JPH06206884A - 新規化合物チオマリノールbの製造方法 - Google Patents
新規化合物チオマリノールbの製造方法Info
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- JPH06206884A JPH06206884A JP5275108A JP27510893A JPH06206884A JP H06206884 A JPH06206884 A JP H06206884A JP 5275108 A JP5275108 A JP 5275108A JP 27510893 A JP27510893 A JP 27510893A JP H06206884 A JPH06206884 A JP H06206884A
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- JP
- Japan
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- thiomarinol
- methanol
- compound
- culture
- water
- Prior art date
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】抗菌作用を有する新規化合物チオマリノ−ルB
の新規製法に関する。 【構成】チオマリノ−ルを酸化してチオマリノ−ルBを
製造する方法。 ここに、チオマリノールBは、下記の
構造式を有する。 【化1】 【効果】新規化合物チオマリノ−ルBは抗菌作用を示
し、各種細菌に対する抗菌剤として有用である。
の新規製法に関する。 【構成】チオマリノ−ルを酸化してチオマリノ−ルBを
製造する方法。 ここに、チオマリノールBは、下記の
構造式を有する。 【化1】 【効果】新規化合物チオマリノ−ルBは抗菌作用を示
し、各種細菌に対する抗菌剤として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた抗菌作用を有する
新規化合物チオマリノ−ルB(Thiomarinol B) の製造方
法に関する。
新規化合物チオマリノ−ルB(Thiomarinol B) の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】海水より分離したアルテロモナス (Alte
romonas)属に属する微生物が、例えば抗腫瘍活性を有す
るビスカベリン(bisucaberin) を生産することが知られ
ている(特開昭63-27484号)。しかし、ビスカベリンは
環状ペプチド化合物である。
romonas)属に属する微生物が、例えば抗腫瘍活性を有す
るビスカベリン(bisucaberin) を生産することが知られ
ている(特開昭63-27484号)。しかし、ビスカベリンは
環状ペプチド化合物である。
【0003】水酸基で置換されたテトラヒドロピラン骨
格を母核とした誘導体は数多いが、中でもチオマリノ−
ル(後述の式を参照)に類似した構造を有する化合物と
しては、例えばシュ−ドモナス フルオレセンス(Pseu
domonas fluorescens)が生産するシュ−ドモン酸(Pseud
omonic acid)A(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,294頁(197
7 年))、シュ−ドモン酸B(J.Chem.Soc.Perkin Trans.
I,318頁(1977 年))、シュ−ドモン酸C(J.Chem.Soc.Per
kin Trans.I, 2827頁(1982 年))およびシュ−ドモン酸
D(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I, 2655頁(1983 年))が知
られている。しかし、これらには例えばチオマリノ−ル
の特徴であるテトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和
カルボニルに挟まれたメチレンに水酸基が存在しない。
なお現在、シュ−ドモン酸Aの 2 %軟膏(商品名、「B
actroban」 、Beecham 社)が皮膚感染症治療剤として欧
米で実用に供されている。しかし、これらシュ−ドモン
酸の抗菌活性はチオマリノ−ルBより弱い。
格を母核とした誘導体は数多いが、中でもチオマリノ−
ル(後述の式を参照)に類似した構造を有する化合物と
しては、例えばシュ−ドモナス フルオレセンス(Pseu
domonas fluorescens)が生産するシュ−ドモン酸(Pseud
omonic acid)A(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,294頁(197
7 年))、シュ−ドモン酸B(J.Chem.Soc.Perkin Trans.
I,318頁(1977 年))、シュ−ドモン酸C(J.Chem.Soc.Per
kin Trans.I, 2827頁(1982 年))およびシュ−ドモン酸
D(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I, 2655頁(1983 年))が知
られている。しかし、これらには例えばチオマリノ−ル
の特徴であるテトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和
カルボニルに挟まれたメチレンに水酸基が存在しない。
なお現在、シュ−ドモン酸Aの 2 %軟膏(商品名、「B
actroban」 、Beecham 社)が皮膚感染症治療剤として欧
米で実用に供されている。しかし、これらシュ−ドモン
酸の抗菌活性はチオマリノ−ルBより弱い。
【0004】また、シュ−ドモン酸の末端カルボン酸を
アミドに変換した誘導体も知られている(特開昭52−10
2279号、特開昭54−12375 号、特開昭54−90179 号、特
開昭54−103871号、特開昭54−125672号)。しかし、こ
れらの中にはチオマリノ−ルBのような強い抗菌力、多
くのグラム陰性菌まで含む広い抗菌スペクトルを有する
ものはない。むしろ、その活性はシュ−ドモン酸より弱
くなる傾向がある。
アミドに変換した誘導体も知られている(特開昭52−10
2279号、特開昭54−12375 号、特開昭54−90179 号、特
開昭54−103871号、特開昭54−125672号)。しかし、こ
れらの中にはチオマリノ−ルBのような強い抗菌力、多
くのグラム陰性菌まで含む広い抗菌スペクトルを有する
ものはない。むしろ、その活性はシュ−ドモン酸より弱
くなる傾向がある。
【0005】チオマリノ−ルBの構造上の特徴のひとつ
に、テトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和カルボニ
ルに挟まれたメチレンに水酸基が存在する。このような
水酸基を有する化合物としては唯一、海洋細菌由来の化
合物が報告されている(Am.Chem.Soc.の 200年会(1990
年 8月 26-31日)の Abstracts of Papers、Part 2、
ORGN.No.139 )。しかしながら、この化合物の末端のカ
ルボニル基に結合する複素環基は2−ピペリドン−3−
イル基であり、その抗菌活性の詳細は不明である。
に、テトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和カルボニ
ルに挟まれたメチレンに水酸基が存在する。このような
水酸基を有する化合物としては唯一、海洋細菌由来の化
合物が報告されている(Am.Chem.Soc.の 200年会(1990
年 8月 26-31日)の Abstracts of Papers、Part 2、
ORGN.No.139 )。しかしながら、この化合物の末端のカ
ルボニル基に結合する複素環基は2−ピペリドン−3−
イル基であり、その抗菌活性の詳細は不明である。
【0006】一方、ホロシン(holothin, Helv.Chim.Act
a,42巻,563頁(1959 年))骨格を母核とした誘導体として
は、例えば放線菌の一種 Streptomyces 属より単離され
たピロシン属抗生物質としてホロマイシン(holomycin,
Helv.Chim.Acta,42 巻,563頁(1959 年))、ピロシン(pyr
rothine, J.Am.Chem.Soc.,77巻, 2861頁(1955 年))、チ
オルチン(thiolutin, Angew.Chem.,66巻,745頁(1954
年))、アウレオスリシン(aureothricin, J.Am.Chem.So
c.,74巻, 6304頁(1952 年))などを挙げることができ
る。また、細菌由来の抗生物質としてゼノルアブジン
(xenorhabdin)I〜V(特表昭59−501950号;J.Natural
Products, 54巻、 774頁(1991年)) が単離されてい
る。しかし、これらの化合物にはチオマリノ−ルBほど
の強い抗菌活性は報告されていない。
a,42巻,563頁(1959 年))骨格を母核とした誘導体として
は、例えば放線菌の一種 Streptomyces 属より単離され
たピロシン属抗生物質としてホロマイシン(holomycin,
Helv.Chim.Acta,42 巻,563頁(1959 年))、ピロシン(pyr
rothine, J.Am.Chem.Soc.,77巻, 2861頁(1955 年))、チ
オルチン(thiolutin, Angew.Chem.,66巻,745頁(1954
年))、アウレオスリシン(aureothricin, J.Am.Chem.So
c.,74巻, 6304頁(1952 年))などを挙げることができ
る。また、細菌由来の抗生物質としてゼノルアブジン
(xenorhabdin)I〜V(特表昭59−501950号;J.Natural
Products, 54巻、 774頁(1991年)) が単離されてい
る。しかし、これらの化合物にはチオマリノ−ルBほど
の強い抗菌活性は報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】チオマリノールおよび
チオマリノールBは共にほぼ同等の非常に強力な抗菌力
を有する新規な化合物である。そして、チオマリノール
Bはチオマリノールに比べて毒性が弱いという利点を有
する。しかし、現在、両者は醗酵法で得られているのみ
であり、特にチオマリノールBはその生産力価が低く、
十分な量を供給することは困難である。そこで、チオマ
リノールBを十分に供給する方法の開発が望まれてい
る。
チオマリノールBは共にほぼ同等の非常に強力な抗菌力
を有する新規な化合物である。そして、チオマリノール
Bはチオマリノールに比べて毒性が弱いという利点を有
する。しかし、現在、両者は醗酵法で得られているのみ
であり、特にチオマリノールBはその生産力価が低く、
十分な量を供給することは困難である。そこで、チオマ
リノールBを十分に供給する方法の開発が望まれてい
る。
【0008】本発明者らは、チオマリノールBの製造方
法について鋭意研究を行い、容易に得られるチオマリノ
ールを酸化することにより、チオマリノールBを製造す
る方法を見出して本発明を完成した。
法について鋭意研究を行い、容易に得られるチオマリノ
ールを酸化することにより、チオマリノールBを製造す
る方法を見出して本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は新規化合物チオ
マリノールを酸化することによる新規化合物チオマリノ
ールBの製造方法である。
マリノールを酸化することによる新規化合物チオマリノ
ールBの製造方法である。
【0010】ここに、本発明の目的化合物チオマリノー
ルBは、下記の理化学的性状を有する。
ルBは、下記の理化学的性状を有する。
【0011】(1)物質の性状:黄色粉末 (2)分子式:C30 H44 N2 O11 S2 (3)分子量:672 (FAB-MS 法により測定) (4)高分解能質量分析:C30 H45 N2 O11 S2[(M+H)+;
FAB-MS法により測定] 実測値 673.2468 計算値 673.2465 (5)元素分析値:(%) C30 H44 N2 O11 S2+H2O と
して 実測値 C 52.34、 H 6.79、 N 3.92、 S 9.02 計算値 C 52.16、 H 6.71、 N 4.06、 S 9.28 (6)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 3660、3503、3318、3075、2966、2928、2870、1704、16
53、1509、1467、1381、1349、1299、1217、1199、115
2、1112、1063、1047、1019、975 、949 、884 、839
、764 、730 、660 、609 、553 。
FAB-MS法により測定] 実測値 673.2468 計算値 673.2465 (5)元素分析値:(%) C30 H44 N2 O11 S2+H2O と
して 実測値 C 52.34、 H 6.79、 N 3.92、 S 9.02 計算値 C 52.16、 H 6.71、 N 4.06、 S 9.28 (6)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 3660、3503、3318、3075、2966、2928、2870、1704、16
53、1509、1467、1381、1349、1299、1217、1199、115
2、1112、1063、1047、1019、975 、949 、884 、839
、764 、730 、660 、609 、553 。
【0012】(7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 1−プロパノール中で測定した紫外線吸収スペクトル
は、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、215(21,000) 1−プロパノール+塩酸中で測定した紫外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、223(17,000) 1−プロパノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外
線吸収スペクトルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、221(19,000) 。
(ε) 1−プロパノール中で測定した紫外線吸収スペクトル
は、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、215(21,000) 1−プロパノール+塩酸中で測定した紫外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、223(17,000) 1−プロパノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外
線吸収スペクトルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、221(19,000) 。
【0013】(8)比旋光度: [α]D 25 + 7.7°( C
=1.0 、1−プロパノール) (9)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 (カラムサイズ、φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製) 溶媒; 40 %アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 保持時間; 8.4分 。
=1.0 、1−プロパノール) (9)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 (カラムサイズ、φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製) 溶媒; 40 %アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 保持時間; 8.4分 。
【0014】(10) 1H−核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360MHz)
は、次に示す通りである。 11.28(1H,s(br)) 、10.47(1H,s) 、7.23(1H,s)、 5.97
(1H,s) 、5.37(2H,m)、 4.88(1 H,d,J=7.5Hz)、 4.61(1
H,s(br)) 、4.43(1H,d,J=7.2Hz)、 4.28(1H,d,J=3.6Hz)
、4.18(1H,d,J=7.2Hz)、4.02(2H,t,J=6.6Hz)、3.74(1
H,s(br))、3.64(1H),3.61(1H) 、3.54(1H)、 3.51(1H)
、3.35(1H,d,J=10.9Hz) 、2.43(2H,t,J=7.3Hz)、 2.12
(1H) 、2.09(1H)、 2.03(1H) 、2.02(3H,s)、 1.61(1H)
、1.58(2H)、 1.50(2H) 、1.32(2H)、1.30(2H)、 1.25
(2H) 、 0.96(3H,d,J=6.3Hz) 、0.92(3H,d,J=6.9Hz)。
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360MHz)
は、次に示す通りである。 11.28(1H,s(br)) 、10.47(1H,s) 、7.23(1H,s)、 5.97
(1H,s) 、5.37(2H,m)、 4.88(1 H,d,J=7.5Hz)、 4.61(1
H,s(br)) 、4.43(1H,d,J=7.2Hz)、 4.28(1H,d,J=3.6Hz)
、4.18(1H,d,J=7.2Hz)、4.02(2H,t,J=6.6Hz)、3.74(1
H,s(br))、3.64(1H),3.61(1H) 、3.54(1H)、 3.51(1H)
、3.35(1H,d,J=10.9Hz) 、2.43(2H,t,J=7.3Hz)、 2.12
(1H) 、2.09(1H)、 2.03(1H) 、2.02(3H,s)、 1.61(1H)
、1.58(2H)、 1.50(2H) 、1.32(2H)、1.30(2H)、 1.25
(2H) 、 0.96(3H,d,J=6.3Hz) 、0.92(3H,d,J=6.9Hz)。
【0015】(11)13C−核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである。 173.5(s)、 166.1(s) 、 165.7(s) 、 160.8(s) 、 14
3.2(s) 、134.2(d)、 127.8(d) 、 123.3(s) 、 115.2
(s) 、 114.4(d) 、109.4(d)、 76.2(d) 、 72.4(d)
、 69.6(d) 、 69.3(d) 、64.3(t)、 63.9(d) 、
63.0(t) 、 43.2(d) 、 42.2(d) 、34.7(t)、 31.9
(t) 、 28.3(t) 、 28.2(t) 、 28.1(t) 、25.3
(t)、 24.5(t) 、 20.0(q) 、 15.7(q) 、 15.6(q)
。
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである。 173.5(s)、 166.1(s) 、 165.7(s) 、 160.8(s) 、 14
3.2(s) 、134.2(d)、 127.8(d) 、 123.3(s) 、 115.2
(s) 、 114.4(d) 、109.4(d)、 76.2(d) 、 72.4(d)
、 69.6(d) 、 69.3(d) 、64.3(t)、 63.9(d) 、
63.0(t) 、 43.2(d) 、 42.2(d) 、34.7(t)、 31.9
(t) 、 28.3(t) 、 28.2(t) 、 28.1(t) 、25.3
(t)、 24.5(t) 、 20.0(q) 、 15.7(q) 、 15.6(q)
。
【0016】(12)溶解性:メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶。n
−ヘキサン、水に不溶。
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶。n
−ヘキサン、水に不溶。
【0017】(13)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.52 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art. 5715) 展開溶剤;メチレンクロリド:メタノール=85:15 。
【0018】本発明の新規化合物チオマリノールBは、
下記の推定構造式(I)
下記の推定構造式(I)
【0019】
【化1】
【0020】または(II)
【0021】
【化2】
【0022】を有する。
【0023】一方、本発明の原料化合物であるチオマリ
ノ−ルは下記の構造式および性状を有する。
ノ−ルは下記の構造式および性状を有する。
【0024】
【化3】
【0025】1)物質の性状:黄色粉末 2)融点:84−89 ℃ 3)分子式:C30 H44 N2 O9 S2 4)分子量: 640 (FAB-MS法により測定) 5)高分解能質量分析:C30 H45 N2 O9 S2[(M+H)+ FAB
-MS 法により測定] 実測値 641.2585 計算値 641.2567 6)元素分析:(%) 実測値 C 55.92、 H 6.82 、 N 4.23 、 S
9.90 計算値 C 56.23、 H 6.92 、 N 4.37 、 S 1
0.01 。
-MS 法により測定] 実測値 641.2585 計算値 641.2567 6)元素分析:(%) 実測値 C 55.92、 H 6.82 、 N 4.23 、 S
9.90 計算値 C 56.23、 H 6.92 、 N 4.37 、 S 1
0.01 。
【0026】7)赤外線吸収スペクトル:νmaxcm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 3394、2930、1649、1598、1526、1288、1216、1154、11
02、1052。
トルは、次に示す通りである。 3394、2930、1649、1598、1526、1288、1216、1154、11
02、1052。
【0027】8)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) メタノールまたはメタノール+塩酸中で測定した紫外線
吸収スペクトルは、次に示す通りである。 387(12、000) 、300(3、500)、214(26、000) メタノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外線吸収
スペクトルは、次に示す通りである。 386(9、600)、306(3、200)、206(25、000)
。
(ε) メタノールまたはメタノール+塩酸中で測定した紫外線
吸収スペクトルは、次に示す通りである。 387(12、000) 、300(3、500)、214(26、000) メタノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外線吸収
スペクトルは、次に示す通りである。 386(9、600)、306(3、200)、206(25、000)
。
【0028】9)比旋光度:[α]D 25 +4.3 °(C=
1.0 、メタノ−ル) 10)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 ( カラムサイズ、 φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製 ) 溶媒; 40 % アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 波長; 220-350 nm (フォトダイオ−ドアレイ検出) 保持時間; 5.9 分 。
1.0 、メタノ−ル) 10)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 ( カラムサイズ、 φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製 ) 溶媒; 40 % アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 波長; 220-350 nm (フォトダイオ−ドアレイ検出) 保持時間; 5.9 分 。
【0029】11) 1Hー核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm ) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(270 MH
z) は、次に示す通りである。 0.91(3H,d,J=6.8Hz)、 0.95(3H,d,J=5.9Hz)、1.30(6H,m
(br.)) 、1.55(5H,m(br.)) 、2.03(3H,s)、2.09(3H,
m)、2.34(2H,t,J=7.3Hz)、3.33(1H,d,J=10.7Hz) 、3.52
(2H,m)、3.64(2H,m)、 3.73(1H,dd) 、4.02(2H,t,J=
6.6Hz)、4.18(1H,d(br.),J=7.3Hz) 、4.30(1H,d,J=4.4H
z)、4.44(1H,d,J=7.8Hz)、4.63(1H,d,J=3.4Hz)、4.89(1
H,d,J=7.3Hz)、5.37(2H,m)、5.97(1H,s(br.)) 、7.04(1
H,s)、9.80(1H,s (br.))、10.68(1H,s (br.)) 。
(δ:ppm ) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(270 MH
z) は、次に示す通りである。 0.91(3H,d,J=6.8Hz)、 0.95(3H,d,J=5.9Hz)、1.30(6H,m
(br.)) 、1.55(5H,m(br.)) 、2.03(3H,s)、2.09(3H,
m)、2.34(2H,t,J=7.3Hz)、3.33(1H,d,J=10.7Hz) 、3.52
(2H,m)、3.64(2H,m)、 3.73(1H,dd) 、4.02(2H,t,J=
6.6Hz)、4.18(1H,d(br.),J=7.3Hz) 、4.30(1H,d,J=4.4H
z)、4.44(1H,d,J=7.8Hz)、4.63(1H,d,J=3.4Hz)、4.89(1
H,d,J=7.3Hz)、5.37(2H,m)、5.97(1H,s(br.)) 、7.04(1
H,s)、9.80(1H,s (br.))、10.68(1H,s (br.)) 。
【0030】12)13Cー核磁気共鳴スペクトル:(
δ:ppm) 重メタノ−ル中、内部基準にテトラメチルシランを使用
して測定した核磁気共鳴スペクトル(68 MHz)は、次に示
す通りである。 174.3(s)、170.4(s)、168.6(s)、161.1(s)、137.9(s)、
135.7(d)、135.1(s)、129.8(d)、116.3(d)、115.8(s)、
113.7(d)、 77.6(d)、74.4(d)、 72.1(d)、 71.8(d)、
66.0(t)、 65.7(d)、 64.9(t)、45.3(d)、 43.9(d)、 3
6.6(t)、 33.4(t)、 30.1(t)、 30.0(t)、29.7(t)、 2
7.0(t)、 26.7(t)、 20.3(q)、 16.6(q)、 16.3(q)。
δ:ppm) 重メタノ−ル中、内部基準にテトラメチルシランを使用
して測定した核磁気共鳴スペクトル(68 MHz)は、次に示
す通りである。 174.3(s)、170.4(s)、168.6(s)、161.1(s)、137.9(s)、
135.7(d)、135.1(s)、129.8(d)、116.3(d)、115.8(s)、
113.7(d)、 77.6(d)、74.4(d)、 72.1(d)、 71.8(d)、
66.0(t)、 65.7(d)、 64.9(t)、45.3(d)、 43.9(d)、 3
6.6(t)、 33.4(t)、 30.1(t)、 30.0(t)、29.7(t)、 2
7.0(t)、 26.7(t)、 20.3(q)、 16.6(q)、 16.3(q)。
【0031】13)溶解性:メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、
酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶、n−ヘ
キサン、水に不溶。
プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、
酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶、n−ヘ
キサン、水に不溶。
【0032】14)呈色反応:硫酸、ヨード、過マンガ
ン酸カリウムに陽性。 15)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.57 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art.5715) 展開溶剤;ジクロロメタン:メタノール = 85 :15
。
ン酸カリウムに陽性。 15)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.57 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art.5715) 展開溶剤;ジクロロメタン:メタノール = 85 :15
。
【0033】本発明の推定構造式(I) または(II)を
有する目的化合物チオマリノールBおよび原料化合物チ
オマリノ−ルは、いくつかの不斉炭素原子およびいくつ
かの二重結合を有する。特にα,β−不飽和カルボニル
部分は異性化される可能性がある。それ故、種々の立体
および幾何異性体が存在する。本発明においては、これ
らの異性体がすべて単一の式で示されている。従って、
本発明においては、ラセミ化合物を含むこれらの異性体
およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものであ
る。立体特異的合成法が使用される場合、または立体異
性体が原料化合物として使用される場合、個々の異性体
は直接的に製造してもよいし、一方、異性体の混合物が
製造されれば個々の異性体は常法により得てもよい。
有する目的化合物チオマリノールBおよび原料化合物チ
オマリノ−ルは、いくつかの不斉炭素原子およびいくつ
かの二重結合を有する。特にα,β−不飽和カルボニル
部分は異性化される可能性がある。それ故、種々の立体
および幾何異性体が存在する。本発明においては、これ
らの異性体がすべて単一の式で示されている。従って、
本発明においては、ラセミ化合物を含むこれらの異性体
およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものであ
る。立体特異的合成法が使用される場合、または立体異
性体が原料化合物として使用される場合、個々の異性体
は直接的に製造してもよいし、一方、異性体の混合物が
製造されれば個々の異性体は常法により得てもよい。
【0034】本発明のチオマリノールを酸化してチオマ
リノールBを得る酸化反応は、チオマリノールに溶剤の
存在下で塩基の存在下または不存在下、酸化剤を作用さ
せることによって達成される。
リノールBを得る酸化反応は、チオマリノールに溶剤の
存在下で塩基の存在下または不存在下、酸化剤を作用さ
せることによって達成される。
【0035】使用される酸化剤としては通常の酸化反応
に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば過マ
ンガン酸カリウム;二クロム酸カリウム(重クロム酸カ
リウム)、二クロム酸ナトリウム(重クロム酸ナトリウ
ム)、酸化クロム(VI)、塩化クロミル、クロム酸t−ブ
チルのようなクロム酸類;四酸化ルテニウム;塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲン類;オゾン;酸素;過酸化
水素;ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、クミル
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドの
ような有機過酸化物類;ジオキシラン、ジメチルジオキ
シラン、ビストリフルオロメチルジオキシラン、トリフ
ルオロメチルクロロジフルオロメチルジオキシラン、ジ
フルオロジオキシラン、エチルメチルジオキシラン、メ
チルプロピルジオキシラン、ブチルメチルジオキシラ
ン、ジエチルジオキシラン、メチルフルオロジオキシラ
ン、フルオロジオキシラン、メチルジオキシラン、メチ
ルトリフルオロメチルジオキシランのようなジオキシラ
ン類;過酢酸、過ギ酸、m−クロロ過安息香酸のような
有機過酸類;ペルオキソ一硫酸、ペルオキソニ硫酸カリ
ウム、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)のようなペ
ルオキソ硫酸類;等をあげることができる。好適には過
酸化水素、有機過酸類、有機過酸化物類、ジオキシラン
類、ペルオキソ硫酸類、であり、特に好適には、過酸化
水素、ジメチルジオキシラン、ペルオキソ硫酸類、であ
る。
に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば過マ
ンガン酸カリウム;二クロム酸カリウム(重クロム酸カ
リウム)、二クロム酸ナトリウム(重クロム酸ナトリウ
ム)、酸化クロム(VI)、塩化クロミル、クロム酸t−ブ
チルのようなクロム酸類;四酸化ルテニウム;塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲン類;オゾン;酸素;過酸化
水素;ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、クミル
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドの
ような有機過酸化物類;ジオキシラン、ジメチルジオキ
シラン、ビストリフルオロメチルジオキシラン、トリフ
ルオロメチルクロロジフルオロメチルジオキシラン、ジ
フルオロジオキシラン、エチルメチルジオキシラン、メ
チルプロピルジオキシラン、ブチルメチルジオキシラ
ン、ジエチルジオキシラン、メチルフルオロジオキシラ
ン、フルオロジオキシラン、メチルジオキシラン、メチ
ルトリフルオロメチルジオキシランのようなジオキシラ
ン類;過酢酸、過ギ酸、m−クロロ過安息香酸のような
有機過酸類;ペルオキソ一硫酸、ペルオキソニ硫酸カリ
ウム、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)のようなペ
ルオキソ硫酸類;等をあげることができる。好適には過
酸化水素、有機過酸類、有機過酸化物類、ジオキシラン
類、ペルオキソ硫酸類、であり、特に好適には、過酸化
水素、ジメチルジオキシラン、ペルオキソ硫酸類、であ
る。
【0036】使用される塩基としては、反応に影響を与
えないものであれば特に限定はなく、好適には、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカ
リ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩
類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム
のようなアルカリ金属水酸化物類;弗化ナトリウム、弗
化カリウム、弗化セシウムのようなアルカリ金属弗化物
類;等の無機塩類、またはナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウム
メトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;ナト
リウムメチルスルフィド(sodium methyl sulfide) 、ナ
トリウムエチルスルフィド(sodiumethyl sulfide)のよ
うなアルカリ金属アルキルスルフィド類(alkali metala
lkyl sulfides) ;トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリ
ン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,
N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ-5- エン(DBN )、1,4-ジア
ザビシクロ[2.2.2 ]オクタン(DABCO )、1,8-ジアザ
ビシクロ[5.4.0 ]ウンデセ-7- エン(DBU )のような
窒素化合物類;等の有機塩類、をあげることができ、好
適には、アルカリ金属炭酸塩類およびアルカリ金属炭酸
水素塩類である。
えないものであれば特に限定はなく、好適には、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカ
リ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩
類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム
のようなアルカリ金属水酸化物類;弗化ナトリウム、弗
化カリウム、弗化セシウムのようなアルカリ金属弗化物
類;等の無機塩類、またはナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウム
メトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;ナト
リウムメチルスルフィド(sodium methyl sulfide) 、ナ
トリウムエチルスルフィド(sodiumethyl sulfide)のよ
うなアルカリ金属アルキルスルフィド類(alkali metala
lkyl sulfides) ;トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリ
ン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,
N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ-5- エン(DBN )、1,4-ジア
ザビシクロ[2.2.2 ]オクタン(DABCO )、1,8-ジアザ
ビシクロ[5.4.0 ]ウンデセ-7- エン(DBU )のような
窒素化合物類;等の有機塩類、をあげることができ、好
適には、アルカリ金属炭酸塩類およびアルカリ金属炭酸
水素塩類である。
【0037】使用される溶剤としては反応に影響を与え
ないものであれば特に限定はなく、例えば水;メタノー
ル、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;酢
酸、ギ酸のような有機酸類;酢酸エチルのようなエステ
ル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのような
エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドのようなアミド類;およびこれらの混合溶剤をあげ
ることができる。好適にはアルコール類、水とケトン類
の混合溶剤であり、特に、水−アセトンである。
ないものであれば特に限定はなく、例えば水;メタノー
ル、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;酢
酸、ギ酸のような有機酸類;酢酸エチルのようなエステ
ル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのような
エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドのようなアミド類;およびこれらの混合溶剤をあげ
ることができる。好適にはアルコール類、水とケトン類
の混合溶剤であり、特に、水−アセトンである。
【0038】また、必要により反応の促進剤として、酸
化白金、酸化バナジウムなどの無機触媒を使用すること
ができる。
化白金、酸化バナジウムなどの無機触媒を使用すること
ができる。
【0039】反応温度としては、通常 −78 ℃乃至 1
00 ℃であり、好適には −10 ℃乃至室温である。
00 ℃であり、好適には −10 ℃乃至室温である。
【0040】反応時間としては、使用される酸化剤、塩
基、反応温度等により変化するが、通常 15 分乃至 30
時間であり、好適には 15 分乃至 2 時間である。
基、反応温度等により変化するが、通常 15 分乃至 30
時間であり、好適には 15 分乃至 2 時間である。
【0041】反応終了後、目的化合物は、常法、例えば
反応液を水に注ぎ、水と混和しない溶剤、例えば、ベン
ゼンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエーテルのよ
うなエーテル類、酢酸エチルのような有機酸エステル
類、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類など
で抽出し、抽出液より溶剤を留去することによって得ら
れる。このようにして得られた目的化合物は所望によ
り、常法に従って各種クロマトグラフィー等に付すこと
により、更に精製することもできる。
反応液を水に注ぎ、水と混和しない溶剤、例えば、ベン
ゼンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエーテルのよ
うなエーテル類、酢酸エチルのような有機酸エステル
類、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類など
で抽出し、抽出液より溶剤を留去することによって得ら
れる。このようにして得られた目的化合物は所望によ
り、常法に従って各種クロマトグラフィー等に付すこと
により、更に精製することもできる。
【0042】本発明の原料化合物チオマリノ−ルおよび
目的化合物チオマリノ−ルBは、微生物培養によっても
得られる(特願平 4-112934 号、特願平 4-248970 号参
照)。すなわち、海水より分離したアルテロモナス(Alt
eromonas) 属に属する SANK73390株の培養液から、チオ
マリノールおよびチオマリノールBが生産される。本発
明の、チオマリノールおよびチオマリノールBを生産す
る上記SANK 73390株は静岡県南伊豆町小稲の海岸で採取
した海水から常法により分離した海洋細菌である。
目的化合物チオマリノ−ルBは、微生物培養によっても
得られる(特願平 4-112934 号、特願平 4-248970 号参
照)。すなわち、海水より分離したアルテロモナス(Alt
eromonas) 属に属する SANK73390株の培養液から、チオ
マリノールおよびチオマリノールBが生産される。本発
明の、チオマリノールおよびチオマリノールBを生産す
る上記SANK 73390株は静岡県南伊豆町小稲の海岸で採取
した海水から常法により分離した海洋細菌である。
【0043】チオマリノ−ルおよびチオマリノールBの
生産菌である SANK 73390 株の菌学的性状は次の通りで
ある。
生産菌である SANK 73390 株の菌学的性状は次の通りで
ある。
【0044】1.形態学的性状 マリンアガ−(Difco 社製)上で 23 ℃、 24 時間培養
後の観察では、細胞は直径 0.8−1.0 μm 、長さ 2.0−
3.6 μm の桿状であり、単極毛を有し、運動する。胞
子を形成せず、グラム染色は陰性である。
後の観察では、細胞は直径 0.8−1.0 μm 、長さ 2.0−
3.6 μm の桿状であり、単極毛を有し、運動する。胞
子を形成せず、グラム染色は陰性である。
【0045】2.マリンアガ−培地上での生育状態 23℃で 24 時間培養したコロニ−はいくぶん灰色を帯び
た黄色、不透明で円形、扁平状、全縁である。水溶性の
色素を生成しない。
た黄色、不透明で円形、扁平状、全縁である。水溶性の
色素を生成しない。
【0046】3.生理学的性状 (1)海水の要求性:生育に海水を要求する。 (2)O−F(オキシダティブ−ファ−メンタティブ)
テスト[ヒュ−・レイフソン( Hugh ・Leifson )法
(J.Bact.,66巻、24-26 頁、(1953年))、人工海水で調
製]:糖を分解しない。 (3)オキシダ−ゼ:+ (4)カタラ−ゼ:+ (5)酸素に対する態度:好気的。 (6)硝酸塩の還元:− (7)デンプンの加水分解:+ (8)寒天の分解:− (9)ゼラチンの液化:+ (10)DNaseの産生:+ (11)リパ−ゼの産生:+ (12)生育温度:4 ℃では微弱に生育し、17−26℃で
は良好な生育を示す。35℃では生育しない。 (13)栄養要求性:ジャ−ナル・オブ・バクテリオロ
ジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 268-294頁
(1971年) 記載の基本培地を用いた場合、ビタミンフリ
−のカザミノ酸を要求する。 (14)炭素化合物の利用性:ジャ−ナル・オブ・バク
テリオロジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 2
68-294頁 (1971年) 記載の基本培地にビタミンフリ−の
カザミノ酸を 0.1 % 濃度添加し、振とう培養を行っ
た場合。 L−アラビノ−ス:− D−リボ−ス:− D−キシロ−ス:− D−グルコ−ス:+ D−ガラクト−ス:− D−フラクト−ス:− 麦芽糖:+ ショ糖:− トレハロ−ス:+ セロビオ−ス:− メリビオ−ス:− マンニト−ル:− ソルビト−ル:− グリセリン:− 酢酸ソ−ダ:+ プロピオン酸ソ−ダ:
+ 。
テスト[ヒュ−・レイフソン( Hugh ・Leifson )法
(J.Bact.,66巻、24-26 頁、(1953年))、人工海水で調
製]:糖を分解しない。 (3)オキシダ−ゼ:+ (4)カタラ−ゼ:+ (5)酸素に対する態度:好気的。 (6)硝酸塩の還元:− (7)デンプンの加水分解:+ (8)寒天の分解:− (9)ゼラチンの液化:+ (10)DNaseの産生:+ (11)リパ−ゼの産生:+ (12)生育温度:4 ℃では微弱に生育し、17−26℃で
は良好な生育を示す。35℃では生育しない。 (13)栄養要求性:ジャ−ナル・オブ・バクテリオロ
ジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 268-294頁
(1971年) 記載の基本培地を用いた場合、ビタミンフリ
−のカザミノ酸を要求する。 (14)炭素化合物の利用性:ジャ−ナル・オブ・バク
テリオロジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 2
68-294頁 (1971年) 記載の基本培地にビタミンフリ−の
カザミノ酸を 0.1 % 濃度添加し、振とう培養を行っ
た場合。 L−アラビノ−ス:− D−リボ−ス:− D−キシロ−ス:− D−グルコ−ス:+ D−ガラクト−ス:− D−フラクト−ス:− 麦芽糖:+ ショ糖:− トレハロ−ス:+ セロビオ−ス:− メリビオ−ス:− マンニト−ル:− ソルビト−ル:− グリセリン:− 酢酸ソ−ダ:+ プロピオン酸ソ−ダ:
+ 。
【0047】4.化学分類学的性状 (1)DNAのG+C(グアニン+シトシン含量):4
3.4 %(HPLC法) (2)キノン系:ユビキノンQ−8。
3.4 %(HPLC法) (2)キノン系:ユビキノンQ−8。
【0048】以上の菌学的性状を有する SANK 73390 株
はバ−ジ−ズ・マニュアル・オブ・システマティック・
バクテリオロジ−(Bergey's Manual of Systematic Ba
cteriology)、 1 巻(1984年)および最新のインタ−ナ
ショナル・ジャ−ナル・オブ・システマティック・バク
テリオロジ−(International Journal of Systematic
Bacteriology)に記載の種と照合すると、海洋細菌のア
ルテロモナス・サイトレア(Alteromonas citrea)に類
似した菌と推定された。但し、本菌はアルテロモナス・
サイトレア(Alteromonas citrea)の基準株 ATCC 297
19 株との比較培養を行ったところ、本菌のコロニ−の
色調がいくぶん灰色を帯びた黄色であるのに対し、ATCC
29719 株は緑色を帯びた黄色であり、SANK 73390 株
は 4 ℃で生育し、トレハロ−スとプロピオン酸ソ−ダ
を炭素源として利用する点でアルテロモナス・サイトレ
ア(Alteromonas citrea)と異なっている。それ故、本
発明者らは本菌をアルテロモナス属に属する新種である
と確認し、アルテロモナス属・ラバ種(Alteromonas ra
va)と命名し、新菌株をアルテロモナス・ラバ・ SANK
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株と命名し
た。
はバ−ジ−ズ・マニュアル・オブ・システマティック・
バクテリオロジ−(Bergey's Manual of Systematic Ba
cteriology)、 1 巻(1984年)および最新のインタ−ナ
ショナル・ジャ−ナル・オブ・システマティック・バク
テリオロジ−(International Journal of Systematic
Bacteriology)に記載の種と照合すると、海洋細菌のア
ルテロモナス・サイトレア(Alteromonas citrea)に類
似した菌と推定された。但し、本菌はアルテロモナス・
サイトレア(Alteromonas citrea)の基準株 ATCC 297
19 株との比較培養を行ったところ、本菌のコロニ−の
色調がいくぶん灰色を帯びた黄色であるのに対し、ATCC
29719 株は緑色を帯びた黄色であり、SANK 73390 株
は 4 ℃で生育し、トレハロ−スとプロピオン酸ソ−ダ
を炭素源として利用する点でアルテロモナス・サイトレ
ア(Alteromonas citrea)と異なっている。それ故、本
発明者らは本菌をアルテロモナス属に属する新種である
と確認し、アルテロモナス属・ラバ種(Alteromonas ra
va)と命名し、新菌株をアルテロモナス・ラバ・ SANK
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株と命名し
た。
【0049】本菌株は、アルテロモナス・ラバ・ SANK
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株としてブダ
ペスト条約に従って通商産業省工業技術院微生物工業技
術研究所(1993年 1月 1日より「通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所」と改称)に国際寄託されてい
る(寄託番号、微工研条寄第 3381 号 (FERM BP-3381)
:原寄託日、1991年 4月30 日)。
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株としてブダ
ペスト条約に従って通商産業省工業技術院微生物工業技
術研究所(1993年 1月 1日より「通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所」と改称)に国際寄託されてい
る(寄託番号、微工研条寄第 3381 号 (FERM BP-3381)
:原寄託日、1991年 4月30 日)。
【0050】以上、SANK 73390 株について説明した
が、周知の如くアルテロモナス属の菌類の諸性質は一定
したものではなく、自然的、または人工的な操作(例え
ば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)によ
り、変異を起こし易く、本発明のSANK 73390 株もこの
点は同じである。本発明にいう SANK 73390 株はその
すべての変異株を包含する。また、これらの変異株の中
には、遺伝学的方法、例えば、組み替え、形質導入、形
質転換等により得られたものも包含される。即ち、アル
テロモナス属に属するチオマリノ−ルを生産する、SANK
73390 株、その変異株およびそれらと明確に区別され
ない菌株は、すべて SANK 73390 株に包含されるもので
ある。
が、周知の如くアルテロモナス属の菌類の諸性質は一定
したものではなく、自然的、または人工的な操作(例え
ば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)によ
り、変異を起こし易く、本発明のSANK 73390 株もこの
点は同じである。本発明にいう SANK 73390 株はその
すべての変異株を包含する。また、これらの変異株の中
には、遺伝学的方法、例えば、組み替え、形質導入、形
質転換等により得られたものも包含される。即ち、アル
テロモナス属に属するチオマリノ−ルを生産する、SANK
73390 株、その変異株およびそれらと明確に区別され
ない菌株は、すべて SANK 73390 株に包含されるもので
ある。
【0051】原料化合物チオマリノ−ルおよび目的化合
物チオマリノ−ルBを得るため、これらの微生物の培養
は他の発酵生成物を生産するために用いられるような培
地中で行なわれる。このような培地中には、微生物が資
化出来る炭素源、窒素源および無機塩を含有する。
物チオマリノ−ルBを得るため、これらの微生物の培養
は他の発酵生成物を生産するために用いられるような培
地中で行なわれる。このような培地中には、微生物が資
化出来る炭素源、窒素源および無機塩を含有する。
【0052】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1ー10 重量%で変量する。
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1ー10 重量%で変量する。
【0053】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の 0.1-6 重量%の範囲で用いる。
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の 0.1-6 重量%の範囲で用いる。
【0054】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
【0055】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0056】アルテロモナス・ラバ(Alteromonas rav
a) SANK 73390 株を培養しチオマリノ−ルおよびチオ
マリノ−ルBを生産する培地の pH は、5.0ー8.0 に変化
させることが出来る。
a) SANK 73390 株を培養しチオマリノ−ルおよびチオ
マリノ−ルBを生産する培地の pH は、5.0ー8.0 に変化
させることが出来る。
【0057】菌の生育温度は 4 ℃ から 32 ℃ まで
であるが 17 ℃ から 26 ℃ の範囲が生育良好であ
り、 更にチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBの生産
には、20 ℃ から 26 ℃ が好適である。
であるが 17 ℃ から 26 ℃ の範囲が生育良好であ
り、 更にチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBの生産
には、20 ℃ から 26 ℃ が好適である。
【0058】チオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルB
は、好気的に培養して得られるが通常用いられる好気的
培養法、例えば固体培養法,振とう培養法、通気撹拌培
養法等が用いられる。
は、好気的に培養して得られるが通常用いられる好気的
培養法、例えば固体培養法,振とう培養法、通気撹拌培
養法等が用いられる。
【0059】小規模な培養においては、20 ℃ から 2
6 ℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養は
三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で 23
℃、1 乃至 3 日間振とうするか、または充分に成長す
るまで振とうする。成長した種は第二の種培地、または
生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用い
る場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培地
に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフラ
スコを一定温度で 1 乃至3 日間、または生産量が最大
に達するまで振とうし、インキュベーションが終わった
らフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
6 ℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養は
三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で 23
℃、1 乃至 3 日間振とうするか、または充分に成長す
るまで振とうする。成長した種は第二の種培地、または
生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用い
る場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培地
に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフラ
スコを一定温度で 1 乃至3 日間、または生産量が最大
に達するまで振とうし、インキュベーションが終わった
らフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
【0060】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 2
0 ℃乃至 26 ℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量
の化合物を得るのに適している。
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 2
0 ℃乃至 26 ℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量
の化合物を得るのに適している。
【0061】培養の経過に伴って生産されるチオマリノ
−ルおよびチオマリノールBの量の経時変化は、高速液
体クロマトグラフィーを用いて測定することが出来る。
通常は、チオマリノールの生産量は 19 時間から 96 時
間の培養で最高値に達し、チオマリノールBの生産量は
19 時間から 200 時間の培養で最高値に達する。
−ルおよびチオマリノールBの量の経時変化は、高速液
体クロマトグラフィーを用いて測定することが出来る。
通常は、チオマリノールの生産量は 19 時間から 96 時
間の培養で最高値に達し、チオマリノールBの生産量は
19 時間から 200 時間の培養で最高値に達する。
【0062】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルB
は、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤とす
る、ろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ液
または上清中および菌体中に存在するチオマリノ−ルお
よびチオマリノ−ルBを、その物理化学的性状を利用し
抽出精製することにより得られる。例えば、ろ液また
は、上清中に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、中性または酸性 pH 条件下で水と混和しない
有機溶剤、例えば酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチ
レン、塩化メチレンなどの単独または、それらの組み合
わせにより抽出精製することができる。あるいは吸着剤
として、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバー
ライト XAD−2、XAD −4 ( ローム・アンド・ハース社
製) 等や、ダイアイオン HP −10、HP−20、 CHP−20、
HP−50( 三菱化成( 株) 製) 等が使用される。チオマリ
ノ−ルおよびチオマリノ−ルBを含む液を上記のごとき
吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除く
か、またはチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBを吸
着させた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノー
ル水などを用いて溶出させることにより得られる。ま
た、菌体内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、50-90 % 含水アセトンまたは含水メタノー
ルにより抽出し有機溶剤を除去した後、ろ液と同様な抽
出精製操作を行なうことにより得られる。
内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルB
は、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤とす
る、ろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ液
または上清中および菌体中に存在するチオマリノ−ルお
よびチオマリノ−ルBを、その物理化学的性状を利用し
抽出精製することにより得られる。例えば、ろ液また
は、上清中に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、中性または酸性 pH 条件下で水と混和しない
有機溶剤、例えば酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチ
レン、塩化メチレンなどの単独または、それらの組み合
わせにより抽出精製することができる。あるいは吸着剤
として、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバー
ライト XAD−2、XAD −4 ( ローム・アンド・ハース社
製) 等や、ダイアイオン HP −10、HP−20、 CHP−20、
HP−50( 三菱化成( 株) 製) 等が使用される。チオマリ
ノ−ルおよびチオマリノ−ルBを含む液を上記のごとき
吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除く
か、またはチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBを吸
着させた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノー
ル水などを用いて溶出させることにより得られる。ま
た、菌体内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、50-90 % 含水アセトンまたは含水メタノー
ルにより抽出し有機溶剤を除去した後、ろ液と同様な抽
出精製操作を行なうことにより得られる。
【0063】このようにして得られた原料化合物チオマ
リノ−ルおよび目的化合物チオマリノ−ルBは、更にシ
リカゲル、マグネシウムーシリカゲル系のフロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セ
ファデックス LH −20( ファルマシア社製) などを用い
た分配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆相カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製する
ことが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または適
宜組み合わせ反復用いることによりチオマリノ−ルまた
はチオマリノ−ルBを分離精製することができる。
リノ−ルおよび目的化合物チオマリノ−ルBは、更にシ
リカゲル、マグネシウムーシリカゲル系のフロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セ
ファデックス LH −20( ファルマシア社製) などを用い
た分配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆相カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製する
ことが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または適
宜組み合わせ反復用いることによりチオマリノ−ルまた
はチオマリノ−ルBを分離精製することができる。
【0064】
【作用】本発明の目的化合物チオマリノ−ルBは、文献
未載の新規化合物であり、動物( 例、ヒト、イヌ、ネ
コ、ウサギ等) において、グラム陽性細菌、グラム陰性
細菌およびマイコプラズマ菌に対し抗菌作用を示すこと
から、各種細菌感染症を対象とする抗菌剤として有用で
ある。
未載の新規化合物であり、動物( 例、ヒト、イヌ、ネ
コ、ウサギ等) において、グラム陽性細菌、グラム陰性
細菌およびマイコプラズマ菌に対し抗菌作用を示すこと
から、各種細菌感染症を対象とする抗菌剤として有用で
ある。
【0065】本発明のチオマリノ−ルBを医薬として用
いる場合、常法に従って種々の形態で投与される。その
投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤などの形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤な
どの形態で非経口的に安全に投与することが出来る。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助
剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤などの医薬の製剤
技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて
製剤化することができる。投与量は対象疾患、投与経路
および投与回数などにより異なるが、例えば成人に対し
ては 1 日 20 mg から 2000 mg を、症状に応じて 1
回または数回に分けて投与するのが好ましい。
いる場合、常法に従って種々の形態で投与される。その
投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤などの形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤な
どの形態で非経口的に安全に投与することが出来る。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助
剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤などの医薬の製剤
技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて
製剤化することができる。投与量は対象疾患、投与経路
および投与回数などにより異なるが、例えば成人に対し
ては 1 日 20 mg から 2000 mg を、症状に応じて 1
回または数回に分けて投与するのが好ましい。
【0066】
【実施例】次に実施例、参考例および試験例をあげて本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。 実施例1.チオマリノール 100.9 mg をアセトン 5 ml
および水 5 ml の混合溶剤に溶解し、氷冷下で冷却し
た。この溶液に、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)
112.2 mg を加え、氷冷下で 40 分間攪拌した。この混
合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 1.2 ml を加
え、氷冷下で 30 分間攪拌した。反応混合物に水 5 ml
を加え、次いでジクロロメタン−テトラヒドロフラン
(10:1)にて抽出した。抽出液を乾燥後、溶剤を留去し
た。得られた残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー
(Senshu Pak ODS-5251-N 、40%CH3CN(H2O))にて単離
精製することにより淡黄色のチオマリノールB 79.5mg
(75%)が得られた。
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。 実施例1.チオマリノール 100.9 mg をアセトン 5 ml
および水 5 ml の混合溶剤に溶解し、氷冷下で冷却し
た。この溶液に、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)
112.2 mg を加え、氷冷下で 40 分間攪拌した。この混
合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 1.2 ml を加
え、氷冷下で 30 分間攪拌した。反応混合物に水 5 ml
を加え、次いでジクロロメタン−テトラヒドロフラン
(10:1)にて抽出した。抽出液を乾燥後、溶剤を留去し
た。得られた残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー
(Senshu Pak ODS-5251-N 、40%CH3CN(H2O))にて単離
精製することにより淡黄色のチオマリノールB 79.5mg
(75%)が得られた。
【0067】実施例2.チオマリノール 100 mg をアセ
トン 15 mlおよび水 7.5 ml の混合溶剤に溶解し、35
%過酸化水素水 0.074 ml を加え、希炭酸水素ナトリウ
ムを 2 滴加えた。反応混合物を 5 分間攪拌した後、
アセトンを留去し、次いでアセトニトリルを加え、逆相
高速液体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-H-2151,
40 %CH3CN(H2O))にて、チオマリノールBの生成を確
認した。反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣を
40 %アセトニトリルに溶解し、逆相高速液体クロマト
グラフィー(Senshu Pak ODS-4251-N 、40%CH3CN(H
2O))にて単離精製することにより淡黄色のチオマリノ
ールB 43.2mg(41%)が得られた。
トン 15 mlおよび水 7.5 ml の混合溶剤に溶解し、35
%過酸化水素水 0.074 ml を加え、希炭酸水素ナトリウ
ムを 2 滴加えた。反応混合物を 5 分間攪拌した後、
アセトンを留去し、次いでアセトニトリルを加え、逆相
高速液体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-H-2151,
40 %CH3CN(H2O))にて、チオマリノールBの生成を確
認した。反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣を
40 %アセトニトリルに溶解し、逆相高速液体クロマト
グラフィー(Senshu Pak ODS-4251-N 、40%CH3CN(H
2O))にて単離精製することにより淡黄色のチオマリノ
ールB 43.2mg(41%)が得られた。
【0068】実施例3.チオマリノール 100 mg をアセ
トン 40 ml に溶解し、氷冷下で 134 mg の m- クロロ
過安息香酸を加え、室温で、1.5 時間攪拌した。反応混
合物をジクロロメタンで抽出後、3 回水洗し、有機層を
さらに、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液
を乾燥後、溶剤を留去した。得られた残渣を逆相高速液
体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-4251N、 40 %
CH3CN(H2O))にて単離精製することにより、淡黄色のチ
オマリノールB 8.5 mg(8 %)が得られた。
トン 40 ml に溶解し、氷冷下で 134 mg の m- クロロ
過安息香酸を加え、室温で、1.5 時間攪拌した。反応混
合物をジクロロメタンで抽出後、3 回水洗し、有機層を
さらに、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液
を乾燥後、溶剤を留去した。得られた残渣を逆相高速液
体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-4251N、 40 %
CH3CN(H2O))にて単離精製することにより、淡黄色のチ
オマリノールB 8.5 mg(8 %)が得られた。
【0069】参考例1.チオマリノ−ルのジャ−培養 A)培養 アルテロモナス・ラバ SANK 73390 株を、マリンアガ−
スラント(MarineAgar Slant、Difco 社製)上で 22 ℃
で 3 日間培養を行い、それを人工海水3 ml に懸濁さ
せ、その 0.1 ml を無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 mlを含む 500 ml の三角フラスコに接種し、 23
℃ で、 200 rpm (7 cmの回転半径) のロータリー振と
う培養機で 24 時間培養した。その 15 ml を無菌的に
滅菌した同様の組成の培地 15 リットルを含む 30 リッ
トルのジャ−ファ−メンタ−4 機に埴菌し、 23 ℃で、
通気(7.5 リットル/分)、攪拌(100 rpm )下に23
時間培養した。
スラント(MarineAgar Slant、Difco 社製)上で 22 ℃
で 3 日間培養を行い、それを人工海水3 ml に懸濁さ
せ、その 0.1 ml を無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 mlを含む 500 ml の三角フラスコに接種し、 23
℃ で、 200 rpm (7 cmの回転半径) のロータリー振と
う培養機で 24 時間培養した。その 15 ml を無菌的に
滅菌した同様の組成の培地 15 リットルを含む 30 リッ
トルのジャ−ファ−メンタ−4 機に埴菌し、 23 ℃で、
通気(7.5 リットル/分)、攪拌(100 rpm )下に23
時間培養した。
【0070】 培地組成 マリンブロス(Difco 社製) 37.4 g ────────────────────────── 脱イオン水 1000 ml pH 無調整 。
【0071】B)単離 得られた培養液 60 リットルは、塩酸で pH 3 に調整
し、アセトン 60 リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)1.2 Kgを加えてろ過を行った。そのろ液 1
10 リットルは酢酸エチル 60 リットルで1 回、さ
らに 30 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸エチ
ル層を 30 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、30 リ
ットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して 14 g の油状物
が得られた。
し、アセトン 60 リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)1.2 Kgを加えてろ過を行った。そのろ液 1
10 リットルは酢酸エチル 60 リットルで1 回、さ
らに 30 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸エチ
ル層を 30 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、30 リ
ットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して 14 g の油状物
が得られた。
【0072】得られた油状物をシリカゲル 200 g をメ
チレンクロリドで充填したカラムに、同溶剤に溶解して
吸着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:
1 )、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノ−ル( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 18
ml づつ分画し、酢酸エチル−メタノ−ルで溶出したチ
オマリノ−ルを含むフラクションを集め、減圧下で濃縮
乾固して油状物 7 gが得られた。得られた油状物をダイ
アイオンHP−20 を水で充填したカラム 600ml に、50
%メタノ−ル 400 ml に溶解して吸着させ、次いで
50 %メタノ−ルで洗浄し、90 %メタノ−ルで溶出
した。これを減圧下で濃縮乾固して黄色粗粉末 1 g が
得られた。黄色粗粉末はさらにセファデックス LH −20
を用いてクロマトを行い、メチレンクロリド−酢酸エ
チル−メタノ−ル( 19 : 19:2 )で展開し、活性の
フラクションを集めて、黄色粉末のチオマリノ−ルが75
0 mg 得られた。
チレンクロリドで充填したカラムに、同溶剤に溶解して
吸着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:
1 )、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノ−ル( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 18
ml づつ分画し、酢酸エチル−メタノ−ルで溶出したチ
オマリノ−ルを含むフラクションを集め、減圧下で濃縮
乾固して油状物 7 gが得られた。得られた油状物をダイ
アイオンHP−20 を水で充填したカラム 600ml に、50
%メタノ−ル 400 ml に溶解して吸着させ、次いで
50 %メタノ−ルで洗浄し、90 %メタノ−ルで溶出
した。これを減圧下で濃縮乾固して黄色粗粉末 1 g が
得られた。黄色粗粉末はさらにセファデックス LH −20
を用いてクロマトを行い、メチレンクロリド−酢酸エ
チル−メタノ−ル( 19 : 19:2 )で展開し、活性の
フラクションを集めて、黄色粉末のチオマリノ−ルが75
0 mg 得られた。
【0073】参考例2.チオマリノールBのタンク培養 A)培養 アルテロモナス・ラバSANK 73390株を、マリンアガー
(Marine Agar 、Difco社製)斜面培地上で 22 ℃、3
日間培養を行なった後、斜面培養物を滅菌した人工海水
3 ml に懸濁した。無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 ml を含む500 ml 容の三角フラスコ 2 本に先の
懸濁液を各々 0.1 ml 接種し、23 ℃、210 rpm の条件
下、24 時間回転振とう培養を行なった。別に滅菌した
同様の組成の培地 200 リットルを含む 600 リットル
容の通気攪拌培養槽に上記培養物全量を接種し、次いで
溶存酸素濃度を 5.0 ppmに保持するように回転数を 82.
5〜170 rpmに調整し、23 ℃、通気量 0.5 vvmの条件
下 26 時間培養した。 培地組成 マリンブロス(Difco 社製) 37.4 g ────────────────────────── 脱イオン水 1000 ml pH 無調整 。
(Marine Agar 、Difco社製)斜面培地上で 22 ℃、3
日間培養を行なった後、斜面培養物を滅菌した人工海水
3 ml に懸濁した。無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 ml を含む500 ml 容の三角フラスコ 2 本に先の
懸濁液を各々 0.1 ml 接種し、23 ℃、210 rpm の条件
下、24 時間回転振とう培養を行なった。別に滅菌した
同様の組成の培地 200 リットルを含む 600 リットル
容の通気攪拌培養槽に上記培養物全量を接種し、次いで
溶存酸素濃度を 5.0 ppmに保持するように回転数を 82.
5〜170 rpmに調整し、23 ℃、通気量 0.5 vvmの条件
下 26 時間培養した。 培地組成 マリンブロス(Difco 社製) 37.4 g ────────────────────────── 脱イオン水 1000 ml pH 無調整 。
【0074】B)単離 得られた培養液 230 リットルは、塩酸で pH 2.5 に調
整し、アセトン 200リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト 545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)4.0 kg を加えてろ過を行なった。そのろ
液 430 リットルは酢酸エチル 200リットルで 1 回、
さらに 100 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸
エチル層を 200 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、
100 リットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して約 80g
の油状物が得られた。
整し、アセトン 200リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト 545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)4.0 kg を加えてろ過を行なった。そのろ
液 430 リットルは酢酸エチル 200リットルで 1 回、
さらに 100 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸
エチル層を 200 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、
100 リットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して約 80g
の油状物が得られた。
【0075】得られた油状物をメチレンクロリドに溶解
し、シリカゲル 1.1 kg を同溶剤で充填したカラムに吸
着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:1
)、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 500
ml ずつ分画し、酢酸エチル−メタノールで溶出したチ
オマリノールBを含むフラクションを集め、減圧下で濃
縮乾固して油状物 60 gが得られた。
し、シリカゲル 1.1 kg を同溶剤で充填したカラムに吸
着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:1
)、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 500
ml ずつ分画し、酢酸エチル−メタノールで溶出したチ
オマリノールBを含むフラクションを集め、減圧下で濃
縮乾固して油状物 60 gが得られた。
【0076】得られた油状物を 50 %メタノール 6 リ
ットルに溶解して、ダイアイオンHP-20 を水で充填した
カラム 2.3 リットルに吸着させ、次いで 30 %メタノ
ールから 90 %メタノールまで、順次メタノール濃度を
上げるステップワイズ・グラジエント溶出を行なった。
即ち、順に 30 %メタノール、50 %メタノール、60
%メタノール、70 %メタノール、80 %メタノールを
それぞれ 4 リットルずつ流し、次いで 90 %メタノー
ルによる溶出を行なった。HPLCによるモニターでさらな
る溶出がなくなるまで行ない、約 10 リットルを要し
た。90 %メタノール溶出画分を集めて、これを減圧下
で濃縮乾固して黄色粉末 3.8 g が得られた。この黄色
粉末はさらにセファデックス LH-20 を用いてクロマト
を行なった。320 g のセファデックス LH-20 をメチレ
ンクロリド−酢酸エチル−メタノール(19:19:2) で充填
したカラムを用い、同溶媒で展開して精製した。
ットルに溶解して、ダイアイオンHP-20 を水で充填した
カラム 2.3 リットルに吸着させ、次いで 30 %メタノ
ールから 90 %メタノールまで、順次メタノール濃度を
上げるステップワイズ・グラジエント溶出を行なった。
即ち、順に 30 %メタノール、50 %メタノール、60
%メタノール、70 %メタノール、80 %メタノールを
それぞれ 4 リットルずつ流し、次いで 90 %メタノー
ルによる溶出を行なった。HPLCによるモニターでさらな
る溶出がなくなるまで行ない、約 10 リットルを要し
た。90 %メタノール溶出画分を集めて、これを減圧下
で濃縮乾固して黄色粉末 3.8 g が得られた。この黄色
粉末はさらにセファデックス LH-20 を用いてクロマト
を行なった。320 g のセファデックス LH-20 をメチレ
ンクロリド−酢酸エチル−メタノール(19:19:2) で充填
したカラムを用い、同溶媒で展開して精製した。
【0077】さらに逆相カラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーによる精製を行なった。分離カラムとして
センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-5251(カラムサ
イズ、φ20×250 mm, センシュウ科学(株)製)を用
い、展開溶媒として 40 %アセトニトリル−水を 15 ml
/ 分の流速で流し、220 nm の吸光度をモニターしなが
ら精製した。チオマリノールBは保持時間 13 〜14 分
のピークとして得られたので、これを集め、減圧下で濃
縮乾固して 130 mg を単離した。
トグラフィーによる精製を行なった。分離カラムとして
センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-5251(カラムサ
イズ、φ20×250 mm, センシュウ科学(株)製)を用
い、展開溶媒として 40 %アセトニトリル−水を 15 ml
/ 分の流速で流し、220 nm の吸光度をモニターしなが
ら精製した。チオマリノールBは保持時間 13 〜14 分
のピークとして得られたので、これを集め、減圧下で濃
縮乾固して 130 mg を単離した。
【0078】試験例1.チオマリノ−ルBの抗菌作用 一般グラム陽性および陰性細菌に対するチオマリノ−ル
Bの最小発育阻止濃度(MIC )は、普通寒天培地(栄研
化学(株)製)を用いた寒天培地希釈法によって測定し
た。結果を表1に示す。
Bの最小発育阻止濃度(MIC )は、普通寒天培地(栄研
化学(株)製)を用いた寒天培地希釈法によって測定し
た。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】表1から明かのごとく、チオマリノ−ルB
は一般グラム陽性および陰性細菌に対して優れた効果を
示した。
は一般グラム陽性および陰性細菌に対して優れた効果を
示した。
【0081】以上から、本発明の新規化合物チオマリノ
ールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤とし
て有用である。
ールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤とし
て有用である。
【0082】試験例2.チオマリノ−ルBの抗マイコプ
ラズマ菌作用 一般マイコプラズマ菌に対するチオマリノ−ルBの最小
阻止濃度(MIC )は、以下の測定条件下において、寒天
平板希釈法によって測定した。
ラズマ菌作用 一般マイコプラズマ菌に対するチオマリノ−ルBの最小
阻止濃度(MIC )は、以下の測定条件下において、寒天
平板希釈法によって測定した。
【0083】測定条件 接種菌量 :105 CFU /ml を 0.005 ml 接種 測定用培地:チャノック(Chanock) の培地(P.N.A.S.,48
巻、41-49頁(1962 年) 記載の培地に 20 % 馬血清を添加
した培地) 培養条件 :37℃、5 日間、微好気培養[BBL ガスパッ
ク(BBL GasPac(商品名、Becton Dickinson Microbiolog
y Systems 社、米国))法] 結果を表2に示す。
巻、41-49頁(1962 年) 記載の培地に 20 % 馬血清を添加
した培地) 培養条件 :37℃、5 日間、微好気培養[BBL ガスパッ
ク(BBL GasPac(商品名、Becton Dickinson Microbiolog
y Systems 社、米国))法] 結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】表2から明かのごとく、チオマリノ−ルB
は一般マイコプラズマ菌に対して優れた効果を示した。
は一般マイコプラズマ菌に対して優れた効果を示した。
【0086】
【発明の効果】チオマリノールBはチオマリノ−ルを酸
化することにより得られた。本発明の新規化合物チオマ
リノールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤
として有用である。
化することにより得られた。本発明の新規化合物チオマ
リノールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤
として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】新規化合物チオマリノールBの製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた抗菌作用を有する
新規化合物チオマリノ−ルB(Thiomarinol B) の製造方
法に関する。
新規化合物チオマリノ−ルB(Thiomarinol B) の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】海水より分離したアルテロモナス (Alte
romonas)属に属する微生物が、例えば抗腫瘍活性を有す
るビスカベリン(bisucaberin) を生産することが知られ
ている(特開昭63-27484号)。しかし、ビスカベリンは
環状ペプチド化合物である。
romonas)属に属する微生物が、例えば抗腫瘍活性を有す
るビスカベリン(bisucaberin) を生産することが知られ
ている(特開昭63-27484号)。しかし、ビスカベリンは
環状ペプチド化合物である。
【0003】水酸基で置換されたテトラヒドロピラン骨
格を母核とした誘導体は数多いが、中でもチオマリノ−
ル(後述の式を参照)に類似した構造を有する化合物と
しては、例えばシュ−ドモナス フルオレセンス(Pseu
domonas fluorescens)が生産するシュ−ドモン酸(Pseud
omonic acid)A(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,294頁(197
7 年))、シュ−ドモン酸B(J.Chem.Soc.Perkin Trans.
I,318頁(1977 年))、シュ−ドモン酸C(J.Chem.Soc.Per
kin Trans.I, 2827頁(1982 年))およびシュ−ドモン酸
D(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I, 2655頁(1983 年))が知
られている。しかし、これらには例えばチオマリノ−ル
の特徴であるテトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和
カルボニルに挟まれたメチレンに水酸基が存在しない。
なお現在、シュ−ドモン酸Aの 2 %軟膏(商品名、「B
actroban」 、Beecham 社)が皮膚感染症治療剤として欧
米で実用に供されている。しかし、これらシュ−ドモン
酸の抗菌活性はチオマリノ−ルBより弱い。
格を母核とした誘導体は数多いが、中でもチオマリノ−
ル(後述の式を参照)に類似した構造を有する化合物と
しては、例えばシュ−ドモナス フルオレセンス(Pseu
domonas fluorescens)が生産するシュ−ドモン酸(Pseud
omonic acid)A(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,294頁(197
7 年))、シュ−ドモン酸B(J.Chem.Soc.Perkin Trans.
I,318頁(1977 年))、シュ−ドモン酸C(J.Chem.Soc.Per
kin Trans.I, 2827頁(1982 年))およびシュ−ドモン酸
D(J.Chem.Soc.Perkin Trans.I, 2655頁(1983 年))が知
られている。しかし、これらには例えばチオマリノ−ル
の特徴であるテトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和
カルボニルに挟まれたメチレンに水酸基が存在しない。
なお現在、シュ−ドモン酸Aの 2 %軟膏(商品名、「B
actroban」 、Beecham 社)が皮膚感染症治療剤として欧
米で実用に供されている。しかし、これらシュ−ドモン
酸の抗菌活性はチオマリノ−ルBより弱い。
【0004】また、シュ−ドモン酸の末端カルボン酸を
アミドに変換した誘導体も知られている(特開昭52−10
2279号、特開昭54−12375 号、特開昭54−90179 号、特
開昭54−103871号、特開昭54−125672号)。しかし、こ
れらの中にはチオマリノ−ルBのような強い抗菌力、多
くのグラム陰性菌まで含む広い抗菌スペクトルを有する
ものはない。むしろ、その活性はシュ−ドモン酸より弱
くなる傾向がある。
アミドに変換した誘導体も知られている(特開昭52−10
2279号、特開昭54−12375 号、特開昭54−90179 号、特
開昭54−103871号、特開昭54−125672号)。しかし、こ
れらの中にはチオマリノ−ルBのような強い抗菌力、多
くのグラム陰性菌まで含む広い抗菌スペクトルを有する
ものはない。むしろ、その活性はシュ−ドモン酸より弱
くなる傾向がある。
【0005】チオマリノ−ルBの構造上の特徴のひとつ
に、テトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和カルボニ
ルに挟まれたメチレンに水酸基が存在する。このような
水酸基を有する化合物としては唯一、海洋細菌由来の化
合物が報告されている(Am.Chem.Soc.の 200年会(1990
年 8月 26-31日)の Abstracts of Papers、Part 2、
ORGN.No.139 )。しかしながら、この化合物の末端のカ
ルボニル基に結合する複素環基は2−ピペリドン−3−
イル基であり、その抗菌活性の詳細は不明である。
に、テトラヒドロピラン骨格とα、β−不飽和カルボニ
ルに挟まれたメチレンに水酸基が存在する。このような
水酸基を有する化合物としては唯一、海洋細菌由来の化
合物が報告されている(Am.Chem.Soc.の 200年会(1990
年 8月 26-31日)の Abstracts of Papers、Part 2、
ORGN.No.139 )。しかしながら、この化合物の末端のカ
ルボニル基に結合する複素環基は2−ピペリドン−3−
イル基であり、その抗菌活性の詳細は不明である。
【0006】一方、ホロシン(holothin, Helv.Chim.Act
a,42巻,563頁(1959 年))骨格を母核とした誘導体として
は、例えば放線菌の一種 Streptomyces 属より単離され
たピロシン属抗生物質としてホロマイシン(holomycin,
Helv.Chim.Acta,42 巻,563頁(1959 年))、ピロシン(pyr
rothine, J.Am.Chem.Soc.,77巻, 2861頁(1955 年))、チ
オルチン(thiolutin, Angew.Chem.,66巻,745頁(1954
年))、アウレオスリシン(aureothricin, J.Am.Chem.So
c.,74巻, 6304頁(1952 年))などを挙げることができ
る。また、細菌由来の抗生物質としてゼノルアブジン
(xenorhabdin)I〜V(特表昭59−501950号;J.Natural
Products, 54巻、 774頁(1991年)) が単離されてい
る。しかし、これらの化合物にはチオマリノ−ルBほど
の強い抗菌活性は報告されていない。
a,42巻,563頁(1959 年))骨格を母核とした誘導体として
は、例えば放線菌の一種 Streptomyces 属より単離され
たピロシン属抗生物質としてホロマイシン(holomycin,
Helv.Chim.Acta,42 巻,563頁(1959 年))、ピロシン(pyr
rothine, J.Am.Chem.Soc.,77巻, 2861頁(1955 年))、チ
オルチン(thiolutin, Angew.Chem.,66巻,745頁(1954
年))、アウレオスリシン(aureothricin, J.Am.Chem.So
c.,74巻, 6304頁(1952 年))などを挙げることができ
る。また、細菌由来の抗生物質としてゼノルアブジン
(xenorhabdin)I〜V(特表昭59−501950号;J.Natural
Products, 54巻、 774頁(1991年)) が単離されてい
る。しかし、これらの化合物にはチオマリノ−ルBほど
の強い抗菌活性は報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】チオマリノールおよび
チオマリノールBは共にほぼ同等の非常に強力な抗菌力
を有する新規な化合物である。そして、チオマリノール
Bはチオマリノールに比べて毒性が弱いという利点を有
する。しかし、現在、両者は醗酵法で得られているのみ
であり、特にチオマリノールBはその生産力価が低く、
十分な量を供給することは困難である。そこで、チオマ
リノールBを十分に供給する方法の開発が望まれてい
る。
チオマリノールBは共にほぼ同等の非常に強力な抗菌力
を有する新規な化合物である。そして、チオマリノール
Bはチオマリノールに比べて毒性が弱いという利点を有
する。しかし、現在、両者は醗酵法で得られているのみ
であり、特にチオマリノールBはその生産力価が低く、
十分な量を供給することは困難である。そこで、チオマ
リノールBを十分に供給する方法の開発が望まれてい
る。
【0008】本発明者らは、チオマリノールBの製造方
法について鋭意研究を行い、容易に得られるチオマリノ
ールを酸化することにより、チオマリノールBを製造す
る方法を見出して本発明を完成した。
法について鋭意研究を行い、容易に得られるチオマリノ
ールを酸化することにより、チオマリノールBを製造す
る方法を見出して本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は新規化合物チオ
マリノールを酸化することによる新規化合物チオマリノ
ールBの製造方法である。
マリノールを酸化することによる新規化合物チオマリノ
ールBの製造方法である。
【0010】ここに、本発明の目的化合物チオマリノー
ルBは、下記の構造式および理化学的性状を有する。
ルBは、下記の構造式および理化学的性状を有する。
【0011】
【化1】
【0012】(1)物質の性状:黄色粉末 (2)分子式:C30 H44 N2 O11 S2 (3)分子量:672 (FAB-MS 法により測定) (4)高分解能質量分析:C30 H45 N2 O11 S2[(M+H)+;
FAB-MS法により測定] 実測値 673.2468 計算値 673.2465 (5)元素分析値:(%) C30 H44 N2 O11 S2+H2O と
して 実測値 C 52.34、 H 6.79、 N 3.92、 S 9.02 計算値 C 52.16、 H 6.71、 N 4.06、 S 9.28 (6)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 3660、3503、3318、3075、2966、2928、2870、1704、16
53、1509、1467、1381、1349、1299、1217、1199、115
2、1112、1063、1047、1019、975 、949 、884 、839
、764 、730 、660 、609 、553 。
FAB-MS法により測定] 実測値 673.2468 計算値 673.2465 (5)元素分析値:(%) C30 H44 N2 O11 S2+H2O と
して 実測値 C 52.34、 H 6.79、 N 3.92、 S 9.02 計算値 C 52.16、 H 6.71、 N 4.06、 S 9.28 (6)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 3660、3503、3318、3075、2966、2928、2870、1704、16
53、1509、1467、1381、1349、1299、1217、1199、115
2、1112、1063、1047、1019、975 、949 、884 、839
、764 、730 、660 、609 、553 。
【0013】(7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 1−プロパノール中で測定した紫外線吸収スペクトル
は、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、215(21,000) 1−プロパノール+塩酸中で測定した紫外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、223(17,000) 1−プロパノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外
線吸収スペクトルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、221(19,000) 。
(ε) 1−プロパノール中で測定した紫外線吸収スペクトル
は、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、215(21,000) 1−プロパノール+塩酸中で測定した紫外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、223(17,000) 1−プロパノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外
線吸収スペクトルは、次に示す通りである。 377(2,900)、301(13,000) 、221(19,000) 。
【0014】(8)比旋光度: [α]D 25 + 7.7°( C
=1.0 、1−プロパノール) (9)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 (カラムサイズ、φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製) 溶媒; 40 %アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 保持時間; 8.4分 。
=1.0 、1−プロパノール) (9)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 (カラムサイズ、φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製) 溶媒; 40 %アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 保持時間; 8.4分 。
【0015】(10) 1H−核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360MHz)
は、次に示す通りである。 11.28(1H,s(br)) 、10.47(1H,s) 、7.23(1H,s)、 5.97
(1H,s) 、5.37(2H,m)、 4.88(1 H,d,J=7.5Hz)、 4.61(1
H,s(br)) 、4.43(1H,d,J=7.2Hz)、 4.28(1H,d,J=3.6Hz)
、4.18(1H,d,J=7.2Hz)、4.02(2H,t,J=6.6Hz)、3.74(1
H,s(br))、3.64(1H),3.61(1H) 、3.54(1H)、 3.51(1H)
、3.35(1H,d,J=10.9Hz) 、2.43(2H,t,J=7.3Hz)、 2.12
(1H) 、2.09(1H)、 2.03(1H) 、2.02(3H,s)、 1.61(1H)
、1.58(2H)、 1.50(2H) 、1.32(2H)、1.30(2H)、 1.25
(2H) 、 0.96(3H,d,J=6.3Hz) 、0.92(3H,d,J=6.9Hz)。
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360MHz)
は、次に示す通りである。 11.28(1H,s(br)) 、10.47(1H,s) 、7.23(1H,s)、 5.97
(1H,s) 、5.37(2H,m)、 4.88(1 H,d,J=7.5Hz)、 4.61(1
H,s(br)) 、4.43(1H,d,J=7.2Hz)、 4.28(1H,d,J=3.6Hz)
、4.18(1H,d,J=7.2Hz)、4.02(2H,t,J=6.6Hz)、3.74(1
H,s(br))、3.64(1H),3.61(1H) 、3.54(1H)、 3.51(1H)
、3.35(1H,d,J=10.9Hz) 、2.43(2H,t,J=7.3Hz)、 2.12
(1H) 、2.09(1H)、 2.03(1H) 、2.02(3H,s)、 1.61(1H)
、1.58(2H)、 1.50(2H) 、1.32(2H)、1.30(2H)、 1.25
(2H) 、 0.96(3H,d,J=6.3Hz) 、0.92(3H,d,J=6.9Hz)。
【0016】(11)13C−核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである。 173.5(s)、 166.1(s) 、 165.7(s) 、 160.8(s) 、 14
3.2(s) 、134.2(d)、 127.8(d) 、 123.3(s) 、 115.2
(s) 、 114.4(d) 、109.4(d)、 76.2(d) 、 72.4(d)
、 69.6(d) 、 69.3(d) 、64.3(t)、 63.9(d) 、
63.0(t) 、 43.2(d) 、 42.2(d) 、34.7(t)、 31.9
(t) 、 28.3(t) 、 28.2(t) 、 28.1(t) 、25.3
(t)、 24.5(t) 、 20.0(q) 、 15.7(q) 、 15.6(q)
。
(δ:ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである。 173.5(s)、 166.1(s) 、 165.7(s) 、 160.8(s) 、 14
3.2(s) 、134.2(d)、 127.8(d) 、 123.3(s) 、 115.2
(s) 、 114.4(d) 、109.4(d)、 76.2(d) 、 72.4(d)
、 69.6(d) 、 69.3(d) 、64.3(t)、 63.9(d) 、
63.0(t) 、 43.2(d) 、 42.2(d) 、34.7(t)、 31.9
(t) 、 28.3(t) 、 28.2(t) 、 28.1(t) 、25.3
(t)、 24.5(t) 、 20.0(q) 、 15.7(q) 、 15.6(q)
。
【0017】(12)溶解性:メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶。n
−ヘキサン、水に不溶。
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶。n
−ヘキサン、水に不溶。
【0018】(13)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.52 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art. 5715) 展開溶剤;メチレンクロリド:メタノール=85:15 。
【0019】一方、本発明の原料化合物であるチオマリ
ノ−ルは下記の構造式および性状を有する。
ノ−ルは下記の構造式および性状を有する。
【0020】
【化2】
【0021】1)物質の性状:黄色粉末 2)融点:84−89 ℃ 3)分子式:C30 H44 N2 O9 S2 4)分子量: 640 (FAB-MS法により測定) 5)高分解能質量分析:C30 H45 N2 O9 S2[(M+H)+ FAB
-MS 法により測定] 実測値 641.2585 計算値 641.2567 6)元素分析:(%) 実測値 C 55.92、 H 6.82 、 N 4.23 、 S
9.90 計算値 C 56.23、 H 6.92 、 N 4.37 、 S 1
0.01 。
-MS 法により測定] 実測値 641.2585 計算値 641.2567 6)元素分析:(%) 実測値 C 55.92、 H 6.82 、 N 4.23 、 S
9.90 計算値 C 56.23、 H 6.92 、 N 4.37 、 S 1
0.01 。
【0022】7)赤外線吸収スペクトル:νmaxcm-1 臭化カリウム(KBr) 錠剤法で測定した赤外線吸収スペク
トルは、次に示す通りである。 3394、2930、1649、1598、1526、1288、1216、1154、11
02、1052。
トルは、次に示す通りである。 3394、2930、1649、1598、1526、1288、1216、1154、11
02、1052。
【0023】8)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) メタノールまたはメタノール+塩酸中で測定した紫外線
吸収スペクトルは、次に示す通りである。 387(12、000) 、300(3、500)、214(26、000) メタノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外線吸収
スペクトルは、次に示す通りである。 386(9、600)、306(3、200)、206(25、000) 。
(ε) メタノールまたはメタノール+塩酸中で測定した紫外線
吸収スペクトルは、次に示す通りである。 387(12、000) 、300(3、500)、214(26、000) メタノール+水酸化ナトリウム中で測定した紫外線吸収
スペクトルは、次に示す通りである。 386(9、600)、306(3、200)、206(25、000) 。
【0024】9)比旋光度:[α]D 25 +4.3 °(C=
1.0 、メタノ−ル) 10)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 ( カラムサイズ、 φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製 ) 溶媒; 40 % アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 波長; 220-350 nm (フォトダイオ−ドアレイ検出) 保持時間; 5.9 分 。
1.0 、メタノ−ル) 10)高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-215
1 ( カラムサイズ、 φ 6× 150 mm 、センシュウ科学
(株)製 ) 溶媒; 40 % アセトニトリル−水 流速; 1.5 ml /分 波長; 220-350 nm (フォトダイオ−ドアレイ検出) 保持時間; 5.9 分 。
【0025】11) 1Hー核磁気共鳴スペクトル:
(δ:ppm ) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(270 MH
z) は、次に示す通りである。 0.91(3H,d,J=6.8Hz)、 0.95(3H,d,J=5.9Hz)、1.30(6H,m
(br.)) 、1.55(5H,m(br.)) 、2.03(3H,s)、2.09(3H,
m)、2.34(2H,t,J=7.3Hz)、3.33(1H,d,J=10.7Hz) 、3.52
(2H,m)、3.64(2H,m)、 3.73(1H,dd) 、4.02(2H,t,J=
6.6Hz)、4.18(1H,d(br.),J=7.3Hz) 、4.30(1H,d,J=4.4H
z)、4.44(1H,d,J=7.8Hz)、4.63(1H,d,J=3.4Hz)、4.89(1
H,d,J=7.3Hz)、5.37(2H,m)、5.97(1H,s(br.)) 、7.04(1
H,s)、9.80(1H,s (br.))、10.68(1H,s (br.)) 。
(δ:ppm ) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(270 MH
z) は、次に示す通りである。 0.91(3H,d,J=6.8Hz)、 0.95(3H,d,J=5.9Hz)、1.30(6H,m
(br.)) 、1.55(5H,m(br.)) 、2.03(3H,s)、2.09(3H,
m)、2.34(2H,t,J=7.3Hz)、3.33(1H,d,J=10.7Hz) 、3.52
(2H,m)、3.64(2H,m)、 3.73(1H,dd) 、4.02(2H,t,J=
6.6Hz)、4.18(1H,d(br.),J=7.3Hz) 、4.30(1H,d,J=4.4H
z)、4.44(1H,d,J=7.8Hz)、4.63(1H,d,J=3.4Hz)、4.89(1
H,d,J=7.3Hz)、5.37(2H,m)、5.97(1H,s(br.)) 、7.04(1
H,s)、9.80(1H,s (br.))、10.68(1H,s (br.)) 。
【0026】12)13Cー核磁気共鳴スペクトル:(
δ:ppm) 重メタノ−ル中、内部基準にテトラメチルシランを使用
して測定した核磁気共鳴スペクトル(68 MHz)は、次に示
す通りである。 174.3(s)、170.4(s)、168.6(s)、161.1(s)、137.9(s)、
135.7(d)、135.1(s)、129.8(d)、116.3(d)、115.8(s)、
113.7(d)、 77.6(d)、74.4(d)、 72.1(d)、 71.8(d)、
66.0(t)、 65.7(d)、 64.9(t)、45.3(d)、 43.9(d)、 3
6.6(t)、 33.4(t)、 30.1(t)、 30.0(t)、29.7(t)、 2
7.0(t)、 26.7(t)、 20.3(q)、 16.6(q)、 16.3(q)。
δ:ppm) 重メタノ−ル中、内部基準にテトラメチルシランを使用
して測定した核磁気共鳴スペクトル(68 MHz)は、次に示
す通りである。 174.3(s)、170.4(s)、168.6(s)、161.1(s)、137.9(s)、
135.7(d)、135.1(s)、129.8(d)、116.3(d)、115.8(s)、
113.7(d)、 77.6(d)、74.4(d)、 72.1(d)、 71.8(d)、
66.0(t)、 65.7(d)、 64.9(t)、45.3(d)、 43.9(d)、 3
6.6(t)、 33.4(t)、 30.1(t)、 30.0(t)、29.7(t)、 2
7.0(t)、 26.7(t)、 20.3(q)、 16.6(q)、 16.3(q)。
【0027】13)溶解性:メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、
酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶、n−ヘ
キサン、水に不溶。
プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、
酢酸エチル、アセトン、エチルエーテルに可溶、n−ヘ
キサン、水に不溶。
【0028】14)呈色反応:硫酸、ヨード、過マンガ
ン酸カリウムに陽性。 15)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.57 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art.5715) 展開溶剤;ジクロロメタン:メタノール = 85 :15
。
ン酸カリウムに陽性。 15)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.57 吸着剤 ;シリカゲル(メルク社製、Art.5715) 展開溶剤;ジクロロメタン:メタノール = 85 :15
。
【0029】本発明の目的化合物チオマリノールBおよ
び原料化合物チオマリノ−ルは、いくつかの不斉炭素原
子およびいくつかの二重結合を有する。特にα,β−不
飽和カルボニル部分は異性化される可能性がある。それ
故、種々の立体および幾何異性体が存在する。本発明に
おいては、これらの異性体がすべて単一の式で示されて
いる。従って、本発明においては、ラセミ化合物を含む
これらの異性体およびこれらの異性体の混合物をもすべ
て含むものである。立体特異的合成法が使用される場
合、または立体異性体が原料化合物として使用される場
合、個々の異性体は直接的に製造してもよいし、一方、
異性体の混合物が製造されれば個々の異性体は常法によ
り得てもよい。
び原料化合物チオマリノ−ルは、いくつかの不斉炭素原
子およびいくつかの二重結合を有する。特にα,β−不
飽和カルボニル部分は異性化される可能性がある。それ
故、種々の立体および幾何異性体が存在する。本発明に
おいては、これらの異性体がすべて単一の式で示されて
いる。従って、本発明においては、ラセミ化合物を含む
これらの異性体およびこれらの異性体の混合物をもすべ
て含むものである。立体特異的合成法が使用される場
合、または立体異性体が原料化合物として使用される場
合、個々の異性体は直接的に製造してもよいし、一方、
異性体の混合物が製造されれば個々の異性体は常法によ
り得てもよい。
【0030】本発明のチオマリノールを酸化してチオマ
リノールBを得る酸化反応は、チオマリノールに溶剤の
存在下で塩基の存在下または不存在下、酸化剤を作用さ
せることによって達成される。
リノールBを得る酸化反応は、チオマリノールに溶剤の
存在下で塩基の存在下または不存在下、酸化剤を作用さ
せることによって達成される。
【0031】使用される酸化剤としては通常の酸化反応
に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば過マ
ンガン酸カリウム;二クロム酸カリウム(重クロム酸カ
リウム)、二クロム酸ナトリウム(重クロム酸ナトリウ
ム)、酸化クロム(VI)、塩化クロミル、クロム酸t−ブ
チルのようなクロム酸類;四酸化ルテニウム;塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲン類;オゾン;酸素;過酸化
水素;ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、クミル
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドの
ような有機過酸化物類;ジオキシラン、ジメチルジオキ
シラン、ビストリフルオロメチルジオキシラン、トリフ
ルオロメチルクロロジフルオロメチルジオキシラン、ジ
フルオロジオキシラン、エチルメチルジオキシラン、メ
チルプロピルジオキシラン、ブチルメチルジオキシラ
ン、ジエチルジオキシラン、メチルフルオロジオキシラ
ン、フルオロジオキシラン、メチルジオキシラン、メチ
ルトリフルオロメチルジオキシランのようなジオキシラ
ン類;過酢酸、過ギ酸、m−クロロ過安息香酸のような
有機過酸類;ペルオキソ一硫酸、ペルオキソニ硫酸カリ
ウム、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)のようなペ
ルオキソ硫酸類;等をあげることができる。好適には過
酸化水素、有機過酸類、有機過酸化物類、ジオキシラン
類、ペルオキソ硫酸類、であり、特に好適には、過酸化
水素、ジメチルジオキシラン、ペルオキソ硫酸類、であ
る。
に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば過マ
ンガン酸カリウム;二クロム酸カリウム(重クロム酸カ
リウム)、二クロム酸ナトリウム(重クロム酸ナトリウ
ム)、酸化クロム(VI)、塩化クロミル、クロム酸t−ブ
チルのようなクロム酸類;四酸化ルテニウム;塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲン類;オゾン;酸素;過酸化
水素;ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド、クミル
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドの
ような有機過酸化物類;ジオキシラン、ジメチルジオキ
シラン、ビストリフルオロメチルジオキシラン、トリフ
ルオロメチルクロロジフルオロメチルジオキシラン、ジ
フルオロジオキシラン、エチルメチルジオキシラン、メ
チルプロピルジオキシラン、ブチルメチルジオキシラ
ン、ジエチルジオキシラン、メチルフルオロジオキシラ
ン、フルオロジオキシラン、メチルジオキシラン、メチ
ルトリフルオロメチルジオキシランのようなジオキシラ
ン類;過酢酸、過ギ酸、m−クロロ過安息香酸のような
有機過酸類;ペルオキソ一硫酸、ペルオキソニ硫酸カリ
ウム、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)のようなペ
ルオキソ硫酸類;等をあげることができる。好適には過
酸化水素、有機過酸類、有機過酸化物類、ジオキシラン
類、ペルオキソ硫酸類、であり、特に好適には、過酸化
水素、ジメチルジオキシラン、ペルオキソ硫酸類、であ
る。
【0032】使用される塩基としては、反応に影響を与
えないものであれば特に限定はなく、好適には、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカ
リ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩
類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム
のようなアルカリ金属水酸化物類;弗化ナトリウム、弗
化カリウム、弗化セシウムのようなアルカリ金属弗化物
類;等の無機塩類、またはナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウム
メトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;ナト
リウムメチルスルフィド(sodium methyl sulfide) 、ナ
トリウムエチルスルフィド(sodiumethyl sulfide)のよ
うなアルカリ金属アルキルスルフィド類(alkali metala
lkyl sulfides) ;トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリ
ン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,
N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ-5- エン(DBN )、1,4-ジア
ザビシクロ[2.2.2 ]オクタン(DABCO )、1,8-ジアザ
ビシクロ[5.4.0 ]ウンデセ-7- エン(DBU )のような
窒素化合物類;等の有機塩類、をあげることができ、好
適には、アルカリ金属炭酸塩類およびアルカリ金属炭酸
水素塩類である。
えないものであれば特に限定はなく、好適には、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカ
リ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩
類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム
のようなアルカリ金属水酸化物類;弗化ナトリウム、弗
化カリウム、弗化セシウムのようなアルカリ金属弗化物
類;等の無機塩類、またはナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウム
メトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;ナト
リウムメチルスルフィド(sodium methyl sulfide) 、ナ
トリウムエチルスルフィド(sodiumethyl sulfide)のよ
うなアルカリ金属アルキルスルフィド類(alkali metala
lkyl sulfides) ;トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリ
ン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、N,
N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,5-ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ-5- エン(DBN )、1,4-ジア
ザビシクロ[2.2.2 ]オクタン(DABCO )、1,8-ジアザ
ビシクロ[5.4.0 ]ウンデセ-7- エン(DBU )のような
窒素化合物類;等の有機塩類、をあげることができ、好
適には、アルカリ金属炭酸塩類およびアルカリ金属炭酸
水素塩類である。
【0033】使用される溶剤としては反応に影響を与え
ないものであれば特に限定はなく、例えば水;メタノー
ル、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;酢
酸、ギ酸のような有機酸類;酢酸エチルのようなエステ
ル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのような
エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドのようなアミド類;およびこれらの混合溶剤をあげ
ることができる。好適にはアルコール類、水とケトン類
の混合溶剤であり、特に、水−アセトンである。
ないものであれば特に限定はなく、例えば水;メタノー
ル、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;酢
酸、ギ酸のような有機酸類;酢酸エチルのようなエステ
ル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのような
エーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドのようなアミド類;およびこれらの混合溶剤をあげ
ることができる。好適にはアルコール類、水とケトン類
の混合溶剤であり、特に、水−アセトンである。
【0034】また、必要により反応の促進剤として、酸
化白金、酸化バナジウムなどの無機触媒を使用すること
ができる。
化白金、酸化バナジウムなどの無機触媒を使用すること
ができる。
【0035】反応温度としては、通常 −78 ℃乃至 1
00 ℃であり、好適には −10 ℃乃至室温である。
00 ℃であり、好適には −10 ℃乃至室温である。
【0036】反応時間としては、使用される酸化剤、塩
基、反応温度等により変化するが、通常 15 分乃至 30
時間であり、好適には 15 分乃至 2 時間である。
基、反応温度等により変化するが、通常 15 分乃至 30
時間であり、好適には 15 分乃至 2 時間である。
【0037】反応終了後、目的化合物は、常法、例えば
反応液を水に注ぎ、水と混和しない溶剤、例えば、ベン
ゼンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエーテルのよ
うなエーテル類、酢酸エチルのような有機酸エステル
類、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類など
で抽出し、抽出液より溶剤を留去することによって得ら
れる。このようにして得られた目的化合物は所望によ
り、常法に従って各種クロマトグラフィー等に付すこと
により、更に精製することもできる。
反応液を水に注ぎ、水と混和しない溶剤、例えば、ベン
ゼンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエーテルのよ
うなエーテル類、酢酸エチルのような有機酸エステル
類、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類など
で抽出し、抽出液より溶剤を留去することによって得ら
れる。このようにして得られた目的化合物は所望によ
り、常法に従って各種クロマトグラフィー等に付すこと
により、更に精製することもできる。
【0038】本発明の原料化合物チオマリノ−ルおよび
目的化合物チオマリノ−ルBは、微生物培養によっても
得られる。
目的化合物チオマリノ−ルBは、微生物培養によっても
得られる。
【0039】すなわち、海水より分離したアルテロモナ
ス(Alteromonas) 属に属する SANK73390株の培養液か
ら、チオマリノールおよびチオマリノールBが生産され
る。本発明の、チオマリノールおよびチオマリノールB
を生産する上記SANK 73390株は静岡県南伊豆町小稲の海
岸で採取した海水から常法により分離した海洋細菌であ
る。
ス(Alteromonas) 属に属する SANK73390株の培養液か
ら、チオマリノールおよびチオマリノールBが生産され
る。本発明の、チオマリノールおよびチオマリノールB
を生産する上記SANK 73390株は静岡県南伊豆町小稲の海
岸で採取した海水から常法により分離した海洋細菌であ
る。
【0040】チオマリノ−ルおよびチオマリノールBの
生産菌である SANK 73390 株の菌学的性状は次の通りで
ある。
生産菌である SANK 73390 株の菌学的性状は次の通りで
ある。
【0041】1.形態学的性状 マリンアガ−(Difco 社製)上で 23 ℃、 24 時間培養
後の観察では、細胞は直径 0.8−1.0 μm 、長さ 2.0−
3.6 μm の桿状であり、単極毛を有し、運動する。胞
子を形成せず、グラム染色は陰性である。
後の観察では、細胞は直径 0.8−1.0 μm 、長さ 2.0−
3.6 μm の桿状であり、単極毛を有し、運動する。胞
子を形成せず、グラム染色は陰性である。
【0042】2.マリンアガ−培地上での生育状態 23℃で 24 時間培養したコロニ−はいくぶん灰色を帯び
た黄色、不透明で円形、扁平状、全縁である。水溶性の
色素を生成しない。
た黄色、不透明で円形、扁平状、全縁である。水溶性の
色素を生成しない。
【0043】3.生理学的性状 (1)海水の要求性:生育に海水を要求する。 (2)O−F(オキシダティブ−ファ−メンタティブ)
テスト[ヒュ−・レイフソン( Hugh ・Leifson )法
(J.Bact.,66巻、24-26 頁、(1953年))、人工海水で調
製]:糖を分解しない。 (3)オキシダ−ゼ:+ (4)カタラ−ゼ:+ (5)酸素に対する態度:好気的。 (6)硝酸塩の還元:− (7)デンプンの加水分解:+ (8)寒天の分解:− (9)ゼラチンの液化:+ (10)DNaseの産生:+ (11)リパ−ゼの産生:+ (12)生育温度:4 ℃では微弱に生育し、17−26℃で
は良好な生育を示す。35℃では生育しない。 (13)栄養要求性:ジャ−ナル・オブ・バクテリオロ
ジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 268-294頁
(1971年) 記載の基本培地を用いた場合、ビタミンフリ
−のカザミノ酸を要求する。 (14)炭素化合物の利用性:ジャ−ナル・オブ・バク
テリオロジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 2
68-294頁 (1971年) 記載の基本培地にビタミンフリ−の
カザミノ酸を 0.1 % 濃度添加し、振とう培養を行っ
た場合。 L−アラビノ−ス:− D−リボ−ス:− D−キシロ−ス:− D−グルコ−ス:+ D−ガラクト−ス:− D−フラクト−ス:− 麦芽糖:+ ショ糖:− トレハロ−ス:+ セロビオ−ス:− メリビオ−ス:− マンニト−ル:− ソルビト−ル:− グリセリン:− 酢酸ソ−ダ:+ プロピオン酸ソ−ダ:
+ 。
テスト[ヒュ−・レイフソン( Hugh ・Leifson )法
(J.Bact.,66巻、24-26 頁、(1953年))、人工海水で調
製]:糖を分解しない。 (3)オキシダ−ゼ:+ (4)カタラ−ゼ:+ (5)酸素に対する態度:好気的。 (6)硝酸塩の還元:− (7)デンプンの加水分解:+ (8)寒天の分解:− (9)ゼラチンの液化:+ (10)DNaseの産生:+ (11)リパ−ゼの産生:+ (12)生育温度:4 ℃では微弱に生育し、17−26℃で
は良好な生育を示す。35℃では生育しない。 (13)栄養要求性:ジャ−ナル・オブ・バクテリオロ
ジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 268-294頁
(1971年) 記載の基本培地を用いた場合、ビタミンフリ
−のカザミノ酸を要求する。 (14)炭素化合物の利用性:ジャ−ナル・オブ・バク
テリオロジ−(Journal of Bacteriology)、 107巻、 2
68-294頁 (1971年) 記載の基本培地にビタミンフリ−の
カザミノ酸を 0.1 % 濃度添加し、振とう培養を行っ
た場合。 L−アラビノ−ス:− D−リボ−ス:− D−キシロ−ス:− D−グルコ−ス:+ D−ガラクト−ス:− D−フラクト−ス:− 麦芽糖:+ ショ糖:− トレハロ−ス:+ セロビオ−ス:− メリビオ−ス:− マンニト−ル:− ソルビト−ル:− グリセリン:− 酢酸ソ−ダ:+ プロピオン酸ソ−ダ:
+ 。
【0044】4.化学分類学的性状 (1)DNAのG+C(グアニン+シトシン含量):4
3.4 %(HPLC法) (2)キノン系:ユビキノンQ−8。
3.4 %(HPLC法) (2)キノン系:ユビキノンQ−8。
【0045】以上の菌学的性状を有する SANK 73390 株
はバ−ジ−ズ・マニュアル・オブ・システマティック・
バクテリオロジ−(Bergey's Manual of Systematic Ba
cteriology)、 1 巻(1984年)および最新のインタ−ナ
ショナル・ジャ−ナル・オブ・システマティック・バク
テリオロジ−(International Journal of Systematic
Bacteriology)に記載の種と照合すると、海洋細菌のア
ルテロモナス・サイトレア(Alteromonas citrea)に類
似した菌と推定された。但し、本菌はアルテロモナス・
サイトレア(Alteromonas citrea)の基準株 ATCC 297
19 株との比較培養を行ったところ、本菌のコロニ−の
色調がいくぶん灰色を帯びた黄色であるのに対し、ATCC
29719 株は緑色を帯びた黄色であり、SANK 73390 株
は 4 ℃で生育し、トレハロ−スとプロピオン酸ソ−ダ
を炭素源として利用する点でアルテロモナス・サイトレ
ア(Alteromonas citrea)と異なっている。それ故、本
発明者らは本菌をアルテロモナス属に属する新種である
と確認し、アルテロモナス属・ラバ種(Alteromonas ra
va)と命名し、新菌株をアルテロモナス・ラバ・ SANK
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株と命名し
た。
はバ−ジ−ズ・マニュアル・オブ・システマティック・
バクテリオロジ−(Bergey's Manual of Systematic Ba
cteriology)、 1 巻(1984年)および最新のインタ−ナ
ショナル・ジャ−ナル・オブ・システマティック・バク
テリオロジ−(International Journal of Systematic
Bacteriology)に記載の種と照合すると、海洋細菌のア
ルテロモナス・サイトレア(Alteromonas citrea)に類
似した菌と推定された。但し、本菌はアルテロモナス・
サイトレア(Alteromonas citrea)の基準株 ATCC 297
19 株との比較培養を行ったところ、本菌のコロニ−の
色調がいくぶん灰色を帯びた黄色であるのに対し、ATCC
29719 株は緑色を帯びた黄色であり、SANK 73390 株
は 4 ℃で生育し、トレハロ−スとプロピオン酸ソ−ダ
を炭素源として利用する点でアルテロモナス・サイトレ
ア(Alteromonas citrea)と異なっている。それ故、本
発明者らは本菌をアルテロモナス属に属する新種である
と確認し、アルテロモナス属・ラバ種(Alteromonas ra
va)と命名し、新菌株をアルテロモナス・ラバ・ SANK
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株と命名し
た。
【0046】本菌株は、アルテロモナス・ラバ・ SANK
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株としてブダ
ペスト条約に従って通商産業省工業技術院微生物工業技
術研究所(1993年 1月 1日より「通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所」と改称)に国際寄託されてい
る(寄託番号、微工研条寄第 3381 号 (FERM BP-3381)
:原寄託日、1991年 4月30 日)。
73390 (Alteromonas rava SANK 73390 )株としてブダ
ペスト条約に従って通商産業省工業技術院微生物工業技
術研究所(1993年 1月 1日より「通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所」と改称)に国際寄託されてい
る(寄託番号、微工研条寄第 3381 号 (FERM BP-3381)
:原寄託日、1991年 4月30 日)。
【0047】以上、SANK 73390 株について説明した
が、周知の如くアルテロモナス属の菌類の諸性質は一定
したものではなく、自然的、または人工的な操作(例え
ば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)によ
り、変異を起こし易く、本発明のSANK 73390 株もこの
点は同じである。本発明にいう SANK 73390 株はその
すべての変異株を包含する。また、これらの変異株の中
には、遺伝学的方法、例えば、組み替え、形質導入、形
質転換等により得られたものも包含される。即ち、アル
テロモナス属に属するチオマリノ−ルを生産する、SANK
73390 株、その変異株およびそれらと明確に区別され
ない菌株は、すべて SANK 73390 株に包含されるもので
ある。
が、周知の如くアルテロモナス属の菌類の諸性質は一定
したものではなく、自然的、または人工的な操作(例え
ば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)によ
り、変異を起こし易く、本発明のSANK 73390 株もこの
点は同じである。本発明にいう SANK 73390 株はその
すべての変異株を包含する。また、これらの変異株の中
には、遺伝学的方法、例えば、組み替え、形質導入、形
質転換等により得られたものも包含される。即ち、アル
テロモナス属に属するチオマリノ−ルを生産する、SANK
73390 株、その変異株およびそれらと明確に区別され
ない菌株は、すべて SANK 73390 株に包含されるもので
ある。
【0048】原料化合物チオマリノ−ルおよび目的化合
物チオマリノ−ルBを得るため、これらの微生物の培養
は他の発酵生成物を生産するために用いられるような培
地中で行なわれる。このような培地中には、微生物が資
化出来る炭素源、窒素源および無機塩を含有する。
物チオマリノ−ルBを得るため、これらの微生物の培養
は他の発酵生成物を生産するために用いられるような培
地中で行なわれる。このような培地中には、微生物が資
化出来る炭素源、窒素源および無機塩を含有する。
【0049】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1ー10 重量%で変量する。
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1ー10 重量%で変量する。
【0050】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の 0.1-6 重量%の範囲で用いる。
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の 0.1-6 重量%の範囲で用いる。
【0051】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
【0052】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0053】アルテロモナス・ラバ(Alteromonas rav
a) SANK 73390 株を培養しチオマリノ−ルおよびチオ
マリノ−ルBを生産する培地の pH は、5.0ー8.0 に変化
させることが出来る。
a) SANK 73390 株を培養しチオマリノ−ルおよびチオ
マリノ−ルBを生産する培地の pH は、5.0ー8.0 に変化
させることが出来る。
【0054】菌の生育温度は 4 ℃ から 32 ℃ まで
であるが 17 ℃ から 26 ℃ の範囲が生育良好であ
り、 更にチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBの生産
には、20 ℃ から 26 ℃ が好適である。
であるが 17 ℃ から 26 ℃ の範囲が生育良好であ
り、 更にチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBの生産
には、20 ℃ から 26 ℃ が好適である。
【0055】チオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルB
は、好気的に培養して得られるが通常用いられる好気的
培養法、例えば固体培養法,振とう培養法、通気撹拌培
養法等が用いられる。
は、好気的に培養して得られるが通常用いられる好気的
培養法、例えば固体培養法,振とう培養法、通気撹拌培
養法等が用いられる。
【0056】小規模な培養においては、20 ℃ から 2
6 ℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養は
三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で 23
℃、1 乃至 3 日間振とうするか、または充分に成長す
るまで振とうする。成長した種は第二の種培地、または
生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用い
る場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培地
に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフラ
スコを一定温度で 1 乃至3 日間、または生産量が最大
に達するまで振とうし、インキュベーションが終わった
らフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
6 ℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養は
三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で 23
℃、1 乃至 3 日間振とうするか、または充分に成長す
るまで振とうする。成長した種は第二の種培地、または
生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用い
る場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培地
に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフラ
スコを一定温度で 1 乃至3 日間、または生産量が最大
に達するまで振とうし、インキュベーションが終わった
らフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
【0057】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 2
0 ℃乃至 26 ℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量
の化合物を得るのに適している。
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 2
0 ℃乃至 26 ℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量
の化合物を得るのに適している。
【0058】培養の経過に伴って生産されるチオマリノ
−ルおよびチオマリノールBの量の経時変化は、高速液
体クロマトグラフィーを用いて測定することが出来る。
通常は、チオマリノールの生産量は 19 時間から 96 時
間の培養で最高値に達し、チオマリノールBの生産量は
19 時間から 200 時間の培養で最高値に達する。
−ルおよびチオマリノールBの量の経時変化は、高速液
体クロマトグラフィーを用いて測定することが出来る。
通常は、チオマリノールの生産量は 19 時間から 96 時
間の培養で最高値に達し、チオマリノールBの生産量は
19 時間から 200 時間の培養で最高値に達する。
【0059】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルB
は、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤とす
る、ろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ液
または上清中および菌体中に存在するチオマリノ−ルお
よびチオマリノ−ルBを、その物理化学的性状を利用し
抽出精製することにより得られる。例えば、ろ液また
は、上清中に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、中性または酸性 pH 条件下で水と混和しない
有機溶剤、例えば酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチ
レン、塩化メチレンなどの単独または、それらの組み合
わせにより抽出精製することができる。あるいは吸着剤
として、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバー
ライト XAD−2、XAD −4 ( ローム・アンド・ハース社
製) 等や、ダイアイオン HP −10、HP−20、 CHP−20、
HP−50( 三菱化成( 株) 製) 等が使用される。チオマリ
ノ−ルおよびチオマリノ−ルBを含む液を上記のごとき
吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除く
か、またはチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBを吸
着させた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノー
ル水などを用いて溶出させることにより得られる。ま
た、菌体内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、50-90 % 含水アセトンまたは含水メタノー
ルにより抽出し有機溶剤を除去した後、ろ液と同様な抽
出精製操作を行なうことにより得られる。
内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルB
は、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤とす
る、ろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ液
または上清中および菌体中に存在するチオマリノ−ルお
よびチオマリノ−ルBを、その物理化学的性状を利用し
抽出精製することにより得られる。例えば、ろ液また
は、上清中に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、中性または酸性 pH 条件下で水と混和しない
有機溶剤、例えば酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチ
レン、塩化メチレンなどの単独または、それらの組み合
わせにより抽出精製することができる。あるいは吸着剤
として、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバー
ライト XAD−2、XAD −4 ( ローム・アンド・ハース社
製) 等や、ダイアイオン HP −10、HP−20、 CHP−20、
HP−50( 三菱化成( 株) 製) 等が使用される。チオマリ
ノ−ルおよびチオマリノ−ルBを含む液を上記のごとき
吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除く
か、またはチオマリノ−ルおよびチオマリノ−ルBを吸
着させた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノー
ル水などを用いて溶出させることにより得られる。ま
た、菌体内に存在するチオマリノ−ルおよびチオマリノ
−ルBは、50-90 % 含水アセトンまたは含水メタノー
ルにより抽出し有機溶剤を除去した後、ろ液と同様な抽
出精製操作を行なうことにより得られる。
【0060】このようにして得られた原料化合物チオマ
リノ−ルおよび目的化合物チオマリノ−ルBは、更にシ
リカゲル、マグネシウムーシリカゲル系のフロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セ
ファデックス LH −20( ファルマシア社製) などを用い
た分配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆相カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製する
ことが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または適
宜組み合わせ反復用いることによりチオマリノ−ルまた
はチオマリノ−ルBを分離精製することができる。
リノ−ルおよび目的化合物チオマリノ−ルBは、更にシ
リカゲル、マグネシウムーシリカゲル系のフロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セ
ファデックス LH −20( ファルマシア社製) などを用い
た分配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆相カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製する
ことが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または適
宜組み合わせ反復用いることによりチオマリノ−ルまた
はチオマリノ−ルBを分離精製することができる。
【0061】
【作用】本発明の目的化合物チオマリノ−ルBは、文献
未載の新規化合物であり、動物( 例、ヒト、イヌ、ネ
コ、ウサギ等) において、グラム陽性細菌、グラム陰性
細菌およびマイコプラズマ菌に対し抗菌作用を示すこと
から、各種細菌感染症を対象とする抗菌剤として有用で
ある。
未載の新規化合物であり、動物( 例、ヒト、イヌ、ネ
コ、ウサギ等) において、グラム陽性細菌、グラム陰性
細菌およびマイコプラズマ菌に対し抗菌作用を示すこと
から、各種細菌感染症を対象とする抗菌剤として有用で
ある。
【0062】本発明のチオマリノ−ルBを医薬として用
いる場合、常法に従って種々の形態で投与される。その
投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤などの形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤な
どの形態で非経口的に安全に投与することが出来る。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助
剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤などの医薬の製剤
技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて
製剤化することができる。投与量は対象疾患、投与経路
および投与回数などにより異なるが、例えば成人に対し
ては 1 日 20 mg から 2000 mg を、症状に応じて 1
回または数回に分けて投与するのが好ましい。
いる場合、常法に従って種々の形態で投与される。その
投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤などの形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤な
どの形態で非経口的に安全に投与することが出来る。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助
剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤などの医薬の製剤
技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて
製剤化することができる。投与量は対象疾患、投与経路
および投与回数などにより異なるが、例えば成人に対し
ては 1 日 20 mg から 2000 mg を、症状に応じて 1
回または数回に分けて投与するのが好ましい。
【0063】
【実施例】次に実施例、参考例および試験例をあげて本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。 実施例1.チオマリノール 100.9 mg をアセトン 5 ml
および水 5 ml の混合溶剤に溶解し、氷冷下で冷却し
た。この溶液に、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)
112.2 mg を加え、氷冷下で 40 分間攪拌した。この混
合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 1.2 ml を加
え、氷冷下で 30 分間攪拌した。反応混合物に水 5 ml
を加え、次いでジクロロメタン−テトラヒドロフラン
(10:1)にて抽出した。抽出液を乾燥後、溶剤を留去し
た。得られた残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー
(Senshu Pak ODS-5251-N 、40%CH3CN(H2O))にて単離
精製することにより淡黄色のチオマリノールB 79.5mg
(75%)が得られた。
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。 実施例1.チオマリノール 100.9 mg をアセトン 5 ml
および水 5 ml の混合溶剤に溶解し、氷冷下で冷却し
た。この溶液に、OXONE (商標名、アルドリッチ社製)
112.2 mg を加え、氷冷下で 40 分間攪拌した。この混
合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 1.2 ml を加
え、氷冷下で 30 分間攪拌した。反応混合物に水 5 ml
を加え、次いでジクロロメタン−テトラヒドロフラン
(10:1)にて抽出した。抽出液を乾燥後、溶剤を留去し
た。得られた残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー
(Senshu Pak ODS-5251-N 、40%CH3CN(H2O))にて単離
精製することにより淡黄色のチオマリノールB 79.5mg
(75%)が得られた。
【0064】実施例2.チオマリノール 100 mg をアセ
トン 15 mlおよび水 7.5 ml の混合溶剤に溶解し、35
%過酸化水素水 0.074 ml を加え、希炭酸水素ナトリウ
ムを 2 滴加えた。反応混合物を 5 分間攪拌した後、
アセトンを留去し、次いでアセトニトリルを加え、逆相
高速液体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-H-2151,
40 %CH3CN(H2O))にて、チオマリノールBの生成を確
認した。反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣を
40 %アセトニトリルに溶解し、逆相高速液体クロマト
グラフィー(Senshu Pak ODS-4251-N 、40%CH3CN(H
2O))にて単離精製することにより淡黄色のチオマリノ
ールB 43.2mg(41%)が得られた。
トン 15 mlおよび水 7.5 ml の混合溶剤に溶解し、35
%過酸化水素水 0.074 ml を加え、希炭酸水素ナトリウ
ムを 2 滴加えた。反応混合物を 5 分間攪拌した後、
アセトンを留去し、次いでアセトニトリルを加え、逆相
高速液体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-H-2151,
40 %CH3CN(H2O))にて、チオマリノールBの生成を確
認した。反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣を
40 %アセトニトリルに溶解し、逆相高速液体クロマト
グラフィー(Senshu Pak ODS-4251-N 、40%CH3CN(H
2O))にて単離精製することにより淡黄色のチオマリノ
ールB 43.2mg(41%)が得られた。
【0065】実施例3.チオマリノール 100 mg をアセ
トン 40 ml に溶解し、氷冷下で 134 mg の m- クロロ
過安息香酸を加え、室温で、1.5 時間攪拌した。反応混
合物をジクロロメタンで抽出後、3 回水洗し、有機層を
さらに、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液
を乾燥後、溶剤を留去した。得られた残渣を逆相高速液
体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-4251N、 40 %
CH3CN(H2O))にて単離精製することにより、淡黄色のチ
オマリノールB 8.5 mg(8 %)が得られた。
トン 40 ml に溶解し、氷冷下で 134 mg の m- クロロ
過安息香酸を加え、室温で、1.5 時間攪拌した。反応混
合物をジクロロメタンで抽出後、3 回水洗し、有機層を
さらに、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液
を乾燥後、溶剤を留去した。得られた残渣を逆相高速液
体クロマトグラフィー(Senshu Pak ODS-4251N、 40 %
CH3CN(H2O))にて単離精製することにより、淡黄色のチ
オマリノールB 8.5 mg(8 %)が得られた。
【0066】参考例1.チオマリノ−ルのジャ−培養 A)培養 アルテロモナス・ラバ SANK 73390 株を、マリンアガ−
スラント(MarineAgar Slant、Difco 社製)上で 22 ℃
で 3 日間培養を行い、それを人工海水3 ml に懸濁さ
せ、その 0.1 ml を無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 mlを含む 500 ml の三角フラスコに接種し、 23
℃ で、 200 rpm (7 cmの回転半径) のロータリー振と
う培養機で 24 時間培養した。その 15 ml を無菌的に
滅菌した同様の組成の培地 15 リットルを含む 30 リッ
トルのジャ−ファ−メンタ−4 機に埴菌し、 23 ℃で、
通気(7.5 リットル/分)、攪拌(100 rpm )下に23
時間培養した。
スラント(MarineAgar Slant、Difco 社製)上で 22 ℃
で 3 日間培養を行い、それを人工海水3 ml に懸濁さ
せ、その 0.1 ml を無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 mlを含む 500 ml の三角フラスコに接種し、 23
℃ で、 200 rpm (7 cmの回転半径) のロータリー振と
う培養機で 24 時間培養した。その 15 ml を無菌的に
滅菌した同様の組成の培地 15 リットルを含む 30 リッ
トルのジャ−ファ−メンタ−4 機に埴菌し、 23 ℃で、
通気(7.5 リットル/分)、攪拌(100 rpm )下に23
時間培養した。
【0067】 培地組成 マリンブロス(Difco 社製) 37.4 g ────────────────────────── 脱イオン水 1000 ml pH 無調整 。
【0068】B)単離 得られた培養液 60 リットルは、塩酸で pH 3 に調整
し、アセトン 60 リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)1.2 Kgを加えてろ過を行った。そのろ液 1
10 リットルは酢酸エチル 60 リットルで1 回、さ
らに 30 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸エチ
ル層を 30 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、30 リ
ットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して 14 g の油状物
が得られた。
し、アセトン 60 リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)1.2 Kgを加えてろ過を行った。そのろ液 1
10 リットルは酢酸エチル 60 リットルで1 回、さ
らに 30 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸エチ
ル層を 30 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、30 リ
ットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して 14 g の油状物
が得られた。
【0069】得られた油状物をシリカゲル 200 g をメ
チレンクロリドで充填したカラムに、同溶剤に溶解して
吸着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:
1 )、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノ−ル( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 18
ml づつ分画し、酢酸エチル−メタノ−ルで溶出したチ
オマリノ−ルを含むフラクションを集め、減圧下で濃縮
乾固して油状物 7 gが得られた。得られた油状物をダイ
アイオンHP−20 を水で充填したカラム 600ml に、50
%メタノ−ル 400 ml に溶解して吸着させ、次いで
50 %メタノ−ルで洗浄し、90 %メタノ−ルで溶出
した。これを減圧下で濃縮乾固して黄色粗粉末 1 g が
得られた。黄色粗粉末はさらにセファデックス LH −20
を用いてクロマトを行い、メチレンクロリド−酢酸エ
チル−メタノ−ル( 19 : 19:2 )で展開し、活性の
フラクションを集めて、黄色粉末のチオマリノ−ルが75
0 mg 得られた。
チレンクロリドで充填したカラムに、同溶剤に溶解して
吸着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:
1 )、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノ−ル( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 18
ml づつ分画し、酢酸エチル−メタノ−ルで溶出したチ
オマリノ−ルを含むフラクションを集め、減圧下で濃縮
乾固して油状物 7 gが得られた。得られた油状物をダイ
アイオンHP−20 を水で充填したカラム 600ml に、50
%メタノ−ル 400 ml に溶解して吸着させ、次いで
50 %メタノ−ルで洗浄し、90 %メタノ−ルで溶出
した。これを減圧下で濃縮乾固して黄色粗粉末 1 g が
得られた。黄色粗粉末はさらにセファデックス LH −20
を用いてクロマトを行い、メチレンクロリド−酢酸エ
チル−メタノ−ル( 19 : 19:2 )で展開し、活性の
フラクションを集めて、黄色粉末のチオマリノ−ルが75
0 mg 得られた。
【0070】参考例2.チオマリノールBのタンク培養 A)培養 アルテロモナス・ラバSANK 73390株を、マリンアガー
(Marine Agar 、Difco社製)斜面培地上で 22 ℃、3
日間培養を行なった後、斜面培養物を滅菌した人工海水
3 ml に懸濁した。無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 ml を含む500 ml 容の三角フラスコ 2 本に先の
懸濁液を各々 0.1 ml 接種し、23 ℃、210 rpm の条件
下、24 時間回転振とう培養を行なった。別に滅菌した
同様の組成の培地 200 リットルを含む 600 リットル
容の通気攪拌培養槽に上記培養物全量を接種し、次いで
溶存酸素濃度を 5.0 ppmに保持するように回転数を 82.
5〜170 rpmに調整し、23 ℃、通気量 0.5 vvmの条件
下 26 時間培養した。 培地組成 マリンブロス(Difco 社製) 37.4 g ────────────────────────── 脱イオン水 1000 ml pH 無調整 。
(Marine Agar 、Difco社製)斜面培地上で 22 ℃、3
日間培養を行なった後、斜面培養物を滅菌した人工海水
3 ml に懸濁した。無菌的に滅菌した後述の組成の培地
100 ml を含む500 ml 容の三角フラスコ 2 本に先の
懸濁液を各々 0.1 ml 接種し、23 ℃、210 rpm の条件
下、24 時間回転振とう培養を行なった。別に滅菌した
同様の組成の培地 200 リットルを含む 600 リットル
容の通気攪拌培養槽に上記培養物全量を接種し、次いで
溶存酸素濃度を 5.0 ppmに保持するように回転数を 82.
5〜170 rpmに調整し、23 ℃、通気量 0.5 vvmの条件
下 26 時間培養した。 培地組成 マリンブロス(Difco 社製) 37.4 g ────────────────────────── 脱イオン水 1000 ml pH 無調整 。
【0071】B)単離 得られた培養液 230 リットルは、塩酸で pH 2.5 に調
整し、アセトン 200リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト 545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)4.0 kg を加えてろ過を行なった。そのろ
液 430 リットルは酢酸エチル 200リットルで 1 回、
さらに 100 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸
エチル層を 200 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、
100 リットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して約 80g
の油状物が得られた。
整し、アセトン 200リットルを添加、0.5 時間攪拌しな
がら抽出した。抽出液にろ過助剤としてセライト 545
(米国ジョーンズ・マンビル・プロジェクト・コーポレ
ーション製)4.0 kg を加えてろ過を行なった。そのろ
液 430 リットルは酢酸エチル 200リットルで 1 回、
さらに 100 リットルで 2 回抽出した。得られた酢酸
エチル層を 200 リットルの 5 %重炭酸ナトリウム、
100 リットルの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮乾固して約 80g
の油状物が得られた。
【0072】得られた油状物をメチレンクロリドに溶解
し、シリカゲル 1.1 kg を同溶剤で充填したカラムに吸
着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:1
)、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 500
ml ずつ分画し、酢酸エチル−メタノールで溶出したチ
オマリノールBを含むフラクションを集め、減圧下で濃
縮乾固して油状物 60 gが得られた。
し、シリカゲル 1.1 kg を同溶剤で充填したカラムに吸
着させ、次いでメチレンクロリド−酢酸エチル( 1:1
)、酢酸エチル、酢酸エチル−メタノール( 9:1 )
と順次展開溶媒の極性を上げて溶出した。溶出液を 500
ml ずつ分画し、酢酸エチル−メタノールで溶出したチ
オマリノールBを含むフラクションを集め、減圧下で濃
縮乾固して油状物 60 gが得られた。
【0073】得られた油状物を 50 %メタノール 6 リ
ットルに溶解して、ダイアイオンHP-20 を水で充填した
カラム 2.3 リットルに吸着させ、次いで 30 %メタノ
ールから 90 %メタノールまで、順次メタノール濃度を
上げるステップワイズ・グラジエント溶出を行なった。
即ち、順に 30 %メタノール、50 %メタノール、60
%メタノール、70 %メタノール、80 %メタノールを
それぞれ 4 リットルずつ流し、次いで 90 %メタノー
ルによる溶出を行なった。HPLCによるモニターでさらな
る溶出がなくなるまで行ない、約 10 リットルを要し
た。90 %メタノール溶出画分を集めて、これを減圧下
で濃縮乾固して黄色粉末 3.8 g が得られた。この黄色
粉末はさらにセファデックス LH-20 を用いてクロマト
を行なった。320 g のセファデックス LH-20 をメチレ
ンクロリド−酢酸エチル−メタノール(19:19:2) で充填
したカラムを用い、同溶媒で展開して精製した。
ットルに溶解して、ダイアイオンHP-20 を水で充填した
カラム 2.3 リットルに吸着させ、次いで 30 %メタノ
ールから 90 %メタノールまで、順次メタノール濃度を
上げるステップワイズ・グラジエント溶出を行なった。
即ち、順に 30 %メタノール、50 %メタノール、60
%メタノール、70 %メタノール、80 %メタノールを
それぞれ 4 リットルずつ流し、次いで 90 %メタノー
ルによる溶出を行なった。HPLCによるモニターでさらな
る溶出がなくなるまで行ない、約 10 リットルを要し
た。90 %メタノール溶出画分を集めて、これを減圧下
で濃縮乾固して黄色粉末 3.8 g が得られた。この黄色
粉末はさらにセファデックス LH-20 を用いてクロマト
を行なった。320 g のセファデックス LH-20 をメチレ
ンクロリド−酢酸エチル−メタノール(19:19:2) で充填
したカラムを用い、同溶媒で展開して精製した。
【0074】さらに逆相カラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーによる精製を行なった。分離カラムとして
センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-5251(カラムサ
イズ、φ20×250 mm, センシュウ科学(株)製)を用
い、展開溶媒として 40 %アセトニトリル−水を 15 ml
/ 分の流速で流し、220 nm の吸光度をモニターしなが
ら精製した。チオマリノールBは保持時間 13 〜14 分
のピークとして得られたので、これを集め、減圧下で濃
縮乾固して 130 mg を単離した。
トグラフィーによる精製を行なった。分離カラムとして
センシュウパック(Senshu Pak) ODS H-5251(カラムサ
イズ、φ20×250 mm, センシュウ科学(株)製)を用
い、展開溶媒として 40 %アセトニトリル−水を 15 ml
/ 分の流速で流し、220 nm の吸光度をモニターしなが
ら精製した。チオマリノールBは保持時間 13 〜14 分
のピークとして得られたので、これを集め、減圧下で濃
縮乾固して 130 mg を単離した。
【0075】試験例1.チオマリノ−ルBの抗菌作用 一般グラム陽性および陰性細菌に対するチオマリノ−ル
Bの最小発育阻止濃度(MIC )は、普通寒天培地(栄研
化学(株)製)を用いた寒天培地希釈法によって測定し
た。結果を表1に示す。
Bの最小発育阻止濃度(MIC )は、普通寒天培地(栄研
化学(株)製)を用いた寒天培地希釈法によって測定し
た。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】表1から明かのごとく、チオマリノ−ルB
は一般グラム陽性および陰性細菌に対して優れた効果を
示した。
は一般グラム陽性および陰性細菌に対して優れた効果を
示した。
【0078】以上から、本発明の新規化合物チオマリノ
ールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤とし
て有用である。
ールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤とし
て有用である。
【0079】試験例2.チオマリノ−ルBの抗マイコプ
ラズマ菌作用 一般マイコプラズマ菌に対するチオマリノ−ルBの最小
阻止濃度(MIC )は、以下の測定条件下において、寒天
平板希釈法によって測定した。
ラズマ菌作用 一般マイコプラズマ菌に対するチオマリノ−ルBの最小
阻止濃度(MIC )は、以下の測定条件下において、寒天
平板希釈法によって測定した。
【0080】測定条件 接種菌量 :105 CFU /ml を 0.005 ml 接種 測定用培地:チャノック(Chanock) の培地(P.N.A.S.,48
巻、41-49頁(1962 年) 記載の培地に 20 % 馬血清を添加
した培地) 培養条件 :37℃、5 日間、微好気培養[BBL ガスパッ
ク(BBL GasPac(商品名、Becton Dickinson Microbiolog
y Systems 社、米国))法] 結果を表2に示す。
巻、41-49頁(1962 年) 記載の培地に 20 % 馬血清を添加
した培地) 培養条件 :37℃、5 日間、微好気培養[BBL ガスパッ
ク(BBL GasPac(商品名、Becton Dickinson Microbiolog
y Systems 社、米国))法] 結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】表2から明かのごとく、チオマリノ−ルB
は一般マイコプラズマ菌に対して優れた効果を示した。
は一般マイコプラズマ菌に対して優れた効果を示した。
【0083】
【発明の効果】チオマリノールBはチオマリノ−ルを酸
化することにより得られた。本発明の新規化合物チオマ
リノールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤
として有用である。
化することにより得られた。本発明の新規化合物チオマ
リノールBは抗菌作用を示し、各種細菌に対する抗菌剤
として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】チオマリノールを酸化することを特徴とす
るチオマリノールBの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27510893A JPH0794458B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-11-04 | 新規化合物チオマリノールbの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29569592 | 1992-11-05 | ||
JP4-295695 | 1992-11-05 | ||
JP27510893A JPH0794458B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-11-04 | 新規化合物チオマリノールbの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06206884A true JPH06206884A (ja) | 1994-07-26 |
JPH0794458B2 JPH0794458B2 (ja) | 1995-10-11 |
Family
ID=26551321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27510893A Expired - Fee Related JPH0794458B2 (ja) | 1992-11-05 | 1993-11-04 | 新規化合物チオマリノールbの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0794458B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-04 JP JP27510893A patent/JPH0794458B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0794458B2 (ja) | 1995-10-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |