JPH06207222A - 連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製造方法 - Google Patents
連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製造方法Info
- Publication number
- JPH06207222A JPH06207222A JP20430693A JP20430693A JPH06207222A JP H06207222 A JPH06207222 A JP H06207222A JP 20430693 A JP20430693 A JP 20430693A JP 20430693 A JP20430693 A JP 20430693A JP H06207222 A JPH06207222 A JP H06207222A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- continuous annealing
- annealing
- rolling
- hot
- soft surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 経済性に優れ、高い生産性と、高温焼鈍が可
能な、コンパクトで設備費の小さい超急速加熱短時間焼
鈍設備で、T−1〜T−3の製造が可能な連続焼鈍によ
る非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製
造方法を提供する事。 【構成】 C,Mn,P,S,solAl,N,B,
N,T.Oを特定した鋼片を通常の熱間圧延条件で加
熱、熱間圧延を行い、巻き取り熱延鋼帯とし、85%以
上の冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍にて少なくとも
500℃以上の温度域を100℃/s以上で650〜8
50℃に加熱し3秒以下の保定を行い、その後室温まで
冷却する再結晶焼鈍を行い、次いで、調質圧延を0.6
〜3.5%で且つ{(8/70)xC(ppm)−0.
5}%以上の範囲で施すことを特徴とする連続焼鈍によ
る非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製
造方法。
能な、コンパクトで設備費の小さい超急速加熱短時間焼
鈍設備で、T−1〜T−3の製造が可能な連続焼鈍によ
る非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製
造方法を提供する事。 【構成】 C,Mn,P,S,solAl,N,B,
N,T.Oを特定した鋼片を通常の熱間圧延条件で加
熱、熱間圧延を行い、巻き取り熱延鋼帯とし、85%以
上の冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍にて少なくとも
500℃以上の温度域を100℃/s以上で650〜8
50℃に加熱し3秒以下の保定を行い、その後室温まで
冷却する再結晶焼鈍を行い、次いで、調質圧延を0.6
〜3.5%で且つ{(8/70)xC(ppm)−0.
5}%以上の範囲で施すことを特徴とする連続焼鈍によ
る非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製
造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、錫メッキやクロム酸処
理などの表面処理が施される表面処理原板の硬さレベル
がテンパー度で1〜3の非ストレッチャーストレイン性
(以下、「非St−St性」という)の表面処理用原板
を連続焼鈍で製造する方法に関するものである。
理などの表面処理が施される表面処理原板の硬さレベル
がテンパー度で1〜3の非ストレッチャーストレイン性
(以下、「非St−St性」という)の表面処理用原板
を連続焼鈍で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】錫メッキやクロム酸処理などの表面処理
が施される非St−St性表面処理原板の硬さレベルが
テンパー度で1〜3の軟質表面処理用原板(以下、「T
−1〜T−3」という)は、これまで、焼鈍時間が2〜
3日も掛かる箱焼鈍法で製造されてきた。この方法は、
バッチ式で且つ焼鈍に2〜3日も要するため、生産性が
極めて悪く、生産性の良好な焼鈍方法の開発が望まれて
きた。
が施される非St−St性表面処理原板の硬さレベルが
テンパー度で1〜3の軟質表面処理用原板(以下、「T
−1〜T−3」という)は、これまで、焼鈍時間が2〜
3日も掛かる箱焼鈍法で製造されてきた。この方法は、
バッチ式で且つ焼鈍に2〜3日も要するため、生産性が
極めて悪く、生産性の良好な焼鈍方法の開発が望まれて
きた。
【0003】従来、生産性が比較的良好な連続焼鈍方式
でT−1〜T−3の軟質表面処理原板を製造する方法が
提案されているが、TiやNbのような炭化物形成元素
を含有しない鋼では、非St−St性を有するT−1〜
T−3の軟質表面処理原板の製造方法はまだない。例え
ば、特開昭58−197224号公報のものは、耐フル
ーティング性は有するが、非St−St性を有せず、ま
た、特開昭59−129733号公報のものは、非St
−St性を有しているが硬質ブリキ原板の製造方法であ
って軟質表面処理原板の製造法ではない。
でT−1〜T−3の軟質表面処理原板を製造する方法が
提案されているが、TiやNbのような炭化物形成元素
を含有しない鋼では、非St−St性を有するT−1〜
T−3の軟質表面処理原板の製造方法はまだない。例え
ば、特開昭58−197224号公報のものは、耐フル
ーティング性は有するが、非St−St性を有せず、ま
た、特開昭59−129733号公報のものは、非St
−St性を有しているが硬質ブリキ原板の製造方法であ
って軟質表面処理原板の製造法ではない。
【0004】この連続焼鈍方式では焼鈍時間が1〜2分
掛かり、焼鈍炉内に滞留するコイルの長さが1000m
前後にもなり、設備長が長く連続焼鈍装置の建設費が高
い。また、このような炉は、設備の設置スペースを短く
するためハースロールを上下に配置し、その間を鋼帯が
上下しながら通過する縦パス型炉が採用されている。そ
のため、より軟質なメッキ原板を製造するのに効果的
な、例えば700℃を越えるような高温焼鈍では鋼板の
強度が大きく低下し、絞り(しわ)が発生するようにな
り、形状の良好な軟質非St−St性表面処理原板の製
造が難しくなる、等の問題がある。
掛かり、焼鈍炉内に滞留するコイルの長さが1000m
前後にもなり、設備長が長く連続焼鈍装置の建設費が高
い。また、このような炉は、設備の設置スペースを短く
するためハースロールを上下に配置し、その間を鋼帯が
上下しながら通過する縦パス型炉が採用されている。そ
のため、より軟質なメッキ原板を製造するのに効果的
な、例えば700℃を越えるような高温焼鈍では鋼板の
強度が大きく低下し、絞り(しわ)が発生するようにな
り、形状の良好な軟質非St−St性表面処理原板の製
造が難しくなる、等の問題がある。
【0005】さらに、本発明のような超短時間連続焼鈍
法についても従来から研究がなされており、特公昭36
−10052号公報、特公昭36−21155号公報、
特公昭40−3020号公報、特公昭46−19781
号公報、がある。しかし、上記特公昭36−21155
号公報は、200〜300℃でコイルとして巻き取らね
ばならず、酸化の問題、巻き取り設備の問題、巻き取っ
たコイルの冷却方法或いは冷却時のコイル内外周の不均
一冷却等の問題がある。また、上記特公昭36−100
52号公報、特公昭40−3020号公報、特公昭46
−19781号公報、特公昭40−3020号公報は、
何れも非St−St性のT−1〜T−3の軟質表面処理
原板の製造は不可能である。
法についても従来から研究がなされており、特公昭36
−10052号公報、特公昭36−21155号公報、
特公昭40−3020号公報、特公昭46−19781
号公報、がある。しかし、上記特公昭36−21155
号公報は、200〜300℃でコイルとして巻き取らね
ばならず、酸化の問題、巻き取り設備の問題、巻き取っ
たコイルの冷却方法或いは冷却時のコイル内外周の不均
一冷却等の問題がある。また、上記特公昭36−100
52号公報、特公昭40−3020号公報、特公昭46
−19781号公報、特公昭40−3020号公報は、
何れも非St−St性のT−1〜T−3の軟質表面処理
原板の製造は不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、経済性に優
れ、高い生産性と高温焼鈍が可能な、コンパクトで設備
費の小さい超急速加熱短時間焼鈍設備により、T−1〜
T−3の製造が可能な連続焼鈍による非St−St性軟
質表面処理原板の製造方法を提供することを目的として
いる。
れ、高い生産性と高温焼鈍が可能な、コンパクトで設備
費の小さい超急速加熱短時間焼鈍設備により、T−1〜
T−3の製造が可能な連続焼鈍による非St−St性軟
質表面処理原板の製造方法を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
通りである。 C:0.0005〜0.0035%,Mn:0.05〜
0.60%,P:0.001〜0.025%,S:0.
001〜0.025%,solAl:0.012〜0.
120%,N:≦0.0120%,B:B/N(原子量
比)で0〜2.5,T.O:≦0.0070%,残部不
可避的不純物及び鉄よりなる鋼片を、通常の熱間圧延条
件で加熱、熱間圧延を行い、巻き取り熱延鋼帯とし、8
5%以上の冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍にて少な
くとも500℃以上の温度域を100℃/s以上で65
0〜850℃に加熱し3秒以下の保定を行い、その後室
温まで冷却する再結晶焼鈍を行い、次いで、調質圧延を
0.6〜3.5%で且つ{(8/70)xC(ppm)
−0.5}%以上の範囲で施すことを特徴とする連続焼
鈍による非St−St性軟質表面処理原板の製造方法。
通りである。 C:0.0005〜0.0035%,Mn:0.05〜
0.60%,P:0.001〜0.025%,S:0.
001〜0.025%,solAl:0.012〜0.
120%,N:≦0.0120%,B:B/N(原子量
比)で0〜2.5,T.O:≦0.0070%,残部不
可避的不純物及び鉄よりなる鋼片を、通常の熱間圧延条
件で加熱、熱間圧延を行い、巻き取り熱延鋼帯とし、8
5%以上の冷間圧延を行い、その後、連続焼鈍にて少な
くとも500℃以上の温度域を100℃/s以上で65
0〜850℃に加熱し3秒以下の保定を行い、その後室
温まで冷却する再結晶焼鈍を行い、次いで、調質圧延を
0.6〜3.5%で且つ{(8/70)xC(ppm)
−0.5}%以上の範囲で施すことを特徴とする連続焼
鈍による非St−St性軟質表面処理原板の製造方法。
【0008】以下、本発明について説明する。本発明者
等は、連続焼鈍法に於いて高温焼鈍が困難であることの
原因は、ハースロールに鋼板が接触することに起因する
ものと考え、高温域で鋼板をハースロールに接触させな
いようにすれば抜本的に問題が解決できるとし、その解
決手段として、超急速加熱を行い且つ高温での滞在時間
を極めて短くする方法について種々検討した。
等は、連続焼鈍法に於いて高温焼鈍が困難であることの
原因は、ハースロールに鋼板が接触することに起因する
ものと考え、高温域で鋼板をハースロールに接触させな
いようにすれば抜本的に問題が解決できるとし、その解
決手段として、超急速加熱を行い且つ高温での滞在時間
を極めて短くする方法について種々検討した。
【0009】上記課題を解決するため、成分含有量、熱
延条件、冷間圧延条件、連続焼鈍条件および調質圧延条
件について総合的に検討し、下記の2点をポイントとす
ることにより、極めてコンパクトな連続焼鈍設備で非S
t−St性のT−1〜T−3の製造が可能となることを
初めて知見した。
延条件、冷間圧延条件、連続焼鈍条件および調質圧延条
件について総合的に検討し、下記の2点をポイントとす
ることにより、極めてコンパクトな連続焼鈍設備で非S
t−St性のT−1〜T−3の製造が可能となることを
初めて知見した。
【0010】 C含有量を0.0005〜0.003
5%に規制し、連続焼鈍の加熱に於いて少なくとも50
0℃以上の温度域を100℃/s以上で650〜850
℃に加熱することにより、再結晶焼鈍後の結晶粒径を大
きくし、T−1〜T−3の軟質な材質の製造が可能とな
ること、 C含有量を0.0005〜0.0035%に規制
し、調質圧延率を0.6〜3.5%で且つ{(8/7
0)xC(ppm)−0.5}%以上の範囲で施すこ
と。
5%に規制し、連続焼鈍の加熱に於いて少なくとも50
0℃以上の温度域を100℃/s以上で650〜850
℃に加熱することにより、再結晶焼鈍後の結晶粒径を大
きくし、T−1〜T−3の軟質な材質の製造が可能とな
ること、 C含有量を0.0005〜0.0035%に規制
し、調質圧延率を0.6〜3.5%で且つ{(8/7
0)xC(ppm)−0.5}%以上の範囲で施すこ
と。
【0011】図1は、本発明の上記ポイント「連続焼
鈍の加熱に於いて少なくとも500℃以上の温度域を1
00℃/s以上で650〜850℃に加熱すること」の
効果を示した図である。本発明の方法で製造したC含有
量が0.0016%、冷間圧延率で90%圧延した板厚
が0.25mmの冷延板を、図2に示すヒートサイクルで
加熱速度(αH )と均熱温度(T)を変え、時間(t)
を0.1sec 、冷却速度(αc )を300℃/sとし、
熱処理を行った鋼板の組織を調査し、再結晶の完了する
温度を求めたものである。
鈍の加熱に於いて少なくとも500℃以上の温度域を1
00℃/s以上で650〜850℃に加熱すること」の
効果を示した図である。本発明の方法で製造したC含有
量が0.0016%、冷間圧延率で90%圧延した板厚
が0.25mmの冷延板を、図2に示すヒートサイクルで
加熱速度(αH )と均熱温度(T)を変え、時間(t)
を0.1sec 、冷却速度(αc )を300℃/sとし、
熱処理を行った鋼板の組織を調査し、再結晶の完了する
温度を求めたものである。
【0012】図1から、加熱速度を100℃/s以上と
する事により再結晶完了温度が顕著に低下することが分
る。このことから、均熱時間が殆どないようなコンパク
トな連続焼鈍設備でT−1〜T−3を製造するには、本
発明の上記ポイントの連続焼鈍の加熱に於いて100
℃/s以上の超急速加熱することが極めて重要であるこ
とが分る。
する事により再結晶完了温度が顕著に低下することが分
る。このことから、均熱時間が殆どないようなコンパク
トな連続焼鈍設備でT−1〜T−3を製造するには、本
発明の上記ポイントの連続焼鈍の加熱に於いて100
℃/s以上の超急速加熱することが極めて重要であるこ
とが分る。
【0013】このように、100℃/s以上で加熱する
ことにより、従来の20℃/sより再結晶温度が低下す
るメカニズムについては必ずしも充分に解明できていな
いが、下記AおよびBの効果によるものではないかと推
察される。
ことにより、従来の20℃/sより再結晶温度が低下す
るメカニズムについては必ずしも充分に解明できていな
いが、下記AおよびBの効果によるものではないかと推
察される。
【0014】A.超急速加熱の場合は、再結晶のスター
ト時に於けるサブグレインの粒界の移動速度及び粒成長
時の粒界の移動速度が極めて速いので、粒界への遍析元
素の粒界への移動が追従しなくなり、粒界の移動を妨げ
る遍析元素が少なくなる。その結果、超急速加熱を行う
ことにより再結晶がより低温で起こるとともに、粒成長
も容易となり、より軟質材が得られるようになった。
尚、冷間圧延率、成分、等はこのサブグレインの生成及
び大きさ等に影響を与えているのではないかと考えられ
る。
ト時に於けるサブグレインの粒界の移動速度及び粒成長
時の粒界の移動速度が極めて速いので、粒界への遍析元
素の粒界への移動が追従しなくなり、粒界の移動を妨げ
る遍析元素が少なくなる。その結果、超急速加熱を行う
ことにより再結晶がより低温で起こるとともに、粒成長
も容易となり、より軟質材が得られるようになった。
尚、冷間圧延率、成分、等はこのサブグレインの生成及
び大きさ等に影響を与えているのではないかと考えられ
る。
【0015】B.超急速加熱の場合は、再結晶と粒成長
との間の時間があまりにも短いので再結晶前、途中、粒
成長の段階に於いてAlN の微細析出が殆ど起こらなくな
る。その結果、超急速加熱を行うことにより再結晶がよ
り低温で起こるとともに粒成長も容易となり、より軟質
材が得られるようになった。
との間の時間があまりにも短いので再結晶前、途中、粒
成長の段階に於いてAlN の微細析出が殆ど起こらなくな
る。その結果、超急速加熱を行うことにより再結晶がよ
り低温で起こるとともに粒成長も容易となり、より軟質
材が得られるようになった。
【0016】尚、上記AおよびBの効果は、連続焼鈍の
加熱に於いて少なくとも500℃以上の温度域を100
℃/s以上で650〜850℃に加熱することにより得
られた。
加熱に於いて少なくとも500℃以上の温度域を100
℃/s以上で650〜850℃に加熱することにより得
られた。
【0017】図3は、本発明の主目的である非St−S
t性のT−1〜T−3の軟質表面処理原板を得る方法に
ついての主要ポイントを示した図である。本発明の方法
で製造した種々のC含有量の熱延板を用い、90%の冷
間圧延率で0.25mmの冷延板を製造し、図2に示すヒ
ートサイクルで加熱速度(αH )を1000℃/s、均
熱温度(T)を730℃、時間(t)を0.1sec 、冷
却速度(αc )を300℃/sとし、熱処理を行った焼
鈍板に、種々の調質圧延率で調質圧延を行い、表面処理
原板を製造し、次いで錫メッキを施してブリキを製造
し、非St−St性を評価した。
t性のT−1〜T−3の軟質表面処理原板を得る方法に
ついての主要ポイントを示した図である。本発明の方法
で製造した種々のC含有量の熱延板を用い、90%の冷
間圧延率で0.25mmの冷延板を製造し、図2に示すヒ
ートサイクルで加熱速度(αH )を1000℃/s、均
熱温度(T)を730℃、時間(t)を0.1sec 、冷
却速度(αc )を300℃/sとし、熱処理を行った焼
鈍板に、種々の調質圧延率で調質圧延を行い、表面処理
原板を製造し、次いで錫メッキを施してブリキを製造
し、非St−St性を評価した。
【0018】非St−St性の評価は、得られた種々の
ブリキ板を塗装焼き付け処理し、エアーゾール缶のドー
ムボトムに加工し、ストレッチャストレインの程度を目
視判定して評価した。また、ブリキ板の硬度を調査し、
T−1〜T−3の軟質なブリキが得られるか否かについ
ても併せて評価し、非St−St性で、且つT−1〜T
−3の軟質表面処理原板が得られたC含有量と調質圧延
率の範囲を「本発明の範囲」として、図3に示す。
ブリキ板を塗装焼き付け処理し、エアーゾール缶のドー
ムボトムに加工し、ストレッチャストレインの程度を目
視判定して評価した。また、ブリキ板の硬度を調査し、
T−1〜T−3の軟質なブリキが得られるか否かについ
ても併せて評価し、非St−St性で、且つT−1〜T
−3の軟質表面処理原板が得られたC含有量と調質圧延
率の範囲を「本発明の範囲」として、図3に示す。
【0019】「本発明の範囲」の調質率の下限は、非S
t−St性が確保出来た下限の調質圧延率を示す。非S
t−St性を確保するのに必要な下限の調質圧延率は、
C含有量によって大きく左右される。非St−St性を
確保するには、図3に示したように、C含有量が10pp
m 以上の領域では、{(8/70)xC(ppm)−
0.5}%以上の調質圧延率を付与することが必要であ
る。また、C含有量が10ppm 以下の領域に於いては、
C含有量からの必要な調質圧延率の下限は、0.6%未
満でも非St−St性が得られると予測されたが、実験
結果は、0.6%未満の調質圧延率では安定して非St
−St性を得ることが出来ず、更に、調質圧延後の形状
や表面粗さなどの不具合が発生するようになったので、
C含有量が10ppm 以下の領域の下限の調質圧延率を
0.6%とする事が重要であることが分った。また、調
質率の上限は、ブリキ原板を調質圧延するときに通常行
われているドライ調質圧延で付与できる上限の調質圧延
率である3.5%とする。
t−St性が確保出来た下限の調質圧延率を示す。非S
t−St性を確保するのに必要な下限の調質圧延率は、
C含有量によって大きく左右される。非St−St性を
確保するには、図3に示したように、C含有量が10pp
m 以上の領域では、{(8/70)xC(ppm)−
0.5}%以上の調質圧延率を付与することが必要であ
る。また、C含有量が10ppm 以下の領域に於いては、
C含有量からの必要な調質圧延率の下限は、0.6%未
満でも非St−St性が得られると予測されたが、実験
結果は、0.6%未満の調質圧延率では安定して非St
−St性を得ることが出来ず、更に、調質圧延後の形状
や表面粗さなどの不具合が発生するようになったので、
C含有量が10ppm 以下の領域の下限の調質圧延率を
0.6%とする事が重要であることが分った。また、調
質率の上限は、ブリキ原板を調質圧延するときに通常行
われているドライ調質圧延で付与できる上限の調質圧延
率である3.5%とする。
【0020】従って、非St−St性を確保するには、
図3に示すように0.6〜3.5%で、且つ{(8/7
0)xC(ppm)−0.5}%以上の調質圧延を施す
ことが重要であり、この範囲に規制することによって、
良好な非St−St性が得られる。以上、図1および図
3に示した上記の、をポイントとする極めてコンパ
クトな超短時間焼鈍の本発明の方法によって、従来法の
ような生産性が極めて悪い箱焼鈍法によらずとも、非S
t−St性の軟質表面処理原板の製造が可能となるので
ある。
図3に示すように0.6〜3.5%で、且つ{(8/7
0)xC(ppm)−0.5}%以上の調質圧延を施す
ことが重要であり、この範囲に規制することによって、
良好な非St−St性が得られる。以上、図1および図
3に示した上記の、をポイントとする極めてコンパ
クトな超短時間焼鈍の本発明の方法によって、従来法の
ような生産性が極めて悪い箱焼鈍法によらずとも、非S
t−St性の軟質表面処理原板の製造が可能となるので
ある。
【0021】以下に、製造条件について詳細に述べる。
まず、各元素の機能及び組成範囲について説明する。C
は、図3に示すように、調質圧延率と共に、非St−S
t性に大きく影響する元素である。超急速加熱焼鈍時の
再結晶焼鈍後の固容C量に大きく影響を与え、C含有量
が増加するにつれて固容Cが増加し、非St−St性が
劣化する。35ppm 超では、たとえドライ調質圧延の限
界の3.5%を施しても非St−St性が確保できなく
なるので、C含有量の上限を0.0035%とした。お
な、C量が0.0005%未満では通常の製鋼の真空脱
ガス法での製造が困難となるので、下限のC含有量を
0.0005%とした。
まず、各元素の機能及び組成範囲について説明する。C
は、図3に示すように、調質圧延率と共に、非St−S
t性に大きく影響する元素である。超急速加熱焼鈍時の
再結晶焼鈍後の固容C量に大きく影響を与え、C含有量
が増加するにつれて固容Cが増加し、非St−St性が
劣化する。35ppm 超では、たとえドライ調質圧延の限
界の3.5%を施しても非St−St性が確保できなく
なるので、C含有量の上限を0.0035%とした。お
な、C量が0.0005%未満では通常の製鋼の真空脱
ガス法での製造が困難となるので、下限のC含有量を
0.0005%とした。
【0022】Mn、P、S、solAlは、材質を硬質
化するばかりではなく、これらの元素が増加すると鋼板
の耐蝕性を劣化させるので、それぞれの元素の上限値を
0.06%,0.025%,0.025%,0.120
%とした。また、Mn,P,Sの各々の下限値は、通常
の製造法で得られる範囲をもって下限値とした。sol
Al含有量は、0.012%未満では、脱酸不足のため
T.O含有量が高くなり、0.0070%以下とする事
ができなくなるので少なくとも0.012%は必要であ
り、下限のsolAl量を0.012%とした。
化するばかりではなく、これらの元素が増加すると鋼板
の耐蝕性を劣化させるので、それぞれの元素の上限値を
0.06%,0.025%,0.025%,0.120
%とした。また、Mn,P,Sの各々の下限値は、通常
の製造法で得られる範囲をもって下限値とした。sol
Al含有量は、0.012%未満では、脱酸不足のため
T.O含有量が高くなり、0.0070%以下とする事
ができなくなるので少なくとも0.012%は必要であ
り、下限のsolAl量を0.012%とした。
【0023】N含有量は、0.0120%超になると、
材質が硬質化し軟質な表面処理原板が得られなくなるの
で、0.0120%を上限値とした。N含有量は、低い
ほど軟質な鋼板が得られるのでT−1,T−2を製造す
る場合には低Nがよい。また、T−3を製造する場合に
はN含有量を多くし、硬さを調節することも可能であ
る。但し、N含有量を多くした場合にはN時効が生じな
いようにsolAl量を多めにし、熱延の加熱温度を低
温にするか、巻き取り温度を中高温にするのが好まし
い。
材質が硬質化し軟質な表面処理原板が得られなくなるの
で、0.0120%を上限値とした。N含有量は、低い
ほど軟質な鋼板が得られるのでT−1,T−2を製造す
る場合には低Nがよい。また、T−3を製造する場合に
はN含有量を多くし、硬さを調節することも可能であ
る。但し、N含有量を多くした場合にはN時効が生じな
いようにsolAl量を多めにし、熱延の加熱温度を低
温にするか、巻き取り温度を中高温にするのが好まし
い。
【0024】T.O含有量は、0.0070%超になる
とスラブの表層付近に気泡が発生し、メッキ原板の表面
傷などが増え良好な製品が得られなくなるとともに、軟
質な材質が得られなくなるので、0.0070%を上限
値とした。下限値は、特に規制する必要がないので規制
しなかった。
とスラブの表層付近に気泡が発生し、メッキ原板の表面
傷などが増え良好な製品が得られなくなるとともに、軟
質な材質が得られなくなるので、0.0070%を上限
値とした。下限値は、特に規制する必要がないので規制
しなかった。
【0025】Bは、B/N(原子量比)で2.5以下含
有せしめることによりNをBNとして粗大析出させ、N
時効を防止できるので適時添加してもよい。B/N(原
子量比)で2.5超では、固容のBが多くなり過ぎ、材
質が硬質化しT−1〜T−3が得られなくなるので、B
/N(原子量比)を2.5以下に規制した。
有せしめることによりNをBNとして粗大析出させ、N
時効を防止できるので適時添加してもよい。B/N(原
子量比)で2.5超では、固容のBが多くなり過ぎ、材
質が硬質化しT−1〜T−3が得られなくなるので、B
/N(原子量比)を2.5以下に規制した。
【0026】熱延条件は、特に規制する必要がなく通常
の熱延条件でよいが、Nが多い場合には、熱延時に低温
でスラブ加熱(以下、「SRT」という)を行ったり、
高温巻き取りをする事によってNの悪影響をより完全に
なくすことが出来るので、低温SRTや高温巻き取りを
行うのが好ましい。
の熱延条件でよいが、Nが多い場合には、熱延時に低温
でスラブ加熱(以下、「SRT」という)を行ったり、
高温巻き取りをする事によってNの悪影響をより完全に
なくすことが出来るので、低温SRTや高温巻き取りを
行うのが好ましい。
【0027】冷間圧延時の冷間圧延率は、低いと再結晶
焼鈍時の再結晶温度が高く、材質が硬くなりT−1〜T
−3が得られ難くなると共にメッキ製品は、板厚が薄い
ので85%未満の冷間圧延率では熱延板の板厚が薄くな
りすぎ熱間圧延が困難となるので、下限値を85%とし
た。上限値は、特に規制する必要がないので規制しなか
った。
焼鈍時の再結晶温度が高く、材質が硬くなりT−1〜T
−3が得られ難くなると共にメッキ製品は、板厚が薄い
ので85%未満の冷間圧延率では熱延板の板厚が薄くな
りすぎ熱間圧延が困難となるので、下限値を85%とし
た。上限値は、特に規制する必要がないので規制しなか
った。
【0028】連続焼鈍時の再結晶焼鈍の加熱速度は、本
発明の最も重要なポイントで、その効果並びにそのメカ
ニズムは先に述べた通りである。加熱速度が100℃/
s未満では超急速加熱効果が得られず、材質が硬化しT
−1〜T−3の硬度が得られなくなるので、100℃/
sを下限値とした。
発明の最も重要なポイントで、その効果並びにそのメカ
ニズムは先に述べた通りである。加熱速度が100℃/
s未満では超急速加熱効果が得られず、材質が硬化しT
−1〜T−3の硬度が得られなくなるので、100℃/
sを下限値とした。
【0029】再結晶焼鈍時の焼鈍温度は、650℃未満
では超急速加熱焼鈍でも充分な再結晶が起こらずT−1
〜T−3の硬度が得られなくなるので、650℃を下限
値とした。焼鈍温度が850℃超になると均熱帯を通過
する時に鋼板が軟化し、延び易くなり通板性が悪くなる
ので、850℃を上限値とした。
では超急速加熱焼鈍でも充分な再結晶が起こらずT−1
〜T−3の硬度が得られなくなるので、650℃を下限
値とした。焼鈍温度が850℃超になると均熱帯を通過
する時に鋼板が軟化し、延び易くなり通板性が悪くなる
ので、850℃を上限値とした。
【0030】再結晶焼鈍時の均熱時間は、超急速加熱焼
鈍では均熱時間がなくとも充分な再結晶と粒成長が生じ
T−1〜T−3の硬度が得られるので、均熱時間の下限
値は規制する必要がない。均熱時間の上限を3sec とし
たのは、本発明の目的である「設備費を大きく軽減し得
る極めてコンパクトな連続焼鈍設備でT−1〜T−3の
製造が可能な連続焼鈍による非St−St性表面処理原
板を製造する方法」の思想から外れるようになるからで
ある。
鈍では均熱時間がなくとも充分な再結晶と粒成長が生じ
T−1〜T−3の硬度が得られるので、均熱時間の下限
値は規制する必要がない。均熱時間の上限を3sec とし
たのは、本発明の目的である「設備費を大きく軽減し得
る極めてコンパクトな連続焼鈍設備でT−1〜T−3の
製造が可能な連続焼鈍による非St−St性表面処理原
板を製造する方法」の思想から外れるようになるからで
ある。
【0031】再結晶焼鈍後の冷却条件は、本発明の方法
の鋼成分範囲内では材質に特に影響を与えないので特に
規制する必要がなく、徐冷となる通常のガスジェット冷
却法や300℃/sのような強力なガスジェット冷却法
等で室温まで冷却すればよい。また、300〜500℃
付近で数秒から数分の過時効処理は材質に殆ど影響を及
ぼさないので過時効処理の効果がないが、過時効処理を
施しても差し支えない。
の鋼成分範囲内では材質に特に影響を与えないので特に
規制する必要がなく、徐冷となる通常のガスジェット冷
却法や300℃/sのような強力なガスジェット冷却法
等で室温まで冷却すればよい。また、300〜500℃
付近で数秒から数分の過時効処理は材質に殆ど影響を及
ぼさないので過時効処理の効果がないが、過時効処理を
施しても差し支えない。
【0031】調質圧延の規制は、C含有量の規制と共に
重要であって、非St−St性を確保するために必要で
ある。図3に示したように、0.6〜3.5%で且つ
{(8/70)xC(ppm)−0.5}%以上の調質
圧延率を付与することによって非St−St性が確保で
きる。尚、C含有量が10ppm 以下の領域に於いても、
調質圧延の効果を安定して得るには少なくとも0.6%
以上の調質圧延を行う必要があるので、C含有量が10
ppm 以下の領域での調質圧延率の下限を0.6%とし
た。また、表面処理原板の調質圧延は、通常ドライ調査
質圧延が行われ、ドライ調質圧延では3.5%が限界で
あるので3.5%を上限とした。
重要であって、非St−St性を確保するために必要で
ある。図3に示したように、0.6〜3.5%で且つ
{(8/70)xC(ppm)−0.5}%以上の調質
圧延率を付与することによって非St−St性が確保で
きる。尚、C含有量が10ppm 以下の領域に於いても、
調質圧延の効果を安定して得るには少なくとも0.6%
以上の調質圧延を行う必要があるので、C含有量が10
ppm 以下の領域での調質圧延率の下限を0.6%とし
た。また、表面処理原板の調質圧延は、通常ドライ調査
質圧延が行われ、ドライ調質圧延では3.5%が限界で
あるので3.5%を上限とした。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1に示す科学成分を有する鋼を表2に示す熱延条件で
2.5mmの熱延鋼帯を製造し、冷間圧延率90%で0.
25mmの冷延鋼板を得た。次いで、図2に示すヒートサ
イクルで、また、表2に示す温度、時間条件で連続焼鈍
並びに調質圧延を施し、表面処理原板を得、次いで錫メ
ッキを施し、ブリキ板を製造した。得られたブリキ板の
硬度(HR30T)を測定し、その結果を、表2に示す。非
St−St性の評価は、得られた種々のブリキ板を塗装
処理し、エアーゾール缶のドームボトムに加工し、スト
レッチャーストレインの程度を目視判定して評価した。
非St−St性が確保できたものは○、確保できなかっ
たものは×として、表2に示す。
表1に示す科学成分を有する鋼を表2に示す熱延条件で
2.5mmの熱延鋼帯を製造し、冷間圧延率90%で0.
25mmの冷延鋼板を得た。次いで、図2に示すヒートサ
イクルで、また、表2に示す温度、時間条件で連続焼鈍
並びに調質圧延を施し、表面処理原板を得、次いで錫メ
ッキを施し、ブリキ板を製造した。得られたブリキ板の
硬度(HR30T)を測定し、その結果を、表2に示す。非
St−St性の評価は、得られた種々のブリキ板を塗装
処理し、エアーゾール缶のドームボトムに加工し、スト
レッチャーストレインの程度を目視判定して評価した。
非St−St性が確保できたものは○、確保できなかっ
たものは×として、表2に示す。
【0033】鋼A,B,C,E,F,Gは、いずれも本
発明の範囲内の成分の鋼である。鋼A,B,Cは、C含
有量を10,15,25ppm と変化させたものであり、
また鋼Eは、Bを0.0021%添加したものである。
鋼Fは、硬度アップのためにMnを0.45%添加した
もの、また鋼Gは、硬度アップのためにNを0.008
7%添加したものである。鋼Dは、C含有量が0.00
55%と高く外れた本発明の範囲外の成分のものであ
る。
発明の範囲内の成分の鋼である。鋼A,B,Cは、C含
有量を10,15,25ppm と変化させたものであり、
また鋼Eは、Bを0.0021%添加したものである。
鋼Fは、硬度アップのためにMnを0.45%添加した
もの、また鋼Gは、硬度アップのためにNを0.008
7%添加したものである。鋼Dは、C含有量が0.00
55%と高く外れた本発明の範囲外の成分のものであ
る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】試料1,2,3,4,6,7,8,9,1
1は、本発明の実施例である。何れもT−1〜T−3の
硬度範囲(HR30 =49±3〜57±3)であり、非S
t−St性も確保できている。本発明の方法によれば、
コンパクトで設備費の小さい超急速加熱短時間焼鈍法に
より、非St−St性で軟質なT−1〜T−3の製造が
可能であることが分る。
1は、本発明の実施例である。何れもT−1〜T−3の
硬度範囲(HR30 =49±3〜57±3)であり、非S
t−St性も確保できている。本発明の方法によれば、
コンパクトで設備費の小さい超急速加熱短時間焼鈍法に
より、非St−St性で軟質なT−1〜T−3の製造が
可能であることが分る。
【0037】試料9,10,11は、それぞれ、B添
加、Mn添加、N添加を本発明の範囲内で行った例であ
る。何れもT−1〜T−3の硬度範囲で、且つ非St−
St性も確保できている。
加、Mn添加、N添加を本発明の範囲内で行った例であ
る。何れもT−1〜T−3の硬度範囲で、且つ非St−
St性も確保できている。
【0038】試料5は、調質圧延率が1.5%と本発明
の条件の下限を外れた比較例であり、非St−St性が
確保できず、ストレッチャストレインが発生した。
の条件の下限を外れた比較例であり、非St−St性が
確保できず、ストレッチャストレインが発生した。
【0039】試料8は、C含有量が0.0055%と本
発明の条件の上限を外れた比較例であり、非St−St
性が確保できず、ストレッチャストレインが発生した。
発明の条件の上限を外れた比較例であり、非St−St
性が確保できず、ストレッチャストレインが発生した。
【0040】試料12は、連続焼鈍時の加熱速度が20
℃/s、均熱時間が20sec と長く、全焼鈍時間が約8
0sec であり現在工業的に行われている連続焼鈍条件の
従来例である。又、調質圧延率も通常行われている1.
2%を施したものである。得られたブリキ板は、軟質な
材質となっているものの、非St−St性が確保できず
ストレッチャストレインが発生している。
℃/s、均熱時間が20sec と長く、全焼鈍時間が約8
0sec であり現在工業的に行われている連続焼鈍条件の
従来例である。又、調質圧延率も通常行われている1.
2%を施したものである。得られたブリキ板は、軟質な
材質となっているものの、非St−St性が確保できず
ストレッチャストレインが発生している。
【0049】これらの結果からみると、焼鈍時間が3〜
5sec と極めて短い本発明は、焼鈍時間が約80sec と
長い従来法と同等の材質が得られ、且つ、非St−St
性をも確保でき、本発明の工業的価値が極めて大きいこ
とが分る。
5sec と極めて短い本発明は、焼鈍時間が約80sec と
長い従来法と同等の材質が得られ、且つ、非St−St
性をも確保でき、本発明の工業的価値が極めて大きいこ
とが分る。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、高温焼鈍が可能で、コ
ンパクトで設備費の小さい超急速加熱短時間の連続焼鈍
設備により、T−1〜T−3の非St−St性表面処理
原板の製造が可能となる。
ンパクトで設備費の小さい超急速加熱短時間の連続焼鈍
設備により、T−1〜T−3の非St−St性表面処理
原板の製造が可能となる。
【図1】本発明の連続焼鈍の加熱速度と硬度との関係を
示した説明図である。
示した説明図である。
【図2】本発明の連続焼鈍のヒートサイクルを示した説
明図である。
明図である。
【図3】本発明における非St−St性が確保できたC
含有量と調質圧延率の領域を示した説明図である。
含有量と調質圧延率の領域を示した説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 田 輝 樹 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.0005〜0.0035%,M
n:0.05〜0.60%,P:0.001〜0.02
5%,S:0.001〜0.025%,solAl:
0.012〜0.120%,N:≦0.0120%,
B:B/N(原子量比)で2.5以下、T.O:≦0.
0070%,残部不可避的不純物及び鉄からなる鋼片
を、通常の熱間圧延条件で加熱、熱間圧延を行い、巻き
取り熱延鋼帯とし、85%以上の冷間圧延を行い、その
後、連続焼鈍にて少なくとも500℃以上の温度域を1
00℃/s以上で650〜850℃に加熱し、3秒以下
の保定を行い、その後室温まで冷却する再結晶焼鈍を行
い、次いで、調質圧延を0.6〜3.5%で且つ{(8
/70)xC(ppm)−0.5}%以上の範囲で施す
ことを特徴とする連続焼鈍による非ストレッチャースト
レイン性軟質表面処理原板の製造方法。 - 【請求項2】鋼片の組成がC:0.0005〜0.00
35%,Mn:0.05〜0.60%,P:0.001
〜0.025%,S:0.001〜0.025%,so
lAl:0.012〜0.120%,N:≦0.012
0%,T.O:≦0.0070%,残部不可避的不純物
及び鉄からなることを特徴とする請求項1に記載の連続
焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理
原板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20430693A JPH06207222A (ja) | 1992-08-27 | 1993-08-18 | 連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-228826 | 1992-08-27 | ||
JP22882692 | 1992-08-27 | ||
JP20430693A JPH06207222A (ja) | 1992-08-27 | 1993-08-18 | 連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06207222A true JPH06207222A (ja) | 1994-07-26 |
Family
ID=26514406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20430693A Pending JPH06207222A (ja) | 1992-08-27 | 1993-08-18 | 連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06207222A (ja) |
-
1993
- 1993-08-18 JP JP20430693A patent/JPH06207222A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6116323B2 (ja) | ||
JPS631374B2 (ja) | ||
JPH06207222A (ja) | 連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性軟質表面処理原板の製造方法 | |
JPH06192745A (ja) | 連続焼鈍による非ストレッチャーストレイン性でbh性に優れた軟質表面処理原板の製造方法 | |
JP3383018B2 (ja) | 連続焼鈍による非時効性軟質表面処理原板の製造方法 | |
JPH05295427A (ja) | 連続焼鈍による軟質表面処理原板の製造方法 | |
JPS6114216B2 (ja) | ||
JPS59133324A (ja) | 成形性のすぐれた高張力冷延鋼板の製造法 | |
JP3185557B2 (ja) | 軟質ぶりきおよび軟質tfs用鋼板の製造方法 | |
JP3383019B2 (ja) | 連続焼鈍による加工後の耐食性に優れた非時効性軟質表面処理原板の製造方法 | |
JP3040568B2 (ja) | 連続焼鈍による表面処理原板の製造方法 | |
JP3034964B2 (ja) | 連続焼鈍による軟質表面処理原板の製造方法 | |
JPH07228921A (ja) | 加工性に優れた表面処理鋼板用原板の製造方法 | |
JP3040569B2 (ja) | 連続焼鈍による表面処理原板の製造方法 | |
JP2773983B2 (ja) | 連続焼鈍による表面処理原板の製造方法 | |
JPS5974237A (ja) | 成形性のすぐれた深絞り用亜鉛めつき鋼板の製造法 | |
JPH06192744A (ja) | 連続焼鈍によるフルーティング性とロールコータ反り性に優れた軟質表面処理原板の製造方法 | |
JPH06271943A (ja) | 成形性および耐リジング性に優れ、しかも異方性の小さいフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JPH10152728A (ja) | 加工性および表面性状に優れる冷延鋼板の製造方法 | |
JPH07109523A (ja) | 耐時効性に優れた軟質ぶりき原板またはtfs原板の 製造法 | |
JPS59575B2 (ja) | 成形性のすぐれた高張力冷延鋼板の製造法 | |
KR910003878B1 (ko) | 연속소둔에 의한 연질표면처리용 원판의 제조방법 | |
JPS6213415B2 (ja) | ||
JPS6111295B2 (ja) | ||
JPH0249373B2 (ja) |