JPH0620194U - 可変ピッチプロペラの変節装置及び軸連結構造 - Google Patents

可変ピッチプロペラの変節装置及び軸連結構造

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JPH0620194U
JPH0620194U JP1425692U JP1425692U JPH0620194U JP H0620194 U JPH0620194 U JP H0620194U JP 1425692 U JP1425692 U JP 1425692U JP 1425692 U JP1425692 U JP 1425692U JP H0620194 U JPH0620194 U JP H0620194U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変節装置部分を短くするとともに組立/分解
も容易で安価な可変ピッチプロペラを提供する。 【構成】 給油軸2にサーボシリンダ4を形成した変節
箱Cと、この給油軸2に周設した給油環8と、上記サー
ボシリンダ4によりプロペラ軸5内を往復動する変節軸
7と、この変節軸7の移動量を検出するフィードバック
リング15とを有し、上記変節箱Cとプロペラ軸5とを
離間して設け、この離間部Vで上記変節軸7をフィード
バックリング15により連結し、上記プロペラ軸5にイ
ンナースリーブ13を介して連結固定するカップリング
6を設け、このカップリング6のフランジ側を延出する
よう形成すると共に、このフランジ端面からプロペラ軸
5側に開口する長溝6bを設け、この長溝6bから上記
フィードバックリング15の外周部を突出させて翼角を
検出した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は可変ピッチプロペラの変節装置と、該変節装置等を備えた動力伝達装 置における軸連結構造に関し、更に詳しくは変節装置の全長を短くするとともに 分解組立が容易な可変ピッチプロペラの変節装置と分解組立が容易な軸連結構造 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、操船者の労力軽減と操船性の容易化を図るために可変ピッチプロペラを 搭載した船舶が増加している。この可変ピッチプロペラは、プロペラ軸内に翼角 を変更する変節軸を設け、この変節軸を往復動させることにより翼角を変更して 推力の方向を変更できる推進機である。
【0003】 この可変ピッチプロペラの全体的な構成は、図7の模式図に示すように、主機 関Mからの動力は、中間軸51,変節装置N,プロペラ軸56と伝達され、そし て、プロペラ軸56後端のフランジ56aに固着されたプロペラ翼Pa,プロペ ラボスPb等のプロペラ関係部品を回転させることにより推力を発生させるもの である。また、上記プロペラ軸56後部には船体Hとのシールをするシール装置 Sが設けられており、上記主機関Mからプロペラ軸53後部のシール装置Sまで が機関室長さKLの間に搭載されている。
【0004】 このように構成された可変ピッチプロペラの変節装置部の具体的な構造を図8 に示す拡大断面図を参照しながら説明すると、主機関から動力を伝達する中間軸 51の後方には、給油軸52が連結されており、この給油軸52の外周に給油環 53とフィードバックリング54が周設されている。そして、この給油軸52の 後方にサーボシリンダ55が連結され、このサーボシリンダ55の後方フランジ 55cにプロペラ軸56のカップリング57が連結されている。
【0005】 そして、サーボシリンダ55のピストン58中央部には変節軸59が設けられ 、外周方向近傍には上記フィードバックリング54と連結されたロッド54aが 設けられている。また、上記給油環53からは給油孔53aがサーボシリンダ5 5の油室55a,55bに連通するよう形成されている。
【0006】 この構成による可変ピッチプロペラは、給油環53から供給された制御油をサ ーボシリンダ55の油室55a,55bに供給してピストン58を作動させるこ とにより変節軸59を往復動させる。この変節軸59の往復動により上記プロペ ラボスPb(図7参照)内のクロスヘッドを往復動させてプロペラ翼Paを回動 させることにより翼角を変更している。この翼角の検出は、ピストン58に連結 されたフィードバックリング54の位置を検出装置60で計測することにより行 っている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の可変ピッチプロペラには以下のような問題がある。 先ず、主機関Mから船尾側に向けて、中間軸51、給油軸52、サーボシリン ダ55、プロペラ軸カップリング57、プロペラ軸56と軸方向に順番に並べて 構成しているので、図8に示すように中間軸51の後端からプロペラ軸56前端 までの全長Lが長くなり、機関室における据付けスペースを長くする必要があっ た。このため、機関室長さKLの制約される船舶、特に貨物船のように、機関室 長さの増加が船倉の減少、すなわち積数量の減少となるような船舶にあっては搭 載するのが困難になる等の問題を生じてしまう。
【0008】 また、可変ピッチプロペラの場合、必ず図7に示すように、プロペラ軸56の 後端に形成されたフランジ56aが船尾から突出し、このフランジ56aにプロ ペラ翼Pa,プロペラボスPb等のプロペラ関係部品を固着する構造となってい る。従って、プロペラ軸56と変節軸59は船尾側から船体内に挿入して組立て る必要がある。一方、主機関Mからの動力は、船首側から中間軸51、給油軸5 2、サーボシリンダ55、プロペラ軸カップリング57を介してプロペラ軸56 に伝達されている。従って、可変ピッチプロペラを装備した船においては船首側 に設けた中間軸51と、船尾側に設けたプロペラ軸56とを、中間部に設けた変 節装置N部分で組立/分解する必要がある。この組立/分解は、通常の組立/分 解の他、例えば、給油環の取付け/取外し時や損傷等により変節装置部を分解・ 点検交換する必要が生じた場合等がある。
【0009】 この組立/分解時には給油軸52を取外してサーボシリンダ55を船首側にば らすことにより作業することになるが、狭い船内にあっては工事が大変で、その 労力と時間は多大であった。また、これらの連結は一般的に各フランジをリーマ ボルトにより連結する構造であるが、リーマボルトのはめあいはきつく、容易に 組立/分解できるものではなかった。
【0010】 更に、上記カップリング部構造にあっては、長い給油軸52を必要とするとと もに、この給油軸52の外周部に給油環53とフィードバックリング54を周設 する必要があり、また、可変ピッチプロペラは従来の固定ピッチ式プロペラと比 較すると、構造が複雑であるので製作あるいは組立等に多くの費用と時間を要す る。このため、構造面あるいは作業面から費用の低減を図ることが困難で、従来 の可変ピッチプロペラは高価な推進機となっている。
【0011】 一方、この種の従来技術として、実公昭62− 15120号公報があるが、この公報 記載の考案は、ピストンの位置を検出するフィードバックリングがないものであ るとともにスペーサリングを有するものであるので、カップリング部の全長はあ まりコンパクトにはなっておらず、また、組立/分解も本考案における変節装置 の構造に比べて複雑なものである。なお、この考案には、駆動軸とスペーサリン グとの連結を、トルク伝達用のラジアルピンとスラスト伝達用のボルトにより行 うことは開示されているが、その具体的な構成は何ら開示されていない。
【0012】 本考案は上記課題に鑑みて、変節装置部分を短くするとともに組立/分解も容 易で安価な可変ピッチプロペラを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案における第1の考案は、給油軸にサーボシ リンダを形成した変節箱と、該給油軸に周設した給油環と、上記サーボシリンダ のピストンに連結されてプロペラ軸内を往復動する変節軸と、該変節軸の移動量 を検出するフィードバックリングとを有する可変ピッチプロペラの変節装置にお いて、上記変節箱とプロペラ軸とを離間して設け、該離間部で上記変節軸を、該 変節軸の連結手段を形成したフィードバックリングにより連結し、上記プロペラ 軸に連結手段を介して連結固定するカップリングを設け、該カップリングのフラ ンジ側を延出するよう形成すると共に、該フランジ端面からプロペラ軸側に開口 する長溝を設け、該長溝から上記フィードバックリングの外周部を突出させて翼 角を検出したことを特徴とする可変ピッチプロペラの変節装置である。
【0014】 また、本考案における第2の考案は、可変ピッチプロペラの変節装置等を備え た動力伝達装置において、その動力を伝達する駆動側軸と、該駆動側軸から動力 を受ける従動側軸との接合面の周方向に複数のラジアルピンを設けると共に、該 ラジアルピンの外周部に抜け止めリングを設けたことを特徴とする軸連結構造で ある。
【0015】
【作用】
上記第1の考案によれば、変節装置部の組立ては、変節箱とプロペラ軸を離間 して設けると共に、この離間部で連結手段を形成したフィードバックリングによ り変節軸を連結し、上記プロペラ軸に連結手段を介してカップリングを固定し、 このカップリングのフランジと上記変節箱を連結すると共に、該フランジの端面 から形成した長溝から上記フィードバックリングの外周部を突出させることによ り組立が完了する。
【0016】 分解は、変節箱とカップリングとの連結を解除すると共にカップリングとプロ ペラ軸との連結も解除し、該カップリングをプロペラ軸の軸方向に移動させるこ とにより離間部を開放することができ、この離間部でフィードバックリングによ る変節軸の連結を解除することにより変節軸を分解することができる。
【0017】 このことにより、離間部が変節装置部の組立/分解代と共に、フィードバック の取り出しスペースとなり、変節装置部の全長が短くなると共に、組立/分解が 容易に行えるようになる。
【0018】 また第2の考案によれば、動力を伝達する駆動側軸と該駆動側軸から動力を受 ける従動側軸を連結し、両軸間にラジアルピンを設け、このラジアルピンの外周 部に抜け止めリングを固定する。このことにより、抜け止めリングが全てのラジ アルピンの抜け止めを行うので、複雑な抜け止め用の加工が不要となると共に、 軸連結部の組立/分解が容易となる。
【0019】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は第1実施例を示す図面であり、(a) が変節装置全体の断面図で、(b) が A矢視からの部分平面図である。 図示するように、船首側には図示しない主機関からの動力を伝達する中間軸1 が設けられ、船尾側には中空で船首側端部にカップリング6を設けたプロペラ軸 5と、このプロペラ軸5の内部で軸方向に往復動することにより翼角を変更する 変節軸7が設けられている。
【0020】 そして、上記中間軸1とカップリング6の間には、給油軸2と、この給油軸2 の船尾側端部を塞ぐ中間板3と、給油軸2内に形成されたサーボシリンダ4とか ら構成された変節箱Cが設けられており、この給油軸2の外周部に給油環8が周 設されている。また、中間板3からは、上記サーボシリンダ4に設けられたピス トン9のピストンロッド9aが突設されている。このピストンロッド9aは、上 記変節軸7を分断したピストン9側の軸であり、上記変節箱Cを構成する中間板 3の後端面と上記プロペラ軸5の先端との間に形成された離間部Vの位置で変節 軸7と接合するようになっている。
【0021】 上記給油軸2と中間板3との連結は、軸方向に設けられた複数のテンションボ ルト10と接合面12の周囲に設けられた複数のラジアルピン11により行って いる。この連結部の詳細は後述する軸連結構造により説明するが、給油軸2と中 間板3間のトルクをラジアルピン11で、スラストをテンションボルト10で伝 達している。
【0022】 一方、プロペラ軸7とカップリング6の間には外面がテーパに形成されたイン ナースリーブ13が介装されており、このインナースリーブ13の内面がプロペ ラ軸5と、外面がカップリング6と固着されている。なお、このインナースリー ブ13の船尾側端部にはネジ部13aが形成されている。
【0023】 また、上記カップリング6は、インナースリーブ13と接合する部分から船首 側へ延出するよう形成されたものであり、船首側端部にはフランジ部6aが形成 され、このフランジ部6a端面からプロペラ軸5端部近傍まで開口した長溝6b が2箇所(図1(b) では1箇所のみ図示)に設けられている。また、船尾側の内 面は上記インナースリーブ13と同一角度のテーパで形成されており、この内面 から外面方向に複数の加圧孔6cが設けられている。14はカップリング6をイ ンナースリーブ13に圧入するための圧入用ピストンである。なお、この実施例 ではテーパ状のインナースリーブ13による連結手段を用いているがシュパンリ ング等でもよく、カップリング6とプロペラ軸5とを連結できると共に、連結を 解除して軸線方向に移動させることができるものであればよい。
【0024】 このカップリング6のフランジ部6a近傍にはフィードバックリング15が設 けられている。このフィードバックリング15は、基部に形成され連結手段とな るナット部15aと、外周部に設けられたリング部材15cと、これらを連結す るアーム部15bとから構成されており、ナット部15aが上記ピストンロッド 9aと変節軸7とを連結固定する機構として働いている。そして、アーム部15 bは円周方向の2箇所(1箇所のみ図示)に設けられており、このアーム部15 bが上記カップリング6の長溝6bから突出し、このアーム部15b先端部にリ ング部材15cがボルト15dにより取着されている。
【0025】 なお、リング部材15cの溝15eに緩嵌されたコマ部材16は、フィードバ ックリング15の往復動により軸16aを支点にして回動し、この回動角度を図 示しない検出装置により検出して翼角を検出するためのものである。
【0026】 このように構成された本考案の変節装置の組立ては以下のように行う。 先ず、給油軸2の船首側端部に形成されたフランジ2aと中間軸1の端部に形 成されたフランジ1aを連結ボルト17により結合し、給油軸2の外周部に船尾 側から給油環8を挿入して周設するとともに給油軸2内にピストン9を挿入する 。そして、給油軸2の船尾側に中間板3をテンションボルト10で連結するとと もに分割面12に複数のラジアルピン11を嵌入して連結固定する。
【0027】 そして、中間板3から突出したピストンロッド9a端部と変節軸7端部とに形 成された互いに逆方向のネジ部を、フィードバックリング15の基部に形成した ナット部15aにより固定する。
【0028】 一方、プロペラ軸7には、予め圧入用ピストン14とカップリング6とインナ ースリーブ13を船首側から挿入すると共に、インナースリーブ13をプロペラ 軸7端部に位置決めしておく。そして、カップリング6を船首側に移動させ、カ ップリング6の周囲に設けた長溝6bが上記フィードバックリング15のアーム 部15bに位置するようにしてカップリング6のテーパ部とインナースリーブ1 3のテーパ部を密着させた後、圧入用ピストン14のネジ部14aをインナース リーブ13のネジ部13aに螺合させ、注油孔14bから油室14cに油を注入 して加圧することにより、ピストン部材14がカップリング6を船首側へ押圧し てインナースリーブ13のテーパ部とカップリング6のテーパ部を圧着固定する 。このことにより、プロペラ軸7とインナースリーブ13とカップリング6を一 体化する。そして、上述した中間板3とカップリング6を連結ボルト18で固定 することにより変節装置部の組立が完了する。
【0029】 この変節装置を分解する場合、連結ボルト18と圧入用ピストン14を取り外 すとともに、フィードバックリング15のリング部材15cを取り外した後、カ ップリング6の加圧孔6cから圧油を注入して加圧することによりテーパ面に油 圧を掛けて、カップリング6とインナースリーブ13とを離脱させる。
【0030】 このことにより、カップリング6を船尾側へ移動させて中間板3とプロペラ軸 7端部との間に離間部V(分解代)を形成させる。そして、この離間部V(分解 代)でフィードバックリング15の取り外し、あるいは中間板3の分解,給油環 8の取り外し等の作業を行うことができ、変節装置の組立/分解が容易に行える 。
【0031】 上記第1実施例の構成における翼角制御は、サーボシリンダ4に制御油を供給 することによりピストン9が往復動し、このピストン9の移動に伴って変節軸7 も往復動する。この変節軸7の往復動により、変節軸7先端に設けられた図示し ないクロスヘッドがリンク機構を介してプロペラ翼を回動させて翼角を変更する 。この時、変節軸7の移動に伴ってフィードバックリング15のリング部材15 cはカップリング6の外周部で移動する。
【0032】 この翼角の検出は、フィードバックリング15の移動量を検出することにより 行っており、上述したように、フィードバックリング15外周部のリング部材1 5cに形成した溝15eに緩嵌したコマ16を有するレバー16bの回動角度を 検出することにより行う。このフィードバックリング15が移動した場合、レバ ー16bが揺動し、このレバー16bの揺動角を検出して図示しない制御演算装 置によりプロペラ翼の角度を算出している。このように、ピストン9の往復動に よるフィードバックリング15の動きを、レバー16bを介して翼角を算出する ことによりフィードバックさせている。
【0033】 以上説明したように、本考案は、フィードバックリング15をプロペラ軸7の カップリング6部に設けるとともに、給油軸2内にサーボシリンダ4を内設し、 給油軸2外周部に給油環8を周設することにより、中間軸1のフランジ端部から プロペラ軸7の端部までの全長Lを大幅に短縮したので、従来例の図8に示す全 長Lに比べて、図1に示すように大幅に短くなり、可変ピッチプロペラ全体とし てもコンパクトになっている。
【0034】 次に、図2に示す側断面図に基づき第2実施例を説明する。 この実施例は、上述した第1実施例とは給油軸2の船首側端部の形状が異なっ ている。つまり上述した第1実施例は給油軸2の中間軸側が密閉されていたのに 対し、この実施例は開放されたものであり、中間軸1の端面がサーボシリンダ4 端部の油室壁面を兼ねており、中間軸1と給油軸2を連結することによりサーボ シリンダ4が形成されるものである。
【0035】 次に、図3に示す第3実施例を説明すると、この実施例は、上述した第1実施 例及び第2実施例が給油軸2の船首側端部にフランジ部を形成して中間軸1と連 結し、船尾側に中間板3を結合してカップリング6と連結する構成であったのに 対して、給油軸2の船首側を円筒形状にし船尾側にフランジ部を形成した例であ り、中間軸1後端のフランジ1aと給油軸2及び船尾側端部のフランジ2aとカ ップリング6とをテンションボルト10とラジアルピン11により連結した例で ある。
【0036】 なお、上述した何れの実施例も、プロペラ軸5のカップリング部をストレート で形成し、この周囲にインナースリーブ13を圧着しているので、プロペラ軸5 自体はストレートのものでよく、予備のプロペラ軸を常備することを考えると互 換性があるので、部品の供給等のメンテナンス面から経済的である。
【0037】 また、上記第1,第2あるいは第3実施例のように、変節箱Cは給油軸2のみ の一体型であっても給油軸2と中間板3との分割型であってもよく、また、給油 環8も一体型であっても分割型であってもよい。
【0038】 ところで、上述したように可変ピッチプロペラにあっては狭い機関室内で組立 /分解作業を行う必要があるので、上述した何れの実施例も、軸方向の連結部を トルク伝達用のラジアルピン11と、スラスト伝達用のテンションボルト10を 設けることにより構成している。この具体的な構造は図4に示す図1に示す第1 実施例のラジアルピン部拡大断面図のように、駆動側軸である給油軸2と従動側 軸である中間板3との接合面12にピン穴11aを穿設し、このピン穴11aの 開口側にラジアルピン11の抜け止めを行うC型止め輪11bの溝11cの加工 を行っている。こうすることにより、ラジアルピン11とピン穴11aのはめあ いがきつくても、テンションボルト10を緩めて接合面12を分離することによ り容易にラジアルピン11を取り外せることになり、リーマボルトのみによる連 結構造に比べて組立/分解が極めて容易に行えるようになる。
【0039】 しかし、上記構成ではピン穴11aの加工を行った後、止め輪の溝11cの加 工を行う必要があり、この場合、JISの規定により表面から必ず寸法hを取る 必要がある。このように寸法hを取った場合、深いピン穴11aを加工する必要 を生じ、深いピン穴11aを加工した場合、給油軸2の外径が大きくなり、これ に伴って給油環8の径も大きくなるので給油軸2と給油環8との間における制御 油のシール性が悪化する可能性がある。
【0040】 そこで、上記ラジアルピン11の外周部に抜け止めリングを設けることにより 、連結部の加工作業とともに組立/分解作業に要する時間と労力を激減させるこ とができる。 この具体的な構成を図5(a),(b) に示すラジアルピン部拡大断面図と図6に示 す接続面断面図を参照しながら説明する。
【0041】 先ず、図5(a) に示すように、給油軸2と中間板3とを接合させて、この接合 面上にピン穴11aを共加工して設ける。そして、このピン穴11aにラジアル ピン11を嵌挿するとともに外周部に設けた抜け止めリング11eをスライドさ せ、この抜け止めリング11eの外部から数本のラジアルピン11のネジ孔11 dに止ネジ11fを螺合して固定する。このラジアルピン11は、図6に示すよ うに、図面上では給油軸2と中間板3との間に8本設けられ、また、テンション ボルト10も8本設けられている。そして、ラジアルピン11の外周部に設けた 抜け止めリング11eは、上記ラジアルピン11の4本に止ネジ11fで固定さ れている。
【0042】 このように数箇所のラジアルピン11に抜け止めリング11eを固定すること により全てのラジアルピン11の抜け止めを行い、上記図4に示す実施例で行っ ていた全てのピン穴へのC型止め輪の溝加工を不要としている。
【0043】 このように構成された給油軸2と中間板3との分割は、止ネジ11fを取り外 すとともに抜け止めリング11eを給油軸2側へスライドさせ、テンションボル ト10を緩めれば容易に分割することができる。
【0044】 このように構成することにより、周方向に複数設けるC型止め輪の溝加工を不 要とするので、加工作業に要する多くの時間と労力を不要とすることができ、ま た、給油軸2の外径を最小限に抑えるので、シール性の悪化を防止することがで きる。
【0045】 なお、図1,図2に示す第1,第2実施例では、図6に示すように説明上ラジ アルピン11,テンションボルト10共に8本で構成しているが、通常は16本 程度を必要とするので、組立/分解は上記説明以上に簡便となる。また、上記軸 連結構造は通常の軸間の連結部に用いることも可能であり、この場合にも同様の 効果を発揮することができる。
【0046】
【考案の効果】 請求項1記載の考案によれば、変節箱とプロペラ軸を離間して設け、実翼角の フィードバックを取出すスペースと、組立/分解のスペースとを同一箇所である この離間部に持って来たので、変節装置部の全長が大幅に短縮され、機関室長さ が制約される船舶であっても可変ピッチプロペラを搭載することが可能となる。
【0047】 また、変節装置部の分解/組立あるいはメンテナンス時等も、カップリングを 船尾側へずらすことにより軸系を動かすことなく変節箱とプロペラ軸の分解/組 立が可能となり、従来の構造に比べて労力と時間が大幅に短縮される。その結果 、製造コストあるいは作業コストが低減され、安価な可変ピッチプロペラを提供 することができるという効果を奏する。
【0048】 更に、請求項2に記載の軸連結構造にあっては、従来の連結構造に比べて軸側 の加工及び軸連結部の組立/分解が極めて容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す図面であり、(a) は
変節装置全体の断面図、(b) はA矢視の部分平面図であ
る。
【図2】本考案の第2実施例を示す変節装置部全体の断
面図である。
【図3】本考案の第3実施例を示す変節装置部全体の断
面図である。
【図4】図1に示すラジアルピン部の拡大断面図であ
る。
【図5】(a),(b) は本考案に係るラジアルピン部を示す
拡大断面図である。
【図6】図1に示す本考案の第1実施例に係るラジアル
ピン接続面断面図である。
【図7】可変ピッチプロペラ全体の構成を示す模式図で
ある。
【図8】従来の変節装置全体を示す断面図である。
【符号の説明】
1…中間軸 2…給油軸 3…中間板 4…サーボシリンダ 5…プロペラ軸 6…カップリング 6b…長溝 7…変節軸 8…給油環 9…ピストン 9a…ピストンロッド 10…テンションボルト 11…ラジアルピン 11a…ピン穴 11e…抜け止めリング 12…接合面 13…インナースリーブ(連結手段) 14…圧入用ピストン 15…フィードバックリング 15a…ナット部(連結手段) 15c…リング部材 C…変節箱 V…離間部(分解代)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給油軸にサーボシリンダを形成した変節
    箱と、該給油軸に周設した給油環と、上記サーボシリン
    ダのピストンに連結されてプロペラ軸内を往復動する変
    節軸と、該変節軸の移動量を検出するフィードバックリ
    ングとを有する可変ピッチプロペラの変節装置におい
    て、 上記変節箱とプロペラ軸とを離間して設け、該離間部で
    上記変節軸を、該変節軸の連結手段を形成したフィード
    バックリングにより連結し、上記プロペラ軸に連結手段
    を介して連結固定するカップリングを設け、該カップリ
    ングのフランジ側を延出するよう形成すると共に、該フ
    ランジ端面からプロペラ軸側に開口する長溝を設け、該
    長溝から上記フィードバックリングの外周部を突出させ
    て翼角を検出したことを特徴とする可変ピッチプロペラ
    の変節装置。
  2. 【請求項2】 可変ピッチプロペラの変節装置等を備え
    た動力伝達装置において、その動力を伝達する駆動側軸
    と、該駆動側軸から動力を受ける従動側軸との接合面の
    周方向に複数のラジアルピンを設けると共に、該ラジア
    ルピンの外周部に抜け止めリングを設けたことを特徴と
    する軸連結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57170205A (en) * 1981-04-14 1982-10-20 Teruo Kinoshita Air ventilating bedding
JPS6215120U (ja) * 1985-07-12 1987-01-29

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