JPH06212228A - チタンの多いスラグおよび銑鉄を産出するためのチタン鉄鉱の還元方法 - Google Patents

チタンの多いスラグおよび銑鉄を産出するためのチタン鉄鉱の還元方法

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JPH06212228A
JPH06212228A JP5198041A JP19804193A JPH06212228A JP H06212228 A JPH06212228 A JP H06212228A JP 5198041 A JP5198041 A JP 5198041A JP 19804193 A JP19804193 A JP 19804193A JP H06212228 A JPH06212228 A JP H06212228A
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グレン・マイケル・デントン
Albert Francois Simon Schoukens
アルバート・フランコース・シモン・ショーケンス
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Mintek
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MINTETSUKU
Mintek
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チタン鉄鉱からチタンの多いスラグおよび銑
鉄を製造するための方法を提供する。 【構成】 チタン鉄鉱は、フラックスの不在下で炭素質
還元剤とともに、サーキュラー直流アーク炉、好ましく
はプラズマアーク炉の溶融浴に連続的に投入され、溶解
浴は陽極を形成し、炉の天井の1以上の電極は陰極を形
成する。投入材料は、好ましくはプロセスからのオフガ
スに含まれる熱を用いて予熱される。塩基性の二酸化チ
タン製造プロセスへの投入物として用いられ得るチタン
の多いスラグは、連続的にまたは断続的に回収され、銑
鉄は副産物として出湯される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】この発明は、チタン鉄鉱からのチタンの
多いスラグの製造に関し、より特定的には、チタン鉄鉱
を処理するときに得られる製造物の質を改良することが
それによって可能であり得る方法に関するが、おそらく
より重要には、少なくとも電気エネルギのコストが大き
い分野においてそれによって製造コストが節約され得る
方法に関する。
【0002】天然ルチルは、そのチタニウム含有量が高
く、問題を引き起こす不純物のレベルが低いので、従来
二酸化チタン製造のための中間体としての四塩化チタン
の製造のための好ましい投入材料であったが、天然ルチ
ルは不足してきており、その結果コストが高くなってき
ているので、チタン鉄鉱を用いる代替的な方法が好まれ
るようになってきている。
【0003】チタン鉄鉱の精鉱のチタン含有量は比較的
低く(ルチルの場合の約96%と比較して二酸化チタン
は通常約50%である)、その残りが高い不純物含有量
を示すので、ルチルの場合ほど、チタン鉄鉱は一般的に
四塩化チタンへの直接の塩素化に適さなくなる。その結
果、チタン鉄鉱は硫酸塩のプロセスによって顔料の製造
のための投入材料として用いられてきたが、これは環境
面でますます異論のあるところとなっている。
【0004】硫酸塩の径路に代わるもの、すなわち塩化
物の径路は、チタン鉄鉱の直接の塩素化が結果として大
量の塩化第2鉄を生じ、関連する廃棄物処理の問題を生
じる点において、大きな問題がある。しかしながら、顔
料の塩化物生成は硫酸塩の径路よりも好ましい、という
のはそれが必要とするプロセスエネルギはより小さく、
より質の良い顔料を産出するからである。
【0005】一般に、中間物の四塩化チタンの製造業者
は、80%を下回るTiO2 を含む投入材料を処理する
こと、およびそれに加えて、ある不純物、特定的にはカ
ルシウムおよびマグネシウムに厳しい制限を課すことが
経済的に不可能である。これら後者2つの元素は流動床
の塩素化体内では望ましくない。というのはこれらが高
沸点の塩化物を形成し、反応装置から続くガスダクトお
よび床自体の両方を詰まらせる傾向があるからである。
カルシウムおよびマグネシウムに課せられる通常の仕様
は、これら2つの元素の酸化物の和が1.2質量%を超
えないというものである。
【0006】チタン鉄鉱が塩化物のプロセスに直接使用
するには適切でない結果、二酸化チタンの多いスラグを
産出するためのチタン鉄鉱の熱還元にかかわるプロセ
ス、および合成ルチルを形成するための前還元と化学浸
出とが組み合わされた手順にかかわるプロセスが、提案
され用いられている。
【0007】これらのうち、熱還元のアプローチは、チ
タンの品位がより低い生成物を生むが、これは直接回収
可能な状態で鉄を生成するという利点を有する。
【0008】チタン鉄鉱石の種々のタイプの従来の交流
開放アーク精錬が、現在行なわれている。投入材料が、
従来の1列に6つある開放アーク溶解炉へと複数の投入
口(典型的には20より多い投入口が用いられる)を介
して導入され、これらのほとんどは耐火物の浸食から炉
の側壁を保護するために炉の側壁近くに位置される。こ
の種の投入によって、プロセス制御は極端に困難にな
り、結果としてこのような炉に適用され得る精巧なコン
ピュータ化された制御にもかかわらず、局所的にスラグ
の過度に還元された領域が、周期的に生じ、発泡スラグ
を生じる。これは制御を失ったとみなされるので必要な
矯正策がとられるが、これは炉の利用可能性および熱効
率を低下してしまう。
【0009】50kW規模の直流変換されたアークプラ
ズマ炉におけるチタン鉄鉱の精錬にかかわる限られた量
のテストワークは、出願人のためにA D ブレント
(A DBrent )によって、1987年7月15日付のミ
ンテック(Mintek)の報告書第M304号に説明されて
いる。このプロセスは、以下の不利益のため、産業によ
って実現されていない、すなわち 1)このプロセスはバッチ的なものであり、したがっ
て、材料を連続的に投入し、品質がよくチタンの多いス
ラグおよび銑鉄を炉から周期的または連続的に回収する
ために要求される制御の度合いが定められなかった。
【0010】2)投入材料は、炉の側壁近くに位置付け
られる単一のポートを介して導入され、溶融物プールに
直接は導入されない。この動作モードは、保護凍結ライ
ニングの維持が難しいのに加えて、従来の交流開放アー
ク精錬において生じるのと類似した問題を結果として生
じ得た。
【0011】3)菱苦土鉱ベースのライニングの使用
は、電力バランスに対する投入が不正確で、したがっ
て、保護凍結ライニングを与えることが不可能であるた
めに、結果として生成物汚染を生じるので、黒鉛ライニ
ングを採用しなくてはならなかった。黒鉛ライニング
は、炉の煙およびガスとの反応によって消費されるの
で、実用においては用いられ得ない。さらに、黒鉛ライ
ニングは未知の還元剤の投入につながり、したがって、
要求されるチタン鉄鉱対還元剤の投入率に影響を与え、
生成物の品質の冶金的制御を難しくする。
【0012】この発明の目的は、少なくともある程度、
上述の不利益を回避するチタン鉄鉱の熱還元のための方
法を提供することである。
【0013】
【発明の概要】この発明に従えば、チタン鉄鉱を還元し
て、チタンが多いスラグおよび銑鉄を産出するための方
法が提供され、この方法は天井に位置付けられた陰極と
して作用する1以上の電極と陽極として作用する溶解浴
とを有する直流アーク炉タイプのサーキュラー炉の溶解
浴の中央部分に、フラックスの不在下で炭素質還元剤と
同時にチタン鉄鉱を投入するステップを含み、炉の投入
は連続的に行なわれ、チタンの多いスラグおよび銑鉄を
炉から周期的または連続的に回収し、溶解浴と耐火物の
ライニングとの間で凍結ライニングが維持される。
【0014】この発明の別の特徴は、随意に水による冷
却と組合わせて、投入率を電力率に適切に合わせること
によって凍結ライニングが維持されること、炉の天井に
位置付けられる電極は黒鉛の電極であること、中央に位
置されるのはこのような電極の1つだけであること、1
以上の電極が中空で、反応物がこのような中空の電極ま
たは複数の電極の穴を通って炉へ導入されること、炉の
内部から空気が実質的に排除され、この場合空気の排除
を促進することは炉をわずかに正の電圧で操作すること
によって達成され得ること、および炉はプラズマ直流ア
ーク炉であることである。
【0015】この発明のさらなるおよび重要な特徴は、
投入材料が予熱されることである。好ましくは、このよ
うな場合、予熱は、少なくとも主に炉からのオフガスの
発熱量を用いることによって、随意に洗浄の後、達成さ
れる。
【0016】明らかにあらゆる場合において、炉へのエ
ネルギ投入および材料の投入率は、スラグおよび溶融金
属の両方の所望の出湯温度と保護凍結ライニングとを達
成し、維持するように調整され、そのため生成物の品質
を確かにし、炉のライニングを過剰な摩耗から保護す
る。
【0017】好ましくは、炭素質還元剤は、チタン鉄鉱
の精鉱において存在するすべての酸化鉄を金属鉄に還元
し、かつオフガス内の酸素が実質的に一酸化炭素の形態
であることと炉の温度が1650ないし1750℃の間
に制御されることとを確かにするために必要な化学量論
的な量を超える量で用いられる。
【0018】この発明がより十分に理解されるように、
その1つの例が以下に詳細に説明される。
【0019】
【発明の実施例の詳細な説明】この例で、テストは出願
人によって製造された3,2MVA炉内で行なわれた。
炉は、炉浴上方に中央に位置される単一の中空の黒鉛電
極を用いるタイプの既知の直流プラズマアーク炉であっ
た。直流電源が用いられ、使用において溶融浴は陽極を
形成し、一方黒鉛電極は陰極を形成した。
【0020】外径が1780mmで耐火物のライニング
の厚さがわずか140mmである炉は、MgO含有率が
約96%である耐火物材料でライニングされた。炉床は
同様の材料で800mmの厚さまでライニングされ、溶
融浴から炉心の耐火物を介して陽極ケーブルに至る直流
の(陽極)電気的接続を形成するためにいくつかの軟鋼
のロッドが用いられた。保護的なスラグの凍結ライニン
グを維持するのを助けるために、スプレーによる水での
冷却が炉の側壁に取入れられた。炉内の溶融浴は、最初
の金属チャージで1650℃ないし1750℃の間の動
作温度に熱せられた。
【0021】投入材料は、表1に詳細に示される組成を
有するチタン鉄鉱石の精鉱および無煙炭からなる。投入
材料は、炉の中央に位置される単一の中空の黒鉛電極を
通って入れられ、500kWの総エネルギ投入で11日
間続く連続的な実験の間に液体の製造物が断続的に出湯
された。1650ないし1750℃の間のスラグ出湯温
度を維持するために、電力および投入率のバランスがと
られた。炉の直径に基づく0,2MW/m2 の電力密度
が、約0,15mの保護凍結ライニングの厚さを維持す
るために適切であるとわかった。
【0022】金属、スラグおよびダストの組成を示す製
錬のテストの結果は表2に与えられる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】上述のことから、許容可能な品質の二酸化
チタンがほとんどの例において製造されたことが認めら
れ、したがって上述の性質を持つ炉の制御が効果的であ
る結果として、許容可能な制限で二酸化チタンのカルシ
ウムおよびマグネシウム含有量を維持するように変数が
制御され得る。二酸化チタンの含有量自体もまた、塩化
物のプロセスに必要な、最低80%を上回って維持され
得て、必要であれば90%まで増加され得る。
【0027】投入材料の予熱はまだテストされていない
が、投入材料を予熱するのにオフガスの発熱量が用いら
れると、電気的エネルギ投入の約30%の節約が期待さ
れ得ることが論理上の計算によって示される。多数の入
口が与えられる従来の一列に6つある炉とは対照的に、
かつ明らかに異なって、単一のまたは少数の入口配列を
介して導入するにあたって所望の高温を維持することに
関して、予熱された投入材料、または熱い前還元された
投入材料さえも何ら問題を生じないことが考えられる。
【0028】この発明により、非常に効果的かつ経済的
な方法が提供され、その使用は結果として、四塩化チタ
ン製造およびそれからの二酸化チタン顔料のための塩化
物プロセスへの投入材料として用いられるためのチタン
の高いスラグ源としてチタン鉄鉱の簡略化された使用を
生む。
フロントページの続き (72)発明者 アルバート・フランコース・シモン・ショ ーケンス 南アフリカ共和国、トランスバール・プロ ビンス、ウェルテブレーデン・パーク、ベ イル・ロード、マグノリア・プレイス、7

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンの多いスラグおよび銑鉄を産出す
    るためのチタン鉄鉱の還元方法であって、天井に位置す
    る1以上の電極が陰極として作用し、かつ溶解浴が陽極
    として作用するタイプの直流アーク炉のサーキュラー炉
    の溶解浴の中央部分に、フラックスの不在下で炭素質還
    元剤と同時にチタン鉄鉱を投入するステップを含み、炉
    への投入が連続的に行なわれ、炉からチタンの多いスラ
    グおよび銑鉄を周期的または連続的に回収し、溶解浴と
    耐火物のライニングとの間で凍結ライニングが維持され
    る、方法。
  2. 【請求項2】 炉の天井に位置する電極が黒鉛の電極で
    ある、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 炉の天井にある電極が1つだけである、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの電極が中空であり、こ
    のような中空の電極または複数の電極の穴を通って炉に
    反応物が導入される、請求項1ないし3のいずれか1つ
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 中空の電極が黒鉛でできている、請求項
    4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 炉の内部から空気が実質的に排除され
    る、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記空気の排除を達成するために、炉が
    わずかに正の電圧で動作される、請求項6に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 炉がプラズマ直流アーク炉である、請求
    項1ないし7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 炉浴への導入に先立って投入材料が予熱
    される、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 予熱が、炉のオフガスを用いて、随意
    に洗浄の後に達成される請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 炭素質還元剤が、すべての酸化鉄を金
    属鉄に還元するために要求される化学量論的な量を超え
    る量で用いられる、請求項1ないし10のいずれか1つ
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 炉の温度が1650℃ないし1750
    ℃の間に制御される、請求項1ないし11のいずれか1
    つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 凍結のライニングが、投入率を電力率
    に適切に合わせることによって維持される、請求項1な
    いし12のいずれかつ1つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記凍結のライニングを維持するため
    に、炉がさらに水で冷却される、請求項13に記載の方
    法。
JP5198041A 1992-08-11 1993-08-10 チタンの多いスラグおよび銑鉄を産出するためのチタン鉄鉱の還元方法 Withdrawn JPH06212228A (ja)

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