JP3114838B2 - 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途 - Google Patents

新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途

Info

Publication number
JP3114838B2
JP3114838B2 JP6336394A JP6336394A JP3114838B2 JP 3114838 B2 JP3114838 B2 JP 3114838B2 JP 6336394 A JP6336394 A JP 6336394A JP 6336394 A JP6336394 A JP 6336394A JP 3114838 B2 JP3114838 B2 JP 3114838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
creatine
sample
amidinohydrolase
creatine amidinohydrolase
novel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6336394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07265074A (ja
Inventor
静夫 服部
真一 手嶋
川村  良久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP6336394A priority Critical patent/JP3114838B2/ja
Publication of JPH07265074A publication Critical patent/JPH07265074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3114838B2 publication Critical patent/JP3114838B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なクレアチンアミジ
ノハイドロラーゼ、その製法及び該酵素を使用するクレ
アチン定量用試薬およびクレアチニン定量用試薬に関す
る。
【0002】クレアチニンおよびクレアチンは血液また
は尿中に見いだされ、その量を迅速かつ正確に検出測定
することは、疾病、例えば尿毒症、慢性腎炎、急性腎
炎、巨人症、強直性筋異栄養症等を診断するのに非常に
重要である。このような診断を行うために、血液または
尿中のクレアチニンおよびクレアチンを定量することが
一般的に行われている。
【0003】従来のクレアチンの定量法としては、試料
中のクレアチンにクレアチンアミジノハイドロラーゼ、
ザルコシンオキシダーゼを作用させ、生成する過酸化水
素を過酸化水素測定手段により測定して、試料中のクレ
アチンを定量する。またクレアチニンの定量法として
は、試料中のクレアチンを消去してから、試料中のクレ
アチニンに、クレアチニンアミドハイドロラーゼ、クレ
アチンアミジノハイドロラーゼ、ザルコシンオキシダー
ゼを作用させ、生成する過酸化水素を過酸化水素測定手
段により測定して、試料中のクレアチニンを定量する方
法などがある。
【0004】一方、クレアチニンアミドヒドロラーゼ、
クレアチンアミジノハイドロラーゼ、ザルコシンオキシ
ダーゼは微生物界に広く見いだされており、既に工業的
に製造され、臨床検査薬として使用されている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら公知の各
種菌体から製造されたクレアチンアミジノハイドロラー
ゼは熱安定性が低く、またクレアチンに対するKm値も
大きかった。例えばバチルス属由来の酵素(特公昭61-1
7465号公報) は、熱安定性は40℃以下と低い。さらにシ
ュードモナス・プチダ由来の酵素は、クレアチンに対す
るKm値が1.33mMと低い。コリネバクテリウム属、マイ
クロコッカス属、アクチノバチルス属、アシネトバクタ
ー属、バチルス属由来の酵素(特公平 3-76915号公報)
は、熱安定性は50℃以下であり、クレアチンに対するK
m値は20mMと比較的に小さい。しかしながら、さらに熱
安定性に優れ、かつクレアチンに対するKm値が20mM以
下である新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼが求
められていた。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、アルカリゲネス
(Alcaligenes)属に属する細菌から熱安定性に優れ、か
つクレアチンに対するKm値のより小さいクレアチンア
ミジノハイドロラーゼを見いだし、本発明を完成する至
った。
【0007】すなわち本発明は、下記理化学的性質を有
する新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼである。
次の反応を触媒する。
【0008】
【化2】 至適温度:約40〜45℃ 至適pH:約8.0〜9.0 熱安定性:約50℃以下(pH7.5、30分間) pH安定性:pH約5〜8(40℃、18時間) クレアチンに対するKm値:約15.2mM 分子量:約67,000(ゲル濾過法) 約43,000(SDS−PAGE) 等電点:約3.5
【0009】また本発明は、アルカリゲネス属に属し、
上記理化学的性質を有する新規なクレアチンアミジノハ
イドロラーゼ生産能を有する菌体を栄養培地にて培養
し、培養物から該クレアチンアミジノハイドロラーゼを
採取することを特徴とするクレアチンアミジノハイドロ
ラーゼの製造法である。
【0010】さらに本発明は、試料に上記理化学的性質
を有する新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼを作
用させ、生成するザルコシンにザルコシンオキシダーゼ
を作用させ、生成する過酸化水素を測定することを特徴
とする試料中のクレアチンの定量法である。
【0011】また本発明は、試料にクレアチニンアミド
ハイドロラーゼを作用させ、得られたクレアチンに上記
理化学的性質を有する新規なクレアチンアミジノハイド
ロラーゼを作用させ、生成するザルコシンにザルコシン
オキシダーゼを作用させ、生成する過酸化水素を測定す
ることを特徴とする試料中のクレアチニンの定量法であ
る。
【0012】本発明は、上記理化学的性質を有するクレ
アチンアミジノハイドロラーゼ、ザルコシンオキシダー
ゼおよび過酸化水素測定試薬を含有することを特徴とす
る試料中のクレアチン定量用試薬である。
【0013】また本発明は、クレアチニンアミドハイド
ロラーゼ、上記理化学的性質を有するクレアチンアミジ
ノハイドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼおよび過酸
化水素測定試薬を含有することを特徴とする試料中のク
レアチン定量用試薬である。
【0014】本発明のクレアチンアミジノハイドロラー
ゼの起源は、上記理化学的性質を有するクレアチンアミ
ジノハイドロラーゼを産生するものであれば、動物、植
物、微生物など如何なる起源のものを用いても良い。好
ましくは、上記性質を有するクレアチンアミジノハイド
ロラーゼを産生しうるアルカリゲネス(Alcaligenes)属
細菌であって、より好適な例としては、アルカリゲネス
・フェカリス(Alcaligenes faecalis)TE3581な
どが挙げられる。なお、アルカリゲネス・フェカリス
(Alcaligenes faecalis)TE3581は京都府北桑田
郡美山町の土壌より分離した菌株であり、その菌学的性
質は以下の通りである。
【0015】(a)形態 (1)菌形:短かん菌 (2)細胞の大きさ:0.5×0.8〜1.5μm (3)細胞の多形性:無し (4)運動性:有り、周鞭毛を有する。 (5)胞子の有無:無し (b)各培地における生育状態 (1)肉汁寒天平板培地:30℃、48時間培養で灰色
から灰黄色のコロニーを形成する。コロニーの周縁は全
縁(Entire)であり、凸状(Convex)である。表面は円
滑(Smooth)で光沢を有し、半透明である。 (2)肉汁液体培養:生育は良くないが一様に混濁す
る。 (3)肉汁ゼラチン穿刺培養:生育は普通で上部のみ糸
状(Filiform)に生育する。ゼラチンは液化しない。 (4)リトマスミルク:色に変化はない。ミルクは固化
しない。 (5)マッコンキー寒天培地:生育しない。 (6)フェニルエチルアルコール寒天培地:生育しな
い。 (c)生理学的性質 (1)グラム染色性: −(陰性) (2)硝酸塩の還元: − (3)脱窒反応: − (4)MRテスト: − (5)VPテスト: − (6)インドールの生成: − (7)硫化水素の生成: − (8)デンプンの加水分解: − (9)Tween80の分解: − (10)クエン酸の利用:Koser の培地 − Christensenの培地 + (11)無機窒素源の利用: 硝酸ナトリウム + 硫酸アンモニウム + グルタミン酸ナトリウム + (12)色素の生成: − (13)ウレアーゼ: − (14)オキシダーゼ: + (15)カタラーゼ: + (16)β−ガラクトシダーゼ: − (17)アルギニンジヒドラーゼ: − (18)リジンカルボキシラーゼ: − (19)オルニチンカルボキシラーゼ: − (20)トリプトファンデアミナーゼ: − (21)β−グルコシダーゼ: − (22)プロテアーゼ: − (23)DNase: − (23)酸素に対する態度:好気性 (24)O−Fテスト(Hugh Leifson法):−(糖を分
解せず)
【0016】 (25)糖から酸およびガスの生成 酸 ガス L−アラビノース − − D−キシロース − − D−グルコース − − D−マンノース − − D−フラクトース − − D−ガラクトース − − マルトース − − シュークロース − − ラクトース − − トレハロース − − D−ソルビトール − − D−マンニトール − − イノシトール − − グリセリン − − デンプン − − ラムノース − − D−メリビオース − − D−アミダクリン − − (26)有機化合物の利用 D−グルコース − L−アラビノース − D−マンノース − D−マンニトール − N−アセチル−D−グルコサミン− マルトース − グルコン酸カリウム − n−カプリン酸塩 + アジピン酸 + dl−リンゴ酸 + 酢酸フェニル +
【0017】上記菌学的性質同定のための実験法は、主
として長谷川武治編著、改訂版「微生物の分類と同定」
学会出版センター(1985年)によって行った。また
分類同定の基準として「バージェーズ・マニュアル・オ
ブ・システマチック・バクテリオロジー」(1984)
を参考にした。
【0018】以上の文献および菌学的性質を参考にする
とグルコース非発酵性グラム陰性菌で色素を生成しない
こと、オキシダーゼ、カタラーゼが陽性、β−グルコシ
ダーゼ、プロテアーゼが陰性であること,更にD−グル
コース、L−アラビノース等の糖を利用しないことより
本菌はアルカリゲネス(Alcaligenes)属に属するとみな
される。またアルカリゲネス中では硝酸から亜硝酸を生
成しないこと、D−グルコースをC源として利用できな
いこと、土壌より単離されたことを考えるとアルカリゲ
ネス・フェカリス(Alcaligenes faecalis)に属すると
考えられアルカリゲネス・フェカリス(Alcaligenes fa
ecalis)TE3581と命名した。なお本菌は受託番
号、FERM P−14237として寄託されている。
【0019】本発明の酵素を製造するにあたっては、上
記クレアチンアミジノハイドロラーゼ生産菌を栄養培地
に培養し、該培養物からクレアチンアミジノハイドロラ
ーゼを採取することにより製造できる。クレアチンアミ
ジノハイドロラーゼ生産菌の培養にあたって使用する栄
養培地としては、使用菌株が資化しうる炭素源、窒素
源、無機物、その他必要な栄養素を適量含有するもので
あれば、合成培地、天然培地いずれも使用できる。炭素
源としては、例えばリンゴ酸、コハク酸等が使用され
る。窒素源としては、例えばペプトン類、肉エキス、酵
母エキス等の窒素含有天然物や、塩化アンモニウム、ク
エン酸アンモニウム等の無機窒素含有化合物が使用され
る。無機物としては、リン酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム等が使用される。またクレアチン
アミジノハイドロラーゼの生産誘導物質として、クレア
チンを培地に添加しておくことが望ましい。
【0020】本発明では通常、振盪培養あるいは通気撹
拌培養を行う。培養温度は約20〜40℃、好ましくは
約25〜37℃、培養pHは約5〜9の範囲で、好まし
くは約6〜8に制御するのが良い。これら以外の条件下
でも使用する菌株が生育すれば実施できる。培養期間は
通常、約1〜7日で生育し、菌体内にクレアチンアミジ
ノハイドロラーゼが生産蓄積される。
【0021】本発明の酵素の精製法は一般に使用される
精製法を用いれば良い。例えば抽出法としては超音波破
砕、ガラスビーズを用いる機械的な破砕、フレンチプレ
ス、界面活性化剤などいずれを用いても良い。さらに抽
出液については、硫安やぼう硝などの塩析法、塩化マグ
ネシウムや塩化カルシウムなどの金属凝集法、プロタミ
ンやポリエチレンイミンなどの凝集法、さらにはDEA
E(ジエチルアミノエチル)−セファロース、CM(カ
ルボキシメチル)−セファロースなどのイオン交換クロ
マト法などにより精製することができる。またこれらの
方法で得られた粗酵素液や精製酵素液は、例えばスプレ
ードライや凍結乾燥により粉末化できる。さらには適当
な担体に固定化して固定化酵素として使用できる。
【0022】本発明のクレアチンアミジノハイドロラー
ゼは、下記理化学的性質を有する。次の反応を触媒す
る。
【0023】
【化3】
【0024】至適温度:約40〜45℃ 至適pH:約8.0〜9.0 熱安定性:約50℃以下(pH7.5、30分間) pH安定性:pH約5〜8(40℃、18時間) クレアチンに対するKm値:約15.2mM 分子量:約67,000(ゲル濾過法) 約43,000(SDS−PAGE) 等電点:約3.5
【0025】本発明のクレアチンアミジノハイドロラー
ゼは、ザルコシンオキシダーゼ及び過酸化水素検出用組
成物と組み合わせてクレアチンの測定に使用することが
できる。またクレアチニンアミドハイドロラーゼを共存
させて、クレアチニンを定量することができる。
【0026】本発明の試料中のクレアチンの定量法は、
試料に上記新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼを
作用させ、生成するザルコシンにザルコシンオキシダー
ゼを作用させ、生成する過酸化水素を測定する。
【0027】本発明の試料中のクレアチンの定量法は、
試料にクレアチニンアミドハイドロラーゼを作用させ、
得られたクレアチンに上記新規なクレアチンアミジノハ
イドロラーゼを作用させ、生成するザルコシンにザルコ
シンオキシダーゼを作用させ、生成する過酸化水素を測
定する。試料中のクレアチンはクレアチニンアミドハイ
ドロラーゼを作用させる前に消去しておくことが好まし
い。
【0028】本発明の試料中のクレアチン定量用試薬
は、上記新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼ、ザ
ルコシンオキシダーゼおよび過酸化水素検出用組成物を
含有する。
【0029】本発明の試料中のクレアチニン定量用試薬
は、クレアチニンアミドハイドロラーゼ、上記新規なク
レアチンアミジノハイドロラーゼ、ザルコシンオキシダ
ーゼおよび過酸化水素検出用組成物を含有する。
【0030】本発明のクレアチンまたはクレアチニンの
定量に使用するザルコシンオキシダーゼは、アースロバ
クター属、コリネバクテリウム属、アルカリゲネス属、
シュードモナス属、マイクロコッカス属、バチルス属等
の起源の微生物より得ることができ、これらのいくつか
は既に市販されている。クレアチニンアミドハイドロラ
ーゼとしては、シュードモナス属、フラボバクテリウム
属、アルカリゲネス属、ペニシリウム属等の起源の微生
物より得ることができ、これらのいくつかは既に市販さ
れている。
【0031】過酸化水素検出用組成物はペルオキシダー
ゼ活性を有する酵素及び色原体よりなる。ペルオキシダ
ーゼ活性を有する酵素としては、ペルオキシダーゼ、ハ
ロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、ラクト
ペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ等が挙げら
れる。色原体は更に水素受容体およびカプラーよりな
る。水素受容体は過酸化水素、ペルオキシダーゼ、カプ
ラーとの反応に際し、水素を受容する化合物であれば良
く、例えば4−アミノアンチピリン、3−メチル−2−
ベンゾチアゾリン−ヒドラジン誘導体等が挙げられる。
またカプラーとしてはアニリン、N,N−ジメチルアニ
リン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチル−
m−トルイジン、N,N−ジメチル−m−アンシジン、
N−エチル−(3−メチルフェニル)−N’−アセチル
エチレンジアミン、N−エチル−N−(β−ヒドロキシ
エチル)−m−トルイジン、N−エチル−N−(2ーヒ
ドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N
−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−
エチル−スルホプロピル−3,5−メトキシアニリン、
N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシ
ジン、フェノール、ρ−クロロフェノール、2、4−ジ
クロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,
4,6−トリクロロフェノール等がある。
【0032】本発明のクレアチン定量用試薬中、各成分
の好ましい量はクレアチンアミジノハイドロラーゼ約1
0〜300U/ml、ザルコシンオキシダーゼ約1〜1
00U/ml、ペルオキシダーゼ約0.01〜50U/
ml、水素受容体約0.1〜10mM、カプラー約0.
1〜50mMである。本発明のクレアチニン定量用試薬
中、各成分の好ましい量はクレアチニンアドドヒドロラ
ーゼ、10〜300U/ml、クレアチンアミジノハイ
ドロラーゼ約10〜300U/ml、ザルコシンオキシ
ダーゼ約1〜100U/ml、ペルオキシダーゼ約0.
01〜50U/ml、水素受容体約0.1〜10mM、
カプラー約0.1〜50mMである。
【0033】本発明のクレアチン定量用試薬またはクレ
アチニン定量用試薬は、通常、pH約6〜8の緩衝液と
ともに使用する。例えばリン酸緩衝液、グッド緩衝液、
トリス緩衝液等が挙げられる。本発明の試薬には必要に
よりアスコルビン酸オキシダーゼまたはカタラーゼを添
加しても良い。更に本発明の試薬には酵素反応または呈
色反応を円滑に行わせるために他の化合物を添加しても
良い。このような化合物として例えば安定化剤、界面活
性化剤、賦形剤等が挙げられる。
【0034】本発明は以下の測定反応を利用する。
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】生成したキノン色素は通常、500〜65
0nmの波長で吸光度測定で行う。クレアチンを定量法
としては、エンド法およびレート法で行われるが、エン
ド法を用いるのが一般的である。
【0039】次に本発明のクレアチンアミジノハイドロ
ラーゼの活性測定法を示す。まず試験管に基質溶液(ク
レアチンを0.1Mとなるように50mMリン酸緩衝
液、pH7.5に溶解したもの)0.9mlをとり、3
7℃で約5分予備加温する。次に酵素溶液0.1mlを
加え、反応を開始し、37℃で正確に10分間反応させ
た後、DAB溶液(2.0gのジメチルアミノベンズア
ルデヒドを100mlのジメチルスルホキシドに溶解さ
せた後、濃塩酸15mlを加える。)2.0mlを加え
て反応を停止させる。25℃で20分間放置後、生成し
た尿素がジメチルアミノベンズアルデヒドと縮合して生
成した黄色色素(Ehrich反応生成物)を425nmにお
ける吸光度で測定する。盲検は基質溶液0.9mlを3
7℃で10分間放置後、DAB溶液2.0mlを加えて
混和し、ついで酵素溶液0.1mlを加えて調製し、以
下同様に25℃で20分間放置後、吸光度を測定する。
上記条件下で1分間に1マイクロモルの黄色色素を生成
する酵素量を1単位(U)とする。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。 実施例1 クレアチン1%、ポリペプトン1%、酵母エキス0.5
%、NaCl0.5%を含む培地(pH7.0)100
mlを500ml容坂口フラスコに移し、121℃、1
5分間オートクレーブを行った。種菌として、アルカリ
ゲネス・フェカリス(Alcaligenes faecalis)TE35
81(FERM P−14237)を一白金耳植菌し、
30℃で時間培養し、種培養液とした。次に同培地6リ
ットルを10リットル容ジャーファーメンターに移し、
121℃で15分間オートクレーブを行い、放冷後、種
培養液100mlを移し、300rpm,通気量2リッ
トル/分、30℃で時間培養した。培養液を遠心分離に
て集菌し、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁
した。
【0041】上記菌体懸濁液をフレンチプレスで処理
し、遠心分離を行い、上清液を得た。得られた粗酵素液
を硫安分画、DEAE−セファロースクロマトグラフィ
ー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、セファ
デックスG−200によるゲル濾過により比活性19U
/mgにまで精製した。得られたクレアチンアミジノハ
イドロラーゼは下記特性を有していた。 1.酵素反応:下記反応を触媒する。
【0042】
【化7】
【0043】2.Km値:クレアチンに対するKm値は
15.2mMであった。比較例としてアクチノバチルス
由来の酵素(東洋紡製)のクレアチンに対するKm値を
測定した結果、20.5mMであった。 3.至適pH:50mM K−リン酸緩衝液(pH6.
0〜8.0)、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5
〜9.0)、グリシンNaOH緩衝液(pH9.0〜1
0.5)中での酵素活性を測定した。その結果は図1に
示す通りであって、至適pHは約8.0〜9.0であっ
た。 4.安定pH:グリシン塩酸緩衝液(pH2〜3)、酢
酸緩衝液(pH3〜6)、K−リン酸緩衝液(pH6〜
8)、トリス塩酸緩衝液(pH8〜9)、グリシンNa
OH緩衝液(pH9〜10)で40℃、約18時間保存
してその残存活性を測定した。その結果は図2に示す通
りであって、安定pHはpH約5〜8であった。 5.至適温度:各温度における酵素活性を測定した。そ
の結果は図3に示す通りであって、至適温度は約40〜
45℃であった。 6.熱安定性:本発明の酵素を50mM K−リン酸緩
衝液(pH7.5)中で30分間保温した後、残存する
酵素活性を測定した。その結果は図4に示す通りであっ
て、約50℃まで安定であった。 7.分子量:約67,000(ゲル濾過法) 約43,000(SDS−PAGE) 8.等電点:約3.5(等電点電気泳動) 9.既知酵素との比較
【0044】
【表1】
【0045】実施例2 下記組成を有する試液を調製した。 実施例1のクレアチンアミジノハイドロラーゼ 50U/ml ザルコシンオキシダーゼ(東洋紡製) 20U/ml ペルオキシダーゼ(東洋紡製) 2.9U/ml PIPESバッファー 0.1M、pH7.0 4−アミノアンチピリン 0.74mM DAOS(同仁化学製) 1mM クレアチン6mg/dlを含有する試料100μlに上
記試液3mlを添加し、吸光度変化を37℃、波長60
0nmで測定した。測定結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】比較例2 下記組成を有する試液を調製した。 アクチノバチラス属由来の クレアチンアミジノハイドロラーゼ(東洋紡製) 50U/ml ザルコシンオキシダーゼ(東洋紡製) 20U/ml ペルオキシダーゼ(東洋紡製) 2.9U/ml PIPESバッファー 0.1M、pH7.0 4−アミノアンチピリン 0.74mM DAOS(同仁化学製) 1mM クレアチン6mg/dlを含有する試料100μlに上
記試液3mlを添加し、吸光度変化を37℃、波長60
0nmで測定した。測定結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3から明らかなように、アクチノバチラ
ス属由来のクレアチンアミジノハイドロラーゼは、本発
明のクレアチンアミジノハイドロラーゼに比較して明ら
かに反応の速度は劣っていた。
【0050】
【発明の効果】本発明のクレアチンアミジノハイドラー
ゼは熱安定性に優れ、かつクレアチンに対してKm値が
低い。したがってクレアチンおよびクレアチニンの定量
用試薬として、従来の酵素に比べて安定であり、反応性
のよい試薬を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酵素の反応pHと相対活性との関係を
示すグラフである。
【図2】本発明の酵素のpH安定性を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の酵素の反応温度と相対活性との関係を
示すグラフである。
【図4】本発明の酵素の熱安定性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12N 1/20 C12R 1:05) (C12N 9/78 C12R 1:05) (56)参考文献 特開 昭62−91182(JP,A) 特開 昭61−280271(JP,A) 特開 昭61−162174(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/00 - 9/99 C12Q 1/00 - 1/70 C12N 1/00 - 1/38 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記理化学的性質を有する新規なクレア
    チンアミジノハイドロラーゼ。次の反応を触媒する。 【化1】 至適温度:約40〜45℃ 至適pH:約8.0〜9.0 熱安定性:約50℃以下(pH7.5、30分間) pH安定性:pH約5〜8(40℃、18時間) クレアチンに対するKm値:約15.2mM 分子量:約67,000(ゲル濾過法) 約43,000(SDS−PAGE) 等電点:約3.5
  2. 【請求項2】 アルカリゲネス属に属し、請求項1記載
    の新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼ生産能を有
    する菌体を栄養培地にて培養し、培養物から該クレアチ
    ンアミジノハイドロラーゼを採取することを特徴とする
    クレアチンアミジノハイドロラーゼの製造法。
  3. 【請求項3】 試料に請求項1記載の新規なクレアチン
    アミジノハイドロラーゼを作用させ、生成するザルコシ
    ンにザルコシンオキシダーゼを作用させ、生成する過酸
    化水素を測定することを特徴とする試料中のクレアチン
    の定量法。
  4. 【請求項4】 試料にクレアチニンアミドハイドロラー
    ゼを作用させ、得られたクレアチンに請求項1記載の新
    規なクレアチンアミジノハイドロラーゼを作用させ、生
    成するザルコシンにザルコシンオキシダーゼを作用さ
    せ、生成する過酸化水素を測定することを特徴とする試
    料中のクレアチンの定量法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の新規なクレアチンアミジ
    ノハイドロラーゼ、ザルコシンオキシダーゼおよび過酸
    化水素検出用組成物を含有することを特徴とする試料中
    のクレアチン定量用試薬。
  6. 【請求項6】 クレアチニンアミドハイドロラーゼ、請
    求項1記載の新規なクレアチンアミジノハイドロラー
    ゼ、ザルコシンオキシダーゼおよび過酸化水素検出用組
    成物を含有することを特徴とする試料中のクレアチニン
    定量用試薬。
JP6336394A 1994-03-31 1994-03-31 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途 Expired - Fee Related JP3114838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6336394A JP3114838B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6336394A JP3114838B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07265074A JPH07265074A (ja) 1995-10-17
JP3114838B2 true JP3114838B2 (ja) 2000-12-04

Family

ID=13227121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6336394A Expired - Fee Related JP3114838B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3114838B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3075390B2 (ja) * 1996-02-13 2000-08-14 東洋紡績株式会社 新規なクレアチンアミジノヒドロラーゼ、その製法およびその用途
JP3206894B2 (ja) * 1996-07-25 2001-09-10 理化学研究所 酵素を熱活性化する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07265074A (ja) 1995-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0204283A2 (en) Uricase and a method for the preparation thereof
US4039384A (en) Creatinine amidohydrolase and creatine amidinohydrolase and process for producing them
US4740465A (en) Heat-resistant sarcosine oxidase N and process for producing the same
JPH04135487A (ja) グルコースデヒドロゲナーゼおよびその製造法
JPH0364105B2 (ja)
JPS61268178A (ja) フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
JP3041840B2 (ja) 新規なグリセロールデヒドロゲナーゼ、その製法及びその用途
JP3216739B2 (ja) ソルビトールオキシダーゼ、その製法及びその用途
JP3114838B2 (ja) 新規なクレアチンアミジノハイドロラーゼおよびその用途
JPH0284178A (ja) N−アセチルヘキソサミンデヒドロゲナーゼ、その製造法及び該酵素を用いるn−アセチルグルコサミン又はn−アセチルガラクトサミンの定量法及びその定量用キット
US5773585A (en) Glutamate dehydrogenase from Pseudomonas
US5260197A (en) L-fucose dehydrogenase, a process for production thereof, quantitative assay for L-fucose using said enzyme and a kit for quantitative assay
US4965194A (en) Pyruvate oxidase and an analytical method using the same
EP0029765B1 (en) Creatinine iminohydrolase free from urease activity, methods of preparation and use, and assay compositions and analytical elements containing same
JP3642344B2 (ja) クレアチンアミジノハイドロラーゼの製造法
US4788147A (en) Method for producing ethanolamine oxidase
JP3102543B2 (ja) グルタミン酸デヒドロゲナーゼおよびその製造法
JP3997441B2 (ja) 3α−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼおよびその製法
JP3156832B2 (ja) アンモニア測定用試薬組成物
KR100229284B1 (ko) 신규 고온성 공생 심비오박테리움 속 미생물 및 그로부터 생산되는 내열성 티로신 페놀리아제 및 트립토파나아제
JPS5889183A (ja) Nad(p)依存性コレステロ−ル脱水素酵素の製造法
JP2827002B2 (ja) アシルカルニチンの測定法
JPS6368099A (ja) ピルビン酸オキシダーゼを用いるピルビン酸の測定法およびその試薬
JPH09247A (ja) D−乳酸脱水素酵素およびその製造法
JPH0661278B2 (ja) ミオイノシトールの高感度定量法および定量用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070929

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080929

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees