JPH06197793A - 微量成分の定量法 - Google Patents

微量成分の定量法

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JPH06197793A
JPH06197793A JP34844492A JP34844492A JPH06197793A JP H06197793 A JPH06197793 A JP H06197793A JP 34844492 A JP34844492 A JP 34844492A JP 34844492 A JP34844492 A JP 34844492A JP H06197793 A JPH06197793 A JP H06197793A
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oxidase
sample
peroxidase
chromogen
reagent solution
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JP34844492A
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Toshio Tanabe
田辺  敏雄
Shigeru Tajima
茂 田島
Takayuki Suzuki
孝行 鈴木
Midori Hasegawa
みどり 長谷川
Yoshihiko Umegaya
佳彦 梅香家
Yoshihisa Koyashiki
佳久 古屋敷
Takashi Kitamura
隆司 北村
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Nippon Kayaku Co Ltd
Tosoh Corp
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体試料等の検体に酸化酵素を作用させ生成
した過酸化水素をさらにペルオキシダーゼにより色原体
の発色に変換し、吸光度検出器で検出するフローインジ
ェクション分析法による検体中の微量成分の定量法。 【構成】 検体中の微量成分に酸化酵素を作用させ発生
した過酸化水素をペルオキシダーゼを用いて検出するフ
ローインジェクション分析法において、色原体としてロ
イコ型の色原体またはその塩を用いることを特徴とする
微量成分の定量法。 【効果】 本発明の方法によれば吸光度検出器を用いた
フローインジェクション分析法で、酸化酵素により過酸
化水素を発生する生体試料中の微量物質などを高感度に
再現性良く定量できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨床化学の分野における
吸光光度法を検出原理とするフローインジェクション分
析法に関し、詳しくは生体試料等の検体に酸化酵素を作
用させ生成した過酸化水素をさらにペルオキシダーゼに
より色原体の発色に変換し、吸光度検出器で検出するフ
ローインジェクション分析法による検体中の微量成分の
定量法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フローインジェクション分析
法は信頼性の高い自動分析法として様々な分野で利用さ
れている。なかでも臨床化学の分野において、測定対象
物質と特異的に反応する酵素と組み合わせて、血清や血
漿など生体試料中の微量成分を定量する方法として重要
である。
【0003】フローインジェクション分析法における検
出方法としては吸光光度法、蛍光光度法、化学発光法な
どの光学的検出法や電気化学的検出法が利用できる。生
体試料中の微量成分を定量する場合、高感度が要求され
ることから、化学発光法や蛍光光度法が用いられてきた
が、測定の再現性や安定性には問題があった。
【0004】一方、吸光光度法は測定の再現性や安定性
という観点では最も信頼性の高い検出方法であるが、感
度が低く、生体試料中に比較的高濃度に存在する成分の
定量に適用範囲が限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フローインジェクショ
ン分析法は測定試薬溶液を細いチューブの中を流し、測
定試薬溶液の流れの中に試料を注入し、反応生成物を検
出装置に導くもので、試料と試薬溶液の物理的に均一な
混合や反応の平衡状態への到達は必要とされない。反応
はチューブの中で検出装置に到達するまでの間に行わ
れ、反応時間は比較的短時間に制限される。さらに、固
定化酵素リアクターを用いる場合、酵素と接触している
間のみ反応は進行する。一般に、フローインジェクショ
ン分析法はバッチ反応に比べて反応時間の制約が大き
い。
【0006】又、固定化酵素リアクターを用いる微量成
分のフローインジェクション分析法では、固定化酵素リ
アクターを用いる場合に、固定化した酵素の活性変化あ
るいは色素生成量が経時的に変化することは測定値の変
動の原因となり好ましくない。従って、酵素活性あるい
は色素生成量に影響しない試薬溶液組成物であることが
必要となる。
【0007】このように、吸光光度法によるフローイン
ジェクション分析法では、種々の制約があり、特に、測
定対象物質が試料中に微量しか存在しない場合には、該
分析法は不適当であると考えられていた。
【0008】本発明は、吸光光度法を検出原理とするフ
ローインジェクション分析法で、高感度、再現性の高い
定量法であり、試料中の微量成分の定量を可能とする方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは吸光光度法
を検出原理とするフローインジェクション分析法に使用
できる試薬について鋭意研究した結果、高い再現性を有
し、化学発光法や蛍光光度法に匹敵する高感度測定を可
能とする色原体を見いだし、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明は、(1) 検体中の微量成
分に酸化酵素を作用させ発生した過酸化水素をペルオキ
シダーゼを用いて検出するフローインジェクション分析
法において、色原体としてロイコ型の色原体またはその
塩を用いることを特徴とする微量成分の定量法,(2)
酸化酵素とペルオキシダーゼの一方または両方が固定
化担体に担持されている上記(1)記載の定量法,
(3) 色原体がN−(カルボキシメチルアミノカルボ
ニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−ジフェニ
ルアミンまたはその塩である上記(1)または(2)記
載の定量法,(4) 酸化酵素がピラノースオキシダー
ゼである上記(1)、(2)または(3)記載の定量
法,(5) 微量成分が1,5−アンヒドロ−D−グル
シトールである上記(1)、(2)、(3)または
(4)記載の定量法,に関する。以下に本発明について
詳細に説明する。
【0011】本発明において使用されるフローインジェ
クション分析装置システムは少なくとも送液装置、試料
(検体)注入装置、吸光度検出器、およびそれらをつな
ぎ試薬溶液などを移送するチューブ類やジョイント類と
吸光度検出器で得られたシグナルを指示・記録する装置
より構成される。
【0012】送液装置としては、シリンジタイプのポン
プ、しごきチューブポンプ、ダイヤフラムポンプ、ギヤ
ポンプ、プランジャー型ポンプなど種々のものが使用さ
れるが、脈流が少ないプランジャーポンプが好ましい。
【0013】試料注入装置としては種々のものが使用で
き、特に限定されないが、オートサンプラーとして広く
使用されている六方バルブを用いた試料注入装置が好ま
しい。
【0014】吸光度検出器は発色した色原体の吸収波長
の測定が可能なものであればいずれでもよく、例えば公
知の微小フローセルが使用できる。
【0015】また、反応時間を調節するため適当な長さ
のチューブを巻いた反応コイルなども設置することがで
きる。
【0016】酸化酵素および/またはペルオキシダーゼ
は、試薬溶液として送液してもよく、又、固定化担体に
担持し、酵素リアクターにしてフローインジェクション
分析装置システムにセットして使用することもできる。
【0017】酸化酵素およびペルオキシダーゼを試薬溶
液として用いる場合、混合試薬溶液として送液しても、
別々の送液装置により送液して検出器に入る前の配管上
で合流させてもよい。さらに、検査試料(検体)を移送
する送液装置を試薬溶液を移送する送液装置とは別に設
け、検査試料をキャリアー液で移送し、試薬溶液とキャ
リアー液を検出装置に入る前の配管上で合流させてもよ
い。もちろん検査試料を移送するキャリアー液として試
薬溶液を用い、試薬溶液中に検査試料を注入してもよ
い。
【0018】また、酸化酵素及び/またはペルオキシダ
ーゼが固定化担体やチューブ内壁に固定化された酵素リ
アクターを用いる場合には、それらも装置配管上に設置
される。
【0019】図1に酸化酵素およびペルオキシダーゼを
試薬溶液で送液するシステムの一例を示す。即ち、検査
試料移送用キャリアー溶液槽1中の検査試料移送用キャ
リアーをポンプ3により吸光度検出器5に通液する。
又、試薬溶液槽2中の試薬溶液はポンプ3’により吸光
度検出器5に至る前に試料移送用キャリアーと合流させ
る。検査試料は、試料注入器4より注入し、吸光度検出
器5で得られるシグナルは、指示・記録装置6において
記録される。
【0020】図2に酸化酵素およびペルオキシダーゼを
固定化担体に担持した酵素リアクターを用いるシステム
の一例を示す。即ち、図2において、試薬溶液槽11か
ら試薬溶液をポンプ12により酸化酵素リアクター1
4、続いてペルオキシダーゼリアクター15に、更に吸
光度検出器16に通液する。検査試料は試料注入器13
より注入し、吸光度検出器16で得られるシグナルは、
指示・記録装置17において記録される。酵素の使用さ
れる形態や検査試料、試薬溶液の移送方法により種々の
システムが可能であり、特にこれらに限定されるもので
はない。
【0021】さらに、検査試料中に測定に影響を及ぼす
物質が含まれる場合、これらの物質を除去したものを検
査試料(検体)として用いるか、又は、配管の途中にこ
れらの物質の除去用カラムやフィルターなどを設置する
ことも可能である。
【0022】本発明の方法は過酸化水素を化学量論的に
生成する酸化酵素に反応する基質(微量成分)の定量に
応用でき、該基質(微量成分)は特に限定されない。た
とえば、生体試料中のグルコースや1,5−アンヒドロ
グルシトールなどの糖類、コレステロール、グリセリ
ン、トリグリセライド、中性脂肪酸、遊離脂肪酸、尿
酸、リン脂質、胆汁酸、ポリアミンなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0023】検体としては種々のものが使用でき、特に
限定されない。例えば血清、血漿、血液、髄液などの体
液や尿などの排泄物、便などの希釈物から固形分を除去
したもの、各種組織の抽出液などの生体試料や、これら
生体試料から、微量成分の検出を妨害する物質を除去し
た処理液等が挙げられる。
【0024】本発明において、フローインジェクション
分析法は常法により行なうことができる。
【0025】酸化酵素としては、例えば、グルコースオ
キシダーゼ(EC1.1.3.4)、コレステロールオ
キシダーゼ(EC1.1.3.6)、ピラノースオキシ
ダーゼ(EC1.1.3.10)、L−ソルボースオキ
シダーゼ(EC1.1.3.11)、ウリカーゼ(EC
1.7.3.3)、プトレシンオキシダーゼ(EC1.
4.3.10)等が挙げられる。
【0026】酸化酵素は、測定すべき検体中の微量成分
の種類に応じて適宜選択される。又、測定する微量成分
の種類によっては、酸化酵素を該微量成分に作用させる
前に、常法により検体を他の酵素等で処理して、酸化酵
素の基質となるように変換処理してもよい。
【0027】本発明で用いられるペルオキシダーゼとし
ては、その起源、由来は特に限定されない。植物、動
物、微生物由来のペルオキシダーゼ(EC1.11.
1.7)およびペルオキシダーゼ様活性物質等が挙げら
れる。これらのペルオキシダーゼは単独あるいは組み合
わせて使用できる。
【0028】酸化酵素及びペルオキシダーゼの使用量
は、測定すべき検体中の微量成分の種類、量、酵素の種
類、測定条件により適宜決定される。酸化酵素及びペル
オキシダーゼは試薬溶液として供給でき、又、固定化担
体に担持して酵素リアクターとして使用してもよい。
【0029】本発明で酸化酵素および/またはペルオキ
シダーゼを固定化担体や中空チューブに担持して酵素リ
アクターとして用いる場合、固定化方法は特に限定され
ない。吸着法、包括法、架橋法、共有結合法などの公知
の固定化方法が適用できる。なかでも反応中に酵素の脱
離の起こらない共有結合法が好ましい。共有結合法にお
いても種々の方法が適用される。たとえば、シアン化ブ
ロム法、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法、シラン
化法、カルボキシル基を活性エステルにした後結合する
方法、エポキシ基、ホルミル基、トレシル基などの官能
基を有する担体と結合させる方法が適用できる。担体の
材質も特に限定されない。たとえば、セルロース、デキ
ストラン、多孔質ガラス、シリカゲル、キサントン、ア
ガロース、ポリアクリルアミド、セラミック、ナイロ
ン、アミノ酸共重合体などが挙げられる。
【0030】本発明で使用される色原体としてはロイコ
インドフェノール類誘導体、ロイコメチレンブルー類誘
導体、トリフェニルメタン系ロイコ色素等が挙げられ
る。たとえば、N−(カルボキシメチルアミノカルボニ
ル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−ジフェニル
アミン ナトリウム塩(DA−64)、10−(カルボ
キシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチ
ルアミノ)−フェノチアジン ナトリウム塩(DA−6
7)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルア
ミン,10−N−メチルカルバミル−3,7−ビス(ジ
メチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCD
P)、ビス(3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−
4−ジメチル−アミノフェニル)アミン(BCMA)な
どが挙げられる。特に好まれるものとしてN−(カルボ
キシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメ
チルアミノ−ジフェニルアミン ナトリウム塩(DA−
64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)
−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−フェノチアジン
ナトリウム塩(DA−67)が使用できる。しかし、特
にこれらに限定するものではない。使用する濃度は、特
に限定されないが、通常ペルオキシダーゼを作用させる
液流中に0.1〜1000μMの範囲で、好ましくは1
〜50μMの範囲で色原体を存在させる。
【0031】測定は通常pH2〜10で実施され、試薬
溶液に使用される緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸
塩、ホウ酸塩、炭酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、シュウ酸
塩、トリス緩衝液、グッド緩衝液などが使用できる。色
原体の溶解性を向上させるためにジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒も添加でき
る。
【0032】フローインジェクション分析装置システム
が試薬溶液やキャリアー液として2種類以上の緩衝液を
送液する場合、それぞれ種類やpHの異なる緩衝液を使
用できる。酸化酵素、ペルオキシダーゼ、その他酵素、
酵素反応に関与する基質や物質を溶液として使用する場
合、これらの緩衝液のいずれかに添加する。
【0033】緩衝液には必要に応じて界面活性剤が用い
られる。界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0034】試薬を含む緩衝液(試薬溶液)及びキャリ
アー液は通常0.001〜20ml/min で送液される。
【0035】注入する検体の量は特に限定されないが、
通常は1回あたり0.1〜100μlである。
【0036】反応は通常0〜80℃、好ましくは4〜4
0℃で行う。
【0037】吸光度測定は色素の生成によって生じる吸
収波長領域、好ましくは極大吸収波長付近で行う。定量
はシグナルの面積または高さを測定し、あらかじめ既知
濃度の標準物質から求めた検量線を利用して未知濃度試
料の濃度を定量できる。
【0038】
【実施例】以下に実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらによって本発明が限定されるものではな
い。
【0039】実施例1 1,5−アンヒドロ−D−グ
ルシトール標品の検出 N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’
−ビス(ジメチルアミノ)−ジフェニルアミン ナトリ
ウム塩(DA−64)を色原体として1,5−アンヒド
ロ−D−グルシトール標品により検出されるピーク面積
を調べた。
【0040】使用したフローインジェクションシステム
を図1に示す。ポンプは東ソー社製CCPM、試料注入
装置は東ソー社製AS−8010、吸光度検出器は島津
製作所SPD−10AV、指示・記録装置は東ソー社製
SC−8010を用いた。反応コイル(内径0.5mm、
長さ600cm)は吸光度検出器の前に設置された。DA
−64を表1に示される濃度で含む緩衝液を検査試料移
送用キャリアーとして1ml/min で送液した。ピラノー
スオキシダーゼおよびホースラディシュペルオキシダー
ゼはそれぞれ20u/ml、2u/mlになるように蒸留水
に溶解し、試薬溶液として1ml/min で送液した。
【0041】試料は10μg/mlの1,5−アンヒドロ
−D−グルシトール水溶液を15μl注入し、725n
mの吸光度でピーク面積を測定した。測定は室温で行っ
た。試料のピークは注入後2分以内に検出された。
【0042】比較例1 1,5−アンヒドロ−D−グ
ルシトール標品の検出 実施例1と同様にして、種々の色原体を用いた場合の
1,5−アンヒドロ−D−グルシトール標品により検出
されるピーク面積を調べた。各色原体の使用濃度、緩衝
液、測定波長を表1に示す。
【0043】実施例1および比較例1の結果を表1に併
せて示す。
【0044】
【表1】
【0045】DA−64は10μg/mlの1,5−アン
ヒドロ−D−グルシトールを検出することができたが、
試験した他の色原体では検出できなかった。
【0046】参考例1 バッチ法による1,5−アン
ヒドロ−D−グルシトール標品の検出 フローインジェクション分析法で1,5−アンヒドロ−
D−グルシトールを検出できなかった色原体ABTSを
用いバッチ法で試験した。
【0047】160μMのABTSおよびピラノースオ
キシダーゼとホースラディッシュペルオキシダーゼをそ
れぞれ10u/ml,1u/ml含有する0.1Mクエン酸
緩衝液pH6.0を試験管に1ml取り、10μg/mlの
1,5−アンヒドロ−D−グルシトール水溶液を15μ
lを加え、良く混合した後室温で1時間420nmの吸
光度の経時変化を測定した。ブランクとして蒸留水15
μlを添加したものを同時に測定した。結果を表2に示
す。
【0048】
【表2】
【0049】バッチ法では吸光度変化が十分検出できる
ことがわかる。
【0050】実施例2 1,5−アンヒドロ−D−グ
ルシトール標品の検出限界 色原体DA−64、DA−67、MCDPについて1,
5−アンヒドロ−D−グルシトール標品の検出限界を調
べた。使用したフローインジェクション分析装置システ
ムを図2に示す。ピラノースオキシダーゼはグルタルア
ルデヒド法でアミノトヨパール(東ソー株式会社製)に
固定化し、内径2.0mm、長さ7.5cmのカラムに充填
し酸化酵素リアクターとして使用した。カラム当たり酵
素量は600ユニットであった。ホースラディッシュペ
ルオキシダーゼは過ヨウ素酸法でアミノトヨパールに固
定化し、内径2.0mm、長さ3.5cmのカラムに充填し
ペルオキシダーゼリアクターとして使用した。カラム当
たり酵素量は600ユニットであった。
【0051】20μMの色原体を含む0.1Mトリス塩
酸緩衝液pH7.0を試薬溶液とした。
【0052】10μg/mlの1,5−アンヒドロ−D−
グルシトール水溶液を倍々希釈し、各種濃度の1,5−
アンヒドロ−D−グルシトール水溶液を試料とした。試
薬溶液を1ml/min で送液しながら、試料を15μl注
入し、ピーク面積を室温で測定した。SN比2を検出限
界として各種色原体の検出感度を検討した。測定波長と
結果を表3に示す。
【0053】比較例2 実施例2と同様にして、4−AA(4−アミノアンチピ
リン)とp−クロロフェノール又はN,N−ジエチルア
ニリンについて検討した。
【0054】20μMの4−AAと20μMのp−クロ
ロフェノールまたはN,N−ジエチルアニリンを含む
0.1Mトリス塩酸緩衝液pH7.0を試薬溶液としそ
の他は実施例2と同様にして測定を行った。結果を表3
に示す。
【0055】
【表3】
【0056】本発明の色原体を用いる測定法は、他の色
原体を用いた場合に比べて非常に高感度である。
【0057】参考例2 化学発光法による1,5−ア
ンヒドロ−D−グルシトール標品の検出限界 図3に示すフローインジェクション分析装置システムを
用い、ルミノールとペルオキシダーゼ(ARP:Arther
omyces ramosus由来)による1,5−アンヒドロ−D−
グルシトール標品の検出限界を調べた。
【0058】試料は実施例2と同様に調製した。キャリ
アー液は5mMのホウ酸を用い、キャリアー槽21から
1ml/min の流速で送液した。15μlの試料をキャリ
アー中に注入し、実施例2と同じピラノースオキシダー
ゼリアクターに移送し過酸化水素を発生させた。
【0059】試薬溶液槽21−1の0.147mMルミ
ノール0.2Mホウ酸緩衝液pH10.9および試薬液
槽21−2の25μg/mlARP水溶液はそれぞれ0.
5ml/min で送液し、混合後、化学発光検出器26(日
音社製)に導いた。ピラノースオキシダーゼの作用によ
り生成した過酸化水素と、ルミノールとARPの混合液
は検出セル直前で混合し、セル内に入るようにした。
【0060】SN比2での検出限界は0.0098μg
/mlであった。
【0061】本発明の方法による1,5−アンヒドロ−
D−グルシトール標品の検出感度は化学発光にほぼ匹敵
する高感度を有することが判った。
【0062】実施例3 DA−64の酵素リアクター
への影響 DA−64を用い、試料を連続注入した場合のピーク面
積の変動を調べた。フローインジェクション分析装置シ
ステムは実施例2と同様である。試薬溶液はDA−64
を20μMになるように0.02% Triton X-100 を含
む0.1Mトリス塩酸緩衝液pH7.0に溶解し調製し
た。測定は725nm、室温、送液速度1ml/min で行
った。未使用の酵素リアクター(実施例2と同様にして
作成したものを使用)を装置システムに装着し、試薬溶
液を30分送液した後、10μg/mlの1,5−アンヒ
ドロ−D−グルシトール水溶液15μlを2.5分間隔
で50連続注入しピーク面積の変動を調べた。
【0063】結果は図4に、1回目のピーク面積を10
0にしたときの相対的値で示す。1回目からほとんど変
動がなく安定な測定が可能であった。
【0064】比較例3 4−AAとp−クロロフェノ
ールを色原体としたときの酵素リアクターへの影響 4−AAとp−クロロフェノールを用いて実施例3と同
一の試験を行った。
【0065】試薬溶液は4−AAとp−クロロフェノー
ルをそれぞれ20μMになるように0.02% Triton
X-100 を含む0.1Mトリス塩酸緩衝液pH7.0に溶
解し調製した。測定は測定波長505nmである以外、
実施例3と同じである。
【0066】結果を図4に、1回目のピーク面積を10
0にしたときの相対的値で示す。注入回数が増すにつれ
ピーク面積の増加が見られ、測定間の変動も大きかっ
た。
【0067】試験終了後、未使用の酵素リアクターに交
換しピーク面積を比較したところ、ペルオキシダーゼリ
アクターの活性が変化していることが判った。
【0068】実施例4 血清中の1,5−アンヒドロ
−D−グルシトールの定量 使用したフローインジェクション分析装置システムを図
2に示す。5μMのDA−64と0.02%の Triton
X-100 を含む0.1M PIPES(ピペラジン−1,
4−ビス(2−エタンスルホン酸))pH6.8を試薬
溶液として、1ml/min で送液した。試料はグルコース
およびタンパクを除去するため、市販のキット(ラナA
G(アンヒドログルシトール)日本化薬株式会社製)に
添付されている前処理カラムで処理して調製した。即
ち、ヒト血清50μlを前処理カラムに注入し、その後
2回500μlの蒸留水を注入して溶出したものを試料
とした。50μg/mlおよび5μg/mlの1,5−アン
ヒドロ−D−グルシトール標準液(標準)も同様の操作
をした。測定は室温、測定波長は725nmで、前処理
した試料および標準を20μl注入して行った。標準の
ピーク面積から得られた検量線を用いて試料の濃度を求
めた。
【0069】参考例3 血清中の1,5−アンヒドロ
−D−グルシトールの定量 実施例4と同じ試料を用い、用手法の市販のキット(ラ
ナAG(アンヒドログルシトール)日本化薬株式会社
製)を使用して、血清中の1,5−アンヒドロ−D−グ
ルシトール濃度を測定した。
【0070】実施例4および参考例3の結果を表4に併
せて示す。表4から明らかなように、両者は良い一致を
示した。
【0071】
【表4】
【0072】実施例5 血清中のグルコースの定量 酸化酵素がグルコースオキシダーゼである以外は実施例
4と同一の測定装置、試薬溶液を用いて測定した。グル
コースオキシダーゼはエポキシトヨパール(東ソー株式
会社製)に担持し、内径2.0mm、長さ7.5cmのカラ
ムに充填し、酵素リアクターとした。カラム当たりの活
性は1000ユニットであった。
【0073】試料(ヒト血清)は蒸留水で50倍に希釈
して10μl注入した。あらかじめ既知濃度の標準を測
定して作成した検量線より濃度を求めた。
【0074】参考例4 血清中のグルコースの定量 実施例5と同じ試料を用い、バッチ法用の市販のキット
(グルコースB−テストワコー 和光純薬(株)社製)
を使用して、グルコース濃度を測定した。
【0075】実施例5および参考例4の結果を表5に併
せて示す。表5から明らかなように、両者は良い一致を
示した。
【0076】
【表5】
【0077】実施例6 血清中の尿酸の定量 酸化酵素がウリカーゼである以外は実施例4と同一の測
定装置、試薬溶液を用いて測定した。ウリカーゼはエポ
キシトヨパール(東ソー株式会社製)に担持し、内径
2.0mm、長さ10cmのカラムに充填し、酵素リアクタ
ーとした。カラム当たりの活性は100ユニットであっ
た。
【0078】試料(ヒト血清)は蒸留水で10倍に希釈
して10μl注入した。あらかじめ既知濃度の標準を測
定して作成した検量線より濃度を求めた。
【0079】参考例5 血清中の尿酸の定量 実施例6と同じ試料を用い、バッチ法用の市販のキット
(尿酸C−テストワコー 和光純薬(株)社製)を使用
して、尿酸濃度を測定した。
【0080】実施例6および参考例5の結果を表6に併
せて示す。表6から明らかなように、両者は良い一致を
示した。
【0081】
【表6】
【0082】
【発明の効果】本発明の方法によれば吸光度検出器を用
いたフローインジェクション分析法で、酸化酵素により
過酸化水素を発生する生体試料中の微量物質などを高感
度に再現性良く定量できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化酵素およびペルオキシダーゼを試薬溶液と
して送液するフローインジェクション分析装置システム
の一例を示す概略図。
【図2】酸化酵素およびペルオキシダーゼを固定化担体
に担持した酵素リアクターを用いるフローインジェクシ
ョン分析装置システムの一例を示す概略図。
【図3】参考例2で用いた化学発行検出器を用いたフロ
ーインジェクション分析装置システムの概略図。
【図4】未使用の酵素カラムリアクターに試料を連続注
入したときのピーク面積の変化を示す。
【符号の説明】
1,21……試料移送用キャリアー溶液槽 2,11……試薬溶液槽 3,3’,12,23,23’,23”……ポンプ 4,13,24……試料注入器 5,16,26……吸光度検出器 6,17,27……指示・記録装置 14,25……酸化酵素リアクター 15……ペルオキシダーゼリアクター 21−1……試薬溶液槽(ルミノール) 21−2……試薬液槽(ARP)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 みどり 群馬県太田市大字由良1133−2 (72)発明者 梅香家 佳彦 神奈川県藤沢市湘南台4丁目26−5−205 (72)発明者 古屋敷 佳久 神奈川県藤沢市湘南台4丁目26−5−304 (72)発明者 北村 隆司 山口県熊毛郡熊毛町西勝間原1100−179

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中の微量成分に酸化酵素を作用させ
    発生した過酸化水素をペルオキシダーゼを用いて検出す
    るフローインジェクション分析法において、色原体とし
    てロイコ型の色原体またはその塩を用いることを特徴と
    する微量成分の定量法。
  2. 【請求項2】 酸化酵素とペルオキシダーゼの一方また
    は両方が固定化担体に担持されている請求項1記載の定
    量法。
  3. 【請求項3】 色原体がN−(カルボキシメチルアミノ
    カルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−ジ
    フェニルアミン又はその塩である請求項1又は2記載の
    定量法。
  4. 【請求項4】 酸化酵素がピラノースオキシダーゼであ
    る請求項1、2または3記載の定量法。
  5. 【請求項5】 微量成分が1,5−アンヒドロ−D−グ
    ルシトールである請求項1、2、3又は4記載の定量
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003097865A1 (fr) * 2002-05-21 2003-11-27 Arkray, Inc. Procede destine a empecher la formation de couleurs erronees de n-(carboxymethylaminocarbonyl)-4,4'-bis(dimethylamino)diphenylamine sodium, solution de reactifs destinee a ce procede et procede de mesure faisant intervenir ledit procede
WO2013018609A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 協和メデックス株式会社 スフィンゴミエリンの測定方法及び測定用キット

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