JPH06212320A - 高機能性Al合金材料およびその製造方法 - Google Patents

高機能性Al合金材料およびその製造方法

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JPH06212320A
JPH06212320A JP747893A JP747893A JPH06212320A JP H06212320 A JPH06212320 A JP H06212320A JP 747893 A JP747893 A JP 747893A JP 747893 A JP747893 A JP 747893A JP H06212320 A JPH06212320 A JP H06212320A
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JP
Japan
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weight
alloy
alloy material
tic
primary crystal
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JP747893A
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Inventor
Hiroyuki Morimoto
啓之 森本
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の溶解鋳造技術を適用するだけで初晶S
iを微細化することができ、優れた性能を発揮する様な
高機能性Al合金材料を提供する。 【構成】 Siを12〜35重量%,Ti:0.2 〜15
重量%およびC:0.05〜3.8 重量%を夫々含有すると共
に、[C]/[Ti]が0.1 〜0.25であり、残部Alお
よび不可避不純物からなるAl合金溶湯中でTiCを反
応生成せしめて微細分散させ、その後鋳造してTiC粒
子をSiの核生成サイトとして初晶Siの大きさを50
μm以下に微細化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で熱膨張率が小さ
く、且つ耐摩耗性や耐熱性に優れた高機能性Al合金材
料およびその様なAl合金材料を製造するための方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、精密機器,コンプレッサー,自動
車等の各種分野において、軽量で熱膨張率が小さく、且
つ耐摩耗性や耐熱性に優れた高機能性Al合金材料が要
求されている。この様な要求に応えるAl合金材料とし
ては、これまでAl−Si系合金が最も一般的なものと
して使用されてきた。
【0003】上記Al−Si系合金は、合金中のSi含
有量が多くなればなる程熱膨張率が低下し、且つ耐摩耗
性や耐熱性が向上するので、高Siであることが望まし
いとされている。しかしながらSi含有量が12重量%
以上の過共晶Al−Si合金では、それを従来の溶解鋳
造法を適用して製造すると、初晶Siが粗大化し易いと
いう欠点があった。初晶Siが粗大化すると、材料の延
性低下、切削等の機械加工時の工具摩耗の増大、使用時
における摺動部での初晶Si粒子の破壊脱落等の不都合
な結果を招く。
【0004】Al−Si系合金における初晶Siの粗大
化を防止するには、溶湯状態から急冷凝固させることが
最も有効な手段であるとされている。こうした観点から
初晶Siの粗大化を防止しつつAl合金材料を製造する
方法として、(a) 溶湯を急冷して粉末化し、その後固体
成形する粉末冶金プロセス、(b) 溶湯を噴霧堆積させつ
つ凝固させることによって成形体を得るスプレーフォー
ミングプロセス等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法では、従来の溶解鋳造法と比べて製造プロセスが複
雑になり、製品のコストが高くなるという問題が避けら
れなかった。従って、これらの方法で製造されたAl−
Si系合金は、高性能であるにもかかわらず、限られた
用途にしか使用されておらず、その機能を広範囲に発揮
するまでは至っていないのが実情である。
【0006】本発明は以上の様な状況に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、従来の溶解鋳造技術を適用
するだけで初晶Siを微細化することができ、優れた性
能を発揮する様な高機能性Al合金材料、およびその様
な合金材料を製造する為の方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明とは、溶解鋳造法によって溶製される高
機能性Al合金材料であって、Si:12〜35重量
%,Ti:0.2〜15重量%,C:0.05〜3.8 重量%を夫
々含有すると共に、[C]/[Ti](重量比)が0.1
〜0.25であり、残部Alおよび不可避不純物からなり、
且つTiCがマトリックス中に微細分散していると共に
初晶Siの大きさが50μm以下である点に要旨を有す
るものである。
【0008】また上記の様なAl合金材料は、Siを1
2〜35重量%,Ti:0.2〜15重量%およびC:0.05
〜3.8 重量%を夫々含有するAl合金溶湯中でTiCを
反応生成せしめて微細分散させ、その後鋳造してTiC
粒子をSiの核生成サイトとして初晶Siの大きさを5
0μm以下に微細化させることによって製造できる。
【0009】
【作用】本発明は上述の如く構成されるが、要するに、
過共晶となる範囲のSiと、所定量のTiおよびCを夫
々含有するAl合金溶湯中でTiCを反応生成させて微
細分散させる様にすれば、その後の鋳造時にTiC粒子
がSi核生成サイトとして機能し、急冷するという工程
を経ずして、初晶Siの大きさを50μm以下に微細化
できることを見出し、本発明を完成した。本発明におけ
る化学成分限定理由は下記の通りである。
【0010】Si:12〜35重量% Al合金材料の熱膨張率の低下、耐摩耗性や耐熱性の向
上のためには、Siは多い程効果的であり、その為には
Siは少なくとも12重量%は必要である。しかしなが
らSi含有量が過剰になると成形性や機械加工性が悪く
なり、また延性が低下するので35重量%以下にする必
要がある。
【0011】Ti:0.2 〜15重量% TiはAl合金溶湯中でCと反応して0.1 〜5μm程度
の微細なTiC粒子を形成する。TiC粒子がAl溶湯
中で多数微細分散していると、初晶Siが生成するとき
にTiC粒子が核生成サイトとなり、Siの核生成場所
が多くなる結果、初晶Siも微細化する。即ち、TiC
粒子が存在しないと、初晶Siの大きさは100〜30
0μmになるのに対して、TiC粒子が存在すると初晶
Siは50μm以下に微細化する。TiC粒子を必要量生
成させる為には、Ti量は0.2 重量%以上添加する必要
がある。しかしながらTi添加量が15重量%を超える
と、TiC粒子量が多くなり過ぎて溶湯の粘性が増加し
て鋳造が困難になる。また、Al3 Tiを生成して材料
の延性を低下させる。このためTi添加量は0.2 〜15重
量%とする必要がある。
【0012】C:0.05〜3.8 重量% Cは、Al合金溶湯中でTiと反応してTiC粒子を生
成させるために必要な元素である。TiC粒子を必要量
生成させるためには、Cは0.05重量%以上添加する必要
がある。しかしながらC添加量が3.8 重量%を超える
と、TiC粒子が多くなり過ぎて溶湯の粘性が増加して
鋳造が困難になる。またAl43 を生成して材料の延
性を低下させる。このため、C添加量は0.05〜3.8 重量
%とした。
【0013】[C]/[Ti](重量比):0.1 〜0.25 TiとCは、Al合金中で反応してTiC粒子を生成す
ることによって、上記の様な効果が発現できるのである
が、その様な効果を発揮させるためには、[C]/[T
i](重量比)は0.1 〜0.25としなければならない。即
ち[C]/[Ti]が0.1 より小さくなって過剰のTi
があると、Al3 Tiを生成して材料の延性を低下させ
る。一方、[C]/[Ti]が0.25より大きくなって過
剰のCがあると、Al43 を生成して材料の延性を低
下させる。
【0014】本発明のAl合金材料は上記の元素を基本
成分とし、残部Alおよび不可避不純物よりなるもので
あるが、必要により、Cu,Mg,Zn,Fe,Ni,
Cr,MnおよびVよりなる群から選ばれる1種以上の
元素を含有させてもよく、これらの元素は強度向上に寄
与する。この様な効果を発揮させるためには、単独また
は合計で0.1 重量%以上含有させる必要があるが、5重
量%を超えて過剰に含有させても強度の向上はあまり期
待することはできないばかりか、却って材料の延性を著
しく低下させ、成形加工性も悪くなる。
【0015】尚本発明方法においては、Al合金溶湯中
でTiCを生成させることを主旨とするものであるが、
TiCを生成させる時期については特に限定するもので
はなく、Siを含有するAl合金溶湯中にTiおよびC
を添加してTiCを生成させる、或はTiおよびCをA
l合金溶湯中に添加してTiCを生成させ、その後Si
(必要により他の合金元素)を添加する、等いずれであ
っても良い。
【0016】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0017】
【実施例】Arガス雰囲気中で、Al23 るつぼを用
いて各種Al−Ti合金を溶解し、これにCを添加して
撹拌保持することによってAl合金溶湯でTiC粒子を
生成分散させた。これにSi,Cu,Mg等の合金元素
を添加してから金型で鋳造し、必要に応じて熱処理(T
6処理)を施し、様々なAl合金材料を製造した。
【0018】製造したAl合金材料の化学成分組成、初
晶Siの大きさ、引張特性、伸び、および機械加工時の
工具摩耗量(逃げ面摩耗幅)等を一括して表1に示す。
表1から明らかな様に本発明材は、従来材に比べて初晶
Siのが小さく、且つ引張延性に優れ、工具摩耗量も少
ないという利点がある。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、従
来の溶解鋳造技術を適用するだけで初晶Siを微細化す
ることができ、優れた性能を発揮する様な高機能性Al
材料が実現できた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解鋳造法によって溶製される高機能性
    Al合金材料であって、Si:12〜35重量%,T
    i:0.2 〜15重量%,C:0.05〜3.8 重量%を夫々含
    有すると共に、[C]/[Ti](重量比)が0.1 〜0.
    25であり、残部Alおよび不可避不純物からなり、且つ
    TiCがマトリックス中に微細分散していると共に初晶
    Siの大きさが50μm以下であることを特徴とする高
    機能性Al合金材料。
  2. 【請求項2】 更に、Cu,Mg,Zn,Fe,Ni,
    Cr,MnおよびVよりなる群から選ばれる1種以上の
    元素を0.1 〜5重量%含有させたものである請求項1に
    記載の高機能性Al合金材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のAl合金材料を製造す
    るに当たり、Siを12〜35重量%,Ti:0.2 〜1
    5重量%およびC:0.05〜3.8 重量%を夫々含有すると
    共に、[C]/[Ti](重量比)が0.1 〜0.25であ
    り、残部Alおよび不可避不純物からなるAl合金溶湯
    中でTiCを反応生成せしめて微細分散させ、その後鋳
    造してTiC粒子をSiの核生成サイトとして初晶Si
    の大きさを50μm以下に微細化させることを特徴とす
    る高機能性Al合金材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法において、更
    に、Cu,Mg,Zn,Fe,Ni,Cr,Mnおよび
    Vよりなる群から選ばれる1種以上の元素を0.1 〜5重
    量%含有させたAl合金溶湯を用い、請求項2に記載の
    Al合金材料を製造する製造方法。
JP747893A 1993-01-20 1993-01-20 高機能性Al合金材料およびその製造方法 Withdrawn JPH06212320A (ja)

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