JPH06209142A - 面発光型半導体レーザの製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザの製造方法

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JPH06209142A
JPH06209142A JP192693A JP192693A JPH06209142A JP H06209142 A JPH06209142 A JP H06209142A JP 192693 A JP192693 A JP 192693A JP 192693 A JP192693 A JP 192693A JP H06209142 A JPH06209142 A JP H06209142A
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semiconductor laser
substrate
type
layer
etching
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JP192693A
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Inventor
Junji Sato
淳史 佐藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
    • H01S5/18Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities
    • H01S5/183Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities having only vertical cavities, e.g. vertical cavity surface-emitting lasers [VCSEL]
    • H01S5/18308Surface-emitting [SE] lasers, e.g. having both horizontal and vertical cavities having only vertical cavities, e.g. vertical cavity surface-emitting lasers [VCSEL] having a special structure for lateral current or light confinement

Abstract

(57)【要約】 【構成】 面発光半導体レーザで共振器をエッチングに
より形成する際、基板温度を10〜20℃に保って反応
性イオンビームエッチング(RIBE)を行う。また、
そのRIBE装置には温度を測る手段と温度を一定に保
つ手段を設ける。 【効果】 レジストパターンマスクより下の共振器が精
度よく形成され、高効率な面発光型半導体レーザとな
る。また素子間のばらつきが低減され、応用範囲の広い
面発光型半導体レーザとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板に垂直な方向にレ
ーザ光を出射する面発光型半導体レーザの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】基板に垂直な方向に光を出射する面発光
型半導体レーザの製造方法において、垂直光共振器の形
成をエッチングにより行う方法がある。この方法を用い
た場合、例えば、Appl.Phys.Lett.,V
ol57,No.16 P1605 にあるように反応
性イオンエッチング法を用いることにより面発光型半導
体レ−ザの光共振器を作成することができる。
【0003】この面発光型半導体レーザにおいては、n
型分布反射型多層膜ミラー、n型Al0.5Ga0.5Asス
ペーサー層、 量子井戸型活性層、p型Al0.5Ga0.5
Asスペーサー層およびp型分布反射型多層膜ミラーを
順次成長させ、その後、n型分布反射型多層膜ミラーま
でを柱状の領域を残して垂直にエッチングし、さらに、
この円柱状領域の周囲にポリイミド層を形成して埋め込
み、しかる後にコンタクト電極等を配して面発光型半導
体レーザを作成している。柱状の領域を残してエッチン
グする際には塩素ガスによる反応性イオンエッチング法
を用いている。この論文中の言葉では触れられていない
が、説明図では光共振器の断面形状は基板に垂直なもの
となっている。
【0004】また、LSI製造プロセスや、LED製造
プロセスなどのエッチングプロセスに反応性イオンビー
ムエッチング法などのドライエッチング法を用いること
は公知技術であり、その場合被エッチング基板を低温に
保つことによってサイドエッチングの少ないエッチング
形状を安定して得られることも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人が実験した
ところに依ると、反応性イオンエッチングを用いて面発
光型半導体レーザの光共振器を形成する場合、次のよう
な反応過程により共振器部分の形状がテーパー状になっ
てしまうことがわかった(図4)。
【0006】エッチングの進む過程を説明すると次のよ
うになる。RF印加により生成された非平衡塩素プラズ
マはシース電位によってGaAs層等に引き寄せられ
る。GaAs層等のGa−As結合は塩素プラズマ種に
よって弱められ、塩素はガリウムと結びついて塩化ガリ
ウムの形で結合する。エッチングが進むに連れて露出す
る光共振器の側面にはこの塩化ガリウムが残る。しか
し、基板は常にプラズマに晒されているために塩素プラ
ズマ種がエッチングされた光共振器の側面に残れず脱離
してしまう場合も多い。この結果常に光共振器の側面に
は新しいGaAs層等が現れ、順次塩化ガリウムとなっ
て脱離し、サイドエッチングが進んでしまうのである。
これはアノードカップリングまたはカソードカップリン
グの場合に依らずに起こってしまう現象である。また、
基板が常にプラズマに晒されていることで、基板に異常
放電などによるダメージも起こっていた。
【0007】そこで、本願出願人は、プラズマ種の発生
室とエッチング反応が起きる反応室とが分離されいるた
め、反応プラズマ種が光共振器の形成される基板に直接
的なダメージを与えにくいエッチング法である反応性イ
オンビームエッチング法を用いて光共振器を形成する方
法を試みた。
【0008】反応性イオンビームエッチング(RIB
E)法はエッチング方法の分類上、プラズマエッチング
法と、イオンエッチング法との中間に位置するエッチン
グ法であるが、その特徴としては前記の、プラズマダメ
ージが低減される発生室−反応室分離構造とともに、エ
ッチング精度の高い異方性が挙げられる。この特徴を有
するRIBE法は面発光型半導体レ−ザの光共振器の形
成方法として非常に優れている。この異方性とは、面発
光型半導体レーザの光共振器が垂直に形成できるという
ことであり、それは面発光型半導体レ−ザのキャリア損
失を低減することにつながるからである。その理由はつ
ぎのようなものである。面発光型半導体レ−ザは電流を
基板に垂直方向に注入して駆動するため、もし前記共振
器部分にテーパーがあると、テーパーの部分に近いキャ
リアは共振器部分と共振器部分の周りに形成する埋め込
み層との界面に衝突することになり有効な電流として働
かなくなってしまう。また、キャリアの衝突の際に発生
した熱は半導体のバンド構造を変成させ、面発光型半導
体レ−ザの発振波長のシフトを招くこともある。つま
り、共振器部分が垂直に形成された構造を持つ面発光型
半導体レ−ザは前記のキャリア損失が低減されるため、
効果的な電流注入が可能で、特性変化が少ないという利
点がある。
【0009】しかし本願出願人が実験したところに依る
と次のような反応過程により、RIBE法を用いたとし
ても面発光型半導体レーザの光共振器の形状がテーパー
状になってしまう場合があることがわかった。
【0010】まず、エッチングの進む過程を説明すると
次のようになる。RF印加により生成された塩素プラズ
マは引出し電圧によって加速されGaAs若しくはAl
xGa1-xAs(xは0〜1)に衝突する。GaAs若し
くはAlxGa1-xAsのGa−As結合は塩素プラズマ
種によって弱められ、塩化ガリウムの形で結合する。エ
ッチングマスクで覆われていない部分(エッチングされ
る部分)ではこの塩化ガリウムは脱離するが、エッチン
グが進むに連れて露出する前記共振器部分の側面にはこ
の塩化ガリウムが残る。共振器部分の側面を覆った塩化
ガリウムはそれ以上の塩素プラズマ種の反応を防ぐ保護
障壁の役割をするので、こうなれば一度露出した光共振
器の側面がサイドエッチングされることはない。
【0011】ところが、反応性イオンの衝撃などの原因
により基板が高温になると、塩化ガリウムは光共振器の
側面から脱離してしまう。この結果常に光共振器の側面
には新しいGaAs(若しくはAlxGa1-xAs)が現
れ、順次塩化ガリウムとなって脱離し、サイドエッチン
グが進んでしまうのである。
【0012】LSIプロセス等に用いられるRIBE法
でもサイドエッチングの問題は存在した。しかし、LS
Iプロセスで主として用いられるエッチング深さはせい
ぜい数百若しくは千オングストローム程度であり、サイ
ドエッチングが起こったとしてもパターン精度に致命的
な影響を与えるものではなかった。
【0013】しかし、本願出願人が本出願に先立って作
成した面発光型半導体レーザに於いては共振器部分の形
成のためのエッチング深さは2〜数ミクロンにまでなる
ので、仮にエッチング深さを3.4μm、テーパー角度
を60度として計算するとサイドエッチングにより最表
層では4μm(円柱の片側2μmずつ)も削られてしま
うことになる。これは共振器のパターン設計直径(10
μm程度)に多大な影響を与える値である。
【0014】まとめると、光共振器が形成されるとき
に、同時にサイドエッチングが起こり光共振器がテーパ
ーを持つと、埋め込み層界面に於ける捕獲準位の増大、
それに伴う電流注入の非効率化、レーザ発振しきい値
(Ith)の増大、レーザ発光効率の低下等の、面発光
型半導体レーザにとっては致命的な問題が起こっていた
ということである。また、サイドエッチングにより光共
振器のパターン精度が悪くなり、安定した特性の面発光
型半導体レーザが得られなかったのである。
【0015】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するため、本発明の面発光型半導体レーザの製造方法
は、基板に垂直な方向に光を出射する面発光型半導体レ
ーザの製造方法において、該面発光型半導体レーザの共
振器部分の被形成基板を冷却する手段を備えた反応性イ
オンビームエッチング装置若しくはこれに類似するドラ
イエッチング装置を用いて該面発光型半導体レーザの共
振器部分を形成する工程を少なくとも含むことを特徴と
する。
【0016】あるいは以上のような課題を解決するた
め、本発明の面発光型半導体レーザの製造方法は、基板
に垂直な方向に光を出射する面発光型半導体レーザの製
造方法において、該面発光型半導体レーザの共振器部分
の被形成基板の温度を40℃〜0℃の範囲の一定温度に
保つ機構を備えた反応性イオンビームエッチング装置若
しくはこれに類似するドライエッチング装置を用いて該
面発光型半導体レーザの共振器部分を形成する工程を少
なくとも含むことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の面発光型半導体レーザの製造方法によ
れば、光共振器を被形成基板に対し垂直性よく形成する
ことができるので、光共振器にテーパーがある場合に比
べ次のような利点がある。
【0018】電流注入の効率化 II−IV半導体埋め込み層界面に於ける捕獲中心の
低減 LEDモ−ドの収斂性向上 Ithの低減 レーザ発光効率の増加 素子間のレーザ光特性ばらつきの減少 マルチビームの場合の素子間相互の注入電流干渉性の
減少
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。
【0020】(実施例1)図1は本発明の実施例におけ
る面発光型半導体レーザ (100)の発光部の断面を示す斜
視図であり、また、図2(a)〜(e)は当該実施例に
おける面発光型半導体レーザの製造工程を示す断面図で
ある。また、図3は当該実施例に於ける面発光型半導体
レーザの製造装置例の概念図である。
【0021】以下、本実施例に係わる面発光型半導体レ
ーザ (100)の構成および製造工程について、図2(a)
〜(e)にしたがって説明する。
【0022】まず、 (102)n型GaAs基板上に、
(103)n型GaAsバッファ層を形成し、さらに、n型
Al0.7Ga0.3As層とn型Al0.1Ga0.9As層から
なり波長870nm付近の光に対し98%以上の反射率
を持つ30ペアの (104)分布反射型多層膜ミラーを形成
する。続いて、 (105)n型Al0.4Ga0.6Asクラッド
層、 (106)p型GaAs活性層、 (107)p型Al0.4
0.6Asクラッド層、そして、p型Al0.7Ga0.3
s層とp型Al0.1Ga0.9As層からなり波長870n
m付近の光に対し75%以上の反射率を持つ5ペアの
(114)分布反射型多層膜ミラーと (108)p型Al0.1Ga
0.9Asコンタクト層を、順次、MOCVD法でエピタ
キシャル成長させる(図2(a))。このとき、本実施
例では、成長温度を700℃とし、成長圧力を150T
orrとし、III族原料としてはTMGa(トリメチ
ルガリウム)およびTMAl(トリメチルアルミニウ
ム)の有機金属を、V族原料としてはAsH3 を、n型
ドーパントとしてはH2 Seを、p型ドーパントとして
はDEZn(ジエチルジンク)を、それぞれ用いる。
【0023】上記エピタキシャル成長後、熱CVD法
によって、表面に (112)SiO2 層及び (113)レジスト
層を形成し、さらに、反応性イオンビームエッチング法
(以下、「RIBE法」と記す)により、 (113)レジス
トで覆われた柱状の発光部を残して、 (107)p型Al
0.4Ga0.6Asクラッド層の途中まで、エッチングを行
う(図2(b))。
【0024】本実施例に於けるエッチングの方法は次の
ようなものである。エッチング装置としてはRIBE装
置を用いる。本実施例では、エッチングガスとしては塩
素とアルゴンの混合ガスを用いることとし、ガス圧を1
×10-3Torrとし、引出し電圧を400Vとしてい
る。但しこれらの条件はそれぞれの数値に限定されるも
のではない。
【0025】RIBE法はエッチング方法の分類上、プ
ラズマエッチング法と、イオンエッチング法との中間に
位置するエッチング法であるが、その特徴としてはエッ
チング精度の高い異方性が挙げられる。この特徴を有す
るRIBE法は面発光型半導体レ−ザの共振器部分の形
成方法として非常に優れている。前記の異方性とは、面
発光型半導体レーザの共振器部分が垂直に形成できると
いうことであり、それは面発光型半導体レ−ザのキャリ
ア損失を低減することにつながるからである。その理由
はつぎのようなものである。面発光型半導体レ−ザは電
流を基板に垂直方向に注入して駆動するため、もし前記
共振器部分にテーパーがあると、テーパーの部分に近い
キャリアは共振器部分と埋め込み層(後に説明)との界
面に衝突することになり有効な電流として働かなくなっ
てしまう。また、キャリアの衝突の際に発生した熱は半
導体のバンド構造を変成させ、面発光型半導体レ−ザの
発振波長のシフトを招くこともある。つまり、共振器部
分が垂直に形成された構造を持つ面発光型半導体レ−ザ
は前記のキャリア損失が低減されるため、効果的な電流
注入が可能で、特性変化が少ないという利点がある。
【0026】しかし本願出願人が実験したところに依る
と次のような反応過程により、RIBE法を用いたとし
ても面発光型半導体レーザの共振器部分の形状がテーパ
ー状になってしまう場合があることがわかった。
【0027】まず、エッチングの進む過程を説明すると
次のようになる。RF印加により生成された塩素プラズ
マは引出し電圧によって加速され被エッチング材に衝突
する。被エッチング材は本実施例に於いてはGaAs若
しくはAlxGa1-xAs(xは0〜1)のことを示す。
GaAs若しくはAlxGa1-xAsのGa−As結合は
塩素プラズマ種によって弱められ、塩化ガリウムの形で
結合する。 (113)レジストで覆われていない部分(エッ
チングされる部分)ではこの塩化ガリウムは脱離する
が、エッチングが進むに連れて露出する前記共振器部分
の側面にはこの塩化ガリウムが残る。共振器部分の側面
を覆った塩化ガリウムはそれ以上の塩素プラズマ種の反
応を防ぐ保護障壁の役割をするので、こうなれば一度露
出した共振器部分の側面がサイドエッチングされること
はない。
【0028】ところが、反応性イオンの衝撃などの原因
により基板が高温になると、塩化ガリウムは共振器部分
の側面から脱離してしまう。この結果常に共振器部分の
側面には新しいGaAs(若しくはAlxGa1-xAs)
が現れ、順次塩化ガリウムとなって脱離し、サイドエッ
チングが進んでしまうのである。
【0029】LSIプロセス等に用いられるRIBE法
でもサイドエッチングの問題は存在した。しかし、LS
Iプロセスで主として用いられるエッチング深さはせい
ぜい数百若しくは千オングストローム程度であり、サイ
ドエッチングが起こったとしてもパターン精度に致命的
な影響を与えるものではなかった。
【0030】しかし、本願出願人が本出願に先立って本
実施例とは別に作成した面発光型半導体レーザに於いて
は共振器部分の形成のためのエッチング深さは2〜数ミ
クロンにまでなるので、仮にエッチング深さを3.4μ
m、テーパー角度を60度として計算するとサイドエッ
チングにより最表層では4μm(円柱の片側2μmず
つ)も削られてしまうことになる。これは共振器のパタ
ーン設計直径(10μm程度)に多大な影響を与える値
である。
【0031】そこで、本願出願人が実験を行ったとこ
ろ、共振器部分の被形成基板を低温に保つことによりこ
のサイドエッチングを抑制できることがわかった。図6
は基板温度とRIBEによるGaAs層のエッチングレ
ートとの関係を調べたグラフである。該基板温度として
は40℃以下が好適であり、20℃〜10℃が特に好適
である。10℃〜0℃であると尚テーパーは減少し良好
な面発光型半導体レーザ特性が得られるものと思われる
が、この場合はエッチングレートが極端に遅くなってし
まうため実用には不向きとなるが、研究の対象としては
有効な条件と思われる。40℃以上ではエッチングレー
トが大きいためエッチング面が荒れてしまい、また、エ
ッチングレートが制御しにくいため安定したレーザ特性
が得られにくいという欠点がある。10℃以下の場合の
うち、特に0℃以下で問題となってくるが、エッチング
レートが小さいためエッチング時間がかかるため、エッ
チングの均一性が悪くなり、エッチング面が荒れるとい
うこともわかった。
【0032】本実施例では面発光型半導体レーザの共振
器部分の被形成基板の支持体(基板ホルダ)に物理的な
形状の工夫を施し、冷却水管を配すことにより該基板を
冷却している。該基板ホルダの形状とは、該基板の厚さ
と同じだけの窪みを付け、また、密着性を上げるため該
基板の固定ヒンジの数を増やし、作業性の向上のために
副基板ホルダを設けたことである。また、該基板裏面に
インジウムなどで一時的にハンダをつけ、該基板ホルダ
との電気的密着性を上げるのもよい。密着性が上がるこ
とにより、RIBE中の基板温度の均一性が上がり、ま
た、異常放電などによる、基板へのダメージが防止でき
る。冷却方法は冷却水に限定されるものではなく、例え
ば液体窒素や、低温体からの誘導ガスその他でも代替で
きる。
【0033】本実施例では基板ホルダを冷却した後の冷
却水(還冷却水)の温度を測定することにより冷却水の
流量にフィードバックをかけて前記被形成基板の温度を
制御している。しかし、該被形成基板の温度の測定方法
やフィードバックのかけ方はこれに限定されるものでは
ない。例えば、熱電対を用いて、基板ホルダ若しくは還
冷却水の温度を測定する方法も有効である。あるいは、
基板ホルダに発熱体を冷却系と同時に配し、冷却と昇温
を同時にフィードバックすることも可能である。また、
面発光型半導体レーザの共振器部分を形成する手法はま
だまだ改良若しくは実験的・生産技術的に研究される対
象と考えられるため、温度の計測手段のみを備え、前記
被形成基板を一定温度に保温する手段を備えないRIB
E装置を用いて作成した面発光型半導体レーザも有用で
ある。同様に冷却手段及び加熱手段を備えかつ該被形成
基板を一定温度に保温する手段を備えたRIBE装置を
用いて作成した面発光型半導体レーザも有用である。こ
の場合は該被形成基板の温度のフィードバックが速くな
り、より厳密な温度制御が可能となるという利点があ
る。
【0034】また、本実施例では面発光型半導体レーザ
の共振器部分の形成方法として、該共振器部分を被形成
基板に対し垂直に形成できるという点で他の方法よりも
優れていると考えられることからRIBE法を用いた
が、エッチング方法はこれに限定されるものではない。
該共振器部分が該被形成基板に対しより垂直に形成でき
得るドライエッチング法を用いることが重要である。位
相同期型の面発光型半導体レ−ザの場合には、複数の発
光部同士の電気的若しくは光学的干渉を制御し、安定し
た特性を得るために該共振器部分の垂直性を上げること
は特に重要である。
【0035】尚、RIBE法によるエッチングの際、
(107)p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層の途中までし
かエッチングしないのは、活性層の水平方向の注入キャ
リアと光を閉じ込めるための構造を、リブ導波路型の屈
折率導波構造とするためである。別の方法として (105)
n型Al0.4Ga0.6Asクラッド層の途中までエッチン
グを行うことも可能であり、この場合は (106)活性層を
埋め込んだ埋め込み型の屈折率導波路構造により、より
効果的な光の閉じ込めが実現されるという利点がある。
位相同期型の面発光型半導体レ−ザを作成する場合には
(107)p型Al0. 4Ga0.6Asクラッド層の途中までエ
ッチングを行い、互いに分離溝で分離された複数の柱状
の共振器部分が活性層を共有する形にして、活性層内の
光の一部を活性層水平方向に伝達できるようにする構造
が好ましい。
【0036】さて、ここで再び本実施例における面発光
型半導体レーザの構成および製造工程についての説明に
戻る。
【0037】次に、この (107)p型Al0.4Ga0.6
sクラッド層上に、埋め込み層を形成する。このため
に、本実施例では、まず、 (113)レジストを取り除き、
次に、MBE法或はMOCVD法などにより、 (109)Z
nS0.06Se0.94層を埋め込み成長させる(図2
(c))。
【0038】さらに、 (112)SiO2 層を除去し、続
いて、 (108)コンタクト層の表面に(110)p型オーミッ
ク電極を蒸着した後、発光部の径よりやや小さい領域を
取り去る(図2(d))。
【0039】しかる後に、 (110)p型オーミック電極
のない発光部の上を覆うように2ペアの (111)SiO2
/a−Si誘電体多層膜ミラーを電子ビーム蒸着により
形成し、さらに (102)n型GaAs基板側に (101)n型
オーミック電極を蒸着する(図2(e))。そして、最
後に、N2 雰囲気中で、400℃のアロイングを行う。
【0040】このように作成した本実施例の (100)面発
光半導体レーザは、埋め込みに用いたZnS0.06Se
0.94層が1GΩ以上の抵抗を有し、 (109)埋め込み層へ
の注入電流の漏れが起こらないため、極めて有効な電流
狭窄が達成される。また、 (109)埋め込み層は多層構造
にする必要が無いため容易に成長させることができ、バ
ッチ間の再現性も高い。
【0041】また、この面発光半導体レーザはリブ導波
路構造となるので、ZnS0.06Se0.94層の下方の活性
層と共振器部の活性層の屈折率差が大きくなり、有効な
キャリア閉じ込め及び光閉じ込めも同時に達成される。
【0042】ここで、発光部上の反射ミラーの反射率は
半導体多層膜ミラーと誘電体多層膜ミラーが合わさるこ
とにより、発振波長870nmで96%以上となってい
る。
【0043】また、出射口側の反射ミラーを半導体多層
膜ミラーと誘電体多層膜ミラーで構成したのは、すべて
の出射口側ミラーを半導体多層膜ミラーで形成すると9
6%以上の反射率を得るためには40層以上の半導体層
を制御よく形成する必要があり、また、40層以上の半
導体層の垂直方向の電気抵抗は非常に大きくなり、面発
光半導体レーザ自体の素子抵抗を大きくしてしまう問題
が発生したためである。尚、誘電体ミラーのみの層数を
増やして、 (114)分布反射型多層膜ミラーの無い積層構
造とすることも可能である。この場合は (114)分布反射
型多層膜ミラーを構成する単層の条件出しを省略できる
等の利点がある。
【0044】なお、上述の実施例では、GaAlAs系
面発光型半導体レーザについて説明したが、本発明の面
発光型半導体レーザの製造方法はその他のIII−V族
系の面発光型半導体レーザにも好適に適用でき、特に活
性層はAlの組成を替えることで発振波長を変更するこ
ともできる。
【0045】また、埋め込み層もZnSSe混晶に限ら
ず、ZnS−ZnSe超格子、他のII−VI族化合物
半導体、例えばZnSeやZnSやCdTeおよびその
混晶またはこれらの材料系による超格子を埋め込み層に
選んでも同様な効果が得られる。
【0046】また、基板もGaAsにとらわれず、Si
やInPなどの半導体基板やサファイヤのような誘電体
基板でも同様な効果が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により作成
した面発光型半導体レーザはRIBE法による共振器部
分の垂直性が良好であるため、先に説明したとおり電流
注入が効率よく行え、Ithの小さい面発光型半導体レ
ーザとなった。また、スペクトル分散の少ない発光スペ
クトルとなり、発振後の発光効率も増大した。そして、
副次的に素子間のレーザ光特性のばらつきが減少し実用
に供する上で有用な特性となった。また、マルチビーム
方式の面発光型半導体レーザの場合、片側の電極を共有
して複数のレーザ素子の駆動を行っており、素子間相互
に注入電流による光特性への干渉が従来は見られたが、
本発明を用いることにより該干渉も低減していることが
わかった。
【0048】また、本発明の面発光型半導体レーザの製
造方法及び製造装置により作成された面発光型半導体レ
ーザの応用範囲は、プリンタ、複写機などの印刷装置の
みならず、ファクシミリ、ディスプレイ、通信機器の分
野にまで広がり、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に関わる面発光型半導体レ
ーザの断面を示す斜視図である。
【図2】 (a)〜(e)ともに、本発明の実施例1に
関わる面発光型半導体レーザの製造工程を示す断面図で
ある。
【図3】 本発明の実施例1に関わる面発光型半導体レ
ーザの製造装置例の概念図である。
【図4】 従来例に関わる、反応性イオンエッチング法
を用いて面発光型半導体レーザの光共振器を形成した場
合の該共振器部分の形状の一例を示す斜視図である。
【図5】 本発明に関わる面発光型半導体レ−ザのう
ち、位相同期型の場合の一例を示す斜視図である。
【図6】 本発明に関わる面発光型半導体レーザの製造
装置であるRIBE装置を用いた場合の基板温度とGa
As層のエッチングレートとの関係を例示する図であ
る。
【符号の説明】
101,201,401 n型オーミック電
極 102,202,402 n型GaAs基板 103,203,403 n型GaAsバッ
ファ層 104,114,204,404 分布反射型多層膜
ミラー 105,205,405 n型Al0.4Ga
0.6Asクラッド層 106,206,406 p型GaAs活性
層 107,207,407 p型Al0.4Ga
0.6Asクラッド層 108,208,408 p型Al0.1Ga
0.9Asコンタクト層 109,209,409 ZnS0.06Se
0.94埋め込み層 110,210,410 p型オーミック電
極 111,211,411 誘電体多層膜ミラ
ー 112 SiO2 層 113 レジスト 301 基板準備室 302 エッチング室 303 ゲートバルブ 304 磁場発生用円筒ドーナッツ型コイル 305 マイクロ波導波管 306 引出し電極 307 基板 308 基板ホルダ 309 マニピュレータ 310 ガス導入部 311 搬送棒 312,314 排気系 313 ECRプラズマ発生室 320 冷却系 321 副基板ホルダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板に垂直な方向に光を出射する面発光型
    半導体レーザの製造方法において、該面発光型半導体レ
    ーザの共振器部分の被形成基板を冷却する手段を備えた
    反応性イオンビームエッチング装置若しくはこれに類似
    するドライエッチング装置を用いて該面発光型半導体レ
    ーザの共振器部分を形成する工程を少なくとも含むこと
    を特徴とする面発光型半導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】基板に垂直な方向に光を出射する面発光型
    半導体レーザの製造方法において、該面発光型半導体レ
    ーザの共振器部分の被形成基板の温度を40℃〜0℃の
    範囲の一定温度に保つ機構を備えた反応性イオンビーム
    エッチング装置若しくはこれに類似するドライエッチン
    グ装置を用いて該面発光型半導体レーザの共振器部分を
    形成する工程を少なくとも含むことを特徴とする面発光
    型半導体レーザの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005197735A (ja) * 2004-01-06 2005-07-21 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 電気的および物理的特徴付けのためのmosfetデバイスの裏面層剥離

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