JPH07155901A - 鋳造用金枠 - Google Patents

鋳造用金枠

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JPH07155901A
JPH07155901A JP5305658A JP30565893A JPH07155901A JP H07155901 A JPH07155901 A JP H07155901A JP 5305658 A JP5305658 A JP 5305658A JP 30565893 A JP30565893 A JP 30565893A JP H07155901 A JPH07155901 A JP H07155901A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の自重式と兼用可能であるとともに作業
性にすぐれたバキューム式の鋳造用金枠を得る。 【構成】 金枠11の枠壁12を貫通して、複数のガス
孔26を形成する。枠壁12の周囲には、ガス孔26に
連通するガス通路20を設ける。ガス通路20は、開閉
弁を介して負圧源に接続される。自重式の場合は通常の
ガス抜き通路となる逆止弁41によって、負圧源の故障
の際にガス通路20からのガス抜きが安全に行われる。 【効果】 バキューム方式を必要とする品物を、兼用金
枠で造型することで、通常の鋳造ラインで生産性良く鋳
造できる。ガス孔26とガス通路20とを通して金枠1
1内に負圧が導入され、金枠11内には吸引用の導管を
設ける必要がないため、この金枠11内へ模型を入れる
作業などに支障が生じることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造作業のために内部
に砂込めを行う鋳枠を構成する箱状の鋳造用金枠に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の箱状の鋳造用金枠として、鋳造
ラインに沿って複数が順次搬送されるものが知られてい
る。そして、この鋳造ラインに沿って金枠が搬送される
間に、砂込めによる造型、鋳込み、冷却、および製品の
取り出しが行われる。製品取り出し後の金枠は、再び鋳
造ラインの始端部に戻される。
【0003】そのうちの金枠内での造型作業に関し、従
来は、金枠に振動を付与しながら自重によって砂を固め
る、いわゆる自重式のものが主体となっている。この自
重式の金枠では、枠の全周に多数のガス孔が形成され
て、鋳込み時に発生するガスを枠外に放出している。
【0004】ところで近年、精密造型方式として、吸引
式のいわゆるバキューム方式が提案されている。これ
は、金枠内に吸引用の導管を数本配置することで、この
金枠内に負圧を導入し、この負圧の作用によって砂を固
めようとするものである。このバキューム方式によれ
ば、枠内で砂が良好に圧密されるために、鋳鉄管などの
製品の肉厚や形状の精度を向上させることが可能となる
利点がある。また、負圧の作用によって強制的にガス抜
きを行うことができるため、その点からも製品の品質の
向上が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のバキ
ューム方式では、自重式のようなガス孔が存在しては機
能を発揮しないために、この自重式のものとは全く別個
の金枠を新規に製造しなければならないという問題点が
ある。また金枠の内部に数本の吸引用の導管を配置して
いるため、金枠内に鋳造模型を入れるための作業などに
支障が生じやすく、作業性の点で劣るという問題点があ
る。
【0006】そこで本発明はこのような問題点を解決
し、従来の自重式と兼用可能であるとともに作業性にす
ぐれたバキューム式の鋳造用金枠を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、枠壁を貫通して形成された複数のガス孔と、
枠壁の周囲に設けられて前記ガス孔に連通するガス通路
と、このガス通路を負圧源に接続するための接続部材
と、前記ガス通路からのガス抜きのための逆止弁とを備
えたものである。
【0008】
【作用】このような構成によれば、接続部材とガス通路
とガス孔とを通して、金枠内が負圧源に連通されるた
め、この金枠内に負圧が導入されて、バキューム式の鋳
造金枠が構成される。このとき、金枠内に吸引用の導管
は存在しないため、この金枠内へ模型を入れるための作
業に支障が生じるなどの問題点の発生が回避される。
【0009】また、従来の自重式の金枠を小改造するこ
とで、バキューム式の金枠が構成される。しかもガス抜
き用の逆止弁を有することから、作業性の良い自重式と
しても利用可能であり、一つの金枠が自重式とバキュー
ム式との両方に兼用可能である。逆止弁は、バキューム
式として使用する際に負圧源が故障したときのガス抜き
安全対策手段としても利用される。
【0010】一箇所の接続部材を介してガス通路を負圧
源に接続することにより、金枠の全周からの吸引が可能
となる。
【0011】
【実施例】図1〜図6において、11は鋳枠を構成する金
枠であり、上端が開口する有底の四角い箱状に形成され
ている。12は周囲の枠壁、13は底板、14は上端の開口で
ある。このような金枠11が複数配列されて順送りされる
ことで所定の鋳造ラインが構成されるが、この金枠11の
両端には、隣り合う金枠11どうしの接触ブロック15が設
けられている。これら接触ブロック15は、金枠11からの
水平方向の移動の調整が可能であり、この金枠11の全長
を規定値に設定できるように構成されている。これによ
って、複数の金枠11を正確に一定ピッチずつ順送り可能
となる。
【0012】金枠11の正面と背面とには、鋳込みおよび
冷却作業の後に金枠11内の製品と砂とを取り出すために
この金枠11を傾倒させるための、フック16と支持ピン17
とが設けられている。金枠11の底部には、この金枠11を
搬送経路上で順送りさせるためのスライド板18が設けら
れている。金枠11の両端には、この金枠11を吊り下げ支
持するためのフック19がそれぞれ設けられており、この
吊り下げ支持することによって金枠11を搬送経路に搬入
したり、搬送経路から搬出したりすることが可能であ
る。
【0013】金枠11の枠壁12の周囲の全周には、チャン
ネル材にて構成された上下に4段の密閉式のガス通路20
が設けられている。また枠壁12の上端の周縁の全周に
は、開口14を補強するための補強部材21が設けられてい
る。この補強部材21も同様のチャンネル材にて構成され
ている。ガス通路20と補強部材21とを構成する上下のチ
ャンネル材どうしは、上下方向のチャンネル材22にて互
いに接続されている。このチャンネル材22は、各枠壁12
の両端すなわち金枠11の四隅と、各枠壁12の中央部とに
設けられている。
【0014】ガス通路20を構成するチャンネル材におい
て、上下方向のチャンネル材22に対応する部分には開口
23が形成されており、上下に隣り合うガス通路20どうし
が互いに連通されている。これによって、上下4段のす
べてのガス通路20は、各チャンネル材22により構成され
る連通路24によって相互に連通されている。この連通作
用の必要がない部分、すなわち最上部のガス通路20と補
強部材21との間、および最下部のガス通路20と底板13と
の間では、上下方向のチャンネル材22は単なる補強材と
して機能する。もちろん、ガス通路20を構成するチャン
ネル材と、上下方向の連通路24を構成するチャンネル材
22も、金枠11を補強する機能を兼備している。
【0015】図3、7、8に示すように、ガス通路20に
対応した枠壁12の内周面および連通路24に対応した枠壁
12の内面には、帯状の厚肉部材25が密着状態で取り付け
られている。そして、これら枠壁12と厚肉部材25とを貫
通して、ガス孔26が形成されている。このガス孔26は、
枠壁12の部分に比べ厚肉部材25の部分で口径が大きくな
るように形成されている。
【0016】図7および図8に示すように、厚肉部材25
におけるガス孔26の部分には、ベントホール部材27が圧
入されている。このベントホール部材27は、端面28を貫
通する微小な通気孔29を有したキャップ状に形成されて
おり、厚肉部材25よりも枠壁12の方でガス孔26の口径が
小さいことから、この枠壁12に当たって位置決めされ
る。このようにベントホール部材27を配置することで、
金枠11内に充填される砂がガス通路20や連通路24に入り
込むことが防止される。
【0017】図示のように、ベントホール部材27は、そ
の先端が厚肉部材25から金枠11の内部に向けてわずかに
突出している。そして、金枠11の背面側においては、上
下に4段のうちの上側の2段のものは、図8に示すよう
に端面28が奥側となる方向で圧入されている。これは、
図7に示すように端面28を手前側とすると、金枠11の開
口14を通して製品を取り出すときにこの製品が端面28に
当たり、通気孔29がつぶれて塞がってしまうおそれがあ
るためである。反対に下側の2段では、図7に示すよう
に端面28を手前側として圧入されている。これは、上述
のように金枠11の開口14を通して製品を取り出すとき
に、この製品が衝突する可能性が少なく、このため通気
孔29のつぶれを考慮する必要に乏しく、またベントホー
ル部材27の内部に砂がたまるのを防止するためである。
【0018】図1〜図6に示すように、金枠11の一方の
端面には、ガス通路に連通する開閉弁31が設けられてい
る。この開閉弁31は、図9に示すようにボール弁などに
より構成されて、ハンドル32を手動操作することによっ
て開閉可能であり、その一端がベント33によって金枠11
に支持されるとともにガス通路20に連通し、かつその他
端には負圧源への接続口34が設けられている。接続口34
は、作業側となる金枠11の正面側に開口されるととも
に、その先端縁部がこの金枠11の正面よりもわずかに奥
まって位置するように配置されて、この金枠11よりも外
方へ突出しないように構成されている。これにより、他
の装置などに衝突することが防止されている。
【0019】図10に示すように、開閉弁31よりも上方の
位置には、ガス通路20とは遮断された支持箱36が設けら
れており、この支持箱36を利用して、小形の開閉弁37が
取り付けられている。この小形の開閉弁37は、同様にハ
ンドル38を手動操作することにより開閉可能であり、ベ
ント39およびソケット40によって支持箱36に連通されて
いる。この開閉弁37も、金枠11の正面からわずかに奥ま
った位置に設けられている。そして、この開閉弁37を利
用して、後述のように、金枠内に負圧が生じているかど
うかを確認可能である。
【0020】ガス通路20を構成するチャンネル材のウェ
ブの外面における適当位置には、逆止弁41が取り付けら
れている。詳細には、図11および図12にも示すように、
チャンネル材のウェブには貫通孔42が形成され、このウ
ェブの外面には、貫通孔42に連通する取り付けスリーブ
43が溶接されている。そして、このスリーブ43の外周に
固定されるバンド44によって、開閉蓋45が開閉自在に支
持されている。
【0021】開閉蓋45は、自重によって閉動するととも
に、ガス通路20の内圧によって開動する。また開閉蓋45
の内面には、軟質ゴムなどからなるパッキン46が設けら
れている。このパッキン46は、ガス通路20に負圧が作用
していないときにはスリーブ43の端面との間にわずかな
隙間47が生じるように構成されている。この隙間47は、
ガス通路20に負圧が作用したときには、パッキン46の弾
性変形により閉じられて、完全なシール状態が得られる
ようにされている。
【0022】なお、図11および図12に示すように、逆止
弁41は、必要に応じて、ガス通路20を構成するチャンネ
ル材のウェブの高さ方向における任意の位置に、設置可
能である。また逆止弁41は、安全のため、作業側となる
金枠11の正面側には設けられていない。
【0023】このような構成の金枠11をバキューム方式
で使用し、これをたとえばフルモールド法に適用すると
きには、この金枠11の内部に模型を入れたうえで鋳物砂
を投入する。このとき、金枠11内に吸引用の導管などが
存在しないため、この模型を入れる作業を容易に行うこ
とができる。そして開閉弁31の接続口34を負圧源に接続
して、この開閉弁31を開く。すると、逆止弁41はパッキ
ン46が弾性変形することで完全に閉状態となり、また金
枠11の全周において、ガス孔26を通して枠内の空気が吸
引されて負圧が生じ、それにより鋳物砂が十分に圧密さ
れて、砂込めが完了する。このとき、圧力測定器を備え
たエアホースを開閉弁37に接続し、その吸引圧力を計
測、記録することによって、吸引時に確実に負圧が生じ
ているかどうかが確認される。
【0024】そこで、この金枠11内に負圧を導入した状
態を維持しながら、溶湯の鋳込みを行う。そのときにガ
スが発生するが、この発生ガスは、上述のように導入さ
れた負圧の作用を受け、ベントホール部材27の通気孔29
およびガス孔26を通って、互いに連通したガス通路20に
いたり、一つにまとめられたうえで、開閉弁31を通って
金枠11外へ排出される。このため、負圧源を一つの接続
口34に接続するだけで、金枠11の全体にわたるガスの排
出が可能となる。
【0025】このとき、金枠11の全周にわたってガス孔
26が形成されており、しかもこのガス孔26は砂中におけ
る模型の埋設部分に相当する上下4段にわたって形成さ
れていることから、模型の周囲で発生したガスは、万遍
なくガス孔26に導かれて排出される。このとき、上述の
開閉弁37を利用した圧力計測によって吸引の確認を行う
が、その際に、万一負圧源を構成する吸引機などが故障
した場合には、ガス通路20内に負圧が導入されなくな
り、開閉弁31を通してのガスの排出はできなくなる。し
かし、その場合には、通路20内のガス圧によって逆止弁
41の開閉蓋45が開動し、この逆止弁41を通してガスの排
出が行われる。開閉蓋45を開動させる程度にガス圧が高
くない場合には、逆止弁41のパッキン46とスリーブ43の
端面との隙間47を通ってガスが排出されるため、いずれ
の場合にも確実にガスの排出が行われる。
【0026】鋳込終了から数分後に、開閉弁31を閉じる
ことによって金枠11内への負圧の導入を停止する。そし
て冷却によって製品が固化したなら、金枠11を背面側へ
傾倒させて内部の製品と砂とを取り出す。
【0027】金枠11を自重式のものとして使用する場合
には、開閉弁37を閉じ、また開閉弁31への負圧源の接続
は行わない。そしてこの場合は、逆止弁41を通してのガ
スの排出が行われる。
【0028】このように、同一の金枠11をバキューム式
にも自重式にも使用できる利点がある。また従来の自重
式の金枠を小改造するだけで金枠11を構成でき、このた
め従来の自重式の金枠のための鋳造ラインを用いて、バ
キューム方式での鋳造作業を行うことができる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように本発明によると、接続
部材とガス通路とガス孔とを通して金枠内を負圧源に連
通することができるため、この金枠内に負圧を導入する
バキューム式の鋳造金枠を構成することができ、このと
き、金枠内に吸引用の導管は存在しないため、この金枠
内へ模型を入れるための作業に支障が生じるなどの問題
点の発生を回避することができる。また、従来の自重式
の金枠を小改造することでバキューム式の金枠を構成で
き、しかもガス抜き用の逆止弁を有することから、作業
性の良い自重式としても利用可能であり、一つの金枠を
自重式とバキューム式との両方に兼用することができ
る。逆止弁は、バキューム式として使用する際に負圧源
が故障したときのガス抜き安全対策手段としても利用す
ることができる。さらに接続部材を介してガス通路を負
圧源に接続するため、一つの金枠につき、一箇所の吸引
接続口だけで、金枠の全周からの吸引を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の鋳造用金枠の正面図であ
る。
【図2】同金枠の平面図である。
【図3】図2における III−III 線に沿った断面図であ
る。
【図4】同金枠の右側面図である。
【図5】同金枠の左側面図である。
【図6】同金枠の背面図である。
【図7】同金枠における下段側のベントホール部材の配
置を拡大して示す図である。
【図8】同金枠における上段側のベントホール部材の配
置を拡大して示す図である。
【図9】同金枠における開閉弁およびその周辺を拡大し
て示す図である。
【図10】同金枠における他の開閉弁およびその周辺を拡
大して示す図である。
【図11】同金枠における逆止弁を拡大して示す断面図で
ある。
【図12】同金枠における他の逆止弁を拡大して示す断面
図である。
【符号の説明】
12 枠壁 20 ガス通路 26 ガス孔 31 開閉弁 41 逆止弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造作業のために内部に砂込めを行う鋳
    枠を構成する箱状の鋳造用金枠であって、枠壁を貫通し
    て形成された複数のガス孔と、枠壁の周囲に設けられて
    前記ガス孔に連通するガス通路と、このガス通路を負圧
    源に接続するための接続部材と、前記ガス通路からのガ
    ス抜きのための逆止弁とを備えたことを特徴とする鋳造
    用金枠。
JP5305658A 1993-12-07 1993-12-07 鋳造用金枠 Expired - Fee Related JP2920813B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103586423A (zh) * 2013-11-29 2014-02-19 青岛海纳重工集团公司 铸造用模块组合砂箱
CN105268930A (zh) * 2014-06-25 2016-01-27 长葛市吉庆机械厂 具有吸气管的铸造模具框
CN107552744A (zh) * 2017-10-16 2018-01-09 共享装备股份有限公司 负压消失模铸造专用砂箱
CN107962155A (zh) * 2018-01-24 2018-04-27 江西力天机械有限公司 一种消失模铸造砂箱
CN114618989A (zh) * 2022-03-07 2022-06-14 芜湖泓鹄材料技术有限公司 实现分区负压的实型铸造负压砂箱

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