JPH06199057A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH06199057A
JPH06199057A JP43A JP34817492A JPH06199057A JP H06199057 A JPH06199057 A JP H06199057A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34817492 A JP34817492 A JP 34817492A JP H06199057 A JPH06199057 A JP H06199057A
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Application number
JP43A
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Inventor
Masao Matsumoto
正生 松本
Yoshihide Kaneshiro
宜秀 金城
Tomohiro Shinohara
智裕 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低溶融粘度の熱溶融性インクを用いて、ライ
ン型熱転写プリンターでラフ紙上に地汚れなく高精細な
印像を形成しうる熱転写記録媒体を提供すること。 【構成】 基材上に、ウレタン樹脂と充填剤を主成分と
する非転写層を設け、そのうえにワックス状物質を主成
分とするベヒクルと着色剤とからなり、溶融粘度が90℃
で5〜60cps である着色転写層を設け、さらにそのうえ
にワックス状物質を主成分とし、溶融粘度が90℃で5〜
60cps である無着色転写層を設けてなる熱転写記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録媒体、とくに
ライン型の熱転写プリンターで表面平滑性に劣る紙(以
下、ラフ紙という)に良好な品質の印像を形成しうる熱
転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】シリ
アル型の熱転写プリンターでラフ紙に良好な品質の印像
を形成しうる熱転写記録媒体(以下、ラフ紙対応熱転写
記録媒体という)は開発されているが、ライン型の熱転
写プリンターにおけるラフ紙対応熱転写記録媒体として
は未だ充分なものがない。
【0003】ライン型の熱転写プリンターにおいては、
サーマルヘッドの構造上の理由から、熱転写記録媒体の
熱溶融性インク層が加熱素子で加熱されたのち受容紙か
ら剥離されるまでの時間(以下、剥離時間という)が数
十msec〜3000msec程度と長く(ちなみにシリアル型の熱
転写プリンターの剥離時間は1msec程度以下である)、
そのためインク層の剥離時には一旦加熱溶融されたイン
クも固化状態に近くなっている。
【0004】したがって、ライン型の熱転写プリンター
でラフ紙に印字するばあいに、シリアル型の熱転写プリ
ンター用のラフ紙対応熱転写記録媒体で用いられてい
る、橋かけ性の強い熱溶融性インク(ベヒクルが成膜性
のよい高分子量の樹脂を主体とするインクであって、ラ
フ紙の凹部に橋をかけるように転写されるインクをい
う)を用いると、インク層が加熱されたのち受容紙から
剥離されるとき加熱部位のインクの基材からの剥離性が
わるく(前記橋かけ性の強いインクは固化状態になると
基材に対する密着力が大きくなるため)、満足しうる品
質の印字がえられない。
【0005】そのため、ライン型の熱転写プリンター用
のラフ紙対応熱転写記録媒体としては、ワックスを主体
とする溶融粘度の低いインクを用い、溶融時にラフ紙の
凹部にインクを流し込むようにし、かつ固化状態に近い
状態においても基材からの剥離を可能としたものが用い
られている。しかし、このインクはワックスを主体とす
る低溶融粘度のものではあるが、固化状態に近い状態で
剥離されるためにインク層のキレがわるく、かつ基材と
の密着性もわるいため、加熱部位の周辺のインクも一緒
に転写され(この現象を面状剥離という)、高精細な印
像がえられないという不具合がある。また前記ワックス
を主体とする低溶融粘度のインクは基材との密着性がわ
るく、成膜性の劣るものであるため、熱転写記録媒体の
走行時にインク層が他部材と接触して擦られたばあいイ
ンク層が基材から剥離したり(いわゆるインクの粉落
ち)、あるいは受容紙の地汚れが生じるなどの不具合が
ある。
【0006】本発明は前記の点に鑑みて、とくにライン
型の熱転写プリンター用のラフ紙対応熱転写記録媒体と
してすぐれた性能を発揮する熱転写記録媒体を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に、ウ
レタン樹脂と充填剤を主成分とする非転写層を設け、そ
のうえにワックス状物質を主成分とするベヒクルと着色
剤とからなり、溶融粘度が90℃で5〜60cps である着色
転写層を設け、さらにそのうえにワックス状物質を主成
分とし、溶融粘度が90℃で5〜60cps である無着色転写
層を設けてなる熱転写記録媒体に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明は、低溶融粘度の着色転写
層を用いることによって、溶融時にラフ紙の凹部にイン
クを流し込むようにし、かつ固化状態に近い状態におい
ても基材からの剥離を可能とし、それによってライン型
熱転写プリンターにおいてラフ紙への転写を可能ならし
めているが、低溶融粘度のインクを用いるばあいの前記
のごとき不具合をつぎのごとく解消している。
【0009】まず、本発明においてはワックス状物質を
主成分とする低溶融粘度の転写層(着色転写層および無
着色転写層)を基材上にウレタン樹脂と充填剤を主成分
とする非転写層を介在させて設けている。
【0010】この非転写層の主な作用は転写制御により
転写層のキレを向上し、高精細な印像を形成しうるよう
にすることにある。
【0011】前記非転写層の構成樹脂であるウレタン樹
脂は基材に対する密着力が大きいと共に、ワックス状物
質を主成分とする転写層に対する親和性がよい。さらに
充填剤により樹脂層表面が粗面化されているため、非転
写層の表面積が大きい。そのため非転写層と転写層との
間の密着力が向上されている。このことにより、転写層
のキレが向上される。その理由はつぎのごとく推定され
ている。
【0012】前述のごとく、ライン型熱転写プリンター
では加熱後熱転写記録媒体が受容体から剥離されるとき
には転写層は固化状態に近くなっている。この剥離の際
の、加熱部における下記の各層間の密着力と転写層の凝
集力との間の力関係を考察してみる。
【0013】ここで、基材は一般的なポリエステルフイ
ルムなどのプラスチックフイルム、受容体は一般的な紙
とする。
【0014】 F1:転写層と非転写層との間の密着力 F1a:転写層と基材との間の密着力(非転写層がない
ばあい) F2:転写層と受容体との間の密着力 F3:転写層の凝集力 (1)非転写層がないばあい このばあいには一般につぎの関係が成り立つ。
【0015】F1a<F3<F2 加熱部の転写層と基材との間の密着力(F1a)よりも
加熱部の転写層と受容体との間の密着力(F2)が大き
いので、加熱部の転写層は基材側で剥離されて受容体側
に残るが、加熱部の転写層の凝集力(F3)(剥離時に
は非加熱部の転写層の凝集力とほぼ同じになっている)
が加熱部の転写層と基材との間の密着力(F1a)より
も大きいので、加熱部の転写層と共に、周辺の非加熱部
も同時に剥離されてしまう。すなわち転写層のキレがわ
るく、面状剥離が生じる。
【0016】(2)非転写層があるばあい このばあい、前記のごとく転写層と非転写層との間の密
着力(F1)が大きく(転写層と基材との間の密着力
(F1a)より大きい)、一般につぎの関係が成り立
つ。
【0017】F3<F1<F2 加熱部の転写層の凝集力(F3)が転写層と非転写層と
の間の密着力(F1)より小さいので、加熱部の転写層
の剥離時に周辺の非加熱部が同時に剥離することがな
い。すなわち転写層のキレがよい。
【0018】このように、本発明においては前記特定の
非転写層のうえに転写層を設けることによって転写層の
切れを向上することができる。
【0019】さらに転写層と前記特定の非転写層との間
の密着力が大きいから、記録媒体の走行時などにおいて
他部材との接触などに起因して転写層が剥離する現象
(いわゆるインクの粉落ち)が発生しない。
【0020】つぎに、本発明においては低溶融粘度の着
色転写層のうえに低溶融粘度の無着色転写層を設けてい
る。
【0021】この無着色転写層の作用は受容体の地汚れ
の防止とラフ紙に対する転写性の向上にある。本発明に
おける着色転写層は低溶融粘度で凝集力の小さいものな
ので、受容体と接触して擦られると、受容体の地汚れを
生じる。そこで、着色転写層のうえに無着色転写層を設
けることによって、着色転写層と受容体が直接接触しな
いようにして、受容体の地汚れを防止する。また、無着
色転写層はワックス状物質を主成分とする、低溶融粘度
の層であるため、同じく低溶融粘度の着色転写層と共
に、ラフ紙の凹部を埋め、転写性を向上させる作用を有
する。また、転写層のキレを向上させる作用も有する。
【0022】つぎに本発明を具体的に説明する。
【0023】本発明における非転写層に用いるウレタン
樹脂としては、通常の柔軟性を有するウレタン樹脂であ
ればとくに制限されず使用可能であり、たとえばポリエ
ステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステル
ポリエーテルジオールなどのジオール成分とトリレンジ
イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどのジイソシアネート成分とを反応させてえ
られるもの、前記ポリエステルジオール、ポリエーテル
ジオール、ポリエステルポリエーテルジオールなどと前
記ジイソシアネート成分と反応させてえられる両末端に
イソシアネート基を有するプレポリマーと鎖延長剤(ヘ
キサメチレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニル
メタン、イソホロンジアミンなどのジアミン、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オールなどのジオール)を反応させてえられるものなど
があげられる。ウレタン樹脂は非転写層を構成するもの
であるから、軟化点が80℃以上のものが好ましい。
【0024】前記ウレタン樹脂のうち、ポリエステル系
ウレタン樹脂はとくに基材との密着性が良好で、ポリエ
ーテル系ウレタン樹脂はとくにワックス状物質との親和
性が良好である。そのため、本発明ではポリエステル系
ウレタン樹脂とポリエーテル系ウレタン樹脂の混合物ま
たはポリエステルポリエーテル系ウレタン樹脂を用いる
のがより好ましく、基材との密着性および着色転写層と
の親和性をより良好にし、印字の際の非転写層の転写お
よびインクの粉落ち(転写層の剥離)をより完全に防止
できる。これらウレタン樹脂を使用するばあい、良好な
併用効果をうるため、ポリエステル系ウレタン樹脂とポ
リエーテル系ウレタン樹脂の割合(ポリエステルポリエ
ーテルウレタン樹脂のばあいは、ポリエステルジオール
とポリエーテルジオールの割合)をポリエステル系ウレ
タン樹脂100 重量部に対してポリエーテル系ウレタン樹
脂5〜2000重量部、なかんづく50〜200 重量部の範囲と
するのが好ましい。
【0025】前記非転写層に用いる充填剤としては、カ
ーボンブラック、酸化チタン、シリカなどの粒子状物、
あるいはこれらと各種有機、無機の顔料の混合物が使用
できる。非転写層における充填剤の含有量は5〜55%
(重量%、以下同様)程度が好ましい。充填剤の含有量
が前記範囲未満では表面積増大効果が乏しく、一方前記
範囲より多いとウレタン樹脂成分の減少により基材およ
び着色転写層との密着性がわるくなる。
【0026】非転写層には必要に応じて分散剤、着色剤
(これについては後述する)などの補助剤を配合しても
よい。非転写層はイソシアネート化合物などで低架橋密
度で架橋させてもよい。
【0027】非転写層は熱伝導などの点からその効果を
奏するかぎり薄い方が好ましく、通常塗布量(乾燥後塗
布量、以下同様)を0.1 〜2g/m2 程度とする。
【0028】本発明においては非転写層を設けることに
よって前記した転写層のキレ向上効果に加えてつぎのよ
うな作用効果が奏される。
【0029】非転写層の表面が充填剤により粗面化され
ており、転写された転写層(印像)の表面が粗くなり、
そのため印像の光沢が低減される。
【0030】非転写層の色を着色転写層の色と同じにす
ると、印字により着色転写層が抜け落ちた跡がみにくく
なり、機密漏洩の防止に役立つ。非転写層を着色するば
あいは着色転写層に用いる着色剤と同系統の着色剤で着
色すればよい。着色剤としては各種有機、無機の顔料や
染料が使用できる。着色転写層は一般にカーボンブラッ
クを使用して黒色に着色するばあいが多いから、そのば
あいは非転写層もカーボンブラックを使用して黒色に着
色すると、着色転写層の抜け跡の判読が困難になり、コ
ピーもとれなくなる。
【0031】また非転写層にカーボンブラックを配合す
ると、帯電防止にも役立つ。
【0032】本発明における着色転写層は、ワックス状
物質を主成分とし、好ましくは高分子化合物を含有しな
いベヒクルと着色剤とからなり、溶融粘度(90℃での測
定値、以下同様)が5〜60cps のものである。
【0033】従来の熱溶融性インクは低溶融粘度のもの
であってもせいぜい70〜80cps 程度である。本発明にお
いては着色転写層の溶融粘度をさらに低くすることによ
って、ラフ紙への転写性(流し込み転写性)の向上およ
び転写層のキレ向上を達成している。
【0034】しかして着色転写層の溶融粘度が前記範囲
より高いとラフ紙への転写性および転写層のキレがわる
くなる。一方前記範囲より低いと受容紙へインクが浸透
し印字濃度が低下すると共に、印字がにじんで不鮮明に
なる。
【0035】着色転写層に用いるワックス状物質として
は低溶融粘度のものであればとくに制限なく使用でき、
たとえば木ろう、蜜ろう、カルナバワックス、キャンデ
リラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスな
どの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワック
ス、エステルワックス、低分子量ポリエチレン、フィッ
シャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレ
イン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級
脂肪酸;ステアリルアルコール、ドコサノールなどの高
級脂肪族アルコール;高級脂肪酸モノグリセリド、ショ
糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなど
のエステル類;ステアリン酸アミド、オレイルアミドな
どのアミド類およびビスアミド類などの1種または2種
以上が使用できる。これらワックス状物質としては融点
が40〜90℃のものが熱転写感度の点から好ましい。
【0036】ワックス状物質の使用量は熱溶融性ベヒク
ル全量の80%以上が好ましい。
【0037】前記着色剤としては、従来からこの種の熱
溶融性インクの着色剤として使用されているものがいず
れも使用でき、カーボンブラックをはじめとして無機、
有機の各種顔料や染料などが適宜使用される。
【0038】着色転写層における着色剤の含有量は通常
5〜25%程度である。
【0039】前記着色転写層の溶融粘度が前記範囲内で
高いばあいは、金属フタロシアニンを配合してインクの
流動性をよくし、ラフ紙の凹部へのインクの流し込みを
充分にし、ラフ紙への印字性能を向上させるのが好まし
い。かかる金属フタロシアニンとしては、鉄フタロシア
ニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ニッケ
ルフタロシアニンなどが単独または混合して使用でき
る。金属フタロシアニンを配合する場合は、カーボンブ
ラックなどの着色剤の1〜50%程度の割合で使用するの
が好ましい。
【0040】さらに着色転写層には、必要に応じて分散
剤やその他の添加剤を少量含有させてもよい。
【0041】着色転写層の融点は通常55〜85℃程度が好
ましい。着色転写層の塗布量は3〜6g/m2 程度が好
ましい。
【0042】本発明における無着色転写層は、そのベヒ
クルがワックス状物質を主成分とし、好ましくは高分子
化合物を含有せずワックス状物質を90%以上含有するも
のであり、溶融粘度が5〜60cps である実質的に無着色
の転写層である。溶融粘度が5cps 未満では層の強度が
弱くなり、汚れ防止の効果が小さくなる。また60cpsを
超えるとラフ紙への転写性が劣る。
【0043】無着色転写層は着色転写層とともに転写さ
れるものであるから、着色転写層のばあいと同様に低溶
融粘度とされる。
【0044】無着色転写層に用いるワックス状物質とし
ては着色転写層に用いたと同様なものが使用できる。必
要に応じて無色の有機、無機の顔料などの粒子状成分、
オイル状成分、分散剤などの添加剤を少量配合してもよ
い。無着色転写層の融点も着色転写層と同様に55〜85℃
程度が好ましい。無着色転写層はその作用を奏するかぎ
り薄い方が好ましく、0.1 〜3g/m2 程度の塗布量が
適当である。
【0045】本発明の熱転写記録媒体は適宜の基材上に
前記各層を順次形成することによってえられる。非転写
層は塗剤塗布法によって形成されるが、着色転写層およ
び無着色転写層はホットメルト塗布法によっても形成で
きる。
【0046】本発明における基材としては、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート
フィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム、
その他この種のインクリボンの基材用フィルムとして一
般に使用されている各種のプラスチックフィルムが使用
できる。またコンデンサーペーパーのような高密度の薄
い紙を使用してもよい。基材の厚さは熱伝導を良好にす
る点から2〜10μm程度、なかんづく3〜7μm程度が
好ましい。
【0047】基材として前記プラスチックフィルムを使
用するばあい、その背面(加熱ヘッドに摺接する側の
面)にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース
樹脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシ
リコーン変性ウレタン樹脂など各種の滑性耐熱性樹脂、
あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものなどか
らなる、従来から知られているスティック防止層を設け
てもよい。
【0048】本発明の熱転写記録媒体によるときはライ
ン型の熱転写プリンターでラフ紙、たとえばベック平滑
度が100 秒以下の紙に良好な印像を形成できる。もとよ
り本発明の熱転写記録媒体によるときは平滑紙にも良好
な印像を形成できる。
【0049】つぎに実施例および比較例をあげて本発明
を説明する。
【0050】実施例1〜5および比較例 厚さ4μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上
に、表1に示す組成および物性の非転写層、着色転写層
および無着色転写層を順次形成して熱転写記録媒体をえ
た。なお、非転写層はメチルエチルケトン/トルエン混
合溶剤を用い、無着色転写層はイソプロピルアルコール
/トルエン混合溶剤を用い、溶剤塗布法により形成し
た。着色転写層はホットメルト塗布法により形成した。
【0051】
【表1】
【0052】前記でえられた各熱転写記録媒体を用い、
ライン型熱転写プリンタ((株)東芝製TF−47、剥離
時間2000msec)でラフ紙(ゼロックス4024、ベック平滑
度30秒)に印字を行ない、つぎの項目について評価し
た。結果を表2に示す。
【0053】(1)ラフ紙への転写性 ベタ印字部および文字の細線部について目視および金属
顕微鏡(倍率10倍)にて主にベタ部におけるボイドの有
無、細線部におけるカスレの有無を観察し、つぎの基準
によって評価した。
【0054】5…金属顕微鏡による観察にて、ベタ部の
ボイドおよび細線部のカスレがまったく認められない。
【0055】4…金属顕微鏡による観察にて、ベタ部の
ボイドおよび細線部のカスレがわずかに認められる。
【0056】3…目視による観察にて、ベタ部のボイド
および細線部のカスレがわずかに認められる。
【0057】2…目視による観察にて、ベタ部のボイド
および細線部のカスレがかなり認められる。
【0058】1…目視による観察にて、ベタ部のボイド
がひどく、細線がとぎれている。
【0059】(2)印字の精細性 文字(とくに漢字)の印字部分について目視および金属
顕微鏡(倍率10倍)にて主にエッジのキレの状態を観察
し、つぎの基準によって評価した。
【0060】5…金属顕微鏡による観察にて、エッジの
カスレおよび面状剥離(にじみ)がまったく認められな
い。
【0061】4…金属顕微鏡による観察にて、エッジの
カスレおよび面状剥離(にじみ)がわずかに認められ
る。
【0062】3…目視による観察にて、エッジのカスレ
および面状剥離(にじみ)がわずかに認められる。
【0063】2…目視による観察にて、エッジのカスレ
および面状剥離(にじみ)がかなり認められる。
【0064】1…目視による観察にて、エッジのカスレ
および面状剥離(にじみ)がひどく、文字の判読が困難
になる。
【0065】(3)受容紙の耐地汚れ 受容紙の印字されていない部分について目視で地汚れの
有無を観察し、つぎの基準によって評価した。
【0066】5…受容紙の汚れがまったくない。
【0067】4…受容紙の汚れがわずかに認められる。
【0068】3…受容紙の汚れがかなり認められる。
【0069】2…受容紙の汚れがひどい。
【0070】1…受容紙に転写インク層の一部がけずり
取られ転写している。
【0071】
【表2】
【0072】表2の結果から、つぎのことが明らかであ
る。
【0073】(1)ラフ紙への転写性 実施例1〜5では、着色転写層のインクが低粘度であ
り、ボイド、カスレとも少なく良好な印字であった。比
較例ではインク粘度が高く、ボイド、カスレとも目立っ
た。
【0074】(2)印字の精細性 実施例1〜5では、非転写層の転写制御効果と転写層の
インク粘度が低いことにより、シャープな印字がえられ
た。比較例では、非転写層がないことにより、面状剥離
が発生したり、転写インク層に高分子化合物が入り、イ
ンク粘度が高くなったことで、転写不良による印字欠け
も目立った。
【0075】(3)受容紙の耐地汚れ 実施例1〜5では、最上層に無着色の汚れ防止層を設け
ているので地汚れは全く確認されなかった。比較例で
は、最上層に無着色層がないために、着色インク層に高
分子化合物が入り、強度的に強くなっているにもかかわ
らず、地汚れが発生した。
【0076】また比較例では非転写層がないため、実施
例1〜5と比べてインク落ちが生じやすく、さらに印字
の光沢があり、しかも帯電のため、リボンのハンドリン
グ性も良くなかった。
【0077】なお、実施例1〜5の熱転写記録媒体のば
あいは転写層の抜け跡の判読は困難であったが、比較例
のものでは容易に判読できた。
【0078】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体によると、ライ
ン型熱転写プリンターでラフ紙上に地汚れなく高精細な
印像を形成できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、ウレタン樹脂と充填剤を主成
    分とする非転写層を設け、そのうえにワックス状物質を
    主成分とするベヒクルと着色剤とからなり、溶融粘度が
    90℃で5〜60cps である着色転写層を設け、さらにその
    うえにワックス状物質を主成分とし、溶融粘度が90℃で
    5〜60cps である無着色転写層を設けてなる熱転写記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 ウレタン樹脂がポリエステル系ウレタン
    樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂およびポリエステル
    ポリエーテル系ウレタン樹脂よりなる群から選ばれた1
    種または2種以上からなる請求項1記載の熱転写記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 非転写層における充填剤の含有量が5〜
    55量%である請求項1または2記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 非転写層における充填剤がカーボンブラ
    ックを主成分とするものであり、着色転写層における着
    色剤がカーボンブラックを主成分とするものである請求
    項1、2または3記載の熱転写記録媒体。
JP43A 1992-12-28 1992-12-28 熱転写記録媒体 Pending JPH06199057A (ja)

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