JPH061964A - ホットメルト目地材 - Google Patents

ホットメルト目地材

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JPH061964A
JPH061964A JP15800792A JP15800792A JPH061964A JP H061964 A JPH061964 A JP H061964A JP 15800792 A JP15800792 A JP 15800792A JP 15800792 A JP15800792 A JP 15800792A JP H061964 A JPH061964 A JP H061964A
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JP
Japan
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wax
joint material
resin
hot melt
ethylene
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JP15800792A
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Tadashi Kitamura
正 北村
Kiyoto Doi
清人 土井
Kenichi Yashiro
賢一 八城
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 JIS−A硬度が室温で80以下の熱可塑性
樹脂、粘着付与剤、低溶融粘度ワックスとからなる熱可
塑性組成物の合計100重量部に対し、金属以外の無機
系充填剤及び/又は銀及び/又は銅粉の50〜250重
量部を含有してなるホットメルト目地材。 【効果】 本発明のホットメルト目地材は優れた目地充
填作業適性を発揮し、かつ防カビ性と高速短時間充填が
可能で、優れた可撓性を有し、仕上り外観の美しさ、耐
汚染性、耐キズ防止を示す。装飾タイル貼りパネル製造
に省力型目地材となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、隙間充填用のホットメ
ルト目地材に関する。建材パネル分野に於いては、従来
よりスレート板やコンクリート製パネル板に代表される
パネルに装飾用陶磁器製のタイル等を貼り、浴室等の内
装用装飾パネルを生産している。
【0002】
【従来の技術】陶磁器製タイル用の目地材としては、従
来からセメント目地材が最も良く知られているが、作業
上のライフの制約問題、硬化が遅く長時間の熟成が必要
である問題、施工においては高度な熟練を要し、従って
人材確保の問題や生産性に難点があった。また、セメン
ト目地では施工後の高温多湿下でカビの発生が著しく、
一端発生したカビはなかなか除去出来ない等の問題を合
せ持っており、カビの発生しない目地材が近年では強く
求められている。一方、樹脂目地材としては、湿気硬化
型シリコーン系コーキング材、湿気硬化型ウレタン系コ
ーキング材、溶剤型ブチルゴム系コーキング材、エマル
ション型アクリル系コーキング材等の樹脂目地材が知ら
れているが、これらは比較的高価であり、硬化または乾
燥に長時間要し、セメント目地材と同様、生産性や防カ
ビ性が主要な問題となっている。また前記目地材等は硬
度的に軟質であり、耐キズ防止性に欠ける欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】常圧開放系で溶融ノズ
ル吐出・塗布充填する目地材として供する、いわゆる建
材用の陶磁器製タイルパネルや無機質建材パネル組みつ
け相互間の隙間充填シール等に代表される目地材はこれ
まで良い物がなく、特に被着体を常圧開放系で取扱出
来、目地剤を溶融ノズル吐出・塗布充填する工法に好ま
しく採用出来る目地材を提供することが要請されてい
る。より詳しくは、その主要な課題として、ユニットバ
ス用タイルパネル等の目地施工に際し、常圧開放系で溶
融ノズル吐出させ目地隙間充填する目地材として、以下
の課題をあわせて解決したホットメルト目地材を提供す
る事にある。その第1は、風呂場などの比較的高温多湿
な環境下で長期カビの発生が極めて少ない目地材。その
第2に、常圧開放系で溶融ノズル吐出・塗布充填する施
工システムに適合し、短時間で目地の塗付や充填、固化
が完了し、施工後の外観が耐キズ防止性(常温のショア
ー硬度で少なくとも45〜70程度の硬質目地材)に富
んだ仕上り面を形成する目地材。その第3に、1m角を
越える大型パネルの3mm以下の細幅目地の隙間充填
(深部充填適合性を可能とする)に充分適合でき、か
つ、耐クラック性と同時にパネルの変形繰返し応力(寒
熱繰返し歪発生応力も含む)に追従できる可撓性を発揮
した目地材。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、前記した課題をあわせて解決する為の手段とし
て、特定されたホットメルト目地材が最適である事を見
出し本発明を達成した。すなわち、本発明とはつぎのと
おりである。 (1)常圧開放系で目地隙間充填を行なう際の樹脂系目
地材として下記(A)〜(C)からなる熱可塑性樹脂組
成物の100重量部に対し、下記 (D)及び/又は
(E)の50〜250重量部を含有してなる事を特徴と
するホットメルト目地材。 (A)JIS−A硬度が室温で20〜80の熱可塑性樹
脂の0.1〜20重量% (B)粘着付与剤の30〜95重量%。 (C)180℃、B型粘度計による単独の溶融粘度が2
00センチポイズ以下であるワックスの1〜69.9重
量%。 (D)平均粒子径が高くとも100メッシュパスの金属
以外の無機系充填剤。 (E)平均粒子径が高くとも100メッシュパスの銀及
びまたは銅粉。 (2)熱可塑性樹脂(A)が、下記(イ)〜(ヘ)から
選ばれた1種または2種以上の樹脂を使用する事を特徴
とする上記1記載のホットメルト目地材。 (イ)両末端スチレンブロックコポリマー (ロ)エチレン−プロピレン共重合樹脂 (ハ)エチレン−ブテン共重合樹脂 (ニ)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 (ホ)エチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂 (ヘ)ポリアクリル樹脂 (3)粘着付与剤(B)が、水添石油樹脂、透明ロジン
エステル、脂肪族石油樹脂から選ばれた1種または2種
以上の混合物であり、かつ、軟化点が80〜120℃の
温度範囲にあることを特徴とする上記1記載のホットメ
ルト目地材。 (4)ワックス(C)が、パラフィンワックス、ミクロ
クリスタリンワックス等の石油ワックス、ポリエチレン
ワックス及び/又はその酸変性ポリエチレンワックス、
フィッシャー・トロプシュワックス、ポリプロピレンワ
ックス及び/又はその酸変性ポリプロピレンワックス、
アミドエステルワックス、ポリエステルオリゴワックス
等から選ばれた1種または2種以上の混合物であり、且
つ軟化点温度または融点が65℃以上であることを特徴
とする上記1記載のホットメルト目地材。 (5)目地材が、140〜180℃の溶融塗布粘度がB
型粘度計測定値で3万センチポイズ以下であることを特
徴とする上記1〜4のいずれかに記載のホットメルト目
地材。
【0005】以下に本発明をより詳しく説明する。本発
明のホットメルト目地材(以下単に目地材と呼ぶ)中の
熱可塑性成分の一つである(A)JIS−A硬度が室温
で80以下の熱可塑性樹脂(以下単にベース樹脂と呼
ぶ)とは、JIS−A硬度が室温で80以下の範囲の公
知の熱可塑性樹脂であれば好ましく使用でき、特に制約
は無く、以下に示す樹脂等が代表的である。すなわち、
スチレンブロックコポリマー、エチレン−ブテン共重合
樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリレート
共重合樹脂、特に制約する物では無いがガラス転移温度
が30℃以下、好ましくは0℃以下ののポリアクリル樹
脂、ブチルゴム、イソブチレンゴム、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル
樹脂、ポリイミド樹脂、天然ゴム、合成イソプレンゴ
ム、アイオノマー樹脂等が代表例である。本発明では特
にJIS−A硬度が室温で20〜80の範囲の以下の
(イ)〜(ヘ)に示す樹脂をベース樹脂とする事が大い
に好ましい。 (イ)両末端スチレンブロックコポリマー (ロ)エチレン−プロピレン共重合樹脂 (ハ)エチレン−ブテン共重合樹脂 (ニ)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 (ホ)エチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂 (ヘ)ポリアクリル樹脂 ここで(イ)両末端スチレンブロックコポリマーとは、
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポ
リマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブ
ロックコポリマー等が公知でかつ代表的な例として挙げ
られる。特に好ましい例としては、スチレン−エチレン
−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−
エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマーで
ある。また、前記樹脂のスチレン含有量は特に制約は無
いが、好ましくは5〜40重量%の範囲が良い。一般的
には低スチレン含有量樹脂とした方が可撓性に富む目地
材を得やすく13〜35重量%の範囲が特に好ましい例
である。また本発明記載の(ロ)エチレン−プロピレン
共重合樹脂とは、特に制約する物では無いが、好ましく
はJIS−Aの硬度が常温で75以下の低エチレン含有
コポリマーやターポリマーが挙げられ、より詳しくは、
エチレンとプロピレンのみのコポリマーや、第三成分と
してジシクロペンタジエンやエチリデンノルボーネンを
使用したターポリマーが好ましい例として挙げられる。
JIS−Aの硬度が常温で75以上の硬質樹脂では可撓
性が小さく、最終的な目地材の耐クラック性がやや劣る
問題がある。
【0006】また本発明記載の(ハ)エチレン−ブテン
共重合樹脂とは、特に制約する物では無いが、好ましく
はJIS−Aの硬度が常温で75以下の低エチレン含有
コポリマーやターポリマーが挙げられ、より詳しくは、
エチレンと1−ブテンのみのコポリマーや、第三成分と
してジシクロペンタジエンやエチリデンノルボーネンを
使用したターポリマーが好ましい例として挙げられる。
JIS−Aの硬度が常温で75以上の硬質樹脂では可撓
性が小さく、最終的な目地材の耐クラック性がやや劣る
問題がある。また本発明の(ニ)JIS−A硬度が室温
で45〜80のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂とは、
酢酸ビニルの共重合割合が、おおよそ25〜40重量%
のASTM D−1238で示すMI(メルトインデッ
クス)値が10〜400dg/分の物が代表的な例であ
る。また、本発明の(ホ)JIS−A硬度が室温で45
〜80のエチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂と
は、エチレン−エチルアクリレート樹脂やエチレン−ブ
チル(メタ)アクリレート樹脂が代表的であり、エチル
アクリレートまたはブチル(メタ)アクリレートの共重
合割合がおおよそ25〜35重量%の物が代表的な例で
ある。(ヘ)ポリアクリル樹脂とは、ブチルアクリレー
ト、ブチルメタアクリレート、エチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等で代表されるアクリルモノマー
を主成分とし、必要に応じて更にメチルメタアクリレー
ト、スチレン、メチルアクリレート、アクリル酸、メタ
アクリル酸、ヒドロキシアクリレート、グリシジルアク
リレート、α−メチルスチレン等のモノマーや重量平均
分子量が2,000〜50,000のスチレン系または
メチルメタアクリレートポリマーセグメントを有する末
端アクリロイル基含有マクロモノマーを少量共重合した
樹脂などがあり、そのアクリル系樹脂の主鎖ポリマーの
ガラス転移温度が30℃以下、特に好ましくは0℃以下
であるいわゆるアクリルゴムが好ましい例として挙げら
れる。
【0007】本発明のホットメルト目地材に於いて、前
記(A)ベース樹脂成分は目地材中の全熱可塑性成分に
対する配合割合で、0.1〜20重量%が良く、特に好
ましくは5〜12重量%が良い。0.1重量%以下では
目地材が極めて脆く、耐衝撃性や耐クラック性に欠ける
からであり、20重量%以上では目地材の作業溶融粘度
がきわめて高くなる傾向にあり、本発明の主旨である常
圧開放系で溶融ノズル吐出・塗布充填する目地材として
供する場合、140〜180℃の溶融塗布粘度がB型粘
度計測定値で3万センチポイズ以下の好ましい低粘度型
目地材とはならず、細幅目地の深部充填作業適性に欠け
るからである。すなわち本発明では、前記ベース樹脂を
単独または2種以上で使用する事の理由として、使用す
る事でホットメルト目地材としての強靭化が図れ、耐薬
品性や耐クラック性に富んだ目地材を得る上で欠かせな
いからである。また本発明記載の(B)粘着付与剤(以
下単にタッキファイヤーと呼ぶ)とは、特に制約は無
く、前記ベース樹脂に対し相溶性のある公知のタッキフ
ァイヤーを好ましく使用する事ができる。例えばロジン
またはロジンエステル誘導体、(水添)テルペン樹脂、
(水添)テルペン−フェノール樹脂、(水添)ジシクロ
ペンタジエン樹脂、炭素数が5〜9の石油溜分共重合水
添樹脂、脂肪属石油樹脂等が代表的である。本発明では
タッキファイヤーの使用割合は全熱可塑性成分中30〜
95重量%とする事が良く、特に好ましくは20〜50
重量%の範囲で使用する事が好ましい。30重量%以下
では密着信頼性が欠けるからであり、90重量%以上で
は目地材が脆く耐キズ防止性等に欠けるからである。
【0008】本発明記載の(C)180℃、B型粘度計
による単独の溶融粘度が200センチポイズ以下である
ワックスとは、公知のワックスを使用する事が出来る。
特に制約は無く、耐カビ性や色相安定性、硬度、結晶化
速度などの因子を考慮する事が慣用であり、下記のワッ
クスが好ましい例として挙げられる。例えば、植物系天
然ワックス、動物系天然ワックス、鉱物系天然ワック
ス、石油系ワックス、合成炭化水素ワックス、合成エス
テルワックス、合成アミドワックス、高級脂肪酸塩等か
ら選ばれた1種または2種以上のワックスが好ましく例
である。より詳しくは、植物系天然ワックスの例ではカ
ルナバワックス、木ロウ、オウノキュリロウ、エスバル
トロウ、キャンデリラロウ等、動物系天然ワックスの例
では鯨ロウ、羊毛ロウ、セラックロウ、昆虫ロウ、セラ
ックロウ、蜜ロウ等が挙げられる。また鉱物系天然ワッ
クスの例ではモンタンロウ、オゾケライト、セレシン等
が、石油系ワックスの例ではパラフィンワックス、ミク
ロクリスタリンワックスおよびそれらの変性誘導体等
が、合成炭化水素ワックスの例ではフィッシャー・トロ
プシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックスおよびそれらの誘導体があげられる。また、
合成エステルワックスの例ではビス(2−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートの炭素数13以上の高級脂肪酸エ
ステルワックス、テレフタール酸とジオール成分から誘
導されたエステルワックス、イソフタール酸とジオール
成分から誘導されたエステルワックス、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートの炭素数13以上の
高級脂肪酸エステルワックス等が、合成アミドワックス
の例としてはメチレンビスステアロアミドワックス、メ
チロールステアロアミドワックス、ステアリン酸アミド
ワックス、モノエタノールアミンの炭素数13以上の高
級脂肪酸アミドエステルワックスが、また高級脂肪酸塩
の例ではステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等
がある。前記ワックスの内、パラフィンワックス、ミク
ロクリスタリンワックス等の石油ワックス、分子量が1
万以下の低〜中密度ポリエチレンワックス、フィッシャ
ー・トロプシュワックス、シンジオタクチックなポリプ
ロピレンワックス、高級脂肪酸から誘導されたエステル
ワックス、ポリエステルオリゴワックス等の1種または
2種以上を用いる事は特に好ましい例である。本発明で
は(C)ワックスの配合割合は、ホットメルト目地材中
の全熱可塑性成分に対する配合割合で、1〜69.9重
量%が良く、特に好ましくは30〜55重量%が良い。
69.9重量%以上では目地材が極めて固化速度が早く
なりすぎて細幅目地部の深部目地充填性に難があり、結
果として耐久密着性に欠けるからであり、1重量%以下
では目地材の作業固化速度が遅く成る事、汚染防止性や
防カビ性が低下する事等からである。
【0009】本発明では、目地の表面硬度適性、目地材
の溶融粘度と固化速度適性、耐汚染性、耐薬品性を総合
的に考慮すると、本発明の(C)ワックスは、 分子量
が2000以下の低密度ポリエチレンワックス及び/又
はその酸変性ワックス、融点が65〜90℃の範囲のミ
クロクリスタリンワックスが推奨される。また本発明で
は、前記(A)ベースポリマーとの相溶性が良い(B)
タッキファイヤーや(C)ワックスを選定し使用する事
が肝要であるが特に制約は無い。単独では相溶性が不足
するタッキファイヤーやワックスの使用ではその使用量
を最小必要量とし、他の相溶性のあるタッキファイヤー
やワックスと併用使用する事が好ましい。また熱ラジカ
ル発生触媒などにより一部グラフト変性などの手法で予
め相互樹脂の相溶安定化を図って使用する事でも良い。
本発明では、(A)ベースポリマーと(B)タッキファ
イヤーと(C)ワックスからなる熱可塑性樹脂合計の目
地材中への配合割合は28.5〜66.5重量%の範囲
で使用する事が好ましく、特に好ましくは35〜45重
量%の範囲が良い。28.5重量%以下では樹脂成分が
不足し極めてチクソトロピックな組成物となり、低粘度
セルフレベリング性に富む目地材とならないからであ
り、66.5%以上では耐クラック性が不十分となりや
すいからである。本発明記載の(D)粒子径が大きくと
も100メッシュパスの金属以外の無機系充填剤(以下
単に充填剤と総称する)とは、公知の物を使用してよ
く、特に制約は無く、以下の物が代表的である。
【0010】無機質系の充填剤としては、例えば、チタ
ンホワイト、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリ
カ、コロイダルシリカ、アルミナ、ガラス粉、微小砂
粉、カーボンブラック、酸化鉄、鉛白、鉛丹、群青、紺
青、酸化コバルト、チタンブラック、ストロンチウムク
ロメート、ジンククロメート、鉄黒、モリブデン赤、モ
リブデンホワイト、エメラルドグリーン等がある。好ま
しくはその粉体粒径が100μ以下、特に好ましくは3
5μ以下の微粉体が好ましい例である。白色目地材用に
はチタンホワイトやシリカ、タルク、炭酸カルシウム等
を用いる事が特に好ましい。本発明では前記無機系充填
剤に以下の有機質系の充填願料を少量併用使用しても良
く、その有機質系の充填願料としては、エマルション重
合法や懸濁重合法によって得られた粒径5μ以下のポリ
アクリル酸エステルやポリスチレン等のポリマービー
ズ、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、イソインドリ
ノン系色素、アニリン系色素等があげられる。(E)粒
子径が大きくとも100メッシュパスの銀粉、銅粉と
は、例えば電解法やホルマリン還元法で得た銀粉や銅粉
やその他亜酸化銅粉があり、球状(アトマイズ粉)、樹
枝状(電解還元粉)、鱗片状(スタンプ粉)などの微細
粉が挙げられる。前記充填剤及び/又は銀粉または銅粉
量は、ホットメルト目地材中の前記熱可塑性樹脂100
重量部に対し、50〜250重量部の範囲で配合する事
が良く好ましくは150〜200重量部の範囲の好まし
い。その理由は溶融塗布後の固化縮化率が小さく出来、
充填完了後の耐クラック性がかなり高い事からである。
特に(E)の銀または銅粉は好ましい防カビ剤としての
作用効果が同時に発揮できる事から大いに好ましい。前
記、(D)およびまたは(E)の量が50重量部(3
3.5重量%以下)と低い場合はキズ防止性や耐クラッ
ク性に欠けるきらいがあるからである。一方、250重
量部を越えた(71.5重量%)配合では常圧開放系で
溶融ノズル吐出・塗布充填する目地材として供する場
合、140〜180℃の溶融塗布粘度がB型粘度計測定
値で3万センチポイズ以下の低粘度型目地材とはなら
ず、細幅目地の深部充填作業適性に欠けるからである。
【0011】本発明では、前記(D)及び/又は(E)
をホットメルト目地材の主要成分として使用する事の理
由は、前記した様に、目地材の固化収縮率の緩和または
色相調製と共にメジ材の防カビ性に欠かせないからであ
る。本発明のホットメルト目地材の取扱上の形態には特
に制約は無く、ペレット、ブロック、スティック、粉
体、フィルム、ペール缶充填等の形態とする事で良い。
また、その140〜180℃の溶融粘度は、特に制約す
る物では無いが、B型粘度計の低回転ズリ速度を与えた
条件下の溶融粘度で、高くとも3万センチポイズ以下好
ましくは1.5万センチポンズ以下、特に好ましくは6
千センチポイズ以下とする、低粘度目地材とする事が好
ましい。また本発明のホットメルト目地材中には、すで
に公知の、有機防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
紫外線安定剤、シランカップリング剤、有機チタネート
系カップリング剤、軟化剤(オイルや液状樹脂等の可塑
化剤)、チクソ性付与剤、有機ゲル化剤、結晶促進剤等
の各種添加剤を併用する事は何等問題ない。特に本発明
の目地材に好ましく使用できる有機防カビ剤としては、
熱安定性に優れる以下の公知のものを使用してよく、例
えば有機スズ化合物やその他10,10’−オキシフェ
ノキシアルシン、2−メトキシカルボニルアミノベンゾ
イミダゾールなどのプリベントール系防カビ剤が挙げら
れる。これらの少なくとも1種を0.01〜5重量部の
範囲で使用する事がホットメルト目地材の長期防カビ性
を発揮させる上で好ましい。有機錫化合物の例ではビス
(トリ−n−ブチルスズ)オキサイド、トリブチルスズ
ラウレートがある。特に本発明では色相や不揮発性の点
から上記有機スズ化合物や2−メトキシカルボニルアミ
ノベンゾイミダゾールが良い例である。一方、すでに公
知の有機防カビ材にはヨウ素ホルマールやヨードプロパ
ギル誘導体なども知られているが、極めて熱安定性に問
題が有り、本発明の防カビ剤としてはあまり好ましい例
ではない。
【0012】無添加では特にトリコデルマ菌やフザリウ
ム菌、ペスタロチア菌などの長期間に渡るカビ発生防止
がやや不完全であり、従って前記した菌類の防カビ性の
点からは前記有機防カビ剤を併用使用する事が有効であ
る。本発明のホットメルト目地材を、タイルパネル等の
隙間目地部に常圧開放系で溶融ノズル吐出・塗布充填す
る場合、公知のホットメルトアプリケーターやロボット
を介して行なって良く、本発明のホットメルト目地材の
塗布加工装置(アプリケーターシステム)に関して制約
は無い。一般的には、溶融タンク内蔵のホットメルトア
プリケーターの溶融槽中で目地材を前持っておおよそ1
40〜220℃の溶融温度で加熱溶融し、必要量を瞬時
にまたは定量的に吐出供給出来るアプリケーター装置を
用意する事で良い。公知のホットメルトアプリケーター
としては、その吐出機構種で分類した例では、ギャーポ
ンプ式、ニーダー・ルーダー式、エアーポンプ式、常圧
タンク式、吸引式等が採用できる。また、簡易手動ハン
ドガンや真空型(脱泡型)アプリケーター等の採用も良
い。また、軟化点温度より高くとも10℃以下にあらか
じめ被充填物を予熱した状態でホットメルト目地材を常
圧開放系で溶融ノズル吐出・塗布充填する等の方法も好
ましい方法である。また本発明の前記ホットメルト目地
材は、ユニットバス用タイルパネル等で代表される、工
場で生産されるユニット式タイルパネルの目地施工を
(成型型等を使用しない)いわゆる常圧開放系で目地隙
間塗工充填する工法に、最も好ましい目地材であると考
えている。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示すが、発明を制約する物で
無く、例中記載の部または%とはそれぞれ重量部、重量
%を表す。 実施例1.エチレン−プロピレン樹脂である商品名JS
R EP−11の2.5部、タッキファイヤーとして、
透明水添ロジングリセリンエステル樹脂として荒川化学
社製品のKE−311の60部、ワックスとして、軟化
点温度113℃でワックス単独140℃B型溶融粘度が
20センチポイズの低密度ポリエチレンワックスの3
7.5部、充填材として、チタンホワイトの15部、2
00メッシュパスの重質炭酸カルシウムの180部、平
均粒子径が2ミクロンのアトマイズ銀粉を5部をそれぞ
れ完全に180℃の温度で溶融混練し、白色のホットメ
ルト目地材(1)を得た。
【0014】ホットメルト目地材(1)の160℃のB
型溶融粘度は1万〜1.2万センチポイズであり、軟化
点温度は約106℃であった。また、予め幅2.5mm
の目地幅を持たせる様に、厚さ5mm、幅10cm角の
白色陶器性タイルを珪酸カルシウム板に貼り合わせた1
m角のタイル貼りパネルを2枚用意した。一枚は全体の
パネル予熱温度が60〜80℃となるようにし、他の一
枚は充分予備乾燥後室温まで冷却し状態とした。次いで
それぞれのパネルに、ホットメルト目地材(1)を18
0℃セットのホットメルトハンドガンにて溶解し、2m
mφのレズル先端より吐出させ、パネルを常圧開放状態
で隙間目地部に連続塗布した。塗布と同時または塗布完
了後に、塗布充填完了された目地部の半固化状態の目地
材に対し、タイル平面よりはみ出した部分を凹形のかき
とり用加熱治具をあてて取除き平面仕上を実施した。そ
れぞれのパネルの目地部の深部充填性は、ホットメルト
目地材(1)が充分珪酸カルシウム板平面附近まで達し
ており、充填作業性は問題なかった。施工後のパネルを
1日放置後、目地外観を観察した結果、両者パネルとも
なんらクラック等の発生は見当らず、発泡痕なども観察
されなかった。また更に同パネル両端部を固定しパネル
中心部の変位量として3mm程度の変形荷重を数回与え
た後の状態観察の結果で、数本のクラックが発生したが
程度は軽度であり問題のレベルではなかった。施工後の
パネルを室温で5日室内に放置後、35℃/90%湿度
の状態で5ケ月間放置後取り出したパネルの目地部には
何等カビ等の発生は認められなかった。また、目地材の
硬度はショアーD測定値で52〜54を示し耐傷性に富
んだ、可撓性にも富む目地材であった。
【0015】実施例2.スチレンマクロモノマーとして
商品名ケムリンク4500を10%とメタアクリル酸1
%を共重合した重量平均分子量が約6万のポリブチルア
クリレート系アクリルゴムを2.5部と、両末端スチレ
ンブロック樹脂として、スチレン−エチレン−ブチレン
−スチレン樹脂である商品名タフテックH−1031の
10部、タッキファイヤーとして、透明水添シクロペン
タジエン樹脂として商品名エスコレッツ5300の40
部、ロジングリセリンエステル樹脂として商品名ロジン
エステルKE−311の10分、ワックスとして軟化点
温度113℃でワックス単独140℃B型溶融粘度が2
0センチポイズの低密度ポリエチレンワックスの25部
と融点85℃のミクロクリスタリンワックスの12.5
分、充填材として、チタンホワイトの15部、100メ
ッシュパスの重質炭酸カルシウムの185部、ビス(ト
リ−n−ブチルスズ)オキサイドを1部をそれぞれ18
0℃の温度で溶融混練し、白色のホットメルト目地材
(2)を得た。ホットメルト目地材(2)の160℃の
B型溶融粘度は2.1万〜2.3万センチポイズであ
り、軟化点温度は約102℃であった。実施例1と同様
に、予め幅2.25mmの目地幅を持たせる様に、厚さ
5mm、幅10cm角の白色陶器性タイルを珪酸カルシ
ウム板に貼り合わせた1m角のタイル貼りパネルを1枚
用意し、充分予備乾燥後、室温まで冷却したパネルで以
下の施工をした。ホットメルト目地材(2)を180℃
セットのホットメルトハンドガンにて溶解し、レズル径
が1mmφの先端レズルより吐出させ、(パネルは常圧
開放状態)隙間目地部に連続塗布した。塗布と同時また
は塗布完了後に、塗布充填完了された目地部の半固化状
態の目地材に対し、目地幅と同等サイズの凹形150℃
加熱治具をあてて、目地平面仕上を実施した。施工の結
果、ホットメルト目地材(2)が充分珪酸カルシウム板
平面附近まで達しており、充填作業性は良好と判明し
た。施工後のパネルを5日間放置後、目地外観を観察し
た結果、なんらクラック等の発生は見当らず、パネル片
方端部を固定し、一方の端面変位量で5mm程度の繰返
し変形荷重を2回与えた後の状態観察の結果で、タイル
目地材表面の変化は殆ど観察されなかった。施工後のパ
ネルを室温で5日室内に放置後、35℃/90%湿度の
状態で3ケ月間放置後取り出したパネルの目地部には、
何等カビ等の発生は認められなかった。また、目地材の
硬度はショアーD測定値で46〜50を示し耐傷性に富
んだ、可撓性にも富む目地材であった。
【0016】実施例3.エチレン−プロピレン樹脂であ
る商品名JSR EP−43の0.1部、タッキファイ
ヤーとして、透明水添ロジングリセリンエステル樹脂と
して荒川化学社製品のKE−311の95部、ワックス
として、軟化点温度113℃でワックス単独140℃B
型溶融粘度が20センチポイズの低密度ポリエチレンワ
ックスの4.9部、充填材として、チタンホワイトの1
5部、200メッシュパスの重質炭酸カルシウムの18
5部をそれぞれ完全に180℃の温度で溶融混練し、白
色のホットメルト目地材(3)を得た。ホットメルト目
地材(3)の160℃のB型溶融粘度は0.7万センチ
ポイズ台であり、軟化点温度は約92℃であった。ま
た、実施例2と同様に、予め幅2mmの目地幅を持たせ
る様に、厚さ5mm、幅10cm角の白色磁器質タイル
を珪酸カルシウム板に貼り合わせた1m角のタイル貼り
パネルを1枚用意して実施したホットメルト目地材
(3)の隙間目地充填結果は以下の通りであった。目地
部の深部充填率は、充分珪酸カルシウム板平面附近まで
達しており、98%以上であり、充填作業性は良好であ
った。施工後のパネルを1日放置後、目地表面外観を観
察したがなんらクラック等の発生は見当らず、発泡痕な
ども観察されなかった。また更にパネル両端部を固定し
パネル中心部の変位量として3mm程度の変形荷重を数
回与えた後の状態観察の結果で、数本のクラックが発生
したが程度は軽度であり問題のレベルではなかった。施
工後のパネルを室温で5日室内に放置後、35℃/90
%湿度の状態で3ケ月間放置後取り出したパネルの目地
部には、何等カビ等の発生は認められなかった。また、
目地材の硬度はショアーD測定値で45〜44を示し、
溌水性の有る耐汚染防止性に富む目地材であった。
【0017】実施例4.両末端スチレンブロック樹脂と
して、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン樹脂で
ある商品名タフテックH−1031の2.5部、タッキ
ファイヤーとして、透明水添シクロペンタジエン樹脂と
して商品名エスコレッツ5300の20部、ロジングリ
セリンエステル樹脂として商品名ロジンエステルKE−
311の7.6部、ワックスとして軟化点温度113℃
でワックス単独140℃B型溶融粘度が20センチポイ
ズの低密度ポリエチレンワックスの44.9部と融点8
5℃のミクロクリスタリンワックスの25部、充填材と
して、粒子径が3ミクロン前後のアトマイズド銀粉の1
5部、100メッシュパスのヒドロキシ桂皮酸で酸化防
止処理された樹枝状還元銅粉の225部をそれぞれ完全
に窒素気流中180℃の温度で溶融混練し、銅色のホッ
トメルト目地材(4)を得た。ホットメルト目地材
(4)の160℃のB型溶融粘度は1.1万センチポイ
ズ台であり、軟化点温度は約97℃であった。実施例2
と同様に、予め幅2.25mmの目地幅を持たせる様
に、厚さ5mm、幅10cm角の白色磁器質タイルを珪
酸カルシウム板に貼り合わせた1m角のタイル貼りパネ
ルを1枚用意して室温下で以下の施工をした。ホットメ
ルト目地材(4)を180℃セットのホットメルトハン
ドガンにて溶解し、レズル径が1mmφの先端レズルよ
り定量吐出させ、(パネルは常圧開放状態)隙間目地部
に連続塗布した。塗布に際してはパネルを200ヘルツ
の上下振動をパネル全体に与えながら塗布充填した。施
工の結果、ホットメルト目地材(2)が充分珪酸カルシ
ウム板平面附近まで完全に達しており、充填作業性は極
めて良好と判明した。施工後のパネルを5日間放置後、
目地外観を観察した結果、なんらクラック等の発生は見
当らず、パネル片方端部を固定し、一方の端面変位量で
5mm程度の繰返し変形荷重を2回与えた後の状態観察
の結果で、タイル目地材表面の変化は殆ど観察されなか
った。施工後のパネルを室温で5日室内に放置後、35
℃/90%湿度の状態で1年間放置後取り出したパネル
の目地部には何等カビ等の発生は認められなかった。ま
た、目地材の硬度はショアーD測定値で48〜50を示
し耐傷性に富み可撓性にも優れた目地材であった。
【0018】実施例5.常温のJIS−A硬度が49度
であるエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂として
商品名エバフレックスEEA A−709を3部、常温
のJIS−A硬度が65度であるエチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂として商品名エバフレックス210を5部、
酸変性脂肪属粘着付与剤である日本ゼオン社製品:クイ
ントンC−200Sの5部、水添テルペン系粘着付与剤
として商品名クリアロンP−115の55部、融点87
℃の2−ヒドロキシエチルテレフタレートの2ベヘニン
酸エステル化誘導合成ワックスの32部、充填剤として
チタンホワイトの10部、カーボンブラックの0.25
部、#200メッシュパスの炭酸カルシウムの100
部、平均粒子径が5ミクロンのフレーク状銀粉の50
部、コロイダルシリカの2部を180℃の温度で溶融混
練し、グレー色のホットメルト目地材(5)を得た。ホ
ットメルト目地材(5)の180℃のB型ブルックフィ
ールド溶融粘度計のローターNo.29で20回転粘度
は約2.4万センチポイズであり、軟化点温度は約93
℃であった。前記実施例2と同様に準備したタイル貼り
パネルの目地部の隙間に、前記ホットメルト目地材
(5)を実施例2と同様にして目地施工を実施した。そ
の結果、目地隙間率はおおよそ85〜90%の空間充填
率であり、ホットメルト目地材表面のショアーD硬度は
45〜47であった。目地充填表面の外観は気泡痕など
の異常は無く、光沢性の高い仕上りであった。施工後の
パネルを室温で5日室内に放置後、35℃/80%湿度
の状態で1年間放置後取り出したパネルの目地部には何
等カビ等の発生は認められなかった。また、目地部充填
固化後の5日後の観察ではクラック発生は極めて軽度で
あった。また、ホットメルト目地材(5)単独の厚さ5
mm幅10mm長さ100mmの固形物はかなり可トウ
性に富み、両端部の変位量を2mm以内で繰返し曲げ応
力を与えても破壊しない、耐久性(曲げ耐クラック性)
に富む目地材であった。
【0019】実施例6.実施例1で使用したベース樹脂
成分を、全量商品名セプトン2002の19.5部と
し、増量分の19部は粘着付与剤を同量減らした以外は
同様にして、白色のホットメルト目地材(6)を得た。
ホットメルト目地材(6)の180℃のB型ブルックフ
ィールド溶融粘度計のローターNo.29で20回転粘
度は約2.7万センチポイズであり、軟化点温度は約1
09℃であった。前記実施例2と同様に準備したタイル
貼りパネルの目地部の隙間に、前記ホットメルト目地材
(6)を実施例2と同様にして目地施工を実施した。そ
の結果、目地隙間率はおおよそ85〜90%の空間充填
率であり、ホットメルト目地材表面のショアーD硬度は
55〜58であった。目地充填表面の外観は気泡痕など
の異常は無く、全くクラックの発生が無い仕上りであっ
た。施工後のパネルを室温で5日室内に放置後、35℃
/80%湿度の状態で1ケ月間放置後取り出したパネル
の目地部には、何等カビ等の発生は認められなかった。
また、目地部充填固化後の−10℃/5時間、室温放置
1時間、50℃/5時間のサーモサイクル試験の3サイ
クル観察では目地剤表面のクラック発生はタイル一枚当
りの周辺部の観察結果で1本以下と極めてごく僅かであ
った。また、ホットメルト目地材(6)単独の厚さ5m
m幅10mm長さ100mmの固形物はかなり可トウ性
に富み、両端部の変位量を2mm以内で繰返し曲げ応力
を与えても破壊しない、耐久性(曲げ耐クラック性)に
富む目地材であった。
【0020】比較例1.白色セメントと微細アルミナ粉
体を1:2の比率で配合した水系のセメント目地材を実
施例1に示したと同様な白色タイルを貼ったパネルの目
地形成溝に対し、塗りコテを用いて隙間充填し、余分に
付着した目地材およびタイル表面付着目地材を湿潤スポ
ンジで拭取って目地加工充填作業を行なった。加工終了
後のパネルを室温で放置し3日間硬化養生を行なった。
このパネルを35℃/飽和湿度85%の状態に1ケ月放
置したものは黒カビや青カビの発生がかなり見られた。 比較例2.ベースポリマーとして、JIS−Aの硬度が
65のエチレン−酢酸ビニル樹脂である商品名エバフレ
ックスEVA 210(酢酸ビニル28%含有)の50
部と、タッキファイヤーとして水添ロジンエステルであ
るスーパーエステルA−125の20部と、更に融点1
25℃の高密度ポリエチレンワックス:ハイワックスP
−200の30部、チタンホワイトの30部、ホワイト
タルクの150部を180℃の温度で溶融混練して調製
した白色のホットメルト目地材(イ)は、180℃で極
めて高チクソ性の組成物であり、無剪断放置溶融状態で
は全く流動性が得られない組成物であった。実施例2で
示したタイル貼りパネルに対し、180℃のホットメル
トハンドガンタイプのアプリケーターで強引に吐出充填
させたが、充填率は30%を欠く結果であり、目地信頼
性が全く無い物であった。
【0021】比較例3.エチレン−エチルアクリレート
樹脂であるエバフレックスEEA A−703の5部
と、高密度ポリエチレンワックスとして商品名ハンワッ
クス200Pの95部、チタンホワイトの5部、200
メッシュパスの炭酸カルシウムの20部を180℃の温
度で溶融溶解混練し、白色のホットメルト目地材(ロ)
を得た。得られたメルト(ロ)のB型粘度計測定値は1
60℃で4500センチポイズと低粘度目地材であっ
た。実施例2と同様にしておこなった目地充填加工品
は、充填率は良好であったが、完全固化後のタイル目地
表面の観察で、タイルエッジ部やタイルとの接着界面附
近に無数のクラックが発生している事が観察された。ま
た、単独の厚さ5mm幅10mm長さ100mmの固形
物は全く可トウ性に欠け、両端部の変位量を2mm以内
で繰返し曲げ応力を与えると容易に折れ破壊した。従っ
て耐久性(曲げ耐クラック性)に欠ける目地材であっ
た。ホットメルト目地材(ロ)はショアーD硬度で65
以上と硬い性質を示し耐キズ性や防カビ性にたけた性質
は有る事が判明したが耐クラック性に問題がある目地材
であった。 比較例4.エチレン−酢酸ビニル樹脂であるエバフレッ
クス#410の5部と、脂肪族酸変性粘着付与剤として
商品名マルカレッツR−100Bの95部、チタンホワ
イトの5部、200メッシュパスの炭酸カルシウムの1
50部を180℃の温度で溶融溶解混練し、白色のホッ
トメルト目地材(ハ)を得た。得られたメルト(ハ)の
B型粘度計測定値は160℃で0.5万センチポイズ台
と低粘度目地材であった。実施例2と同様にしておこな
った目地充填加工品は、充填率は良好であったが、完全
固化後のタイル目地表面の溌水性が小さく水あかが付着
しやすく耐汚染性に欠ける結果であった。また、単独の
厚さ5mm幅10mm長さ100mmの固形物は全く可
トウ性に欠け、両端部の変位量を2mm以内で繰返し曲
げ応力を与えると容易に折れ破壊した。従って耐久性
(曲げ耐クラック性)に欠ける目地材であった。
【0022】比較例5.片末端スチレンブロック樹脂と
して、スチレン−エチレン−プロピレン樹脂である商品
名クレイトンG−1701の25部、ブチルゴムである
商品名JSR365の2部、タッキファイヤーとして、
透明ロジンのグリセリンエステル樹脂として荒川化学社
製品のKE−311の34部、ワックスとして軟化点温
度145℃でワックス単独160℃B型溶融粘度が70
センチポイズのポリプロピレンワックスの39部、充填
材として、チタンホワイトの15部、200メッシュパ
スの重質炭酸カルシウムの185部をそれぞれ180℃
の温度で溶融混練し、白色のホットメルト目地材(ニ)
を得た。ホットメルト目地材(ニ)の160℃のB型溶
融粘度は10万センチポイズを越える粘度であり、軟化
点温度は約132℃であった。実施例2記載と同様にし
て行なった前記ホットメルト目地材(ニ)の充填結果
は、目地空間充填率で50%以下と低く、深部充填作業
性が不十分であった。しかし、このホットメルト目地材
(ニ)を使用する場合は、予備加熱パネル温度が最低で
も100℃以上を確保すると同時に被着体に振動を与え
てやる工夫が必須条件で、その場合のみ充填率が向上す
る事が判明した。110℃の予備加熱を行なって得た施
工後のパネルは、室温冷却後、−10℃/5時間、室温
放置1時間、50℃/5時間のサーモサイクル試験の3
サイクル観察では目地剤表面のクラック発生はタイル一
枚当りの周辺部の観察結果で20本以上と極めて可撓性
に欠ける結果であった。また、ホットメルト目地材
(ニ)単独の厚さ5mm幅10mm長さ100mmの固
形物はかなり可撓性に欠け、両端部の変位量を2mm以
内で繰返し曲げ応力を与えると亀裂を発生する耐久性
(曲げ耐クラック性)に欠ける目地材であった。
【0023】
【発明の効果】タイルの目地施工に際し、常圧開放系で
目地隙間充填性に優れた目地材として実施例から明らか
なように、本発明のホットメルト目地材は優れた目地充
填作業適性を発揮し、かつ防カビ性と高速短時間充填が
可能な省力化型目地材であり、優れた可撓性を有志大型
タイルパネルの変形繰返し応力に追従する性能を発揮す
る事が特徴的である。仕上り外観の美しさと同時に、耐
汚染性(溌水特性)や耐キズ防止(耐久性)を示す事も
合せて特徴として挙げる事が出来る。一方、比較例1か
らも明らかなように、従来工法のセメント目地を用いた
場合にはカビの発生がかなり短時間に発生する問題を有
している。また、比較例2〜5に示した様に本発明の範
囲を越えたホットメルト組成物では常圧開放系で目地隙
間充填性に優れた目地材とはならず問題であった。本発
明の目地材は装飾タイル貼りパネル製造市場に於いて好
ましい省力型目地材として実用性が高いと判断される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常圧開放系で目地隙間充填を行なう際の
    樹脂系目地材として下記(A)〜(C)からなる熱可塑
    性樹脂組成物の100重量部に対し、下記(D)及び/
    又は(E)の50〜250重量部を含有してなる事を特
    徴とするホットメルト目地材。 (A)JIS−A硬度が室温で20〜80の熱可塑性樹
    脂の0.1〜20重量% (B)粘着付与剤の30〜95重量%。 (C)180℃、B型粘度計による単独の溶融粘度が2
    00センチポイズ以下であるワックスの1〜69.9重
    量%。 (D)平均粒子径が高くとも100メッシュパスの金属
    以外の無機系充填剤。 (E)平均粒子径が高くとも100メッシュパスの銀及
    びまたは銅粉。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)が、下記(イ)〜
    (ヘ)から選ばれた1種または2種以上の樹脂を使用す
    る事を特徴とする請求項1記載のホットメルト目地材。 (イ)両末端スチレンブロックコポリマー (ロ)エチレン−プロピレン共重合樹脂 (ハ)エチレン−ブテン共重合樹脂 (ニ)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 (ホ)エチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂 (ヘ)ポリアクリル樹脂
  3. 【請求項3】 粘着付与剤(B)が、水添石油樹脂、透
    明ロジンエステル、脂肪族石油樹脂から選ばれた1種ま
    たは2種以上の混合物であり、かつ、軟化点が80〜1
    20℃の温度範囲にあることを特徴とする請求項1記載
    のホットメルト目地材。
  4. 【請求項4】 ワックス(C)が、パラフィンワック
    ス、ミクロクリスタリンワックス等の石油ワックス、ポ
    リエチレンワックス及び/又はその酸変性ポリエチレン
    ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリプ
    ロピレンワックス及び/又はその酸変性ポリプロピレン
    ワックス、アミドエステルワックス、ポリエステルオリ
    ゴワックス等から選ばれた1種または2種以上の混合物
    であり、且つ軟化点温度または融点が65℃以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のホットメルト目地材。
  5. 【請求項5】 目地材が、140〜180℃の溶融塗布
    粘度がB型粘度計測定値で3万センチポイズ以下である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかのホットメル
    ト目地材。
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