JPH06194503A - 平面レンズの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリコーンゴムレンチキュラーレンズ母型１
を、レンチキュラーレンズ型が内側にくるように、型枠
２の内部の底面に配設する。この型枠２内部に硬化型賦
形樹脂３を注入する。パネル４を、注入された硬化型賦
形樹脂３の表面に漬ける。賦形樹脂を硬化させて平面レ
ンズに成形し、レンチキュラーレンズがパネル４に固着
する。硬化した後に、型枠２を外し、賦形されたレンチ
キュラーレンズ面から、シリコーンゴムレンチキュラー
レンズ母型１を引き剥す。 【効果】 レンチキュラーレンズなどの平面レンズを、
賦形母型やレンズ面に傷を付けること無く容易に離型さ
せて、製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、型枠内に硬化型賦形
樹脂を注入して、レンチキュラーレンズなどの平面レン
ズに成形する平面レンズの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、型枠内の樹脂成形用金型に硬化型
賦形樹脂を注入して平面レンズに成形する平面レンズの
製造は、例えば、レンチキュラーの製造では、型枠の底
面に配設された金属製のレンチキュラー母型に硬化型賦
形樹脂を流し込み、樹脂を硬化させ、パネルに固着させ
て型枠を外し、図２に示すように、レンチキュラー母型
２１を、スクレーバー２５を用いて、パネル２４に固着
した硬化樹脂２３のレンチキュラー面から、引き剥して
行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図２に
示すように、スクレーバー２５を用いて無理に引き剥す
と平面レンズの微細面に又はレンチキュラー母型の面に
傷を付ける恐れがある。これに対して、母型の面に離形
剤を塗布して離形性を改善することが提案されている
が、塗布した表面に僅かな塗布斑があってもその斑が賦
形転写され表面品位を著しく損なう。

【０００４】この発明は上述の背景に基づきなされたも
のであり、その目的とするところは、例えば、レンチキ
ュラーレンズなどの平面レンズを、賦形母型やレンズ面
に傷を付けること無く容易に離型させて、製造すること
ができる平面レンズの製造方法を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題は、この発明に
より解決される。すなわち、この発明の平面レンズの製
造方法は、平面レンズ型が内側に向いた賦形用シリコー
ンゴム母型が内面に配設された型枠内部に、硬化型賦形
樹脂を注入し、必要に応じて、平面レンズを設けるパネ
ルを、注入された硬化型賦形樹脂の表面に若しくは内部
に漬け、所定の条件で前記賦形樹脂を硬化させて平面レ
ンズに成形し、型枠を外した後、賦形された平面レンズ
面から、シリコーンゴム母型を引き剥す工程を含むこと
を特徴とするものである。

【０００６】

【作用】上記構成を有するこの発明による平面レンズの
製造方法は、以下のように作用する。先ず、片面に平面
レンズ型が形成された賦形用シリコーンゴム母型を準備
する。この賦形用シリコーンゴム母型を、平面レンズ型
が内側にくるように、型枠内部の底面・側面に配設す
る。この型枠内部に硬化型賦形樹脂を注入する。必要に
応じて、平面レンズを設けるパネルを、注入された硬化
型賦形樹脂の表面に若しくは内部に漬ける。次いで、所
定の条件で賦形樹脂を硬化させて平面レンズに成形す
る。その結果、パネルを漬けた場合、平面レンズがパネ
ルに固着する。硬化した後に、型枠を外し、更に、賦形
された平面レンズ面から、シリコーンゴム母型を引き剥
す。シリコーンゴムは可撓性と柔軟性をもつので、容易
にレンズ面から剥離し、レンズ面を傷つけることもな
い。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を実施例により図面を参照して
具体的に説明する。この発明による平面レンズの製造方
法の一実施例の各工程を、図１（Ａ）（Ｂ）の断面図に
示す。この実施例の態様では、片面にレンチキュラーレ
ンズ型が形成されたシリコーンゴムレンチキュラーレン
ズ母型１を準備する。このシリコーンゴムレンチキュラ
ーレンズ母型１を、レンチキュラーレンズ型が内側にく
るように、型枠２の内部の底面に配設する。この型枠２
内部に硬化型賦形樹脂３を注入する（図１（Ａ）参
照）。次いで、レンチキュラーレンズを設けるパネル４
を、注入された硬化型賦形樹脂３の表面に漬ける。賦形
樹脂を硬化させて平面レンズに成形し、レンチキュラー
レンズがパネル４に固着する。硬化した後に、型枠２を
外し、更に、賦形されたレンチキュラーレンズ面から、
シリコーンゴムレンチキュラーレンズ母型１を引き剥す
（図１（Ｂ）参照）。ここでのシリコーンゴムレンチキ
ュラーレンズ母型は、例えば、従来に用いていた金型の
レンチキュラーレンズ形状を雌型とする原型を作製し、
その原型にシリコーンゴムを流し込み硬化させ、従来に
用いていたレンチキュラーレンズ形状と同じ形状の母型
をシリコーン製で得ることができる。

【０００８】シリコーンゴムは可撓性と柔軟性をもつの
で、容易にレンズ面から剥離し、レンズ面を傷つけるこ
ともない。この発明に使用する硬化賦形樹脂は、透明度
が高いという条件を満たしていれば、特に限定されるも
のではないが、硬化収縮、発熱が小さい樹脂が特に好ま
しい。

【０００９】この発明は、上記実施例に限定されず、こ
の発明で開示された技術思想に包含される種々の変形例
もこの発明の範囲内である。例えば、シリコーンゴム母
型に支持体が埋設して母型の形状を保持し、賦形樹脂の
硬化温度や硬化収縮によるシリコーンゴム母型の伸びや
歪み、変形を防止して、賦形面を母型の形状に正確に転
写させることができる。また、他の態様として、この母
型形状を保持する支持体を埋設すると共に、この支持体
を型枠にボルトなどで固定することができる。

【００１０】

【発明の効果】上記実施例に具体的に説明されたこの発
明の平面レンズの製造方法は、例えば、レンチキュラー
レンズなどの平面レンズを、賦形母型やレンズ面に傷を
付けること無く容易に離型させて、製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この発明による平面レンズの製造方法
の一実施例の工程を示す断面図である。

【図２】図２は、従来の平面レンズの製造方法の工程を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ シリコーンゴムレンチキュラー母型 ２ 型枠 ３ 賦形樹脂 ４ パネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 育男 愛知県名古屋市東区砂田橋４丁目１番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面レンズ型が内側に向いた賦形用シリ
   コーンゴム母型が内面に配設された型枠内部に、硬化型
   賦形樹脂を注入し、 必要に応じて、平面レンズを設けるパネルを、注入され
   た硬化型賦形樹脂の表面に若しくは内部に漬け、 所定の条件で該賦形樹脂を硬化させて平面レンズに成形
   し、 型枠を外した後、賦形された平面レンズ面から、シリコ
   ーンゴム母型を引き剥すことを含む平面レンズの製造方
   法。