JPH06206759A - 連続鋳造用耐火物及びその製造方法 - Google Patents

連続鋳造用耐火物及びその製造方法

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JPH06206759A
JPH06206759A JP5004072A JP407293A JPH06206759A JP H06206759 A JPH06206759 A JP H06206759A JP 5004072 A JP5004072 A JP 5004072A JP 407293 A JP407293 A JP 407293A JP H06206759 A JPH06206759 A JP H06206759A
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昇 塚本
Yuji Yoshimura
裕次 吉村
Nobuhiko Imai
伸彦 今井
Ikuo Nanamori
郁雄 斜森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、長時間使用や溶鋼中の酸素
濃度の高い鋼種などに対応できる高耐食性を有するスラ
イドバルブ用プレート、鋳造用ノズルなどに適した連続
鋳造用耐火物及びその製造方法を提供することにある。 【構成】 本発明に係る連続鋳造用耐火物は、粒度0.
2mm以上の金属Al粉(A)と粒度0.2〜0.1mmの
金属Al粉(B)とをA/B=1〜3の構成比で1〜8重
量%、金属Si粉を0.5〜6重量%の範囲の量でかつ
金属Al粉と金属Si粉の合計量の40重量%以上の
量、粒度が10μm以下の超微粉仮焼アルミナを3〜2
0重量%、炭素原料を2〜12重量%、残部が耐火性原
料なる耐火組成物及び該耐火組成物に対して外掛で2〜
15重量%の結合剤から構成され、非酸化性雰囲気中で
焼成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スライドバルブ用プレ
ート及び鋳造用ノズルなどに適した連続鋳造用耐火物及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スライドバルブ用プレートや鋳
造用ノズルなどの連続鋳造用耐火物としてアルミナ・カ
ーボン系のれんがが広く使用されており、品質特性とし
ては高耐食性、高強度、高耐スポール性に優れたものが
必要とされている。
【0003】使用されるアルミナ・カーボン質れんが
は、耐火材料の他にカーボン原料及び金属Si粉を配合
し、結合剤としてフェノール樹脂を用いて混練し、れん
がを成形後、コークス中に埋め込んで1300〜150
0℃で高温焼成されたものが現在一般的である。
【0004】しかし、これられんがを長時間使用や鋼中
酸素濃度の高い鋼種に適用した場合、れんがの損傷が著
しく大きくなり、耐用性の低下が問題となっている。こ
れは溶鋼中の酸素によるれんが中のカーボン原料やカー
ボンボンドを構成する炭素の酸化の影響が一般鋼に比べ
非常に大きく、れんが組織の脆化が著しく大きくなるた
め、れんがの耐食性が低下するからである。そのため連
続鋳造用耐火物には、このような使用条件下で十分対応
できる耐酸化性、耐食性に優れたものが要求されている
のが現状である。
【0005】そこで耐酸化性、耐食性の改善を図るため
に、例えば特公平1−52349号公報には、耐火性無機材
料の1種もしくは2種以上からなる骨材55〜97重量
%、0.5mm以下の粒径である2種以上の金属からな
る融点200〜700℃のAl合金、Mg合金の1種以
上1〜30重量%、及び熱硬化性合成樹脂2〜15重量
%より構成され、800℃以上の焼成工程を必要としな
いことを特徴とする溶融金属処理用耐火物が開示されて
いる。
【0006】更に、より高強度化、高耐食性化を図るた
めに、例えば特開昭61−41861号公報には、マトリック
ス中に窒化アルミニウム結合と炭化珪素結合を有するこ
とを特徴とするカーボン・ボンド材質スライディング・
ノズル用プレートれんがが開示されている。また、該公
報によれば、このプレートれんがは、耐火性原料65〜
99重量%と、アルミニウムの含有量が51〜90重量
%かつシリコンの含有量が10〜49重量%の200メ
ッシュ以下のアルミニウム−シリコン合金粉末0.5〜
20重量%と、200メッシュ以下の炭素粉末0.5〜
15重量%とからなる原料配合物または耐火性原料65
〜99重量%と、アルミニウム粉末0.25〜18重量
%とシリコン粉末0.05〜10重量%とからなる20
0メッシュ以下の混合粉末と、200メッシュ以下の炭
素粉末0.5〜15重量%とからなる原料配合物を有機
結合剤を用いて混練成形した後、窒化性雰囲気中で焼成
することを特徴として製造するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特公平1−52349号公
報に記載されているような低融点金属粉を添加した不焼
成れんがは、れんがが溶鋼と接触した場合に、低融点金
属粉が溶鋼中の酸素と反応し酸化物となり、酸化物生成
に伴う体積膨張によりれんが組織を緻密にし、耐食性を
向上させ、鋼中酸素濃度の高い鋼種を受鋼した場合、従
来のれんがに比べ耐食性が優れている。
【0008】しかしながら、この不焼成れんがは、焼成
工程を経ていないためにバインダーとして用いているフ
ェノール樹脂の炭化が不十分であり、れんがを構成する
原料の結合性が低い。そのため、従来の焼成した連続鋳
造用炭素含有耐火物に比べれんが強度が低く、そして4
00〜1000℃の中間温度領域でのれんが組織の脆化
と強度脆化が大きい欠点がある。この欠点は、例えば取
鍋用プレートのように中間温度に長時間さらされる用途
の場合、摺動面の摩耗損傷が大きくなり、場合によって
は摺動不能といったプレートとして致命的な欠陥とな
る。従って、この低融点金属粉を添加したれんがの使用
に対しては制限がある。
【0009】この問題の改善策として、低融点金属粉を
添加しバインダーとしてシリコン樹脂を活用した方法が
提案されている。しかしながら、シリコン樹脂は、従来
使用のフェノール樹脂に比べ非常に高価で、その改善効
果も不十分である。
【0010】また、特開昭61−41861号公報に開示され
ているような金属Al粉と金属Si粉を併用するか、ま
たはAl−Si合金を使用した窒化アルミニウム結合と
炭化珪素結合を有するアルミナ・カーボン質れんがにつ
いては、金属Al粉添加量、炭素成分量の調整により、
れんが中で形成され、結合剤として作用する窒化アルミ
ニウムが、先の不焼成れんがの低融点金属粉と同様の効
果をもたらすため鋼中酸素濃度の高い鋼種などの特殊鋼
に適用できる。
【0011】しかし、このれんがの特徴である窒化アル
ミニウムは、窒素ガス雰囲気中においては820℃付近
の低温から生成されるが、酸素−炭素−窒素の三成分が
共存する雰囲気下では、高温で窒素分圧が非常に高い条
件下でないと生成しにくい。
【0012】通常、れんがの焼成は、コークス等の炭素
粉末に埋め込んで行う方法や、プロパンや灯油、重油を
不完全燃焼させCO、CO2雰囲気中で焼成する方法が
一般的である。これらの方法で金属Al粉を添加したれ
んがを高温で焼成した場合、通常窒化アルミニウムより
も炭化アルミニウムが生成する。
【0013】従って、金属Al粉と金属Si粉を併用ま
たはAl−Si合金を活用した窒化アルミニウム結合と
炭化珪素結合を有するアルミナ・カーボン質れんがを得
るためには、炭化アルミニウム生成の抑制を考慮し、窒
素ガス雰囲気のような非常に窒素雰囲気の影響が強い雰
囲気条件を制御して焼成する必要がある。そのため現状
設備での製造することは困難であり、設備の多大なる改
変を必要とする。また、窒化アルミニウム、炭化アルミ
ニウムの多量の生成は、れんがの耐消化性を低下させる
問題がある。
【0014】即ち、本発明の目的は、長時間使用や溶鋼
中の酸素濃度の高い鋼種などに対応できる高耐食性を有
するスライドバルブ用プレート、鋳造用ノズルなどに適
した連続鋳造用耐火物及びその製造方法を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に係る連続
鋳造用耐火物は、粒度0.2mm以上の金属Al粉(A)
と粒度0.2〜0.1mmの金属Al粉(B)とをA/B=
1〜3の構成比で1〜8重量%、金属Si粉を0.5〜
6重量%の範囲の量でかつ金属Al粉と金属Si粉の合
計量の40重量%以上の量、粒度が10μm以下の超微
粉仮焼アルミナを3〜20重量%、炭素原料を2〜12
重量%、残部が耐火性原料なる耐火組成物及び該耐火組
成物に対して外掛で2〜15重量%の結合剤から構成さ
れ、非酸化性雰囲気中で焼成されていることを特徴とす
る。
【0016】更に、本発明に係る連続鋳造用耐火物の製
造方法は、粒度0.2mm以上の金属Al粉(A)と粒度
0.2〜0.1mmの金属Al粉(B)とをA/B=1〜3
の構成比で1〜8重量%、金属Si粉を0.5〜6重量
%の範囲の量でかつ金属Al粉と金属Si粉の合計量の
40重量%以上の量、粒度が10μm以下の超微粉仮焼
アルミナを3〜20重量%、炭素原料を2〜12重量
%、残部が耐火性原料なる耐火組成物に、外掛で2〜1
5重量%の結合剤を混練し、所定の形状に成形した後、
850〜1100℃の温度で、非酸化性雰囲気中で焼成
することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明は、金属アルミニウムが低融点であるこ
と、そして仮焼アルミナの高温での焼結性に着目し、熱
処理方法の検討と金属Al粉の添加量、粒度と超微粉仮
焼アルミナの活用等について検討を行った結果、金属A
l粉の添加量、粒度と金属Si粉の添加量を調整し、超
微粉仮焼アルミナを添加しかつ非酸化雰囲気中850〜
1100℃の焼成温度で焼成することにより、耐スポー
ル性、耐消化性を損なうことなく、耐火物の強度、中間
温度領域での耐酸化性と組織脆化を改善し耐食性を向上
させるものである。
【0018】すなわち、金属Al粉の粒度と添加量を限
定した耐火物を非酸化雰囲気850〜1100℃の焼成
温度で焼成することにより、添加した金属Al粉が軟化
してマトリックス組織の微細な部位まで浸透し、れんが
組織全体を緻密で強固なものにする。この作用により耐
食性、耐火物の強度、中間温度領域での組織脆化と耐酸
化性が改善される。
【0019】ここで焼成温度を限定した理由は、焼成温
度が850℃未満の場合、金属Al粉の軟化、溶融が不
十分と結合剤例えばフェノール樹脂の炭化が不十分で組
織脆化が進み、先に述べた改善効果が見られないためで
ある。また、1100℃を超える焼成温度で焼成した場
合は、添加した金属Al粉が炭素原料と反応して炭化物
を生成することにより、非常に高強度の耐火物を得るこ
とができるが、耐消化性、耐食性、耐スポール性の低下
を招くので、連続鋳造用耐火物として使用に適さないた
めである。
【0020】また、焼成温度と同時に添加する金属粉の
粒度、添加量を限定した理由は、耐火物の耐スポール性
と耐食性のバランスを取るためである。金属Al粉の粒
度の微細化や添加の増加は、耐食性、耐火物の強度、中
間温度領域での組織脆化と耐酸化性等の諸特性の改善に
対し非常に効果があるが、耐スポール性が著しく低下す
るため目的とする耐火物としては不適当である。また、
反対に金属Al粉を粗粒化し過ぎると、限定した焼成温
度で焼成した場合、金属Al粉が軟化しマトリックス組
織を緻密にするが、軟化した金属Al粉の部位が大きな
穴のようになり、組織の緻密性が損なわれ、耐食性が低
下する。本発明は、種々の検討の結果、金属Al粉の粒
度等を限定することにより、耐スポール性と耐食性のバ
ランスを取ることができた。そして金属Si粉は、金属
Al粉添加品における耐消化性の低下防止のために添加
する。金属Si粉の添加量は金属Al粉添加量に合わせ
て調整する必要がある。
【0021】また、使用中、耐火物の溶鋼接触部位は、
溶鋼中の酸素により酸化作用を受ける。そのため、炭素
含有耐火物は溶鋼接触部位の炭素原料が酸化され、組織
が脆化し耐食性が低下する。しかし、本発明の耐火物は
溶鋼接触部位が溶鋼中の酸素により酸化作用を受けた場
合、溶鋼接触面の炭素原料が酸化されてもマトリックス
組織の微細な部位まで浸透した金属Alと、添加されて
いる粒度10μm以下の超微粉仮焼アルミナが反応し、
溶鋼接触面に強固なアルミナ焼結層を形成し、耐食性、
溶鋼流に対する耐摩耗性をより向上させる。
【0022】以下、本発明に使用する原料の構成につい
て説明する。添加する金属粉のうち、金属Al粉の添加
量は、1〜8重量%が適当であり、金属Al粉の添加量
が1重量%未満であると目的とする効果を得ることがで
きず、また、金属Al粉の添加量が8重量%を超える場
合耐食性は向上するが耐スポール性が損なわれる。
【0023】添加する金属Al粉の粒度構成は、粒度
0.2mm以上、好ましくは0.2〜0.5mmの金属A
l粉(A)と、粒度0.2〜0.1mmの金属Al粉(B)の
併用が良く、構成は重量比でA/B=1〜3が適当であ
る。これは、A/B=1未満の場合耐スポール性が低下
し、A/B=3を超える場合には金属Al粉が軟化、溶
融した時れんが組織の緻密性が損なわれ、耐食性の低下
を招き易くなるためである。
【0024】また、金属Si粉は、耐消化性の面から金
属Al粉の添加量に合わせて添加量を調整する。金属S
i粉の添加量としては、金属Al粉と金属Si粉の添加
金属粉総量の40%以上が適正であり、好ましくは40
〜80%である。
【0025】次に、粒度10μm以下の超微粉仮焼アル
ミナの添加量は、3〜20重量%が適当である。添加量
が3重量%未満の場合、超微粉仮焼アルミナの添加効果
を得ることができない。添加量が20重量%を超える場
合、耐食性、溶鋼流に対する耐摩耗性は向上するが、そ
の反面溶鋼接触部の耐スポール性が低下するため、溶鋼
接触部に亀裂が多発し、溶鋼接触部の剥離やれんが内部
への地金の侵入により、れんがの損傷が大きくなると予
想され適当でない。
【0026】そして使用する炭素原料は鱗状黒鉛、人造
黒鉛、カーボンブラック、コークス粉、ピッチ粉等の公
知の炭素原料を使用することができる。炭素原料の添加
量は耐火材料全量に対し2〜12重量%が望ましい。添
加量を限定した理由は、炭素原料が2重量%未満になる
と炭素含有耐火物の耐スラグ浸潤性、耐スポール性が低
下し、また、12重量%を超える添加量では強度的に十
分なものが得られず耐摩耗性の低下や、溶鋼と接触した
場合鋼中酸素によるれんが組織の酸化が著しく大きくな
るためであり、炭素含有耐火物の特性を得ることができ
ないためである。
【0027】また、使用する耐火性原料は、ボーキサイ
ト、アンダリュサイト等のアルミナ−シリカ系の天然原
料や焼結アルミナ、電融アルミナ、スピネル、ムライト
等のアルミナ系合成原料を1種または2種以上使用す
る。しかしながら、耐火性原料の選定は、れんがの使用
条件によって決定する必要があり、特に耐火性原料を限
定するものではない。
【0028】本発明の耐火物は、以上に示した原料を所
定量配合して得られた耐火組成物に、結合剤としてフェ
ノール樹脂を2〜15重量%(耐火組成物の重量に対す
る外掛の割合)用いてウェットパン、加圧ニーダー、ハ
イスピードミキサー等の混練機で混練し、フリクション
プレス、オイルプレス、真空フリクションプレス、真空
オイルプレス、場合によっては、ラバープレス等を用い
て所定の形状に成形する。次に、得られた成形体を乾燥
した後、850〜1100℃の非酸化雰囲気下で焼成す
る。焼成の方法としては、成形体をコークス中に埋め込
んでトンネルキルン、シャトルキルンで焼成する方法
や、プロパンや灯油、重油を不完全燃焼させCO、CO
2雰囲気中で焼成する方法等が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の連続鋳造用耐火
物を更に説明する。 実施例1 焼成温度及び金属Al粉の活用について検討した。検討
はアルミナ・カーボン質れんがを試製して、耐食性と耐
スポール性を評価した。検討の結果を以下に述べる。試
料の作成は、所定の原料を配合し、結合剤としてフェノ
ール樹脂を用いて混練し、成形し、得られた成形体を乾
燥した。そして、乾燥した成形体をコークス中に埋め込
んで所定の焼成温度で還元焼成し、試料とした。この
時、焼成時の雰囲気はコークスにより酸素が遮断された
状態で、非酸化雰囲気となる。耐食性の評価は、転炉ス
ラグでのスラグ侵食テストを行い、テスト後の侵食量を
比較品を100として指数評価した。また、耐スポール
性の評価は、試料表面をバーナーによって急加熱し、亀
裂の発生の有無を目視観察した。
【0030】検討A Al金属粉添加品で焼成温度の検討を行った。表1のA
に検討結果を示す。その結果、A1〜A4(A3及びA
4は本発明品である)の耐食性は比較品比較1に比べ優
れている。また、焼成温度が高くなるにつれて耐食性が
向上するが、焼成温度が1100℃を超えると(A5)、
かえって耐食性は低下する傾向がある。次に、600℃
での酸化テストを行い、A1〜A5の中間温度領域での
耐酸化性を評価した。評価は、酸化後圧縮強度(MPa)
を測定し、形成された酸化層の崩壊状況を観察した。そ
の結果、図1に示すように焼成温度を高くすることによ
り、600℃での酸化後強度が向上する。強度測定にお
いて、650℃、800℃で焼成したA1及びA2は酸
化層が脆く崩れたのに対し、800℃以上で焼成したA
3〜A5は、650℃、800℃で焼成したA1及びA
2のような酸化層の「脆さ」は認められなかった。従っ
て、Al金属粉を添加は、800℃を超える焼成温度で
焼成することで、Al金属粉添加不焼成プレートでの問
題であった中間温度領域での酸化層の「脆さ」を解決す
ることができる。以上の結果から、耐食性、中間温度領
域での耐酸化性等から焼成温度としては、850℃〜1
100℃が望ましいことが判った。
【0031】
【表1】
【0032】検討B Al金属粉の添加量について調査した。表1のBに検討
結果を示す。その結果、Al金属粉添加の増加により、
耐食性は向上する。しかし、添加量の増加は弾性率の増
加を招き、耐スポール性の低下を招く傾向がある。
【0033】検討C Al金属粉の粒度構成について調査した。表1のCに検
討結果を示す、ここで、粒度0.2mm以上の金属Al
粉を(A)、粒度0.2mm〜0.1mmの金属Al粉を
(B)とする。その結果、(A)と(B)の重量比(A/B)の
増加により耐食性は低下し、A/B=3を超えると比較
品とほぼ同等の耐食性になる。また、A/B=1未満の
場合、金属Al粉の粒度が細かくなるほど耐食性は向上
するが、耐スペール性が著しく低下するため、目的とす
る用途には適正でないと言える。よって金属Al粉の添
加において、その構成はA/B=1〜3の範囲内が好ま
しいことが判る。
【0034】実施例2 Al金属粉とSi金属粉を併用した場合の焼成温度と耐
消化性の関係を調査した。試料の作成は、表2に示すよ
うに所定の原料を配合し、フェノール樹脂を結合剤とし
て用いて混練後、1000kgf/cm2の圧力でφ5
0mm×50mmの形状に成形した。その後、乾燥し、
コークス中に埋め込んで800℃から1500℃の各温
度で焼成した。
【0035】
【表2】
【0036】消化試験は、試料をオートクレーブを用い
て水蒸気圧980MPa、105℃/3時間の条件で行
い、評価は、試験後の試料の亀裂発生状況を目視観察し
た。消化試験の結果を図2に示す。その結果、図2に示
すようにAl金属粉とSi金属粉の金属添加量総量にお
いて、Si金属粉量が40%未満の場合(A、B、C)、
耐消化性は、焼成温度に関係なく非常に悪い。しかし、
Si金属粉量が40%以上(D、E及びF)では、焼成温
度によって若干微亀裂の発生が認められるが、適正な焼
成温度で焼成することで耐消化性の低下を防止すること
ができることが判る。
【0037】実施例3 超微粉仮焼アルミナの添加効果について調査した。検討
方法は実施例1と同様である。表3に検討結果を示す。
【0038】
【表3】
【0039】その結果、超微粉仮焼アルミナ添加量の増
加とともに耐食性は向上し、超微粉仮焼アルミナの活用
は耐食性向上に効果があることが判る。しかし、添加量
の増加により、耐スポール性が低下する傾向があり、必
要以上の添加は望ましくないといえる。
【0040】実施例4 実施例1ないし3の検討結果を基に、アルミナ・カーボ
ン質れんがを試作し、実炉テストを行った。試作したれ
んがの品質を表4に示す。試作は、表4に示す原料を配
合し、フェノール樹脂を用いて混練し、230mm×1
14mm×65mm形状に成形し、乾燥した後、非酸化
雰囲気下(コークス中に埋め込む)、900℃の焼成温度
で焼成した。表4で示すように本発明品は比較品に比べ
品質が優れている。本発明品1と比較品3及び4につい
て熱間強度特性を調査した。比較品3は、Al金属粉添
加の不焼成プレート材質で、比較品4は、従来使用の焼
成プレート材質である。
【0041】
【表4】
【0042】その結果、図3に示すように、従来材質の
熱間強度特性は、高温において強度が低下する傾向があ
るが、Al金属粉添加品(本発明品1と比較品3)は、高
温での強度低下がなく、そして本発明品1は、比較品3
に比べ強度が高い。従って、本発明品は従来の熱間強度
特性を改善し、向上させていることが判る。また、本発
明品1と比較品3及び4を鋼中酸素濃度の高い鋼種(酸
素濃度100〜200ppm)での操作が多いA社にて
取鍋スライドバルブプレートとして使用した。その結
果、比較品3、4は溶鋼接触部の溶損が激しく、耐用は
最高3チャージ(以下、chと表す)が限界であったが、
本発明品1は比較品に比べ面損傷が低減し、4chの安
定使用が可能になり、耐用が向上した。次に、本発明品
2をB社の取鍋用スライドバルブ下ノズルとして使用し
た。その結果、比較品5は溶損が大きく、3chが使用
の限界であった。しかし、本発明品2の適用により、4
chの安定使用が可能になった。
【0043】
【発明の効果】本発明の連続鋳造用耐火物は、長時間使
用や溶鋼中の酸素濃度の高い鋼種などに対応できる高耐
食性並びに耐スポール性を有し、スライドバルブ用プレ
ート、鋳造用ノズルなどに適した耐火物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の検討Aで得られた耐火物の焼成温度
(℃)と600℃3時間酸化後の圧縮強度(MPa)の関係
を示すグラフである。
【図2】実施例2において得られた耐火物A〜Fの金属
Al粉と金属Si粉の総量中の金属Si粉の割合(%)と
耐消化性の関係を焼成温度(℃)毎にまとめた結果であ
る。
【図3】実施例4で得られた耐火物の各測定温度(℃)に
おける熱間曲げ強度(MPa)を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度0.2mm以上の金属Al粉(A)と
    粒度0.2〜0.1mmの金属Al粉(B)とをA/B=1
    〜3の構成比で1〜8重量%、金属Si粉を0.5〜6
    重量%の範囲の量でかつ金属Al粉と金属Si粉の合計
    量の40重量%以上の量、粒度が10μm以下の超微粉
    仮焼アルミナを3〜20重量%、炭素原料を2〜12重
    量%、残部が耐火性原料なる耐火組成物及び該耐火組成
    物に対して外掛で2〜15重量%の結合剤から構成さ
    れ、非酸化性雰囲気中で焼成されていることを特徴とす
    る連続鋳造用耐火物。
  2. 【請求項2】 粒度0.2mm以上の金属Al粉(A)と
    粒度0.2〜0.1mmの金属Al粉(B)とをA/B=1
    〜3の構成比で1〜8重量%、金属Si粉を0.5〜6
    重量%の範囲の量でかつ金属Al粉と金属Si粉の合計
    量の40重量%以上の量、粒度が10μm以下の超微粉
    仮焼アルミナを3〜20重量%、炭素原料を2〜12重
    量%、残部が耐火性原料なる耐火組成物に、外掛で2〜
    15重量%の結合剤を混練し、所定の形状に成形した
    後、850〜1100℃の温度で、非酸化性雰囲気中で
    焼成することを特徴とする連続鋳造用耐火物の製造方
    法。
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