JPH06204Y2 - 造型機の砂吹込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、型砂を金型内に吹き込んで鋳型を造型するブ
ローイング式造型機の砂吹込装置の改良に関する。

（従来の技術） 従来より、この種の砂吹込装置として、例えば実開昭６
０−１９０４４５号公報に開示されているように、ブロ
ータンク側壁に開口部を形成し、該開口部に容積調節部
材を脱着可能に取り付けることにより、金型内の容積に
応じて上記ブロータンク内の圧縮空気空間と砂堆積空間
との容積を調節するようにしたものが知られている。

一方、ブロータンク内に導入された型砂金型内に吹き込
むべく圧縮空気を上記ブロータンク内に供給する圧縮空
気供給管と、型砂を金型内に吹き込んだ後、ブロータン
ク内に供給された圧縮空気をブロータンク外に排出する
圧縮空気排出管とを１つの圧縮空気供給排出管でもって
兼用しているタイプの砂吹込装置も従来より知られてい
る。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記の公報例の砂吹込装置では、圧縮空気を
ブロータンク内に供給する圧縮空気供給管は、通常、ブ
ロータンクの上壁に１箇所だけ設けられていることか
ら、該圧縮空気供給管から吹き出される圧縮空気をブロ
ータンク内の型砂に均一に供給し難く、このため、型砂
の金型内への充填密度が落ち、造型された鋳型に欠肉等
の欠陥を生ずるおそれがあった。

また、上述の如き圧縮空気供給管と圧縮空気排出管とを
１つの圧縮空気供給排出管でもって兼用しているタイプ
の砂吹込装置では、型砂吹込み時、ブロータンク内に導
入されている型砂が、ブロータンク内に供給された圧縮
空気によって舞い上がり、ブロータンク内が砂嵐状態と
なることから、その後、ブロータンク内の圧縮空気をブ
ロータンク外に排出すべく切換バルブを切換え操作する
と、上記舞い上がった型砂が圧縮空気供給排出管に竜巻
状に流れ込み、切換バルブが損傷するという問題があっ
た。

さらには、この切換バルブの損傷を防止するには、ブロ
ータンクの容積を大きくして圧縮空気供給排出管と型砂
との距離を長くする必要があるが、この場合には、圧縮
空気の供給排出に長時間を要して造型サイクルタイムが
長くなるという問題もある。

本考案はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、上述の如く圧縮空気供給管と圧縮
空気排出管とを１つの圧縮空気供給排出管でもって兼用
し、かつこの圧縮空気供給排出管の構造を改良するとと
もに、圧縮空気供給排出管とブロータンク内に導入され
た型砂との間に適切な手段を講ずることにより、上記圧
縮空気供給排出管から吹き出される圧縮空気をブロータ
ンク内の型砂に均一に供給せしめて欠肉等の欠陥のない
鋳型を確実に造型するとともに、型砂吹込み時にブロー
タンク内で舞い上がった型砂が圧縮空気供給排出管に流
れ込むのを制止して、圧縮空気の供給排出を切り換える
切換バルブの損傷を確実に防止せんとすることにある。
さらには、圧縮空気の供給排出を短時間に行わしめて造
型サイクルタイムの短縮化を図らんとすることにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案は、型砂を金型内に
吹き込んで鋳型を造型するブローイング式造型機の砂吹
込装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。

すなわち、本考案の解決手段は、上記金型内に吹き込ま
れる型砂が導入されるブロータンクを金型の上面に接続
する。さらに、上記型砂をブロータンク内に導入する砂
導入管をその先端側が上記ブロータンク内に臨むように
配置する。また、該ブロータンク内に導入された上記型
砂の上面を所定間隔をあけて覆う遮蔽部材を、上記ブロ
ータンク内の砂導入管先端周りにブロータンク内を上下
に区分するようにかつブロータンク側壁と全周に亘って
所定間隔があくように配置する。加えて、環状の圧縮空
気供給排出管を上記ブロータンク内の遮蔽部材上方に上
記砂導入管を囲むように配置し、型砂吹込み時、圧縮空
気をブロータンク側壁に沿って型砂の外周全体に均一に
吹付け供給する一方、型砂吹込み後、ブロータンク内の
圧縮空気をブロータンク外に排出する多数の供給排出口
を、ブロータンク壁面に向かって開口するように上記圧
縮空気供給排出管の全周に亘って形成するようにしたこ
とを特徴とする。

（作用） 上記の構成により、本考案では、型砂吹込み時、圧縮空
気が環状の圧縮空気供給排出管を介してブロータンク内
に供給され、該ブロータンク内に砂導入管から導入され
た型砂が金型内に吹き込まれる。

この場合、上記圧縮空気供給排出管には、多数の供給排
出口がブロータンク壁面に向かって開口するように全周
に亘って形成されていることから、上記圧縮空気供給排
出管に達した圧縮空気は、上記各供給排出口からブロー
タンク壁面に向かって一斉に吹き出され、ブロータンク
側壁に沿って型砂の外周全体に均一に吹付け供給され
る。

したがって、型砂の金型内への充填密度が十分に確保さ
れ、造型された鋳型の欠肉等の欠陥が生ずるのが確実に
防止されることとなる。

また、型砂吹込み後、上記ブロータンク内の圧縮空気が
圧縮空気供給排出管を介してブロータンク外に排出され
る。

この場合、ブロータンク内の上記砂導入管先端周りに
は、遮蔽部材が上記型砂の上面を所定間隔をあけて覆う
ように配置され、しかもこの遮蔽部材は、ブロータンク
内を上下に区分するようにかつブロータンク側壁と全周
に亘って所定間隔があくように配置されていることか
ら、型砂吹込み時における型砂の圧縮空気による舞上が
りが上記遮蔽部材によって抑制され、これにより圧縮空
気排出時における型砂の圧縮空気供給排出管への流入が
制止され、よって圧縮空気の供給排出を切り換える切換
バルブの型砂流入による損傷が確実に防止されることと
なる。

さらには、上記遮蔽部材がブロータンク内に配置される
ことにより、該ブロータンクの空間容積が実質的に少な
くなり、これにより圧縮空気の供給排出が短時間に行わ
れて造型サイクルタイムの短縮化が図られることとな
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図はブローイング式造型機の本考案の一実施例に係
る砂吹込装置Ａを示し、１は上型２と下型３とからなる
金型、４は該金型１の上型２上面に接続されたブロータ
ンク４である。

該ブロータンク４の中央には、上下方向に延びる外筒５
と、該外筒５に上下方向へ移動可能に嵌挿され、下端に
テーパ膨出部６ａを有するロッド６とからなる砂導入管
７が、その先端（下端）側がブロータンク４内に臨むよ
うに配置され、図示しないホッパに投入された型砂８を
上記ロッド６の下方移動によりブロータンク４内に導入
するようになされている。そして、該ブロータンク４内
に導入された型砂８は、ブロータンク４下壁側に配置さ
れた板材９の孔部９ａ，９ａ，…と、ブロータンク４下
壁に形成された孔部４ａ，４ａ，…と、上記上型２に形
成され、上記ブロータンク４下壁の各孔部４ａに連通す
る吹込孔２ａ，２ａ，…とを経て金型１内に吹き込まれ
るようになされている。

また、上記ブロータンク４内の砂導入管７先端周りに
は、複数（図では１つのみ表われる）の筒状支持部材１
０，１０…でブロータンク４側壁内面に支持された円盤
状の遮蔽部材１１が、ブロータンク４内を上下に区分す
るようにかつブロータンク４側壁と全周に亘って所定間
隔があくように配置されている。さらに、この遮蔽部材
１１の下面１１ａは中央部が凹陥するテーパ面に形成さ
れ、上記砂導入管７からブロータンク４内に導入された
上記型砂８の上面を、上記遮蔽部材１１の下面１１ａで
所定間隔をあけて覆うようになされている。

そして、この遮蔽部材１１により、型砂８に対して圧縮
空気をブロータンク４側壁全周から供給し得るようにす
るとともに、型砂８吹込み時における型砂８の圧縮空気
による舞上がりを制止するようになされている。

さらに、上記ブロータンク４内の遮蔽部材１１上方に
は、円環状の圧縮空気供給排出管１２が上記砂導入管７
を囲むように配置され、該圧縮空気供給排出管１２に
は、第２図に示すように、多数の供給排出口１２ａ，１
２ａ，…が、ブロータンク４上壁に向かって開口するよ
うに所定間隔をあけて全周に亘って形成されている。ま
た、上記圧縮空気供給排出管１２には配管１３が接続さ
れ、該配管１３は途中が２股に分岐し、その一方（第１
図で左側）の第１分岐管部１３ａは図示しない圧縮空気
供給源に接続されている一方、他方（第１図で右側）の
第２分岐管部１３ｂは大気に開放されている。さらに、
上記配管１３の分岐部には切換バルブ１４が介設され、
型砂吹込み時、該切換バルブ１４の圧縮空気供給側への
切換操作により、圧縮空気を上記配管１３の第１分岐管
部１３ａおよび圧縮空気供給排出管１２を経て各供給排
出口１２ａからブロータンク４側壁に沿って型砂８の外
周全体に均一に吹付け供給する一方、型砂吹込み後、切
換バルブ１４の圧縮空気排出側への切換操作により、ブ
ロータンク４内の圧縮空気を上記各供給排出口１２ａか
ら圧縮空気供給排出管１２および配管１３の第２分岐管
部１３ｂを経てブロータンク４外に排出するようになさ
れている。

このように、本実施例では、圧縮空気供給排出管１２を
砂導入管７を囲むように配置し、この圧縮空気供給排出
管１２に多数の供給排出口１２ａ，１２ａ，…をブロー
タンク４上壁に向かって開口するように全周に亘って形
成した。

このことから、型砂吹込み時、切換バルブ１４の圧縮空
気供給側への切換え操作により、上記圧縮空気供給排出
管１２に達した圧縮空気を上記各供給排出口１２ａから
ブロータンク４上壁に向かって一斉に吹き出させ、該ブ
ロータンク４上壁からブロータンク４側壁に沿って型砂
８の外周全体に均一に吹付け供給し得る。

したがって、型砂８の金型１内への充填密度を十分に確
保し得、造型された鋳型に欠肉等の欠陥が生ずるのを確
実に防止することができる。

また、上記実施例では、遮蔽部材１１をブロータンク４
内を上下に区分するようにかつブロータンク４側壁と全
周に亘って所定間隔があくようにブロータンク４内の砂
導入管７先端周りに配置し、しかもこの遮蔽部材１１で
型砂８上面を所定間隔をあけて覆うようにしたことか
ら、型砂吹込み後、切換バルブ１４の圧縮空気排出側へ
の切換え操作により排出される圧縮空気による型砂８の
舞上がりを上記遮蔽部材１１によって抑制し得、これに
より圧縮空気排出時における型砂８の圧縮空気供給排出
管１２への流入を阻止し、型砂８流入による上記切換バ
ルブ１４の損傷を確実に防止することができる。

さらには、上記遮蔽部材１１をブロータンク４内に配置
したので、該ブロータンク４の空間容積を実質的に少な
くし得、これにより圧縮空気の供給排出を短時間に行い
得て造型サイクルタイムの短縮化を図ることができる。

第３図は本発明の他の実施例に係る砂吹込装置Ａを示
し、この実施例では、遮蔽部材１１を金属製薄板材で構
成し、かつ該遮蔽部材１１に多数の孔部１１ａ，１１
ａ，…を形成して型砂８に作用する圧縮空気の圧力を均
一にするようにしたほかは、上記実施例と同一に構成さ
れているので、同一構成部分には同一の符号を付してそ
の詳細な説明は省略する。

したがって、この実施例においても、上記実施例と同一
の作用効果を奏することができるものである。

加えて、この実施例では、遮蔽部材１１が薄板材で構成
されているので、上記実施例の場合に比べてブロータン
ク４の上下方向の寸法を大幅に短縮することができ、こ
れにより砂吹込装置Ａのコンパクト化を図ることができ
るというメリットをも有する。

なお、上記両実施例では、圧縮空気供給排出管１２に多
数の供給排出口１２ａ，１２ａ，…を上向きに開口した
が、これに限らず、例えば斜め上方や横向きに開口する
ことも採用可能である。

また、上記後者の実施例では、遮蔽部材１１に多数の孔
部１１ａ，１１ａ，…を形成したが、孔部１１ａ，１１
ａ，…のない薄板材で構成してもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、ブロータンク内
の遮蔽部材上方に砂導入管を囲むように環状の圧縮空気
供給排出管を配置し、該圧縮空気供給排出管の全周に、
多数の供給排出口をブロータンク壁面に向かって開口す
るように形成し、圧縮空気をブロータンク側壁に沿って
型砂の外周全体に均一に吹付け供給するようにした。し
たがって、上記圧縮空気供給排出管から吹き出される圧
縮空気をブロータンク内の型砂に均一に供給せしめて欠
肉等の欠陥のない鋳型を確実に造型することができる。
また、上記ブロータンク内の砂導入管先端周りに、遮蔽
部材をブロータンク内を上下に区分するようにかつブロ
ータンク側壁と全周に亘って所定間隔があくように、し
かも型砂上面を所定間隔をあけて覆うように配置したの
で、型砂吹込み時にブロータンク内で舞い上がった型砂
が圧縮空気供給排出管に流れ込むのを防止して、圧縮空
気の供給排出を切り換える切換バルブの損傷を確実に防
止することができる。さらには、上記遮蔽部材がブロー
タンク内に配置されることにより、該ブロータンクの空
間容積を実質的に少なくし得、これにより圧縮空気の供
給排出を短時間に行い得て造型サイクルタイムの短縮化
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はブローイング式造型機の本考案の一実施例に係
る砂吹込装置を示す縦断正面図、第２図は第１図のII−
II線における断面図である。第３図は他の実施例を示す
第１図相当図である。 １…金型、４…ブロータンク、７…砂導入管、８…型
砂、１１…遮蔽部材、１２…圧縮空気供給排出管、１２
ａ…供給排出口、Ａ…砂吹込装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】型砂を金型内に吹き込んで鋳型を造型する
   ブローイング式造型機の砂吹込装置であって、 上記金型の上面に接続され、該金型内に吹き込まれる型
   砂が導入されるブロータンクと、 先端側が該ブロータンク内に臨むように配置され、上記
   型砂をブロータンク内に導入する砂導入管と、 上記ブロータンク内の砂導入管先端周りにブロータンク
   内を上下に区分するようにかつブロータンク側壁と全周
   に亘って所定間隔があくように配置され、ブロータンク
   内に導入された上記型砂の上面を所定間隔をあけて覆う
   遮蔽部材と、 上記ブロータンク内の遮蔽部材上方に上記砂導入管を囲
   むように配置され、型砂吹込み時、圧縮空気をブロータ
   ンク側壁に沿って型砂の外周全体に均一に吹付け供給す
   る一方、型砂吹込み後、ブロータンク内の圧縮空気をブ
   ロータンク外に排出する多数の供給排出口が、ブロータ
   ンク壁面に向かって開口するように全周に亘って形成さ
   れた環状の圧縮空気供給排出管とを備えてなることを特
   徴とする造型機の砂吹込装置。