JPH0619483A - 車両用騒音制御装置 - Google Patents

車両用騒音制御装置

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JPH0619483A
JPH0619483A JP3247178A JP24717891A JPH0619483A JP H0619483 A JPH0619483 A JP H0619483A JP 3247178 A JP3247178 A JP 3247178A JP 24717891 A JP24717891 A JP 24717891A JP H0619483 A JPH0619483 A JP H0619483A
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filter coefficient
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Hiroshi Uchida
博志 内田
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フィルタ最適値の収束速度を大きくして制御
の応答性の向上を図る。 【構成】 5つのフィルタ係数ベクトルに対応する評価
関数値J1 〜J5 を各々求め、次に評価関数Jを最小と
するフィルタ係数最適値を

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン振動等により
生じる車室内の騒音を低減する車両用騒音制御装置に関
し、詳しくはマイクロホン等により集音した騒音とエン
ジン振動等に応じたリファレンス信号に基づき、適応フ
ィルタを用いて上記騒音を低減せしめる音をスピーカか
ら出力する車両用騒音制御装置に関するものであって、
さらに詳しくはこの適応フィルタの係数の適応アルゴリ
ズムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の室内における騒音は運転手およ
びその他の乗員の疲労を増大させ、また不快感を起こさ
せる。
【0003】このような車内騒音としては、一般に200H
z 〜300Hz 以下の低周波(こもり音)と、エンジン騒
音、排気系放射量、ロードノイズ、風騒音等の中高波音
とがある。
【0004】この中でもエンジン騒音やロードノイズは
車内の人間にとって影響が大きく、その騒音が大きくな
るにつれて乗員の不快感は増大する。
【0005】これらの騒音はエンジンや路面から車内に
直接放射される割合よりもボディ等を伝わって車内に到
達する割合が大であって、遮音部材を利用した防音対策
には限界があり、むしろエンジン騒音あるいはロードノ
イズとは逆位相の音を出力して騒音を積極的に打ち消
し、車内の人間にはあたかもエンジン騒音やロードノイ
ズが出ていないように感じさせる、いわば積極的防音対
策が注目されている。
【0006】このような積極的防音対策に関する従来技
術としては、搭乗者のヘッドレスト付近に取り付けたマ
イクロホンによって集音した騒音と、エンジンの回転数
に同期したリファレンス信号に基づき、車内に取り付け
たスピーカから車内騒音とは逆位相となる音を出力して
このエンジン騒音を打ち消すようにしたものが知られて
いる(特表平1-501344号公報)。
【0007】すなわち、この公報記載の技術は図7に示
す如く、車室110 内の所定位置に車室内騒音を集音する
複数個のマイクロホン112 と二次音源を構成する2つの
スピーカ111 が設置されている。マイクロホン112 によ
り集音された騒音は電気信号に変換されて制御部113 に
送出される。
【0008】一方、エンジン102 の回転数に同期したエ
ンジン回転検出信号に基づき、リファレンス信号発生器
114 においてリファレンス信号が発生される。制御部11
3 では入力されたリファレンス信号とマイクロホン112
からの電気信号に応じて2つのスピーカ111 から、車室
内騒音を打ち消す音(騒音と逆位相となる音)が出力さ
れるように上記スピーカ111 を駆動する。
【0009】ところで、このような騒音制御装置におけ
る騒音制御アルゴリズムとしてはLMS法(Least Mean
Square Method)が知られている。図8はLMS法による
騒音制御アルゴリズムを用いた騒音制御装置を示すブロ
ック図である。なお、図8においては説明の便宜上リフ
ァレンス信号の数、スピーカの個数およびマイクの個数
をいずれも1つとしている。
【0010】制御部113 内にはフィルタF116 およびフ
ィルタH°117 が内蔵されている。これら2つのフィル
タF,H°116 ,117 はFIRフィルタであり、このう
ちフィルタH°117 はスピーカ111 からマイク112 まで
の音響信号伝達特性Hをモデル化したものである。
【0011】LMS法は、誤差信号の2乗平均J=E
[e(k) 2 ](e(k) はeの第k回目のサンプル値、e
はマイク112 位置におけるスピーカ111 からの制御出力
Zと騒音dとの誤差)が最小となるように、最急降下法
による適合アルゴリズム118 を用いてフィルタF116 の
係数ベクトル<f> (なお、本願明細書においてはベクト
ルを表わす場合、符号に< > を付すものとする。)を調
整するものである。
【0012】ここでフィルタH°117 の係数ベクトルを
<h> とすると、係数ベクトル<f> の更新アルゴリズムは
下記漸化式(1) で表わされることとなる。
【0013】
【数3】 <f>(k+1)=<f>(k)−μ<r>(k)・e(k) ……(1) 但し、<f> =[f0 ,f1 ,……,fI T 、 <r>(k)=[r(k) ,r(k-1) ,……,r(k-I) ]T 、 r(k) =<h> T <x>(k)、 <h> =[h0 ,h1 ,……,hJ T 、 <x>(k)=[x(k) ,x(k-1) ,……,x(k-J) ]T 、 μは上記漸化式(1) の収束速度を決定する定数 ところで、このアルゴリズムにおいては、スピーカ/マ
イク間伝達特性Hに等しい伝達特性を有するフィルタH
°を用いる必要がある。このためスピーカ/マイク間伝
達特性Hを予め測定しておかなければならないという煩
わしさがあり、さらに雑音制御中にスピーカ/マイク間
伝達特性Hが大きく変動すると制御効果が低下するとい
う問題がある。
【0014】このような問題を解決するためには、騒音
制御アルゴリズムとしてLMS法に代えて非線形最適化
手法の一種であるポエル法(Powell法)を用いることが
考えられる。すなわち、図9に示すようにポエル法を用
いた場合にはフィルタH°117 を設ける必要がない。以
下、ポエル法を用いた適合アルゴリズムについて説明す
る。
【0015】雑音dやリファレンス信号xが定常過程
(統計的性質が一定であること)にあり、スピーカ/マ
イク間伝達特性Hが一定であるとした場合、誤差信号2
乗平均Jは単にフィルタ係数<f> の関数と考えられるの
でこれをあらためてJ(<f> )と表現する。また、互い
に一次独立なベクトルの組 0<d> 〜 I<d> を用意する。
【0016】ここに、以下の(i) 〜(iv)の計算を繰り返
すことによりフィルタF116 Aの係数ベクトル<f> の更
新アルゴリズムが求まることとなる。
【0017】(i) J(<f> +α・ I<d> )(αは任意
の実数)を最小とするようなαを見つけ、<f> ←<f> +
α・ I<d> により<f> を更新する。このとき得られた<f
> を<f> ′とおく。
【0018】(ii) 次に,iに0,1,……,I-i を順
次代入し、各々について以下に示すa),b)の計算を行な
う。
【0019】a)J(<f> +α・ i<d> )(αは任意の実
数)を最小にするようなαを見つけ、そのαを用い<f>
←<f> +α・ i<d> により<f> を更新する。 b) i<d> ← i+1<d> として i<d> を更新する。
【0020】(iii) J(<f> +α・ I<d> )(αは任意
の実数)を最小にするようなαを見つけ、そのαを用い
<f> ←<f> +α・ I<d> により<f> を更新する。
【0021】(iv) I<d> ←<f> −<f> ′により I<d>
を更新する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポエル
法を用いたアルゴリズムは上述したような利点を有して
いる一方で、以下に示す如き大きな問題を有している。
【0023】すなわち、前述のステップ(i) ,(ii),(i
ii) のいずれにも、J(<f> +α・i<d> )を最小とす
るようなαを見つけるという計算が含まれており、これ
は、現在の<f> を起点として<d> 方向でJを最小とする
ような<f> +α・ i<d> を見つけるという一変数探索問
題である。
【0024】このような探索問題は従来、例えばコード
最適化等の数値計算を行なう際に必要となっており、ニ
ュートン法の如き勾配情報を利用する方法や逐次分割探
索法等により解が求められているが、いずれの方法にお
いても反復計算を必要とし、これをそのまま騒音制御に
適用するとフィルタ係数の収束に大変時間がかかり、制
御の応答性が良くないという問題がある。すなわち、車
載用の小型コンピュータを用いていては時々刻々と変化
する騒音に追従できないという問題がある。
【0025】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、スピーカ/マイク間伝達特性Hを
予め測定しておく必要がなく、スピーカ/マイク間伝達
特性Hが大きく変動しても制御効果が低下するおそれが
なく、さらにフィルタ最適値の収束速度を大きして制御
の応答性を向上させ得る車両用騒音制御装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本願発明の第1の車両用
騒音制御装置は、車室内騒音を集音する集音手段と、該
車室内の騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、騒
音振動に対応したリファレンス信号を生成するリファレ
ンス信号生成手段と、前記集音手段により集音された騒
音と前記リファレンス信号生成手段により生成されたリ
ファレンス信号に基づき、前記集音手段の配設位置で前
記車室内の騒音を低減すべく前記スピーカから該騒音を
打ち消す音が出力されるようコントロールするコントロ
ール手段とを備えてなる車両用騒音制御装置において、
前記コントロール手段が、前記集音された騒音と前記リ
ファレンス信号とに基づき前記騒音を打ち消す音に応じ
たスピーカ駆動信号を生成するフィルタ手段を有し、該
フィルタ手段のフィルタ係数の最適値を、5つの異なる
フィルタ係数とこれら各フィルタ係数に応じた評価関数
値とから求めた伝達特性を表わす関数の最小値から求
め、この求めた値が新たなフィルタ係数として設定され
るように構成されてなることを特徴とするものである。
【0027】また、本願発明の第2の車両用騒音制御装
置は、上記第1の車両用騒音制御装置であって、前記5
つの異なるフィルタ係数が各々、
【0028】
【数4】
【0029】で表わされ、前記各5つの異なるフィルタ
係数に応じた評価関数が各々、 Jk1,Jk2,Jk3,Jk4,Jk5 で表わされ、前記新たなフィルタ係数<f>(k+1)が下式に
より求められることを特徴とするものである。
【0030】
【数5】
【0031】
【作用および発明の効果】上述した構成によれば、<f>
に含まれる係数が2個のとき、すなわち、評価関数Jを
最小にする<f> そのものを求める2方向探索問題に対
し、1回の計算で解を求めることができる。
【0032】すなわち、正弦波のリファレンス信号を用
いて正弦波騒音をキャンセルしようとする場合、例えば
正弦波のリファレンス信号を用いてエンジン音の特定の
周波数成分のみを低減しようとする様な場合には、フィ
ルタ係数ベクトルは2次元ベクトルとすればよいので上
記方法により解を求めることができる。
【0033】また、本発明方法ではポエル法等の他の方
法を併用することなく上述した計算式のみによってフィ
ルタ係数を最適化することができる。
【0034】したがって、ポエル法等の煩雑な計算が必
ずしも必要とされず、計算回数も一回でよいためフィル
タ最適値の収束速度を大とすることができるので制御の
応答性向上を図ることが可能となる。
【0035】また、本発明のものでは、従来技術におい
て用いられていたLMS法のようにスピーカ/マイク間
伝達特性Hに等しい伝達特性を有するフィルタH°を用
いる必要がないので、この特性Hを予め測定しておく必
要がなく、この特性Hが大きく変動しても制御効果が低
下するのを防止することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0037】図5は、本発明の実施例に係る車両用騒音
制御装置を自動車の車内に取り付けた様子を示す概略図
である。
【0038】すなわち、この装置は各座席のヘッドレス
ト1位置に埋め込まれてなるマイクロホン2と、このマ
イクロホン2によって集音された音を変換してなる電気
信号およびイグニッションパルス検出器3(以下、IG
パルス検出器3と称する)から送出されたイグニッショ
ンパルス信号(以下、IGパルス信号と称する)を入力
されるコントローラ4と、コントローラ4により駆動さ
れ、車内の騒音を打ち消す音を出力するオーディオ用フ
ロントスピーカ5とからなっている。
【0039】上記マイクロホン2は各乗員の両耳の位置
と一致する位置に配されており、これによりコントロー
ラ4には、各乗員に実際に聞こえている音に応じた電気
信号が入力されることとなる。
【0040】また、IGパルス検出器4はエンジン回転
に同期した信号を取り出すもので、例えばクランク軸の
回転検出あるいはイグナイタからのイグニッションタイ
ミング検出等により得られた信号をIGパルス信号とし
て出力するものである。
【0041】さらに、運転席のフロントパネル付近に
は、乗員が本装置のON/OFFあるいは打ち消す騒音
の種類の切換えを適宜行なうためのスイッチ4aが配設さ
れている。
【0042】なお、上記スピーカ5はCD、磁気テー
プ、チューナ等からの音声信号を音に変えて出力する一
般のオーディオ用スピーカであって、このような音と上
記騒音の打消し音とを同時に、または一方のみを出力す
るようになっている。
【0043】図6はコントローラ4の内部構成を示すブ
ロック図である。
【0044】すなわち、この図6によれば、IGパルス
検出器3から送出されたIGパルス信号と、マイクロホ
ン2から送出された騒音情報を担持した電気信号がアン
プ6により増巾され、A/D変換回路7によりデジタル
信号に変換されてCPU8に入力される。このCPU8
としてはDSP(デジタルシグナルプロセッサ)が用い
られているが、他の一般的なマイクロプロセッサを用い
ることも可能である。
【0045】このCPU8に接続されたメモリ回路9に
は騒音制御に関する所定のアルゴリズムを表わすプログ
ラムが格納されており、CPU8はこのプログラムに基
づき、入力された上記信号に対して所定の信号処理を施
し、所定のスピーカ駆動信号を出力する。
【0046】このスピーカ駆動信号はD/A変換回路10
によりアナログ信号に変換されアンプ11により増巾され
て各スピーカ5に印加される。これにより各乗員の耳の
位置において車内の騒音を打ち消すべき音が各スピーカ
5から出力されることとなる。
【0047】なお、このコントローラ113 はCPU8に
おける演算のタイミングの高精度化を図るため一定の周
期(500 μs〜1ms)のクロック信号をこのCPU8
に出力するクロック回路12を備えている。
【0048】以下、上述したメモリ回路9に格納された
騒音制御アルゴリズムを表わすプログラムについて図1
〜図4のフローチャートを用いて説明する。
【0049】このうち図1は全体プログラムを示すメイ
ンフローチャートである。この実施例ではスピーカ5の
個数をL個としており、各スピーカ5についての、調整
すべきフィルタ係数ベクトルは<f>1,<f>2,……,<f>L
のL個となる。したがってメインフローとしては図1に
示す如く、まずフィルタ係数ベクトル<f>1を更新し(S
1)、次にフィルタ係数ベクトル<f>2を更新し(S
2)、さらにこれに続くフィルタ係数ベクトルを更新
し、最後にフィルタ係数ベクトル<f>Lを更新する(S
3)。
【0050】フィルタ係数ベクトル<f>Lを更新し終る
と、ステップ1(S1)に戻り、再びフィルタ係数ベク
トル<f>1から順次フィルタ係数ベクトルの更新を行な
う。
【0051】なお、一つのフィルタ係数ベクトルを調整
すると他のフィルタ係数の調整が若干ずれることとなる
が、このずれ量は一般には小さいので実質的には問題と
ならない。
【0052】図2は、<f> に含まれる係数が2個あると
きに評価関数Jを最小にする<f> を求める、いわゆる2
方向探索計算を一回の計算で行ないたい場合に適用され
るプログラムを表わすフローチャートである。
【0053】ここで下記1<f>,2<f>,…,L<f>のL個の
フィルタ係数ベクトルはいずれも2次元ベクトルであ
る。正弦波のリファレンス信号を用いて正弦波騒音を打
ち消そうとする場合(例えば、正弦波のリファレンス信
号を用いて、エンジン音の特定の周波数成分のみを低減
しようとする場合)にはフィルタ係数ベクトルは2次元
でよく、したがって以下の如き計算により<f> を求める
ことが可能となる。
【0054】以下、このプログラムを、図2に示すフロ
ーチャートを用いて説明する。
【0055】まず、ステップ61(S61)において<f> を
l<f>とおき評価関数Jを求め、ステップ62(S62)にお
いてこの求めたJをJ1 とする。同様に、
【0056】
【数6】
【0057】次に、ステップ71(S71)において|2J
1 −J2 −J4 |がε1 以上であるか否かが判定され、
その結果|2J1 −J2 −J4 |がε1 以上であると判
断されればステップ71(S72)において
【0058】
【数7】
【0059】と設定される。一方、|2J1 −J2 −J
4 |がε1 未満であると判断されればステップ73(S7
3)においては、Pは0に設定される。
【0060】次にステップ74(S74)において、|2J
1 −J3 −J5 |がε2 以上であるか否かが判断され、
その結果|2J1 −J3 −J5 |がε2 以上であると判
断されればステップ75(S75)において、
【0061】
【数8】
【0062】と設定される。一方、|2J1 −J3 −J
5 |がε2 未満であると判断されればステップ76(S7
6)において、qは0に設定される。
【0063】次にステップ77(S77)において、評価関
数Jを最小とするようなフィルタ係数ベクトルl<f>*
次式により求められる。
【0064】
【数9】
【0065】また、ステップ61(S61)〜ステップ70
(S70)において用いられているδの値は一定の値とす
ることも可能であるが、フィルタ係数を早く収束させ、
さらに収束後の制御を安定させるためには、このδの値
を、l<f>がその最適値(評価関数Jの最小値)から大き
く離されているときは大きく、またl<f>がその最適値の
近傍にあるときは小さくした方がよいと考えられる。
【0066】そこで図2においては、ステップ78(S7
8)〜ステップ81(S81)の処理をプログラムの最終部
分に付加している。
【0067】すなわち、ステップ78(S78)において、
【0068】
【数10】
【0069】なる式からDを求め、次にステップ79(S
79)において、Dが所定の一定値μより大きいか否かを
判定する。その結果Dがμより大きければ、ステップ80
(S80)においてδをδmin +αDに設定し、Dがμ以
下であればステップ81(S81)において、δをδmin に
設定する。但し、δmin はδの最小値であり、αはゲイ
ン定数(任意の正の実数)とする。
【0070】このように図2に示すプログラムによれば
ポエル法等の他の方法を併用することなく上記計算式の
みでフィルタ係数ベクトルの最適化を図ることができ
る。
【0071】なお、図2中でステップ73(S73)および
ステップ76(S76)を設けてpおよびqを強制的に0と
したのはp,qの分母の絶対値が小さいときには誤差の
影響によりl<f>* を正確に求めることが困難となるから
である。
【0072】図3は評価関数Jを求めるプログラムを示
すフローチャートである。
【0073】まず、ステップ41(S41)においてnを
0、Jを0とおいて初期設定する。
【0074】次に、ステップ42(S42)において誤差信
号ベクトル<e> を求める。なお、<e> =[e1 ,e2
……,eM T である。
【0075】続いて、ステップ43(S43)において、
【0076】
【数11】
【0077】をJとおく。ここでMは設置されたマイク
ロホン2の個数を示すものである。
【0078】次に、ステップ44(S44)においてnの値
をインクリメントし、ステップ45(S45)においてnが
Nに等しくなっているか否かを判定する。その結果、n
がNに等しくなっていなければステップ42(S42)に戻
り、上記処理を繰り返して行なう。また、上記判定の結
果nがNに等しくなっていればステップ46(S46)にお
いてJ/NをJとして評価関数Jを求めるプログラムが
終了する。
【0079】なお、評価関数Jを求める際には、上記説
明による演算に代え、Σem (k) 2の値を複数回求め、
その平均値を得るようにしてもよい。
【0080】次に、上述したステップ42(S42)におけ
る<e> を求めるプログラムを図4を用いて説明する。
【0081】この<e> を求めるプログラムにおいては、
ステップ51(S51)においてクロック回路12からのクロ
ック信号がCPU8に入力されたか否かを判定する。
【0082】クロック信号の入力が確認されればステッ
プ52(S52)においてリファレンス信号<x>(k)をCPU
8に入力する。続いて、ステップ53(S53)において、
l=1,2,……,Lの各々について<F>lT ・<x>(k)を
計算し、各々の結果をyl とおく。但し、<x>(k)=[x
(k) ,x(k-1) ,……,x(k-I) ]T である。
【0083】次に、ステップ54(S54)において、各ス
ピーカ駆動信号y1 〜yL をCPU8から出力させる。
最後にステップ55(S55)において、各マイクロホン2
からの誤差信号e1 〜em をCPU8に入力せしめ、こ
れで<e> を求めるプログラムが終了する。
【0084】なお、図9に示す適応アルゴリズム118 A
以外の部分に該当するプログラムは全てこの図4に示す
プログラムに表わされている。
【0085】本実施例においては上述した如き計算を行
なうことにより、容易かつ迅速に評価関数Jを最小とす
るようなαを求めることができる。
【0086】なお、本発明の車両用騒音制御装置として
は上記実施例のものに限られるものではなく、その他種
々の態様の変更が可能である。
【0087】例えば最初に選択される5つの異なるフィ
ルタ係数の相互の関係は上述した実施例のものに限られ
るものではない。
【0088】また、マイクロホンおよびスピーカの数と
しては適宜選択が可能である。
【0089】また、ユーザが図5に示すスイッチ4aによ
って上記複数のリファレンス信号のうち好みのリファレ
ンス信号を適宜選択できるようにモード切換可としてお
けばユーザの好みに応じた車内音場を形成することが可
能である。また、このとき、基本周波数の偶数次も含め
た全次数成分を有する信号をリファレンス信号とするモ
ードを選択し得るようにしておくことも可能である。
【0090】また、本実施例装置では全乗員の耳元にセ
ンサ用のマイクロホン2を取り付け、全乗員について騒
音制御をしているが、特定の乗員のみ、例えば運転手あ
るいは運転手と助手席の乗員のみについて騒音制御を行
なうことも可能で、この場合には、この特定の乗員の耳
元のマイクロホン2からの信号をコントローラ4に入力
せしめればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例装置において用いられる適応ア
ルゴリズムの全体プログラムを示すフローチャート
【図2】図1に示す全体プログラム中で用いられる<f>
を更新するプログラムを示すフローチャート
【図3】図2に示すプログラム中で用いられる、Jを求
めるプログラムを示すフローチャート
【図4】図3に示すプログラム中で用いられる、<e> を
求めるプログラムを示すフローチャート
【図5】本発明の一実施例に係る車両用騒音制御装置の
取付位置を示す概略図
【図6】図5に示すコントローラの内部を示すブロック
【図7】従来技術を説明するためのブロック図
【図8】LMS法を用いた場合の車両用騒音制御装置の
概略を示すブロック図
【図9】ポエル法を用いた場合の車両用騒音制御装置の
概略を示すブロック図
【符号の説明】
2,112 マイクロホン 3 イグニッションパルス検出器 4,113 ,113 A コントローラ(制御部) 5,111 スピーカ 6,11 アンプ 7 A/D変換回路 8 CPU 9 メモリ回路 10 D/A変換回路 116 ,116 A,117 フィルタ 118 ,118 A 適応アルゴリズム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内騒音を集音する集音手段と、 該車室内の騒音を低減し得る音を出力するスピーカと、 騒音振動に対応したリファレンス信号を生成するリファ
    レンス信号生成手段と、 前記集音手段により集音された騒音と前記リファレンス
    信号生成手段により生成されたリファレンス信号に基づ
    き、前記集音手段の配設位置で前記車室内の騒音を低減
    すべく前記スピーカから該騒音を打ち消す音が出力され
    るようコントロールするコントロール手段とを備えてな
    る車両用騒音制御装置において、 前記コントロール手段が、前記集音された騒音と前記リ
    ファレンス信号とに基づき前記騒音を打ち消す音に応じ
    たスピーカ駆動信号を生成するフィルタ手段を有し、 該フィルタ手段のフィルタ係数の最適値を、5つの異な
    るフィルタ係数とこれら各フィルタ係数に応じた評価関
    数値とから求めた伝達特性を表わす関数の最小値から求
    め、この求めた値が新たなフィルタ係数として設定され
    るように構成されてなることを特徴とする車両用騒音制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記5つの異なるフィルタ係数が各々、 【数1】 前記各5つの異なるフィルタ係数に応じた評価関数が各
    々、 Jk1,Jk2,Jk3,Jk4,Jk5 で表わされ、 前記新たなフィルタ係数<f>(k+1)が下式により求められ
    ることを特徴とする請求項1記載の車両用騒音制御装
    置。 【数2】
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