JPH06200485A - インクジェット染色用繊維構造物及びそれを用いた染色方法 - Google Patents

インクジェット染色用繊維構造物及びそれを用いた染色方法

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JPH06200485A
JPH06200485A JP4349289A JP34928992A JPH06200485A JP H06200485 A JPH06200485 A JP H06200485A JP 4349289 A JP4349289 A JP 4349289A JP 34928992 A JP34928992 A JP 34928992A JP H06200485 A JPH06200485 A JP H06200485A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、滲み防止と高発色性に優れたイン
クジェット染色用繊維構造物及びそれを用いたインクジ
ェット染色方法を提供するものである。 【構成】 アルカリ性物質を0.1〜10重量%及び3
0℃に於いて固体状の水溶性又は水分散性の1種以上の
界面活性剤を1〜50重量%含有しているインクジェッ
ト染色用繊維構造物及びそれを用いたインクジェット染
色方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロース系繊維を含む
繊維構造物の滲みがなく発色性に優れたインクジェット
染色用繊維構造物及びそれを用いたインクジェット染色
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維構造物類に画像を形成する方
法として、ローラー捺染法、スクリーン捺染法、ロータ
リースクリーン捺染法、転写捺染法などが利用されてい
た。しかしながらこれらの捺染方法は生産に取り掛かる
までにトレース、製版などの煩雑な工程を経なければな
らず、多くの期間と労力を必要とした。
【0003】これを改善するものとして、近年、紙への
記録分野で著しい発展を遂げているインクジェット記録
方式を布帛等の繊維構造物の捺染に利用することが注目
されている。このインクジェット方式とは、インクを微
少な液滴としてノズルより吐出して被印刷物に付与して
高解像度で画像を形成する方法である。この方式による
と、コンピューターデザインシステムで作成されたデザ
イン画像、又はスキャナーによりコンピューターに取り
込まれたデザイン画像を、インクジェット記録装置によ
り直接繊維構造物にプリントすることができる。そのた
めトレース工程、製版工程が不要になり従来方式である
ローラー捺染法、スクリーン捺染法、ロータリースクリ
ーン捺染法、転写捺染法に較べて非常に短納期でプリン
ト生産が可能となる。
【0004】このインクジェット方式による繊維構造物
の染色を実用化するためには、繊維構造物上でのインク
滲みの発生と発色性が悪いという、二つの重要な問題点
を解決する必要がある。
【0005】一般に、セルロース系繊維からなる繊維構
造物を染色する場合、染色物の鮮明性、堅牢性の点から
反応性染料を用いるのが好ましい。反応性染料はセルロ
ースと反応固着させる場合に、アルカリ性にする必要が
ある。しかし、インクジェット染色の際に反応性染料を
用いたインクにアルカリ性物質を添加すると、インクの
経時安定性が悪化し問題となる。従って、セルロース系
繊維からなる繊維構造物を反応性染料インクを用いてイ
ンクジェット染色する場合には、繊維構造物側にアルカ
リ性物質を付与して置く方法が一般に行われている。
【0006】このセルロース系繊維からなる繊維構造物
を反応性染料インクを用いてインクジェット染色する場
合には、問題となるインクの滲み、低発色性を改善する
ためにつぎの様な提案がされている。 (1)繊維構造物側にアルカリ性物質及び還元防止剤を
付与する方法(特公平3−46589)。 (2)繊維構造物側にアルカリ性物質及び水溶性塩類及
び又は非カチオン性水溶性高分子物質を付与する方法
(特公平4−33913)。 (3)繊維構造物側にアルカリ性物質、尿素及び非イオ
ン又はアニオン性水溶性高分子物質を付与する方法(特
公平4−35351)。 しかしこれらの方法は、発色性の改善と滲み防止の効果
が十分ではなく、特に発色性に於いては従来捺染法と比
較して十分な濃色を得ることはできなかった。
【0007】従って、従来のセルロース系繊維を含む繊
維構造物のインクジェット染色法では滲み防止と高発色
性を同時に満足できる方法はなかった。
【0008】
【本発明が解決しようとしている課題】本発明は従来技
術では解決できなかった、滲み防止と高発色性を同時に
満足するセルロース系繊維を含むインクジェット染色用
繊維構造物を提供するものである。
【0009】本発明者らは、繊維構造物のインクジェッ
ト染色における低発色性の原因を鋭意検討した結果、そ
の主要因が繊維構造物上ではインクジェット付与された
染料インクによるインクドット間に間隙が発生するため
であることを見出した。
【0010】通常インクジェット方式による紙用の記録
装置では、紙上でのドット間隔は縦、横方向共に同じ距
離でドット直径よりも小さな値に設定されている。それ
はインクジェットにより吐出されたインク液滴は、表面
が緻密かつ平面である紙上では、(図1)に示す様に紙
と衝突した瞬間にインク液滴の直径の数倍の直径を持つ
円形ドット状に広がるためである。従ってこのドット直
径より狭い間隔でドットを付与することにより隣接する
ドット間に隙間を生じることなくプリントが可能とな
る。
【0011】しかし、織物などの布帛ではその構造上、
表面及び内部に多くの隙間を持つためインクジェット付
与されたインク液滴は織物表面のみで広がるのではな
く、織物内部にまで入り込んだ後、糸の繊維方向に沿っ
て移動拡散する。このため織物上でのインクによるドッ
ト形状は(図2)に示す様に糸の繊維方向に沿って伸び
た形となり、糸の繊維と垂直な方向へのインクの拡散が
小さく、この方向にはドット間にインクが存在しない部
分あるいはインクの存在量が少ない部分、つまり白場が
発生する。
【0012】この微小な白場の発生は、染料の染着処理
を行った後にも未染色部分として残留し、これがインク
ドット部分つまり染色部分と混在するにより織物の見か
けの染色濃度は大幅に低下することが判明した。
【0013】このドット間隙を発生させないためには、
織物に例えば水や水溶性溶剤及び液状の界面活性剤を付
与するなどのインクの滲みを増大させる処理をすること
により解決できるのであるが、それらの方法ではインク
の滲みが大きくなり過ぎ、画像の品位が低下してしま
う。
【0014】つまり、インクジェット染色に於いて高発
色性と滲み防止とを両立させるためには、 (1)布帛にインク液滴が衝突した際に、インクドット
がその表面で広がりできるだけドット間隙を発生させな
い様にする。 (2)布帛表面及び内部に浸透したインクを繊維方向だ
けでなく全方向に一様に拡散させ、インクドットの間隙
をなくす。 (3)布帛表面及び内部でのインクの拡散を適度な範囲
に制御する。 (4)適度な範囲に拡散したインク中の反応性染料を確
実に固着させる。 以上4件の条件を満足させれば良いことを見出し、これ
らの条件を満足する方法を鋭意検討した結果本発明に到
達した。
【0015】本発明は、滲み防止と高発色性に優れた高
品位な画像形成を可能とするセルロース系繊維を含むイ
ンクジェット染色用繊維構造物及び該繊維構造物を用い
たインクジェット染色方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルカリ
性物質を0.1〜10重量%及び30℃に於いて固体状
の水溶性又は水分散性の1種以上の界面活性剤を1〜5
0重量%含有せしめた繊維構造物がインクジェット染色
用繊維構造物として有効であり、かつ該繊維構造物を用
いたインクジェット染色方法は、インクの滲みがなくか
つ発色性の優れた染色物を提供できるのである。
【0017】本発明者らの見解によれば、インクジェッ
ト染色で問題となる低発色性の原因は既に述べた様に、
布帛などの繊維構造物は表面及び内部には多くの空隙が
存在するために付与されたインク液滴が布帛表面で広が
らずに内部にまで浸透してしまい、布帛表面ではインク
ドット間に隙間が発生し染着後も微小な白場となって残
留するためである。
【0018】この白場を発生させないためには、アルカ
リ性物質と例えば水溶性高分子や微粒子などの固体の化
合物を布帛に付与し、布帛表面に存在する繊維間の空隙
を完全に充填し、布帛と衝突したインク液滴が表面で広
がる様にすれば良いのであるが、このためには布帛に対
し多量の充填剤を付与する必要があり、かえって染料固
着率が低下して発色性が悪化してしまう。
【0019】しかし本発明による、アルカリ性物質及び
30℃に於いて固体状の水溶性又は水分散性の界面活性
剤を付与した布帛は、該界面活性剤の付与量が少なく、
布帛中の繊維間隙の充填が不完全で、インクジェットで
付与されたインク液滴が布帛内部に入り込み、布帛表面
でドット間隙を発生した場合でも、該界面活性剤の持つ
浸透性、保水性により適度にインクが拡散した後に保持
されるので、布帛上に白場が発生しない。従って、高発
色性で滲みのない高品位の染色物が得られる。
【0020】本発明で用いる界面活性剤としては、非イ
オン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤の中から選ば
れる。
【0021】非イオン系界面活性剤としては、エーテル
型、エステル型、エーテルエステル型、含窒素型などを
使用することができる。
【0022】エーテル型としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエ
ーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキ
シエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプ
ロピルアルキルエーテルなど、エステル型としては、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖エステ
ルなど、エステルエーテル型としては、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、な
ど、含窒素型としては、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、脂肪酸アルカノールアマイド、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸アマイドなどを使用することができる。
【0023】アニオン系界面活性剤としては、カルボン
酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル
塩などを使用することができる。
【0024】カルボン酸塩としては、石鹸、アルキルエ
ーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩など、スル
ホン酸塩としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、スルホコハク酸塩など、硫酸エステル塩としては、
アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルア
リルエーテル硫酸塩、アルキルアマイド硫酸塩など、リ
ン酸塩としては、アルキルリン酸塩、アルキルエーテル
リン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩などを使用
することができる。
【0025】界面活性剤は、1種あるいは2種以上の配
合でもよく、2種以上の配合の場合はその配合物が30
℃に於いて固体であれば良い。又、該界面活性剤は反応
性染料との固着を避けるために水酸基を持たないものが
好ましい。
【0026】該界面活性剤の繊維構造物への付与量は、
繊維構造物重量に対して1〜50重量%であり、1重量
%以下では滲み防止効果が十分ではなく、50重量%以
上では染料の繊維構造物への固着が阻害され発色性が低
下するので好ましくない。好ましくは2〜20重量%で
ある。
【0027】本発明に於いて重要なことは、これらの中
から選ばれた水溶性又は水分散性の界面活性剤が30℃
に於いて固体状であることである。
【0028】室温で固体状の界面活性剤は室温で少量の
水と接触した場合、液体の界面活性剤の様にすぐには水
を内部に拡散浸透せず、表面から徐々に吸水膨潤し、そ
の水分をある程度内部に浸透させた後、その界面活性剤
の持つ保水性に応じた領域に保持する。従って、該界面
活性剤を付与した繊維構造物に水系溶媒からなるインク
液滴が衝突した場合、衝突した瞬間は該界面活性剤が繊
維構造物表面の繊維間隙にある程度充填されているので
繊維構造物内部よりも布帛表面に多く広がり、その後該
界面活性剤の持つ浸透性によりインクが全方向にある程
度拡散した後、該界面活性剤の持つ保水性により保持さ
れる。
【0029】以上の効果は本発明以外の物質、例えば液
状の界面活性剤、水溶性塩類、水溶性有機溶剤、水溶性
高分子などでは得られない。液状の界面活性剤、水溶性
塩類、水溶性有機溶剤を布帛に付与した場合はインクの
滲みが大きくなり過ぎ、又水溶性高分子を布帛に付与し
た場合はインクの滲みが繊維に対して垂直方向に小さく
インクドット間隙が発生し発色性の改善が見られなかっ
た。
【0030】本発明に用いるアルカリ性物質としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、などを使用できる。さらにアル
カリ性物質として、常温では中性であるが染料固着時の
加熱によりアルカリ性となるトリクロロ酢酸ナトリウム
なども使用できる。
【0031】本発明におけるアルカリ性物質の繊維構造
物への付与量は、繊維構造物重量に対して0.1〜10
重量%であり、10重量%以上付与した場合、染料固着
工程までの放置中に染料が加水分解し発色性が低下し好
ましくない。好ましくは該繊維構造物中のセルロース系
繊維に対して0.1〜10重量%である。
【0032】又、本発明では発色性の向上を目的とし
て、本発明のアルカリ性物質及び30℃に於いて固体状
の水溶性又は水分散性の1種以上の界面活性剤以外に、
必要に応じヒドロトロープ剤、還元防止剤、均染剤、塩
類等の染色助剤を添加しても差し支えない。
【0033】本発明で使用するインクジェット装置と
は、インクをノズルより液滴状に吐出しドット状に付与
させる記録方法で、現在では数多くの方式による装置が
開発されている。以下にこれらについて詳細に述べる。
第1の方式としては、加圧したインクを微小径のノズル
よりジェット状に吐出させる際、ノズルに振動を加えて
液滴状に分離させると同時に電荷を与えてそれを電界に
より制御する連続方式(偏向型、発散型)がある。第2
の方式としては、圧電素子又は熱エネルギーの力により
必要な時にのみノズルよりインクを液滴状に吐出するオ
ンデマンド方式(圧力パルス方式、バブルジェット方
式)がある。第3の方式としては、静電引力によりノズ
ルよりインクを引き出す靜電吐出方式などがある。以上
のいずれの方式も本発明に利用することができる。
【0034】本発明のセルロース系繊維を含む繊維構造
物とは、綿、麻などの天然セルロース繊維、レーヨン、
ポリノジック、キュプラなどの再生セルロース繊維を含
有する、繊維、糸、編織物、不織布をいう。セルロース
系繊維単独でも、セルロース系繊維同志の混用品でも、
さらには他の素材例えばポリエステル、ナイロン、アク
リルなどの合成繊維との混用品でもよい。
【0035】本発明で使用するインクとは、反応性染料
と水系液媒体及び添加剤からなる。反応性染料は液媒体
中に溶解又は分散された形で使用される。
【0036】本発明でインクに使用される反応性染料と
は、セルロースの水酸基と反応して固着可能な染料であ
る。該染料の持つ代表的な反応基としては、トリアジン
系、ビニルスルホン系、ピリミジン系、キノキサリン系
のものなどが挙げられる。
【0037】本発明でインクに使用される液媒体は水を
主成分とし、インクの乾燥によるノズル詰まりの防止及
び染料の溶解性を向上させる目的で水溶性溶剤を併用す
ることができる。
【0038】水溶性溶剤としては、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール
類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール
類、エチルグリコール、ブチルグリコール、エチルジグ
リコール、ブチルジグリコールなどのグリコール誘導体
類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、Nーメチル
ー2ピロリドンなどのピロリドン類などが使用できる。
【0039】本発明でインクに使用される添加剤とは、
使用するインクジェット方式に適したインク物性を与え
るための物性調整剤(粘度,表面張力,電導度,pHな
ど),防腐剤,酸化防止剤,キレート剤,消泡剤,イン
ク乾燥防止剤などが適応できる。
【0040】本発明でいう1ドットとは、使用するイン
クジェット装置で表現可能な最小記録単位のことで、更
に詳しくはノズルより吐出された1滴のインク液滴が布
帛に付与された時のインク液滴の広がりを意味する。
【0041】本発明によりインクジェット染色された繊
維構造物は、通常の捺染法と同様にスチーミング、乾熱
処理等により染料の固着処理を行い、未固着の染料及び
界面活性剤を除去するためにソーピング処理及び仕上げ
処理を行い、製品化される。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明を更に明細に説明す
るが、これらの実施例によって本発明は何等制限される
ものではない。なお以下に示す部とは、重量部を示す。
【0043】(1)布帛前処理条件 実施例1〜2、比較例1〜6 精錬、漂白、マーセル化した木綿の織物(織密度:経×
緯−120×80本/インチ)を用い、下記に示す前処
理浴でパッド処理(絞り率:70%)した後120℃で
2分間乾燥した。
【0044】(実施例1) ノイゲンDS601 (ポリオキシエチレンジステアリルエステル、 第一工業製薬社製:融点60℃) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 5部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 87部
【0045】(実施例2) ノイゲンDS601 (ポリオキシエチレンジステアリルエステル、 第一工業製薬社製:融点60℃) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 15部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 77部
【0046】(比較例1) イオネットDO−600 (ポリオキシエチレンジオレイルエステル、 三洋化成工業社製:液状) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 5部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 87部
【0047】(比較例2) カーポールCLE−1000(ポリオキシエチレンジメチルエーテル、 旭電化工業社製:融点40℃) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 5部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 87部
【0048】(比較例3) スノーアルギンSSL(アルギン酸ソーダ、富士化学社製) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 5部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 87部
【0049】(比較例4) 炭酸ナトリウム 2部 尿素 5部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 92部
【0050】(比較例5) イオネットDO−600 (ポリオキシエチレンジオレイルエステル、 三洋化成工業社製:液状) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 15部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 77部
【0051】(比較例6) カーポールCLE−1000(ポリオキシエチレンジメチルエーテル、 旭電化工業社製:融点40℃) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 15部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 77部
【0052】(比較例7) スノーアルギンSSL(アルギン酸ソーダ、富士化学社製) 5部 炭酸ナトリウム 2部 尿素 15部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 77部
【0053】(比較例8) 炭酸ナトリウム 2部 尿素 15部 メタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部 イオン交換水 82部
【0054】(2)インクジェット染色条件 (1)で得られた各前処理布帛に下記の黒色反応性染料
インク組成物を下記インクジェット装置のインクタンク
に投入し、織物にインクジェット染色を行った。
【0055】 (イ)インク組成:リキッド染料(Levafix Black PN-GR :BAYER社製) 70部 エチレングリコール 10部 イオン交換水 20部
【0056】(ロ)インクジェット条件 方式 :オンデマンド方式 ノズル径:40μm 解像度 :180(ドット/インチ)
【0057】(3)染料固着条件 上記組成のインクを用いてインクジェット染色を行った
その後、80℃で2分予備乾燥を行い、スチーミング処
理(103℃で8分:実施例1、比較例1〜4)又は乾
熱処理(150℃で3分:実施例2、比較例5〜8)に
より染料の固着を行い、水洗、湯洗後、未固着の染料を
除去する目的で80℃で60分間ソーピング処理を行い
染色見本を得た。
【0058】(3)評価方法 (イ)発色性 ベタ面にインクジェット染色し固着処理を行った染色布
を、色差計(東京電色社:TC−1500)にてL*値
(明度)を測定した。L*値は小さい程濃色に染まって
いることを示す。
【0059】(ロ)滲み タテ、ヨコそれぞれ4ドットの4×4ドットマトリック
ス中に1ドットだけインクを付与したパターンと、ベタ
面にインクを付与したパターンを作成し、それぞれの反
射濃度を反射濃度計(大日本スクリーン社:DM−80
0)により測定した。次にマレー・デービスの式により
4×4ドットマトリックスの面積中に1ドットの占める
面積比を計算し、そのドットを円形と見なした時のドッ
ト径を算出し、インク滲みの評価とした。ドット径が大
きい程滲みが大きいことを示す。
【0060】(マレー・デービスの式) a=(1−10-d)÷(1−10-D) a:4×4ドットマトリックスの面積中に1ドットの占
める面積比 d:4×4ドットマトリックスの中に1ドット付与した
時の反射濃度 D:ベタ面の反射濃度 (1ドットの面積の計算式) S=(25.4÷180)2 ×42 ×a S:1ドットの面積(mm2 ) (ドット径の計算式) R=(S÷3.14)0.5 ×2 R:ドット直径(mm)
【0061】(4)結果 (表1)にスチーミング処理(実施例1、比較例1〜
4)、及び乾熱処理(実施例2、比較例5〜8)の発色
性、ドット直径の測定結果を示した。これらにより比較
例4、8の未処理(アルカリ、尿素、還元防止剤処理の
み)に対して本発明による実施例1、2は発色性、滲み
(ドット直径が小さくなっている)共に大きく改善され
ていることが分かる。比較例1、5の液状界面活性剤で
は発色性は改善されているが滲みが大きく、比較例2、
6の界面活性効果を持たない固体水溶性化合物では発色
性及び滲みの改善度が小さく、比較例3、7の水溶性高
分子では滲みについては少し改善されているが発色性が
改善されておらず特に比較例7の乾熱処理では発色性が
悪化していることが分かる。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明により、反応性染料を含有する液
媒体をセルロース系繊維を含む繊維構造物へドット状に
付与して捺染を行うインクジェット染色法に於いて、滲
みがなく発色性に優れた高品位な画像が得られる。
又、本発明は染料インクに余分な添加剤を必要としない
ためノズル詰まりなどの問題を起こさない。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙及び本発明の繊維構造物上でのインクドット
の広がりを示す模式図である。
【図2】従来の布帛上でのインクドットの様子を示す模
式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性物質を0.1〜10重量%及
    び30℃に於いて固体状の水溶性又は水分散性の1種以
    上の界面活性剤を1〜50重量%含有していることを特
    徴とするインクジェット染色用繊維構造物。
  2. 【請求項2】 反応性染料を含有する水系液媒体をイン
    クジェット方式によりセルロース系繊維を含む繊維構造
    物へドット状に付与して染色を行うインクジェット染色
    法に於いて、前記繊維構造物が、アルカリ性物質を0.
    1〜10重量%及び30℃に於いて固体状の水溶性又は
    水分散性の1種以上の界面活性剤を1〜50重量%含有
    していることを特徴とするインクジェット染色方法。
JP34928992A 1992-12-28 1992-12-28 インクジェット染色用繊維構造物及びそれを用いた染色方法 Expired - Fee Related JP3235684B2 (ja)

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