JPH06196134A - 色または色温度を修正した白熱光源 - Google Patents

色または色温度を修正した白熱光源

Info

Publication number
JPH06196134A
JPH06196134A JP23040293A JP23040293A JPH06196134A JP H06196134 A JPH06196134 A JP H06196134A JP 23040293 A JP23040293 A JP 23040293A JP 23040293 A JP23040293 A JP 23040293A JP H06196134 A JPH06196134 A JP H06196134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filament
light
color
interference filter
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23040293A
Other languages
English (en)
Inventor
John Martin Davenport
ジョン・マーティン・ディブンポート
Richard Lowell Hansler
リチャード・ロウエル・ハンスラー
Thomas G Parham
トーマス・ジーン・パーハム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by General Electric Co filed Critical General Electric Co
Publication of JPH06196134A publication Critical patent/JPH06196134A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 色または色温度を修正した白熱光源を提供す
る。 【構成】 第1および第2焦点20,21を有するだ円
体形状の光透過性エンベロープ12およびその内部に配
置した白熱フィラメント14を含む。フィラメントは第
1および第2焦点間に正確に心合せ関係で配置される。
エンベロープの外面は、可視光の一部を含む望ましくな
い光線のほぼすべてを反射してフィラメントに戻す作用
をなす干渉フィルタ16で被覆される。フィラメントは
望ましくない光線を吸収し、これにより望ましくない光
がフィラメント管から漏れ出て不均一な光出力を生じる
原因となるエンベロープ内での光跳ね返り効果を回避
し、所望の色出力を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般に色または色温
度を修正した白熱電球、特に、均一な色または色温度の
所望の光を生成するように干渉フィルタで被覆した白熱
フィラメント管に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁放射スペクトルの特定部分からの光
線、たとえば紫外線、可視光および赤外線を選択的に反
射したり透過したりするのに、干渉フィルタを用いるこ
とができる。色フィルタリングの考えは、ランプ工業に
おいて光源の色を変えるために広範に採用されている。
干渉フィルタを用いて、光源が発する光線の長波長部分
だけを反射することにより、光源の色温度を上げること
もできる。色温度を上げるか、特定の色を生成するため
に色フィルタリングを用いる基本概念自体は簡単である
が、フィルタ作用はいろいろな方法で達成することがで
きる。色フィルタリングを達成する1つの方法として、
ドーパントを用いてガラスまたはプラスチック材料を着
色する方法がある。このようにして、ガラスエンベロー
プを着色するか、反射型電球の場合ランプのレンズを着
色する。たとえば、ガラスハロゲン白熱光源にアルミナ
−シリケート青ガラスを用いて青色光を放出している。
カドミウム顔料を用いて自動車用前照灯に黄色を生成し
ている。これらの顔料をフィルタとして用いるのは比較
的安価であるが、これには大きな欠点がある。光出力と
して透過されない光線をエンベロープまたはレンズで吸
収しなければならず、それが熱として消散されるので、
ランプ効率が悪い。第二に、環境保全の観点から、鉛お
よびカドムウム含有顔料の使用を減らすか実質的になく
すことが重要である。
【0003】エネルギー節約型ランプや環境的に安全な
製品に対する法律が増加するにつれて、薄い光学的皮膜
(コーティング)が色フィルタリングのための良好な代
替技術となっている。これらの薄い光学的皮膜は、干渉
フィルタと呼ばれ、屈折率の異なる2つ以上の材料の層
を交互に配置してなり、当業者によく知られている。こ
のような皮膜をランプエンベロープ、反射器表面または
レンズに被着して、光源から放出される光の特定の色成
分を選択的に反射することができる。米国特許第4,8
70,318号に記載されたプロジェクタランプは、白
熱フィラメント管、レンズおよび特定の色を選択的に反
射するように設計された干渉フィルタで被覆された反射
器(リフレクタ)を備える。干渉フィルタの交互の層の
厚さや数を変えることにより、被覆設計したがって放出
される色を選択する。米国特許第5,017,825号
に開示された白熱電球(バルブ)では、バルブの外面を
干渉フィルタで被覆して、黄色光を放出させるととも
に、青色光を反射する。バルブは円筒形フィラメント管
の内側に2つのフィラメントと小さな光シールドを有す
る。この用途には、フィラメント管を被覆する方が安い
ので、反射器を被覆するより好適である。フィラメント
管は反射器と較べて寸法がはるかに小さいので、浸漬被
覆、蒸着、スパッタリング、または化学蒸着(CVD)
により、多数のフィラメント管を同時に被覆することが
できる。その上、望ましくない光線を反射するのに干渉
フィルタを用いるこのような白熱電球は、望ましくない
光を吸収するのにドープしたガラスを用いる電球より効
率がよい。
【0004】可視光線の一部分を透過し、不所望の可視
光線を反射して着色光を生成する代わりに、干渉フィル
タを用いて、赤外線のみを反射し、可視光線のすべてを
透過することによりランプのエネルギー効率を改良する
ことも行われている。米国特許第4,535,269号
には、ほぼだ円体形の内側エンベロープに干渉フィルタ
を設けて赤外線を内部のフィラメントに向けて反射する
ようにした汎用白熱電球が記載されている。このような
ランプは、フィラメントに戻された赤外エネルギーがフ
ィラメントを加熱するので、所定の光出力にてランプを
点灯するのに必要な電気エネルギーを節約するのに有効
である。
【0005】実際、米国特許第5,017,825号に
記載の二色性被覆バルブも不均一な色出力を生成するこ
とが確認された。バルブの設計および光学系が、ビーム
に変色を生成し、フィラメント像の投射ビームパターン
に多少の色分解を生成する。ビームの変色とフィラメン
ト像の投射ビームパターンの色分解は、目に不快である
ので、製品として許容できない。その上、前述した米国
特許第5,017,825号のバルブの設計から得られ
る色修正は、干渉フィルタ皮膜から予想されるのより少
ない。これは、フィラメント管の幾何形状が円筒形であ
るせいで、不要な光の大部分がフィラメント管から漏れ
出るからである。
【0006】黄色光を透過することに加えて、前記米国
特許第5,017,825号に記載のバルブは、ビーム
に青色グレアとして視認される若干の青色光を放出し、
これがビームの変色の原因となる。透過された青色光も
投射ビームパターンに、フィラメントの一次黄色像から
大きくずれた二次青色像として見えるようになり、フィ
ラメントの二重視覚効果を生成する。かくして青色二次
像が投射ビームパターンに色分解を生じる。望ましくな
い青色グレアには二つの発生源がある。一つの原因は、
法線から遠い角度で管から漏れ出る青色光である。周知
のように、干渉フィルタの反射スペクトルは法線からは
ずれた角度で短波長側にシフトする。フィラメント管に
法線から遠い角度で当たり、漏れ出るこのような光は、
フィラメントが発する光や、フィラメント支持部材で散
乱された光もあるが、それは主として、干渉フィルタに
より反射されて、フィラメント管に法線から遠い角度で
当たる光である。この反射光はフィラメント管内部で、
干渉フィルタを透過するまで何度も跳ね返り(バウン
ス)、干渉フィルタを透過すると、青色グレアを生成
し、したがってビームに変色をもたらす。望ましくない
色のもう一つの原因は、干渉フィルタの曇りのために散
乱された青色光である。すべての干渉フィルムは多かれ
少なかれ曇り度を有するが、干渉フィルタにより反射さ
れた望ましくない色を吸収するように設計されていない
ランプにとって、散乱効果は一層有害である。これらの
二つの青色光発生源がグレアとなる。この例では、望ま
しくない青色光の第3の発生源は、被覆フィラメント管
の一方の壁から直接反射された光、すなわちフィラメン
トに当たらずに反対側の壁に垂直に入射して通過する光
である。干渉フィルタは通常、垂直な入射であってもあ
る程度の透過を許す。垂直な入射で透過される望ましく
ない光の量は、干渉フィルタの設計に依存するが、この
場合約5%である。フィラメントの位置がフィラメント
管の中心からはずれていると、青色二次像が生じ、これ
が光源の投射ビームパターンに色分解をもたらす。
【0007】ビームの変色と投射ビームパターンの色分
解をなくして、均一な色を放出する二色性被覆白熱フィ
ラメント管を得るのが望ましい。このことは、フランス
市場で必要とされている、色の均一な、効率のよい、カ
ドミウムを含まない黄色前照灯を製造する代替方法とな
る。他の用途としては、集虫ランプのような、一般照明
用の高度着色白熱電球がある。さらに別の用途では、干
渉フィルタを用いて白熱フィラメント管の色温度を上
げ、放電光源の色温度と一致させることができ、こうし
て均一な色の高輝度ランプを提供する。このような高輝
度白熱ランプは、舞台スタジオ照明、商品展示などに用
いることができる。このようなランプは、スタジオ照明
に必要な高輝度を与えることができるとともに、商品展
示照明において放電灯とうまく配合させることができる
集束光源を提供する。
【0008】
【発明の目的】この発明の目的は、種々の照明用途に用
いるのに適当な均一な色のビームおよび/または投射ビ
ームパターンを生成する干渉フィルタ被覆白熱フィラメ
ント管を提供することにある。特に、この発明の目的
は、反射された可視光のほぼすべてがフィラメントに差
し向けられて、そこで吸収されるように、正確に心合せ
されたフィラメントを有するフィラメント管形状を提供
することにある。この発明の他の目的は、フィラメント
管の光跳ね返り作用を軽減して、グレアしたがってビー
ムの変色を生じる機会を最小限に抑えることのできるよ
うなフィラメント管形状およびフィラメント心合せを提
供することにある。この発明のさらに他の目的は、フィ
ラメントの二次像の形成をなくして投射ビームパターン
の色分解をなくすことのできるようなフィラメント管形
状およびフィラメント心合せを提供することにある。
【0009】
【発明の概要】この発明は、種々の照明用途に用いるの
に適当な所望の色または色温度の均一な着色光を生成す
るための、干渉フィルタで被覆した白熱フィラメント管
を提供する。フィラメント管形状およびフィラメントの
心合せに応じて、二色性被覆白熱フィラメント管では、
光ビームに変色が生じ、投射ビームパターンに色分解が
生じ得る。この発明は、だ円体形のフィラメント管を提
供し、そのだ円体形フィランメント管の焦点間距離と同
じ長さのフィラメントを正確に管と心合せさせる。この
構成は、ビームの変色および投射ビームパターンの色分
解をなくして、均一な色の光出力を生じる。
【0010】この発明の1実施例態様では、だ円体形状
のフィラメント管と、屈折率の異なる2種以上の材料の
層を交互に配置した外側干渉フィルタと、フィラメント
管内に正確に心合せしたタングステンフィラメントとを
備える。干渉フィルタは、黒体発光曲線近くに留まりな
がら、可視スペクトルの長波長端を反射して、白熱光源
の色温度を上げるように設計することができる。干渉フ
ィルタは、フィラメントが発する可視光線の特定部分を
選択的に透過および反射して所望の色の光を生成するよ
うに設計することもできる。干渉コーティングは、酸化
タンタルとシリカ材料の3−100層の構成とするのが
好ましい。だ円体形状のフィラメント管は石英材料製と
するのが好ましく、だ円体の2焦点間に所定の距離を有
する。フィラメント線はだ円体の焦点間距離と同じ長さ
を有し、焦点間でだ円体形管の主軸に沿って正確に心合
せ(アラインメント)されている。このフィラメント管
形状およびフィラメント形状により、最大量の望ましく
ない光線を干渉フィルタにより反射して、フィラメント
に戻すことが可能になる。このようにして、望ましくな
い光は、フィラメント管の内部で何度も反射された後に
フィラメント管から漏れ出るのではなく、コーティング
からフィラメントへ戻されて、フィラメントで吸収され
る。光の漏れは、光線が管壁に直角な角度で当たる場合
には何度も跳ね返った後に生じ、また光線が法線から遠
い光線に角度で当る場合は最初の跳ね返りで生じ、ビー
ムの変色をもたらす。したがって、この発明によれば、
ビームの変色がなくなる。だ円体形フィラメント管の内
部にフィラメントを心合せすることは、投射ビームパタ
ーンに色分解を引き起こすフィラメントの二次像の形成
をなくすのに重要である。
【0011】
【実施例の説明】図1に示すこの発明の1実施例は、フ
ィラメント管12、白熱フィラメント14およびフィラ
メント管12の外面に設けた干渉フィルタ16を含む。
フィラメント管12はだ円体形状で、だ円体形フィラメ
ント管12の2焦点20,21間は所定の距離18にな
っている。フィラメント14はだ円体形フィラメント管
12の中心に位置する。干渉フィルタ16は、以下に詳
細に説明するように、この発明を適用することにより、
可視光の長波長部分の光を反射し、色温度を上昇させる
ように設計されている。図1のフィラメント管10は、
白熱電球のビームに変色を生ぜず、投射ビームパターン
に色分解をもたらさない所定の色または色温度の光出力
を達成する設計となっている。このような均一な色の電
球は種々の用途に望ましい光源となる。このフィラメン
ト管を使用すると、使用する干渉フィルタの設計に応じ
て、均一な色の着色白熱電球または高い色温度の白熱電
球を提供することができる。したがって、白熱電球に特
有の集束光源と、高輝度放電ランプに特有の高輝度(明
るさ)とをそなえた白熱電球を提供することができる。
【0012】図1のフィラメント管12は溶融石英材料
製で、ダブルエンドすなわち両端子型であるが、シング
ルエンドすなわち片端子型としてもよい。フィラメント
管12の寸法は、だ円体形フィラメント管12の焦点2
0と21間の距離18によって決まり、焦点間距離18
は特定の用途または必要に応じて変わる。フィラメント
管12のだ円体形状は、フィラメント管12の内面から
反射された光を、だ円体形フィラメント管12の焦点2
0−21間の距離18内の、フィラメント管12の軸線
22の部分の方に向けるという特性を有する。干渉フィ
ルタ16は、フィラメント14が放出する光線の特定部
分を透過して、所望の色または色温度の光を生成するよ
うに設計されている。フィラメント14はフィラメント
管12に適合するように設計されている。すなわち、フ
ィラメント14の長さとフィラメント管12の焦点20
−21間の距離18とは合致している(マッチング)。
フィラメント14はタングステン材料製であり、だ円体
形フィラメント管12の内部でうまく心合せされるよう
に配置されている。すなわち、フィラメント14は、だ
円体形管12の焦点20および21間で、実質的にフィ
ラメント管12の軸線22に沿って延在する。フィラメ
ント線14とフィラメント管12との心合せおよびマッ
チングを達成することにより、干渉フィルタ16が焦点
20−21間の距離18に向けて反射した光のほぼすべ
てを、フィラメント14が捕捉し、吸収する。さもない
と、フィラメント14に捕捉されなかった光はフィラメ
ント管内で何度も跳ね返り、最終的にはフィラメント管
から、通常大きな角度で逃げ出し、かくしてビームの変
色の原因となる。均一な色のビームを達成するために
は、この現象を回避する必要がある。したがって、反射
された光線を最大限に吸収することが、管内での望まし
くない光の多重跳ね返りの回数を少なくし、まぶしい光
(グレア)が出る可能性を最小限に抑えるのに有効であ
る。
【0013】フィラメント14をフィラメント管12内
で心合せすることにより、まぶしい光とともに投射ビー
ムパターンに色分解を生じる原因となるフィラメントの
二次像の生成をなくす。これは、ランプのエネルギー効
率も高める。戻されたエネルギーを、反射された赤外光
と同様にフィラメントの加熱に利用できるからである。
フィラメント支持線24および26がフィラメント管の
ピンチシールされた両端から普通の電源まで延在する。
【0014】この発明によるフィラメント管の形状およ
びフィラメントの心合せの重要性を以下の説明で明らか
にする。図2(a)は、フィラメントが心合せされてい
ない円筒形フィラメント管である。フィラメントはフィ
ラメント管の主軸線からずれている。下記の説明での干
渉フィルタは、黄色光を透過するが、青色光を反射する
従来の設計のものである。従来技術としての米国特許第
5,017,825号に記載された白熱電球は、シリカ
層と屈折率の比較的高い層とを交互に配置して構成され
た着色半透明干渉フィルタで被覆した円筒形エンベロー
プを有する。図2(b)は、図2(a)のフィラメント
管の投射ビームパターンの表示で、2つの異なる色のフ
ィラメント像を有するものとして示されている。図示の
暗い方の像は、透過黄色光により形成される一次像であ
る。図2(b)のもう一つの像は、フィラメント管から
漏れ出る反射(すなわち、望ましくない)青色光が形成
する二次像である。したがって、フィラメントの着色二
次像は、図2(b)に示すように投射ビームパターンに
色分解を生じる。青色二次像は、干渉フィルタを法線に
近い角度で透過した光とフィラメントの心ずれ(ミスア
ラインメント)とが組合わさって生じる。干渉フィルタ
は100%反射性ではないので、望ましくない青色光の
一部、この場合約5%が、入射が垂直か又は垂直に近い
各跳ね返りのたび毎に漏れ出る。図2(a)に示すフィ
ラメントの心ずれは、図2(b)の一次像と二次像の物
理的分離の原因である。図2(b)の一次像および二次
像を取り囲む拡散反射グレアは、干渉フィルタに法線か
ら遠い角度で当たる(したがって透過する)フィラメン
ト管内の望ましくない青色光ならびに曇りによるもので
ある。フィラメント管に法線から遠い角度で当たる光
は、主としてフィラメントから放出された光とフィラメ
ント支持部材により散乱した光だけでなく、フィラメン
トに当たらずに、干渉フィルタに法線から遠い大きな角
度で当たるまで管内で跳ね返る反射光の一部からも生じ
る。このような垂直からずれた入射では、干渉フィルタ
が短波長側に「シフト」し、したがって望ましくない青
色光に対してより透過性になる。この光はビームパター
ンに着色したグレアとして現れ、光出力の変色の原因と
なる。したがって、望ましくない光は、垂直または垂直
に近い入射により漏れ出して、投射ビームパターンに色
分解を生じるか、あるいは垂直からずれた入射および曇
りからの散乱により漏れ出して、ビームに変色を生じ
る。
【0015】上述した光漏れ出しについての垂直からず
れた入射機構から、放射スペクトルの望ましくない部分
を単に反射するだけでは適切でないことが明らかであ
る。不要な光をどこかで吸収して、反射光の跳ね返り
(バウンス)効果を小さくしなければならない。望まし
くない光を吸収するのにもっとも有利な位置はフィラメ
ントである。したがって、正確に心合せされたフィラメ
ントと、すべての反射光がフィラメントの方に向かうの
を可能にする形状を有するフィラメント管とが必要なこ
とが明らかである。これにより、管内での光の跳ね返り
回数を最小にし、こうして、まぶしい光が生じる機会を
最小に抑える。図2(a)のフィラメントを心合せする
ことにより、図2(b)に示す2つの分離した像を一致
させることができ、こうして二次像をなくし得ることが
明らかである。したがって、フィラメントを心合せし、
二次像の形成をなくすことにより、投射ビームパターン
の色分解を回避することができる。
【0016】図3(a)および図3(b)は、フィラメ
ント管の形状を、図2(a)の円筒形状から、フィラメ
ントがフィラメント管内の中心に位置する図3(a)の
だ円体形状に変えることの効果を示す。図3(a)のフ
ィラメント管は焦点間距離が10mmで、6mmのフィ
ラメントが両焦点間に中心を合わせて位置する。図3
(b)は、図3(a)のこの焦点間距離10mmのラン
プが投射する像が、ビームの中心に位置する透過色から
なる一次ビームとその一次像のまわりの円内の反射色を
有することを示す。反射色は、フィラメントの長さ(6
mm)が焦点間距離(10mm)より短いために、干渉
フィルタから焦点間部分に向かって反射されるが、フィ
ラメントにより吸収されなかった光に基づく。フィラメ
ントに当たらないこの反射光の一部が、垂直に近い入射
によりフィラメント管から漏れ出て、前述した心ずれフ
ィラメントの作用と同様に、青色の二次像を生成する。
焦点間距離とフィラメント長さとの不一致に基づく反射
光は、この発明の好適な実施例である図4(a)に示す
ように、フィラメント長さと焦点間距離とを一致させる
ことにより除くことができる。図3(a)のだ円体形フ
ィラメント管が焦点間距離10mm、フィラメント長さ
6mmであるのに対して、図4(a)のだ円体形フィラ
メント管は焦点間距離6mm、フィラメント長さ6mm
である。図3(a)および図4(a)のフィラメント管
では、いずれも、フィラメントが正確に心合せされてい
る。図4(a)の焦点間距離6mmのランプは、図4
(b)に示すように色分解のない像を形成する。したが
って、フィラメントをフィラメント管に合致させること
により、焦点間距離に向かって差し向けられた反射光の
ほとんどがフィラメントにより吸収される。これは明ら
かに、好適な皮膜(コーティング)/フィラメント管形
状である。もちろん、正確に一致させることにより良好
な結果が得られるが、値には多少の誤差が許され、それ
でも許容範囲内の結果が得られことが、理解できるはず
である。このような小さな誤差も、この発明の要旨の範
囲内に入ると考える。
【0017】だ円体とフィラメントを合致(マッチン
グ)させたときでも、フィラメントの心合せが必須であ
る。図5(a)および図6(a)は2種類の心合せの誤
りを示し、そのビームパターンに与える影響は図5
(b)および図6(b)に示す通りである。図5(a)
のフィラメントは焦点間に中心合わせされているが、傾
斜しており、そのため、焦点間距離に向かって反射され
た光の一部がフィラメントに当たりそこない、垂直な入
射により管を透過して、図5(b)の色分解ビームパタ
ーンを形成する。干渉フィルタに垂直からはずれて入射
して当たる光は、フィラメントからの直接光であろう
と、干渉フィルタからの反射光であろうと、ビームに着
色グレアを生成することになる。曇りからの散乱光もグ
レアを生成する。図6(a)のフィラメントは焦点間部
分からずれており、図6(b)の色分解したビームパタ
ーンを生成する。図5(a)および図6(a)に示す心
合せの誤りは、たとえばGE社のハロゲン(Halogen )
/IR(商標名)ランプの場合、赤外利得の大幅な損失
とはならないが、可視反射皮膜を用いたときに望ましく
ない着色エラーの原因となるのに十分である。これらの
例から、反射光を正確に心合せされたフィラメントに戻
すことが必須であることが明らかである。このように敏
感さが増加するのは、人間の目が投射ビームの物理的色
分解に極めて敏感であることに原因があり、反射光が赤
外光のみであれば関係のない問題である。
【0018】この発明の1実施例では、低圧化学蒸着
(LPCVD)法を用いて、5層オーバーコート酸化タ
ンタル−シリカ干渉フィルタ皮膜を、両端子型石英製だ
円体形フィラメント管に堆積して、約600Kの色シフ
ト(偏移)を生成した。5層オーバーコート設計は、G
E社のハロゲン/IR(商標名)ランプに用いられる標
準IR(赤外)皮膜の上に5層を堆積することによって
得た。すでに現存する標準ハロゲン/IR(商標名)ラ
ンプの上に5層を堆積するオーバーコート法を用いたの
は、便宜的な都合にすぎない。5層設計をフィラメント
管上に直接堆積して、色シフトに関して同様の結果を得
ることもできるが、5層オーバーコート設計は、IR皮
膜が下側にあるせいでエネルギー効率が一層良好であ
る。
【0019】5層オーバーコート設計は、赤および緑
(黄)を選択的に反射してフィラメントへ戻し、青色光
を透過する。この設計の目標は、GE社のハロゲン/I
R(商標名)光源の色温度を3200Kから3800−
4000Kに上げて、放電灯型前照灯の色と一致させる
ことであった。ハロゲン/IR(商標名)ランプは、両
端子型石英フィラメント管に、近赤外線をフィラメント
の方に反射し、かつ可視光線を透過する設計の干渉フィ
ルタを被覆したものである。反射された赤外線はフィラ
メントを加熱し、フィラメント管の効率を高める。5層
オーバーコート設計を、寸法6mmおよび10mmのだ
円体形フィラメント管に堆積した。フィラメントは、自
動車用の12.8VのフィラメントならびにAC120
Vのフィラメントに作製した。AC120Vフィラメン
ト管はすべて、焦点間距離が10mmであった。自動車
用ランプには、焦点間距離10mmおよび6mmのフィ
ラメント管を使用した。5層オーバーコート設計につい
ての観察された色シフトを、表1に示す。
【0020】
【表1】 表 1 電 圧 だ円体寸法 バルブの色温度 色温度の (ボルト) (mm) (被覆なし)(被覆あり) 上昇分 12.8DC 10 3250K 3600K 350K 12.8DC 6 3250K 3850K 600K 120 AC 10 2900K 3390K 490K 5層オーバーコート設計から、投射ビームの色温度の6
00Kの上昇が得られた。すなわち、色温度が3200
Kから3800Kに上昇した。積分球測定は予想通り2
5%の光束(ルーメン)減少を示し、光束と色温度の上
昇との間に相反関係(トレードオフ)があることが分か
った。所望の色シフトを達成するためにフィラメントか
らの可視光出力の一部を透過しないので、光束の減少が
予想される。全光束が減少するにもかかわらず、光源の
知覚輝度(明るさ)は減少しない。知覚輝度(明るさ)
は、明所視/暗所視光束(ルーメン)比に依存する。こ
の比は色温度の上昇とともに増加する。実際、バーマン
(Berman)等による Lighting Reseach Technology, 22
(1) 37-41 (1990) の最近の研究によれば、部屋の明る
さの知覚を実験用白い室内の12の物体により判断し
て、光の強さの主観的評価が、光源の明所視/暗所視分
光分布の比に依存することがわかった。だから、光源の
色温度を上げることは視力を上昇させ、したがって、よ
り望ましい光源、たとえばこの発明の実施例で得られる
ような光源が得られる。
【0021】この発明の別の実施例では、7層オーバー
コート設計を使用して、5層オーバーコート設計で得ら
れるのよりさらに大きな色シフトを達成した。この発明
の上述した実施例で用いた設計は、緑、黄および赤色光
の約半分を反射する一方、青色光のほぼすべてを透過す
る。ランプの実際の色シフトは、単一パス分光反射率が
示唆する値の約半分にすぎない。これは、タングステン
フィラメントの吸収率が約0.4と低く、反射光線が吸
収されるまでに平均して2回より多い跳ね返りを必要と
するからである。ランプモデルを通常の薄膜設計ツール
と組合せて使用して、この複雑さを解明し、所望の色シ
フトを達成できるようにした。図7に、フィラメント管
と同様に被覆した石英スライドについての、計算した反
射率と実際に堆積した場合の反射率を示す。色温度シフ
トの場合、干渉フィルタを2.5回の跳ね返りの後に反
射、吸収するように設計するのが重要であり、赤、緑お
よび青の正しい比が黒体曲線の近くに留まる。したがっ
て、2.5回の跳ね返り条件から、干渉フィルタを、目
標より著しく大きな反射率を有するように設計する。
【0022】5層オーバーコート設計を有するだ円体焦
点間距離6mmのフィラメント管を、ハイビーム前照灯
として装着し、試験した。試験サンプルは放電灯型ロー
ビーム前照灯の色温度と合致し、非常に望ましい4ヘッ
ドライトハロゲン/放電システムを形成する。2つのA
C120Vフィラメント管をGE社のPAR38(商標
名)反射型ランプに装着したところ、5層オーバーコー
ト設計がランプの色を変更できることがはっきりと示さ
れた。600Kではなくて100Kの色温度シフトを目
指して、別の被覆を設計することができる。この場合、
フィラメントの心合せの敏感さが著しく低下する。
【0023】前述した実施例はこの発明の好適な実施例
を構成するが、この発明の要旨から逸脱しない範囲内で
種々の変更を加えることができる。たとえば、光源を、
実質的にだ円体形であるエンベロープで片端子型とする
ことができ、このようなだ円体形エンベロープに関連す
る2つの焦点にフィラメントを配置する。別の例では、
フィラメント管を、石英ではなく、多結晶アルミナのよ
うな他の光透過性材料から形成することができる。さら
に他の例では、干渉フィルタを、この発明の前記実施例
での酸化タンタル/シリカ設計の代わりに、たとえばチ
タニア/シリカ、ニオブ/シリカ、窒化けい素/シリカ
などの別の組合せの交互層から構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による、正確に心合せされたフィラメ
ントおよび外面に干渉フィルタを設けただ円体形のタン
グステンフィラメント管の側面図である。
【図2】図2(a)はフィラメントが管の中心からずれ
た円筒形白熱フィラメント管の側面図であり、図2
(b)はずれたフィラメントを有する円筒形フィラメン
ト管からの投射ビームのパターン図で、投射ビームパタ
ーンにおける色分解を示す。
【図3】図3(a)は心合せされているが、長さの合致
していないフィラメントを有するだ円体形フィラメント
管の側面図であり、図3(b)は心合せされているが、
長さの合致していないフィラメントを有するだ円体形フ
ィラメント管からの投射ビームのパターン図で、投射ビ
ームパターンにおける色分解を示す。
【図4】図4(a)はこの発明の心合せされ、長さの合
致したフィラメントを有するだ円体形フィラメント管の
側面図であり、図4(b)はこの発明の心合せされ、長
さの合致したフィラメントを有するだ円体形フィラメン
ト管からの投射ビームのパターン図で、投射ビームパタ
ーンに色分解がないことを示す。
【図5】図5(a)は長さが合致しているが、心合せさ
れていないフィラメントを有するだ円体形フィラメント
管の側面図であり、図5(b)は長さが合致している
が、心合せされていないフィラメントを有するだ円体形
フィラメント管からの投射ビームのパターン図で、投射
ビームのパターンにおける色分解を示す。
【図6】図6(a)は長さが合致しているが、管中心か
らはずれていて心合せされていないフィラメントを有す
るだ円体形フィラメント管の側面図であり、図6(b)
は長さが合致しているが、管中心からはずれていて心合
せされていないフィラメントを有するだ円体形フィラメ
ント管からの投射ビームのパターン図で、投射ビームパ
ターンにおける色分解を示す。
【図7】5層オーバーコート設計の被覆した石英スライ
ドについて、反射率の計算値および実際値を波長に対し
て示すグラフである。
【符号の説明】
10 ランプ 12 フィラメント管 14 フィラメント 16 干渉フィルタ 18 焦点間距離 20、21 焦点 22 軸線 24、26 支持線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス・ジーン・パーハム アメリカ合衆国、オハイオ州、ゲイツ・ミ ルズ、ラビン・ドライブ、6907番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性材料製のランプエンベロープ
    と、 前記エンベロープ内に配置されたフィラメントと、 前記フィラメントの両端に接続され、前記フィラメント
    にエネルギーを供給して光線を放出させる作用をなす1
    対のリード線と、 前記ランプエンベロープの少なくとも一部に、前記フィ
    ラメントを包囲するように配置された干渉フィルタ皮膜
    であって、高屈折率層と低屈折率層を交互に有し、所望
    の光線を選択的に透過するとともに、望ましくない光線
    を反射して前記フィラメントに戻す干渉フィルタ皮膜と
    を備え、 前記ランプエンベロープがだ円体形部分を有し、該部分
    の中心に前記フィラメントが位置し、前記だ円体形部分
    がそれに関連した第1および第2光学的焦点を有し、前
    記フィラメントの長さが実質的に前記第1および第2焦
    点間に合致し、前記フィラメントが、前記干渉フィルタ
    から反射された望ましくない光線のほぼすべてを吸収す
    る作用をなすことを特徴とする光源。
  2. 【請求項2】 前記望ましくない光線が可視光の一部を
    含む請求項1に記載の光源。
  3. 【請求項3】 光透過性材料製のランプエンベロープ
    と、 前記エンベロープ内に配置されたフィラメントと、 前記フィラメントの両端に接続され、前記フィラメント
    にエネルギーを供給して光線を放出させる作用をなす1
    対のリード線と、 前記ランプエンベロープの少なくとも一部に、前記フィ
    ラメントを包囲するように配置された干渉フィルタ皮膜
    であって、高屈折率層と低屈折率層を交互に有し、所望
    の光線を選択的に透過するとともに、可視光の一部を含
    む望ましくない光線を反射して前記フィラメントに戻す
    干渉フィルタ皮膜とを備え、 前記ランプエンベロープがだ円体形部分を有し、該部分
    の中心に前記フィラメントが位置し、前記だ円体形部分
    がそれに関連した第1および第2焦点を有し、前記フィ
    ラメントが前記干渉フィルタから反射された望ましくな
    い光線のほぼすべてを吸収する作用をなすことを特徴と
    する光源。
JP23040293A 1992-09-23 1993-09-16 色または色温度を修正した白熱光源 Withdrawn JPH06196134A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US94920992A 1992-09-23 1992-09-23
US949209 1992-09-23

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06196134A true JPH06196134A (ja) 1994-07-15

Family

ID=25488750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23040293A Withdrawn JPH06196134A (ja) 1992-09-23 1993-09-16 色または色温度を修正した白熱光源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06196134A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001024224A1 (en) * 1999-09-30 2001-04-05 Koninklijke Philips Electronics N.V. Electric lamp
JP2006278086A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Harison Toshiba Lighting Corp 電球型ヒータ、密閉型灯具装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001024224A1 (en) * 1999-09-30 2001-04-05 Koninklijke Philips Electronics N.V. Electric lamp
JP2006278086A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Harison Toshiba Lighting Corp 電球型ヒータ、密閉型灯具装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0883889B1 (en) Novel daylight lamp
US5548182A (en) Reflector lamp specifically adapted for combination with a reflector lamp-lamp luminaire or fixture
JP4960590B2 (ja) メタルハライドランプの効率を改善する方法
JPH0468721B2 (ja)
JPH0439854A (ja) 照明装置
US6494606B1 (en) Color correction for fiber optic illumination systems
US20070138926A1 (en) Method for optimizing lamp spectral output
US7345427B2 (en) Lamp and lighting unit with interference coating and blocking device for improved uniformity of color temperature
HU180333B (en) Reflecting mirror for decreasing the luminous rays being in the infrared region
JPH06196134A (ja) 色または色温度を修正した白熱光源
GB2059154A (en) Incandescent lamps
KR950014331B1 (ko) 백열전구 및 반사경이 있는 전구
CN101273434A (zh) 反射灯
JP2833055B2 (ja) 照明装置、及び、これを備えたプロジェクター
JPH0521043A (ja) 照明装置
EP0786799B1 (en) Incandescent reflector lamp with sun-like spectral output
JPH03280345A (ja) 反射形紫外線ランプ
EP0588541A1 (en) Electric incandescent lamps
US20050083493A1 (en) Electric lamp, and light projector provided with an electric lamp
JP2550709B2 (ja) 照明装置
US10008379B1 (en) Infrared recycling incandescent light bulb
JP2870100B2 (ja) 一般照明用反射鏡付き電球
JPH0282403A (ja) 照明器具
JPH09161731A (ja) ハロゲン電球
JPH0492358A (ja) 反射鏡付電球

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001128