JPH0620509Y2

JPH0620509Y2 - 医療廃棄物専用容器

Info

Publication number: JPH0620509Y2
Application number: JP1990034690U
Authority: JP
Inventors: 俊雄安達
Original assignee: ヒロシン物産株式会社; 千代田紙工業株式会社
Priority date: 1990-04-01
Filing date: 1990-04-01
Publication date: 1994-06-01
Anticipated expiration: 2004-06-01
Also published as: JPH03126126U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、医療機関において使用される医療廃棄物専用
容器に関するものである。

（従来の技術）近年、医療機関から排出される医療廃棄物には、使用済
みの注射針、採血針、血の付いたガーゼ、脱脂綿、実
験、検査等に使用した試験管等感染症を誘発する恐れの
ある感染性廃棄物が含まれている。これらの感染性廃棄
物が他の廃棄物に混入している場合には、医療従事者、
清掃作業者等に危険が及ぶ恐れがあることから、医療廃
棄物については他の廃棄物と分別して排出することが要
求されている。

そこで、医療廃棄物を収納する医療廃棄物専用容器（以
下容器という）が各種提案され、例えば、注射針、採血
針等が貫通しないように内箱を外箱に収容して二重構造
とし、液もれがないように内箱をミルクカートン紙で形
成したものが提案されている。

（考案が解決しようとする課題）ところが、上記提案の容器は、内箱と外箱との二重構造
からなるものではあるが、内箱がミルクカートン紙で形
成されているため、例えば注射針が投げ入れられた場合
には、注射針が内箱を簡単に貫通し、外箱まで貫通する
恐れがある。

また内箱の底部が４隅においてステッチ等で締結して形
成されているため、ガーゼ、脱脂綿等に付着した液体が
底部に溜まった際には、上記締結した部分から液もれが
生じる恐れがある。

さらに、容器としては、除菌・防臭処理をし得るもので
あることが要求されており、そのため内箱の底部には除
菌・防臭剤が入れられているが、特に上方に逃げる臭に
ついては消去することができず、除菌・防臭効果の低い
ものとなっている。

以上ように、上記提案の容器については、耐貫通性、防
水性及び除菌・防臭性等が必ずしも充分とはいい難い状
況である。

本考案は、上記従来の状況に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は耐貫通性、防水性及び除菌・防臭性に優
れた容器を提供することにある。

（課題を解決するための手段）上記課題を解決するため、本考案では、防水処理された
ダンボールからなる内箱を除菌・防臭袋に入れた状態で
ダンボールからなる外箱に収容するようにしている。

内箱は、胴部と底部とが別体に形成され、底部が矩形状
のダンボールの四辺を所定巾で折り曲げるとともに、四
隅を内側に折り曲げて継ぎ目のない皿状に形成されてい
る。

（作用）上記のように構成されていることにより、内箱に所定量
の血液等の液体が入れられたとしても、内箱の底部で保
持することができ、内箱からの液もれが防止される。ま
た、底部の液体が所定量以上になり、内箱から液もれが
生じたとしても、内箱を包む除菌・防臭袋によって保持
され、外箱への液もれが防止される。すなわち、内箱と
除菌・防臭袋とにより二重の防水が行われるため、容器
からの液もれはほぼ防止される。

また、注射器等が投げ入れられた場合であっても、内箱
のダンボールの耐貫通性が高いため、内箱を貫通するこ
とはほとんどなく、まして、外箱を貫通することはな
く、さらに内箱が除菌・防臭袋に入れられいるため、内
箱内から上昇する臭は除菌・防臭袋により除去されるこ
とになる。

（実施例）本考案の実施例を図を参照して説明する。

第１図〜第３図は本考案の容器を説明する図で、図に示
す容器は、内箱２、除菌・防臭袋３、外箱４及び天パッ
ト５からなっている。内箱２は、胴部６と底パット７と
が別体に形成され、使用時に両者を組み合わせるように
なっている。胴部６は、ダンボールを折り曲げ、端部を
ステッチ等により固定し、角筒状に形成されている。

底パット７は、第４図に示すように矩形状のダンボール
の各辺に沿って折り曲げ溝7aを形成し、各隅部に裏面側
のライナを残すように切目7bを形成し、折り曲げ溝7aを
折り曲げるとともに各隅部の切目7bを内方に三角形状に
折り曲げて皿状に形成されている。底パット７は、各隅
部についてもダンボールの裏面側のライナでつながって
いるため、継ぎ目のない、すなわち隙間のない構造とな
っている。また、折り曲げることによって形成されてい
るため、各辺部間に弾力性が生じ、胴部６への組付けは
底パット７を単に押し込むことによって行われ、内箱２
を簡単に組み立てることができる。

胴部６及び底パット７に使用するダンボールは、両面に
溶融状のパラフィンを吹き付けた、いわゆる蝋付けされ
たものであり、防水性に優れていることは勿論のこと、
蝋付けによりダンボールの強度が高められることから、
注射針等の貫通をも充分に阻止し得るようになってい
る。なお、ダンボールの両面にプラスチックフィルム、
アルミ箔等の防水性に優れたフィムをラミネートしたも
の、防水剤を添加して抄紙された原紙により成形された
もの等であってもよい。

除菌・防臭袋３は、内側面に脱臭剤を練り込んだポリエ
チレンフィルムからなるポリ袋であるが、除菌・防臭処
理され、防水性に優れた素材からなるものであれば、ど
のようなものであってもよいが、薄く柔軟で、しかも強
度の高いものであることが好ましい。

外箱４は、ダンボールからなり、内箱２より高く形成さ
れ、廃棄物投入口8aを有する中ブタ８が内箱２の上端に
当接するように形成されており、内箱２の上方に空間部
が確保されている。

また、外箱４の第１補助フラップ９には第１握片9aが設
けられ、第２補助フラップ１０には第２及び第３の握片
10a,10bが設けられ、例えば第８図のＤ工程に示すよう
に各握片9a,10a,10bを重ね合わせ、フラップ１１の開口
部と係合することによって、外箱４の上部中央に握部を
形成するようになっている。これにより、持ち運びし易
くなっている。さらに、底板１２は、第１底板片12aと
第２底板片12bとを接合し、第３底板片12cと第４底板片
12dとを接合し、接合したもの相互については分離、結
合可能となっている。これにより、保管時には第７図に
示すように折り畳んだ状態で保管することができ、保管
スペースのいらない構造になっている。

天パット５は、内箱２の上面を覆う平板状の部材で、内
箱２と同様に防水処理されたダンボールで形成されてい
る。

第１〜３図で示す容器１は、上記のように構成されてお
り、例えば第８図に示す組立て工程により組立てられ
る。

まず、(A)の工程では、胴部６と底パット７とを組み合
わせて内箱２を形成する。底パット７がダンボールを折
り曲げて形成したものであることから、各辺部が弾力性
を備えているため、何等固定手段を必要とせずワンタッ
チで組み合わせることができる。

(B)の工程では、組み合わせられた内箱２を除菌・防臭
袋３に入れ、この袋３の口側を内箱２内に収納する。

(C)の工程では、除菌・防臭袋３に入った内箱２を外箱
４に装着し、外箱４の内ブタ８を図に示すように折り曲
げ、内箱２の上面に押し当てる。しかる後、中ブタの廃
棄物投入口8aから除菌・防臭袋３の口側を引き出し、こ
の袋３内に天パットを入れて廃棄物投入口8aいいかえれ
ば内箱２を覆う。

(D)の工程では、除菌・防臭袋３の口側を天パットを包
み込むように折り重ね、外箱４の各補助フラップ9,10を
内側に折り曲げるとともに各握片9a,10a,10bを組み合わ
せる。

(E)の工程では、フラップ１１を開き、各握片9a,10a,10
bを組み合わせた握部をフラップ１１の開口部に係合
し、上方に突出させる。

以上のようにして、組み立てられるが、使用時には、第
８図に示す(C)の工程から第９図に示すようにフラップ
１１、各補助フラップ9,10を外側に折り曲げ、外箱４の
上面を包み込むように除菌・防臭袋３を押し広げて使用
する。そして、一杯になった際には、天パット５で覆
い、除菌・防臭袋３を重ね合わせ、又は閉じて第８図に
示す(D)の工程を経て(E)の工程のようにフラップ１１を
閉じる。

しかる後、焼却施設、又は産業廃棄物処理業者に引き渡
し、焼却処理されることになる。

本実施例の容器１は、上記のように構成されていること
から、耐貫通性、防水性及び除菌・防臭性に優れたもの
であるとともに、さらに下記の効果を奏する。

内箱の胴部６、外箱４及び除菌・防臭袋３は折り畳ん
だ状態で保管でき、また内箱の底パット７及び天パット
５がほぼ平板状であるため、いずれの部材も保管スペー
スを必要としない。

また、各部材とも簡単に使用状態にすることができ、
簡単かつ迅速に容器１に組み立てることができる。

除菌・防臭袋３を除いては、全てダンボールで形成し
たものであり、しかも除菌・防臭袋３の量は僅かである
ため、焼却上何等問題がなく、焼却処理することができ
る。

握部が設けられているため、容器１の運搬が簡単であ
る。また、車輌に積載する場合には、内箱２の上方に空
間部が設けられているため、握部が押し下げられ、車両
への積載も容易に行うことができる。

運搬中に外箱のフラップ１１を押し下げることがあっ
ても、内箱２とフラップ１１との間には、天パット５、
各補助フラップ９，１０があり、しかも空間部が設けら
れているため、注射針等が貫通する恐れがなく、安全に
運搬することができる。

なお、本考案は、本実施例における内箱の底パット７に
第１０図に示すようにクッション材１３を装着するよう
にしたものであってもよく、注射針等の貫通をより確実
に防止し得るとともに、底パット７に溜った液体を良好
に保持し、運搬時における内箱２からの液もれを防止し
得る。

また、内箱２を第１１図及び第１２図に示すように胴部
６と底パット７とを一体に形成し、底パット７の各辺を
外側に折り曲げて上げ底状に組み立て、しかも底パット
７にクッション材１３を装着するようにしたものでもよ
い。これにより、第１２図に示すように万一注射針等が
クッション材１３、底パット７を貫通したとしても、除
菌・防臭袋３を傷付けることが防止でき、貫通に伴う液
もれを防止することができる。

（考案の効果）本考案によれば、内箱が防水処理されたダンボールから
なり、底部が継ぎ目のない皿状に形成され、しかも除菌
・防臭袋に入れられていることから、二重の防水が行わ
れ、確実に液もれを防止することが可能となった。

また、耐貫通性の面からみれば、内箱と外箱との二重構
造となっており、しかも内箱がダンボールからなってい
ることから、注射針等の貫通を防止することが可能とな
った。

さらに除菌・防臭袋に内箱が入っていることから、上昇
する臭を除去することが可能となった。以上のように耐
貫通性、防水性及び除菌・防臭性等に優れた容器を得る
ことが可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器の縦断面図で、第２図のＩ−Ｉ線
拡大断面図に相当する。第２図は本考案の容器の組立状
態における全体斜視、第３図は第２図のIII−III線拡大
断面図、第４図は内箱の底パットの組立工程図、第５図
は外箱の展開図、第６図は外箱の組立状態の説明図、第
７図は外箱の保管状態図、第８図は容器の組立工程図、
第９図は容器の使用状態の説明図、第１０図は本考案の
第２実施例の説明図、第１１図は本考案の第３実施例の
説明図、第１２図は第１１図に示すものの縦断面図であ
る。１……医療廃棄物専用容器（容器）、２……内箱、３…
…除菌・防臭袋、４……外箱、６……内箱の胴部、７…
…内箱の底パット、７ａ……底パットの折り曲げ溝、７
ｂ……底パットの切目。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】防水処理されたダンボールからなる内箱
と、この内箱を入れる除菌・防臭袋と、内箱を除菌・防
臭袋に入れた状態で収容するダンボールからなる外箱を
備え、内箱は胴部と底部とが別体に形成され、底部が矩
形状のダンボールの四辺を所定巾で折り曲げるととも
に、各隅部を内側に三角形状に折り曲げて継ぎ目のない
皿状に形成されたものであることを特徴とする医療廃棄
物専用容器。