JPH06209770A - 新規アスコルビン酸オキシダーゼ、その製法およびその用途 - Google Patents

新規アスコルビン酸オキシダーゼ、その製法およびその用途

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JPH06209770A
JPH06209770A JP5007623A JP762393A JPH06209770A JP H06209770 A JPH06209770 A JP H06209770A JP 5007623 A JP5007623 A JP 5007623A JP 762393 A JP762393 A JP 762393A JP H06209770 A JPH06209770 A JP H06209770A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な過酸化水素発生型のアスコルビン酸オ
キシダーゼを提供する。 【構成】 アスコルビン酸に作用して過酸化水素を発生
する新規なアスコルビン酸オキシダーゼ、トリコデルマ
属またはモルティエレラ属に属する新規なアスコルビン
酸オキダーゼ生産菌から該酵素を製造する方法および新
規なアスコルビン酸オキダーゼを使用するアスコルビン
酸の定量方法ならびに試料中の妨害物質であるアスコル
ビン酸を消去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なアスコルビン酸オ
キシダーゼ、その製法およびその用途に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アスコルビン酸オキシダーゼは食品や生
体試料中に含まれているアスコルビン酸の定量、および
臨床検査分野におけるアスコルビン酸の干渉作用の除去
などを目的として使用されている酵素である。アスコル
ビン酸の測定法として、古くはインドフェノール法、ヒ
ドラジン法、薄層クロマトグラフィー等が知られ、最近
ではポーラログラフィー、ガスクロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィーが開発されているが、いずれ
も操作が煩雑、時間がかる、感度が低い等、欠点を有し
ている。このためアスコルビン酸オキシダーゼを用いる
酵素的測定法により、アスコルビン酸の簡便な定量法の
検討が行われている。しかしながら、従来のアスコルビ
ン酸オキシダーゼは一般に不安定であることが知られて
おり、また定量は酸素の減少を測定して行われるので、
感度が低い、検出方法が限られる等の欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アスコルビン酸オキシ
ダーゼの上述の欠点を克服するために、過酸化水素発生
型のアスコルビン酸オキシダーゼの開発が望まれてい
た。すなわち、この場合、定量は過酸化水素の増加を測
定して行われるので、電極法、ルミノール反応、および
発色法等で検出できる。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者らはEC1.1
0.3.3.の過酸化水素非発生型(水発生型)アスコ
ルビン酸オキシダーゼをスクリーニングしている際に、
福井県南条郡今庄町の土壌よりトリコデルマ(Trichode
rma )属に属する菌株、トリコデルマ・ハマタム(Tric
hoderma hamatum )TE5080から安定性が良い過酸
化水素発生型アスコルビン酸オキシダーゼを見い出し、
更にモルティエレラ・ポリセファラ(Mortierella poly
cephalla)IFO6335にも同活性を見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明はアスコルビン酸に作用し
て過酸化水素を発生する新規なアスコルビン酸オキシダ
ーゼである。
【0006】また本発明はトリコデルマ属またはモルテ
ィエレラ属に属し、アスコルビン酸に作用して過酸化水
素を発生する新規なアスコルビン酸オキシダーゼの生産
能を有する微生物を培養し、培養物中に該アスコルビン
酸オキシダーゼを生成せしめ、これを採取することを特
徴とするアスコルビン酸オキシダーゼの製造法である。
【0007】さらに本発明は試料中のアスコルビン酸に
アスコルビン酸に作用して過酸化水素を発生する新規な
アスコルビン酸オキシダーゼを反応させ、消費する酸素
又は生成する過酸化水素を測定することを特徴とするア
スコルビン酸の定量法である。
【0008】また本発明は試料中のアスコビン酸にアス
コルビン酸に作用して過酸化水素を発生する新規なアス
コルビン酸オキシダーゼを反応させて、試料中のアスコ
ルビン酸を消去することを特徴とするアスコルビン酸の
消去法である。
【0009】本発明の新規な過酸化水素発生型アスコル
ビン酸オキシダーゼの一例は、次の理化学的性質を有す
る。 作用: 下記反応を触媒する。
【化2】 基質特異性:L−アスコルビン酸、イソアスコルビ
ン酸に作用する。 至適pH:約4.0
【0010】本発明のアスコビン酸オキシダーゼの製造
に用いる微生物は、トリコデルマ属またはモルティエレ
ラ属に属し、アスコルビン酸に作用して過酸化水素を発
生する新規なアスコルビン酸オキシダーゼの生産能を有
する微生物であればいずれの菌株でも良い。特に好適な
例としてはトリコデルマ・ハマタム(Trichodermahamat
um )TE5080やモルティエレラ・ポリセファラ(M
ortierella polycephalla)IFO6335などが挙げ
られる。
【0011】トリコデルマ・ハマタム(Trichoderma ha
matum )TE5080は福井県今庄町の土壌より新たに
分離した菌株であり、その菌学的性質は下記の通りであ
る。 (形態的性質) 麦芽エキス寒天培地で検討 分生子は単細胞でフィアロ型であり、連鎖せず塊状とな
っている。また分生子は大きさ3.5〜6×2〜3μm
であり、楕円形か長楕円形であり、滑面、緑色であっ
た。分生子形成細胞は長さ4〜6.5μmのボーリング
のピン型のフィアライドを2〜5本群生させる。分生子
柄は長くて、太く、滑面で不稔菌糸を生じていた。 (各培地における生育状況) (1)麦芽エキス寒天培地 生育は速やかで7日目で集落の直径8cm以上に広が
り、白色〜淡色のうすい羊毛状または束状の集落を作っ
た。分生子形成部は灰緑色であった。集落裏面の色は無
色であり、ひだは認められなかった。 (2)オートミール寒天培地 生育は速やかで7日目で集落の直径8cm以上に広が
り、白色の羊毛状または束状の集落を作った。分生子形
成部は灰緑色であった。集落裏面の色は無色であり、ひ
だは認められなかった。 (3)ポテトデキストロース寒天培地 生育は速やかで7日目で集落の直径8cm以上に広が
り、白色の羊毛状または束状の集落を作った。分生子形
成部は灰緑色であった。集落裏面の色は無色であり、ひ
だは認められなかった。 (生育の範囲) ツァペック寒天培地、麦芽エキス寒天培地で検討 pH4.0〜9.0(至適pH6.0付近) 温度15℃〜30℃(至適25℃付近、37℃で生育せ
ず)
【0012】上記菌学的性質の同定のための参考文献は
主として宇田川俊一、椿啓介他著「菌学図鑑」講談社
(1987)および宇田川俊一、松田良夫監訳「食品菌
類ハンドブック」医歯薬出版(1984)によって行っ
た。また分類同定の基準としてH.A.Rifai 著「A REVISI
ON OF THE GENUS TRICHODELMA 」を参考とした。以上の
文献および菌学的諸性質から、本菌はトリコデルマ・ハ
マタム(Trichoderma hamatum )であることが明かなの
で本菌株をトリコデルマ・ハマタム(Trichoderma ha
matum )TE5080と命名した。なお本菌は工業技術
院微生物工業技術研究所に、微工研菌第13341号と
して寄託されている。
【0013】本発明の酵素を製造するにあたっては、上
記アスコルビン酸オキシダーゼ生産菌を栄養培地に培養
し、該培養物から該アスコルビン酸オキシダーゼを採取
することにより製造することができる。使用菌株が資化
し得る炭素源、窒素源、無機物、その他必要な栄養素を
適量含有するものであれば、合成培地、天然培地いずれ
も使用できる。例えば炭素源としてはグルコース、グリ
セロール等が使用される。窒素源としては、例えば、ペ
プトン類、肉エキス、麦芽エキス、酵母エキス等の窒素
含有天然物や、塩化アンモニウム、クエン酸アンモニウ
ム等の無機窒素含有化合物が使用できる。無機物として
は、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシ
ウム等が使用される。
【0014】培地は通常固体培養、振とう培養あるいは
通気攪拌培養で行う。培養温度は20〜40℃、培養p
Hは4〜9の範囲で、好ましくは20〜30℃、培養p
Hは5〜7に制御するのが良い。これら以外の条件下で
も使用する菌株が生育すれば実施できる。培養期間は通
常2〜5日で生育し、菌体内、および菌体外に過酸化水
素発生型アスコルビン酸オキシダーゼが生産蓄積され
る。
【0015】培養終了後、培養液から菌体を濾過等に取
得し、培養上清についてはそのまま、菌体については、
超音波破砕、ガラスビーズを用いる機械的な破砕、等で
破砕し、破砕液から遠心分離等によって上清液を得る。
上記酵素液については、硫安やぼう硝等の塩析法、塩化
マグネシウムや塩化カルシウムなどの金属凝集法、プロ
タミンやポリエチレンイミンなどの凝集法、さらにはD
EAE(ジエチルアミノエチル)−セファロース、CM
(カルボキシメチル)−セファロースなどのイオン交換
クロマト法等により精製することができる。またこれら
の方法で得られた粗酵素液や精製酵素液は、例えば、ス
プレードライや凍結乾燥により粉末化できる。
【0016】次に本発明の新規なアスコルビン酸オキシ
ダーゼの活性測定法を示す。試験管に下記反応混液を調
製し、30℃で約5分間予備加温する。 0.5ml 1mM アスコルビン酸溶液 (1mM EDTAを含む0.2M KH2 PO4 で溶
解) 0.5ml 10mM Na2 PO4 溶液 次いで、酵素溶液0.1mlを加え、反応を開始する。
30℃で正確に5分間反応させた後、0.2N HCl
溶液3.0mlを加えて反応を停止させる。この液につ
いて245nmにおける吸光度を測定する(ODTes
t)。盲検は、上記反応混液を30℃で5分間放置後、
0.2N HCl溶液3.0mlを加えて混和し、つい
で酵素溶液0.1mlを加えて調製する。以下同様に吸
光度を測定する(ODBlank)。アスコルビン酸オ
キシダーゼの活性の表示は、上記条件下で1分間に1マ
イクロモルの基質を酸化する酵素活性を1単位(U)と
する。
【0017】次に本発明の新規なアスコルビン酸オキシ
ダーゼを試料水溶液に加え、アスコルビン酸を定量また
は消去する方法について説明する。
【0018】本発明の定量の対象となる試料としては、
アスコルビン酸を含有する試料であればいかなるもので
も良く、例えば食品や生体試料が挙げられる。上記の過
酸化水素発生型アスコルビン酸オキシダーゼをアスコル
ビン酸に作用させる条件としては、pH2〜9、好まし
くはpH3〜7、および温度10〜50℃、好ましくは
25〜40℃の条件で、通常5〜10分間程度反応させ
る。用いる緩衝液としては、通常の酵素反応を行わせる
任意の緩衝液が用いられ、例えばリン酸緩衝液、酢酸緩
衝液、MES緩衝液、PIPES緩衝液等が好ましい。
用いる過酸化水素発生型アスコルビン酸オキシダーゼの
使用量は通常1〜100U/mlの範囲で用いられる。
【0019】アスコルビン酸の定量は通常、以下の何れ
かの方法が用いられる。 (1)消費された酸素量を測定する方法 酵素反応によりアスコルビン酸の酸化時に消費された酸
素量を溶存酸素の減少曲線より求める。酸素量の測定は
通常、酸素電極法やワーブルグ検圧系で行われる。 (2)生成する過酸化水素を測定する方法 酵素反応より生成する過酸化水素を通常の方法、すなわ
ち過酸化水素電極を用いる方法、ルミノール反応による
方法、および発色法により行う。
【0020】また本発明の酵素はアスコルビン酸を含む
試料の特定の成分を分析するにあたり、障害となるアス
コルビン酸の還元作用を取り除く目的に適用することが
できる。例えばグルコース、コレステロールおよびクレ
アチニンをそれぞれ基質とするオキシダーゼを用いて定
量する場合、反応を消去反応と呈色反応の2段階に分け
て本酵素を用いることができる。すなわち消去反応では
本発明の酵素でアスコルビン酸を消去するが、発生する
過酸化水素はカタラーゼを添加しておくことにより消去
できる。この場合、発生した過酸化水素とカタラーゼの
組合せにより更にアスコルビン酸消去能が高まることは
周知の事実である。次に呈色反応で測定対象物のオキシ
ダーゼから発生した過酸化水素を、例えばペルオキシダ
ーゼ、トリンダー試薬、カップラーによる呈色反応に導
ける。
【0021】本発明の酵素は上記の例以外にデヒドロゲ
ナーゼ系のテトラゾリウム塩の還元を利用する定量法に
も使用することができる。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に示す。 実施例1 アスコルビン酸オキシダーゼの製造 ポリペプトン2%、麦芽エキス2%、酵母エキス1%を
含む培地(pH5.0)60mlを500ml坂口フラ
スコに移し、121℃、15分間オートクレーブを行っ
た。種菌として、トリコデルマ・ハマタム(Trichoderm
a hamatum )TE5080(微工研菌寄第13341
号)を一白金耳植菌し、25℃で3日間培養し、種培養
液とした。次に同培地6lを10lジャーファーメンタ
ーに移し、121℃で15分間オートクレーブを行い、
放冷後、種培養液60mlを移し、340rpm、通気
量2l/分、25℃で72時間培養した。過酸化水素発
生型アスコルビン酸オキシダーゼ生産量は培養液1ml
あたり1.7Uであり、そのうち菌体外には0.9Uが
生産されていた。
【0023】実施例2 アスコルビン酸オキシダーゼの精製 実施例1で得られた培養終了液を吸引濾過して菌体を取
り除き、上清液5.3lを得た。この液に硫安を80%
飽和となるように加え、沈降させた後、遠心分離により
沈降画分を得た。本画分を50mM りん酸緩衝液に溶
解させ、セファデックスG−25カラムで脱塩を行い、
更にDEAE−セファロースカラム、TSKゲル フェ
ニル5PWカラムで精製を行い、比活性180U/mg
の酵素液を得た。得られた新規なアスコルビン酸オキシ
ダーゼは下記の特性を有していた。 (1)作用
【化3】 (2)基質特異性 アスコルビン酸100に対してイソアスコルビン酸67
の作用性であった。次の化合物とは反応しなかった。 N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−m−トルイジン、1−ナフトール、ハイドロキノ
ン、ピロガロール、没食子酸、d−カテキン、ピロカテ
コール (3)Km値 アスコルビン酸に対するKm値は約0.70mMであっ
た。 (4)至適pH 0.33M 酢酸緩衝液(pH3.0〜6.0),0.
33M K−リン酸緩衝液(pH5.0〜8.0)、
0.33M トリス塩酸緩衝液(pH7.5〜8.5)
中での酵素活性を測定した。その結果は図1に示す通り
であって、至適pHは約4.0であった。 (5)安定pH Britton-Robinson's緩衝液(pH3〜12)で25℃、
19時間保存してその残存活性を測定した。その結果、
安定pHはpH3〜8であった。 (6)至適温度 各温度における酵素活性を測定した。その結果、至適温
度は約30℃であった。 (7)熱安定性 本発明の酵素を50mM リン酸緩衝液(pH8.0)
中で30分間保温した後、残存する酵素活性を測定し
た。その結果は図2に示す通りであって、55℃まで安
定であった。 (8)分子量 TSKgel G−3000SWカラムを用いたゲル濾
過法により分析したところ分子量は約416,000で
あった。 (9)化学物質の影響 CuSO4 ,FeCl3 ,AgNO3 ,HgCl2 ,モ
ノヨード酢酸(いずれも2.0mM)およびp−クロロ
マーキュリーベンゾエート(1.0mM)は活性に影響
を与えなかった。
【0024】実施例3 アスコルビン酸オキシダーゼの製造 ポリペプトン2%、麦芽エキス2%、酵母エキス1%を
含む培地(pH5.0)60mlを500ml坂口フラ
スコに移し、121℃、15分間オートクレーブを行っ
た。ここにモルティエレラ・ポリセフェラ(Mortierell
a polycephalla)IFO6335を植菌後、25℃で
3日間培養した。培養終了後、菌体を吸引ろ過して上清
を得た。本上清液のアスコルビン酸オキシダーゼ活性は
培養液1mlあたり0.56Uであった。さらに過酸化
水素発生型アスコルビン酸オキシダーゼ活性を以下の方
法で測定した。すなわちアスコルビン酸酸化反応を0.
5mM NaN3 存在下で行い、反応はチタン試薬2.
5mlを加えて停止する他は、上記した活性法を実施し
た。この反応液について410nmにおける吸光度を測
定した。過酸化水素発生型アスコルビン酸オキシダーゼ
の活性の定義は、上記条件下、1分間に1マイクロモル
の過酸化水素を発生する酵素量を1単位(U)とした。
これによると培養液1mlあたり0.39Uのアスコル
ビン酸オキシダーゼが生成していた。
【0025】実施例4 アスコルビン酸の定量 アスコルビン酸を0.5、1.0、1.5、2.0、
2.5マイクロモルを含む5種類の溶液を作製し、これ
らの液0.5mlに0.5M リン酸緩衝液0.5ml
およびアスコルビン酸オキシダーゼ酵素液0.1mlを
加え、全量を1.1mlとして25℃で5分間反応さ
せ、反応停止液としてチタン試薬3mlを加えて反応を
停止した。この液について分光光度計で410nmの吸
光度を測定した。結果は図3に示す通りであって、アス
コルビン酸が0.1〜0.5マイクロモルまで直線とな
り、定量が可能であった。
【0026】実施例5 クレアチニン測定におけるアスコルビン酸の影響 アスコルビン酸をそれぞれ0、10、20、30、40
mg/dlを含んだクレアチニン標準液(4mg/d
l)を用意した。該溶液0.1mlに本発明のアスコル
ビン酸オキシダーゼ1,000U、クレアチンアミジノ
ヒドロラーゼ2,000U、カタラーゼ5,000U、
およびザルコシンオキシダーゼ2,000Uをクレアチ
ニン測定用試薬、ダイヤカラーCRE(東洋紡製)の溶
解液A100mlで溶解したもの2.25mlを加え、
37℃、5分間予備加温を行った。これにクレアチニン
測定用試薬、ダイヤカラーCRE(東洋紡製)の酵素試
液Bを0.75ml添加して、37℃で更に加温し、
1.5分後からの吸光度変化を試薬ブランクを対照に5
50nmで測定した。試薬ブランクは標準液の代わりに
精製水を用いて測定した。結果は図4に示す通りであっ
て、アスコルビン酸40mg/dl添加してもクレアチ
ニンの測定値は影響を受けなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の新規なアスコルビン酸オキシダーゼの
至適pHを示す。
【図2】本発明の新規なアスコルビン酸オキシダーゼの
熱安定性を示す。
【図3】本発明の酵素を使用したアスコルビン酸の検量
線を示す。
【図4】クレアチニン測定における本発明の酵素のアス
コルビン酸消去能を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸に作用して過酸化水素を
    発生する新規なアスコルビン酸オキシダーゼ。
  2. 【請求項2】 次の理化学的性質を有するアスコルビン
    酸オキシダーゼ。 作用:下記反応を触媒する。 【化1】 基質特異性:L−アスコルビン酸、イソアスコルビ
    ン酸に作用する。 至適pH:約4.0
  3. 【請求項3】 トリコデルマ属またはモルティエレラ属
    に属し、請求項1に記載されるアスコルビン酸オキシダ
    ーゼの生産能を有する微生物を培養し、培養物中に該ア
    スコルビン酸オキシダーゼを生成せしめ、これを採取す
    ることを特徴とするアスコルビン酸オキシダーゼの製造
    法。
  4. 【請求項4】 試料中のアスコルビン酸に請求項1に記
    載されるアスコルビン酸オキシダーゼを反応させ、消費
    する酸素又は生成する過酸化水素を測定することを特徴
    とするアスコルビン酸の定量法。
  5. 【請求項5】 試料中のアスコビン酸に請求項1に記載
    されるアスコルビン酸オキシダーゼを反応させて、試料
    中のアスコルビン酸を消去することを特徴とするアスコ
    ルビン酸の消去法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007509098A (ja) * 2003-10-24 2007-04-12 ウエラ アクチェンゲゼルシャフト 毛髪または皮膚の酸化的処理のための組成物、および毛髪のパーマネント変形のための固定組成物および方法

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JP2007509098A (ja) * 2003-10-24 2007-04-12 ウエラ アクチェンゲゼルシャフト 毛髪または皮膚の酸化的処理のための組成物、および毛髪のパーマネント変形のための固定組成物および方法

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