JPH06212393A - チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法 - Google Patents
チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法Info
- Publication number
- JPH06212393A JPH06212393A JP292693A JP292693A JPH06212393A JP H06212393 A JPH06212393 A JP H06212393A JP 292693 A JP292693 A JP 292693A JP 292693 A JP292693 A JP 292693A JP H06212393 A JPH06212393 A JP H06212393A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、チタン及びチタン合金部品に対し
て、寸法精度及び表面粗度を良好に維持でき、はく離し
やすい不透明な酸化物層の除去プロセスが不要な、表面
硬化方法が提供できる。 【構成】 酸素分圧を1Torr以下10-4Torr以上に制御
した雰囲気中にて、650℃以上850℃以下に加熱
し、不透明なはく離しやすい酸化物を形成させることな
く酸素の固溶した硬化層を形成させることを特徴とする
チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法。
て、寸法精度及び表面粗度を良好に維持でき、はく離し
やすい不透明な酸化物層の除去プロセスが不要な、表面
硬化方法が提供できる。 【構成】 酸素分圧を1Torr以下10-4Torr以上に制御
した雰囲気中にて、650℃以上850℃以下に加熱
し、不透明なはく離しやすい酸化物を形成させることな
く酸素の固溶した硬化層を形成させることを特徴とする
チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン及びチタン合金
部品の表面硬化方法に関するものである。
部品の表面硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン及びチタン合金部品の表面硬化方
法として、窒化処理と酸化処理がある。窒化処理は、特
開平4−202753号公報に記されているように、8
50℃以上の高温が必要である。表面に硬く、美しい金
色のTiN,Ti2 Nが形成されその下に窒素の固溶し
た硬化層が形成される。しかし、寸法精度が維持しにく
く、表面粗度が大きくなる等の問題がある。これに対し
て、低温で加熱すると窒素を固溶した硬化層厚さが著し
く小さくなりかつ、軽荷重の耐摩耗性に有効な硬いTi
Nが形成されない。
法として、窒化処理と酸化処理がある。窒化処理は、特
開平4−202753号公報に記されているように、8
50℃以上の高温が必要である。表面に硬く、美しい金
色のTiN,Ti2 Nが形成されその下に窒素の固溶し
た硬化層が形成される。しかし、寸法精度が維持しにく
く、表面粗度が大きくなる等の問題がある。これに対し
て、低温で加熱すると窒素を固溶した硬化層厚さが著し
く小さくなりかつ、軽荷重の耐摩耗性に有効な硬いTi
Nが形成されない。
【0003】酸化処理は、通常の大気炉中で加熱すれば
良い簡便な方法である。酸素の固溶した硬化層は、窒化
処理に比較して、低温で厚く形成し得るものであるが、
表面に同時にできる不透明な酸化物層が軽荷重下でもは
く離しやすいため、これを除去する工程が必要となる場
合が多い。
良い簡便な方法である。酸素の固溶した硬化層は、窒化
処理に比較して、低温で厚く形成し得るものであるが、
表面に同時にできる不透明な酸化物層が軽荷重下でもは
く離しやすいため、これを除去する工程が必要となる場
合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は寸法精度が維
持しやすく、表面粗度の変化が小さく、表面にはく離し
やすい層を生じない表面硬化方法を提供することを目的
とする。
持しやすく、表面粗度の変化が小さく、表面にはく離し
やすい層を生じない表面硬化方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨とするところは、酸素分圧を1Torr以下
10-4Torr以上に制御した雰囲気中にて、650℃以上
850℃以下に加熱し、不透明なはく離しやすい酸化物
を形成させることなく酸素の固溶した硬化層を形成させ
ることを特徴とするチタン及びチタン合金部品の表面硬
化方法にある。
に本発明の要旨とするところは、酸素分圧を1Torr以下
10-4Torr以上に制御した雰囲気中にて、650℃以上
850℃以下に加熱し、不透明なはく離しやすい酸化物
を形成させることなく酸素の固溶した硬化層を形成させ
ることを特徴とするチタン及びチタン合金部品の表面硬
化方法にある。
【0006】
【作用】まず酸化及び窒化処理について述べる。チタン
及びチタン合金を、酸素及び窒素雰囲気で加熱すると、
最表面に酸化物及び窒化物ができるばかりでなく、その
下に、酸素及び窒素の固溶層が形成される。酸化物は、
はく離しやすい。窒化物も、ややはく離しやすいが、摺
動摩耗にはある程度耐えるものである。しかし、衝撃の
加わるたたき摩耗には耐えられないことが多い。一方、
酸素の固溶した硬化層及び窒素の固溶した硬化層は、約
600Hv以上を有すれば摺動摩耗に有効であり、たたき
摩耗に対しても優れている。
及びチタン合金を、酸素及び窒素雰囲気で加熱すると、
最表面に酸化物及び窒化物ができるばかりでなく、その
下に、酸素及び窒素の固溶層が形成される。酸化物は、
はく離しやすい。窒化物も、ややはく離しやすいが、摺
動摩耗にはある程度耐えるものである。しかし、衝撃の
加わるたたき摩耗には耐えられないことが多い。一方、
酸素の固溶した硬化層及び窒素の固溶した硬化層は、約
600Hv以上を有すれば摺動摩耗に有効であり、たたき
摩耗に対しても優れている。
【0007】表面硬化方法として酸化を選択したのは、
窒化と比較して固溶硬化層を形成させるのに低温で処理
できるためであり、その結果寸法精度、粗度維持に有利
であるためである。
窒化と比較して固溶硬化層を形成させるのに低温で処理
できるためであり、その結果寸法精度、粗度維持に有利
であるためである。
【0008】酸素分圧を制御するのは、表面に不透明な
酸化物を形成させないためである。この酸化物ははく離
しやすく、後で除去するプロセスが必要となるばかり
か、酸化物層の形成により寸法が変化し、また酸素の固
溶した硬化層厚さが酸化物層に変化した分だけ減少する
欠点もある。ここで1Torr以下10-4Torr以上に制御す
るのは、1Torr超では800℃程度の温度で、不透明な
はく離しやすい酸化物が形成されるからである。また1
0-4Torr未満では800℃程度の温度で、酸素を固溶し
た硬化層形成に必要な酸素の供給が不十分となるためで
ある。尚、酸素以外のガス成分として、水(H2 O)は
酸素と同じ作用をするので酸素分圧に含め、窒素は存在
していても酸素固溶層の形成に対して影響は少ない。A
r,Heガスも同様である。
酸化物を形成させないためである。この酸化物ははく離
しやすく、後で除去するプロセスが必要となるばかり
か、酸化物層の形成により寸法が変化し、また酸素の固
溶した硬化層厚さが酸化物層に変化した分だけ減少する
欠点もある。ここで1Torr以下10-4Torr以上に制御す
るのは、1Torr超では800℃程度の温度で、不透明な
はく離しやすい酸化物が形成されるからである。また1
0-4Torr未満では800℃程度の温度で、酸素を固溶し
た硬化層形成に必要な酸素の供給が不十分となるためで
ある。尚、酸素以外のガス成分として、水(H2 O)は
酸素と同じ作用をするので酸素分圧に含め、窒素は存在
していても酸素固溶層の形成に対して影響は少ない。A
r,Heガスも同様である。
【0009】加熱温度を650℃以上850℃以下とし
たのは、650℃未満では硬化層形成に著しく時間を必
要とするからであり、また、850℃超では窒化処理と
同様に寸法精度と粗度の維持が困難となるためでる。
たのは、650℃未満では硬化層形成に著しく時間を必
要とするからであり、また、850℃超では窒化処理と
同様に寸法精度と粗度の維持が困難となるためでる。
【0010】ここで、チタン及びチタン合金は、純チタ
ン、α+β型チタン合金の代表であるTi−6Al−4
V,Ti−3Al−2.5V等及びニアα型チタン合
金、ニアβ型チタン合金、β型チタン合金等あらゆるチ
タン合金である。いずれのチタン合金も、酸素が固溶
し、硬化すること、さらに、酸素分圧を制御することに
より、不透明なはく離しやすい酸化物を形成させないこ
とができることを確認した。
ン、α+β型チタン合金の代表であるTi−6Al−4
V,Ti−3Al−2.5V等及びニアα型チタン合
金、ニアβ型チタン合金、β型チタン合金等あらゆるチ
タン合金である。いずれのチタン合金も、酸素が固溶
し、硬化すること、さらに、酸素分圧を制御することに
より、不透明なはく離しやすい酸化物を形成させないこ
とができることを確認した。
【0011】
【実施例】本発明を、最終寸法に仕上げたTi−6Al
−4Vチタン合金製のエンジン吸気バルブに適用した結
果を表1に示す。表1から明らかのように本発明の雰囲
気、加熱温度で処理することにより寸法変化及び表面粗
度変化の少ない処理が可能である。尚、水(H2 O)分
圧は、酸素と同じ効果のため、酸素分圧に含めた。また
硬化処理の性能は、実エンジンに搭載し、評価した。軸
部耐摩耗性は、摺動摩耗の例であり、フェース部耐摩耗
性は、たたき摩耗の例である。表中、○は従来鋼製バル
ブと同等以上、×は従来鋼製バルブ以下の性能を示す。
本発明処理材(No.1〜No.4)は何れも優れた特性を
有している。
−4Vチタン合金製のエンジン吸気バルブに適用した結
果を表1に示す。表1から明らかのように本発明の雰囲
気、加熱温度で処理することにより寸法変化及び表面粗
度変化の少ない処理が可能である。尚、水(H2 O)分
圧は、酸素と同じ効果のため、酸素分圧に含めた。また
硬化処理の性能は、実エンジンに搭載し、評価した。軸
部耐摩耗性は、摺動摩耗の例であり、フェース部耐摩耗
性は、たたき摩耗の例である。表中、○は従来鋼製バル
ブと同等以上、×は従来鋼製バルブ以下の性能を示す。
本発明処理材(No.1〜No.4)は何れも優れた特性を
有している。
【0012】尚、比較例の軸部寸法変化は、はく離しや
すい不透明な酸化物を除去して、軸径の寸法変化を測定
した。窒化物は除去しなかった。
すい不透明な酸化物を除去して、軸径の寸法変化を測定
した。窒化物は除去しなかった。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、チタン及びチタン合金
部品に対して寸法精度及び表面粗度を良好に維持でき、
はく離しやすい酸化物層の除去プロセスが不要な、表面
硬化方法が提供できる。
部品に対して寸法精度及び表面粗度を良好に維持でき、
はく離しやすい酸化物層の除去プロセスが不要な、表面
硬化方法が提供できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸素分圧を1Torr以下10-4Torr以上に
制御した雰囲気中にて、650℃以上850℃以下に加
熱し、不透明なはく離しやすい酸化物を形成させること
なく酸素の固溶した硬化層を形成させることを特徴とす
るチタン及びチタン合金部品の表面硬化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP292693A JPH06212393A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP292693A JPH06212393A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06212393A true JPH06212393A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=11542950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP292693A Withdrawn JPH06212393A (ja) | 1993-01-11 | 1993-01-11 | チタン及びチタン合金部品の表面硬化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06212393A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8252130B2 (en) | 2005-02-16 | 2012-08-28 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Surface treatment for titanium alloy member for aerospace equipment |
CN112243464A (zh) * | 2018-07-11 | 2021-01-19 | 西铁城时计株式会社 | 金色构件的制造方法及金色构件 |
-
1993
- 1993-01-11 JP JP292693A patent/JPH06212393A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8252130B2 (en) | 2005-02-16 | 2012-08-28 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Surface treatment for titanium alloy member for aerospace equipment |
CN112243464A (zh) * | 2018-07-11 | 2021-01-19 | 西铁城时计株式会社 | 金色构件的制造方法及金色构件 |
CN112243464B (zh) * | 2018-07-11 | 2023-03-17 | 西铁城时计株式会社 | 金色构件的制造方法及金色构件 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000404 |