JPH0513880A - 半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体レーザの製造方法

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JPH0513880A
JPH0513880A JP24147491A JP24147491A JPH0513880A JP H0513880 A JPH0513880 A JP H0513880A JP 24147491 A JP24147491 A JP 24147491A JP 24147491 A JP24147491 A JP 24147491A JP H0513880 A JPH0513880 A JP H0513880A
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JP
Japan
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layer
type
group
semiconductor laser
etching
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JP24147491A
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English (en)
Inventor
Katsumi Mori
克己 森
Takayuki Kondo
貴幸 近藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高性能の半導体レーザを歩留まりよく製造する
ことができる、半導体レーザの製造方法を提供する。 【構成】埋込み層としての (109)ZnS0.06Se0.94
を有機金属化学気相成長法により形成する際に、II族原
料としてDMZn−DMSe付加体を使用することによ
り、低い温度での形成を可能にし、形成時の熱による各
層の結晶性の悪化を防止する。同時に、かかる方法で埋
込み層を形成することにより、結晶性に優れ、十分な均
一性を有する埋込み層を得ることができる。また、かか
る(109)埋込み層を反応性イオンビームエッチング法を
用いてエッチングすることによって共振器の上面と埋込
み層の上面との段差が生じないようにし、 (110)電極の
断面等の不良の発生を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板の垂直方向にレー
ザ光を発振する面発光型の半導体レーザの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】基板の垂直方向に共振器を持つ面発光型
の半導体レーザ(以下、「面発光レーザ」と記す)とし
ては、例えば、第50回応用物理学会学術講演会の講演
予稿集第3分冊p.909 29a−ZG−7(1989年
9月27日発行)に開示されたものが知られている。
【0003】この面発光レーザは、図9に示すように、
先ず、 (602)n型GaAs基板に (603)n型AlGaA
s/AlAs多層膜、 (604)n型AlGaAsクラッド
層、(605)p型GaAs活性層および (606)p型AlG
aAsクラッド層を順次成長させ、その後、 (605)p型
GaAs活性層および (606)p型AlGaAsクラッド
層を円柱状の領域を残してエッチングし、さらに、 (60
7)p型、 (608)n型、(609)p型、 (610)p型の順にA
lGaAsを液相成長により形成して円柱状領域の周囲
を埋込み、しかる後に、 (610)p型AlGaAsキャッ
プ層の上部に (611)誘電体多層膜ミラーを蒸着し、 (61
2)p型オーミック電極、 (601)n型オーミック電極を形
成することにより構成される。
【0004】このように、埋込み層を (607)p型AlG
aAs層および (608)n型AlGaAs層からなるp−
n接合層で構成したのは、 (605)p型GaAs活性層以
外の部分に電流が流れるのを防止するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる面発光
レーザは、埋込み層の抵抗を大きくすることができない
ので十分な電流狭窄が得られないこと、円柱状領域との
界面位置の整合が必要となること等の課題を有してい
た。
【0006】さらに、従来の技術では、埋め込み層を液
相成長により形成しているので、液圧により柱状導体層
が倒れ、その歩留りが極めて悪化することが考えられ
る。
【0007】かかる課題を解決する面発光レーザとし
て、本願出願人は、かかる埋込み層を一層のII−VI族化
合物半導体層のみによって形成した面発光レーザを、既
に提案している(特願平2−242000号)。
【0008】そして,本発明者は、半導体基板状にII−
VI族化合物半導体層を形成する方法として、液相成長以
外の方法、例えばMBE法(分子線エピタキシャル法)
やMOCVD法(有機金属化学気相成長法)を試みた。
【0009】しかしながら、II族原料とVI族原料とを使
用した一般の手法でMOCVD法を実施すると、特願平
2−242000号に開示された面発光レーザの埋込み
層(II−VI族化合物半導体のみによる埋込み層)を形成
した場合、面発光レーザ素子の特性が悪く、寿命が短
く、さらには製造時の歩留まりが悪くなってしまう、新
たな課題が発生した。
【0010】かかる課題について本願発明者が詳細に検
討したところ、このような課題は、以下の理由によって
発生するものであることを知見した。
【0011】上述のようにして埋込み層を形成した場合
には、この埋込み層を形成する際の温度が非常に高温
(600℃以上)となる。このため、このときの熱によ
って、共振器を形成する各層に転移や欠陥が生じて結晶
性が悪化し、また、これらの各層と埋込み層との界面で
相互拡散が生じてしまう。
【0012】また、上述のようにして埋込み層を形成し
た場合には、この埋込み層自体の結晶性が悪く、十分な
均一性を得ることができない。
【0013】さらに、かかる面発光レーザは、共振器の
上面と埋込み層の上面とが同じ高さとなるように形成す
るが、両者の段差が生じないように形成することが困難
であるため、これらの層の上に形成する電極に断線等の
不良が生じやすい。
【0014】本発明はこのような課題を解決するもの
で、その目的とするところは、高性能且つ長寿命の半導
体レーザを歩留まりよく製造することができる、半導体
レーザの製造方法を提供するところにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザの
製造方法は、半導体基板に垂直な方向に光を出射するよ
うに当該半導体基板に垂直な方向に形成されたの共振器
を有し、該共振器を形成する半導体層の少なくとも一層
が柱状に形成された面発光型の半導体レーザの製造方法
において、前記柱状の半導体層の周囲に、II−VI族化合
物半導体層を、II族有機化合物およびVI族有機化合物か
らなる付加体とVI族水素化物とを原料として、有機金属
化学気相成長法により形成する工程を含むことを特徴と
する。
【0016】かかる発明においては、前記II−VI族化合
物半導体層を、反応性イオンビームエッチング法により
エッチングする工程を含むことが望ましい。
【0017】
【作用】埋込み層としてのII−VI族化合物半導体層を、
II族有機化合物およびVI族有機化合物からなる付加体と
VI族水素化物とを原料として、有機金属化学気相成長法
により形成することにより、従来と比較して非常に低い
温度で埋込み層を形成することが可能となる。したがっ
て、埋込み層を形成する際の熱によって共振器を形成す
る各層の結晶性が悪化することを防止できる。
【0018】同時に、かかる方法で埋込み層を形成する
ことにより、結晶性に優れ、十分な均一性を有する埋込
み層を得ることができる。
【0019】また、かかる埋込み層を、反応性イオンビ
ームエッチング法を用いてエッチングすることにより、
共振器の上面と埋込み層の上面との段差が生じないよう
にすることができるので、これらの層の上に形成する電
極に断面等の不良の発生を抑制することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て説明する。
【0021】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
における半導体レーザ(100)の発光部の断面を示す斜視
図であり、また、図2(a)〜(f)は当該実施例にお
ける半導体レーザの製造工程を示す断面図である。
【0022】以下、本実施例の構成および製造工程につ
いて、図2(a)〜(f)にしたがって説明する。
【0023】まず、 (102)n型GaAs基板上に、
(103)n型GaAsバッファ層を形成し、さらに、n型
Al0.7 Ga0.3 As層とn型Al0.1 Ga0.9 As層
からなり波長870nm付近の光に対し98%以上の反
射率を持つ30ペアの(104)分布反射型多層膜ミラーを
形成する。続いて、 (105)n型Al0.4 Ga0.6 Asク
ラッド層、 (106)p型GaAs活性層、 (107)p型Al
0.4 Ga0.6 Asクラッド層、 (108)p型Al0.1 Ga
0.9 Asコンタクト層を、順次、MOCVD法でエピタ
キシャル成長させる(図2(a))。このとき、本実施
例では、成長温度を700℃とし、成長圧力を150T
orrとし、III 族原料としてはTMGa(トリメチル
ガリウム)およびTMAl(トリメチルアルミニウム)
の有機金属を、V族原料としてはAsH3 を、n型ドー
パントとしてはH2 Seを、p型ドーパントとしてはD
EZn(ジエチルジンク)を、それぞれ用いる。
【0024】その後、熱CVD法によって、表面に
(112)SiO2 層を形成し、さらに、RIBE法によ
り、 (113)ハードベイクレジストで覆われた円柱状の発
光部を残して、 (107)p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッ
ド層の途中まで、エッチングを行う(図2(b))。こ
の際、本実施例では、エッチングガスとしては塩素とア
ルゴンの混合ガスを用い、ガス圧を1×10-3Torr
とし、引出し電圧を400Vとする。ここで、 (107)p
型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層の途中までしかエッ
チングしないのは、活性層の水平方向の注入キャリアと
光を閉じ込めるための構造を、リブ導波路型の屈折率導
波構造とするためである。
【0025】次に、この (107)p型Al0.4 Ga0.6
Asクラッド層上に、埋込み層を形成する。このため
に、本実施例では、 (113)レジストを取り除いた後、M
OCVD法により、 (109)ZnS0.06Se0.94層を埋込
み成長させる。このときの成長条件は、成長温度を27
5℃、成長圧力を70Torrとし、「II族有機化合物
およびVI族有機化合物からなる付加体」としてのDMZ
n−DMSe付加体(ジメチルジンクとジメチルセレン
との付加体)をII族原料として使用し、また、「VI族水
素化物」としてのH2 Se(セレン化水素)およびH2
S(硫化水素)をVI族原料として使用する。これによ
り、 (107)p型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層のエッ
チングされた部分の上部には (109)単結晶のZnS0.06
Se0.94層が成長し、また、 (112)SiO2 層の上部に
は (114)多結晶のZnS0.06Se0.94層が成長する(図
2(c))。
【0026】その後、 (115)レジストを表面全体に厚
く塗布し、この (115)レジストの表面を平坦化する(図
2(d))。そして、RIBE法により、 (112)SiO
2 層が露出するまでエッチングを行う。このとき、 (11
5)レジストのエッチングレートと (114)多結晶のZnS
0.06Se0.94層のエッチングレートとはほぼ同じであ
り、また、 (112)SiO2 層はエッチングストップ層と
なるので、エッチング後の表面を平坦にすることができ
る。
【0027】さらに、SiO2 層を、通常のウエット
エッチングにより除去した後、表面に4ペアの (111)S
iO2 /α−Si誘電体多層膜ミラーを電子ビーム蒸着
により形成し、反応性イオンエッチング法(以下RIE
法と記す)を用いたドライエッチングで、発光部の径よ
りやや小さい領域を残して取り去る(図2(e))。こ
の誘電体多層膜ミラーの、波長870nmでの反射率
は、94%である。
【0028】しかる後、 (111)誘電体多層膜ミラー以
外の表面に(110)p型オーミック電極を蒸着し、さらに
(102)n型GaAs基板側に (101)n型オーミック電極
を蒸着する(図2(f))。そして、最後に、N2 雰囲
気中で、420℃のアロイングを行う。
【0029】以上の工程により、図1に示したような
(100)面発光レーザを得ることができる。
【0030】このようにして作成した本実施例の面発光
レーザは、埋込み層として用いたZnS0.06Se0.94
が非常に高い抵抗(1GΩ以上)を有するので、埋込み
層への注入電流のもれが起こらず、極めて有効な電流狭
窄が達成される。また、埋込み層と共振部との屈折率差
が大きいため、有効な光閉じ込めを行うことができる。
【0031】さらに、埋込み層(ZnS0.06Se
0.94層)の界面に転移や欠陥が生じないようにするため
には成長温度を500℃以下にすることが望ましいが、
本実施例ではこの成長温度が非常に低い(275℃)た
め、このZnS0.06Se0.94層の再成長界面として、転
移や欠陥の少ない安定した界面を得ることができる。
【0032】図3は本実施例の半導体レーザの駆動電流
と発振光出力の関係を示すグラフである。図に示したよ
うに、室温において連続発振が達成され、しきい値1m
Aと極めて低い値を得た。また外部微分量子効率も高
く、無効電流の抑制がレーザの特性向上に貢献してい
る。
【0033】(実施例2)図4は本発明の第2の実施例
における半導体レーザ (200)の発光部の断面を示す斜視
図であり、図5(a)〜(f)は当該実施例における半
導体レーザ (200)の製造工程を示す断面図である。
【0034】本実施例の半導体レーザ (200)は、 (208)
p型Al0.1 Ga0.9 Asコンタクト層から (205)n型
Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層の一部までを柱上に形
成した点で、上述の実施例1と異なる。
【0035】以下、本実施例の構成および製造工程につ
いて、図5(a)〜(f)にしたがって説明する。
【0036】まず、 (202)n型GaAs基板上に、
(203)n型GaAsバッファ層を形成し、さらに、n型
AlAs層とn型Al0.1 Ga0.9 As層からなり波長
870nm付近の光に対し98%以上の反射率を持つ3
0ペアの (204)分布反射型多層膜ミラーを形成する。続
いて、 (205)n型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層、
(206)p型GaAs活性層、 (207)p型Al0.4 Ga
0.6 Asクラッド層、 (208)p型Al0.1 Ga0.9 As
コンタクト層を、順次、MOCVD法でエピタキシャル
成長させる(図5(a))。本実施例では、このときの
成長温度を700℃とし、成長圧力を150Torrと
するとともに、III 族原料にTMGa(トリメチルガリ
ウム)およびTMAl(トリメチルアルミニウム)の有
機金属を、V族原料としてはAsH3 を、n型ドーパン
トとしてはH2 Seを、p型ドーパントとしてはDEZ
n(ジエチルジンク)を、それぞれ用いる。
【0037】その後、熱CVD法によって、表面に
(212)SiO2 を形成し、さらに、RIBE法により、
(213)ハードベイクレジストで覆われた円柱状の発光部
を残して、 (205)n型Al0.4 Ga0.6 Asクラッド層
の途中まで、エッチングを行う(図5(b))。この
際、本実施例では、エッチングガスとしては塩素とアル
ゴンの混合ガスを用い、ガス圧を1×10-3Torrと
し、引出し電圧を400Vとする。
【0038】次に、この上に、埋込み層を形成する。
このために、本実施例では、 (213)レジストを取り除い
た後、MOCVD法により、 (209)ZnS0.06Se0.94
層を埋込み成長させる。このときの成長条件は、成長温
度を275℃、成長圧力を70Torrとし、「II族有
機化合物およびVI族有機化合物からなる付加体」として
のDMZn−DMSe付加体(ジメチルジンクとジメチ
ルセレンとの付加体)をII族原料として使用し、また、
「VI族水素化物」としてのH2 Se(セレン化水素)お
よびH2 S(硫化水素)をVI族原料として使用する。こ
れにより、エッチングされた部分の上部には (209)単結
晶のZnS0.06Se0.94層が成長し、また、 (212)Si
2 層の上部には (214)多結晶のZnS0.06Se0.94
が成長する(図5(c))。
【0039】その後、 (215)レジストを表面全体に厚
く塗布し、表面を平坦化する(図5(d))。そして、
RIBE法により、 (212)SiO2 層が露出するまでエ
ッチングを行う。このとき、 (215)レジストのエッチン
グレートと (214)多結晶のZnS0.06Se0.94層のエッ
チングレートとはほぼ同じであり、また、 (212)SiO
2 層はエッチングストップ層となるため、エッチング後
の表面を平坦にすることができる。
【0040】さらに、SiO2 層を、通常のウエット
エッチングにより除去した後、表面に4ペアの (211)S
iO2 /α−Si誘電体多層膜ミラーを電子ビーム蒸着
により形成し、RIE法を用いたドライエッチングで、
発光部の径よりやや小さい領域を残して取り去る(図5
(e))。誘電体多層膜ミラーの、波長870nmでの
反射率は、94%である。
【0041】しかる後、 (211)誘電体多層膜ミラー以
外の表面に(210)p型オーミック電極を蒸着し、さら
に、 (202)n型GaAs基板側に (201)n型オーミック
電極を蒸着する(図5(f))。そして、最後に、N2
雰囲気中で、420℃のアロイングを行う。
【0042】以上の工程により、図4に示したような
(200)面発光レーザを得ることができる。
【0043】このようにして作成した本実施例の面発光
半導体レーザにおいても、上述した実施例1と同様、埋
込み層として用いたZnS0.06Se0.94層が非常に高い
抵抗(1GΩ以上)を有するので、埋込み層への注入電
流のもれが起こらず、極めて有効な電流狭窄が達成され
る。また、埋込み層と共振部との屈折率差が大きいた
め、有効な光閉じ込めを行うことができる。
【0044】さらに、埋込み層(ZnS0.06Se
0.94層)の成長温度も、実施例1と同様、非常に低い
(本実施例では275℃)ため、このZnS0.06Se
0.94層の再成長界面は、転移や欠陥の少ない安定した界
面を得ることができる。
【0045】(実施例3)図6は本発明の第3の実施例
における半導体レーザ(300)の発光部の断面を示す斜視
図であり、図7(a)〜(g)は当該実施例における半
導体レーザ (300)の製造工程を示す断面図である。
【0046】本実施例の半導体レーザ (300)は、 (307)
p型Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層を、互いに分離溝
で分離された複数の柱状部を形成した点で、上述の実施
例1および実施例2と異なる。
【0047】以下、本実施例の構成および製造工程につ
いて、図7(a)〜(g)にしたがって説明する。
【0048】まず、 (302)n型GaAs基板上に、
(303)n型GaAsバッファ層を形成し、さらに、n型
Al0.9 Ga0.1 As層とn型Al0.2 Ga0.8 As層
からなり波長780nmを中心に±30nmの光に対し
て98%以上の反射率を持つ25ペアの (304)半導体多
層膜ミラーを形成する。続いて、 (305)n型Al0.5
0.5 Asクラッド層、 (306)p型Al0.13Ga0.87
s活性層、 (307)p型Al0.5 Ga0.5 Asクラッド
層、 (308)p型Al0.15Ga0.85Asコンタクト層を、
順次、MOCVD法でエピタキシャル成長させる(図7
(a))。本実施例では、このときの成長条件を、成長
温度を720℃、成長圧力を150Torrとするとと
もに、III 族原料としてはTMGa(トリメチルガリウ
ム)およびTMAl(トリメチルアルミニウム)の有機
金属を、V族原料としてはAsH3 、n型ドーパントに
2 Se、p型ドーパントにDEZn(ジエチルジン
ク)を、それぞれ用いる。
【0049】次に、表面に常圧熱CVD法により (31
2)SiO2 層を形成し、さらにその上にフォトレジスト
を塗布し、高温で焼きしめて (313)ハードベークレジス
トを形成する。さらに、このハードベークレジスト上
に、EB蒸着法により、SiO2 層を形成する。
【0050】次に、RIE法を用いて、基板上に形成
した各層を、以下のようにしてエッチングする。
【0051】初めに、 (313)ハードベークレジスト上に
形成したSiO2 層上に、通常用いられるフォトリソグ
ラフィー工程を施し、必要なレジストパターンを形成
し、このパターンをマスクとして、RIE法によりSi
2 層をエッチングする。このエッチングは、例えば、
CF4ガスを用いて、ガス圧を4.5Pa、入力をRF
パワー150W、サンプルホルダーの温度を20℃にコ
ントロールすることにより、行うことができる。
【0052】次に、このSiO2 層をマスクにして、R
IE法により、 (313)ハードベークレジストをエッチン
グする。このエッチングは、例えば、O2 ガスを用い
て、ガス圧を4.5Pa、入力パワーを150W、サン
プルホルダーの温度を20℃にコントロールすることに
より、行うことができる。このとき、SiO2 層上に初
めに形成したレジストパターンも同時にエッチングされ
る。
【0053】次に、パターン状に残っているSiO2
とエピタキシャル層上に形成した (312)SiO2 層とを
同時にエッチングするために、再びCF4 ガスを用いて
エッチングを行う。
【0054】以上のように、薄いSiO2 層をマスクに
して、ドライエッチングの一方法であるRIE法を (31
3)ハードベークレジストに用いることにより、必要なパ
ターン形状を持ちながら、さらに基板に対して垂直な側
面を持った (313)ハードベークレジストを作成すること
ができる(図7(b))。
【0055】続いて、この垂直な側面を持った (313)
ハードベークレジストをマスクにして、RIBE法を用
いて、柱状の発光部を残して、 (307)p型Al0.5 Ga
0.5 Asクラッド層の途中までエッチングを行う(図
7(c))。この際、本実施例では、エッチングガスに
は塩素とアルゴンとの混合ガスを用い、ガス圧力を5×
10−4Torr、プラズマ引出し電圧を400V、エ
ッチング試料上でのイオン電流密度を400μA/cm
2 として、サンプルホルダーの温度を20℃に保って行
うこととする。
【0056】ここで、 (307)p型Al0.5 Ga0.5 As
クラッド層の途中までしかエッチングしないのは、活性
層の水平方向の注入キャリアと光の閉じ込めを、屈折率
導波型のリブ導波路構造にして、活性層内の光の一部を
活性層水平方向に伝達できるようにするためである。
【0057】また、レジストとして垂直な側面を持った
(313)ハードベークレジストを使用し、さらに、エッチ
ング方法としてエッチング試料に対して垂直にイオンを
ビーム状に照射してエッチングを行うRIBE法を使用
することにより、近接した (320)発光部を、基板に垂直
な (314)分離溝で分離させることができるとともに、面
発光型半導体レーザの特性向上に必要な垂直光共振器を
作成することが可能となっている。
【0058】次に、 (313)レジストを取り除いた後、
MOCVD法により、 (309)ZnS0.06Se0.94層を埋
込み成長させる。このときの成長条件は、成長温度を2
75℃、成長圧力を70Torrとし、「II族有機化合
物およびVI族有機化合物からなる付加体」としてのDM
Zn−DMSe付加体(シメチルジンクとジメチルセレ
ンとの付加体)をII族原料として使用し、また、「VI族
水素化物」としてのH2 Se(セレン化水素)およびH
2 S(硫化水素)をVI族原料として使用する。これによ
り、エッチングされた部分の上部には (309)単結晶のZ
nS0.06Se0. 94層が成長し、 (312)SiO2 層の上部
には (316)多結晶のZnS0.06Se0.94層が成長する
(図7(d))。
【0059】その後、 (315)レジストを表面全体に厚
く塗布し、表面を平坦化する(図7(e))。そして、
RIBE法により、 (312)SiO2 層が露出するまでエ
ッチングをする。このとき、 (315)レジストのエッチン
グレートと (316)多結晶のZnS0.06Se0.94層のエッ
チングレートとはほぼ同じであり、また、 (312)SiO
2 層はエッチングストップ層となるため、エッチング後
の表面を平坦にすることができる。
【0060】さらに、SiO2 層を、通常のウエット
エッチングにより除去した後、表面に4ペアの (311)S
iO2 /α−Si誘電体多層膜ミラーを電子ビーム蒸着
により形成し、RIE法を用いたドライエッチングで、
発光部の径よりやや小さい領域を残して取り去る(図7
(f))。誘電体多層膜ミラーの、波長780nmでの
反射率は、94%である。
【0061】ここで、本実施例の (300)半導体レーザで
は、ZnS0.06Se0.94で埋め込んだ (314)分離溝上に
も (311)誘電体多層膜ミラーを作成することとしたの
で、発光部に挟まれた領域にも垂直共振器構造が形成さ
れ、したがって、 (314)分離溝にもれた光も有効にレー
ザ発振に寄与し、また、漏れた光を利用するので (320)
発光部の位相に同期した発光となる。
【0062】しかる後、 (311)誘電体多層膜ミラー以
外の表面に(310)p型オーミック電極を蒸着し、さら
に、 (302)n型GaAs基板側に (301)n型オーミック
電極を蒸着する(図7(g))。ここで、出射側の (31
0)p型オーミック電極は、各 (320)発光部の各 (308)コ
ンタクト層に導通するように形成される。そして、最後
に、N2 雰囲気中で、420℃でアロイングを行う。
【0063】以上の工程により、図6に示したような
(300)面発光レーザを得ることができる。
【0064】このようにして作製した本実施例の面発光
型半導体レーザにおいても、上述した実施例1および実
施例2と同様、埋込み層として用いたZnS0.06Se
0.94層が非常に高い抵抗(1GΩ以上)を有するので、
埋込み層への注入電流のもれが起こらず、極めて有効な
電流狭窄が達成される。また、埋込み層と共振部との屈
折率差が大きいため、有効な光閉じ込めを行うことがで
きる。
【0065】次に、図8に、本発明の各実施例において
使用した、II−VI族化合物半導体層の製造装置の主要構
成図を示す。
【0066】図において、II族原料は、DMZn−DM
Se付加体の入った (802)シリンダーを (801)水素ボン
ベから流す水素ガスでバブリングすることによって供給
する。一方、VI族原料は、水素で10%に希釈された
(804)H2 Seボンベと、同じく水素で10%に希釈さ
れた (804)H2 Sボンベとにより、供給する。各原料
は、 (805)反応管に供給され、 (808)高周波発振器によ
り加熱された (806)カーボンサセプタ上の基板に、Zn
SSe層を成長させる。なお、 (805)反応管内の圧力は
(807)排気装置の排気量により調整できる。
【0067】この成長装置は、他の成長装置に比べ、Z
nSSe層を、低温で結晶性よく、且つ、広い範囲にわ
たって均一に成長させることができるという特徴を有し
ている。
【0068】なお、以上説明した本発明の各実施例で
は、II−VI族化合物半導体層をZnS0.06Se0.94で形
成したが、例えば、ZnSe,ZnS,ZnCdS,C
dSSeで形成してもよい。ただし、埋込み層として
は、基板と格子定数が一致するものが好ましい。II−VI
族化合物半導体をこれらの材料で形成した場合に望まし
い付加体と水素化物を、表1に示す。
【表1】 また本発明では、活性層をGaAsとしたが、AlGa
Asでも同様の効果が得られる。さらにその他のIII −
V族化合物半導体を柱状部に用いた場合でも、適当なII
−VI族化合物半導体を埋込み層に選ぶことによって、同
様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、埋込み層としてのII−VI族化合物半導体層を、II
族有機化合物およびVI族有機化合物からなる付加体とVI
族水素化物とを原料とした有機金属化学気相成長法によ
り形成することとしたので、従来と比較して非常に低い
温度で埋込み層を形成することが可能となり、さらに、
結晶性に優れ、十分な均一性を有する埋込み層を得るこ
とができる。
【0070】また、かかる埋込み層を、反応性イオンビ
ームエッチング法を用いてエッチングすることにより、
共振器の上面と埋込み層の上面との段差が生じないよう
にすることができるので、これらの層の上に形成する電
極に断線等の不良の発生を抑制することができる。
【0071】したがって、本発明によれば、高性能且つ
長寿命の半導体レーザを歩留まりよく製造することがで
きる、半導体レーザの製造方法を提供することができ
る。
【0072】特に、半導体レーザを二次元的に集積させ
てアレイ化させる場合には、同一基板上に形成された多
数個の半導体レーザのすべてを良品で製造する必要があ
るので、このような信頼性の向上や不良要因の抑制は、
非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わる半導体レーザの発光部の断面
を示す斜視図である。
【図2】(a)〜(f)ともに、実施例1に係わる半導
体レーザの製造工程を示す断面図である。
【図3】実施例1に係わる半導体レーザの駆動電流と発
振光出力の関係を示すグラフである。
【図4】実施例2に係わる半導体レーザの発光部の断面
を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(f)ともに、実施例2に係わる半導
体レーザの製造工程を示す断面図である。
【図6】実施例3に係わる半導体レーザの発光部の断面
を示す斜視図である。
【図7】(a)〜(g)ともに、実施例3に係わる半導
体レーザの製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の各実施例において使用した、II−VI族
化合物半導体層の製造装置の主要構成図である。
【図9】従来の半導体レーザの発光部の一例に係わる断
面を示す斜視図である。
【符号の説明】
101,201,301 n型オーミック電極 102,202,302 n型GaAs基板 103,203,303 n型GaAsバッファ層 104,204,304 分布反射型多層膜ミラー 105,205,305 n型Al0.4 Ga0.6 As
クラッド層 106,206,306 p型GaAs活性層 107,207,307 p型Al0.4 Ga0.6 As
クラッド層 108,208,308 p型Al0.1 Ga0.9 As
コンタクト層 109,209,309 ZnS0.06Se0.94層(埋
込み層) 110,210,310 p型オーミック電極 111,211,311 SiO2 /α−Si誘電体
多層膜ミラー 112,212,312 SiO2

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に垂直な方向に光を出射するよ
    うに当該半導体基板に垂直な方向に形成されたの共振器
    を有し、該共振器を形成する半導体層の少なくとも一層
    が柱状に形成された面発光型の半導体レーザの製造方法
    において、前記柱状の半導体層の周囲に、II−VI族化合
    物半導体層を、II族有機化合物およびVI族有機化合物か
    らなる付加体とVI族水素化物とを原料として、有機金属
    化学気相成長法により形成する工程を含むことを特徴と
    する半導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】前記II−VI族化合物半導体層を、反応性イ
    オンビームエッチング法によりエッチングする工程を含
    むことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS559481A (en) * 1978-07-07 1980-01-23 Nec Corp Method of forming fine pattern

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