JPH0619801B2 - アナログ映像信号記録用ディスク媒体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電子スチルカメラシステム等に用いられる、
アナログ静止画像信号をトラック単位に複数画面記録す
る様なアナログ映像信号記録用磁気ディスク媒体、即ち
複数の同心円状トラックよりなるアナログ映像信号記録
領域を備え、記録又は再生状態では角速度一定で回転駆
動されるアナログ映像信号記録用ディジタル媒体に関す
る。

［従来の技術］ 銀塩フィルムに代わって磁気フロッピーディスクを使用
する電子スチルカメラシステムが開発されている。この
電子スチルカメラシステムは銀塩フィルムを用いるカメ
ラシステムに比べて種々の特徴や機能を備えているが、
その一つとして、磁気フロッピーディスクに映像信号の
みならず例えば日付等のディジタルデータを映像信号に
重畳して記録する方法も考えられており、これにより、
電子スチルカメラシステムの機能を多様にして各種の使
い方が可能となるものである。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、この様に映像信号に重畳したデータはあ
とで書き換えたい場合に単独で書き換えが不可能であ
り、不都合である。それゆえアナログ映像信号の記録ト
ラックとは別個にディジタル信号専用のトラックを同一
ディスク上に形成すればディスクの使用形態はより一層
広がり、電子スチルカメラシステムの機能は更に多様な
ものとなる。

一般に映像信号帯域を広くとろうとすると情報量が多く
なり、それゆえ記録周波数の帯域が広がり、アナログ信
号の形態で記録しようとすると、より高速の媒体移動速
度（記録媒体と記録ヘッドとのトラック方向の相対的移
動速度が高い事）が必要である。

よってディスクを角速度一定にして駆動する場合、良質
の画像信号記録再生をする為にはディスクの外周側を映
像信号記録領域とすることが必要である。又、電子スチ
ルカメラシステムに於いては映像信号の記録再生を重視
する必要があるので映像以外の信号は、映像信号領域よ
り内側の領域に記録される事となる。

本発明は、複数の同心円状トラックよりなるアナログ映
像信号記録領域を備え、記録又は再生状態では角速度一
定で回転駆動されるディスク状映像信号記録媒体に於い
て、高い信頼性を保持しつつ映像信号と非映像信号とを
別々の領域に記録再生することを可能とするディスク媒
体を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明では上記目的の為に、複数の同心円状トラックよ
りなり、外周側の第１トラックから第Ｎトラックまでに
は各トラック毎に静止画用のアナログ映像信号が記録さ
れるアナログ映像信号記録領域としたアナログ映像信号
記録用ディスク媒体であって、前記アナログ映像信号記
録領域の内周に余白帯を隔てて第Ｎ＋１番目のトラック
を設け、この第Ｎ＋１番目のトラックは、そのトラック
上に前記第１トラックから第Ｎトラックに対応する区画
域が設定されると共に、各区画域に前記第１トラックか
ら第Ｎトラックに記録される各静止画用アナログ映像信
号に関連するデータがディジタル信号として記録される
ディジタル信号記録トラックとしたものである。

［作 用］ 前記構成によれば、映像信号と非映像信号との記録媒体
での領域を規定して媒体移動速度が高い外周側をアナロ
グ映像信号記録領域とし、その内周に余白帯を隔てて非
映像信号記録領域を配置した。

この為、高い媒体移動速度を必要とするアナログ映像信
号の記録領域はディスクの外周であるからその条件を満
足し、低い媒体移動速度となるディスクの内周側には情
報量が少なく、或いはかなりの情報量であっても補償技
術を駆使し得るディジタル信号で記録するように構成し
たので、映像信号、非映像信号共に信頼性の高い記録再
生が可能となる。

［実施例］ 第６図乃至第８図は、本発明によるアナログ映像信号記
録用ディスク媒体が用いられる電子スチルカメラシステ
ムを説明する為の図であって第６図と第７図は電子スチ
ルカメラの外観図であり、第６図は右上前方から見た図
であり、第７図は左下後方から見た図である。この磁気
ディスクカメラは、従来の銀塩写真フイルムを用いた写
真機と同様な形態をしており、また、その操作もほぼ同
様な要領で行なえるように工夫されている。

なお、同図において、各符号の部分名称は次のとおりで
ある。

１；カメラボディー、２；ストロボ・ホット・シュー、
３；セルフシャッタＬＥＤ、４；セルフシャッタ、５；
シャッタ・リリースボタン、６；シャッタロック、７；
投影レンズ、８；オート／マニュアル切換兼用シャッタ
ースピード設定つまみ、９；ヘッドシフト・フォワード
ボタン、１０；ヘッドシフト・リバースボタン、１１；
消去ボタン、１２；ドアスイッチ、１３；ドアスイッチ
ロック、１４；接眼フード、１５；準備完了ＬＥＤ、１
６；ディスク挿入口ドア、１７；電池ボックス兼用電源
スイッチ。

先ず、前記磁気ディスクカメラの概要について説明す
る。

投影レンズ７により生成された実像を半導体で構成され
た撮像素子で映像信号に変換し、これを適切に処理して
磁気ディスクに記録する。このカメラでは、撮影のとき
には、ディスクを高速かつ安定に回転し、記録すべきト
ラック上に磁気ヘッドを移動させる等の機能を必要と
し、この機能を得るために、所定のシーケンスで操作さ
れるようにカメラにマイクロコンピュータを内蔵し、所
定のプログラムに基づいて前記シーケンスを管理するよ
うにしている。このようにシーケンスが管理されている
ので、操作の誤りによるカメラの誤動作が防止され、使
用者が安全に写真撮影に専念できる。

使用者が電池ボックスに電池を入れ、電池ボックスの蓋
１７を閉めてＯＮの位置に合わせると、制御系の電源が
ＯＮとなり、操作が可能な状態になる。そこで、ドアス
イッチ１２を押し、ディスクを装填し、ファインダに被
写体を捕え、シャッタ・リリースボタン５を押せば、撮
影ができる。

第８図にファインダー内に現れる表示の一例を示す。画
面下側に、現在ボディーに装填されているディスクの使
用済みトラックの一覧表とヘッドの位置が表示されてい
る。すなわち、トラック番号（画像記録用トラック）１
〜５０の下側にある表示器１８が使用済みトラック番号
を表示する表示器であり、上側にある表示器１９がヘッ
ド位置を表示する表示器である。Ｃはコントロール・ト
ラック、Ｗはクリーニング・トラックを示す。その他の
表示は、従来の通常のカメラと同様であり、２０；マッ
ト面、２１；スプリットイメージ、２２；スピード・ラ
イト・レディ表示器、２３；絞り値表示器、２４；オー
ト／マニュアル・シャッタースピード表示器、２５；オ
ート／マニュアル・シャッタスピード指針、２６；シャ
ッタスピード指針である。

次に、第１図〜第５図に基づいて前記磁気ディスクカメ
ラの構成及び動作の概要を、本発明との関連を中心に説
明する。

第４図は前記カメラのブロック回路図であり、第６図〜
第８図に示されたシャッタリリースボタン５、撮影レン
ズ７、ヘッドシフト・フォワードスイッチ（ボタン）
９、ヘッドシフト・リバーススイッチ（ボタン）１０、
ドアスイッチ１２、準備完了ＬＥＤ１５、及びファイン
ダ表示器１８〜２６の他に、次の構成要素から構成され
ている。

即ち、ハーフミラー７ａ、センサ２７、センサドライバ
２８、記録信号処理回路２９、切替スイッチ３０、記録
アンプ３１、再生アンプ３１ａ、消去アンプ３１ｂ、切
替スイッチ３２、ヘッド３３、ファインダー接眼レンズ
７ｂ、ハーフミラー７ｃ、エンコーダ３４、デコーダ３
５、ＲＡＭ３６、ＲＯＭ３７、及びＣＰＵ３８から構成
されている。

第５図は前記カメラのディスク周辺部の機構の説明図で
あり、ディスク３９、ディスクケース４０、ディスクク
ランプ機構４１、ヘッド駆動機構４２、ディスクケース
・シャッタ４３、ディスク存否検出及びディスクリリー
ス機構４４、ディスクケース・シャッタ開閉器４５、デ
ィスク回転用モータ４６、パルス発生器４７、ドア４８
及びドア開閉器４９から構成されている。

第１図は、本発明のディスク上のトラックの配置説明図
であり、外周側から順に、画像記録領域５０、余白（ガ
ードバンド）５１、使用済みトラック番号記録トラック
５２、及びクリーニングトラック５３が同心状に並置さ
れている。

第２図は、本発明のディスクに於ける使用済みトラック
番号記録用トラック５２のフォーマットの説明図であ
り、トラック先頭マークＨ、データ（トラック番号）、
境界マークＢ、及びトラック末尾マークＴから構成され
ている。

第４図において、撮影レンズ７から入射した光束はハー
フミラー７ａを透過し、センサー２７に結像する。シャ
ッタ・レリーズボタン５からの信号により、センサドラ
イバ２８を作動して映像信号が得られ、記録処理回路２
９、切替スイッチ３０、記録アンプ３１、及び切替スイ
ッチ３２を経て、ヘッド３３を励磁する。このとき、ヘ
ッド３３はディスクの画像記録領域５０（第６図）にあ
る適当なトラックに接するように、ヘッド駆動機構４２
によって移動されている。またディスク３９はディスク
クランプ機構４１によってモータに連結し、3600(rpm)
あるいは1800(rpm) の高速回転で安定に回転している。
撮影が終了すると、ディスク３９の回転は停止する。こ
のディスク３９の出し入れは、ドアスイッチ１２を押
し、ドア４８を開閉して行なう。

次に、第３図(A) 〜(C) に示されたディスクの出し入れ
のシーケンスの流れ図に従って、前記カメラのディスク
の出し入れの動作を説明する。

ドアスイッチ１２が押されたとき、ディスク３９が未だ
装填されていないときには、ディスク無しの経路へ分岐
し、ドア４８を開ける。ここで、使用者によってディス
ク３９が装填される。ドア４８が閉まったときに、ディ
スク３９をディスククランプ機構４１によりクランプ
し、ディスクケース・シャッタ４３をその開閉器４５に
より開けてディスク３９を回転する。そして、ディスク
３９上に形成したクリーニングトラック５３（第１図参
照）を用いてヘッド３３をクリーニングした後、ヘッド
３３を使用済みトラック番号記録ヘッド５２のところへ
もって行き、これをトレースする。ヘッド３３に誘起さ
れた信号は、切替スイッチ３２を経て再生アンプ３１ａ
に供給され、そこで増幅される。その出力は、デコーダ
３５で解読され、使用済トラック番号を再生して、内蔵
メモリ（半導体ＲＡＭ）３６に記憶させる。この内容に
基づいて、１番若い番号の未使用トラックにヘッド３３
を移動させると共に、表示部を作動させてファインダ内
の使用済トラック番号の表示器１８とヘッド位置の表示
器１９とを点灯させることにより使用済トラック番号と
ヘッドの位置を表示し、さらにボディー１の左側面にあ
る準備完了ＬＥＤ１５を点灯する。この時点で撮影が可
能な状態なったわけである。

ここで、シャッタレリーズボタン５が押されれば撮影ル
ーティンに分岐し、そうでなければディスク３９の回転
を止めて、ディスク装填シーケンスは完了となる。

その後はいつでも撮影は可能である。そして、撮影や消
去によってディスクの記録済トラック番号に変化が生じ
た場合には、内蔵メモリ３６の内容をそれに合わせて更
新しておく。このようにすることによって、内蔵メモリ
３６には常に正しい記録済トラック番号を記録してお
く。

次にディスクを取出す場合について説明する。

ドアスイッチ１２がＯＮすると、ディスクの存否検出及
びディスクリリース機構４４によって、ディスク３９の
有無が検査される（第３図(A) の上部参照）。ここで、
ディスク３９が装填されていれは、ディスク有の経路
へ分岐し、ＲＥＡＤＹＬＥＤ１５を消灯し、内蔵メモリ
ＲＡＭ３６に蓄積された記録済トラック番号をディスク
３９に設けた使用済トラック番号記録トラック５２（第
１図参照）に順次書き込んでいく。そのフォーマットの
一例は、第２図に示されているとおりである。この記録
フォーマットにおいて、１記録区画は中心角６゜を見込
む弧である。これはディスク３９の１回転について６０
個のパルスを発生するパルス発生器４７の出力に基づい
て形成される。記録されるデータは、６ビット・シリア
ル２進表示された使用済トラック番号である。この書き
込みに際して、第１のデータに先だってトラック先頭マ
ークＨを記録し、データＤの間には境界マークＢを記録
し、最後のデータＤの後にトラック末尾マークＴを記録
する。この記録信号は、ＣＰＵ３８がＲＯＭ３７とエン
コーダ３４を用いて生成し、切替スイッチ３０を経て既
に述べた記録経路（記録アンプ→切替スイッチ３２→ヘ
ッド３３）へ送り込まれる。このようにして、ディスク
３９に使用済トラック番号を記録した後、ヘッド１０を
待避させ、データケースシャッタ開閉器４５によりデー
タケースシャッタ４３を閉じ、ドア開閉器４９によりド
ア４８を開け、ディスクをリリース状態にする。ここ
で、ディスク３９を取り出してドアを閉めることによっ
て、一連のディスク取り出しシーケンスが完了する。

なお、第４図に示したブロック図では、ヘッドが１個し
か設けられていないが、消去専用のヘッドを別に設けて
もよい。この場合は、画像の消去は専ら再生装置で行な
うことになる。その結果、備えるべき消去ヘットは、使
用済トラック番号記録トラックだけを効率良く消去する
ようにヘッドの設計や配置を最適化することができる。

また、第１図及び第２図の使用済トラック番号記録トラ
ックには、例えば個々のトラックの記録信号のアジマス
の種別、撮影日付、露出条件等の撮影条件のデータを記
録しておいてもよい。

以上磁気記録媒体として磁気ディスクを用いた磁気カメ
ラについて説明したが、本発明は磁気ドラムを用いた磁
気カメラについても同様に適用できることは勿論であ
る。

［発明の効果］ 本発明では上記の通り、映像信号と非映像信号を記録す
る領域を定め、更に映像信号と非映像信号の信号形態を
特定した。

即ち、記録又は再生状態では角速度一定で回転駆動され
る映像信号記録用ディスク媒体において、複数の同心円
状トラックよりなる外周側の第１トラックから第Ｎトラ
ックまでを各トラック毎に静止画用のアナログ映像信号
が記録されるアナログ映像信号記録領域とし、このアナ
ログ映像信号記録領域の内周に余白帯を隔てて第Ｎ＋１
番目のトラックを設け、これを第１トラックから第Ｎト
ラックに記録される各静止画用アナログ映像信号に関連
するデータがディジタル信号として記録されるディジタ
ル信号記録トラックとしたことにより、アナログ映像信
号記録領域と非映像信号であるディジタル信号記録領域
との境界が余白帯によって識別可能であるとともに、高
い媒体移動速度を必要とするアナログ映像信号の記録領
域はディスクの外周側であるからその条件を満足し、再
生の充分な記録波長が得られ、非映像信号記録領域は低
い媒体移動速度となるディスクの内周側であるため情報
量が少なく、あるいはかなりの情報量であっても補償技
術を駆使し得るディジタル信号で記録する構成としたた
め、映像信号、非映像信号共に信頼性の高い信号の記録
再生が可能のアナログ映像信号記録用ディスク媒体を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はディスク上のトラックの配置説明図、第２図は
使用済トラック番号記録トラックのフォーマットの説明
図、第３図(A),(B),(C) は前記磁気ディスクカメラにお
ける磁気ディスクの出し入れのシーケンスの流れ図、第
４図は前記磁気ディスクカメラのブロック回路図、第５
図は前記磁気ディスクカメラのディスク周辺部の機構説
明図、第６図は本発明に係る方法を実施した磁気ディス
クカメラの右上前方から見た外観図、第７図は同じく磁
気ディスクカメラの左下後方から見た外観図、第８図は
前記磁気ディスクカメラのファインダ内の表示図であ
る。 ［主要部分の符号の説明］ ３９……ディスク ５０……画像記録領域 ５１……余白（ガードバンド） ５２……使用済トラック番号記録トラック ５３……クリーニングトラック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の同心円状トラックよりなり、外周側
   の第１トラックから第Ｎトラックまでには各トラック毎
   に静止画用のアナログ映像信号が記録されるアナログ映
   像信号記録領域としたアナログ映像信号記録用ディスク
   媒体において、 前記アナログ映像信号記録領域の内周に余白帯を隔てて
   第Ｎ＋１番目のトラックを設け、この第Ｎ＋１番目のト
   ラックは、そのトラック上に前記第１トラックから第Ｎ
   トラックに対応する区画域が設定されると共に、各区画
   域に前記第１トラックから第Ｎトラックに記録される各
   静止画用アナログ映像信号に関連するデータがディジタ
   ル信号として記録されるディジタル信号記録トラックと
   したことを特徴とするアナログ映像信号記録用ディスク
   媒体。