JPH06199870A - 縮合チアゾール類、その製造法及び剤 - Google Patents

縮合チアゾール類、その製造法及び剤

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JPH06199870A
JPH06199870A JP4329038A JP32903892A JPH06199870A JP H06199870 A JPH06199870 A JP H06199870A JP 4329038 A JP4329038 A JP 4329038A JP 32903892 A JP32903892 A JP 32903892A JP H06199870 A JPH06199870 A JP H06199870A
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JP
Japan
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group
compound
formula
substituent
alkyl
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Withdrawn
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JP4329038A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Aono
哲也 青野
Osamu Uchikawa
治 内川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】式 【化1】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、
2は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族基,
置換基を有していてもよいカルボン酸アシル基または置
換基を有していてもよいスルホン酸アシル基を、R3
4はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよ
い炭化水素基を、nは0〜3の整数を示す]で表わされ
る縮合チアゾール類、その塩、製造法及び剤。 【効果】目的化合物は、過酸化脂質生成抑制剤、特に
癌、動脈硬化、肝疾患、脳血管障害、炎症などにおける
治療・予防薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な縮合チアゾール
類またはその塩、およびこれを有効成分とする医薬組成
物に関するものである。さらに詳しくは癌、動脈硬化、
肝疾患、脳血管障害、炎症等の種々の疾患の予防・治療
剤として有用な新規過酸化脂質生成抑制剤およびリポキ
シゲナーゼ阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体内での過酸化脂質の生成およびそれに
付随したラジカル反応は、膜障害や酵素障害等を介して
生体に種々の悪影響を及ぼす事が明らかになるにつれ
て、抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤の医薬への応用が種
々試みられるようになってきた。現在、これらの分野で
有効と報告されている過酸化脂質生成抑制剤として、 生体内抗酸化酵素およびその修飾誘導体(フリーラジ
カルの臨床,Vol.2,83−91,日本医学館,198
7)、 式
【化4】 で表わされるビタミンEおよびその誘導体(ビタミン
61,383−390,1987)や、式
【化5】 で表わされるビタミンCとその誘導体(バイオケミカル
ファーマコロジー“Biochem. Pharmacol.”37,1
089−1098,1988)などの生体内抗酸化剤、 式
【化6】 で表わされるケルセチン“Quercetin”(フィトケミス
トリィー“Phytochemistry”, 27, 969−978,
1988)などのフラボノイドおよびその誘導体や、式
【化7】 で表わされるカークミン“Curcumin”(フィトケミスト
リィー, 27,969−978,1988)などの植物
起源の天然型抗酸化物質、 式
【化8】 で表わされるイブセリン“Ebselen”(バイオケミカル
ファーマコロジー 36,3095−3102,19
87)、式
【化9】 で表わされるチアゾリジン誘導体(プロシィーディング
オブ ザ ナショナルアカデミィー オブ サイエン
シィズ オブ ザ ユナイティド スティツ オブ ア
メリカ“Proc. Natl. Acad. Sci. USA”79,6246
−6249,1982)、式
【化10】 で表わされるU−74006Fなどの21−アミノステ
ロイド(ジャーナル オブ バイオロジカル ケミスト
リィー“J. Biol. Chem.”262,10438−104
40,1987)、式
【化11】 [式中、R1は水素原子又は、それぞれ置換基を有して
いてもよい脂肪族基、カルボン酸アシル基若しくはスル
ホン酸アシル基を、R2は水素原子又は、それぞれ置換
基を有していてもよい芳香環基若しくは脂肪族基を示
す。]で表わされる化合物あるいはその塩(EP−A−
0,351,856)、および式
【化12】 [式中、Aは結合又はCH2を、R1は水素原子又は、そ
れぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基、カルボン酸
アシル基若しくはスルホン酸アシル基を、R2は水素原
子又は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香環基若
しくは脂肪族基を示す。]で表わされる化合物又はその
塩(EP−A−0,443,588)などの合成抗酸化・
過酸化脂質生成抑制剤がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、公知の生体内
抗酸化酵素、ビタミンE、ビタミンC、あるいはそれら
の誘導体および植物起源の天然型抗酸化物質は、有効な
抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤としての開発がまだ不十
分であり、実用的には必ずしも満足できる状況でない。
抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤を広く医薬の分野で利用
するためには、作用、作用時間、毒性等の点で上記の公
知合成化合物よりも優れた性質を有する抗酸化・過酸化
脂質生成抑制剤の開発が必要とされている。本発明の目
的は、公知の合成抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤とは化
学構造が相違し、特にEP−A−0351856、EP
−A−0443588に記載の化合物とはチアゾール部
のNとSの位置が逆の新しい骨格であり、しかも医薬と
して有用な過酸化脂質生成抑制作用を有する新規化合物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、チアゾール環に
含窒素環が縮合した式
【化13】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、
2は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族基,
置換基を有していてもよいカルボン酸アシル基または置
換基を有していてもよいスルホン酸アシル基を、R3
4はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよ
い炭化水素基を、nは0〜3の整数を示す。]で表わさ
れる新規縮合チアゾール類またはその塩の合成に成功す
ると共に、これらの新規化合物が予想外にも強力な過酸
化脂質生成抑制作用、2−ヒドロキシヘプタデカトリエ
ン酸(以下“HHT”と略称する)及びリポキシゲナー
ゼの阻害もしくは抑制作用,ロイコトリエンD4(LT
4)受容体拮抗作用などの医薬として有用な作用を有
することを見い出し、これらに基づいて本発明を完成し
た。すなわち本発明は、(1)縮合チアゾール類[I]
またはその塩、(2)式
【化14】 [式中、Xは脱離基を、R2,R3,R4,nは前記と同
意義を示す。]で表わされる化合物またはその塩と、式
【化15】 [式中、R1は前記と同意義を示す。]で表わされる化
合物とを反応させる化合物[I]またはその塩の製造
法、(3)化合物[I]またはその塩を含有する過酸化
脂質生成抑制剤、および(4)R1が置換基を有してい
てもよいフェニル基またはC1-6アルキル基で、R2
3,R4が水素原子で、nが1〜3である化合物[I]
またはその塩に関するものである。
【0005】上記の式において、R1で表わされる「置
換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」
としては、たとえば鎖状、環状、飽和、不飽和さらには
それらの種々の組み合わせからなる炭化水素基が用いら
れる。鎖状飽和炭化水素基としては、たとえば、直鎖状
もしくは分枝状のC1-11アルキル基、好ましくはC1-6
アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,
i−プロピル,n−ブチル,i−ブチル,tert−ブチ
ル,n−ペンチル,n−ヘキシルなど)などが用いられ
る。鎖状不飽和炭化水素基としては、たとえば直鎖状も
しくは分枝状のC2-4アルケニル基(例えば、ビニル,
アリル,2−ブテニル,2,4−ブタジエニルなど)、
直鎖状もしくは分枝状のC2-4アルキニル基(例えば、
プロピニル,プロパルギル,2−ブチニルなど)などが
用いられる。環状飽和炭化水素基としては、たとえばC
3-7単環式シクロアルキル基(例えば、シクロブチル,
シクロペンチル,シクロヘキシルなど)、C8-14架橋環
式飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ[3.2.1]オク
ト−2−イル,ビシクロ[3.3.1]ノン−2−イル,
アダマンタン−1−イルなど)などが用いられる。環状
不飽和炭化水素基としては、たとえばフェニル基、ナフ
チル基、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニ
ルなどのC6-14アリール基などが用いられる。また、R
1で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」
の「炭化水素基」としては、上に例示した鎖状、環状、
飽和、不飽和の炭化水素基の種々の組み合わせからなる
炭化水素基でもよく、例えば、C7-18アラルキル(例え
ば、フェニルメチル,フェニルエチル,フェニルプロピ
ル,フェニルブチル,フェニルペンチル,フェニルヘキ
シル,α−ナフチルメチルなどのフェニル−C1-6アル
キルまたはナフチル−C1-6アルキルなど),C8-18
リールアルケニル(例えば、スチリル,シンナミル,4
−フェニル−2−ブテニル,4−フェニル−3−ブテニ
ルなどのフェニル−C2-4アルケニルなど),C8-18
リールアルキニル(例えば、フェニルエチニル,3−フ
ェニル−2−プロピニル,3−フェニル−1−プロピニ
ルなどのフェニル−C2-4アルキニルなど),C3-7単環
式シクロアルキル−C1-6アルキル(例えば、シクロプ
ロピルメチル,シクロブチルメチル,シクロペンチルメ
チル,シクロヘキシルメチル,シクロヘプチルメチル,
シクロプロピルエチル,シクロブチルエチル,シクロペ
ンチルエチル,シクロヘキシルエチル,シクロヘプチル
エチル,シクロプロピルブチル,シクロブチルブチル,
シクロペンチルブチル,シクロヘキシルブチル,シクロ
ヘプチルブチル,シクロプロピルペンチル,シクロブチ
ルペンチル,シクロペンチルペンチル,シクロヘキシル
ペンチル,シクロヘプチルペンチル,シクロプロピルヘ
キシル,シクロブチルヘキシル,シクロペンチルヘキシ
ル,シクロヘキシルヘキシル,シクロヘプチルヘキシル
など)等が用いられる。
【0006】R1で表わされる「置換基を有していても
よい炭化水素基」の「炭化水素基」の好ましい例として
は、直鎖状もしくは分枝状C1-6アルキル基(例えば、
メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブ
チル,i−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−
ヘキシルなど),フェニル基またはフェニル−C1-6
ルキル基(例えば、フェニルメチル,フェニルエチル,
フェニルプロピルなど)などが用いられる。さらには、
直鎖状もしくは分枝状C1-3アルキル基(メチル,エチ
ル,n−プロピル,i−プロピルなど)またはフェニル
基が同「炭化水素基」としてより好ましい。R1で表わ
される上記したような鎖状飽和、鎖状不飽和および環状
飽和炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例
えばハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロ
モ,ヨードなど)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ
基、C1- 4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキ
シ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキ
シなど)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ,エチ ルチオ,プロピルチオなど)、アミノ基、モ
ノまたはジC1-4アルキル置換アミ ノ基(例えば、メチ
ルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチルア
ミノ,ジエチルアミノなど)、環状アミノ基(例えば、
ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリノなど)、C1-4
ルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミ
ノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノなど)、C
1-4アルキルスルホニルア ミノ基(例えば、メチルスル
ホニルアミノ,エチルスルホニルアミノなど)、C1-4
アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル,エトキシカルボ ニル,プロポキシカルボニルな
ど)、カルボキシル基、C1-6アルキル−カルボ ニル基
(例えば、メチルカルボニル,エチルカルボニル,プロ
ピルカルボニルなど)、カルバモイル基、モノまたはジ
1-4アルキル置換カルバモイル基(例え ば、メチルカ
ルバモイル,エチルカルバモイルなど)、C1-6アルキ
ルスルホニ ル基(例えば、メチルスルホニル,エチル
スルホニル,プロピルスルホニルなど)などから選ばれ
た1ないし5個が用いられる。
【0007】R1で表わされる環状不飽和炭化水素基の
置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例えば、
メチル,エチル,プロピル,ブチルなど)、ハロゲン原
子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アル
コキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキ
シ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)、C1-4
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プ
ロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオなど)、ア
ミノ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基(例
えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,
ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、環状アミノ基
(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリノな
ど)、C1-4アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ
など)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたはジC
1−4アルキル置換アミノカルボニルオキシ基(例え
ば、メチルアミノカルボニルオキシ,エチルアミノカル
ボニルオキシ,ジメチルアミノカルボニルオキシ,ジエ
チルアミノカルボニルオキシなど)、C1-4アルキルス
ルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ,
エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノな
ど)、C1-4アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボ
ニル,イソブトキシカルボニルなど)、カルボキシル
基、C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカ
ルボニル,エチルカルボニル,ブチルカルボニルな
ど)、C3-6シクロアルキル−カルボニル(例えば、シ
クロヘキシルカルボニルなど),カルバモイル基,モノ
またはジC1-4アルキル置換カルバモイル基(例えば、
メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,プロピルカ
ルバモイル,ブチルカルバモイル,ジエチルカルバモイ
ル,ジブチルカルバモイルなど)、C1-6アルキルスル
ホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニ
ル,プロピルスルホニルなど)、C3-6シクロアルキル
スルホニル基(例えば、シクロペンチルスルホニル,シ
クロヘキシルスルホニルなど)、1ないし4個の置換基
を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキシ、
ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニル−C1-4
アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニ
ル−C1-4アルキル−カルボニルアミノ,ベンゾイルア
ミノ、フェニル−C1-4アルキルスルホニル、フェニル
スルホニル、フェニル−C1-4アルキルスルフィニル、
フェニル−C1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェ
ニルスルホニルアミノ基(それぞれのフェニル基または
ナフチル基における置換基としては、例えばメチル,エ
チル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどのC1-4
ルキル基、メトキシ,エトキシ,n−プロピルオキシ,
i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシなどのC1-4
ルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードなどのハロゲン原
子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上記のごと
きモノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基、ニトロ
基、上記のごときC1-6アルキル−カルボニル基などが
用いられる。)などが用いられる。特に、例えばハロゲ
ン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)またはC1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エ
トキシ,プロピオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオ
キシなど)などが置換基として好ましい。これら環状不
飽和炭化水素基の置換の数は1〜3個が適当である。
【0008】Rで表わされる「鎖状、環状、飽和、不
飽和の炭化水素基の種々の組み合わせからなる炭化水素
基」の置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例
えば、メチル,エチル,プロピル,ブチルなど)、ハロ
ゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨード
など)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4
ルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオ
キシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)、C
1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチル チ
オ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオな
ど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミ
ノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プ ロピ
ルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、環
状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホ
リノなど)、C1-4アルキル−カルボニルア ミノ基(例
えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリル
アミノなど)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたは
ジC1-4アルキル置換アミノカルボニ ルオキシ基(例え
ば、メチルアミノカルボニルオキシ,エチルアミノカル
ボニルオキシ,ジメチルアミノカルボニルオキシ,ジエ
チルアミノカルボニルオキシなど)、C1-4アルキルス
ルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ,
エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノ
など)、C1-4アルコキシ −カルボニル基(例えばメト
キシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカル
ボニル,イソブトキシカルボニルなど)、カルボキシル
基、C1-6アルキル −カルボニル基(例えば、メチルカ
ルボニル,エチルカルボニル,ブチルカルボニルな
ど)、C3-6シクロアルキル−カルボニル(例えば、シ
クロヘキシルカル ボニルなど),カルバモイル基,モ
ノまたはジC1-4アルキル置換カルバモイル 基(例え
ば、メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,プロピ
ルカルバモイル,ブチルカルバモイル,ジエチルカルバ
モイル,ジブチルカルバモイルなど)、C1-6アルキル
スルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスル
ホニル, プロピルスルホニルなど)、C3-6シクロアル
キルスルホニル基(例えば、シク ロペンチルスルホニ
ル,シクロヘキシルスルホニルなど)、1−4個の置換
基を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキ
シ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニル−C
1-4アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フ
ェニル−C1-4アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイ
ルアミノ、フェニル−C1-4アルキルスルホニル、フェ
ニルスルホニル、フェニル−C1-4アルキルスルフ ィニ
ル、フェニル−C1-4アルキルスルホニルアミノまたは
フェニルスルホニル アミノ基(それぞれのフェニル基
またはナフチル基における置換基としては、例えばメチ
ル,エチル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどのC
1-4アルキル基、メトキシ,エトキシ,n−プロピルオ
キシ,i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシなどのC
1-4アルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードなどのハロ
ゲン原子、 水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上
記のごときモノまたはジC1-4アルキ ル置換アミノ基、
ニトロ基、上記のごときC1-6アルキルカルボニル基な
どが用 いられる。)などから選ばれた1ないし5個が
用いられる。
【0009】R1で表わされる「置換基を有していても
よい複素環基」の「複素環基」としては、環中に1ない
し4個好ましくは1ないし2個のヘテロ原子(例えば、
N,O,Sなど)を含んでいる5ないし8員好ましくは
5または6員の芳香族または非芳香族複素環基が用いら
れる。上記芳香族複素環基としては、例えばフリル、チ
エニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、
チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジ
アゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジ
ル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリア
ジニルなどの芳香族単環式複素環基、または例えばベン
ゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニ
ル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリ
ル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2
−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2
−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、
キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニ
ル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、
プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリ
ニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジ
ニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジ
ニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナト
リジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ
[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダ
ジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,
4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−ト
リアゾロ[4.3−b]ピリダジニルなどの芳香族縮合
複素環基などが用いられる。上記非芳香族複素環基とし
ては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニ
ル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、
チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モル
ホリニル、チオモルホリニル、ピラジニルなどが用いら
れる。上記複素環基の中でも、5または6員複素環基が
好ましく、例えば、フリル,チエニル,ピロリル,オキ
サゾリル,イソオキサゾリル,イミダゾリル,ピラゾリ
ル,ピリジル,ピリダジニル,キノリル,イソキノリ
ル,チアゾリル,チアジアゾリル,チオフェニルなどが
用いられる。
【0010】R1で表わされる「置換基を有していても
よい複素環基」の「置換基」としては、例えば、C1-4
アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,ブチ
ルなど)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,
ブロモ,ヨードなど)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキ
シ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキ
シ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキ
シなど)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブ
チルチオなど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキ
ル置換アミノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミ
ノ,プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ
など)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジ
ノ,モルホリノなど)、C1-4アルキル−カルボニルア
ミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロ ピオニルアミ
ノ,ブチリルアミノなど)、アミノカルボニルオキシ
基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミノカルボニル
オキシ基(例えば、メチルアミノカル ボニルオキシ,
エチルアミノカルボニルオキシ,ジメチルアミノカルボ
ニルオキシ,ジエチルアミノカルボニルオキシなど)、
1-4アルキルスルホニルアミノ 基(例えば、メチルス
ルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ,プロピルス
ルホニルアミノなど)、C1-4アルコキシ−カルボニル
基(例えば、メトキシカル ボニル,エトキシカルボニ
ル,プロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニルな
ど)、カルボキシル基、C1-6アルキル−カルボニル基
(例えば、メチルカル ボニル,エチルカルボニル,ブ
チルカルボニルなど)、C3-6シクロアルキル− カルボ
ニル(例えば、シクロヘキシルカルボニルなど),カル
バモイル基,モノまたはジC1-4アルキル置換カルバモ
イル基(例えば、メチルカルバモイル,エ チルカルバ
モイル,プロピルカルバモイル,ブチルカルバモイル,
ジエチルカルバモイル,ジブチルカルバモイルなど)、
1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル,エチルスルホニル,プロピルスルホニルなど)、C
3-6シク ロアルキルスルホニル(例えば、シクロペンチ
ルスルホニル,シクロヘキシルスルホニルなど)、1な
いし4個の置換基を有していてもよいフェニル、ナフチ
ル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、
フェニル−C1-4アルキル カル バモイル、フェニルカ
ルバモイル、フェニル−C1-4アルキル−カルボニルア
ミ ノ、ベンゾイルアミノ、フェニル−C1-4アルキルス
ルホニル、フェニルスルホ ニル、フェニル−C1-4アル
キルスルフィニル、フェニル−C1-4アルキル スルホニ
ルアミノまたはフェニルスルホニルアミノ基(それぞれ
のフェニル基またはナフチル基における置換基として
は、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,イソプ
ロピルなどのC1-4アルキル基、メトキシ,エトキシ,
n−プロピ ルオキ シ,i−プロピルオキシ,n−ブチ
ルオキシなどのC1-4アルコキシ基、クロロ,ブロモ,
ヨードなどのハロゲン原子、水酸基、ベンジルオキシ
基、アミノ基、上記のごときモノまたはジC1-4アルキ
ル置換アミノ基、ニトロ基、上記 のごとき C1-6アル
キルカルボニル基などが用いられる。)などから選ばれ
た1ないし3 個が用いられる。
【0011】R2で表わされる「置換基を有していても
よい脂肪族基」の「脂肪族基」としては、脂肪族鎖式炭
化水素基または脂環式炭化水素基が用いられる。上記脂
肪族鎖式炭化水素基としては、直鎖状もしくは分枝状の
アルキル基,アルケニル基またはアルキニル基が用いら
れる。上記アルキル基としては、例えば直鎖状もしくは
分枝状のC1-11アルキル基、好ましくは直鎖状もしくは
分枝状のC1-6アルキル基(例えば、メチル,エチル,
n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,i−ブチ
ル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなど)
などが用いられ、中でもメチル,エチル,n−プロピル
などのC1-3アルキル基などが好ましい。上記アルケニ
ル基としては、例えばC2-4アルケニル基(例えば、ビ
ニル,アリル,2−ブテニル,2,4−ブタジエニルな
ど)などが用いられる。上記アルキニル基としては、例
えばC2-4アルキニル基(例えば、プロパルギル,2−
ブチニルなど)などが用いられる。上記脂環式炭化水素
基としては、例えばシクロアルキル基,シクロアルケニ
ル基,シクロアルカジエニル基などが用いられる。上記
シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
チル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.
2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシ
クロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニ
ル、ビシクロ[4.3.1]デシルなどのC3-12シクロア
ルキルなどが用いられる。上記シクロアルケニル基とし
ては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−シク
ロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イ
ル、3−シクロヘキセン−1−イルなどのC5-8シクロ
アルケニルなどが用いられる。上記シクロアルカジエニ
ル基としては、例えば2,4−シクロペンタジエン−1
−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5
−シクロヘキサジエン−1−イルなどのC5-8シクロア
ルカジエニルなどが用いられる。
【0012】R2で表わされる「置換基を有していても
よい脂肪族基」の「置換基」としては、通常医薬に用い
られる置換基であればどのようなものでもよく、具体的
には例えばハロゲン原子(例えば、クロロ,ブロモ,フ
ルオロなど),ヒドロキシ,C1-3アルコキシ(例え
ば、メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,i−プロポ
キシなど),C6-10アリールオキシ(例えば、フェノキ
シなど),C7-10アラルキルオキシ(例えば、ベンジル
オキシなど),メルカプト,C1-3アルキルチオ(例え
ば、メチルチオ,エチルチオなど),C6-10アリールチ
オ(例えば、フェニルチオなど),C7-10アラルキルチ
オ(例えば、ベンジルチオなど),アミノ,C1-3アル
キル基で置換されたモノまたはジ置換アミノ(例えば、
メチルアミノ,エチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチ
ルアミノなど),環状アミノ(例えば、ピロリジノ,モ
ルホリノ,ピペリジノ,ピペラジノなど),C2-5アル
コキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル,エト
キシカルボニルなど),C1-10アシル(例えば、ホルミ
ル,アセチル,プロピオニル,ベンゾイルなど),C
2-4アシルオキシ(例えば、アセトキシ,プロピオニル
オキシなど),C2-10アシルアミド(例えば、アセトア
ミド,ベンズアミドなど),カルボキシル基,カルバモ
イル基,置換基を有していてもよいフェニル基またはナ
フチル基などから選ばれた1ないし5個、好ましくは1
ないし3個が用いられる。上記フェニル基またはナフチ
ル基の置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例
えば、メチル,エチル,プロピル,ブチルなど)、ハロ
ゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨード
など)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4
ルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオ
キシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)、C
1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチ
オ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオな
ど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミ
ノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピル
アミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、環
状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホ
リノなど)、C1-4アルキル−カルボニルアミノ基 (例
えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリル
アミノなど)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたは
ジC1-4アルキル置換アミノカルボニルオキ シ基(例え
ば、メチルアミノカルボニルオキシ,エチルアミノカル
ボニルオキシ,ジメチルアミノカルボニルオキシ,ジエ
チルアミノカルボニルオキシなど)、C1-4アルキルス
ルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ,
エチル スルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノ
など)、C1-4アルコキシ−カル ボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカ
ルボニル,イソブトキシカルボニルなど)、カルボキシ
ル基、C1-6アルキル−カ ルボニル基(例えば、メチル
カルボニル,エチルカルボニル,ブチルカルボニルな
ど)、C3-6シクロアルキル−カルボニル(例えば、シ
クロヘキシルカルボニ ルなど),カルバモイル基,モ
ノまたはジC1-4アルキル置換カルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,プロピ
ルカルバモイル,ブチルカルバモイル,ジエチルカルバ
モイル,ジブチルカルバモイルなど)、C1-6 アルキル
スルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスル
ホニル,プロピルスルホニルなど)、C3-6シクロアル
キルスルホニル(例えば、シクロペンチ ルスルホニ
ル,シクロヘキシルスルホニルなど)、1ないし4個の
置換基を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノ
キシ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニル−
1-4アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、
フェニ ル−C1-4アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾ
イルアミノ、フェニル−C1-4アルキルスルホニル、フ
ェニルスルホニル、フェニル−C1-4アルキルスルフィ
ニ ル、フェニル−C1-4アルキルスルホニルアミノまた
はフェニルスルホニルアミ ノ基(それぞれのフェニル
基またはナフチル基における置換基としては、例えばメ
チル,エチル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどの
1-4アルキル基、メ トキシ,エトキシ,n−プロピル
オキシ,i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシなどの
1-4アルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードなどのハ
ロゲン原子、水 酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、
上記のごときモノまたはジC1-4アルキル 置換アミノ
基、ニトロ基、上記のごときC1-6アルキルカルボニル
基などが用い られる。)などから選ばれる1ないし3
個程度が好ましい。
【0013】R2で表わされる「置換基を有していても
よいカルボン酸アシル基」としては、たとえば式 R5
CO−(式中、R5は置換基を有していてもよい炭化水
素基を示す。)で表わされる基などが用いられる。R2
で表わされる「置換基を有していてもよいスルホン酸ア
シル基」としては、たとえば式 R5SO2−(式中、R
5は前記と同意義を示す。)で表わされる基 などが用い
られる。上記R5で表わされる「置換基を有していても
よい炭化水素基」としては、例えば上記R1の「置換基
を有していてもよい炭化水素基」で述べた基などが用い
られる。R5の好ましい例としては、例えば直鎖状もし
くは分枝状C1-6アルキル基(例えば、メチル,エチ
ル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,i−ブ
チル,tert−ブチルなど)、C2-4アルケニル基(例え
ば、ビニル,アリル,2−ブテニル,2,4−ブタジエ
ニルなど)、C2-4アルキニル基(例えば、プロパルギ
ル,2−ブチニルなど)、またはフェニル基などが用い
られる。R3,R4で表わされる「置換基を有していても
よい炭化水素基」としては、例えば上記R1の「置換基
を有していてもよい炭化水素基」で述べた基などが用い
られる。R3,R4の好ましい例としては、例えば直鎖状
もしくは分枝状C1-6アルキル基(例えば、メチル,エ
チル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,i−
プロピル,n−ブチル,i−ブチル,tert−ブチルな
ど)、C2-4アルケニル基(例えば、ビニル,アリル,
2−ブテニル,2,4−ブタジエニルなど)またはC2-4
アルキニル基(例えば、プロパルギル,2−ブチニルな
ど)などが用いられる。R3,R4の特に好ましい例とし
ては、水素原子または直鎖状もしくは分枝状C1-6アル
キル基などが用いられる。nとしては、1,2または3
が好ましい。尚、式[I]で表わされる化合物またはそ
の塩は、R1,R2,R3およびR4における置換基の種類
如何によっては立体異性体が生じる可能性があるが、こ
れら異性体単独のみならず、それらの混合物も本発明に
含まれる。式[I]で表わされる化合物の塩としては、
とりわけ医薬上許容される塩が好ましい。それらの塩と
しては、例えば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,臭化水素酸
などの無機酸や有機カルボン酸(例、ギ酸,酢酸,酒石
酸,クエン酸,シュウ酸,フタル酸,フマル酸,マレイ
ン酸など)、スルホン酸(例、メタンスルホン酸,ベン
ゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸など)などの
有機酸などとの塩が用いられる。また化合物[I]が
1,R2,R3およびR4における置換基としてカルボキ
シル基などの酸性基を有する場合、アルカリ金属(例、
ナトリウム,カリウムなど)又はアルカリ土類金属
(例、マグネシウムなど)などの無機塩、あるいは有機
塩基(例、ジシクロヘキシルアミン,トリエチルアミ
ン,2,6−ルチジンなどのアミン類など)と塩を形成
してもよい。
【0014】次に、この発明化合物[I]またはその塩
の製造法について述べる。以下、式[I]で表わされる
化合物またはその塩を化合物[I]と略称する。化合物
[II]またはその塩と化合物[III]とを反応させるこ
とによって化合物[I]が得られる。式[II]における
Xの脱離基としては、例えばハロゲン原子(例えば、ク
ロロ,ブロモ,ヨードなど)、C1-6アルキルスルホニ
ルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンス
ルホニルオキシなど)、C6-10アリールスルホニルオキ
シ(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエン
スルホニルオキシなど)などが用いられる。特にハロゲ
ン原子などがXとして好ましい。
【0015】本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行
うのが有利である。この様な溶媒として反応が進行する
限り特に限定はされないが、例えばメタノール,エタノ
ール,プロパノール,イソプロパノールなどのアルコー
ルなどが好ましい。反応温度は通常50〜150℃、好
ましくは60〜100℃である。反応時間は通常3〜2
4時間、好ましくは6〜12時間である。化合物[II
I]の使用量は、化合物[II]またはその塩1モルに対
し、通常約1〜3モル、好ましくは約1〜1.3モル量
である。化合物[II]またはその塩は、それ自体公知の
方法あるいはそれに準じる方法により製造することがで
きる。例えば、ジャーナル オブ ザ アメリカン ケ
ミカル ソサエティ“J. Am. Chem. Soc.”, 80,6
233(1958),ジャーナル オブ メジシナル
ケミストリィー“J. Med. Chem.”, 14,501(1
971), ヘルベチカ キミカ アクタ“Helv. Chim.
Acta”, 71,337(1988)などに記載の方法
により製造できる。また、化合物[III]は、それ自
体公知の方法あるいはそれに準じる方法により製造する
ことができる。例えば、テトラヘドロン レターズ“Te
trahedron Lett.”, 22,1851(1981)に記
載の方法などにより製造される。化合物[II]の塩とし
ては、とりわけ医薬上許容される塩が好ましい。それら
の塩としては、例えば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,臭化
水素酸などの無機酸や有機カルボン酸(例、ギ酸,酢
酸,酒石酸,クエン酸,シュウ酸,フタル酸,フマル
酸,マレイン酸など)、スルホン酸(例、メタンスルホ
ン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸な
ど)などの有機酸との塩が用いられる。また化合物[I
I]がR2,R3,R4における置換基としてカルボキシル
基などの酸性基を有する場合、アルカリ金属(例、ナト
リウム,カリウムなど)又はアルカリ土類金属(例、マ
グネシウムなど)等との無機塩基あるいは有機塩基
(例、ジシクロヘキシルアミン,トリエチルアミン,
2,6−ルチジンなどのアミン類など)と塩を形成して
もよい。
【0016】上記の方法により化合物[I]のR2が水素
原子である化合物(以下、化合物[I](R2=H)と示
す。)またはその塩が得られる場合は、公知の手段、例
えば濃縮,液性変換,転溶,溶媒抽出,分留,蒸留,結
晶化,再結晶,クロマトグラフィーなどで単離,精製す
ることができるが、単離することなく反応混合物のまま
脂肪族基導入反応、カルボン酸アシル化反応またはスル
ホン酸アシル化反応などに付すことによって、R2が水
素原子以外である化合物[I]またはその塩を得ること
もできる。具体的には、R2が置換基を有していてもよ
い脂肪族基または置換基を有していてもよいスルホン酸
アシル基である化合物[I]またはその塩は、例えば、
化合物[I](R2=H)またはその塩と、式 R2’−Y [IV] [式中、R2’は置換基を有していてもよい脂肪族基ま
たは置換基を有していてもよいスルホン酸アシル基を、
Yは脱離基を示す。]で表わされる化合物とを反応させ
ることによっても製造することができる。Yで表わされ
る脱離基としては、例えばハロゲン原子(例えば、クロ
ロ,ブロモ,ヨードなど)、C1-6アルキルスルホニル
オキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスル
ホニルオキシなど)、C6-10アリールスルホニルオキシ
(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンス
ルホニルオキシなど)などが用いられる。特にハロゲン
原子がYとして好ましい。R2’で示される「置換基を
有していてもよい脂肪族基」および「置換基を有してい
てもよいスルホン酸アシル基」としては、たとえば上記
2で述べた「置換基を有していてもよい脂肪族基」お
よび「置換基を有していてもよいスルホン酸アシル基」
などが用いられる。
【0017】脂肪族基導入反応を行なう場合、用いる原
料化合物[IV]の量は化合物[I](R2=H)またはその
塩1モル当たり約1〜2モルである。本反応は炭酸カリ
ウム や炭酸ナトリウムなどの無機塩基またはトリエチ
ルアミン,ピリジンなどの有機塩基の存在下で進行させ
てもよい。塩基は化合物[I](R2=H)またはその塩
と等モル程度用いるのがよい。本反応は溶媒中で有利に
行うことができ、使用する溶媒としては、反応が進行す
る限り特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラ
ン,ジオキサン,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセ
トアミドなどが好適に用いられる。反応は通常、氷冷下
〜加熱下に行なわれ、約30°〜100℃の範囲が適し
ている。反応時間は通常30分〜8時間、好ましくは3
0分〜3時間である。スルホン酸アシル基導入反応を行
なう場合、用いる化合物[IV]の量は化合物[I](R2
=H)またはその塩1モルに対し約1〜3モルである。
本反応は、通常トリエチルアミン,ピリジン,4-ジメ
チルアミノピリジンなどのアミンの存在下で行なうのが
有利である。用いられるアミンの量は化合物[I](R2
=H)またはその塩1モルに対し約1〜3モルである。
本反応は溶媒中で行うことができ、用いられる溶媒は反
応に不活性なものであればいずれのものでもよいが、た
とえばアセトン,ジオキサン,ジメチルホルムアミド,
テトラヒドロフラン,クロロホルム,メチレンクロリド
などが好適に用いられる。また、ピリジンを溶媒として
用いて反応を行ってもよい。反応は、通常0℃〜室温
(以下の製法説明における室温とは、具体的には5〜3
5℃を意味する。)でスムーズに進行する。反応時間
は、通常30分〜12時間、好ましくは30分〜5時間
である。
【0018】また、R2が置換基を有していてもよいカ
ルボン酸アシル基である化合物[I]またはその塩を得
るには、例えば化合物[I](R2=H)またはその塩と
式 R5COOH [V] [式中、R5は前記と同意義を示す。]で表されるカル
ボン酸またはその反応性誘導体とを反応させてもよい。
該カルボン酸の反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物
(例えば、酸塩化物,酸臭化物など),酸アミド(例え
ば、イミダゾリドなど),酸無水物,酸アジド,活性エ
ステル(例えば、N−フタルイミドエステル,N−オキ
シコハク酸イミドエステルなど)などが用いられる。ま
た、活性化エステルを用いる代わりにカルボン酸を直接
化合物[I](R2=H)またはその塩と反応させてもよ
い。その場合、たとえばN,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミドまたは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
などのカップリング試薬の存在下で反応を進行させるの
がよい。カルボン酸[V]またはその反応性誘導体は、
化合物[I](R2=H)またはその塩1モルに対し通常
1〜3モル、好ましくは約1〜1.2モル用いる。化合
物[I](R2=H)またはその塩とカルボン酸[V]と
を直接反応させる場合は、カルボン酸[V]を通常化合
物[I](R2=H)またはその塩1モルに対し、通常約
1〜3モル好ましくは約1〜1.2モル用いる。この
時、化合物[I](R2=H)またはその塩1モルに対し
て、1〜1.2モルのカップリング試薬 の存在下で反
応を有利に進行させることができる。反応は、通常氷冷
下〜室温でスムーズに進行する。本反応は溶媒中で行な
うのがよく、用いられる溶媒としては、反応に不活性な
ものであればいずれのものでもよく、たとえばクロロホ
ルム,メチレンクロリド,テトラヒドロフラン,ジオキ
サン,ジメチルホルムアミドなどが用いられる。カルボ
ン酸[V]の反応性誘導体として酸ハロゲン化物を用い
る場合は、反応系内にたとえばトリエチルアミン,ピリ
ジン,4−ジメチルアミノピリジンなどのアミンを加え
ておくのが望ましい。反応時間は、用いる試薬や溶媒に
より異なるが通常30分〜12時間、好ましくは30分
〜2時間である。
【0019】さらに、R2が置換基を有していてもよい
脂肪族基である化合物[I]またはその塩は、R2が置換
基を有していてもよいカルボン酸アシル基である化合物
[I]またはその塩を還元することによっても得られ
る。還元はそれ自体公知あるいはそれに準じる方法に従
って行なえるが、例えば水素化アルミニウムリチウムや
ジボランのような還元剤による還元が適している。この
時溶媒としては、エーテル,テトラヒドロフラン,ジオ
キサンなどが用いられ、還流下に反応を進行させてもよ
い。また、上記各反応において、原料化合物は、R1
2,R3,R4における置換基としてアミノ基,カルボ
キシル基,ヒドロキシル基を有する場合、これらの基に
ペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基が
導入されたものであってもよく、反応後に必要に応じて
保護基を除去することにより目的化合物を得ることがで
きる。アミノ基の保護基としては、例えば置換基を有し
ていてもよいC1-6アルキルカルボニル(例えば、ホル
ミル、メチルカルボニル、エチルカルボニルなど)、フ
ェニルカルボニル、C1-6アルキル−オキシカルボニル
(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルな
ど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、ベンズオキ
シカルボニルなど)、C7-10アラルキル−カルボニル
(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、トリチ
ル、フタロイルなどが用いられる。これらの置換基とし
ては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロ
モ、ヨードなど)、C1-6アルキル−カルボニル(例え
ば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカル
ボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は
1ないし3個程度である。
【0020】カルボキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリル
などが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン
原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードな
ど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、ホルミル、
メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニ
ルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1な
いし3個程度である。ヒドロキシル基の保護基として
は、例えば置換基を有していてもよいC1-6アルキル
(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C
7-10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C1-6アル
キルカルボニル(例えば、ホルミル、メチルカルボニ
ル、エチルカルボニルナド)、フェニルオキシカルボニ
ル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7-10
ラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボ
ニルなど)、ピラニル、フラニル、シリルなどが用いら
れる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6
アルキル、フェニル、C7-10アラルキル、ニトロ基など
が用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。ま
た、保護基の除去方法としては、それ自体公知またはそ
れに準じる方法が用いられるが、例えば酸、塩基、還
元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアン
モニウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方
法が用いられる。以上の方法によって得られる化合物
[I]は、たとえば再結晶、蒸留,クロマトグラフィー
などの通常の分離手段により単離、精製することができ
る。かくして得られる化合物[I]が遊離体で得られた
場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
(例えば、中和等)によって塩に変換することができ、
逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれ
に準じる方法により、遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0021】化合物(I)が光学活性体である場合は、
通常の光学分割手段により、d体,l体に分離すること
ができる。本発明の化合物[I]は、多価不飽和脂肪酸
(リノール酸,γ−リノレン酸,α−リノレン酸,アラ
キドン酸,ジホモ−γ−リノレン酸,エイコサペンタエ
ン酸)の代謝改善、特に過酸化脂質生成反応を抑制する
作用(抗酸化作用),5−リポキシゲナーゼ系代謝産物
[例、ロイコトリエン類,5−ヒドロペルオキシエイコ
サテトラエン酸(HPETE),5−ヒドロキシエイコ
サテトラエン酸(HETE),リポキシン類,ロイコト
キシン類など]の生成抑制作用、トロンボキサンA2
成酵素の阻害作用、プロスタグランジンI2合成酵素保
持促進作用、LTD4受容体拮抗作用、活性酵素種の消
去作用などの循環系改善作用や抗アレルギー作用を有す
る。上記のこれらの作用のうちとりわけ、本発明の化合
物[I]は、過酸化脂質生成反応抑制作用(抗酸化作
用)を顕著に示す。
【0022】化合物[I]は毒性,副作用が低い。従っ
て、本発明の化合物[I]は哺乳動物(マウス,ラッ
ト,ウサギ,イヌ,サル,ヒトなど)における血小板凝
集による血栓症、心,肺,脳,腎における動脈血管平滑
筋の収縮あるいは血管れん縮による虚血性疾患(例え
ば、心筋梗塞,脳卒中)、神経変性疾患(パーキンソン
病,アルツハイマー病,ルー・ゲーリッヒ氏病,筋ジス
トロフィ)、頭部外傷,脊髄外傷など中枢損傷にともな
う機能障害、記憶障害や情動障害(酸欠,脳損傷,脳卒
中,脳梗塞,脳血栓等により惹起される神経細胞壊死な
どにともなう障害)、脳卒中,脳梗塞後や脳外科手術,
頭部外傷後に起こるけいれんおよびてんかん、肺不全、
気管支喘息、炎症(例えば、腎炎、肝炎、急性肝炎、過
敏症肺臓炎など)、動脈硬化、アテローム変性動脈硬
化、肝硬変、免疫不全症、活性酸素種(スーパーオキサ
イド、水酸化ラジカルなど)による酵素,生体組織,細
胞などの障害によって引き起こされる循環器系疾患(心
筋梗塞,脳卒中,脳浮腫など)、組織繊維化現象や癌な
どの諸疾患に対して治療および予防効果を有し、たとえ
ば抗血栓剤、抗血管れん縮剤、抗喘息剤、抗アレルギー
剤、心,脳の循環器系改善剤、腎炎治療剤、肝炎治療
剤、組織繊維化阻止剤、活性酵素種消去剤、アラキドン
酸カスケード物質調節改善剤などの医薬として有用であ
る。化合物[I]は、そのままもしくは自体公知の薬学
的に許容される担体,賦形剤などと混合した医薬組成物
(例、錠剤,カプセル剤,液剤,注射剤,坐剤)として
経口的もしくは非経口的に安全に投与することができ
る。投与量は投与対象、投与ルート、症状などによって
も異なるが、例えば、成人の循環器系疾患の患者に対し
て経口投与するときは、通常1回量として約0.1mg/k
g〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.5mg/kg〜10
mg/kg体重程度を1日1〜3回程度投与するのが好都合
である。
【0023】
【実施例】以下に実施例を記載するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。 実施例1 2−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロチア
ゾロ[4,5−b]ピリジン 3−ブロモ−2−ピペリジノン(3.0g)およびチオ
イソブチルアミド(1.74g)をエタノール(30ミ
リリットル)と共に10時間加熱還流した。冷却後、反
応液に重曹水を加え、有機物をクロロホルムで抽出し
た。抽出層は水洗、乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ
ーで精製することにより表題化合物が得られた(収量5
50mg,収率18%,オイル状)。 NMR(CDCl3)δ:1.33(6H,d,J=6.9Hz),1.96(2H,
m),2.70(2H,t,J=6.4Hz),3.15(1H,m),3.31(2H,t,J=5.4H
z). 元素分析値:C9142S・0.5H2Oとして 計算値:C,56.51; H,7.90; N,14.64; S,16.76. 実測値:C,56.89; H,7.87; N,14.73; S,16.26.
【0024】実施例2 2−(4−メトキシフェニル)−4,5,6,7−テト
ラヒドロチアゾロ[4,5−b]ピリジン 実施例1と同様の方法により、3−ブロモ−2−ピペリ
ジノン(3.0g)と4−メトキシチオベンズアミド
(2.82g)から表題化合物が得られた(収量970
mg,収率23%)。 融点 105−107℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:2.01(2H,m),2.76(2H,t,J=6.3H
z),3.35(2H,t,J=5.4Hz),3.84(3H,s),6.91(2H,d,J=8.5H
z),7.77(2H,d,J=8.5Hz). 元素分析値:C13142OSとして 計算値:C,63.39; H,5.73; N,11.37; S,13.02. 実測値:C,63.21; H,5.79; N,11.38; S,12.75.
【0025】実施例3 2−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4
H−チアゾロ[4,5−b]アゼピン 実施例1と同様の方法により、α−ブロモ−ε−カプロ
ラクタム(3.0g)とチオイソブチルアミド(1.8
g)から表題化合物が得られた(収量797mg,収率
26%)。 融点 44−46℃ NMR(CDCl3)δ:1.31(6H,d,J=6.8Hz),1.60-1.85
(4H,m),2.64(2H,t,J=5.7Hz),3.0-3.20(3H,m),4.52(1H,b
r s). 元素分析値:C10162Sとして 計算値:C,61.18; H,8.21; N,14.27. 実測値:C,60.55; H,8.14; N,14.07.
【0026】実施例4 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−
チアゾロ[4,5−b]アゼピン 実施例1と同様の方法により、α−ブロモ−ε−カプロ
ラクタム(3.0g)とチオベンズアミド(2.36
g)から表題化合物が得られた(収量1.1g,収率2
9%)。融点 88−89℃(ヘキサンから再結晶) NMR(CDCl3)δ:1.60-1.90(4H,m),2.73(2H,t,J=
5.7Hz),3.12(2H,t,J=4.5Hz),4.67(1H,br s),7.35(3H,
m),7.78(2H,m). 元素分析値:C13142Sとして 計算値:C,67.79; H,6.13; N,12.16; S,13.
92. 実測値:C,67.56; H,6.09; N,12.09; S,
13.92.
【0027】実施例5 2−(4−メトキシフェニル)−5,6,7,8−テト
ラヒドロ−4H−チアゾロ[4,5−b]アゼピン 実施例1と同様の方法により、α−ブロモ−ε−カプロ
ラクタム(3.0g)と4−メトキシチオベンズアミド
(2.6g)から表題化合物が得られた(収量1.4
g,収率35%)。 融点 103−104℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3 )δ:1.65-1.90(4H,m),2.71(2H,t,
J=5.6Hz),3.12(2H,t,J=5.1Hz),3.84(3H,s),4.63(1H,br
s),6.90(2H,d,J=9.0Hz),7.74(2H,d,J=9.0Hz). 元素分析値:C14162OSとして 計算値:C,64.59; H,6.19; N,10.76; S,12.32. 実測値:C,64.66; H,6.13; N,10.53; S,12.29.
【0028】実施例6 2−(4−クロロフェニル)−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−4H−チアゾロ[4,5−b]アゼピン 実施例1と同様の方法により、α−ブロモ−ε−カプロ
ラクタム(3.0g)と4−クロロチオベンズアミド
(2.68g)から表題化合物が得られた(収量1.2
g,収率30%)。 融点 113−115℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:1.66-1.90(4H,m),2.73(2H,t,J=
5.7Hz),3.12(2H,t,J=5.1Hz),7.34(2H,d,J=8.6Hz),7.72
(2H,d,J=8.6Hz). 元素分析値:C13132ClSとして 計算値:C,58.97; H,4.95; N,10.58; Cl,13.39;
S,12.11. 実測値:C,59.01; H,4.93; N,10.64; Cl,13.28;
S,12.19.
【0029】実施例7 2−(4−メトキシフェニル)−4,5,6,7,8,
9−ヘキサヒドロチアゾロ[4,5−b]アゾシン 実施例1と同様の方法により、3−ブロモ−2−ヘキサ
ヒドロ−2(1H)−アゾシノン(3.0g)と4−メ
トキシチオベンズアミド(2.43g)から表題化合物
が得られた(収量120mg,収率3%)。 融点 80−83℃ NMR(CDCl3)δ:1.62-1.90(6H,m),2.97(2H,t,J=
6.5Hz),3.44(2H,t,J=5.8Hz),3.83(3H,s),6.89(2H,d,J=
9.0Hz),7.74(2H,d,J=9.0Hz). 元素分析値:C15182OSとして 計算値:C,65.66; H,6.61; N,10.21; S,11.68. 実測値:C,65.48; H,6.31; N,10.28; S,11.57.
【0030】実施例8 4−アセチル−2−フェニル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ−4H−チアゾロ[4,5−b]アゼピン 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−
チアゾロ[4,5−b]アゼピン(1.0g)のピリジ
ン(10ml)溶液を氷冷下で撹拌しながら、無水酢酸
(0.53g)を滴下し、その後反応液を100℃で1
時間加熱撹拌した。反応液を冷却後、重曹水を加え、有
機物をクロロホルムで抽出した。抽出層は水洗、乾燥
後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルのフラ
ッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸
エチル/ヘキサンから再結晶することにより表題化合物
が得られた(収量861mg,収率73%)。 融点 87〜88℃(酢酸エチル/ヘキサンから再結
晶) NMR(CDCl3)δ:1.69~1.83(2H,m), 1.85~2.00
(2H,m), 2.13(3H,s), 2.84(2H,t,J=5.7Hz), 3.37(2H,b
r,s), 7.38~7.47(3H,m), 7.80~7.91(2H,m). 元素分析値:C15H16N2OSとして 計算値:C,66.15;H,5.92;N,10.29,S,11.77. 実測値:C,66.10,H,5.92;N,10.28,S,11.81.
【0031】実施例9 4−メタンスルホニル−2−フェニル−5,6,7,8
−テトラヒドロ−4H−チアゾロ[4,5−b]アゼピ
ン 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−
チアゾロ[4,5−b]アゼピン(1.0g)のピリジ
ン(10ml)溶液を氷冷下で撹拌しながら、メタンスル
ホニルクロライド(0.6g)を滴下し、その後反応液
を100℃で1時間加熱撹拌した。反応液を冷却後、重
曹水を加え、有機物をクロロホルムで抽出した。抽出層
は水洗、乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリ
カゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製
し、さらに酢酸エチルから再結晶することにより表題化
合物が得られた(収量970mg,収率72%)。 融点 167〜169℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:1.70~1.82(2H,m), 1.99~2.10
(2H,m), 2.92(2H,t,J=5.7Hz), 3.41(3H,s), 3.62(2H,t,
J=5.3Hz), 7.36~7.45(3H,m), 7.79~7.90(2H,m). 元素分析値:C14H16N2O2S2として 計算値:C,54.52;H,5.23;N,9.08,S,20.79. 実測値:C,54.56,H,5.23;N,9.08,S,20.98
【0032】実施例10 4−エチル−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−4H−チアゾロ[4,5−b]アゼピン 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−
チアゾロ[4,5−b]アゼピン(1.5g)及びリン
酸トリエチル(11.9g)の懸濁液に、水素化ナトリ
ウム(0.39g)を少量ずつ加え、水素の発生の収ま
った時点で、反応液を100℃で4時間加熱撹拌した。
反応液を冷却後、重曹水を加え、有機物をクロロホルム
で抽出した。抽出層は水洗、乾燥後、減圧下で溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルのフラッシュカラムクロマト
グラフィーで精製することにより表題化合物が得られた
(収量1.2g,収率72%,オイル状)。 NMR(CDCl3)δ:1.24(3H,t,J=7.0Hz), 1.62~1.
77(2H,m), 1.78~1.91(2H,m), 2.75(2H,t,J=5.8Hz), 3.1
0(2H,t,J=5.4Hz), 3.56(2H,q,J=7.0Hz), 7.30~7.43(3H,
m), 7.80~7.90(2H,m). 元素分析値:C15H18N2Sとして 計算値:C,69.73;H,7.02;N,10.84,S,12.41. 実測値:C,69.52,H,7.10;N,10.88,S,12.38.
【0033】
【製剤例】
製剤例1 実施例2の化合物 2mg 乳糖 75mg 結晶セルロース 15mg トウモロコシデンプン 7mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 計 100mg 各成分を均一に混合し直打用粉末とした。これをロータ
リー式打錠機で直径6mm、重量100mgを錠剤に成
型した。
【0034】
【発明の効果】本発明の化合物[I]は、優れた過酸化
脂質生成抑制・抗酸化作用を有する。従って、哺乳動物
等の循環器系疾患、アレルギー性疾患の予防・治療に用
いることができ、有用な医薬を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
    化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、
    2は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族基,
    置換基を有していてもよいカルボン酸アシル基または置
    換基を有していてもよいスルホン酸アシル基を、R3
    4はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよ
    い炭化水素基を、nは0〜3の整数を示す。]で表わさ
    れる縮合チアゾール類またはその塩。
  2. 【請求項2】式 【化2】 [式中、Xは脱離基を、R2,R3,R4,nは請求項1
    記載と同意義を示す。]で表わされる化合物またはその
    塩と、式 【化3】 [式中、R1は請求項1記載と同意義を示す。]で表わ
    される化合物とを反応させることを特徴とする請求項1
    記載の化合物[I]またはその塩の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の化合物[I]またはその塩
    を含有することを特徴とする過酸化脂質生成抑制剤。
  4. 【請求項4】R1が置換基を有していてもよいフェニル
    基またはC1-6アルキル基で、R2,R3,R4が水素原子
    で、nが1〜3である請求項1記載の化合物[I]また
    はその塩。
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