JPH06202374A - 非磁性一成分トナー及びその製造方法 - Google Patents

非磁性一成分トナー及びその製造方法

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JPH06202374A
JPH06202374A JP5116742A JP11674293A JPH06202374A JP H06202374 A JPH06202374 A JP H06202374A JP 5116742 A JP5116742 A JP 5116742A JP 11674293 A JP11674293 A JP 11674293A JP H06202374 A JPH06202374 A JP H06202374A
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將幸 丸田
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晋一 佐多
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非磁性一成分現像法に対し現像性及びその経
時安定性に優れたトナーを提供し、またそのトナーを使
用することにより、適正な画像濃度の地かぶりの無い高
品位な複写画像を安定に提供する。 【構成】 結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤を含有す
る着色粒子表面に、平均粒径が30nm以上、100nm 未満の
無機微粒子を付着させてなる非磁性一成分トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録等
に於いて光半導体上に形成された潜像を可視画像化する
ために用いられる粉体トナーに関し、特に、小型プリン
ター、普通紙ファックス等に都合良く用いられる、非磁
性一成分現像法に適したトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真、静電記録等に於いて光半導体
上に形成された静電潜像を粉体トナーにより可視画像化
する方法として、着色微粉体であるトナーと、トナーに
電荷を付与し磁力によりトナーを静電潜像部に搬送する
為に用いられるキャリアとの二成分よりなる現像剤を用
いる二成分磁気ブラシ現像法が従来最も都合良く用いら
れてきた。しかしながら、二成分磁気ブラシ現像法は現
像剤の搬送に磁力を用いるため、現像ロール中に磁石が
必要であり、キャリアも鉄粉・ニッケル粉・フェライト
等、金属もしくはその酸化物である為、現像器及び現像
剤が重くなり記録装置の小型軽量化を阻害する原因とな
る。
【0003】また一方、例えば、米国特許第3,909,258
号及び同第4,121,931 号に提案されている様に、キャリ
アを用いずトナー内部に磁性体を内包させトナーの有す
る磁力によりトナーを静電潜像部に搬送する磁性一成分
現像法も従来よりよく用いられてきた。しかしながら、
この現像法も現像ロール内部には磁石が必要であり現像
装置の軽量化という観点からは不利である。
【0004】これらの現像法の上記問題点を解消するた
めに、米国特許第2,895,847 号、同第3,152,012 号、特
公昭41−9475号、同45−2877号、同54−3624号等に記載
されている磁性粉を含有しないトナーのみを使用する非
磁性一成分現像法の検討・改良が近年盛んになされてき
ている。しかしながら、非磁性一成分現像法において、
トナーは帯電ブレードを通過する瞬間のみにしか電荷を
付与され得ないため、本現像方法に用いられるトナーの
帯電制御はきわめて困難なものとなっている。かかる問
題点を解決するために、特開昭59−231549号等に示され
る如く、特殊な表面処理を施したシリカ微粉体をトナー
表面に添加したり、特開昭63−226666号に提案されてい
るように、特殊な帯電制御剤が用いられたりする。一
方、トナーと帯電ブレードとの接触効率の改善も重要で
あり、特開昭64−77075 号 、特開平3−294864号等に
みられるように種々の外添剤が検討されている。また、
粒径の大きなトナーによる粒径の小さなトナーの帯電阻
害を防止する目的で特開昭63−279261号のような粒径分
布の検討もなされている。
【0005】しかしながら、上記手法により初期的には
良好な画像を提供しうるトナーも繰り返し複写を行いト
ナーの補給を繰り返すと画像濃度が低下する、かぶりが
増加する、画像の解像度が低下するなどの問題がある。
また特開平3−294864号には粒径 0.1〜1.0 μm の無機
微粉体を添加することが開示されているが、この無機微
粉体は研摩のために添加されるもので、本発明の目的と
まったく異なるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点を解決し、非磁性一成分現像法に対し現像性及
びその経時安定性に優れたトナーを提供し、またそのト
ナーを使用することにより、適正な画像濃度の地かぶり
の無い高品位な複写画像を安定に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく、従来の非磁性一成分トナーを分析したとこ
ろ、使用後のトナーは使用前のトナーに比べ、粉体流動
性が大きく悪化し、そのトナーの表面を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、未使用のトナー表面に観察され得
る無機微粒子が観察されなくなっている事が判明した。
又、更にトナー表面の無機元素分析を行ったところ使用
後のトナーにも使用前のトナーとほぼ同量の無機酸化物
が存在する事が判明した。以上の結果より、本発明者は
繰り返し印字による画質劣化の原因が、印字につれ、ト
ナー表面に存在する無機微粒子が帯電ブレード等により
摩擦される事でトナー内部に埋め込まれてゆき、トナー
の流動性が悪化するためと判定した。このような事実に
基づき鋭意研究の結果、トナー表面に特定の粒径範囲の
無機微粒子を付着させることにより、上記の課題が解決
できることを見出し本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、結着樹脂、着色剤、及び
帯電制御剤を含有する着色粒子表面に、平均粒径が30nm
以上、100nm 未満の無機微粒子を付着させてなることを
特徴とする非磁性一成分トナー、及びその製造方法を提
供するものである。このような本発明の非磁性一成分ト
ナーは、現像ロール及び該現像ロール上に形成されるト
ナー層の厚さを均一に規制し、トナーに電荷を付与する
ブレードを有する現像装置に好適に使用される。
【0009】本発明に使用される無機微粒子の粒子径
は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置により測定
可能であるが、粒子の二次凝集を解離することは困難で
ある為、走査型電子顕微鏡により得られる写真より粒径
を求める事が最善である。又、別の指標としては、無機
微粒子のBET比表面積20〜80m2/gのものが上記粒子
径に相当する。
【0010】本発明に於いて、無機微粒子の平均粒子径
が30nmよりも小さいと、無機微粒子がトナー表面に埋め
込まれ易く非磁性一成分トナーの画像の経時安定性の満
足ゆくものが得られず、また平均粒子径が 100nm以上の
ものを付着させた場合はトナーに適正な流動性が付与で
きず満足のゆく画像濃度及び画質が得られず、又、かか
る粒径の微粒子はトナー表面からの脱離をおこし易く、
感光体を損傷したり、帯電ブレードを傷つけたりしやす
い。無機微粒子の特に好ましい平均粒子径は70nm以下で
ある。
【0011】本発明に用いられる無機微粒子の組成とし
ては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の従
来より公知のものがすべて使用可能である。また、これ
らの無機微粒子はその表面がシランカップリング剤、シ
リコーン・オイル等で疎水化されている事がトナーの帯
電の環境安定性の見地より好ましい。
【0012】本発明のトナーにおける無機微粒子の添加
量は、結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤を含有する着
色粒子に対して 0.1〜5重量%が好ましい。かかる無機
微粒子の添加量は無機微粒子の粒径を考慮し、更に、帯
電ブレード材質及びその圧接圧力、現像ロール材質等を
考慮した上で慎重に調整される必要がある。また、本発
明のトナーの着色粒子中の結着樹脂、着色剤及び帯電制
御剤の配合割合は、結着樹脂99〜75重量%、着色剤 0.5
〜20重量%、帯電制御剤 0.1〜5重量%が好ましい。本
発明において、無機微粒子を着色粒子表面に付着させる
方法としては従来より公知の粉体の混合方法が全て使用
可能である。また、本発明において、無機微粒子を着色
粒子表面に付着させた後にサイクロン等により気流中で
無機微粒子の凝集物を分離除去することにより、更に経
時安定性に優れたトナーを提供することができる。ここ
で無機微粒子の凝集物とは着色粒子表面に無機微粒子を
付着させる際に、着色粒子表面に付着せずに残った遊離
の無機微粒子を言う。かかる無機微粒子の凝集体は容易
にその形態を変えるため、従来よりトナー中の異物の除
去に用いられている振動ふるいでは除去が困難であり、
サイクロン等の気流式の分離・除去方式が必要である。
【0013】本発明に使用されるトナーの組成としては
従来より公知である材料が使用可能である。本発明に使
用されるトナーの結着樹脂としては、スチレン、クロル
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレ
フィン類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸
ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類:アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン
脂肪族モノカルボン酸のエステル類:ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等
のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケ
トン類等の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。
また更には、天然及び合成ワックス類、ポリエステル、
ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウ
レタン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、石油樹脂等
を用いる事ができるが、好ましくはポリエステル樹脂で
あり、さらに帯電ブレード等より加わるストレスに対す
る強靱さの面から、ガラス転移温度70℃以上のポリエス
テル樹脂を使用した場合、特に (イ)下記の一般式(I)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1は炭素数2乃至4のアルキレン
基であり、x,yは正の整数であり、その和の平均値は
2乃至16である。)で示されるジオール成分と、 (ロ)下記一般式(II)又は(III)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R2,R3はそれぞれ炭素数4乃至20
の飽和もしくは不飽和の炭化水素基である。)で示され
る2価カルボン酸もしくはその無水物を1乃至50モル
%、及び トリメリット酸もしくはその無水物を10乃至30モル%
含有する酸成分とを縮合重合せしめて得られるポリエス
テル樹脂を使用した場合に本発明の効果はよく発揮され
るが、これらに限定されるものではない。尚、本発明に
おいて樹脂のガラス転移温度は、DSC法を用いて、常
法に従い求められる。
【0018】本発明に使用されるポリエステル樹脂のア
ルコール成分の例としては、前記一般式(I)で示され
る、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン(16)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン等のビスフェノールA系のモノマーや、その他の
モノマーとしてエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトー
ル、又はそれらのエーテル化ポリヒドロキシル化合物、
即ちポリオキシエチレン(10)ソルビソール、ポリオキ
シエチレン(3)グリセリン、ポリオキシエチレン
(4)ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0019】また、本発明に使用される酸成分として
は、前記一般式(II)または(III) で示される、n−ド
デセニル琥珀酸、イソ−ドデシル琥珀酸、イソ−オクチ
ル琥珀酸、n−オクチル琥珀酸、n−ブチル琥珀酸等の
琥珀酸誘導体の他、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、フマル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等、及びそれらの無水物及びそれらの低級アル
キルエステルなどの通常のポリエステル樹脂の製造に使
用される化合物が使用できる。
【0020】本発明に使用されるポリエステル樹脂は、
通常、ポリオール成分と多価カルボン酸成分とを不活性
ガス雰囲気中にて 180〜250 ℃の温度で縮重合する事に
より製造する事ができる。この際反応を促進せしめる
為、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜
鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラ
ウレート等を使用する事ができる。
【0021】また、本発明に使用される着色剤として
は、カーボンブラック;C.I.ピグメント・イエロー1、
同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸アリールアミド
系モノアゾ黄色顔料;C.I.ピグメント・イエロー12、同
13、同14、同17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスア
ゾ黄色顔料;C.I.ソルベント・イエロー19、同77、同7
9、C.I.ディスパース・イエロー164 等の黄色染料;C.
I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同57、
同57:1、同81、同122 、同5等の赤色もしくは紅色顔
料;C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8等の
赤色系染料;C.I.ピグメント・ブルー15:3等の銅フタ
ロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料;C.I.ピグメ
ント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)
等の緑色顔料等が使用可能である。これらの染顔料は、
単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
【0022】また更に、本発明で用いられる帯電制御剤
としては、負帯電トナー用として、クロム・アゾ錯体染
料、鉄アゾ錯体染料、コバルト・アゾ錯体染料、サリチ
ル酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム
・ほう素錯体もしくは塩化合物、ナフトール酸もしくは
その誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ほう素錯体
もしくは塩化合物、ベンジル酸もしくはその誘導体のク
ロム・亜鉛・アルミニウム・ほう素錯体もしくは塩化合
物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スル
ホン酸塩などの界面活性剤類を、正帯電トナー用とし
て、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタ
ン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、
四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等の誘
導体等が例示可能である。
【0023】また、本発明のトナー中には、フェライト
等の磁性体、導電性調整剤、酸化錫、シリカ、アルミ
ナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、
体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、離
型剤等が必要に応じて加えられても良い。
【0024】更に、トナー表面に、本発明で規定した特
定粒径範囲の無機微粒子に加え、感光体上へのトナー・
フィルミングを防止したり、感光体上の残留トナーのク
リーニング性を向上させるために他の添加剤を併用して
も良い。これらの添加剤としては、シリカ、アルミナ、
チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機酸化
物、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
スチレン等の単独もしくは共重合体樹脂微粒子、フッ素
樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ステアリン酸等の
高級脂肪酸及びその金属塩、カーボンブラック、フッ化
黒鉛、炭化珪素、窒化ほう素等が挙げられる。これらの
粒子は本発明に示された無機微粒子の粒径範囲外のもの
であっても差し障りはない。本発明のトナーの製造方法
としては、混練粉砕法、スプレイドライ法、重合法等の
従来より公知の製造法が使用可能である。
【0025】
【作用・効果】本発明に使用される無機微粒子はその粒
径が適正な範囲に規定されているため、トナーに適正な
粉体流動性を付与でき、且つ、帯電ブレード等から加わ
る圧力によりトナー内部に埋め込まれる事が少ない。従
って本発明のトナーを使用する事で、連続複写により画
像濃度及び画質の変動の少ない非磁性一成分現像システ
ムを提供できる。また更に、本発明に於いて、帯電ブレ
ード等による圧力による変形を生じにくいガラス転移温
度70℃以上のポリエステル樹脂、特に構成成分としてビ
スフェノールA系モノマー及びアルケニル琥珀酸系モノ
マー成分を含むポリエステル樹脂を使用することで本発
明の効果は更に顕著になる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、本発明
は勿論これらの実施例に限定されるものではない。な
お、例中、部と表示するものは、特にことわりのない限
り重量部を表す。
【0027】製造例1 ポリオキシプロピレン(2.2) −2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 540g、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン 215g、テレフタル酸 225g、n−ドデセニル無水
琥珀酸31.5gをガラス製1リットル4つ口フラスコに入
れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー
及び窒素導入管を取り付け、電熱マントル中で 230℃に
昇温せしめ、窒素気流下にて攪拌しつつ反応させた。反
応により生成する水が流出しなくなった時点で酸価を測
定すると 1.5であった。更に無水トリメリット酸94gを
加え約8時間反応させ、環球法による軟化温度が 130℃
になった時反応を終了させた。得られた樹脂は淡黄色の
固体で、酸価=25 mgKOH/g、水酸基価=26 mgKOH/
g、ガラス転移点=74℃、重量平均分子量=18万であっ
た。
【0028】実施例1 製造例1の樹脂 100部 カーボンブラック 4部 クロム・アゾ錯体 1.5部 低分子量ポリプロピレン・ワックス 2部 上記組成を予備混合し、加圧ニーダーで混練した後、粉
砕分級し重量平均粒径10μmの着色粒子を得た。この着
色粒子100部に、日本アエロジル社製シリカR809(平均
粒径=40nm) 0.8部をヘンシェルミキサーにより混合し
トナーとした。
【0029】実施例2 日本アエロジル社製シリカ MOX−80(粒径=30nm)をヘ
キサメチルジシラザンにより疎水化処理し、メタノール
疎水化度38%の疎水性シリカAを調製した。実施例1と
同じ着色粒子 100部に疎水性シリカA 0.6部を同様に混
合しトナーとした。
【0030】実施例3 大明化学製アルミナ(粒径=60nm)をヘキサメチルジシ
ラザンにより疎水化処理し、メタノール疎水化度21%の
疎水性アルミナBを調製した。実施例1と同じ着色粒子
100部に疎水性アルミナB 1.2部を同様に混合しトナー
とした。
【0031】比較例1 実施例1と同じ着色粒子 100部に日本アエロジル社製疎
水性シリカR972(粒径=16nm)0.3 部を同様に混合しト
ナーとした。
【0032】比較例2 大明化学製アルミナ(粒径=100nm)をヘキサメチルジシ
ラザンにより疎水化処理し、メタノール疎水化度38%の
疎水性アルミナCを調製した。実施例1と同じ着色粒子
100部に疎水性アルミナC 2部を同様に混合しトナー
とした。
【0033】試験例 実施例1〜3及び比較例1〜2のトナーを東芝製普通紙
ファクシミリTF−58HW改造機を用い2000枚の連続印字テ
ストを実施し、印字品質の測定と共に、テスト前後のト
ナー流動性の緩み見かけ密度の測定を実施した。結果を
表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】注) 1) マクベス濃度計にて測定 2) 感光体上の画像をメンディング・テープに写し取
り、色差計CR−221(ミノルタカメラ(株)製)でY値を
測定し、もとのテープのY値との差で示した。
【0036】表1に示すとおり、本発明のトナーが 2,0
00枚の連続プリントを行ってもトナーの緩み見かけ密度
は低下せず、安定に良好な画像を提供したのに対し、粒
径の小さいシリカを添加した比較例1のトナーを用いた
場合、トナーの緩み見かけ密度は低下し、且つ、画像濃
度が低下し、黒べたの均一性が悪化した。又、粒径の大
きい無機粒子を添加した比較例2のトナーを用いた場合
には、感光体上に傷が発生し、傷に無機粒子が蓄積して
いる事が判明した。 2,000枚印字後の実施例1のトナー
及び比較例1のトナー表面を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、実施例1のトナー表面にはシリカが存在して
いる事が確認できたが、比較例1のトナー表面にはほと
んどシリカが観察できなくなっていた。
【0037】実施例4 実施例1のトナーを、分級部を外した日本ニューマティ
ック製MDS分級機を用い、サイクロンによる分級を行
い、無機微粒子の凝集物を除去した。得られたトナーを
東芝製普通紙ファクシミリTF−58HW改造機を用い、トナ
ーを補給しながら連続印字テストを実施したところ、1
5,000枚まで画像欠陥の無い良好な画質が維持できた。
また、テスト後の装置から感光体を外し、表面を観察し
たが、傷の発生等の問題はなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/09 G03G 9/08 344 361

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤を含
    有する着色粒子表面に、平均粒径が30nm以上、100nm 未
    満の無機微粒子を付着させてなることを特徴とする非磁
    性一成分トナー。
  2. 【請求項2】 無機微粒子の平均粒径が30nm以上、70nm
    以下であり、現像ロール及び該現像ロール上に形成され
    るトナー層の厚さを均一に規制し、トナーに電荷を付与
    するブレードを有する現像装置に使用されるものである
    請求項1記載の非磁性一成分トナー。
  3. 【請求項3】 着色粒子に用いられる結着樹脂が、ガラ
    ス転移温度70℃以上のポリエステル樹脂であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の非磁性一成分トナー。
  4. 【請求項4】 着色粒子に用いられる結着樹脂が、 (イ)下記の一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素数2乃至4のアルキレン基であり、
    x,yは正の整数であり、その和の平均値は2乃至16で
    ある。)で示されるジオール成分と、 (ロ)下記一般式(II)又は(III) 【化2】 (式中、R,R3はそれぞれ炭素数4乃至20の飽和もし
    くは不飽和の炭化水素基である。)で示される2価カル
    ボン酸もしくはその無水物を1乃至50モル%、及び トリメリット酸もしくはその無水物を10乃至30モル%
    含有する酸成分とを縮合重合せしめて得られるポリエス
    テル樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    非磁性一成分トナー。
  5. 【請求項5】 結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤を含
    有する着色粒子表面に、平均粒径が30nm以上、 100nm未
    満の無機微粒子を付着させた後、無機微粒子の凝集物を
    気流中にて分離除去することを特徴とする請求項1記載
    の非磁性一成分トナーの製造方法。
JP05116742A 1992-11-13 1993-05-19 非磁性一成分トナー及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3115450B2 (ja)

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