JPH06201528A - ブレーキロータの面振れ測定用治具 - Google Patents

ブレーキロータの面振れ測定用治具

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JPH06201528A
JPH06201528A JP5175679A JP17567993A JPH06201528A JP H06201528 A JPH06201528 A JP H06201528A JP 5175679 A JP5175679 A JP 5175679A JP 17567993 A JP17567993 A JP 17567993A JP H06201528 A JPH06201528 A JP H06201528A
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brake rotor
cylinder
rod
rotor
jig
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Takashi Yoneda
田 隆 米
Sadahisa Fujiwara
原 禎 久 藤
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Nissan Motor Co Ltd
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TOYOTA SEISAKUSHO KK
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキロータを車体に装着した状況と近似
する状況をつくり出すことが可能であるブレーキロータ
の面振れ測定用治具を提供する。 【構成】 クランプ4により鉛直方向に保持されたナッ
クル軸40の下方に回転可能でかつ同軸に配置したシリ
ンダ部12およびシリンダ部12のピストン側に接続す
るロッド14を具備した回転シリンダ10と、回転シリ
ンダ10のロッド引き動作によりホイールハブ42に対
してブレーキロータ43を圧接状態で固定しかつこのブ
レーキロータ43にモータ9の回転を伝達すると共に回
転シリンダ10のロッド押し動作によりブレーキロータ
43のホイールハブ42に対する固定を解除する回転伝
達兼シリンダ懸架機構20を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディスクブレーキで
用いられるブレーキロータの面振れを測定するのに利用
されるブレーキロータの面振れ測定用治具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】上記したブレーキロータは、その面振れ
を測定するに際して、このブレーキロータと同一の車体
に装着される中空短軸、例えば、ナックル軸に仮組みし
て治具にセットされるようになっており、従来、この面
振れを測定する際に用いられるブレーキロータの面振れ
測定用治具としては、例えば、図9に示すものがあっ
た。
【0003】図9に示すブレーキロータの面振れ測定用
治具101は、ベースプレート102と、このベースプ
レート102に形成した貫通孔102aの上方にクラン
プ受け103を介して設けられてナックル軸(中空短
軸)Kを鉛直方向に保持可能としたクランプ104と、
ベースプレート102の下方に設けられて貫通孔102
aに挿通したコア105を押し・引き作動させてクラン
プ104によりナックル軸Kを保持・解放するシリンダ
106と、ナックル軸Kと同軸に配置されてこのナック
ル軸Kの軸受Cに嵌合したホイールハブWとともにブレ
ーキロータDを回転させるモータ107を備えており、
モータ107の出力は、ブレーキロータDに載置してこ
のブレーキロータDをホイールハブWに押し付けるウエ
イト108を介して伝達するようになっている。
【0004】そして、このブレーキロータの面振れ測定
用治具101では、シリンダ106を押し作動させてク
ランプ104を拡げることにより、ナックル軸Kをこの
クランプ104上で鉛直方向に保持し、このナックル軸
Kに対しホイールハブWを介してブレーキロータDを回
転可能な状態としたのち、モータ107により軸方向に
遊びをもって回転するウエイト108をブレーキロータ
D上に載置して、このブレーキロータDをホイールハブ
Wに押し付けた状態で回転させるようにしており、この
状態で生じるブレーキロータDの面振れをダイヤルゲー
ジなどの検出器110により測定するようにしていた。
【0005】上記した従来におけるブレーキロータの面
振れ測定用治具51に関しては、例えば、昭和55年4
月20日 株式会社山海堂 から発行された 自動車工
学全書19巻 自動車の製造法 の第94頁〜第96頁
のなかに若干の記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来におけるブレーキロータの面振れ測定用治具101に
おいて、実際にはホイールハブWに対して強固に固定さ
れるブレーキロータDが、ウエイト108によりホイー
ルハブWに押し付けられているだけであり、加えて、軸
受Cに対しても付加されるべき軸方向の負荷がほとんど
加えられていないことから、この面振れ測定用治具10
1を用いて得られるブレーキロータDの面振れが、この
ブレーキロータDを車体に装着した際の面振れに一致し
ないこともあり得ることとなり、これによって、ブレー
キロータDの面振れの評価に誤差を生じる恐れがあると
いう問題を有しており、この問題を解決することが従来
の課題となっていた。
【0007】
【発明の目的】この発明は、上記した従来の課題に着目
してなされたもので、ブレーキロータを車体に装着した
状況と近似する状況をつくり出して正確な面振れの測定
が可能となるブレーキロータの面振れ測定用治具を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、軸受を中空
部内に同軸状態で装着した中空短軸を当該中空短軸が鉛
直方向となる向きに載置して保持する中空短軸保持体
と、前記軸受に嵌合したホイールハブとともにブレーキ
ロータを回転させるモータを備えたブレーキロータの面
振れ測定用治具において、前記中空短軸と同軸配置され
かつ前記モータから遊びをもって伝達される出力で回転
可能としたシリンダ部および前記シリンダ部のピストン
側に接続するロッドを具備した回転シリンダと、前記回
転シリンダのピストンのロッド引き動作により前記ホイ
ールハブに対して前記ブレーキロータを圧接状態で固定
しかつ当該ブレーキロータに前記モータの回転を伝達す
ると共に前記回転シリンダのピストンのロッド押し動作
によりブレーキロータのホイールハブに対する固定を解
除する回転伝達兼ロータ固定機構を設けた構成としてお
り、上記ブレーキロータの面振れ測定用治具の構成を前
述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
【発明の作用】この発明に係わるブレーキロータの面振
れ測定用治具では、まず、中空短軸保持体に中空短軸を
鉛直方向に保持させて、前記中空短軸に対し、ブレーキ
ロータを載せたホイールハブを軸受を介して回転可能な
状態とする。
【0010】次いで、回転シリンダにおけるシリンダ部
のピストンを作動させてロッドに引き動作を行わせる
と、回転伝達兼ロータ固定機構により、ブレーキロータ
はホイールハブに対して圧接状態で固定されると共に軸
受には実際と同様の軸方向荷重が付加されることとな
り、したがって、車体にブレーキロータを装着した状況
と近似する状況がつくり出されることとなる。
【0011】このとき、ロッドの引き動作によってブレ
ーキロータにはモータから回転のみが遊びをもって伝達
されるうえ、シリンダ部が回転可能となっているので、
ブレーキロータは、面振れを打ち消してしまうような接
触抵抗をほとんどうけることなく回転することとなり、
結局、車体にブレーキロータを装着した状況に近似する
状況となっているなかで、正確な面振れの測定が行われ
ることとなる。
【0012】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
【0013】図1〜図4はこの発明に係わるブレーキロ
ータの面振れ測定用治具の一実施例を示している。
【0014】図に示すブレーキロータの面振れ測定用治
具1は、ベースプレート2を備えており、このベースプ
レート2に形成した貫通孔2aの上方には、クランプ受
3を介して中空短軸保持体としてのクランプ4が設けて
ある。このクランプ4はその上端外周を拡・縮可能とし
たコレット機能を有するものであり、その内側に形成し
たテーパ部4aには、貫通孔2aに設けたブッシュ5を
介して貫通孔2a内で摺動可能に貫通するクランプ押圧
体6の先端のテーパ部6aが当接させてある。この場
合、クランプ押圧体6の下端側は、ベースプレート2の
下方に設けたフレーム7に固定してあり、このフレーム
7はさらに下方に設けた図示しないシリンダによるロッ
ド8の押し・引き作動により上昇・下降するようになっ
ている。そして、このフレーム7の上昇・下降に伴っ
て、クランプ押圧体6の先端に形成したテーパ部6aを
クランプ4の内側に形成したテーパ部4aに当接・離間
させることにより、クランプ4の上端外周を拡・縮させ
ることができるようにしてあり、クランプ4の上端にお
いて、中空短軸としてのナックル軸40の開口段差部4
0aを嵌合して上記動作を行わせることによって、ナッ
クル軸40を鉛直方向に保持しそして解放しうるように
している。
【0015】また、ベースプレート2の下方には回転シ
リンダ10が設けてあり、この回転シリンダ10は、前
記フレーム7の内部に収容した固定部11と、同じくフ
レーム7の内部に収容したシリンダ部12と、このシリ
ンダ部12の上端に固定されかつフレーム7の上端,ク
ランプ押圧体6およびクランプ4を摺動可能に順次貫通
した軸受支持円筒13と、この軸受支持円筒13を貫通
しかつシリンダ部12の作動によって摺動するロッド1
4を備えている。
【0016】さらに詳述すれば、図4にも示すように、
固定部11は外周に給油管および排油管の各接続口11
a,11bを有していると共に、中心にはこれらの接続
口11a,11bと連通するバルブ支持孔11cを備え
ており、下端に設けた連結プレート11d(図4では省
略)をフレーム7側の連結ボックス7aにおいて上下方
向に遊びをもって収納し、さらに、連結プレート11d
に設けた突起11eを連結ボックス7a側の凹部7bに
余裕をもって係止させることにより、この固定部11は
フレーム7に対して軸方向および回転方向のいずれにも
遊びをもって支持されるものとしてある。
【0017】一方、シリンダ部12は、シリンダ本体1
2aと、前記ロッド14と連結したピストン12bを具
備しており、シリンダ本体12aの下端の中心に設けた
回転バルブ12cを固定部11のバルブ支持孔11cに
軸受11fを介して嵌合することにより、固定部11に
対して回転自在に支持されるものとなっている。この回
転バルブ12cとバルブ支持孔11cとの嵌合によっ
て、シリンダ本体12aの内部と固定部11の接続口1
1a,11bとが連通・遮断可能となっており、これに
より、シリンダ部12はピストン12bを作動させたま
ま回転することができるようになっている。
【0018】そして、シリンダ部12とともに回転する
軸受支持円筒13の上端はナックル軸40の内側に装着
した軸受41の内輪41aの下端に当接可能としてあ
り、前述のように、フレーム7の全体を上昇させてクラ
ンプ4にナックル軸40を保持させた段階において、こ
の軸受支持円筒13の上端は軸受41の内輪41aに若
干の隙間S(図3にのみ示す)を残して接近するように
なっている。
【0019】さらに、このブレーキロータの面振れ測定
用治具1は、モータ軸9aをナックル軸40と同軸とな
るように配置したモータ9をクランプ4の上方に備えて
おり、このモータ軸9aの回転は回転伝達兼シリンダ懸
架機構(回転伝達兼ロータ固定機構)20を介してナッ
クル軸40の軸受41に嵌合したホイールハブ42上の
ブレーキロータ43に伝達するようになっている。
【0020】この回転伝達兼シリンダ懸架機構20は、
開口を下方に向けてモータ軸9aに遊びをもって接続し
て回転のみが伝達される略カップ状をなすケース21
と、このケース21の内部に嵌合されて軸方向に摺動可
能としかつケース21の開口に設けたストッパー22に
より抜け落ちが防止されたロータ加圧体23と、このロ
ータ加圧体23の上部に対向して設けた上向きのカム面
23a,23aに各々当接する一対の従動子24,24
を具備しており、ロータ加圧体23の下面をブレーキロ
ータ43に当接させるようになっている。
【0021】前記一対の従動子24,24は、ケース2
1の奥面に設けたブロック25,25とロータ加圧体2
3とにより上下方向の動きが規制されており、ロータ加
圧体23がケース21に対して上昇した場合には、これ
に従動して互いに接近すると共に、ロータ加圧体23が
ケース21に対して下降した場合には、ブロック25,
25に各々設けた弾性体26,26から付与される反発
力により互いに離間するようにしてある。そして、一対
の従動子24,24には対向する爪部24a,24aが
設けてあり、ロータ加圧体23を上昇させた場合、すな
わち、図3に示すように、ロータ加圧体23をブレーキ
ロータ43に押し付けた場合には、互いに接近する爪部
24a,24aにより、ロータ加圧体23を下方から貫
通したロッド14の先端側を小さい挾持力で挟むように
してある。
【0022】この場合、ロッド14の先端には押圧部と
しての大径部14aが設けてあり、上記のように一対の
従動子24,24の爪部24a,24aに挾まれたロッ
ド14を図1に示すようにシリンダ部12のロッド引き
作動によって下方に移動させることにより、爪部24
a,24aでロッド14の大径部14aを掛止して回転
シリンダ10の全体を懸垂させ、軸受41の内輪41a
に隙間Sを残して接近していた回転伝達兼シリンダ懸架
機構20の一部としても機能する軸受支持円筒13の先
端をこの内輪41aに当接させることができるようにし
てある。
【0023】つまり、従動子24,24およびロータ加
圧体23を介してロッド14の大径部14aと軸受支持
円筒13との間で、ブレーキロータ43,ホイールハブ
42および軸受41の内輪41aを挾持して、ブレーキ
ロータ43をホイールハブ42に圧接状態で固定すると
共に軸受41に実際にかかり得る軸方向荷重を加えるこ
とができるようにしてあり、この状態でモータ9の出力
によりブレーキロータ43を回転させ、このとき生じる
ブレーキロータ43の面振れを検出器30により測定す
るようにしている。
【0024】上記したブレーキロータの面振れ測定用治
具1にブレーキロータ43をセットする要領を説明す
る。
【0025】まず、図2に示すように、クランプ4の上
端にナックル軸40の開口段差部40aを嵌合し、ナッ
クル軸40の軸受41を介して、ブレーキロータ43を
載せたホイールハブ42を水平の向きで回転可能な状態
とする。
【0026】次いで、図3に示すように、図外の下方に
あるシリンダによるロッド8の押し上げ動作により、フ
レーム7およびクランプ押圧体6を上昇させると、クラ
ンプ4の上端外周が拡げられて、ナックル軸40はクラ
ンプ4に対して鉛直方向に強固に保持されることとな
り、このとき、軸受支持円筒13は軸受41の内輪41
aに若干の隙間Sを残して接近する。
【0027】次に、モータ9とともに回転伝達兼シリン
ダ懸架機構20の全体を下降させてロータ加圧体23の
下面をブレーキロータ43に当接させ、さらに押し付け
るようにすると、ロータ加圧体23がケース21に対し
て上昇するのに伴って、カム面23a,23aに当接す
る一対の従動子24,24が互いに接近するので、従動
子24,24の各爪部24a,24aによりロッド14
の先端側が小さい挾持力で挾み込まれることとなる。
【0028】続いて、図1に示すように、回転シリンダ
10におけるシリンダ部12のピストン12bを引き作
動させてロッド14を下方に移動させると、ロッド14
の大径部14aが従動子24,24の爪部24a,24
aに掛止され、回転シリンダ10の全体が回転伝達兼シ
リンダ懸架機構20側に懸垂することとなり、さらに、
シリンダ部12のピストン12bにロッド14の引き作
動を行わせると、回転シリンダ10が、軸受支持円筒1
3と軸受41の内輪41aとの間に残されていた隙間S
を埋めるべく上昇し、軸受支持円筒13の上端を軸受4
1の内輪41aに当接させることから、ブレーキロータ
43,ホイールハブ42および軸受41の内輪41a
は、従動子24,24およびローラ加圧体23を介し
て、ロッド14の大径部14aと軸受支持円筒13との
間で挾持されることとなる。
【0029】したがって、ブレーキロータ43とホイー
ルハブ42とは圧接状態で固定されると共に軸受41に
は軸方向の荷重が付加されることとなり、車体にブレー
キロータ43を装着したときと近似した状況が得られる
こととなる。
【0030】そして、モータ9を下降させて、回転伝達
兼シリンダ懸架機構20に対して回転のみを伝達するよ
うに遊びをもって接続する状態としたのちモータ9を作
動させ、回転伝達兼シリンダ懸架機構20を介してブレ
ーキロータ43をホイールハブ42とともに回転させ
る。
【0031】このとき、ブレーキロータ43およびホイ
ールハブ42は回転シリンダ10と一体で回転伝達兼シ
リンダ懸架機構20に懸垂していると共にブレーキロー
タ43にはモータ9から回転のみが遊びをもって伝達さ
れるうえ、シリンダ部12が回転可能となっているの
で、軸受41にはラジアル方向の荷重がかからなくなっ
て、ブレーキロータ43は安定して回転することとな
り、この状態で検出器30により面振れを測定する。
【0032】また、測定が終了した際には、まず、回転
シリンダ10におけるシリンダ部12のピストン12b
の押し作動によりロッド14を上方に移動させて回転シ
リンダ10をフレーム7上に降ろし、ブレーキロータ4
3,ホイールハブ42および軸受41の内輪41aを解
放する。
【0033】そして、モータ9を上昇させて回転伝達兼
シリンダ懸架機構20のロータ加圧体23をブレーキロ
ータ43から離間させると、このロータ加圧体23がケ
ース21に対して下降するのに伴って、爪部24a,2
4aが互いに離間するので、ロッド14は回転伝達兼シ
リンダ懸架機構20から離れることとなる。
【0034】こののち、フレーム7とともにクランプ押
圧体6を下降させてクランプ4の上端外周を縮ませる
と、ナックル軸40をクランプ4から取り外すことがで
きるようになる。
【0035】図5〜図8はこの発明に係わるブレーキロ
ータの面振れ測定用治具の他の実施例を示している。
【0036】図5に示すブレーキロータの面振れ測定用
治具51は、ベースプレート52を備えており、このベ
ースプレート52に形成した貫通孔52aの上方には、
クランプ受53を介して中空短軸保持体としてのクラン
プ54が設けてある。このクランプ54はその上端外周
を拡・縮可能としたコレット機能を有するものであり、
その内側に形成したテーパ部54aには、貫通孔52a
を摺動可能に貫通するロッド58の先端テーパ部58a
が当接させてある。このロッド58は、ベースプレート
52の下方に設けた図示しないシリンダのピストン側に
接続しており、シリンダの作動により押し・引き動作す
るものとなっている。そして、図6にも示すように、こ
のロッド58の押し・引き動作に伴って、その先端テー
パ部58aをクランプ54のテーパ部54aに当接・離
間させることにより、クランプ54の上端外周を拡・縮
させることができるようにしてあり、クランプ54の上
端をナックル軸40の開口段差部40aに嵌合して上記
動作を行わせることによって、ナックル軸40を鉛直方
向に保持しそして解放するようにしている。
【0037】また、ベースプレート52の上方には回転
シリンダ60が設けてある。この回転シリンダ60は、
第1実施例における回転シリンダ10の固定部11およ
びシリンダ部12と同じ構成の固定部61およびシリン
ダ部62を備えていると共にシリンダ部62の作動によ
り引き・押し動作するロッド63を備えており、ロッド
63を下に向けてナックル軸40と同軸に配置してあ
る。この場合、固定部61の上端にモータブラケット5
5を介して固定したフレーム56の上面には貫通孔56
aが設けてあり、この貫通孔56aにはナックル軸40
と同軸に配置した振れ止めロッド57が若干の遊びをも
って挿通してある。
【0038】一方、シリンダ部62にはプーリ64が嵌
装してあり、シリンダ部62と平行をなすようにしてモ
ータブラケット55に固定したモータ59のモータ軸5
9aに設けたプーリ65と、このシリンダ部62側のプ
ーリ64との間にVベルト66を僅かな滑りを許容して
かけ渡すことによって、シリンダ部62をモータ59か
ら遊びをもって伝達される出力により回転させるように
している。
【0039】さらに、このブレーキロータの面振れ測定
用治具51は、モータ59の回転をナックル軸40の軸
受41に嵌合したハブボルト付ホイールハブ42A上の
ブレーキロータ43Aに伝達する回転伝達兼ロータ固定
機構70を備えており、回転シリンダ60はこの回転伝
達兼ロータ固定機構70を介してブレーキロータ43A
の上に載せるようにしてある。
【0040】この回転伝達兼ロータ固定機構70は、シ
リンダ部12の下端に固定した加圧円筒71と、この加
圧円筒71の中空部内でかつ回転シリンダ60における
ロッド63の周囲に配置した複数個(この実施例では4
個)のブロック72と、加圧円筒71およびブロック7
2の間に設けたカム73を備えており、ブロック72
は、その下端に係合溝72aを有していると共に上端側
に係合孔72bを有している。
【0041】このブロック72は、ロッド63の先端
(図示下端)に90°の間隔をもって設けた係合突起6
3aに係合溝72aを摺動可能に係合させると共に、ロ
ッド63の基端側(図示上端側)に同じく90°の間隔
をもって設けた係合突起63bを係合孔72bに摺動可
能に係合させることによって、ロッド63に対してその
径方向に移動可能に接続してある。
【0042】また、これらのブロック72は、各々の下
端に爪74を複数個ずつ設けている。これらの爪74
は、図7にも示すように、全体で略環状をなすようにし
て配置してあり、ブロック72がロッド63から離間す
る方向に各々移動した状態において、ハブボルト付ホイ
ールハブ42Aのハブボルト42aに対してこれらの爪
74のうちのいずれかが当接するものとしてある。そし
て、隣り合う爪74を上下方向にずらして設けることに
より、図8に示すように、ブロック72のロッド63に
接近する方向への移動を支障なく行わせることができる
ようにしてある。
【0043】前記カム73はブロック72側に保持され
ており、ロッド63側でかつ斜め上方向を向くロータ固
定用カム面73aを有している。そして、このカム73
のロータ固定用カム面73aを加圧円筒71に設けたロ
ッド63とは反対側でかつ斜め下方向を向く円筒側ロー
タ固定用カム面71aに当接させるようになすことによ
り、回転シリンダ60のシリンダ部62にロッド63の
引き動作を行わせてシリンダ部62側を下降させた際
に、図5および図7に示すように、ブロック72をロッ
ド63から離間する方向にぞれぞれ移動させ、複数の爪
74のうちのいずれかをハブボルト42aに圧接させて
固定することができるようにしてある。また、このカム
73をブロック72に対して上下方向に微動可能とする
ことにより、シリンダ部62にロッド引き動作を継続し
て行わせた場合には、ハブボルト42aに固定されたブ
ロック72を基台にして、カム73の許容された移動量
だけ加圧円筒71を下降させてその下端をブレーキロー
タ43Aの上面に圧接させる、すなわち、ブレーキロー
タ43Aに下方向への力を加えてハブボルト付ホイール
ハブ42Aに圧接状態で固定することができるようにし
てある。
【0044】この場合、ブロック72には、ロッド63
とは反対側でかつ斜め下方向を向くロータ解除用カム面
72cが設けてあると共に、加圧円筒71には、ロッド
63側でかつ斜め上方向を向く円筒側ロータ解除用カム
面71cが設けてある。そして、これらのカム面71
c,72c同士が当接するようになすことにより、回転
シリンダ60のシリンダ部62にロッド63の押し動作
を行わせてシリンダ部62を上昇させた際に、図6およ
び図8に示すように、加圧円筒71の下端をブレーキロ
ータ43Aから離間させると共に、各ブロック72をロ
ッド63に接近する方向にそれぞれ移動させて爪74を
ハブボルト42aから離間させることができるようにし
てある。
【0045】なお、図5および図6において符号71b
および符号72dはいずれもストッパであり、ストッパ
71bはブロック72のロッド63とは反対側への移動
を制限し、一方、ストッパ72dは、加圧円筒71をブ
レーキロータ43Aに圧接させる際に、前記ストッパ7
1bと当接してブロック72のロッド63側への戻り動
作を規制するものとなっている。
【0046】次に、上記したブレーキロータの面振れ測
定用治具51にブレーキロータ43Aをセットする要領
を説明する。
【0047】まず、図6に示すように、クランプ54の
上端にナックル軸40の開口段差部40aを嵌合し、ブ
レーキロータ43Aを載せたハブボルト付ホイールハブ
42Aを水平の向きで回転可能な状態とする。
【0048】次いで、ベースプレート52の下方にある
図示しないシリンダを作動させてロッド58を上昇させ
ることにより、クランプ54の上端外周を拡げて、ナッ
クル軸40をクランプ54に対して鉛直方向に保持す
る。
【0049】次に、回転シリンダ60およびこれに接続
する回転伝達兼ロータ固定機構70を下降させて、ブレ
ーキロータ43A上に載置したのち、回転シリンダ60
のシリンダ部62にロッド63の引き作動を行わせて、
シリンダ部62側を下方向に移動させると、加圧円筒7
1の円筒側ロータ固定用カム面71aに当接するカム7
3を介して4個のブロック72が、ロッド63から離間
する方向に向けてそれぞれ移動し、図5および図7に示
すように、ハブボルト付きホイールハブ42Aのハブボ
ルト42aに対して、複数の爪74のうちのいずれかが
当接することから、4個のブロック72は、ホイールハ
ブ42Aに固定されることとなる。
【0050】このとき、爪74は略環状をなすようにし
て配置してあるので、ハブボルト42aの配置位相に関
係なく複数の爪74のうちのいずれかが当接することと
なり、また、加圧円筒71にはストッパ71bが設けて
あるので、ブロック72の移動によりハブボルト42a
が変形したりするようなことはない。
【0051】そして、回転シリンダ60のシリンダ部6
2にロッド63の引き作動を継続して行わせると、ブロ
ック72が既にホイーリハブ42A側に固定された状態
となっているので、カム73に円筒側ロータ固定用カム
面71aを当接させた加圧円筒71が、ハブボルト42
aに固定されたブロック72を基台にして、カム73に
許容された下方向への移動量だけ下降し、その下端でブ
レーキロータ43Aを押圧することから、ブレーキロー
タ43Aはハブボルト付きホイールハブ42Aに圧接状
態で固定されることとなる。
【0052】この間、ブロック72には、ロッド63に
近接する方向の力が生じるが、ストッパ71b,72d
同士が当接し合うため、ブロック72の戻り動作は阻止
され、ハブボルト42aから爪74が離間することはな
い。
【0053】したがって、上述したように、ブレーキロ
ータ43Aはハブボルト付きホイールハブ42Aに強固
に固定されると共に、軸受41には軸方向の荷重が付加
されることとなり、この実施例においても、車体にブレ
ーキロータ43Aを装着したときと近似した状況が得ら
れることとなる。
【0054】そして、モータ59を作動させて、回転シ
リンダ60のシリンダ部62および回転伝達兼ロータ固
定機構70を介してブレーキロータ43Aをホイールハ
ブ42Aとともに回転させる。
【0055】このとき、回転シリンダ60のシリンダ部
62には、回転のみが遊びをもって伝達されているの
で、軸受41にはラジアル方向の荷重がかからなくなっ
て、ブレーキロータ43Aは安定して回転することとな
り、この状態で検出器30により面振れを測定する。
【0056】また、測定が終了した際には、回転シリン
ダ60のシリンダ部62にロッド63の押し動作を行わ
せてシリンダ部62と共に加圧円筒71を上昇させる
と、加圧円筒71の円筒側ロータ解除用カム面71cに
ロータ解除用カム面72cを当接させたブロック72が
ロッド63に接近する方向にそれぞれ移動するので、爪
74がハブボルト42aからそれぞれ離間することとな
り、これにより回転シリンダ60および回転伝達兼ロー
タ固定機構70の全体を上方に移動させることが可能と
なる。
【0057】こののち、図外のシリンダの作動により、
ロッド58を下降させてクランプ54の上端外周を縮ま
せると、ナックル軸40をクランプ54から取り外すこ
とができるようになる。
【0058】なお、この発明に係わるブレーキロータの
面振れ測定用治具の詳細な構成は、上記した第1実施例
および第2実施例に限定されるものではない。
【0059】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明に係
わるブレーキロータの面振れ測定用治具では上記した構
成としたため、ブレーキロータをホイールハブに対して
強固に固定することができると共に軸受に軸方向の荷重
を付加することができるので、ブレーキロータを実際に
車体に装着した状況と近似する状況をつくり出すことが
可能となるうえ、ブレーキロータをほとんど接触抵抗な
く回転させることができるので、正確な面振れの測定が
可能になるという極めて優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるブレーキロータの面振れ測定
用治具の一実施例を示すブレーキロータのセットが完了
した状態の断面説明図である。
【図2】図1に示したブレーキロータの面振れ測定用治
具においてブレーキロータのセットを行う前の状態の断
面説明図である。
【図3】図1に示したブレーキロータの面振れ測定用治
具においてブレーキロータのセットを行っている途中の
状態の断面説明図である。
【図4】図1に示したブレーキロータの面振れ測定用治
具における回転シリンダの要部の拡大断面説明図であ
る。
【図5】この発明に係わるブレーキロータの面振れ測定
用治具の他の実施例を示すブレーキロータのセットが完
了した状態の断面説明図である。
【図6】図5に示したブレーキロータの面振れ測定用治
具においてブレーキロータのセットを行う前の状態の断
面説明図である。
【図7】図5のA−A線位置での断面説明図である。
【図8】図6のB−B線位置での断面説明図である。
【図9】従来におけるブレーキロータの面振れ測定用治
具を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 51 ブレーキロータの面振れ測定用治具 4 54 クランプ(中空短軸保持体) 9 59 モータ 10 60 回転シリンダ 12 62 シリンダ部 14 63 ロッド 20 回転伝達兼シリンダ懸架機構(回転伝達兼ロータ
固定機構) 40 ナックル軸(中空短軸) 41 軸受 42 ホイールハブ 42A ハブボルト付きホイールハブ 43 43A ブレーキロータ 70 回転伝達兼ロータ固定機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受を中空部内に同軸状態で装着した中
    空短軸を当該中空短軸が鉛直方向となる向きに載置して
    保持する中空短軸保持体と、前記軸受に嵌合したホイー
    ルハブとともにブレーキロータを回転させるモータを備
    えたブレーキロータの面振れ測定用治具において、前記
    中空短軸と同軸配置されかつ前記モータから遊びをもっ
    て伝達される出力で回転可能としたシリンダ部および前
    記シリンダ部のピストン側に接続するロッドを具備した
    回転シリンダと、前記回転シリンダのピストンのロッド
    引き動作により前記ホイールハブに対して前記ブレーキ
    ロータを圧接状態で固定しかつ当該ブレーキロータに前
    記モータの回転を伝達すると共に前記回転シリンダのピ
    ストンのロッド押し動作によりブレーキロータのホイー
    ルハブに対する固定を解除する回転伝達兼ロータ固定機
    構を設けたことを特徴とするブレーキロータの面振れ測
    定用治具。
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