JPH06205647A - 稚仔魚用粒状飼料の製造法 - Google Patents

稚仔魚用粒状飼料の製造法

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JPH06205647A
JPH06205647A JP5002543A JP254393A JPH06205647A JP H06205647 A JPH06205647 A JP H06205647A JP 5002543 A JP5002543 A JP 5002543A JP 254393 A JP254393 A JP 254393A JP H06205647 A JPH06205647 A JP H06205647A
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雅志 西岡
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良次 青山
Koichi Sakamoto
浩一 坂本
Kenzo Kokubo
健三 小久保
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 飼料粉末原料に、油、水及び親水性非イオン
界面活性剤を主成分とする乳化液を添加混合した後、押
し出し造粒して稚仔魚用粒状飼料を製造する。 【効果】 粘結剤を特に用いずとも、崩壊しにくく、ま
た栄養成分含量が高く、かつ消化・吸収性に優れ、しか
も優れた沈降速度を有しかつ長期間安定な沈降率を保持
する稚仔魚用粒状飼料を収率良く提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は稚仔魚用粒状飼料の製造
法、更に詳細には特に粘結剤を用いずとも造粒すること
のできる粒状飼料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、稚仔魚用の飼料としては、顆粒状
飼料が一般的であり、その製造法は飼料粉末にカルボキ
シメチルセルロース等の粘結剤を混合し、これに水を噴
霧して攪拌造粒する方法や飼料粉末に粘結剤を溶解した
水を噴霧して攪拌造粒する方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】斯かる従来法に於て
は、所定の粒径の顆粒を得るために何れも粘結剤が必要
とされているが、カルボキシメチルセルロースのように
消化されない粘結剤を用いると一粒中の栄養成分の絶対
量が少なくならざるを得ないと云う問題があると共に、
他の栄養成分の消化・吸収も阻害されると云う難点があ
った。
【0004】また、粒径の大きな飼料を得るためには、
より多量の粘結剤を添加しなければならないが、粘結剤
の量を多くすると顆粒の硬度が高くなると共に、水に投
入した際の沈降速度が速くなる結果、稚仔魚の摂餌性が
悪くなると云う問題があった。加えて従来法によっては
同時に粒径の小さな顆粒もできてしまうため1000μ
m以上の比較的粒径の大きな飼料を収率良く製造するこ
とは困難なのが実状であった。
【0005】更に、上記の如き従来の攪拌造粒法によっ
て得られた飼料は、成分が相互に軽く結合しているだけ
なので、粒径の小さな飼料の製造に適する反面脆く、崩
壊し易いという欠点もあった。
【0006】そこで、本発明者は以上の如き従来の諸問
題を解決すべく、種々研究を重ねた結果、飼料粉末原料
に、親水性非イオン界面活性剤を含有する乳化液を添加
して押し出し造粒すれば、粘結剤を特に用いずとも、壊
れにくくかつ優れた沈降速度を有する広範囲の粒径の粒
状飼料を収率良く製造することができることを見い出
し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は飼料
粉末原料に、油、水及び親水性非イオン界面活性剤を主
成分とする乳化液を添加混合した後、押し出し造粒する
ことを特徴とする稚仔魚用粒状飼料の製造法である。
【0008】本発明に於て、飼料粉末原料としては一般
の稚仔魚用飼料が使用され、例えばオキアミミール、イ
カミール、魚粉、α化澱粉、ビタミンミックス、ミネラ
ルミックス等が挙げられる。
【0009】本発明に用いられる乳化液は、油、水及び
親水性非イオン界面活性剤を主成分とするものである。
ここに油としては例えばタラ肝油、イワシ油、牛脂、豚
脂等の動物性油脂;大豆油、ナタネ油、ヤシ油等の植物
性油脂等が挙げられる。また、親水性非イオン界面活性
剤としては例えばショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、就中HLB8
〜15のものが好ましい。なお界面活性剤として親油性
非イオン界面活性剤を用いると、得られる粒状飼料は製
造後日数が経過するにつれて水に投入しても直ちに沈ま
ない粒が増えてくるという問題があり好ましくない。
【0010】乳化液の各成分の配合割合は、油1〜60
重量%(以下単に「%」で示す)、水98.9〜30%
及び親水性非イオン界面活性剤0.1〜10%が好まし
く、乳化液はこれら成分を混合することによって調製さ
れる。
【0011】本発明方法は上記の如き飼料粉末原料と乳
化液とを、例えば縦型攪拌機(シュギミキサー)、横型
攪拌機(スーパーターボ)、バッチ式攪拌機(スピード
ミキサー、レディゲミキサー)等を使用して攪拌混合し
た後、押し出し造粒機で500〜5000μm 、好まし
くは1000〜2000μm の孔径で押し出し、必要に
応じて更に整粒機で整粒した上、流動層によって乾燥、
篩い分けすることによって実施される。
【0012】尚、ここに乳化液の添加量は、飼料粉末原
料に対し10〜50%になるようにするのが好ましい。
また本発明においては、粘結剤を適宜配合することは妨
げない。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。
【0014】実施例1 飼料粉末原料 100(重量部) オキアミミール (64) イカミール (20) 魚粉 (10) ビタミンミックス (4) ミネラルミックス (2) 乳化液 25(重量部) いわし油 (4.5) 水 (19.0) ショ糖ラウリン酸エステル(HLB 15) (1.5)製法 スーパーターボの投入口より前記飼料原料を200kg/
時の割合で供給すると共に、液体供給口より前記乳化液
を飼料原料に対して25%加え、更に適量の水を添加し
て攪拌混合した。次に得られた混合物を押し出し造粒機
に投入して押し出し、更に整粒機で整粒した後、流動層
乾燥機で135℃で15分間乾燥して粒状飼料(粒径1
500μm )を製造した。
【0015】比較例1 乳化液を添加配合しなかった以外は実施例1と同様にし
て粒状飼料を製造した。
【0016】比較例2 ショ糖ラウリン酸エステルに代えてショ糖ステアリン酸
エステル(HLB 1)を用いた以外は実施例1と同様
にして粒状飼料を製造した。
【0017】比較例3 実施例1に記載の飼料粉末原料96重量部に、粘結剤と
してカルボキシメチルセルロース4重量部を加え、シュ
ギミキサーに200kg/時の割合で供給するとともに、
親水性非イオン界面活性剤としてショ糖ステアリン酸エ
ステル(HLB15)を使用した乳化液を飼料原料に対
して25%加え、更に適量の水を添加して攪拌造粒し、
その後流動層によって乾燥して顆粒状飼料を製造した。
【0018】試験方法 ・沈降速度試験 1リッターのメスシリンダー(高さ40cm)に3.5%
食塩水を入れ、投入した飼料がメスシリンダーの中間部
の24cmの距離を通過する時間を測定して算出した。 ・沈降試験 1リッターのメスシリンダーに3.5%食塩水を入れ、
飼料投入後60秒間に沈んだ飼料の割合(以後沈降率と
称す)を調べた。製造当日、翌日及び1週間後に試験を
し、経時変化を調べた。 ・保形性 親指と人指し指で飼料をつまんで、保形性を調べた。 ○:指先に力を入れないと壊れない。壊れ方も、割れる
だけで粉状にはならない。 ×:指をこすり合わせると簡単に崩れて粉になってしま
う。
【0019】以上の試験結果は表1の通りであった。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかな如く、実施例1の粒状飼
料、比較例2の粒状飼料及び比較例3の顆粒状飼料はゆ
っくりと沈降したが、比較例1の界面活性剤を使用しな
い粒状飼料は直ちに沈降してしまった。界面活性剤とし
て親油性非イオン界面活性剤を用いた比較例2の粒状飼
料は、製造当日は100%沈んでいたにもかかわらず、
翌日から沈降率が減少し始め、1週間後には全く沈まな
くなってしまった。
【0022】
【発明の効果】本発明方法によれば、粘結剤を特に添加
せずとも成分相互の結合が強固で崩壊しにくい粒径50
0〜5000μm 特に1000〜2000μm の粒状飼
料を収率良く製造することができるので、当該飼料一粒
中の栄養成分の含量を高めると共に、消化・吸収性に優
れた飼料を提供することができる。
【0023】しかも、得られた粒状飼料は、沈降率が経
時的に変化することもなく、長期間安定にかつ優れた沈
降速度を保持するので、稚仔魚の摂餌性を向上せしめる
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飼料粉末原料に、油、水及び親水性非イ
    オン界面活性剤を主成分とする乳化液を添加混合した
    後、押し出し造粒することを特徴とする稚仔魚用粒状飼
    料の製造法。
  2. 【請求項2】 乳化液が、油1〜60重量%、水98.
    9〜30重量%及び親水性非イオン界面活性剤0.1〜
    10重量%から成るものである請求項1記載の稚仔魚用
    粒状飼料の製造法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997042836A1 (en) * 1996-05-10 1997-11-20 Aquatic Feeds Aps Dry fish feed and method of preparing same
JP2009189244A (ja) * 2008-02-08 2009-08-27 Mitsubishi-Kagaku Foods Corp 養魚用固形飼料
CN111296688A (zh) * 2020-03-20 2020-06-19 四川省农业科学院经济作物育种栽培研究所 适用于鱼生长的芦笋饲料
CN118452375A (zh) * 2024-07-11 2024-08-09 中慧农牧股份有限公司 一种用于饲料的生产方法

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CN118452375A (zh) * 2024-07-11 2024-08-09 中慧农牧股份有限公司 一种用于饲料的生产方法

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