JP3358069B2 - 三環性複素環類、その製造法及び剤 - Google Patents

三環性複素環類、その製造法及び剤

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JP3358069B2
JP3358069B2 JP33140892A JP33140892A JP3358069B2 JP 3358069 B2 JP3358069 B2 JP 3358069B2 JP 33140892 A JP33140892 A JP 33140892A JP 33140892 A JP33140892 A JP 33140892A JP 3358069 B2 JP3358069 B2 JP 3358069B2
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哲也 青野
治 内川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な三環性複素環類
またはその塩、およびこれを有効成分とする医薬組成物
に関するものである。さらに詳しくは癌、動脈硬化、肝
疾患、脳血管障害、炎症等の種々の疾患の予防・治療剤
として有用な新規過酸化脂質生成抑制剤およびリポキシ
ゲナーゼ阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体内での過酸化脂質の生成およびそれに
付随したラジカル反応は、膜障害や酵素障害等を介して
生体に種々の悪影響を及ぼす事が明らかになるにつれ
て、抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤の医薬への応用が種
々試みられるようになってきた。現在、これらの分野で
有効と報告されている過酸化脂質生成抑制剤として、 生体内抗酸化酵素およびその修飾誘導体(「フリーラ
ジカルの臨床」,Vol.2,83−91,日本医学館,1
987)、 式
【化8】 で表わされるビタミンEおよびその誘導体(「ビタミ
ン」,61,383−390,1987)や、式
【化9】 で表わされるビタミンCとその誘導体(バイオケミカル
ファーマコロジー“Biochem. Pharmacol.”37,1
089−1098,1988)などの生体内抗酸化剤、 式
【化10】 で表わされるケルセチン“Quercetin”(フィトケミス
トリィー“Phytochemistry”, 27, 969−978,
1988)などのフラボノイドおよびその誘導体や、式
【化11】 で表わされるカークミン“Curcumin”(フィトケミスト
リィー, 27,969−978,1988)などの植物
起源の天然型抗酸化物質、 式
【化12】 で表わされるイブセリン“Ebselen”(バイオケミカル
ファーマコロジー 36,3095−3102,198
7)、式
【化13】 で表わされるチアゾリジン誘導体(プロシィーディング
オブ ザ ナショナルアカデミィー オブ サイエン
シィズ オブ ザ ユナイティド スティツ オブ ア
メリカ“Proc. Natl. Acad. Sci. USA”79,6246
−6249,1982)、式
【化14】 で表わされるU−74006Fなどの21−アミノステ
ロイド(ジャーナル オブ バイオロジカル ケミスト
リィー“J. Biol. Chem.”262,10438−104
40,1987)、式
【化15】 [式中、R1は水素原子又は、それぞれ置換基を有して
いてもよい脂肪族基、カルボン酸アシル基若しくはスル
ホン酸アシル基を、R2は水素原子又は、それぞれ置換
基を有していてもよい芳香環基若しくは脂肪族基を示
す。]で表わされる化合物あるいはその塩(EP−A−
0,351,856)、式
【化16】 [式中、Aは結合又はCH2を、R1は水素原子又は、そ
れぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基、カルボン酸
アシル基若しくはスルホン酸アシル基を、R2は水素原
子又は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香環基若
しくは脂肪族基を示す。]で表わされる化合物又はその
塩(EP−A−0,443,588)、式
【化17】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を、
2は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族基,
置換基を有していてもよいカルボン酸アシル基または置
換基を有していてもよいスルホン酸アシル基を、R3
4はそれぞれ水素原子または置換基を有していてもよ
い炭化水素基を、nは0〜3の整数を示す。]で表わさ
れる縮合チアゾール類またはその塩(特願平03−32
5515)などの合成抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、公知の生体内
抗酸化酵素、ビタミンE、ビタミンC、あるいはそれら
の誘導体および植物起源の天然型抗酸化物質は、抗酸化
・過酸化脂質生成抑制剤としての開発がまだ不十分であ
り、実用的には必ずしも満足できる状況でない。抗酸化
・過酸化脂質生成抑制剤を広く医薬の分野で利用するた
めには、作用、作用時間、毒性等の点で上記の公知合成
化合物よりも優れた性質を有する抗酸化・過酸化脂質生
成抑制剤の開発が必要とされている。本発明の目的は、
公知の合成抗酸化・過酸化脂質生成抑制剤との化学構造
が全く相違する新規化合物を提供することにある。特に
EP−A−0351856,EP−A−044358
8,特願平03−325515に記載の化合物はチアゾ
ール環の二環性縮合環を有しているが、本発明はこれら
の化合物とはチアゾール環の三環性縮合環からなる新し
い三環性複素環骨格を有する点で全く構造が異なってお
り、しかも医薬とし、極めて有用な過酸化脂質生成抑制
作用を有する新規化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、新規な三環性複
素環を有する式
【化18】 [式中、Aは置換基を有していてもよい鎖長3以下のア
ルキレン基または結合手を、B環は置換基を有していて
もよい芳香環を、W1,W2は一方が窒素原子で他方が硫
黄原子を、R1は水素原子、置換基を有していてもよい
炭化水素基,置換基を有していてもよい複素環基または
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基を、
2は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素
基、置換基を有していてもよい複素環基または置換基を
有していてもよいカルボン酸若しくはスルホン酸アシル
基をそれぞれ示す。]で表わされる三環性縮合複素環類
またはその塩の合成に成功すると共に、これらの新規化
合物が予想外にも強力な過酸化脂質生成抑制作用、12
−ヒドロキシヘプタデカトリエン酸(以下“HHT”と
略称する)及びリポキシゲナーゼの阻害もしくは抑制作
用,ロイコトリエンD4(LTD4)受容体拮抗作用など
の医薬として有用な作用を有することを見い出し、これ
らに基づいて本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、(1)三環性複素環類
[I]またはその塩、(2)式
【化19】 [式中、R3は保護されていてもよいアミノ基を、R4
置換基を有していてもよい芳香環基を、A,B環は前記
と同意義を示す。]で表わされる化合物またはその塩、
(3)式
【化20】 [式中、Xは脱離基を、A,B環,R2は前記と同意義
を示す。]で表わされる化合物またはその塩と、式
【化21】 [式中、R1は前記と同意義を示す。]で表わされる化
合物またはその塩とを反応させることを特徴とする、式
【化22】 [式中、A,B環,R1,R2は前記と同意義を示す。]
で表わされる化合物またはその塩の製造法、(4)式
【化23】 [式中、A,B環,R1,R2は前記と同意義を示す。]
で表わされる化合物またはその塩と硫化剤とを反応させ
ることを特徴とする、式
【化24】 [式中、A,B環,R1,R2は前記と同意義を示す。]
で表わされる化合物またはその塩の製造法、(5)化合
物[I]またはその塩を含有することを特徴とする過酸
化脂質生成抑制剤、(6)Aが鎖長3以下のアルキレン
基で、R2が水素原子またはフェニル基である化合物
[I]またはその塩に関する。
【0006】上記式において、Aで表わされる「置換基
を有していてもよい鎖長3以下のアルキレン基」の「鎖
長3以下のアルキレン基」とは、直鎖のC1-3アルキレ
ン基を示す。すなわち、メチレン、エチレン、プロピレ
ンを示す。Aで表わされる「置換基を有していてもよい
鎖長3以下のアルキレン基」の「置換基」としては、例
えば、C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プ
ロピル,イソプロピルなど),ハロゲン原子(例えば、
フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードなど),ニトロ基,
シアノ基,ヒドロキシ基,C1-4アルコキシ基(例え
ば、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシな
ど),アミノ基,モノまたはジC1-4アルキル置換アミ
ノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピル
アミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど),環状
アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリ
ノなど),C1-4アルキル−カルボニルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルア
ミノなど)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例え
ば、メチルスルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ
など)、C1-4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカ
ルボニルなど)、カルボキシル基、C1-6アルキル−カ
ルボニル基(例えば、メチルカルボニル,エチルカルボ
ニル,プロピルカルボニルなど)、カルバモイル基、モ
ノまたはジC1-4アルキル置換カルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル,エチルカルバモイルなど)、
1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル,エチルスルホニル,プロピルスルホニルなど)など
から選ばれた1ないし3個が用いられる。Aの好ましい
例としては、無置換またはC1-4アルキル基(例えば、
メチル,エチル,プロピル,イソプロピルなど)で置換
されたメチレン,エチレン,プロピレンが用いられる。
B環で表わされる「置換基を有していてもよい芳香環」の
「芳香環」としては、例えば芳香炭素環,芳香複素環が用
いられる。
【0007】上記芳香炭素環としては、例えばベンゼ
ン,ナフタレンなどのC6-10アリール基などが用いられ
る。また、上記芳香複素環としては、例えば窒素原子、
酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし5個、
好ましくは1ないし3個程度を含有する5ないし13員
の芳香族単環式複素環基または芳香族縮合複素環基など
が用いられる。例えば、フラン、チオフェン、ピロー
ル、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソ
チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピ
リダジン、ピリミジン、ピラジンなどの5ないし8員の
芳香族単環式複素環基、または例えばベンゾフラン、イ
ソベンゾフラン、ベンゾ[b]チオフェン、インドー
ル、イソインドール、1H−インダゾール、ベンゾイミ
ダゾール、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオ
キサゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチ
アゾール、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソ
キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フ
タラジン、ナフチリジン、プリン、ピロロ[1,2−
b]ピリダジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジンなど
の8ないし13員の芳香族縮 合複素環基などが用いら
れる。なかでも、例えば5または6員の芳香族単環式複
素環基などが好ましく、特に好ましい例としては、例え
ばベンゼン,ピリジン,チオフェン,ピロールなどが用
いられる。
【0008】上記芳香環が有していてもよい置換基とし
ては、例えば、C1-4アルキル基(例えば、メチル,エ
チル,プロピル,ブチルなど)、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードなど)、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基(例
えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオ
キ シ,イソプロピルオキシなど)、C1-4アルキルチオ
基(例えば、メチルチオ, エチルチオ,プロピルチ
オ,イソプロピルチオ,ブチルチオなど)、アミノ基、
モノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基(例えば、メ
チルアミノ,エチルアミ ノ,プロピルアミノ,ジメチ
ルアミノ,ジエチルアミノなど)、環状アミノ基(例え
ば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリノなど)、C
1-4アルキル−カルボ ニルアミノ基(例えば、アセチル
アミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノなど)、
アミノカルボニルオキシ基、モノまたはジC1-4アルキ
ル置換アミノカ ルボニルオキシ基(例えば、メチルア
ミノカルボニルオキシ,エチルアミノカルボニルオキ
シ,ジメチルアミノカルボニルオキシ,ジエチルアミノ
カルボニルオキシなど)、C1-4アルキルスルホニルア
ミノ基(例えば、メチルスルホニルア ミノ,エチルス
ルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノなど)、C
1-4アル コキシ−カルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,イ
ソブトキシカルボニルなど)、カルボキシル基、C1-6
ア ルキル−カルボニル基(例えば、メチルカルボニ
ル,エチルカルボニル,ブチルカルボニルなど)、C
3-6シクロアルキル−カルボニル(例えば、シクロヘキ
シ ルカルボニルなど),カルバモイル基,モノまたは
ジC1-4アルキル置換カルバ モイル基(例えば、メチル
カルバモイル,エチルカルバモイル,プロピルカルバモ
イル,ブチルカルバモイル,ジエチルカルバモイル,ジ
ブチルカルバモイルなど)、C1-6アルキルスルホニル
基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホ ニル,
プロピルスルホニルなど)、C3-6シクロアルキルスル
ホニル基(例えば、シクロペンチルスルホニル,シクロ
ヘキシルスルホニルなど)、1ないし4個の置換基を有
していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキシ、ベン
ゾイル、フェノキシカルボニル、フェニル−C1-4アル
キルカルバモイル、フェニルカルバモ イル、フェニル
−C1-4アルキル−カルボニルアミノ,ベンゾイルアミ
ノ、フェ ニル−C1-4アルキルスルホニル、フェニルス
ルホニル、フェニル−C1-4アルキルスルフィニル、フ
ェニル−C1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェニ
ルス ルホニルアミノ基(それぞれのフェニル基または
ナフチル基における置換基としては、例えばメチル,エ
チル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどのC1-4
ルキル基、メトキシ,エトキシ,n−プロピルオキシ,
i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシなどのC1-4
ルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードなどのハロ ゲン
原子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上記のご
ときモノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基、ニトロ
基、上記のごときC1−6アルキル−カルボニル基など
が用いられる。)などが用いられる。特に、例えばハロ
ゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨード
など)またはC1−4アルコキシ基(例えば、メトキ
シ,エトキシ,プロピオキシ,ブチルオキシ,イソプロ
ピルオキシなど)などが置換基として好ましい。これら
芳香環が有していてもよい置換基の数は1〜3個が適当
である。
【0009】R1で表わされる「置換基を有していても
よい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、たとえば
鎖状、環状、飽和、不飽和さらにはそれらの種々の組み
合わせからなる炭化水素基が用いられる。鎖状飽和炭化
水素基としては、たとえば、直鎖状もしくは分枝状のC
1-11アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基(例え
ば、メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n
−ブチル,i−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,
n−ヘキシルなど)などが用いられる。鎖状不飽和炭化
水素基としては、たとえば直鎖状もしくは分枝状のC
2-4アルケニル基(例えば、ビニル,アリル,2−ブテ
ニル,2,4−ブタジエニルなど)、直鎖状もしくは分
枝状のC2-4アルキニル基(例えば、プロピニル,プロ
パルギル,2−ブチニルなど)などが用いられる。環状
飽和炭化水素基としては、たとえばC3-7単環式シクロ
アルキル基(例えば、シクロブチル,シクロペンチル,
シクロヘキシルなど)、C8-14架橋環式飽和炭化水素基
(例えば、ビシクロ[3.2.1]オクト−2−イル,ビ
シクロ[3.3.1]ノン−2−イル,アダマンタン−1
−イルなど)などが用いられる。環状不飽和炭化水素基
としては、たとえばフェニル、ナフチル、アントリル、
フェナントリル、アセナフチレニルなどのC6-14炭素芳
香環基などが用いられる。
【0010】また、R1で示される「置換基を有してい
てもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、上に
例示した鎖状、環状、飽和、不飽和の炭化水素基の種々
の組み合わせからなる炭化水素基でもよく、例えば、C
7-18アラルキル(例えば、フェニルメチル,フェニルエ
チル,フェニルプロピル,フェニルブチル,フェニルペ
ンチル,フェニルヘキシル,α−ナフチルメチルなどの
フェニル−C1-6アルキルまたはナフチル−C1-6アルキ
ルなど),C8-18アリールアルケニル(例えば、スチリ
ル,シンナミル,4−フェニル−2−ブテニル,4−フ
ェニル−3−ブテニルなどのフェニル−C2-4アルケニ
ルなど),C8-18アリールアルキニル(例えば、フェニ
ルエチニル,3−フェニル−2−プロピニル,3−フェ
ニル−1−プロピニルなどのフェニル−C2-4アルキニ
ルなど),C3-7単環式シクロアルキル−C1-6アルキル
(例えば、シクロプロピルメチル,シクロブチルメチ
ル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメチル,シ
クロヘプチルメチル,シクロプロピルエチル,シクロブ
チルエチル,シクロペンチルエチル,シクロヘキシルエ
チル,シクロヘプチルエチル,シクロプロピルブチル,
シクロブチルブチル,シクロペンチルブチル,シクロヘ
キシルブチル,シクロヘプチルブチル,シクロプロピル
ペンチル,シクロブチルペンチル,シクロペンチルペン
チル,シクロヘキシルペンチル,シクロヘプチルペンチ
ル,シクロプロピルヘキシル,シクロブチルヘキシル,
シクロペンチルヘキシル,シクロヘキシルヘキシル,シ
クロヘプチルヘキシルなど)等が用いられる。R1で表
わされる「置換基を有していてもよい炭化水素基」の
「炭化水素基」の好ましい例としては、直鎖状もしくは
分枝状C1-6アルキル基(例えば、メチル,エチル,n
−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,i−ブチル,
tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなど),フ
ェニル基,フェニル−C1-6アルキル基(例えば、フェ
ニルメチル,フェニルエチル,フェニルプロピルな
ど),フェニル−C1-6アルケニル基(例えば、スチリ
ル,シンナミル,4−フェニル−2−ブテニル,4−フ
ェニル−3−ブテニルなど),フェニル−C1-6アルキ
ニル基(例えば、フェニルエチニル,3−フェニル−2
−プロピニル,3−フェニル−プロピニルなど)などが
用いられる。さらには、直鎖状もしくは分枝状C1-3
ルキル基(メチル,エチル,n−プロピル,i−プロピ
ルなど),フェニル基フェニル−C1-3アルキル(例え
ば、フェニルメチル,フェニルエチル,フェニルプロピ
ルなど)またはフェニル−C1-3アルケニル(例えば、
スチリル,シンナミルなど)などが同「炭化水素基」と
してより好ましい。
【0011】R1で表わされる上記したような鎖状飽
和、鎖状不飽和および環状飽和炭化水素基が有していて
もよい置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、
フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードなど)、ニトロ基、
シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基(例え
ば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオキ
シ,イソプロピルオキシなど)、C1-4アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ,エチ ルチオ,プロピルチオな
ど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミ
ノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピル
アミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、環状
アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリ
ノなど)、C1-4アルキル−カルボニルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルア
ミノなど)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例え
ば、メチルスルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ
など)、C1-4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メ
トキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカ
ルボニルなど)、カルボキシル基、C1-6アルキル−カ
ルボニル基(例えば、メチルカルボニル,エチルカルボ
ニル,プロピルカルボニルなど)、カルバモイル基、モ
ノまたはジC1-4アルキル置換カルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル,エチルカルバモイルなど)、
1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル,エチルスルホニル,プロピルスルホニルなど)など
から選ばれた1ないし5個が用いられる。
【0012】R1で表わされる環状不飽和炭化水素基の
置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例えば、
メチル,エチル,プロピル,ブチルなど)、ハロゲン原
子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アル
コキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキ
シ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)、C1-4
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プ
ロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオなど)、ア
ミノ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基(例
えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,
ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、環状アミノ基
(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリノな
ど)、C1-4アルキル−カルボニルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ
など)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたはジC
1−4アルキル置換アミノカルボニルオキシ基(例え
ば、メチルアミノカルボニルオキシ,エチルアミノカル
ボニルオキシ,ジメチルアミノカルボニルオキシ,ジエ
チルアミノカルボニルオキシなど)、C1-4アルキルス
ルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ,
エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノな
ど)、C1-4アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボ
ニル,イソブトキシカルボニルなど)、カルボキシル
基、C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカ
ルボニル,エチルカルボニル,ブチルカルボニルな
ど)、C3-6シクロアルキル−カルボニル(例えば、シ
クロヘキシルカルボニルなど),カルバモイル基,モノ
またはジC1-4アルキル置換カルバモイル基(例えば、
メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,プロピルカ
ルバモイル,ブチルカルバモイル,ジエチルカルバモイ
ル,ジブチルカルバモイルなど)、C1-6アルキルスル
ホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニ
ル,プロピルスルホニルなど)、C3-6シクロアルキル
スルホニル基(例えば、シクロペンチルスルホニル,シ
クロヘキシルスルホニルなど)、1ないし4個の置換基
を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキシ、
ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニル−C1-4
アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニ
ル−C1-4アルキル−カルボニルアミノ,ベンゾイルア
ミノ、フェニル−C1-4アルキルスルホニル、フェニル
スルホニル、フェニル−C1-4アルキルスルフィニル、
フェニル−C1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェ
ニルスルホニルアミノ基(それぞれのフェニル基または
ナフチル基における置換基としては、例えばメチル,エ
チル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどのC1-4
ルキル基、メトキシ,エトキシ,n−プロピルオキシ,
i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシなどのC1-4
ルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードなどのハロゲン原
子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上記のごと
きモノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基、ニトロ
基、上記のごときC1-6アルキル−カルボニル基などが
用いられる。)などが用いられる。特に、例えばハロゲ
ン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)またはC1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エ
トキシ,プロピオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオ
キシなど)などが置換基として好ましい。これら環状不
飽和炭化水素基の置換の数は1〜3個が適当である。
【0013】Rで表わされる「鎖状、環状、飽和、不
飽和の炭化水素基の種々の組み合わせからなる炭化水素
基」の置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例
えば、メチル,エチル,プロピル,ブチルなど)、ハロ
ゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨード
など)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4
ルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオ
キシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)、C
1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチル チ
オ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオな
ど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミ
ノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プ ロピ
ルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなど)、環
状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホ
リノなど)、C1-4アルキル−カルボニルア ミノ基(例
えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリル
アミノなど)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたは
ジC1-4アルキル置換アミノカルボニ ルオキシ基(例え
ば、メチルアミノカルボニルオキシ,エチルアミノカル
ボニルオキシ,ジメチルアミノカルボニルオキシ,ジエ
チルアミノカルボニルオキシなど)、C1-4アルキルス
ルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ,
エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノ
など)、C1-4アルコキシ−カルボニル基(例えばメト
キシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカル
ボニル,イソブトキシカルボニルなど)、カルボキシル
基、C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、メチルカ
ルボニル,エチルカルボニル,ブチルカルボニルな
ど)、C3-6シクロアルキル−カルボニル(例えば、シ
クロヘキシルカルボニルなど),カルバモイル基,モノ
またはジC1-4アルキル置換カルバモイル基(例えば、
メチルカルバモイル,エチルカルバモイル,プロピルカ
ルバモイル,ブチルカルバモイル,ジエチルカルバモイ
ル,ジブチルカルバモイルなど)、C1-6アルキルスル
ホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニ
ル,プロピルスルホニルなど)、C3-6シクロアルキル
スルホニル基(例えば、シクロペンチルスルホニル,シ
クロヘキシルスルホニルなど)、1−4個の置換基を有
していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキシ、ベン
ゾイル、フェノキシカルボニル、フェニル−C1-4アル
キルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニル−
1-4アルキル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、フェニル−C1-4アルキルスルホニル、フェニルス
ルホニル、フェニル−C1-4アルキルスルフ ィニル、フ
ェニル−C1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェニ
ルスルホニル アミノ基(それぞれのフェニル基または
ナフチル基における置換基としては、例えばメチル,エ
チル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどのC1-4
ルキル基、メトキシ,エトキシ,n−プロピルオキシ,
i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシなどのC1-4
ルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードなどのハロゲン原
子、 水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上記のご
ときモノまたはジC1-4アルキ ル置換アミノ基、ニトロ
基、上記のごときC1-6アルキルカルボニル基などが用
いられる。)などから選ばれた1ないし5個が用いられ
る。
【0014】R1で表わされる「置換基を有していても
よい複素環基」の「複素環基」としては、環中に1ない
し5個、好ましくは1ないし3個のヘテロ原子(例え
ば、N,O,Sなど)を含んでいる5ないし13員の芳
香族または非芳香族複素環基が用いられる。上記芳香複
素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロー
ル、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソ
チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピ
リダジン、ピリミジン、ピラジンなどの5ないし8員の
芳香族単環式複素環基、または例えばベンゾフラン、イ
ソベンゾフラン、ベンゾ[b]チオフェン、インドー
ル、イソインドール、1H−インダゾール、ベンゾイミ
ダゾール、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオ
キサゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチ
アゾール、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソ
キノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フ
タラジン、ナフチリジン、プリン、ピロロ[1,2−
b]ピリダジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジンなど
の8ないし13員の芳香族縮合複素環基などが用いられ
る。
【0015】上記非芳香族複素環基としては、例えばオ
キシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニ
ル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、
ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チ
オモルホリニル、ピラジニルなどが用いられる。上記
「複素環基」の中でも、5または6員複素環基が好まし
く、例えば、フリル,チエニル,ピロリル,オキサゾリ
ル,イソオキサゾリル,イミダゾリル,ピラゾリル,ピ
リジル,ピリダジニル,キノリル,イソキノリル,チア
ゾリル,チアジアゾリル,チオフェニルなどが用いられ
る。特に、ピリジンが好ましい。
【0016】R1で表わされる「置換基を有していても
よい複素環基」の「置換基」としては、例えば、C1-4
アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,ブチ
ルなど)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,
ブロモ,ヨードなど)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキ
シ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキ
シ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキ
シなど)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブ
チルチオなど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキ
ル置換アミノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミ
ノ,プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ
など)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジ
ノ,モルホリノなど)、C1-4アルキル−カルボニルア
ミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロ ピオニルアミ
ノ,ブチリルアミノなど)、アミノカルボニルオキシ
基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミノカルボニル
オキシ基(例えば、メチルアミノカル ボニルオキシ,
エチルアミノカルボニルオキシ,ジメチルアミノカルボ
ニルオキシ,ジエチルアミノカルボニルオキシなど)、
1-4アルキルスルホニルアミノ 基(例えば、メチルス
ルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ,プロピルス
ルホニルアミノなど)、C1-4アルコキシ−カルボニル
基(例えば、メトキシカル ボニル,エトキシカルボニ
ル,プロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニルな
ど)、カルボキシル基、C1-6アルキル−カルボニル基
(例えば、メチルカル ボニル,エチルカルボニル,ブ
チルカルボニルなど)、C3-6シクロアルキル− カルボ
ニル(例えば、シクロヘキシルカルボニルなど),カル
バモイル基,モノまたはジC1-4アルキル置換カルバモ
イル基(例えば、メチルカルバモイル,エ チルカルバ
モイル,プロピルカルバモイル,ブチルカルバモイル,
ジエチルカルバモイル,ジブチルカルバモイルなど)、
1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル,エチルスルホニル,プロピルスルホニルなど)、C
3-6シク ロアルキルスルホニル(例えば、シクロペンチ
ルスルホニル,シクロヘキシルスルホニルなど)、1−
4個の置換基を有していてもよいフェニル、ナフチル、
フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェ
ニル−C1-4アルキルカル バモイル、フェニルカルバモ
イル、フェニル−C1-4アルキル−カルボニルアミ ノ、
ベンゾイルアミノ、フェニル−C1-4アルキルスルホニ
ル、フェニルスルホ ニル、フェニル−C1-4アルキルス
ルフィニル、フェニル−C1-4アルキルスルホニルアミ
ノまたはフェニルスルホニルアミノ基(それぞれのフェ
ニル基またはナフチル基における置換基としては、例え
ばメチル,エチル,プロピル,ブチル,イソプロピルな
どのC1-4アルキル基、メトキシ,エトキシ,n−プロ
ピルオキ シ,i−プロピルオキシ,n−ブチルオキシ
などのC1-4アルコキシ基、クロロ,ブロモ,ヨードな
どのハロゲン原子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ
基、上記のごときモノまたはジC1-4アルキル置換アミ
ノ基、ニトロ基、上記のごとき C1-6アルキルカルボニ
ル基などが用いられる。)などから選ばれた1ないし3
個が用いられる。
【0017】R1で表わされる「置換基を有していても
よいアルコキシカルボニル基」の「アルコキシカルボニ
ル基」としては、例えばメトキシカルボニル,エトキシ
カルボニル,プロポキシカルボニル,i−プロポキシカ
ルボニル,ブトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボ
ニルなどのC1-6アルコキシ−カルボニル基などが用い
られる。上記アルコキシカルボニル基の好ましい例とし
ては、例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニ
ル,プロポキシカルボニルなどのC1-3アルコキシ−カ
ルボニル基が用いられ、特にメトキシカルボニルが好ま
しい。R1で表わされる「置換基を有していてもよいア
ルコキシカルボニル基」の「置換基」としては、通常医
薬に用いられる置換基であればどのようなものでもよ
く、具体的には例えばハロゲン原子(例えば、クロロ,
ブロモ,フルオロなど),ヒドロキシ,C1-3アルコキ
シ(例えば、メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,i
−プロポキシなど),C6-10アリールオキシ(例えば、
フェノキシなど),C7-10アラルキルオキシ(例えば、
ベンジルオキシなど),メルカプト,C1-3ア ルキルチ
オ(例えば、メチルチオ,エチルチオなど),C6-10
リールチオ(例えば、フェニルチオなど),C7-10アラ
ルキルチオ(例えば、ベンジルチオなど),アミノ,C
1-3アルキル基で置換されたモノまたはジ置換アミノ
(例えば、 メチルアミノ,エチルアミノ,ジメチルア
ミノ,ジエチルアミノなど),環状アミノ(例えば、ピ
ロリジノ,モルホリノ,ピペリジノ,ピペラジノな
ど),C2-5アルコキシカルボニル(例えば、メトキシ
カルボニル,エトキシカルボニルな ど),C1-10アシ
ル(例えば、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ベン
ゾイルなど),C2-4アシルオキシ(例えば、アセトキ
シ,プロピオニルオキシなど),C2-10アシルアミド
(例えば、アセトアミド,ベンズアミドなど),カルボ
キシル基,カルバモイル基,置換基を有していてもよい
フェニル基またはナフチル基などから選ばれた1ないし
5個、好ましくは1ないし3個が用いられる。上記フェ
ニル基またはナフチル基の置換基としては、例えば、C
1-4アルキル基(例え ば、メチル,エチル,プロピル,
ブチルなど)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロ
ロ,ブロモ,ヨードなど)、ニトロ基、シアノ基、ヒド
ロキシ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エ
トキシ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピル
オキシなど)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチル
チオ,エチ ルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチ
オ,ブチルチオなど)、アミノ基、モノまたはジC1-4
アルキル置換アミノ基(例えば、メチルアミノ,エチル
アミノ, プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチル
アミノなど)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピ
ペリジノ,モルホリノなど)、C1-4アルキル−カルボ
ニル アミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロピオニ
ルアミノ,ブチリルアミノなど)、アミノカルボニルオ
キシ基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミノカルボ
ニルオキシ基(例えば、メチルアミノカルボニルオキ
シ,エチルアミノカルボニルオキシ,ジメチルアミノカ
ルボニルオキシ,ジエチルアミノカルボニルオキシな
ど)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メ
チルスルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ,プロ
ピルスルホニルアミノなど)、C1-4アルコキシ −カル
ボニル基(例えば、メトキシカルボニル,エトキシカル
ボニル,プロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニ
ルなど)、カルボキシル基、C1-6アルキ ル−カルボニ
ル基(例えば、メチルカルボニル,エチルカルボニル,
ブチルカルボニルなど)、C3-6シクロアルキル−カル
ボニル(例えば、シクロヘキシルカ ルボニルなど),
カルバモイル基,モノまたはジC1-4アルキル置換カル
バモイ ル基(例えば、メチルカルバモイル,エチルカ
ルバモイル,プロピルカルバモイル,ブチルカルバモイ
ル,ジエチルカルバモイル,ジブチルカルバモイルな
ど)、C1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルス
ルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニルな
ど)、C3-6シクロアルキルスルホニル(例えば、シク
ロ ペンチルスルホニル,シクロヘキシルスルホニルな
ど)、1ないし4個の置換基を有していてもよいフェニ
ル、ナフチル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカ
ルボニル、フェニル−C1-4アルキルカルバモイル、フ
ェニルカルバモイル、 フェニル−C1-4アルキル−カル
ボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニル− C1-4
ルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−C
1-4アルキルスルフィニル、フェニル−C1-4アルキルス
ルホニルアミノまたはフェニルスルホニ ルアミノ基
(それぞれのフェニル基またはナフチル基における置換
基としては、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチ
ル,イソプロピルなどのC1-4アルキル 基、メトキシ,
エトキシ,n−プロピルオキシ,i−プロピルオキシ,
n−ブチルオキシなどのC1-4アルコキシ基、クロロ,
ブロモ,ヨードなどのハロゲン原 子、水酸基、ベンジ
ルオキシ基、アミノ基、上記のごときモノまたはジC
1-4ア ルキル置換アミノ基、ニトロ基、上記のごときC
1-6アルキルカルボニル基など が用いられる。)などか
ら選ばれる1ないし3個程度が好ましい。
【0018】R2で表わされる「置換基を有していても
よい炭化水素基」としては、例えば上記R1の「置換基
を有していてもよい炭化水素基」で述べた基などが用い
られる。R2で表わされる「置換基を有していてもよい
複素環基」としては、例えば上記R1の「置換基を有し
ていてもよい複素環基」で述べた基などが用いられる。
2で表わされる「置換基を有していてもよいカルボン
酸アシル基」としては、たとえば式 R5CO−(式
中、R5は置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す。)で表わされる基などが用いられる。R2で表わさ
れる「置換基を有していてもよいスルホン酸アシル基」
としては、たとえば式 R5SO2−(式中、R5は前記
と同意義を示す。)で表わされる基 などが用いられ
る。上記R5で表わされる「置換基を有していてもよい
炭化水素基」としては、例えば上記R1の「置換基を有
していてもよい炭化水素基」で述べた基などが用いられ
る。R5の好ましい例としては、例えば直鎖状もしくは
分枝状C1-6アルキル基(例えば、メチル,エチル,n
−プロピル,i−プロピル,n−ブチル,i−ブチル,
tert−ブチルなど)、C2-4アルケニル基(例えば、ビ
ニル,アリル,2−ブテニル,2,4−ブタジエニルな
ど)、C2-4アルキニル基(例えば、プロパルギル,2
−ブチニルなど)、またはフェニル基などが用いられ
る。
【0019】W1,W2は一方が窒素原子で他方が硫黄原
子であり、化合物[I]において、式
【化25】 はチアゾール環を形成する。尚、式[I]で表わされる
化合物またはその塩は、R1,R2およびB環における置
換基の種類如何によっては立体異性体が生じる可能性が
あるが、これら異性体単独のみならず、それらの混合物
も本発明に含まれる。式[I]で表わされる化合物の塩
としては、とりわけ医薬上許容される塩が好ましい。そ
れらの塩としては、例えば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,
臭化水素酸などの無機酸や有機カルボン酸(例、ギ酸,
酢酸,酒石酸,クエン酸,シュウ酸,フタル酸,フマル
酸,マレイン酸など)、スルホン酸(例、メタンスルホ
ン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸な
ど)などの有機酸などとの塩が用いられる。また化合物
[I]がR1およびB環における置換基としてカルボキシ
ル基などの酸性基を有する場合、アルカリ金属(例、ナ
トリウム,カリウムなど)又はアルカリ土類金属(例、
マグネシウムなど)などの無機塩、あるいは有機塩基
(例、ジシクロヘキシルアミン,トリエチルアミン,
2,6−ルチジンなどのアミン類など)と塩を形成して
もよい。
【0020】上記式[II]において、R3で表わされる
保護されていてもよいアミノ基としては、例えば式 −
NHR3′(式中、R3′は水素原子または保護基を示
す。)で表わされる基などが用いられる。R3′で表わ
される保護基としては、例えば置換基を有していてもよ
いアルキルカルボニル、好ましくはC1-6アルキルカル
ボニル(例えば、ホルミル,メチルカルボニル,エチル
カルボニル,プロピルカルボニルなど)、置換基を有し
ていてもよいフェニルカルボニル,置換基を有していて
もよいアルキルオキシカルボニル,好ましくはC1-6
ルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカル ボ
ニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニルな
ど)、置換基を有していてもよいフェニルオキシカルボ
ニル、置換基を有していてもよいC7-10アラルキル−カ
ルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、
置換基を有していてもよいトリチル,置換基を有してい
てもよいフタロイルなどが用いられる。上記置換基とし
ては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロ
モ,ヨードなど)、C1-6アルキル−カルボニル(例え
ば、メチルカルボニル,エチルカル ボニル,ブチルカ
ルボニルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数
は1ないし3個程度である。
【0021】R4で表わされる「置換基を有していても
よい芳香環基」の「芳香環」としては、例えば芳香炭素
環,芳香複素環が用いられる。上記芳香炭素環として
は、例えばベンゼン,ナフタレンなどのC6-10アリール
基などが用いられる。なかでも、ベンゼンが好ましい。
また、上記芳香複素環としては、例えば窒素原子、酸素
原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1ないし5個、好ま
しくは1ないし3個程度を含有する5ないし13員の芳
香族単環式複素環基または芳香族縮合複素環基などが用
いられる。例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オ
キサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾ
ール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジンなどの5ないし8員の芳香族
単環式複素環基、または例えばベンゾフラン、イソベン
ゾフラン、ベンゾ[b]チオフェン、インドール、イソ
インドール、1H−インダゾール、ベンゾイミダゾー
ル、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオキサゾ
ール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチアゾー
ル、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリ
ン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジ
ン、ナフチリジン、プリン、ピロロ[1,2−b]ピリ
ダジン、ピラゾロ[1,5−a]ピリジンなどの8ない
し13員の芳香族縮 合複素環基などが用いられる。な
かでも、例えば5または6員の芳香族単環式複素環基な
どが好ましく、特に好ましい例としては、例えばピリジ
ン,チオフェン,ピロールなどが用いられる。上記芳香
環が有していてもよい置換基としては、例えば、C1-4
アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,ブチ
ルなど)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,
ブロモ,ヨードなど)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキ
シ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキ
シ,プロピルオキシ,ブチルオキ シ,イソプロピルオ
キシなど)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ, エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,
ブチルチオなど)、アミノ基、モノまたはジC1-4アル
キル置換アミノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミ
ノ,プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミ
ノなど)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリ
ジノ,モルホリノなど)、C1-4アルキル−カルボ ニル
アミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミ
ノ,ブチリルアミノなど)、アミノカルボニルオキシ
基、モノまたはジC1-4アルキル置換アミノカ ルボニル
オキシ基(例えば、メチルアミノカルボニルオキシ,エ
チルアミノカルボニルオキシ,ジメチルアミノカルボニ
ルオキシ,ジエチルアミノカルボニルオキシなど)、C
1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスル
ホニルア ミノ,エチルスルホニルアミノ,プロピルス
ルホニルアミノなど)、C1-4アル コキシ−カルボニル
基(例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,
プロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニルな
ど)、カルボキシル基、C1-6ア ルキル−カルボニル基
(例えば、メチルカルボニル,エチルカルボニル,ブチ
ルカルボニルなど)、C3-6シクロアルキル−カルボニ
ル(例えば、シクロヘキシ ルカルボニルなど),カル
バモイル基,モノまたはジC1-4アルキル置換カルバ モ
イル基(例えば、メチルカルバモイル,エチルカルバモ
イル,プロピルカルバモイル,ブチルカルバモイル,ジ
エチルカルバモイル,ジブチルカルバモイルなど)、C
1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル,エチルスルホ ニル,プロピルスルホニルなど)、
3-6シクロアルキルスルホニル基(例えば、シクロペ
ンチルスルホニル,シクロヘキシルスルホニルなど)、
1ないし4個の置換基を有していてもよいフェニル、ナ
フチル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカルボニ
ル、フェニル−C1-4アルキルカルバモイル、フェニル
カルバモ イル、フェニル−C1-4アルキル−カルボニル
アミノ,ベンゾイルアミノ、フェ ニル−C1-4アルキル
スルホニル、フェニルスルホニル、フェニル−C1-4
ルキルスルフィニル、フェニル−C1-4アルキルスルホ
ニルアミノまたはフェニルス ルホニルアミノ基(それ
ぞれのフェニル基またはナフチル基における置換基とし
ては、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,イソ
プロピルなどのC1-4ア ルキル基、メトキシ,エトキ
シ,n−プロピルオキシ,i−プロピルオキシ,n−ブ
チルオキシなどのC1-4アルコキシ基、クロロ,ブロ
モ,ヨードなどのハロ ゲン原子、水酸基、ベンジルオ
キシ基、アミノ基、上記のごときモノまたはジC1-4
ルキル置換アミノ基、ニトロ基、上記のごときC1-6
ルキル−カルボニル基などが用いられる。)などが用い
られる。特に、例えばハロゲン原子(例えば、フルオ
ロ,クロロ,ブロモ,ヨードなど)またはC1-4アルコ
キシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピオキシ,
ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)などが置換基
として好ましい。これら芳香環基が有していてもよい置
換基の数は1〜3個が適当である。
【0022】式[II]で表わされる化合物の塩として
は、とりわけ医薬上許容される塩が好ましい。それらの
塩としては、例えば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,臭化水
素酸などの無機酸や有機カルボン酸(例、ギ酸,酢酸,
酒石酸,クエン酸,シュウ酸,フタル酸,フマル酸,マ
レイン酸など)、スルホン酸(例、メタンスルホン酸,
ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸など)な
どの有機酸などとの塩が用いられる。また化合物[II]
がR4およびB環における置換基としてカルボキシル基
などの酸性基を有する場合、アルカリ金属(例、ナトリ
ウム,カリウムなど)又はアルカリ土類金属(例、マグ
ネシウムなど)などとの無機塩、あるいは有機塩基
(例、ジシクロヘキシルアミン,トリエチルアミン,
2,6−ルチジンなどのアミン類など)と塩を形成して
もよい。次に、この発明化合物[I]またはその塩およ
び化合物[II]またはその塩の製造法について述べる。
以下、式[I]で表わされる化合物またはその塩を化合
物[I]と、また式[II]で表わされる化合物またはそ
の塩を化合物[II]と略称する。化合物[I]のうち、
1が硫黄原子、W2が窒素原子である化合物[V]は化
合物[III]またはその塩と、化合物[IV]またはその
塩とを反応させることによって得られる。式[III]に
おけるXで表わされる脱離基としては、例えばハロゲン
原子(例えば、クロロ,ブロモ,ヨードなど)、C1-6
アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニル
オキシ、エタンスルホニルオキシなど)、C6-10アリー
ルスルホニルオキシ(例えば、ベンゼンスルホニルオキ
シ、p−トルエンスルホニルオキシなど)などが用いら
れる。特にハロゲン原子などがXとして好ましい。
【0023】本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行
うのが有利である。この様な溶媒としては、反応が進行
する限り特に限定はされないが、例えばメタノール,エ
タノール,プロパノール,イソプロパノールなどのアル
コールなどが好ましい。反応温度は通常50〜150
℃、好ましくは60〜100℃である。反応時間は通常
3〜24時間、好ましくは6〜12時間である。化合物
[IV]またはその塩の使用量は、化合物[III]または
その塩1モルに対し、通常約1〜3モル、好ましくは約
1〜1.3モル量である。化合物[III]またはその塩
は、それ自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によ
り製造することができる。例えば、ジャーナル オブ
ザ アメリカンケミカル ソサエティ“J. Am. Chem. S
oc.”, 80,6233(1958),ジャーナル オブ
メデシナル ケミストリィー“J. Med. Chem.”,
,501(1971), ヘルベチカ キミカ アク
タ“Helv. Chim. Acta”, 71,337(1988)な
どに記載の方法により製造できる。また、化合物[IV]
またはその塩は、それ自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法により製造することができる。例えば、テトラ
ヘドロン レターズ“Tetrahedron Lett.”, 22,1
851(1981)に記載の方法などにより製造され
る。化合物[III]及び[V]の塩としては、とりわけ医
薬上許容される塩が好ましい。それらの塩としては、例
えば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,臭化水素酸などの無機
酸や有機カルボン酸(例、ギ酸,酢酸,酒石酸,クエン
酸,シュウ酸,フタル酸,フマル酸,マレイン酸な
ど)、スルホン酸(例、メタンスルホン酸,ベンゼンス
ルホン酸,p−トルエンスルホン酸など)などの有機酸
との塩が用いられる。また化合物[III]及び[V]がR2
およびB環における置換基としてカルボキシル基などの
酸性基を有する場合、アルカリ金属(例、ナトリウム,
カリウムなど)又はアルカリ土類金属(例、マグネシウ
ムなど)等との無機塩基あるいは有機塩基(例、ジシク
ロヘキシルアミン,トリエチルアミン,2,6−ルチジ
ンなどのアミン類など)と塩を形成してもよい。化合物
[IV]の塩としては、とりわけ医薬上許容される塩が好
ましい。それらの塩としては、例えば塩酸,硝酸,リン
酸,硫酸,臭化水素酸などの無機酸や有機カルボン酸
(例、ギ酸,酢酸,酒石酸,クエン酸,シュウ酸,フタ
ル酸,フマル酸,マレイン酸など)、スルホン酸(例、
メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエン
スルホン酸など)などの有機酸との塩が用いられる。ま
た化合物[III]がR1における置換基としてカルボキシ
ル基などの酸性基を有する場合、アルカリ金属(例、ナ
トリウム,カリウムなど)又はアルカリ土類金属(例、
マグネシウムなど)等との無機塩基あるいは有機塩基
(例、ジシクロヘキシルアミン,トリエチルアミン,
2,6−ルチジンなどのアミン類など)と塩を形成して
もよい。
【0024】上記の方法により化合物[V]のR2が水素
原子である化合物(以下、化合物[V](R2=H)と示
す。)またはその塩が得られる場合は、公知の手段、例
えば濃縮,液性変換,転溶,溶媒抽出,分留,蒸留,結
晶化,再結晶,クロマトグラフィーなどで単離,精製す
ることができるが、単離することなく反応混合物のまま
脂肪族基導入反応、カルボン酸アシル化反応またはスル
ホン酸アシル化反応などに付すことによって、R2が水
素原子以外である化合物[V]またはその塩を得ること
もできる。具体的には、R2が置換基を有していてもよ
い炭化水素基,置換基を有していてもよい複素環基また
は置換基を有していてもよいスルホン酸アシル基である
化合物[V]またはその塩は、例えば、化合物[V](R
2=H)またはその塩と、式 R2´−Y [VIII] [式中、R2´は置換基を有していてもよい炭化水素
基,置換基を有していてもよい複素環基または置換基を
有していてもよいスルホン酸アシル基を、Yは脱離基を
示す。]で表わされる化合物とを反応させることによっ
ても製造することができる。Yで表わされる脱離基とし
ては、例えばハロゲン原子(例えば、クロロ,ブロモ,
ヨードなど)、C1-6アルキルスルホニルオキシ(例え
ば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ
など)、C6-10アリールスルホニルオキシ(例えば、ベ
ンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキ
シなど)などが用いられる。特にハロゲン原子がYとし
て好ましい。R2′で示される「置換基を有していても
よい炭化水素基」、「置換基を有していてもよい複素環
基」および「置換基を有していてもよいスルホン酸アシ
ル基」としては、たとえば上記R2で述べた「置換基を
有していてもよい炭化水素基」、「置換基を有していて
もよい複素環基」および「置換基を有していてもよいス
ルホン酸アシル基」などが用いられる。
【0025】炭化水素基または複素環基導入反応を行な
う場合、用いる原料化合物[VIII]の量は化合物[V]
(R2=H)またはその塩1モル当たり約1〜2モルで
ある。本反応は炭酸カリウムや炭酸ナトリウム,水素化
ナトリウムなどの無機塩基またはトリエチルアミン,ピ
リジンなどの有機塩基の存在下で進行させてもよい。塩
基は化合物[V](R2=H)またはその塩と等モル程度
用いるのがよい。本反応は溶媒中で有利に行うことがで
き、使用する溶媒としては、反応が進行する限り特に限
定されないが、例えばテトラヒドロフラン,ジオキサ
ン,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミドなど
が好適に用いられる。反応は通常、氷冷下〜加熱下に行
なわれ、約30°〜100℃の範囲が適している。反応
時間は通常30分〜8時間、好ましくは30分〜3時間
である。スルホン酸アシル基導入反応を行なう場合、用
いる化合物[VIII]の量は化合物[V](R2=H)また
はその塩1モルに対し約1〜3モルである。本反応は、
通常トリエチルアミン,ピリジン,4-ジメチルアミノ
ピリジンなどのアミンの存在下で行なうのが有利であ
る。用いられるアミンの量は化合物[V](R2=H)ま
たはその塩1モルに対し約1〜3モルである。本反応は
溶媒中で行うことができ、用いられる溶媒は反応に不活
性なものであればいずれのものでもよいが、たとえばア
セトン,ジオキサン,ジメチルホルムアミド,テトラヒ
ドロフラン,クロロホルム,メチレンクロリドなどが好
適に用いられる。また、ピリジンを溶媒として用いて反
応を行ってもよい。反応は、通常0℃〜室温(以下の製
法説明における室温とは、具体的には5〜35℃を意味
する。)でスムーズに進行する。反応時間は、通常30
分〜12時間、好ましくは30分〜5時間である。
【0026】また、R2が置換基を有していてもよいカ
ルボン酸アシル基である化合物[V]またはその塩を得
るには、例えば化合物[V](R2=H)またはその塩と
式 R5COOH [IX] [式中、R5は前記と同意義を示す。]で表されるカル
ボン酸またはその反応性誘導体とを反応させてもよい。
該カルボン酸の反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物
(例えば、酸塩化物,酸臭化物など),酸アミド(例え
ば、イミダゾリドなど),酸無水物,酸アジド,活性エ
ステル(例えば、N−フタルイミドエステル,N−オキ
シコハク酸イミドエステルなど)などが用いられる。ま
た、活性化エステルを用いる代わりに該カルボン酸を直
接化合物[V](R2=H)またはその塩と反応させても
よい。その場合、たとえばN,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミドまたは1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ルなどのカップリング試薬の存在下で反応を進行させる
のがよい。カルボン酸[IX]またはその反応性誘導体
は、化合物[V](R2=H)またはその塩1モルに対し
通常1〜3モル、好ましくは約1〜1.2モル用いる。
化合物[V](R2=H)またはその塩とカルボン酸[I
X]とを直接反応させる場合は、カルボン酸[IX]を通
常化合物[V](R2=H)またはその塩1モルに対し、
通常約1〜3モル好ましくは約1〜1.2モル用いる。
この時、化合物[V](R2=H)またはその塩1モルに
対して、1〜1.2モルのカップリング試薬の存在下で
反応を有利に進行させることができる。反応は、通常0
℃〜室温でスムーズに進行する。本反応は溶媒中で行な
うのがよく、用いられる溶媒としては、反応に不活性な
ものであればいずれのものでもよく、たとえばクロロホ
ルム,メチレンクロリド,テトラヒドロフラン,ジオキ
サン,ジメチルホルムアミドなどが用いられる。カルボ
ン酸[IX]の反応性誘導体として酸ハロゲン化物を用い
る場合は、反応系内にたとえばトリエチルアミン,ピリ
ジン,4−ジメチルアミノピリジンなどのアミンを加え
ておくのが望ましい。反応時間は、用いる試薬や溶媒に
より異なるが通常30分〜12時間、好ましくは30分
〜2時間である。
【0027】さらに、R2が置換基を有していてもよい
炭化水素基である化合物[V]またはその塩は、R2が置
換基を有していてもよいカルボン酸アシル基である化合
物[V]またはその塩を還元することによっても得られ
る。還元はそれ自体公知あるいはそれに準じる方法に従
って行なえるが、例えば水素化アルミニウムリチウムや
ジボランのような還元剤による還元が適している。この
時溶媒としては、エーテル,テトラヒドロフラン,ジオ
キサンなどが用いられ、還流下に反応を進行させてもよ
い。化合物[V]のR2がカルボン酸アシル,またはスル
ホン酸アシルの時は酸による自体公知の方法による加水
分解によりR2=Hの化合物[V]が得られる。また、上
記各反応において、原料化合物は、R1およびR2におけ
る置換基としてアミノ基,カルボキシル基,ヒドロキシ
ル基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで一
般的に用いられるような保護基が導入されたものであっ
てもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去すること
により目的化合物を得ることができる。アミノ基の保護
基としては、例えば置換基を有していてもよいC1-6
ルキルカルボニル(例えば、ホルミル、メチルカルボニ
ル、エチルカルボニルなど)、フェニルカルボニル、C
1-6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニルなど)、フェニルオキシ
カルボニル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、
7-10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルオキ
シカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用い
られる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6
アルキル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エ
チルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基な
どが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0028】カルボキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリル
などが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン
原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードな
ど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、ホルミル、
メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニ
ルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1な
いし3個程度である。ヒドロキシル基の保護基として
は、例えば置換基を有していてもよいC1-6アルキル
(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチルなど)、フェニル、C
7-10アラルキル(例えば、ベンジルなど)、C1-6アル
キルカルボニル(例えば、ホルミル、メチルカルボニ
ル、エチルカルボニルナド)、フェニルオキシカルボニ
ル(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、C7-10
ラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボ
ニルなど)、ピラニル、フラニル、シリルなどが用いら
れる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6
アルキル、フェニル、C7-10アラルキル、ニトロ基など
が用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。ま
た、保護基の除去方法としては、それ自体公知またはそ
れに準じる方法が用いられるが、例えば酸、塩基、還
元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアン
モニウムフルオリド、酢酸パラジウムなどで処理する方
法が用いられる。以上の方法によって得られる化合物
[V]は、たとえば再結晶、蒸留,クロマトグラフィー
などの通常の分離手段により単離、精製することができ
る。かくして得られる化合物[V]が遊離体で得られた
場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
(例えば、中和等)によって塩に変換することができ、
逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれ
に準じる方法により、遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0029】次に化合物[I]のうち、W1が窒素原子、
2が硫黄原子である化合物[VII]またはその塩は、化
合物[VI]またはその塩と硫化剤とを反応させることに
よって得られる。原料化合物[VI]のうちR2が置換基
を有していてもよい芳香炭素環基または芳香複素環基以
外の化合物またはその塩は、それ自体公知の方法あるい
はそれに準じる方法により製造することができる。例え
ば、式
【化26】 [式中、A,B環は前記と同意義を示す。R2´は前記
2の意義から置換基を有していてもよい芳香炭素環基
および芳香複素環基を除いたもの]で表わされる化合物
またはその塩と、式 R1COOH (XI) [R1は前記と同意義を示す。]で表わされるカルボン
酸またはその反応性誘導体とを反応させることにより得
られる。その反応方法は、化合物[V](R2=H)また
はその塩と化合物[IX]またはその反応性誘導体とを反
応させ、R2が置換基を有していてもよいカルボン酸ア
シル基である化合物[V]またはその塩を得る場合と同
様である。化合物[VI]のうちR2が置換基を有してい
てもよい芳香炭素環基または芳香複素環基である化合物
またはその塩は、上記方法で得られるR2が水素原子で
ある化合物[VI](化合物[VI](R2=H))または
その塩に芳香環を導入することにより得られる。すなわ
ち、化合物[VI](R2=H)またはその塩と、式 R4−Z (XII) [R4は前記と同意義を、Zは脱離基を示す。)で表わ
される化合物とを反応することにより製造することがで
きる。化合物[X]またはその塩は、それ自体公知また
はそれに準じる方法によって製造することができる。例
えば、アルチブス オブ バイオケミストリー アンド
バイオフィジックス“Arch. Biochem. Biophys.”,
102,48(1963)、ジャーナル オブ オーガ
ニック ケミストリー“J.Org.Chem.”,50,340
8(1985)、ヘルベティック キミカ アクタ“He
lv.Chim.Acta.”,71,337(1988)などに従
って製造することができる。Zで表わされる脱離基とし
ては、例えばハロゲン原子(例えば、クロロ,ブロモ,
ヨードなど)、C1-6アルキルスルホニルオキシ(例え
ば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ
など)、C6-10アリールスルホニルオキシ(例えば、ベ
ンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキ
シなど)などが用いられる。特にハロゲン原子がZとし
て好ましい。芳香環導入反応は、通常、銅触媒および塩
基の存在下、溶媒中で行うのがよい。銅触媒としては、
例えば銅粉,塩化第一銅,臭化第一銅,酸化第一銅,塩
化第二銅,臭化第二銅,酸化第二銅等が単一または複数
で用いられるが、銅粉および塩化第一銅の組合せが特に
好ましい。この時塩基としては、例えば酢酸カリウム,
酢酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,重炭
酸カリウム,重炭酸ナトリウムなどが用いられる。使用
する銅触媒は、通常、化合物[VI](R2=H)または
その塩に対し1〜3倍モル程度である。反応に使用する
溶媒は、反応に不活性なものであれば何れでもよいが、
例えばジメチルアセトアミド,ジメチルホルムアミド,
ニトロベンゼン,ナフタレン等が一般的である。特にジ
メチルアセトアミド,ジメチルホルムアミド等が溶媒と
して好ましい。反応は、通常、加熱下(80〜200
℃)で行なわれ、特に100〜140℃程度が好まし
い。反応には通常2〜24時間を要する。この様にして
得られた化合物[VI]およびその塩は自体公知の方法、
すなわち、液性変換,転溶,抽出,分留,蒸留,結晶
化,再結晶,クロマトグラフィーなどの手段で精製する
ことができる。R2が芳香炭素環基または芳香複素環基
である化合物[VI]またはその塩は、アミノ基上のアシ
ル基R1−CO−の脱保護または新たな保護基の導入等
の組合せなどにより、容易に化合物[II]に導くことが
できる。脱保護および保護基の導入法は、自体公知の方
法を用いることができる。
【0030】かくして得られた化合物[VI]またはその
塩は、例えば五硫化燐やローソン試薬などの硫化剤と反
応させることにより化合物[VII]またはその塩に導く
ことができる。この時用いる硫化剤の量は、一般的には
化合物[VI]またはその塩1モルに対し約1〜3モル、
通常は化合物[VI]またはその塩と等モル程度が好まし
い。反応溶媒としては、特に制限はないが、例えばピリ
ジンなどの有機溶媒などが好ましい。反応は、通常50
℃〜150℃,好ましくは約80℃〜120℃である。
反応に要する時間は、反応温度によって異なるが、通常
3〜12時間好ましくは3〜6時間である。より具体的
には、例えば約100〜120℃で反応させれば、大体
5時間内に反応は終わる。上記の方法により化合物[VI
I]またはその塩が得られ、自体公知の手段、例えば濃
縮,液性変換,転溶,溶媒抽出,分留,蒸留,結晶化,
再結晶,クロマトグラフィーなどにより単離,精製する
ことができる。上記の方法により、R2が水素原子で
ある化合物[VII](R2=H)またはその塩が得られる
場合には、必要によりR2が水素原子、置換基を有して
いてもよい芳香炭素環基または置換基を有していてもよ
い芳香複素環基以外の化合物[VII]またはその塩へ、
2が置換基を有していてもよいカルボン酸アシル基
である化合物[VII]またはその塩が得られる場合に
は、還元によってR2が置換を有していてもよい炭化水
素基である化合物[VII]またはその塩へ、R2が置換
基を有していてもよいカルボン酸アシル基またはスルホ
ン酸アシル基である化合物[VII]またはその塩が得ら
れる場合には、加水分解によりR2=Hの化合物[VII]
またはその塩へ変換することができるが、これらの変換
反応は、化合物[V]またはその塩の場合と同様であ
る。これら変換反応の時には、必要により置換基として
存在するアミノ基,カルボキシル基,ヒドロキシル基等
は、保護基の導入,脱保護を組合せることにより反応を
進行させ、目的を達成することができるが、それらの方
法も化合物[V]またはその塩の場合と同様に行うこと
ができる。化合物[VI]および[VII]の塩としては、と
りわけ医薬上許容される塩が好ましい。それらの塩とし
ては、例えば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,臭化水素酸な
どの無機酸や有機カルボン酸(例、ギ酸,酢酸,酒石
酸,クエン酸,シュウ酸,フタル酸,フマル酸,マレイ
ン酸など)、スルホン酸(例、メタンスルホン酸,ベン
ゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸など)などの
有機酸との塩が用いられる。また化合物[VI]および[V
II]がR1、R2およびB環における置換基としてカルボ
キシル基などの酸性基を有する場合、アルカリ金属
(例、ナトリウム,カリウムなど)又はアルカリ土類金
属(例、マグネシウムなど)等との無機塩基あるいは有
機塩基(例、ジシクロヘキシルアミン,トリエチルアミ
ン,2,6−ルチジンなどのアミン類など)と塩を形成
してもよい。化合物[X]の塩としては、とりわけ医薬
上許容される塩が好ましい。それらの塩としては、例え
ば塩酸,硝酸,リン酸,硫酸,臭化水素酸などの無機酸
や有機カルボン酸(例、ギ酸,酢酸,酒石酸,クエン
酸,シュウ酸,フタル酸,フマル酸,マレイン酸な
ど)、スルホン酸(例、メタンスルホン酸,ベンゼンス
ルホン酸,p−トルエンスルホン酸など)などの有機酸
との塩が用いられる。また化合物[X]がR2′およびB
環における置換基としてカルボキシル基などの酸性基を
有する場合、アルカリ金属(例、ナトリウム,カリウム
など)又はアルカリ土類金属(例、マグネシウムなど)
等との無機塩基あるいは有機塩基(例、ジシクロヘキシ
ルアミン,トリエチルアミン,2,6−ルチジンなどの
アミン類など)と塩を形成してもよい。
【0031】化合物[I]が光学活性体である場合は、
通常の光学分割手段により、d体,l体に分離すること
ができる。本発明の化合物[I]は、多価不飽和脂肪酸
(リノール酸,γ−リノレン酸,α−リノレン酸,アラ
キドン酸,ジホモ−γ−リノレン酸,エイコサペンタエ
ン酸)の代謝改善、特に過酸化脂質生成反応を抑制する
作用(抗酸化作用),5−リポキシゲナーゼ系代謝産物
[例、ロイコトリエン類,5−ヒドロペルオキシエイコ
サテトラエン酸(HPETE),5−ヒドロキシエイコ
サテトラエン酸(HETE),リポキシン類,ロイコト
キシン類など]の生成抑制作用、トロンボキサンA2
成酵素の阻害作用、プロスタグランジンI2合成酵素保
持促進作用、LTD4受容体拮抗作用、活性酵素種の消
去作用などの循環系改善作用や抗アレルギー作用を有す
る。上記のこれらの作用のうちとりわけ、本発明の化合
物[I]は、過酸化脂質生成反応抑制作用(抗酸化作
用)を顕著に示す。
【0032】化合物[I]は毒性,副作用が低い。従っ
て、本発明の化合物[I]は哺乳動物(マウス,ラッ
ト,ウサギ,イヌ,サル,ヒトなど)における血小板凝
集による血栓症、心,肺,脳,腎における動脈血管平滑
筋の収縮あるいは血管れん縮による虚血性疾患(例え
ば、心筋梗塞,脳卒中)、神経変性疾患(パーキンソン
病,アルツハイマー病,ルー・ゲーリッヒ氏病,筋ジス
トロフィ)、頭部外傷,脊髄外傷など中枢損傷にともな
う機能障害、記憶障害や情動障害(酸欠,脳損傷,脳卒
中,脳梗塞,脳血栓等により惹起される神経細胞壊死な
どにともなう障害)、脳卒中,脳梗塞後や脳外科手術,
頭部外傷後に起こるけいれんおよびてんかん、肺不全、
気管支喘息、炎症(例えば、腎炎、肝炎、急性肝炎、過
敏症肺臓炎など)、動脈硬化、アテローム変性動脈硬
化、肝硬変、免疫不全症、活性酸素種(スーパーオキサ
イド、水酸化ラジカルなど)による酵素,生体組織,細
胞などの障害によって引き起こされる循環器系疾患(心
筋梗塞,脳卒中,脳浮腫など)、組織繊維化現象や癌な
どの諸疾患に対して治療および予防効果を有し、たとえ
ば抗血栓剤、抗血管れん縮剤、抗喘息剤、抗アレルギー
剤、心,脳の循環器系改善剤、腎炎治療剤、肝炎治療
剤、組織繊維化阻止剤、活性酸素種消去剤、アラキドン
酸カスケード物質調節改善剤などの医薬として有用であ
る。化合物[I]は、そのままもしくは自体公知の薬学
的に許容される担体,賦形剤などと混合した医薬組成物
(例、錠剤,カプセル剤,液剤,注射剤,坐剤)として
経口的もしくは非経口的に安全に投与することができ
る。投与量は投与対象、投与ルート、症状などによって
も異なるが、例えば、成人の循環器系疾患の患者に対し
て治療剤として経口投与するときは、通常1回量として
約0.1〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.5〜10
mg/kg体重程度を1日1〜3回程度投与する。
【0033】
【実施例】以下に参考例および実施例を記載するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 参考例1 3−アセチルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1
H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 3−アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
[1]ベンズアゼピン−2−オン(4.0g)及びトリ
エチルアミン(4.6g)のDMF(30ml)溶液を氷
冷しながら、アセチルクロライド(2.0g)を徐々に
滴下した。室温で2時間撹拌した後、重曹水を加えてメ
タノール/クロロホルム混合溶媒で有機物を抽出した。
抽出層を、水洗、乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルのフラシュカラムクロマ
トグラフィーで精製し、さらにエタノール/酢酸エチル
混合溶媒から再結晶することにより表題化合物が得られ
た(収量4.0g,収率81%)。 融点 259〜261℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.81(3H,s),2.01(1H,m),
2.24(1H,m),2.69(2H,m),4.19(1H,m),6.95-7.30(4H,m),
8.08(1H,d,J=8.4Hz),9.78(1H,s). 元素分析値:C121422として 計算値:C,66.04; H,6.47; N,12.84. 実測値:C,65.89; H,6.29; N,12.48.
【0034】参考例2 3−イソブチリルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ
−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンとイソブチリルクロライドから表題化合物が得られ
た(収率87%)。 融点 214〜215℃(ヘキサン/酢酸エチルから再
結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.13(6H,m),1.92(1H,m),
2.39(1H,m),2.60-3.05(3H,m),4.53(1H,m),6.52(1H,br
d,J=6.1Hz),6.99(1H,m),7.13-7.30(3H,m),7.65(1H,br
s). 元素分析値:C141822として 計算値:C,68.27; H,7.37; N,11.37. 実測値:C,68.59; H,7.26; N,11.20.
【0035】参考例3 3−メトキシカルボニルカルボニルアミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンとメチルオキザリルクロライドから表題化合物が得
られた(収率83%)。 融点 240〜242℃(エタノールから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.20-2.45(2H,m),2.60-2.
85(2H,m),3.78(3H,s),4.19(1H,m),7.00-7.36(4H,m),8.8
7(1H,d,J=7.4Hz),9.97(1H,s). 元素分析値:C131424として 計算値:C,59.54; H,5.38; N,10.68. 実測値:C,59.76; H,5.46; N,10.80.
【0036】参考例4 3−フェニルアセチルアミノ−2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンとフェニルアセチルクロライドから表題化合物が得
られた(収率79%)。 融点 215〜217℃(エタノールから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.94-2.40(2H,m),2.60-2.
80(2H,m),3.45(2H,s),4.21(1H,m),6.96-7.30(9H,m),8.3
2(1H,d,J=8.5Hz),9.80(1H,s). 元素分析値:C181822として 計算値:C,73.45; H,6.16; N,9.52. 実測値:C,73.13; H,6.06; N,9.33.
【0037】参考例5 3−シンナモイルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ
−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンとシンナモイルクロライドから表題化合物が得られ
た(収率72%)。 融点 209〜211℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.04(1H,m),
2.69(1H,m),2.83−3.10(2H,
m),4.68(1H,m),6.47(1H,d,J
=15.8Hz),6.81(1H,d,J=7.3H
z),7.00−7.54(9H,m),7.57(1
H,d,J=15.8Hz),7.88(1H,s). 元素分析値:C191822として 計算値:C,74.49; H,5.92; N,9.14. 実測値:C,74.05; H,5.85; N,9.17.
【0038】参考例6 3−ベンゾイルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンとベンゾイルクロライドから表題化合物が得られた
(収率84%)。 融点 217〜219℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.34(2H,m),2.76(2H,m),
4.44(1H,m),7.00-7.60(7H,m),7.87(2H,dd,J=1.5Hz,7.9H
z),8.53(1H,d,J=8.1Hz),9.85(1H,s). 元素分析値:C171622として 計算値:C,72.84; H,5.75; N,9.99. 実測値:C,72.47; H,5.97; N,9.90.
【0039】参考例7 3−(4−メトキシベンゾイル)アミノ−2,3,4,5
−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オ
ン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンとp−アニソイルクロライドから表題化合物が得ら
れた(収率75%)。 融点 232〜234℃(酢酸エチル/エタノールから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.20-2.40(2H,m),2.66-2.
85(2H,m),3.81(3H,s),4.43(1H,m),6.98(2H,d,J=8.9Hz),
7.00-7.36(4H,m),7.85(2H,d,J=8.9Hz),8.37(1H,d,J=8.1
Hz). 元素分析値:C181823として 計算値:C,69.66; H,5.85; N,9.03. 実測値:C,69.44; H,5.83; N,9.08.
【0040】参考例8 3−(2,3−ジメトキシベンゾイル)アミノ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オン 2,3−ジメトキシ安息香酸(3.4g)のTHF(1
5ml)溶液にN,N′−カルボニルジイミダゾール
(3.0g)を加え、室温で30分間撹拌した。次にこ
の反応液に、3−アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ
−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン(3.0g)
のDMF(10ml)溶液を滴下して室温で2時間撹拌し
た後、重曹水を加えてメタノール/クロロホルム混合溶
媒で有機物を抽出した。抽出層を、水洗、乾燥した後、
減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルの
フラシュカラムクロマトグラフィーで精製し、さらにエ
タノール/酢酸エチル混合溶媒から再結晶することによ
り表題化合物が得られた(収量4.5g,収率77
%)。 融点 192〜195℃(酢酸エチル/エタノールから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.06(1H,m),2.50-2.85(3
H,m),3.83(3H,s),3.84(3H,s),4.42(1H,m),7.00-7.40(7
H,m),8.80(1H,d,J=7.3Hz),10.01(1H,s). 元素分析値:C192024として 計算値:C,67.05; H,5.92; N,8.23. 実測値:C,67.07; H,5.98; N,8.24.
【0041】参考例9 3−(4−ニトロベンゾイル)アミノ−2,3,4,5−
テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−
オンと4−ニトロベンゾイルクロライドから表題化合物
が得られた(収率63%)。 融点 238〜241℃(エタノールから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.28-2.46(2H,m),2.70-2.
90(2H,m),4.45(1H,m),7.02-7.38(4H,m),8.10(2H,d,J=8.
9Hz),8.33(2H,d,J=8.9Hz),8.94(1H,d,J=8.1Hz). 元素分析値:C171534として 計算値:C,62.76; H,4.65; N,12.92. 実測値:C,62.37; H,4.57; N,12.62.
【0042】参考例10 3−ベンゾイルアミノ−7−メトキシ−2,3,4,5−
テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 参考例1と同様の方法により、3−アミノ−7−メトキ
シ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズ
アゼピン−2−オンとベンゾイルクロライドから表題化
合物が得られた(収率85%)。 融点 239〜241℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.31(2H,m),2.73(2H,m),
3.76(3H,s),4.44(1H,m),6.84(1H,dd,J=2.8Hz,8.5Hz),6.
91(1H,d,J=2.8Hz),6.98(1H,d,J=8.5Hz),7.40-7.60(3H,
m),7.86(2H,m),8.48(1H,d,J=8.3Hz),9.64(1H,s). 元素分析値:C181823として 計算値:C,69.66; H,5.85; N,9.03. 実測値:C,69.41; H,5.77; N,8.88.
【0043】参考例11 3−アセチルアミノ−3,4−ジヒドロカルボスチリル 3−アミノヒドロカルボスチリル塩酸塩(15.0g)
のピリジン(50ml)溶液を氷冷下で撹拌しながら、無
水酢酸(10.0g)を滴下し、その後反応液を100
℃で45分間加熱撹拌した。反応液を冷却後、重曹水を
加え、有機物をクロロホルムで抽出した。抽出層は水
洗、乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ルのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製するこ
とにより表題化合物が得られた(収量14.5g,収率
94%)。 融点 249〜251℃(エタノールから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.91(3H,s), 2.77~3.10(2
H,m), 4.38~4.54(1H,m),6.82~7.00(2H,m), 7.10~7.22(2
H,m), 8.20(1H,d,J=8.0Hz),10.3(1H,s). 元素分析値:C111222として 計算値:C,64.69;H,5.92;N,13.72. 実測値:C,64.36;H,5.70;N,13.64.
【0044】参考例12 3−(2,3−ジメトキシシンナモイル)アミノ−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピ
ン−2−オン 参考例8と同様の方法により、2,3−ジメトキシけい
皮酸、N,N'−カルボニルジイミダゾール及び3−ア
ミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベ
ンズアゼピン−2−オンから表題化合物が得られた(収
率65%)。 融点 234〜236℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.97~2.24(2H,s), 2.60~
2.83(2H,m), 3.37(3H,s),4.36(1H,m), 6.78 (1H,d,J=1
5.9Hz), 7.00~7.35(7H,m), 7.58(1H,d,J=15.9Hz),8.35
(1H,d,J=8.1Hz), 9.85(1H,s). 元素分析値:C212224として 計算値:C,68.84;H,6.05;N,7.65. 実測値:C,68.50;H,6.05;N,7.64.
【0045】実施例1 3−アセチルアミノ−1−フェニル−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン 3−アセチルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1
H−[1]ベンズアゼピン−2−オン(3.2g)、粉
末銅(2.9g)、塩化第一銅(0.15g)、酢酸カ
リウム(2.9g)及びブロモベンゼン(8.0g)を
ジメチルアセトアミド(30ml)に懸濁させ、この反応
液を130〜140℃で8時間加熱撹拌した。冷却後、
反応液に重曹水を加えてメタノール/クロロホルム混合
溶媒で有機物を抽出した。抽出層を、水洗、乾燥した
後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルのフラシュカラムクロマトグラフィーで精製し、さら
にエタノール/酢酸エチル混合溶媒から再結晶すること
により表題化合物が得られた(収量2.6g,収率61
%)。 融点 181〜183℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.84(3H,s),1.95-2.40(2
H,m),2.75-3.10(2H,m),4.36(1H,m),6.80-6.90(1H,m),7.
10-7.48(8H,m),8.23(1H,d,J=7.7Hz). 元素分析値:C181822として 計算値:C,73.45; H,6.16; N,9.52. 実測値:C,73.27; H,6.19; N,9.55.
【0046】実施例2 3−アセチルアミノ−1−(2−クロロフェニル)−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼ
ピン−2−オン 実施例1と同様の方法により、3−アセチルアミノ−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼ
ピン−2−オンと粉末銅、塩化第一銅、酢酸カリウム及
び2−ブロモクロロベンゼンから表題化合物が得られた
(収率49%)。 融点 199〜200℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.83(3H,s),2.00-2.40(2
H,m),2.78-2.90(1H,m),2.98-3.35(1H,m),4.33-4.58(1H,
m),6.68-6.72(1H,m),7.10-7.67(8H,m),8.18-8.35(1H,
m). 元素分析値:C181722Clとして 計算値:C,65.75; H,5.21; N,8.52; Cl,10.
78. 実測値:C,65.71; H,5.28; N,8.50; Cl,10.
73.
【0047】実施例3 3−フェニルアセチルアミノ−1−フェニル−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オン 実施例1と同様の方法により、3−フェニルアセチルア
ミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベン
ズアゼピン−2−オンと粉末銅、塩化第一銅、酢酸カリ
ウム及びブロモベンゼンから表題化合物が得られた(収
率65%)。融点 154〜156℃(ヘキサン/酢酸
エチルから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.00-2.40(2H,m),2.75-3.
10(2H,m),3.47(2H,s),4.35(1H,m),6.80-6.90(1H,m),7.1
0-7.47(13H,m),8.49(1H,d,J=7.8Hz). 元素分析値:C242222として 計算値:C,77.81; H,5.99; N,7.56. 実測値:C,77.39; H,5.94; N,7.13.
【0048】実施例4 3−(4−メトキシベンゾイル)アミノ−1−フェニル
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズア
ゼピン−2−オン 実施例1と同様の方法により、3−(4−メトキシベン
ゾイル)アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
[1]ベンズアゼピン−2−オンと粉末銅、塩化第一
銅、酢酸カリウム及びブロモベンゼンから表題化合物が
得られた(収率81%)。 融点 222〜224℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.20-2.50(2H,m),2.80-3.
12(2H,m),3.81(3H,s),4.56(1H,m),6.83-6.92(1H,m),6.9
9(2H,d,J=8.9Hz),7.12-7.48(8H,m),7.88(2H,d,J=8.9H
z),8.54(1H,d,J=7.7Hz). 元素分析値:C242223として 計算値:C,74.59; H,5.74; N,7.25. 実測値:C,74.29; H,5.84; N,7.24.
【0049】実施例5 3−(4−ニトロベンゾイル)アミノ−1−フェニル−
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼ
ピン−2−オン 実施例1と同様の方法により、3−(4−ニトロベンゾ
イル)アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
[1]ベンズアゼピン−2−オンと粉末銅、塩化第一
銅、酢酸カリウム及びブロモベンゼンから表題化合物が
得られた(収率79%)。 融点 259〜261℃(クロロホルム/エタノールか
ら再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:2.30-2.52(2H,m),2.84-3.
17(2H,m),4.58(1H,m),6.86-6.96(1H,m),7.12-7.50(8H,
m),8.13(2H,d,J=8.9Hz),8.33(2H,d,J=8.9Hz),9.11(1H,
d,J=7.3Hz). 元素分析値:C231934として 計算値:C,68.82; H,4.77; N,10.47. 実測値:C,68.70; H,4.71; N,10.22.
【0050】実施例6 2−メチル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[4,5−b][1]ベンズアゼピン 3−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
[1]ベンズアゼピン−2−オン(1.0g)及びチオ
アセトアミド(470mg)をエタノール(10ml)に加
えて5時間加熱還流した。冷却後、重曹水を加え、有機
物をクロロホルムで抽出した。抽出層は水洗、乾燥後、
減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルのフラッシュ
カラムクロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル
/ヘキサンから再結晶することにより表題化合物が得ら
れた(収量360mg、収率40%)。 融点 115〜117℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:2.55(3H,s),2.95-3.10(4H,m),
6.61(1H,br s),6.76-6.93(2H,m), 7.05-7.17(2H,m). 元素分析値:C12122Sとして 計算値:C,66.63; H,5.59; N,12.95; S,14.82. 実測値:C,66.30; H,5.44; N,12.70; S,14.91.
【0051】実施例7 2−イソプロピル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾ
ロ[4,5−b][1]ベンズアゼピン・塩酸塩 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンとチオイソブチルアミドから得られた生成物を
塩化水素で中和する事により表題化合物が得られた(収
率46%)。 融点 119〜122℃(エタノール/ジエチルエーテ
ルから再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.27(3H,s),1.31(3H,s),2.
94(4H,s),3.12(1H,m),5.76(1H,br s),6.77(1H,m),7.00-
7.14(3H,m). 元素分析値:C14162S・HClとして 計算値:C,59.88; H,6.10; N,9.98; S,11.42;
Cl,12.62. 実測値:C,59.80; H,6.08; N,9.97; S,11.37;
Cl,12.70.
【0052】実施例8 2−ベンジル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[4,5−b][1]ベンズアゼピン 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンとチオベンジルアミドから表題化合物が得られ
た(収率46%)。 融点 130〜132℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:3.01(4H,m),4.14(2H,s),6.62(1
H,br s),6.76-6.92(2H,m),7.05-7.16(2H,m),7.25-7.37
(5H,m). 元素分析値:C18162Sとして 計算値:C,73.94; H,5.52; N,9.58; S,10.97. 実測値:C,74.02; H,5.62; N,9.57; S,10.95.
【0053】実施例9 2−フェニル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[4,5−b][1]ベンズアゼピン 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンとチオベンズアミドから表題化合物が得られた
(収率58%)。 融点 129〜130℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:3.11(4H,s),6.76(1H,br s),6.8
2-6.96(2H,m),7.10-7.20(2H,m),7.35-7.47(3H,m),7.78-
7.88(2H,m). 元素分析値:C17142Sとして 計算値:C,73.35; H,5.07; N,10.06; S,11.52. 実測値:C,73.23; H,4.88; N, 9.92; S,11.74.
【0054】実施例10 2−(4−メトキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−
4H−チアゾロ[4,5−b][1]ベンズアゼピン 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンと4−メトキシチオベンズアミドから表題化合
物が得られた(収率69%)。 融点 173〜176℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.09(4H,s),3.84(3H,s),6.72(1
H,br s),6.80-6.98(4H,m),7.12(2H,d,J=8.9Hz),7.76(2
H,d,J=8.9Hz). 元素分析値:C18162OSとして 計算値:C,70.10; H,5.23; N,9.08; S,10.40. 実測値:C,70.13; H,5.18; N,8.88; S,10.37.
【0055】実施例11 2−(4−クロロフェニル)−9,10−ジヒドロ−4
H−チアゾロ[4,5−b][1]ベンズアゼピン 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンと4−クロロチオベンズアミドから表題化合物
が得られた(収率48%)。 融点 165〜167℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:3.10(4H,s),6.74(1H,br s),6.8
3-6.95(2H,m),7.10-7.20(2H,m),7.37(2H,d,J=8.7Hz),7.
76(2H,d,J=8.7Hz). 元素分析値:C17132ClSとして 計算値:C,65.27; H,4.19; N,8.96; Cl,11.33;
S,10.25. 実測値:C,65.15; H,4.26; N,8.89; Cl,11.51;
S,10.44.
【0056】実施例12 2−(4−ピリジル)−9,10−ジヒドロ−4H−チ
アゾロ[4,5−b][1]ベンズアゼピン 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンとチオイソニコチンアミドから表題化合物が得
られた(収率45%)。 融点 182−184℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:3.13(4H,s),6.82(1H,br s),6.9
0(2H,m),7.16(2H,m),7.68(2H,dd,J=1.6,4.6Hz),8.66(2
H,dd,J=1.6,4.6Hz). 元素分析値:C16133Sとして 計算値:C,68.79; H,4.69; N,15.04; S,11.48. 実測値:C,68.65; H,4.47; N,15.00; S,11.59.
【0057】実施例13 2−メチル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[5,4−b][1]ベンズアゼピン 3−アセチルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1
H−[1]ベンズアゼピン−2−オン(3.6g)及び
五硫化リン(3.7g)をピリジンに懸濁させて、10
0℃で2.5時間加熱撹拌した。冷却後、重曹水を加え
てメタノール/クロロホルム混合溶媒で有機物を抽出し
た。抽出層を、水洗、乾燥した後、減圧下で溶媒を留去
した。得られた残渣をシリカゲルのフラシュカラムクロ
マトグラフィーで精製し、さらに酢酸エチル/ヘキサン
混合溶媒から再結晶することにより表題化合物が得られ
た(収量1.8g,収率50%)。 融点 182〜184℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:2.51(3H,s),3.
00−3.20(4H,m),5.90(1H,br
s),6.77(1H,dd,J=1.2Hz,7.9
Hz),6.92(1H,dt,J=1.3Hz,7.
4Hz),7.06−7.20(2H,m). 元素分析値:C12122Sとして 計算値:C,66.63; H,5.59; N,12.95; S,14.
82. 実測値:C,66.49; H,5.55; N,12.83; S,14,
79.
【0058】実施例14 2−メチル−4−フェニル−9,10−ジヒドロ−4H
−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン 3−アセチルアミノ−1−フェニル−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オン
(2.4g)及びローソン試薬(3.3g)をピリジン
に懸濁させて、100℃で3時間加熱撹拌した。冷却
後、重曹水を加えてメタノール/クロロホルム混合溶媒
で有機物を抽出した。抽出層を、水洗、乾燥した後、減
圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルのフ
ラシュカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに酢酸
エチル/ヘキサン混合溶媒から再結晶することにより表
題化合物が得られた(収量1.7g,収率73%)。 融点 126〜128℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:2.60(3H,s),2.83-2.94(2H,m),
2.96-3.08(2H,m),6.79-6.90(3H,m),7.11-7.40(6H,m). 元素分析値:C18162Sとして 計算値:C,73.94; H,5.52; N,9.58; S,10.9
7. 実測値:C,73.87; H,5.51; N,9.50; S,10,8
3.
【0059】実施例15 2−イソプロピル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾ
ロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン・塩酸塩 実施例13と同様の方法により、3−イソブチリルアミ
ノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズ
アゼピン−2−オンと五硫化リンから得られた化合物を
精製後、塩化水素で中和することにより表題化合物が得
られた(収率86%)。 融点 172〜175℃(ジエチルエーテル/エタノー
ルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:1.34(6H,d,J=6.9Hz),3.00(2H,
m),3.09(2H,m),3.36(1H,m),6.86-7.21(4H,m),9.67(1H,
s). 元素分析値:C14162S・HClとして 計算値:C,59.88; H,6.10; N,9.98; S,11.4
2; Cl,12.62. 実測値:C,59.73; H,6.11; N,9.89; S,11,5
8; Cl,12.66.
【0060】実施例16 2−(N−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−3
−イル)−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ[5,
4−b][1]ベンズアゼピン 参考例8と同様の方法により、N−tert−ブトキシカル
ボニルピペリジン−3−カルボン酸、N,N′−カルボ
ニルジイミダゾール及び3−アミノ−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オンか
ら得られた化合物を精製後、実施例14と同様の方法に
より、ローソン試薬で処理すると表題化合物が得られた
(収率73%)。 融点 177〜178℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),1.50-1.80(4H,m),
2.13(1H,m),2.75-3.00(2H,m),3.02-3.20(4H,m),4.00(1
H,m),4.22(1H,m),5.92(1H,s),6.79(1H,d,J=7.7Hz),6.94
(1H,t,J=7.7Hz),7.06-7.20(2H,m). 元素分析値:C212732Sとして 計算値:C,65.42; H,7.06; N,10.90; S,8.3
2. 実測値:C,65.47; H,6.99; N,10.86; S,8.4
5.
【0061】実施例17 2−(ピペリジン−3−イル)−9,10−ジヒドロ−
4H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン・
二塩酸塩 2−(N−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−3
−イル)−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ[5,
4−b][1]ベンズアゼピン(4.96g)のエタノ
ール(150ml)溶液に、塩酸−酢酸エチル(70ml)
溶液を加えて室温で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を留
去した後、得られた残渣を酢酸エチル/エタノール混合
溶媒から再結晶することにより表題化合物が得られた
(収量4.5g,収率97%)。 融点 231〜234℃(酢酸エチル/エタノールから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.65-2.00(3H,m),2.10(1
H,m),2.83-3.18(6H,m),3.20-3.60(3H,m),6.80-7.00(2H,
m),7.04-7.20(2H,m). 元素分析値:C16193S・2HClとして 計算値:C,53.63; H,5.91; N,11.73; S,8.9
5; Cl,19.79. 実測値:C,53.47; H,5.89; N,11.55; S,8.8
7; Cl,19.70.
【0062】実施例18 2−メトキシカルボニル−9,10−ジヒドロ−4H−
チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−メトキシカルボニ
ルカルボニルアミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1
H−[1]ベンズアゼピン−2−オンとローソン試薬か
ら表題化合物が得られた(収率53%)。 融点 199〜201℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.02-3.14(2H,m),3.12-3.21(2
H,m),3.94(3H,s),6.67(1H,br s),6.81-7.22(4H,m). 元素分析値:C131222Sとして 計算値:C,59.98; H,4.65; N,10.76; S,12.
32. 実測値:C,59.90; H,4.62; N,10.65; S,12.
35.
【0063】実施例19 2−ベンジル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−フェニルアセチル
アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベ
ンズアゼピン−2−オンとローソン試薬から表題化合物
が得られた(収率70%)。 融点 157〜159℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.00-3.10(2H,m),3.11-3.21(2
H,m),4.13(2H,s),5.80(1H,br s),6.72(1H,d,J=7.8Hz),
6.87-6.97(1H,m),7.02-7.19(2H,m),7.21-7.37(5H,m). 元素分析値:C18162Sとして 計算値:C,73.94; H,5.52; N,9.58; S,10.9
7. 実測値:C,73.95; H,5.51; N,9.29; S,11.0
0.
【0064】実施例20 2−ベンジル−4−フェニル−9,10−ジヒドロ−4
H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−フェニルアセチル
アミノ−1−フェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1H−[1]ベンズアゼピン−2−オンとローソン試薬
から表題化合物が得られた(収率58%)。 融点 115〜116℃ NMR(CDCl3)δ:2.83-2.93(2H,m),3.00-3.10(2
H,m),4.19(2H,s),6.77-6.87(3H,m),7.10-7.40(11H,m). 元素分析値:C24202Sとして 計算値:C,78.23; H,5.47; N,7.60; S,8.7
0. 実測値:C,77.96; H,5.57; N,7.42; S,8.6
5.
【0065】実施例21 2−スチリル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−シンナモイルアミ
ノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズ
アゼピン−2−オンとローソン試薬から表題化合物が得
られた(収率69%)。 融点 162〜164℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.05−3.28(4H,
m),6.11(1H,br s),6.81(1H,
d,J=8.0Hz),6.90−7.50(11H,
m). 計算値:C,74.97; H,5.30; N,9.20;
S,10.53. 実測値:C,74.78; H,5.35; N,9.43; S,10.4
3.
【0066】実施例22 2−フェニル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例13と同様の方法により、3−ベンゾイルアミノ
−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズア
ゼピン−2−オンと五硫化燐から表題化合物が得られた
(収率74%)。 融点 182〜184℃(酢酸エチル/ヘキサンから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:3.11(2H,m),3.27(2H,m),6.08
(1H,br s),6.81(1H,dd,J=1.0Hz,7.8Hz),6.95(1H,dt,J=
1.3Hz,7.3Hz),7.09-7.20(2H,m),7.30-7.42(3H,m),7.60
(2H,m). 元素分析値:C17142Sとして 計算値:C,73.35; H,5.07; N,10.06; S,11.
52. 実測値:C,73.34; H,5.04; N,10.14; S,11.
36.
【0067】実施例23 2−(4−メトキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−
4H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−(4−メトキシベ
ンゾイル)アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H
−[1]ベンズアゼピン−2−オンとローソン試薬から
表題化合物が得られた(収率66%)。 融点 217〜219℃(酢酸エチル/エタノールから
再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.05-3.17(2H,m),3.18-3.30(2
H,m),3.83(3H,s),6.03(1H,br s),6.76-7.00(2H,m),3.90
(2H,d,J=8.9Hz),7.08-7.20(2H,m),7.69(2H,d,J=8.9Hz). 元素分析値:C18162OSとして 計算値:C,70.10; H,5.23; N,9.08; S,1
0.40. 実測値:C,69.84; H,5.20; N,9.04;
S,10.36.
【0068】実施例24 2−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−9,1
0−ジヒドロ−4H−チアゾロ[5,4−b][1]ベ
ンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−(4−メトキシベ
ンゾイル)アミノ−1−フェニル−2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オンとロ
ーソン試薬から表題化合物が得られた(収率53%)。 融点 157〜159℃(酢酸エチルから再結晶) NMR(CDCl3)δ:2.90-3.00(2H,m),3.06-3.16(2
H,m),3.85(3H,s),6.80-6.98(5H,m),7.15-7.45(6H,m),7.
79(2H,d,J=8.8Hz). 元素分析値:C24202OSとして 計算値:C,74.97; H,5.24; N,7.29; S,8.3
4. 実測値:C,74.81; H,5.28; N,7.18; S,8.2
6.
【0069】実施例25 2−(2,3−ジメトキシフェニル)−9,10−ジヒ
ドロ−4H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼ
ピン 実施例13と同様の方法により、3−(2,3−ジメト
キシベンゾイル)アミノ−1−フェニル−2,3,4,5
−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オ
ンと五硫化燐から表題化合物が得られた(収率65
%)。 融点 154〜156℃(ヘキサン/酢酸エチルから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:3.11(2H,m),3.28(2H,m),3.90
(3H,s),3.92(3H,s),6.11(1H,br s),6.77-6.98(3H,m),7.
03-7.20(3H,m),7.79(1H,dd,J=1.4Hz,8.1Hz). 元素分析値:C191822Sとして 計算値:C,67.43; H,5.36; N,8.28; S,9.4
7. 実測値:C,67.40; H,5.55; N,8.21; S,9.4
5.
【0070】実施例26 2−(4−ニトロフェニル)−9,10−ジヒドロ−4
H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−(4−ニトロベン
ゾイル)アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
[1]ベンズアゼピン−2−オンとローソン試薬から表
題化合物が得られた(収率56%)。 融点 223〜226℃(クロロホルム/エタノールか
ら再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.10-3.19(2H,m),3.25-3.34(2
H,m),6.26(1H,br s),6.85(1H,d,J=7.8Hz),7.03(1H,dt,J
=1.2Hz,7.4Hz),7.12-7.25(2H,m),7.89(2H,d,J=9.1Hz),
8.23(2H,d,J=9.1Hz). 元素分析値:C171332Sとして 計算値:C,63.14; H,4.05; N,12.99; S, 9.
92. 実測値:C,62.95; H,4.11; N,12.74; S,10.
20.
【0071】実施例27 2−(4−ニトロフェニル)−4−フェニル−9,10
−ジヒドロ−4H−チアゾロ[5,4−b][1]ベン
ズアゼピン 実施例14と同様の方法により、3−(4−ニトロベン
ゾイル)アミノ−1−フェニル−2,3,4,5−テトラ
ヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オンとロー
ソン試薬から表題化合物が得られた(収率47%)。 融点 230〜233℃(クロロホルム/酢酸エチルか
ら再結晶) NMR(CDCl3)δ:2.94-3.05(2H,m),3.10-3.20(2
H,m),6.88-7.01(3H,m),7.19-7.45(6H,m),8.00(2H,d,J=
9.0Hz),8.26(2H,d,J=9.0Hz). 元素分析値:C231732Sとして 計算値:C,69.15; H,4.29; N,10.52; S,8.0
3. 実測値:C,68.92; H,4.21; N,10.31; S,7.8
2.
【0072】実施例28 7−メトキシ−2−フェニル−9,10−ジヒドロ−4
H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼピン 実施例13と同様の方法により、3−ベンゾイルアミノ
−7−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
[1]ベンズアゼピン−2−オンと五硫化リンから表題
化合物が得られた(収率50%)。 融点 205〜207℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.10(2H,br s),3.24(2H,br s),
3.79(3H,s),5.83(1H,brs),6.05-6.80(3H,m),7.30-7.43
(3H,m),7.70-7.80(2H,m). 元素分析値:C18162OSとして 計算値:C,70.10; H,5.23; N,9.08; S,10.4
0. 実測値:C,70.10; H,5.17; N,8.99; S,10.3
7.
【0073】実施例29 2−スチリル−9,10−ジヒドロ−4H−チアゾロ
[4,5−b][1]ベンズアゼピン 実施例6と同様の方法により、3−ブロモ−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−
2−オンとチオシンナムアミドから表題化合物が得られ
た(収率37%)。 融点 202〜204℃(メタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.09(4H,s), 6.73(1H,br s),
6.82~6.97(2H,m), 7.07(1H,d,J=16.2Hz), 7.10-7.20(2
H,m),7.37-7.43(4H,m),7.48-7.55(2H,m). 元素分析値:C19162S・0.5H2Oとして 計算値:C,72.81; H,5.47; N,8.94; S,10.2
3. 実測値:C,73.15; H,5.32; N,8.78; S,10.1
9.
【0074】実施例30 2−(2,3−ジメトキシスチリル)−9,10−ジヒ
ドロ−4H−チアゾロ[5,4−b][1]ベンズアゼ
ピン 実施例14と同様の方法により、3−(2,3−ジメト
キシシンナモイル)アミノ−2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1H−[1]ベンズアゼピン−2−オンとローソ
ン試薬から表題化合物が得られた(収率70%)。 融点 202〜203℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(CDCl3)δ:3.05~3.28(4H,m), 3.86(3H,s),
3.88(3H,s), 6.18(1H,brs), 6.77-7.40(9H,m). 元素分析値:C212022Sとして 計算値:C,69.21; H,5.53; N,7.69; S,8.8
0. 実測値:C,69.36; H,5.64; N,7.62; S,8.9
8.
【0075】実施例31 1−フェニル−3−アセチルアミノ−3,4−ジヒドロ
カルボスチリル 実施例1と同様の方法により、3−アセチルアミノ−
3,4−ジヒドロカルボスチリルと粉末銅、塩化第一
銅、酢酸カリウム及びブロモベンゼンから表題化合物が
得られた(収率42%)。 融点 209〜211℃(エタノール/酢酸エチルから
再結晶) NMR(d6−DMSO)δ:1.92(3H,s), 3.11(2H,d,J=
9.9Hz), 4.65~4.82(1H,m), 6.23(1H,dd,J=1.0,7.9Hz),
6.89~7.17(2H,m), 7.23~7.38(3H,m), 7.40~7.60(3H,m),
8.32(1H,br d,J=6.2Hz). 元素分析値:C171622Sとして 計算値:C,72.84; H,5.57; N,9.99. 実測値:C,72.76; H,5.79; N,9.98.
【0076】実施例32 2−メチル−4−フェニル−4,9−ジヒドロ−4H−
チアゾロ[5,4−b]キノリン 実施例14と同様の方法により、1−フェニル−3−ア
セチルアミノ−3,4−ジヒドロカルボスチリルとロー
ソン試薬から表題化合物が得られた(収率20%)。 融点 104〜107℃(ヘキサン/酢酸エチルから再
結晶) NMR(CDCl3)δ:2.51(3H,s), 4.
40(2H,s), 6.35(1H,dd,J=1.
4Hz,7.9Hz),6.84 ̄7.02(2H,
m), 7.15 ̄7.22(1H,m), 7.34
 ̄7.60(5H,m). 元素分析値:C17162Sとして 計算値:C,73.35; H,5.07; N,10.06; S,11.5
2 実測値:C,73.64; H,5.09; N, 9.88; S,11.3
8
【0077】製剤例1 各成分を均一に混合し直打用粉末とした。これをロータ
リー式打錠機で直径6mm、重量100mgの錠剤に成型し
た。
【0078】
【作用】
試験例 過酸化脂質生成阻害作用 Rat liver microsome(S−9)(0.3mg Protein/40
mM Tris−malate buffer (pH7.4)2.4ml)
(2.4ml)に被験化合物のDMF溶液(0.025m
l)、FeSO4(0.25mM)とNADPH(3mM)の1:
1の混液(0.1ml)を加えてよく振り混ぜた。37℃
で30分間放置後、0.2%Butylated hydroxytoluene
/EtOH(0.125ml)を加えてよく振り混ぜた。
0.05M 2−Thiobarbituric acid と20%Trichlo
roacetic acid の2:1混液(2.3ml)を加えて、よ
く振り混ぜた後、95℃で15分間放置した。氷水中で
5分間以上放置後、2400回転で10分間遠心分離し
た。上清液の波長532nmに於ける吸光度を測定した。
なおここで被験化合物の代わりに、DMF(0.025m
l)を加えたものを、コントロールとした。また被験化
合物のDMF溶液(0.025ml)にButylatedhydroxyt
oluene/EtOH(0.125ml)、Rat liver microsom
e(S−9)(0.3mg Protein/40mM Tris−malate
buffer(pH7.4)2.4ml)(2.4ml)、水(0.1m
l)及び0.05M 2−Thiobarbituric acid と20% Tr
ichloroacetic acid の2:1混液(2.3ml)をこの順
序で加え、以下上記操作方法に準じて操作したものを被
験化合物のブランク、被験化合物の代わりにDMF
(0.025ml)を加えたものをコントロールのブラン
クとした。 [阻害率の計算方法]各濃度における阻害率は次の式よ
り算出した。 阻害率(%)=(1−(Esa−Esb)/(Eco−Ecb))×
100 (Esa:被験化合物でのA532、Esb:被験化合物のブラ
ンクでのA532、Eco:コントロールでのA532、Ecb:コ
ントロールのブランクでのA532を示す) [IC50の計算方法] IC50=(50(X2−X1)−(X2Y1−X1Y2))/(Y2
Y1) (Y1:50%未満の阻害率、X1:Y1での濃度、Y2:50
%以上の阻害率、X2:Y2での濃度)
【0079】
【表1】 *検体濃度(M) 以上の結果から本発明化合物が、低濃度でも過酸化脂質
の生成を阻害することがわかる。
【0080】
【発明の効果】本発明の化合物[I]は、優れた過酸化
脂質生成抑制・抗酸化作用を有する。従って、哺乳動物
等の循環器系疾患、アレルギー性疾患の予防・治療に用
いることができ、有用な医薬を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 215/38 C07D 215/38 223/16 223/16 A (56)参考文献 Khim.Geterotsikl. Soedin.,ロシア,1988年,N o.9,p.1278−1283 Zh.Org.Khim.ロシア, 1987年,Vol.23,No.3,p. 631−637 Zh.Vses.Khim.O−v a.im.D.I.Mendeleev a,ロシア,1986年,Vol.31,N o.2,p.229−231 Zh.Vses.Khim.O−v a,.ロシア,1978年,Vol.23,N o.6,p.711−712 J.Org.Chem.,米国,1976 年,Vol.41,No.1,p.129− 133 Zh.Vses.Khim.Obsh chest.,ロシア,1973年,Vo l.18,No.6,p.714−715 井本稔 他編,大有機化学15 複素環 式化合物II,日本,朝倉書店,1965年 10月30日,第6版,p.81−83 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 513/04 343 C07D 513/04 361 C07D 215/38 C07D 223/16 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 [式中、Aは置換基を有していてもよい鎖長3以下のア
    ルキレン基を、B環は置換基を有していてもよい芳香環
    を、W,Wは一方が窒素原子で他方が硫黄原子を、
    は(1)水素原子、(2)置換基を有していてもよ
    い直鎖状もしくは分枝状のC1−11アルキル基、
    (3)置換基を有していてもよい直鎖状もしくは分枝状
    のC2−4アルケニル基、(4)置換基を有していても
    よい直鎖状もしくは分枝状のC2−4アルキニル基、
    (5)置換基を有していてもよいC3−7単環式シクロ
    アルキル基、(6)置換基を有していてもよいC
    −14架橋環式飽和炭化水素基、(7)置換基を有し
    ていてもよいC6−14炭素芳香環基、(8)置換基を
    有していてもよいC7−18アラルキル基、(9)置換
    基を有していてもよいC8−18アリールアルケニル、
    (10)置換基を有していてもよいC8−18アリール
    アルキニル、(11)置換基を有していてもよいC
    3−7単環式シクロアルキル基−C1−6アルキル、
    (12)置換基を有していてもよい、N,O,Sから選
    ばれた1ないし3個を含んでいる5ないし8員の芳香族
    単環式複素環基、(13)置換基を有していてもよい、
    N,O,Sから選ばれた1ないし3個を含んでいる8な
    いし13員の芳香族縮合複素環基、(14)置換基を有
    していてもよい、N,O,Sから選ばれた1ないし3個
    を含んでいる5ないし13員の非芳香族複素環基または
    (15)置換基を有していてもよいアルコキシカルボニ
    ル基を、Rは(1)水素原子、(2)置換基を有して
    いてもよい直鎖状もしくは分枝状のC1−11アルキル
    基、(3)置換基を有していてもよい直鎖状もしくは分
    枝状のC2−4アルケニル基、(4)置換基を有してい
    てもよい直鎖状もしくは分枝状のC2−4アルキニル
    基、(5)置換基を有していてもよいC3−7単環式シ
    クロアルキル基、(6)置換基を有していてもよいC
    −14架橋環式飽和炭化水素基、(7)置換基を有し
    ていてもよいC6−14炭素芳香環基、(8)置換基を
    有していてもよいC7−18アラルキル基、(9)置換
    基を有していてもよいC8−18アリールアルケニル、
    (10)置換基を有していてもよいC8−18アリール
    アルキニル、(11)置換基を有していてもよいC
    3−7単環式シクロアルキル基−C1−6アルキル、
    (12)置換基を有していてもよい、N,O,Sから選
    ばれた1ないし3個を含んでいる5ないし8員の芳香族
    単環式複素環基、(13)置換基を有していてもよい、
    N,O,Sから選ばれた1ないし3個を含んでいる8な
    いし13員の芳香族縮合複素環基、(14)置換基を有
    していてもよい、N,O,Sから選ばれた1ないし3個
    を含んでいる5ないし13員の非芳香族複素環基または
    (15)置換基を有していてもよいカルボン酸若しくは
    スルホン酸アシル基をそれぞれ示す。]で表される三環
    性縮合複素環類またはその塩。
  2. 【請求項2】R 1 およびR 2 の定義における、「N,O,
    Sから選ばれた1ないし3個を含んでいる5ないし8員
    の芳香族単環式複素環基」がフラン、チオフェン、ピロ
    ール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イ
    ソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、
    ピリダジン、ピリミジンまたはピラジンであり、「N,
    O,Sから選ばれた1ないし3個を含んでいる8ないし
    13員の芳香族縮合複素環基」がベンゾフラン、イソベ
    ンゾフラン、ベンゾ[b]チオフェン、インドール、イ
    ソインドール、1H−インダゾール、ベンゾイミダゾー
    ル、ベンゾオキサゾール、1,2−ベンゾイソオキサゾ
    ール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチアゾー
    ル、1H−ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリ
    ン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジ
    ン、ナフチリジン、プリン、ピロロ[1,2−b]ピリ
    ダジンまたはピラゾロ[1,5−a]ピリジンであり、
    「N,O,Sから選ばれた1ないし3個を含んでいる5
    ないし13員の非芳香族複素環基」がオキシラニル、ア
    ゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニ
    ル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テ
    トラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル
    またはピラジニルである請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】式 【化2】 [式中、R3は保護されていてもよいアミノ基を、R4
    置換基を有していてもよい芳香環基を、A,B環は請求
    項1記載と同意義を示す。]で表される化合物またはそ
    の塩。
  4. 【請求項4】式 【化3】 [式中、Xは脱離基を、A,B環,R2は請求項1記載
    と同意義を示す。]で表される化合物またはその塩と、
    式 【化4】 [式中、R1は請求項1記載と同意義を示す。]で表さ
    れる化合物またはその塩とを反応させることを特徴とす
    る、式 【化5】 [式中、A,B環,R1,R2は前記と同意義を示す。]
    で表される化合物またはその塩の製造法。
  5. 【請求項5】式 【化6】 [式中、A,B環,R1,R2は請求項1記載と同意義を
    示す。]で表される化合物またはその塩と硫化剤とを反
    応させることを特徴とする、式 【化7】 [式中、A,B環,R1,R2は前記と同意義を示す。]
    で表される化合物またはその塩の製造法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の化合物を含有することを特
    徴とする過酸化脂質生成抑制剤。
  7. 【請求項7】Aが鎖長3以下のアルキレン基で、R2
    水素原子またはフェニル基である請求項1記載の化合
    物。
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井本稔 他編,大有機化学15 複素環式化合物II,日本,朝倉書店,1965年10月30日,第6版,p.81−83

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