JPH06209814A - 合成樹脂製食品容器 - Google Patents

合成樹脂製食品容器

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JPH06209814A
JPH06209814A JP6088992A JP6088992A JPH06209814A JP H06209814 A JPH06209814 A JP H06209814A JP 6088992 A JP6088992 A JP 6088992A JP 6088992 A JP6088992 A JP 6088992A JP H06209814 A JPH06209814 A JP H06209814A
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JP
Japan
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container
lid
synthetic resin
mold
shape
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JP6088992A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Takano
善誠 高野
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Takano Corp
Original Assignee
Takano Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品容器の収容体1と蓋体2とを被嵌するこ
とで、蓋体2に弾発力を付勢して強固に係合させるよう
に収容体1の形状を改良し、該形状に伴なう成形金型か
ら成形品を離型し易くすることを目的としている。 【構成】 収容体1の外周には、外側部13と起点10
および外縁部11を結ぶ略「く」の字形に形成し、上縁
12は開口状態に成形され、その外周には少なくとも一
辺が形成されており、その一辺は直線または緩い曲線で
なる辺Aを設けて構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重箱、弁当箱やバター
容器のように食品を収容する容器に係り、詳しくは収容
体に対して蓋体を固く嵌込むことができる食品容器に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に食品を入れる容器としては、パッ
ク即ちタッパー(登録商標)と称して長方形、円形、半
月形あるいは楕円形に合成樹脂で製造されたものが、よ
く知られている。また、アルミ合金で製造された食器も
多用されているが、材料の安さと加工性の面から、最近
では合成樹脂で製造されたものが普及している。そして
また、日本古来の漆器産業においても合成樹脂で加工さ
れたものが、どんどん普及している現状である。
【0003】従来の食品容器としてのタッパーは、PE
樹脂〔オレフィン系プラスチック)で製造されている。
そして収容体は蓋体よりも深く、収容体の上部の外径
(形)と同一もしくはやや小さくした蓋体の内径(形)
とを互いに押し込み、収容体と蓋体とは相互の弾発力に
よって、それから発生する摩擦力で、収容体と蓋体が食
い付くようになって、挿嵌されている。
【0004】一般的な合成樹脂製の重箱もしくは弁当箱
について図4を用いて説明すると、硬い合成樹脂で製造
される収容体1の上方には段部3(段部3がない場合も
ある)を設けることによって形成される縁4に、浅底状
の蓋体2を被嵌している。この蓋体2と収容体1におけ
る縁4とは、がたつきのある状態で、ゴム輪や紐で結び
付けないと、持ち歩きができない。したがって、日本特
有の風呂敷包みされてもち歩くことが多い。しかし、こ
れらの重箱や弁当箱は、日本古来からの漆器のように絵
つけや模様付けをすることができるので、外食産業用の
弁当箱としても貴重がられている。
【0005】他方、通称タッパーは、前記の重箱や弁当
箱よりも軟質の合成樹脂で作られ、同様に収容体1と蓋
体2とで構成されている。そして一般的には、収容体1
と蓋体2とは同一材質の合成樹脂で形成されている。そ
の蓋体2は上面20の外周に凹み21および屈曲部23
とを形成して、その外周全体で緩クッション性を保持で
きるようになっており、前記のような収容体1の縁4に
略「コ」の宇形となった嵌込み部24で、挟み込むよう
に挟持され、かつ屈曲部22から突起部23の内周で摩
擦接触して、強固に被嵌されている。
【0006】上述のように、重箱や弁当箱は収容体1か
ら蓋体2は外れ易くなっている。また、タッパーのよう
な収容体1と蓋体2とは、PE樹脂の弾性を利用した摩
擦係合によって、外れにくくしている。そこで、これら
の特有の良さを活用するため、本出願人は収容体1を硬
い合成樹脂で、蓋体2を軟質の合成樹脂で製造し、形状
をそれぞれ図3および図4で示すような重箱もしくは弁
当箱を形成したところ、夫々の材料特有の膨張率が相違
していることに起因して、常温ででも収容体1から蓋体
2が容易に外れてしまう結果となった。
【0007】それは、収容体1の材料が硬い合成樹脂で
あるため、軟質の合成樹脂製の蓋体2の弾性による摩擦
力程度では係合出来ないことも理解できた。代って、収
容体1の縁部4の一部もしくは全周に、隆起状に突起
(図示せず)を線状に形成するように試みたが、成形用
金型の製造がしにくいこと、離型がむつかしいこと、等
々設計上の問題も多く、量産性にも欠ける。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】収容体1および蓋体2
の両者がタッパーのようにPE樹脂の場合は、温度が変
化してもさ程問題はないが、蓋体2を従来例のような軟
らかい合成樹脂とし、硬い材質とした収容体1のとき
は、その熱膨張率の相違から、上述の縁部4に突起を形
成して強制係合するようにしても、冷却のときには蓋体
2は中央から膨れるように、温まると両端側から蓋体2
が反り返るように、自然にはずれることもあった。ま
た、収容体1と蓋体2とを同一材質にして硬い合成樹脂
で製造したときは、固い挿嵌ができない。
【0009】また、上述のように収容体1の縁部4に突
起を設けて、蓋体2の内周にも前記突起と係合するよう
に係合溝を設けることで、或る程度収容体1と蓋体2と
の結合を保持できるが、金型の製作費がかさむこととな
り、金型に設ける突起または係合溝によって離型が困難
となるために量産性に欠如し、製作コストを著しく高く
する欠点が解決できない。
【0010】そこで、本発明は収容体1を成形時におけ
る金型から離型し易くし、加えて、軟質の蓋体2との挿
嵌によって、固く係合させるようにすることを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、軟質の合成樹脂で形成された
蓋体(2)と、硬質の合成樹脂で形成された収容体
(1)とからなり、該収容体に前記蓋体(2)を被嵌す
ることによって摩擦係合して着脱可能とした合成樹脂製
食品容器において、該収容体(1)の底部(5)側の外
方向に突出する係止部(7)と、該係止部の内方から直
立状に起点(10)まで外側部(13)を設け、該外側
部の起点(10)から上方へは外方向に傾斜する外縁部
(11)を前記係止部(7)から連続して一体に形成
し、該外縁部上縁(12)は前記外側部(13)よりも
開口状態で、かつ前記係止部(7)の外縁よりも小さく
形成して、前記上縁(12)部に対して前記蓋体(2)
を挿嵌・被嵌することを特徴とするものである。
【0012】そしてまた、収容体(1)における係止部
(7)、外側部(3)および外縁(11)には直線もし
くは緩やかな曲線とした辺(A)が、少なくとも一辺形
成されていることを特徴としている。
【0013】
【作用】収容体(1)の上縁(12)を外方向に開口状
態にすることによって、柔軟な弾性を有する合成樹脂製
の蓋体(2)の嵌込み部(4)と嵌り合い、その嵌込み
部(24)内周を外方向への張力を付勢することとな
り、蓋体(2)と収容体(1)とを強固に結合させて、
突起部(23)の復元力によって、外縁部(11)と屈
曲部(22)から突起部(23)に亘る蓋体(2)の内
周との摩擦力を従来のものより以上に向上させる。
【0014】そして、蓋体(2)を挿嵌するときは、そ
の嵌込み部(24)の一部と、収容体(1)の上縁(1
2)の一部を形合せするように順次嵌込んでいくと、滑
り込むように蓋体(2)は収容体(1)に食い付くよう
にして張力が得られる。
【0015】
【発明の効果】本発明においては、その形状から金型は
底部(5)を有する内側を上型とし、底縁(9)から係
止部(7)を下型として、該係止部(7)をパーティグ
ラインとして、止め部(8)、外側部(13)と起点
(10)および外縁部(11)に亘つて中型としている
ので、該中型においては止め部(8)からやや内方に傾
斜する外側部(13)と、その上方で外方向に傾斜する
外縁部(11)とで起点(10)が該中型の内方向に突
出するような形状になっているが、その収容体(1)の
外輪郭で一辺を直線または緩い曲線とした辺(A)を設
けているから、その辺(A)の上縁(12)上方からエ
アを瞬時勢いよく吹き付けることによって、成形した収
容体(1)を中型から離型させることができる。さら
に、収容体(1)は硬い合成樹脂ではあるが、底部
(5)の外方向に係止部(7)を突出させているから、
全体としては剛性体を構成している。
【0016】そして、剛性体とした収容体(1)は、仮
に環境の温度変動があっても、硬い合成樹脂であること
と相まって、大きな寸法的な変化は見られず、安定した
状態で蓋体(2)を保持して、該蓋体(2)を自然に収
容体(1)から離脱させるようなことは誘起しない。
【0017】従って、保温、冷却用の食品容器としてだ
けでなく、弁当箱や重箱としての容器として汎用性に富
んでいる。
【0018】
【実施例】以下、収容体1について図1および図2に沿
って説明する。
【0019】まず、収容体1の本実施例では、加工性お
よび加工後の熱変動の少ないPF樹脂(フェノール樹
脂)のような熱硬化性樹脂で成形したものである。ま
た、蓋体2は従来例でも述べたように弾性に富み、熱可
塑性樹脂であるPE樹脂で成形したものであるので、蓋
体2についての詳述は省略する。
【0020】また、収容体1を成形するのにトランスフ
ァ成形法を用い、成形機においては竪型成形機を使用し
たので、底部5および内側部6の内部成形金型を上型、
係止部7と底縁9成形金型を下型、係止部7をパーティ
ングラインとして止め部8、外側部13、起点10およ
び外縁部11を成形する金型を中型と称することとす
る。
【0021】底部5の周囲には、内側部6を直立状に形
成して、該内側部の上方には外方向に開口状態に後記す
るように外縁部11とで、下方よりも肉厚を薄くしてい
る。これは、蓋体2を挿嵌するときにある程度の弾性を
有するようにしている。
【0022】係止部7は、底部5より外方向に張り出し
ており、肉厚を厚くなるように形成してある。この係止
部7は、重箱のように重ね合わせて積み重ねるとき、弁
当箱では米飯入れと副食物入れとを区別して重ねたいと
きに使用される。そして、底縁9を底面に形成してい
る。
【0023】止め部8は、深底型の蓋体(図示せず)を
被嵌するときに使用され、蓋体を規定して被せることが
できるようにしている。その止め部8のつけ根から直立
状に外側部13が、起点10と外縁部11とで「く」の
字形に形成して、上縁12と結ばれている。図1の外観
でも分かるように、係止部7の間隔V(係止部7と反対
側の係止部7との寸法、以下、同様にWおよびSについ
ても「間隔」ということとする)よりも、止め部8つけ
根の間隔Wは小さく、さらに上縁12の間隔Sは、前記
の間隔Wよりも隙間R分小さい形状としている。そし
て、起点10から上縁12へは、蓋体2の深さにも関係
するが、通常3〜8mm位の長さをとり、角度では1°
〜8°の範囲で傾斜させており、この寸法は重要なポイ
ントでもある。
【0024】図2に示すように、外周には直線(緩い滑
らかな曲線の場合もある)で形成した辺Aを少なくとも
一個所設けて、一体に外形を成形した収容体1としてい
る。ここで、辺Aを少なくとも一個所設けた理由を説明
をすると、円筒状に止め部8、外側部13、起点10お
よび外縁部11を成形した場合、起点10がその円筒の
最小直径部となるから、中型から離型させるためには上
縁12の直径が起点10より大きく、かつ成形後に樹脂
が固化したときその収縮率が10/1000以上もある
にもかかわらず、平均して全周で収縮するので離型でき
ない。無理やりに押し出そうとすれば、成形体1は、底
付きの円筒体であるので、金型もしくは成形品を破壊し
てしまう。すなわち、辺Aを設けることによって間隔S
が縮小されるから、後述のエア吹き付けで中型から成形
した収容体1が離型することになる。
【0025】勿論、中型を割り型として製作することも
できるが、該金型は構造が複雑であり、高価になるばか
りか、外周の止め部8、外側部13、起点10および外
縁部11の何れかにパーティングラインを設定しなけれ
ばならなくなる。そのため、滑らかな外周にはパーティ
グラインの痕跡が成形品にも現われることがあり、この
場合は手仕上げ作業を必要とし、本発明の目的の一つで
もある加工性の向上にも反することになる。
【0026】成形品を成形して下型が離れたとき、上縁
12の辺A側からエアを瞬時勢いよく吹き付けると、中
型と上型に対してエアの一部は潤滑剤と同様な働きをし
て、収縮した収容体1の辺Aから離型し、辺Aの離型に
伴なって円弧状の他の部分も離型し抜け出る。この離型
のときにエアを吹き付けるのは、エジェクタのような突
き出し装置では、底部5を押すことにより却って全周に
抜き荷重を負荷することになるので、円筒形状で説明し
たように平均的に底部5を押すから、上縁12が起点1
0部の部分を通過する際に上縁12を圧縮して破壊する
のを防止するため、エアを辺Aへ供給して離型するよう
にしたものである。
【0027】また、長方形、四角形あるいは楕円のよう
な形状の場合、例えば長方形においては長手方向の両端
の短い辺の二辺にエアを吹き付けるときもある。ときに
は対角の角部にエアを吹き付ける場合もあり、この離型
方法は本収容体1の成形にあたり、前述の起点10の位
置決めと角度の決定とともに、重要なポイントでもあ
る。
【0028】従って、図2のような半月形や長方形また
は四角形、あるいは楕円形ようなものも、その外周に外
側部13、起点10および外縁部11を形成して、上
型、下型および中型を製造することによって、収容体1
を成形することができる。そして、外周にはパーティン
グラインが目視できない成形品を得ることができるの
で、工数の低減と相まって、コストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の収容体1の要部を示す外観半断面図。
【図2】本発明にかかる収容体1の代表例を示す上面
図。
【図3】従来使用されている蓋体2の参考外観半断面
図。
【図4】従来例の食品容器の説明外観図。
【符号の説明】
1 収容体 2 蓋体 5 底部 7 係止部 10 起点 11 外縁部 12 上縁 13 外側部 A 辺
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 合成樹脂製食品容器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重箱、弁当箱やバター
容器のように食品を収容する容器に係り、詳しくは熱硬
化性樹脂成形された収容体に対して熱可塑性樹脂で成形
した蓋体を固く嵌込むことができる食品容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に食品を入れる容器としては、パッ
ク即ちタッパー(登録商標)と称して長方形、円形、半
月形あるいは楕円形に合成樹脂で製造されたものが、よ
く知られている。また、アルミ合金で製造された食器も
多用されているが、材料の安さと加工性の面から、最近
では合成樹脂で製造されたものが普及している。そして
また、日本古来の漆器産業においても合成樹脂で加工さ
れた重箱や弁当箱が普及している現状である。
【0003】従来の食品容器としてのタッパーは、PE
樹脂オレフィン系プラスチック)で製造されている。
そして収容体は蓋体よりも深く、収容体の上部の外径
(形)と同一もしくはやや小さくした蓋体の内径(形)
とを互いに押し込み、収容体と蓋体とは相互の弾発力に
よって、それから発生する摩擦力で、収容体と蓋体が食
い付くようになって、挿嵌されている。
【0004】一般的な合成樹脂製の重箱もしくは弁当箱
について図4を用いて説明すると、硬い合成樹脂で製造
される収容体1の上方には段部3(段部3がない場合も
ある)を設けることによって形成される縁4に、浅底状
の蓋体2を被嵌している。この蓋体2と収容体1におけ
る縁4とは、がたつきのある状態で、ゴム輪や紐で結び
付けないと、持ち歩きができない。したがって、日本特
有の風呂敷包みされてち歩くことが多い。しかし、こ
れらの重箱や弁当箱は、日本古来からの漆器のように絵
つけや模様付けをすることができるので、外食産業用の
弁当箱としても貴重がられている。
【0005】他方、図3で収容体1と蓋体2とを軟質の
合成樹脂で製造された場合を説明すると、その蓋体2は
上面20の外周に凹み21および屈曲部23とを形成し
て、その外周全体で緩クッション性を保持できるように
なっており、前記のような収容体1の縁4に略「コ」の
字形となった嵌込み部24で、挟み込むように挟持さ
れ、かつ屈曲部22から突起部23の内周で摩擦接触し
て、強固に被嵌されている。このような食品容器は、形
状を円筒形としたものではあるが、特開昭51−111
162号、特開昭52−86876号及び特開昭58−
183461号公報等で開示されているように、容器の
上縁を外方向に傾斜させて、その上縁と蓋との外周を嵌
挿させて、液密に保持できるようにしたものである。こ
れは、PE樹脂のような軟質の熱可塑性樹脂を原料とし
て、成形された該樹脂特有の弾性による蓋体2と収容体
1相互の一時的な変形によって互いに嵌挿できるように
して、前記傾斜した上縁によって蓋体2を保持できるよ
うにしている。
【0006】ところで、弁当箱や重箱のような容器は、
時には熱いものを収容したり、冷たいものを収容するよ
うな場合があり、その容器自体が熱によって変形又は軟
化すると、危険なこともある。そのため、成形した収容
体1は、成形すると熱変化しにくい熱硬化性樹脂で成形
している。その成形は、一般によく知られている圧縮成
形方法で、雄型と雌型とを使用して成形している。この
成形は、雄型と雌型とに同じような抜き勾配がなけれ
ば、離型がむつかしい。離型を考慮する場合は、金型構
造が複雑にはなるが、分割型を使用することによって成
形はできる。しかしながら、この分割型を用いた場合、
パーティングラインにバリが発生したりするので、重箱
や弁当箱のような外観をも重要視する容器では、手仕上
げを必要とするため、金型の製造費とともに成形品のコ
ストを高くしてしまう。
【0007】そこで、収容体1の材料が熱硬化性樹脂で
製造し、熱可塑性樹脂製の蓋体2の摩擦力で係合するこ
とも試みたが、環境の変化、即ち温度の変化によって、
夫々材料特有の膨張率が相違していることに起因して、
常温でも収容体1から蓋体2が容易に外れてしまう結果
となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】収容体1および蓋体2
の両者がタッパーのようにPE樹脂の場合は、温度が変
化しても熱膨張率が同一のためさ程問題はないが、蓋体
2を従来例のような熱可塑性樹脂で製造し、熱硬化性樹
脂で製造した収容体1のときは、その熱膨張率の相違か
ら、縁部4に突起を形成して強制係合するようにして
も、冷却のときには蓋体2は中央から膨れるように、温
まると両端側から蓋体2が反り返るように、自然に
ることもあった。また、収容体1と蓋体2とを同一材質
にして硬い合成樹脂で製造したときは、固い挿嵌ができ
ない。
【0009】また、上述のように収容体1の縁部4に突
起を設けて、蓋体2の内周にも前記突起と係合するよう
に係合溝を設けることで、或る程度収容体1と蓋体2と
の結合を保持できるが、金型におけるパーティングライ
ンの設定や、該金型の分割型の設計及び製造ががむつか
しいので、金型の製作費がむこととなり、金型に設け
る突起または係合溝によって離型が困難となるために量
産性に欠如し、製作コストを著しく高くする欠点が解決
できない。
【0010】そこで、本発明は収容体1を成形時におけ
る金型から離型し易くして、成形した収容体1の剛性を
向上させた形状とし、加えて、軟質の蓋体2との挿嵌に
よって、固く係合させるようにすることを目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、軟質の合成樹脂で形成された
蓋体と、硬質の合成樹脂で形成された収容体とからな
り、該収容体の上縁部に前記蓋体を着脱可能に被嵌して
なる合成樹脂製食品容器において、前記収容体(1)
底部(9)側の側部に全周に亘り形成され、外方向に突
出した肉厚部からなる係止部(7)と、該係止部(7)
の上段部(8)から立上がり、その外周側が上方に向か
って内方向に緩く傾斜してなる外側部(13)と、該外
側部(3)から立ち上がり、その外周側が上方に向かっ
て外方向に傾斜する外縁部(11)と、を備え、前記係
止部(7)、外側部(13)及び外縁部(11)を連続
して形成すると共に、前記係止部(7)の上段部(8)
から前記外縁部(11)の上縁(12)に向けて肉厚が
漸次薄くなるように構成し、かつ前記蓋体(2)を外し
た前記収容体(1)の開口状態にて、前記外縁部(1
1)の上縁(12)外周が前記外側部(13)外周の立
上がり起点(8a)より内方に位置し、そして前記係止
部(7)、外側部(13)及び外縁部(11)からなる
側部が、平面視において直線もしくは緩やかな曲線で形
成された一辺を有していることを特徴としている食品容
器である。
【0012】
【作用】収容体(1)の上縁(12)を外方向に開口状
態にすることによって、柔軟な弾性を有する合成樹脂製
の蓋体(2)の嵌込み部(4)と嵌り合い、その嵌込み
部(24)内周を外万向への張力を付勢することにな
り、蓋体(2)と収容体(1)とを強固に結合させて、
突起部(23)の復元力によって、外縁部(11)と屈
曲部(22)から突起部(23)に渡る蓋体(2)の内
周との摩擦力を従来のものより以上に向上させる。
【0013】そして、蓋体(2)を挿嵌するときは、そ
の嵌込み部(24)の一部と、収容体(1)の上縁(1
2)の一部を形合せするように順次嵌込んでいくと、滑
り込むように蓋体(2)は収容体(1)に食い付くよう
にして張力が得られる。
【0014】さらには、上段部(8)の起点(8a)か
ら立ち上がった外側部(13)の外周側が上方に向かっ
て緩く傾斜しているので、金型における抜き勾配を有し
ている。また、内側部(6)も直立状に抜き勾配を有し
ているので、外側部(13)と内側部(6)とで、上方
に向かって肉厚は薄く成っており、加えて、外側部(1
3)から外周側が上方に向かって外方向に傾斜する外縁
部(11)が同様に緩く傾斜して肉厚を薄くしている。
その結果として、底部(5)では係止部(7)の形成と
によって肉厚が厚く、剛性を有するように構成されてい
る。そして、上縁部(12)側では肉厚が薄くなってい
るので、弾性体としての機能をも発揮する。
【0015】
【発明の効果】本発明においては、その形状から金型は
底部(5)を有する内側を型とし、底縁(9)から係
止部(7)を型として、該係止部(7)をパーティグ
ライン(P)として、上段部(8)、外側部(13)と
点(10)および外縁部(11)に亘って中型とし
上型と中型とで雌型を形成している。該中型においては
起点(8a)からやや内方に傾斜する外側部(13)
と、その上方で外方向に傾斜する外縁部(11)とで
点(10)が該中型の内方向に突出するような形状にな
っているが、その収容体(1)の外輪郭で一辺を直線ま
たは緩い曲線とした辺(A)を設けているから、上縁
(12)に対してエアを瞬時勢いよく吹き付けるエア突
出し(「知りたい射出成形」1990年9月30日 4
版発行 日精樹脂インジェクション研究会著 株式会社
ジャパンマシニスト社発行 第124頁参照)によっ
て、上型が上昇中に上縁(2)から基点(10)までの
肉厚を薄くした短い部分が、肉厚の厚い底部(5)方向
に滑るように抜け出て、成形した収容体(1)を中型
び雄型の間から離型させてしまう。
【0016】そして、剛性体とした収容体(1)は、仮
に環境の温度変動があっても、硬い合成樹脂であること
と相まって、大きな寸法的な変化は見られず、安定した
状態で蓋体(2)を保持して、該蓋体(2)を自然に収
容体(1)から離脱させるようなことは誘起しない。
して、底部(5)側で肉厚が厚いから、熱い食品であっ
ても容器を持ち易く、危険性は低下する。
【0017】従って、保温、冷却用の食品容器としてだ
けでなく、弁当箱や重箱のような容器として汎用性に富
んでいる。
【0018】
【実施例】以下、収容体1について図1および図2に沿
って説明する。
【0019】まず、収容体1の本実施例では、加工性お
よび加工後の熱変動の少ないPF樹脂(フェノール樹
脂)のような熱硬化性樹脂で成形したものである。ま
た、蓋体2は従来例でも述べたように弾性に富み、熱可
塑性樹脂であるPE樹脂で成形したものであるので、蓋
体2についての詳述は省略する。
【0020】また、収容体1を成形するのに、成形機に
おいては竪型成形機を使用したので、底部5および内側
部6の内部成形金型を雄型、係止部7と底縁9の底部5
側の成形金型を上型、係止部7をパーティングライン
として上段部8、外側部13、基点10および外縁部1
の外周部を成形する金型を中型と称することとし、上
型と中型とで雌型を形成している。
【0021】底部5の周囲には、内側部6を直立状に形
成して、該内側部の上方には外方向に開口状態に後記す
るように外縁部11とで、下方よりも肉厚を薄くしてい
る。これは、蓋体2を挿嵌するときにある程度の弾性を
有するようにしている。
【0022】係止部7は、底部5より外方向に張り出し
ており、肉厚を厚くなるように形成してある。この係止
部7は、重箱のように重ね合わせて積み重ねるとき、弁
当箱では米飯入れと副食物入れとを区別して重ねたいと
きに使用される。そして、底縁9を底面に形成してい
る。
【0023】上段部8は、深底型の蓋体(図示せず)を
被嵌するときに使用され、蓋体を規定して被せることが
できるようにしている。その上段部8の起点8aから直
立状に外側部13が、点10と外縁部11とで外観上
「く」の字形に形成して、上縁12と結ばれている。図
1の外観でも分かるように、係止部7の間隔V(係止部
7と反対側の係止部7との寸法、以下、同様にWおよび
Sについても「間隔」ということとする)よりも、上段
部8の起点8aの間隔Wは小さく、さらに上縁12の間
隔Sは、前記の間隔Wよりも隙間R分小さい形状として
いる。そして、点10から上縁12へは、蓋体2の深
さにも関係するが、通常7〜5mm位の長さをとり、角
度では4°〜8°の範囲で傾斜させており、この寸法は
重要なポイントでもある。即ち、7mm以上になると、
中型と接触する外縁部11の長さが長過ぎ、エア突出し
による抜け出しが困難になることと、角度が4°以下の
ときは蓋体2を被嵌した場合、該蓋体2に張力を付与す
ることができず外れる虞れがあること、及び、8°以上
になると、前記上縁12から基点10の長さを最小5m
mとしても、成形した収容体1の収縮率による縮小する
上縁12の間隔Sよりも中型の基点10の間隔(図示せ
ず)が短く、該中型の外縁部11は逆抜き勾配を形成し
ているから、エア突出しによる抜け出しを困難にしてし
まうので、その寸法及び角度は制限される。
【0024】図2に示すように、外周には直線(緩い滑
らかな曲線の場合もある)で形成した辺Aを少なくとも
一個所設けて、一体に外形を成形した収容体1としてい
る。ここで、辺Aを少なくとも一1個所設けた理由を説
明すると、円筒状に上段部8、外側部13、点10お
よび外縁部11の外周部を成形した場合、点10がそ
の円筒の最小直径部となるから、中型から離型させるた
めには上縁12の直径が点10より大きく、かつ成形
後に樹脂が固化したときその収縮率が10/1000以
上もあるにもかかわらず、平均して全周で収縮するので
離型が難しい。無理やりに押し出そうとすれば、成形体
1は、底付きの円筒体であるので、金型もしくは成形品
を破壊してしまうか、圧痕を残すことになるので製品と
しての価値を低下させる。すなわち、辺Aを設けること
によって間隔Sが縮小されるから、エア突出しで中型か
ら成形した収容体1が離型することになる。
【0025】勿論、中型を割り型として製作することも
できるが、該金型は構造が複雑であり、高価になるばか
りか、外周の上段部8、外側部13、点10および外
縁部11の何れかにパーティングラインを設定しなけれ
ばならなくなる。そのため、滑らかな外周にはパーティ
グラインの痕跡が成形品にも現われることがあり、この
場合は手仕上げ作業を必要とし、本発明の目的の一つで
もある加工性の向上にも反することになる。
【0026】成形品を成形して型が上昇したとき、上
縁12に対してエアを瞬時勢いよく吹き付けると、中型
型に対してエアの一部は潤滑剤と同様な働きをし
て、収縮した収容体1の内部部6側にエアが勢いよく入
り込み、一部分でも中型と接触する外縁部11が中型の
基点10部から外側部13側へ抜け出すだけでなく、上
縁12で肉薄状にしているから、その弾性によって全体
を滑るように、中型と雄型の夫々の抜き勾配による隙間
の大きい金型における内側部6と外側部13との間に収
容体1は離型する。
【0027】また、長方形、四角形あるいは楕円のよう
な形状の場合、例えば長方形においては長手方向の両端
の短い辺の二辺にエアを吹き付けるときもある。ときに
は対角の角部にエアを吹き付ける場合もあり、この離型
方法は本収容体1の成形にあたり、前述の起点10の位
置決めと角度の決定とともに、重要なポイントでもあ
る。
【0028】従って、図2のような半月形や長方形また
は四角形、あるいは楕円形ようなものも、その外周に外
側部13、点10および外縁部11を形成して、雄型
と上型および中型からなる雌型とを製造することによっ
て、収容体1を成形することができる。そして、外周に
はパーティングラインが目視できない成形品を得ること
ができるので、工数の低減と相まって、コストダウンが
図れる。これらの雄型、雌型は成形機の金型の取り付け
方によって、例えば、雄型が上方に、雌型が下方に設置
されることもあり、横型の成形機ではいずれかが可動プ
ラテン側に、他方は固定プラテン側に固定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の収容体1の要部を示す外観半断面図。
【図2】本発明にかかる収容体1の代表例を示す上面
図。
【図3】従来使用されている蓋体2の参考外観半断面
図。
【図4】従来例の食品容器の説明外観図。
【符号の説明】 1 収容体 2 蓋体 5 底部 7 係止部 8 上段8a 起点 10 基点 11 外縁部 12 上縁 13 外側部 A 辺
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質の合成樹脂で形成された蓋体と、硬
    質の合成樹脂で形成された収容体とからなり、該収容体
    に前記蓋体を被嵌することによって摩擦係合して着脱可
    能とした合成樹脂製食品容器において、 該収容体の底部側の外方向に突出する係止部と、該係止
    部の内方から直立状に起点まで外側部を設け、該外側部
    の起点から上方へは外方向に傾斜する外縁部を前記係止
    部から連続して一体に形成し、該外縁部上縁は前記外側
    部よりも開口状態で、かつ前記係止部の外縁よりも小さ
    くし、前記係止部、外側部および外縁部ならびに起点か
    らなる外周には、直線もしくは曲線で辺とした一辺が形
    成されており、 前記収容体の上縁部に対して、上記蓋体を被嵌すること
    を特徴とする合成樹脂製食品容器。
JP6088992A 1992-02-01 1992-02-01 合成樹脂製食品容器 Pending JPH06209814A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS543858A (en) * 1977-06-13 1979-01-12 Toray Ind Inc Vibration damper
JPS58183461A (ja) * 1982-03-09 1983-10-26 ダ−ト・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テツド 容器の蓋整合装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS543858A (en) * 1977-06-13 1979-01-12 Toray Ind Inc Vibration damper
JPS58183461A (ja) * 1982-03-09 1983-10-26 ダ−ト・インダストリ−ズ・インコ−ポレ−テツド 容器の蓋整合装置

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