の効果にも依存するが、一般に5ないし8
0倍、特に10ないし50倍の延伸倍率となるように延
伸操作を行えば満足すべき結果が得られる。一般には、
二段以上の多段延伸が有利であり、一段目では、80な
いし120℃の比較的低い温度で押出成形体中の稀釈剤
を抽出しながら延伸操作を行ない、二段目以降では、1
20ないし160℃の温度で、かつ、一段目の延伸温度
よりも高い温度で成形体の延伸操作を続行するのがよ
い。
【0021】かくして得られる分子配向成形体は、所望
により拘束条件下に熱処理することができる。この熱処
理は、一般に140ないし180℃、特に150ないし
175℃の温度で、1ないし20分間、特に3ないし1
0分間行うことができる。熱処理により、配向結晶部の
結晶化が一層進行し、結晶融解温度の高温側移行、強度
および弾性率の向上および高温での耐クリープ性の向上
がもたらされる。
【0022】成形体における分子配向の過程は、X線回
折法、複屈折法、蛍光偏光法等で知ることができる。本
発明の超高分子量エチレン系重合体の延伸フィラメント
の場合、たとえば呉祐吉、久保揮一郎:工業化学雑誌第
39巻、992頁(1939)に詳しく述べられている半値
巾による配向度、すなわち、式 式中、H°は赤道線上最強のパラトロープ面のデバイ環
に沿っての強度分布曲線の半値巾(°)である。で定義
される配向度(F)が0.90以上、特に0.95以上となるよ
うに分子配向されていることが、機械的性質の点で望ま
しい。
【0023】本発明に係る防護具は、かくして得られる
超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体から構成
される編織物からつくられる。編織物は、自体公知の織
り方によって得られるが、具体的には、平織、朱子織、
あや織り、からみ織りなどいずれの方法によって織られ
たものでもよい。
【0024】また、本発明の防護具は、前記編織物単体
ばかりでなく、編織物同士の積層体、あるいは、編織物
と不織布との層構成を基本とする積層体からつくること
もできる。編織物と積層される不織布を構成する材料
は、ポリエステル、ビニロン、ポリプロピレンなどが挙
げられるが、とくにポリプロピレンからなる不織布が好
ましい。この不織布は、本出願前公知の製法で製造され
たものをそのまま用いることができる。また、本発明の
防護具を構成する積層体は、これら編織物/不織布の2
層からなる積層体ばかりでなく、両素材を適宜組み合わ
せた3層以上の多層構造であってもよい。また、上記積
層体には編織物と不織布以外に、他の材料、たとえば、
スチ−ル網などが用いられていてもよい。上記積層体
は、それぞれの層が強固に結合されたものでも良いが、
適度の嵩高な状態でゆるやかに結合されたものでも良
い。
【0025】編織物/不織布の層構成を基本とする積層
体からなる防護具は、とくに林業従事者や製材所従事者
のようにチェ−ンソ−を使用する作業員、あるいは回転
式の雑草刈取機を使用する作業員の足カバー(脚半)、
あるいは腕カバ−としてとくに適している。すなわち、
編織物/不織布の層構成を基本とする積層体(パッド)
を足カバ−あるいは、腕カバーの前記刃物が接触しやす
い部位に取り付け、必要に応じてその上から布地でカバ
−しても良い。図3は、後述する実施例6に示すよう
に、20cm×20cmの編織物/不織布/編織物/不
織布からなる4層の積層体を、綿製ギャバジン地によっ
てつくられた脚半の足の脛部の表面に取りつけたもので
ある。
【0026】かかる構成を有する防護具に、たとえば誤
ってチェ−ンソーなどの刃が当たっても、前記編織物は
それによって切断されることがなく、解繊されるだけで
あり、解繊されたマルチフィラメントがチェ−ンソーの
モーター部分に絡まり、チェ−ンソーの回転を停止させ
てしまうことが判明した。
【0027】つまり、本発明の防護具(パッド)に使用
される編織物は、チェ−ンソーの刃によって切断される
ことがなく、解繊されたマルチフィラメントがチェ−ン
ソーの回転を停止させるために、チェ−ンソーの刃が脚
半の生地を破り、人体に接触するのを未然に防止するこ
とができるのである。
【0028】このパッドに用いられる編織物は、前記超
高分子量ポリエチレン系重合体の分子配向成形体から得
られ、平織り、朱子織り、綾織りなど本出願前から知ら
れている任意の方法にて織られたものを使用することが
できる。なお、編織物はあまり密な織り方にしない方が
好ましい。この編織物に不織布を積層させることによっ
てチェ−ンソーの刃との接触による衝撃を緩和させるこ
とができる。また、これら編織物と積層される不織布
は、嵩高なものが好ましく使用される。
【0029】このように、本発明の防護具は、食肉加工
業者、林業従事者、魚市場従事者、あるいは魚小売業者
のように、鋭利で大型の刃物を扱う作業者が使用する前
掛けや脚半などに好適に使用することができ、それに使
用される前記超高分子量エチレン系重合体の分子配向成
形体のデニール番手は、通常500ないし3000dであ
り、それからなる編織物は、密度は15ないし35本/
2.45cm、厚さは0.2 ないし2mm、目付け80ないし60
0程度のものが好ましく使用される。なお、本発明にお
いて使用される超高分子量エチレン系重合体の分子配向
成形体のマルチフィラメントは、引張強度が最低でも1.
5GPa以上、弾性率は20GPa以上である。
【0030】本発明の防護具は、後述する実施例から明
らかなように、きわだってすぐれた耐切創性を有し、鋭
利でかつ、重い刃物が当っても編織物の面が切断するこ
とは殆んどなく、刃物を扱う作業者の身体をきわめて高
い安全度で護ることができる。しかも、本発明の防護具
は、細い番手の分子配向成形体を使用することによって
十分にすぐれた耐切創性を示すために、材料の軽量化が
でき、しかも、柔軟性があるので、この防護具を使用す
ることによって、作業者は俊敏な作業が容易になしうる
ものである。また、本発明の防護具は、素材に吸水性が
ないため、降雨時の作業にも適している。さらに、本発
明の防護具には、刃物との接触時のすべり易さを防ぎ、
防水性を高めるために、防護具の少なくとも一面にポリ
塩化ビニルのコーティング層を設けることができる。
【0031】ポリ塩化ビニルは水性分散液として、デイ
ッピングまたはコーティング法によって、編織物の少な
くとも一面に通常30ないし1000μ、好ましくは50な
いし500μ程度の被覆層が形成される。ポリ塩化ビニ
ルのコーティングに際しては、必要に応じて編織物の表
面を、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、放射線(電
子線、γ線)処理を行うことによって、編織物とポリ塩
化ビニルの密着性が一層高められる。防護具の表面にポ
リ塩化ビニルの被覆層が形成されていることにより、前
記防護具が耐切創性が良すぎて、刃物をすべらせるとい
う特性によってもたらされる予想外の事故に対処するこ
とができ、かつ、防護具の防水性を高めることができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、特定の重合体の分子配
向成形体から構成される編織物を使用することにより、
きわめてすぐれた耐切創性を有する前掛けや腕カバー、
あるいは足カバーなどの防護具が提供され、この防護具
は、高強度で耐摩耗性、耐クリープ性にもすぐれている
ために、薄地の編織物を使用した軽量化が可能となり、
作業性にもすぐれた防護具となる。また、防護具表面が
刃物と接触した際に、すべり易いことに起因して、予想
外の事故が起こりうるような用途においては、該防護具
表面にポリ塩化ビニルの被覆層を形成することによっ
て、そのようなアクシデントを未然に防止し、しかも防
水性を高めることにもなる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。参考例1超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の重合>チ
ーグラー系触媒を用い、n−デカン1リットルを重合溶媒と
して、超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体のスラ
リー重合を行なった。エチレンとブテン−1との組成が
モル比で97.2:2.8 の比率の混合モノマーガスを圧力が
5kg/cm2の一定圧力を保つように反応器に連続供給し
た。重合は反応温度70℃で2時間で終了した。得られ
た超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末の収量
は160 gで、極限粘度[η](デカリン:135℃)は8.2d
l/g、赤外分光光度計によるブテン−1含量は1000炭素
原子あたり1.5 個であった。
【0034】<超高分子量エチレン・ブテン−1共重合
体延伸配向物の調製>上述の重合により得られた超高分
子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末20重量部とパ
ラフィンワックス(融点=69℃、分子量=490)80重量
部との混合物を次の条件で溶融紡糸した。該混合物 100
重量部に、プロセス安定剤として、3,5 −ジ−tert−ブ
チル−4−ハイドロキシトルエンを0.1 重量部配合し
た。次いで該混合物をスクリュー式押出機(スクリュー
径=25mm、L/D =25、サーモプラスチックス社製)を用
いて、設定温度 190℃で溶融混練を行なった。引続き、
該混合溶融物を押出機に付属するオリフィス径2mmの紡
糸ダイより溶融紡糸した。押出溶融物は 180cmのエアー
ギャップで36倍のドラフト比で引き取られ、空気中に
て冷却、固化し、未延伸繊維を得た。さらに該未延伸繊
維を次の条件で延伸した。
【0035】三台のゴデットロールを用いて二段延伸を
行なった。このとき第一延伸槽の熱媒はn−デカンであ
り、温度は 110℃、第二延伸槽の熱媒はトリエチレング
リコールであり、温度は 145℃であった。槽の有効長は
それぞれ50cmであった。延伸に際しては、第1ゴデッ
トロールの回転速度を0.5m/分として第3ゴデットロー
ルの回転速度を変更することにより、所望の延伸比の配
向繊維を得た。第2ゴデットロールの回転速度は安定延
伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混合されたパラフ
ィンワックスは、ほぼ全量が延伸時n−デカン中に抽出
された。このあと配向繊維は水洗し、減圧下室温にて一
昼夜乾燥し、諸物性の測定に供した。なお延伸比は、第
1ゴデットロールと第3ゴデットロールの回転速度比か
ら計算で求めた。
【0036】<引張特性の測定>弾性率および引張強度
は、津製作所製DCS-50M 型引張試験機を用い、室温(2
3℃)にて測定した。この時クランプ間の試料長は 100
mmであり、引張速度 100mm/分(100%/分歪速度)であ
った。弾性率は初期弾性率で接線の傾きを用いて計算し
た。計算に必要な繊維断面積は密度を0.960g/cc として
重量から計算で求めた。
【0037】<熱履歴後の引張弾性率、強度保持率>熱
履歴試験は、ギヤーオーブン(パーフェクトオーブン:
田葉井製作所製)内に放置することによって行なった。
試料は約3mの長さでステンレス枠の両端に複数個の滑
車を装置したものに折り返しかけて試料両端を固定し
た。この際試料両端は試料がたるまない程度に固定し、
積極的に試料に張力はかけなかった。熱履歴後の引張特
性は、前述の引張特性の測定の記載に基づいて測定し
た。
【0038】<耐クリープ性の測定>耐クリープ性の測
定は、応力歪測定装置TMA/SS10(セイコー電子
工業社製)を用いて、試料長1cm、雰囲気温度70℃、
荷重は室温での破断荷重の30%に相当する重量の促進
条件下で行なった。クリープ量を定量的に評価するため
以下の二つの値を求めた。すなわち、試料に荷重を加え
て90秒経過時のクリープ伸び(%)CR90の値と、この
90秒経過時から 180秒経過時の平均クリープ速度(sec
-1) εの値である。
【0039】得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマル
チフィラメントの引張特性を表1に示す。
【0040】超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体
延伸フィラメント(試料−1)の本来の結晶融解ピーク
は126.7 ℃、全結晶融解ピーク面積に対するTp の割合
は33.8%であった。また耐クリープ性はCR90=3.1 %、
ε=3.03×10-5sec-1 であった。さらに 170℃、5分間
の熱履歴後の弾性率保持率は102.2 %、強度保持率は10
2.5 %で熱履歴による性能の低下は見られなかった。ま
た、延伸フィラメントの破断に要する仕事量は10.3kg・m
/gであり、密度は 0.973g/cm3 であり、誘電率は2.2 で
あり、誘電正接は0.024 %であり、インパルス電圧破壊
値は 180kV/mm であった。マルチフィラメントの結節強
度、ループ強度の直線強度に対する低下率は、それぞれ
38%、36%であった。
【0041】参考例2超高分子量ポリエチレンの重合>チーグラー系触媒を
用いて、n−デカン1リットルを重合溶媒として超高分子量
ポリエチレンのスラリー重合を行なった。重合に先立っ
て反応器中にエチレンガスと水素ガスとの混合ガスを圧
力5kg/cm2(うち水素ガス分圧 0.2kg/cm2)となる様に
充満させ、以後、エチレンガスのみを重合圧力を5kg/c
m2を保つ様に供給した。重合は反応温度70℃で2時間
で終了した。得られた超高分子量ポリエチレンの収量は
170gで極限粘度[η](デカリン:135℃)は7.42
d l/gであった。
【0042】<超高分子量ポリエチレン重合体延伸配向
物の調製>超高分子量ポリエチレン(ホモポリマー)粉
末(極限粘度[η]=7.42 dl/g、デカリン、135
℃):20重量部とパラフィンワツクス(融点=69℃、
分子量=490):80重量部の混合物を参考例1の方法で
溶融紡糸し、延伸し、延伸配向繊維(試料−2)を得
た。表2に得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマルチ
フィラメントの引張特性を示す。
【0043】超高分子量ポリエチレン延伸フィラメント
(試料−2)本来の結晶融解ピークは135.1 ℃、全結晶
融解ピーク面積に対するTp の割合は8.8 %であった。
また同様に全結晶融解ピーク面積に対する高温側ピーク
Tp1の割合は1%以下であった。耐クリープ性はCR90
11.9%、ε=1.07×10-3sec-1 であった。また 170℃、
5分間の熱履歴後の弾性率保持率は80.4%、強度保持率
は78.2%であった。さらに試料−2の破断に要する仕事
量は10.2kg・m/gであり、密度は 0.985g/cm3 であり、誘
電率は2.3 、誘電正接は0.030 %であり、インパルス電
圧破壊値は 182kV/mm であった。マルチフィラメントの
結節強度、ループ強度の直線強度に対する低下率は、そ
れぞれ54%、52%であった。
【0044】実施例1 クロスの製造 参考例1で得られた超高分子量エチレン・ブテン−1共
重合体の分子配向成形体(試料−1)1000デニール/1
00フィラメントを用いて、織り密度タテ=31本/in
、ヨコ40本/inの8枚朱子織りクロスを製織した。
(クロス−1)得られたクロスの目付は335g/m
2 、厚さは0.58mm、引張強度はタテ=710kg/3cm、
ヨコ=917kg/3cmであった。
【0045】耐切創性の評価 図1に評価装置の斜視図を、図2にその側面図を示す。
定速で水平方向に移動出来る巾15cm、長さ約60cmの
試料固定台(1)に厚さ3mmのシリコーンラバーを2枚
乗せ(2)、その上に上記クロス−1を1枚置き(3)
押え板(4)をビス止めすることによって固定した。こ
の試料固定台の巾方向中央部に位置して、固定台に対し
て垂直に刃物を押し下げることの出来る刃物取付具
(5)を設けた。この刃物取付具(5)は、支持具
(6)によって垂直に支持されているが、上下動を束縛
されることなく支持されている。刃物取付具(5)の下
端には、片刃カミソリ刃(7)を試料クロス面に対して
図2に示したようにα=15度の角度を取付け上端に刃
物取付具との合計重量が1kgになるような荷重(8)を
加えた。試料押え板(4)から10cmの位置に、上記装
置の刃先を降し、直ちに500mm/minの速さで試料固定
台を矢印方向に水平に20cm移動させ切り裂き試験を行
った。この結果、クロス−1のごく表層に切り傷が付い
たが試験長20cmのうち切り裂かれた部分はなかった。
【0046】実施例2 試料−1の1000デニール/100フイラメントにコロナ
放電装置(巴工業株式会社製)を用いて処理エネルギー
75W/m2 /min 、処理速度50m/min で連続的に
コロナ放電処理を行った。処理後の繊維表面の酸素含有
量をエスカにより分析した結果、炭素数100個あたり
10個であった。またコロナ放電処理後の繊維の引張り
特性、熱履歴後の引張り強度、弾性率の保持率および耐
クリープ特性はいづれも前述の測定値と同等であった。
次いでこのコロナ処理を施した繊維を用いて、実施例1
と同じ組織の8枚朱子織りクロスを製織したのち、クロ
スの片面にバーコーターを用いて信越化学株式会社製塩
化ビニルゾルを塗布し、150℃×5分エアーオーブン
中で乾燥造膜した。乾燥後のクロスの厚さは平均0.8mm
であった。この塩ビコーテイングクロスを実施例1と同
じ方法(但し塩ビコーテイング面を上にして)で切り裂
き試験を行った結果、塩ビコーテイング層に切れ目は入
ったがクロスが切り裂かれ刃先が貫通した部分はなかっ
た。
【0047】実施例3 実施例1で使用したクロス−1を35×35cmの大きさ
で2枚切り取り、これを2枚重ねて拝み縫いの方法で内
径約10.5cmの円筒状に加工した。なお縫い目が簡単に破
れないようにユニチカ株式会社製シルエスタ#4のミシ
ン糸を使って2列のミシンがけを行った。次いでしっか
り固定した直径10cmの木材にこの筒状クロスを挿着し
被試験体とした。切創試験は株式会社共立の刈払機SRM2
09TAを用い、運転状態の刃を上記試験体クロスに接触し
た。この結果、回転刃にクロスの組織が引掛かり引き出
されたが、切り裂かれることはなく芯材にも切り傷は出
来なかった。
【0048】実施例4 クロス製織繊維に参考例2で得られた超高分子量ポリエ
チレン分子配向成形体(試料−2)1000デニール/10
0フィラメントを用い実施例1と同じ組織のクロスを
(クロス−2)製織した。得られたクロスの目付は33
5g/m2 、厚さは0.58mm、引張強度はタテ=740kg
/3cm、ヨコ=955kg/3cmであった。このクロスを
用いて実施例1と同じ方法でカミソリ刃による切創試験
を行った結果、表層にわずかな切り傷が付いたがクロス
が完全に切り裂かれた部分はなかった。
【0049】実施例5 切創試験クロスに実施例4で試験したクロス(クロス−
2)を用いた他は実施例3と同じ方法により刈払機によ
る切創試験を行った。この結果、実施例3同様、刈払機
の回転刃でクロスの組織が引き出されたが、切り裂かれ
ることはなく芯材にも切り傷は出来なかった。
【0050】比較例1 市販の綿製デニムの前掛け(厚さ1mm) を購入し、実施
例1と同じ方法でカミソリ刃による切創試験を行なった
結果、カミソリ刃により完全に切り裂かれた。またこれ
を2枚重ねて実施例2と同じく、刈払機により試験した
結果、前かけ地は切り裂かれ芯材にも切り傷がついた。
【0051】実施例6 超高分子量ポリエチレン繊維(1000デニ−ル)を用い
て、織り密度17本/inの平織りクロス(目付:約16
0g/m2 )を織製した。このクロスを20×20cm
の大きさで2枚切り取り、20×20cmの大きさのポ
リプロピレン不織布[三井石油化学製 商品名タフネル
(目付:200g/m2 )]2枚とを、交互に重ね合わ
せ、4層構造の積層体を得た。この積層体をナイロン生
地(厚さ:約0.2m)で覆い、パッド部分を調製した。こ
うして得られたパッドの断面図を図3に示した。図3に
おいて、11は超高分子量ポリエチレン繊維の平織りクロ
ス、12はポリプロピレン不織布、13はナイロン生地、14
は綿製ギャバジン地である。
【0052】このパッド部分を、通常の脚半(綿製ギャ
バジン地)の表面に、取りつけ、パッドを有する脚半を
得た。この脚半を、直径12cmの丸太の上にポリエス
テル生地を3重に巻つけたものの表面に、しっかり巻き
つけた。ついで、実際の林業従事者が、通常の木を切る
時の要領でチェーンソーを上記脚半のパッド部分に押当
て、チェーンソーを運転させて、丸太への影響の程度を
測定した。用いたチェーンソーは、エコ−社製「CS−
332C」(エンジン33.4cc、重量4.3kg、
バ−長さ35cm)であった。その結果、チェーンソー
を脚半のパッド表面に押当てて、運転を開始したとこ
ろ、約2秒で、チェーンソーの回転は止まった。チェー
ンソーの刃は、パッド内までしか侵入できず、脚半の生
地(綿製ギャバジン生地)まで達していなかった。な
お、モーターの駆動部分には、チェーンソーの刃で引き
抜かれた超高分子量ポリエチレン繊維が切断されること
なく絡まっており、この超高分子量ポリエチレン繊維の
存在がチェ−ンソーの運転を停止させていたことが判明
した。
【0053】比較例2 従来品の脚半(すなわち、綿製ギャバジン生地とスチ−
ル金網と雑フェルトとの積層体からなるもの)を用い、
それ以外は、実施例6と同様に操作し、丸太への影響の
程度を測定した。その結果、運転開始後、約1.5秒間
で、脚半やポリエステル生地は切断され、丸太に傷がつ
き、チェーンソーの刃の回転は止まらなかった。丸太の
傷の幅は約5cmであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において耐切創性を評価するた
めの装置の斜視図である。
【図2】図1の装置の側面図である。
【図3】本発明のパッドの一例の断面図である。
【符合の説明】
11 超高分子量ポリエチレン繊維の平織りクロス 12 ポリプロピレン不織布 13 ナイロン生地 14 綿製ギャバジン地
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】<超高分子量ポリエチレン重合体延伸配向
物の調製>超高分子量ポリエチレン(ホモポリマー)粉
末(極限粘度[η]=7.42 dl/g、デカリン、135
℃):20重量部とパラフィンワツクス(融点=69℃、
分子量=490):80重量部の混合物を参考例1の方法で
溶融紡糸し、延伸し、延伸配向繊維(試料−2)を得
た。表2に得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマルチ
フィラメントの引張特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 A 7199−3B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度[η]が少なくとも5dl/g
    である超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体か
    らなる編織物を主体とする耐切創性にすぐれた防護具。
  2. 【請求項2】 超高分子量エチレン系重合体が、炭素数
    3個以上のα−オレフィンを、炭素数1000個あたり平均
    0.1 ないし20個含有する、エチレンとα−オレフィン
    の共重合体である請求項1記載の防護具。
  3. 【請求項3】 編織物が、少なくとも一面がポリ塩化ビ
    ニルによって被覆されたものである請求項1記載の防護
    具。
  4. 【請求項4】 α−オレフィンが、ブテン−1、4−メ
    チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1および
    デセン−1からなる群から選ばれた1種または2種以上
    のものである請求項2記載の防護具。
  5. 【請求項5】 α−オレフィンの含有量が、炭素数1000
    個あたり平均0.5 ないし10個である請求項2記載の防
    護具。
  6. 【請求項6】 防護具が、編織物と不織布の層構成を基
    本とする積層体を主体とする請求項1ないし5のいずれ
    か1項記載の防護具。
  7. 【請求項7】 防護具が、脚半の表面の少なくとも一部
    に、編織物と不織布の層構成を基本とする積層体からな
    るパッドを取りつけたものである請求項1ないし5のい
    ずれか1項記載の防護具。
  8. 【請求項8】 防護具が前掛けである請求項1ないし6
    のいずれか1項記載の防護具。
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