JPH0619442U - 灌水チューブ - Google Patents
灌水チューブInfo
- Publication number
- JPH0619442U JPH0619442U JP1638692U JP1638692U JPH0619442U JP H0619442 U JPH0619442 U JP H0619442U JP 1638692 U JP1638692 U JP 1638692U JP 1638692 U JP1638692 U JP 1638692U JP H0619442 U JPH0619442 U JP H0619442U
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- irrigation
- irrigation tube
- view
- rib
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 チューブの内面に、高さ0.1〜0.5mm、
幅1〜10mmの長手方向に連続したリブを数条設けたこ
とを特徴とする灌水チューブ。 【効果】 チューブ内面の密着性が防止され、巻取製品
の収縮応力に基づく部分的歪が発生し難くなり、その結
果として捩れを生じなくなることから、所謂「ワカメ現
象」を防止することができる。更にまた、ブロッキング
も防止することができるものである。
幅1〜10mmの長手方向に連続したリブを数条設けたこ
とを特徴とする灌水チューブ。 【効果】 チューブ内面の密着性が防止され、巻取製品
の収縮応力に基づく部分的歪が発生し難くなり、その結
果として捩れを生じなくなることから、所謂「ワカメ現
象」を防止することができる。更にまた、ブロッキング
も防止することができるものである。
Description
【0001】
本考案は農業分野において、畑地や農業ハウスの灌水に際し、省力化、能率化 した灌水方法として用いられている灌水チューブに関するものである。
【0002】
農作業に灌水は欠かせず、これをできる限り省力化して能率的に行うために、 小孔を有するパイプやプラスチック製チューブを用いて、内部に水圧をかけて実 施する方法が普及している。なかでも、円筒状ダイを用いて押出成形されるポリ オレフィン系の押出チューブに一定間隔で散水用小孔を設けた灌水チューブは、 取扱いが簡単で安価なことから、特に簡便に用いられている。
【0003】 取扱いが簡単であるということを具体的に述べれば、ディスク状に巻き取られ た長尺の灌水チューブ製品を、畑地上にそのまま巻き解きながら延ばしていくと いうだけの作業で設置でき、直管を連結するとか、固定するとかの作業も要らず 、また、柔軟性があって思い通りに位置決めでき、設置作業中や使用期間中に損 傷等も比較的起こし難いことなどを意味している。
【0004】 一方安価であるということは、チューブの原料であるポリエチレン系樹脂等が 汎用品で安価であり、且つ加工時のロスが極めて少ないことや、加工工程が押出 機及び円筒状ダイによって直接チューブ状に成形され、そのままインラインで穿 孔工程を通過し、巻取機により所定の長さに巻き取られるという一連続工程で済 む高能率の生産方式によってもたらされる。
【0005】 本ポリオレフィン系灌水チューブは、屋外で長期使用されることから、カーボ ンブラック又はその他の耐候剤を添加して耐候性を高めたものであることは勿論 、散水用小孔について、均一な、又は所望の散水を確保するため、穿孔時に孔の 打ち抜き損じがないことや、孔形状に変形がないことなど、チューブ品質の一貫 性に留意して生産される。
【0006】 更に、チューブ内に0.5〜1.5気圧の水圧をかけることから、その水圧で パンクしないだけの強度が必要であり、チューブの厚みは通常0.10〜0.3 0mm程度とされる。そして原料樹脂強度に留意するとともに、特に成形工程で円 筒状チューブを押し潰して、折り畳み状長尺物に変形するとき、両サイドにでき る折目部について、押し潰し圧力を高くしすぎると、応力集中が過度となって、 折目部の強度低下を招くことから、この点も製造工程管理のポイントとなってい る。
【0007】 また、長尺チューブの収縮も重要な問題であり、加工工程で溶融樹脂を急冷し て固化させただけでは、使用時の温度変化などで収縮してしまい、トラブルを起 こしがちである。
【0008】
このようなポリオレフィン系灌水チューブでは、加工工程で折目部の強度低下 を招かないよう押し潰し圧力に留意する必要があるが、一方この圧力が弱いと、 チューブの厚みが0.10mm以上と厚く、原料樹脂の弾性によって折目部分のチ ューブ壁同志が完全密着するまでの変形を生じず、両サイドには内部に空間が残 って、図6に見られる如く折り畳まれたチューブAの断面の厚みは、中央部A′ に比べ、両サイドA″、A″が0.01mm程度厚くなってしまう。尚、図5はチ ューブの水圧のかかった状態の断面図、図6は押し潰した状態の断面図、図7は 巻き取った状態の斜視図、図8は巻き取った状態の断面図である。
【0009】 このような両サイドが僅かに膨らんだチューブを長尺に巻き取っていくと、数 百層も巻き重ねられるため、積層して両サイドと中央部の厚みの差は大きくなり 、巻取チューブの断面を見た姿は図8に見られる如き状態になり、長さ200m のチューブの場合で、その差は大きいものだと5〜6mmにも達する。
【0010】 この巻取製品は、使用に至るまでの期間に密着度の高い中央部は主に巻き締ま りを起こし、両サイドは空隙が残っているため収縮力が働かない、といった部分 的歪の偏差を生じることによって、一種の撓みを内包している。このため、使用 に際し巻き解き、一直線に延ばす時に捩れを生じ易く、部分的な反転、すなわち 例えば散水小孔を上に向けて施設しているものが、ある箇所で小孔側が下の地面 側を向いてしまう現象が頻発してしまう。そしてまたこのため、そのまま水圧を かければ捩れ箇所で水の通りが悪く、チューブが踊ってしまい、甚だしければパ ンクしたりもする。したがって、この捩れを直すのに人手による余分な労力を要 することから、このような製品は極端に嫌われる。
【0011】 この捩れ現象を表現する言葉として、ここではこれがワカメを延ばした形状に 似ていることから、「ワカメ現象」と称する。 この「ワカメ現象」を防止するには、加工時折目部にかける押し潰し圧力を高 くして、折目部のチューブ壁同志を中央部と同じく密着させてしまい、空隙を残 さずに巻き取れば、両サイドと中央部の歪の偏差が生じず、巻き解きに際し捩れ がなくなることで達成はできる。しかし、この場合は折目強度を犠牲にせざるを 得ず、強度低下を解決できない。
【0012】 また、巻取時に極めて緩く巻取り、あとで収縮応力がかからないようにするこ とで歪を防止し、ひいては捩れを防ぐこともできる。しかし、この場合は一巻の 製品がディスク状の形状を保ち難く、ハンドリングに際しずるずると解けてしま いがちで、実用的な取扱性を持たない。 したがって、折目強度低下を引き起こさずに「ワカメ現象」を解決する方法が 強く求められていた。
【0013】 もう一点別の問題として、ブロッキングもトラブルとなりがちである。ブロッ キングとは、チューブの内面同志が密着して引き剥がし難くなる現象である。 ポリオレフィン系灌水チューブの厚みは、0.10〜0.30mm程度と比較的 厚く、加工時溶融チューブを冷却する工程で、充分に冷却されずに巻き取られ易 い。また、折目部になるべく空隙を残さないよう、押し潰し圧力も強めにしがち なため、ブロッキングし易く、甚だしくはチューブ内面同志が剥離困難になる場 合がある。この点でもブロッキングを起こし難い加工方法なり、製品形状が望ま れる。
【0014】
斯かるポリオレフィン系灌水チューブの「ワカメ現象」及びブロッキング問題 に関して、折目強度を犠牲にすることなく、また複雑な別工程を通すような費用 増加を招くことなく、解決する手段は未だ案出されていないため、本考案者らは 様々な角度から検討を進め、下記のような構成の灌水チューブを案出するに至っ た。
【0015】 すなわち、灌水チューブの内面に、高さ0.1〜0.5mm、幅1〜10mmの長 手方向に連続した小さなリブを、チューブ幅50mm当たり1〜10条設けること を特徴とするものである。これにより、チューブ内面同志の密着を防止すること ができるものである。
【0016】
本考案は上記の如き構成であるから、折目部に対し弱い押し潰し圧力を加え、 結果的に両サイドに空隙を残したとしても、中央部にもリブによって0.1mm以 上のギャップを有する空隙があるので、これと釣り合って両サイドが膨らまず、 巻重ねられても、端部の盛り上がりは生じない。このため、両サイドと中央部に かかる収縮応力も均一で、部分的歪の差も実質上なくなり、撓みが生じない。
【0017】 したがって、使用に際し巻き解き、一直線に延ばしたとき、捩れを生じず、所 謂「ワカメ現象」が起きず、しかも折目強度の低下がない灌水チューブが得られ る。更に、チューブ内面の密着は防止されているため、ブロッキングがなく、常 にチューブ内面の剥離は容易である。
【0018】 また、かようなリブをチューブ内面に設ける方法としては、円筒状ダイのリッ プの内側に小さな切欠きを付ければよく、このため内部マンドレルのリップ部に 半径0.5〜2.0mm程度の半円形の溝を、5〜25mm間隔で設けるとよい。溝 深さに比べ、加工されたチューブにできるリブの高さは、数分の一に減少する。 リブの高さが0.10mmより小さいと、チューブ中央部内面に、折目部にできる 空隙に相当する厚みの空隙ができず、本考案が期待する実質的効果が現れない。 また、リブの高さが0.5mmより大きいと、リブ部への応力集中が大きくなって 、チューブ強度が低下しがちである。切欠きの幅は、リブの形状をできるだけ滑 らかな突起にして、リブ部への応力集中が小さくなるよう、リブの底面幅が高さ に対し約10倍程となる方が好ましいが、切欠きの形状としては、半円形の溝を 設ければ、このように底部が広がる。そしてまた、このように設計、製作された ダイを用いて通常の如く灌水チューブを加工すれば、直ちに本考案のリブ付き製 品が得られる。
【0019】
次に、本考案の実施例について、図面を参照しつつ説明する。 図1は本考案に係る灌水チューブの水圧のかかった状態の断面図、図2は押し 潰した状態の断面図、図3は巻き取った状態の斜視図、図4は巻き取った状態の 断面図である。
【0020】 図中、1は灌水チューブであり、チューブ内面に、高さ0.15mm、幅2mmの 長手方向に連続した小さなリブ2、2・・・を等間隔に6条設けたものである。
【0021】 斯くの如く構成したことにより、図2に示す如く、灌水チューブ1は、押し潰 したときに両サイドが膨らまず、したがって図3及び図4に示す如く、巻き取っ たときにも端部の盛り上がりは生じないものである。
【0022】 以下は、本考案に係る灌水チューブの製造例並びに試験例である。 (1) 円筒状ダイの加工。 口径30mmφ、リップクリアランス1.2mmのダイを用い、その内部マンド レルのリップ部に4箇所、半径1.0mmの溝をランド長さ約15mmに亘って 設けた。 (2) 加工条件。 上記ダイをスクリュー径50mmφ、L/D=28の双頭型押出機に取り付け て、下記の如く灌水チューブを加工した。 原料組成 低密度ポリエチレン 50% エチレン−酢酸ビニルコポリマー 50% カーボンブラック 6 PHR 加工温度 160℃ ブロー比 1.06 チューブ幅 50mm チューブ厚み 0.20mm チューブ長さ 200m チューブ押し潰しロールのゲージ圧力 4Kg/cm2 (3) 製品のリブ寸法。 押し潰したチューブの断面をカットして上下2箇所づつにできたリブの平均 寸法を測定した。 リブ高さ 0.15mm リブ底面幅 2.0mm (4) 製品品質。 実施例 比較例 比較例 (注1) (注2) 折目強度(注3) 200Kg/cm 200Kg/cm 140Kg/cm 耳あがり(注4) 0mm 6mm 2mm ワカメ現象有無(注5) なし あり なし ※(注1) 実施例と異なるところは、ダイを切欠きなしのもので加工 (注2) 実施例と異なるところは、チューブ押し潰しロールのゲー ジ圧力を6Kg/cm2とし、ダイは切欠き加工なしのもので加 工 (注3) チューブをそのまま長さ70mmにカットし、下辺中点より 斜めに底辺(折目部)が20mmとなるように、両側とも切 り除く。 下部三角形の部分を2枚に引き剥がし、これらの部分を引 張試験機のグリップに取り付け、180°剥離の要領で折 目部を引き裂く。 この時の最大荷重をチューブ厚みで除し折目強度とする。 (注4) 図8に見られるチューブ巻取製品の両サイドの盛り上がり と中央部の窪みの高さの差を耳あがりと称する。 (注5) チューブ巻取製品を床の上で転がして10m程巻き解き、 ワカメ状の捩れが発生するかどうかを観察する。
【0023】
本考案は上記の如き構成、作用であり、チューブ内面に数条のリブを設けたこ とにより、チューブ内面の密着が防止され、巻取製品の収縮応力に基づく部分的 歪が発生し難くなり、その結果として捩れを生じなくなることから、所謂「ワカ メ現象」を防止することができる。更に、チューブ内面の密着が防止されること から、ブロッキングがなくなる。そしてこれらの効果を、チューブ折目部の強度 低下を招いたり、巻取テンションを極端に小さくして、巻きくずれを生じ易くす るような虞なしに達成することができるものである。
【図1】本考案に係る灌水チューブの水圧のかかった状
態の断面図である。
態の断面図である。
【図2】本考案に係る灌水チューブの押し潰した状態の
断面図である。
断面図である。
【図3】本考案に係る灌水チューブの巻き取った状態の
斜視図である。
斜視図である。
【図4】本考案に係る灌水チューブの巻き取った状態の
断面図である。
断面図である。
【図5】従来品の水圧のかかった状態の断面図である。
【図6】従来品の押し潰した状態の断面図である。
【図7】従来品の巻き取った状態の斜視図である。
【図8】従来品の巻き取った状態の断面図である。
1 灌水チューブ 2 リブ
Claims (1)
- 【請求項1】 チューブの内面に、高さ0.1〜0.5
mm、幅1〜10mmの長手方向に連続したリブを数条設け
たことを特徴とする灌水チューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1638692U JPH0715405Y2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 灌水チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1638692U JPH0715405Y2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 灌水チューブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0619442U true JPH0619442U (ja) | 1994-03-15 |
JPH0715405Y2 JPH0715405Y2 (ja) | 1995-04-12 |
Family
ID=11914832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1638692U Expired - Lifetime JPH0715405Y2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 灌水チューブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0715405Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007525992A (ja) * | 2004-03-02 | 2007-09-13 | ネタフィム リミテッド | 潅漑用の管 |
JP2010022294A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Kami Plus Kk | 灌水用チューブ |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP1638692U patent/JPH0715405Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007525992A (ja) * | 2004-03-02 | 2007-09-13 | ネタフィム リミテッド | 潅漑用の管 |
JP2010022294A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Kami Plus Kk | 灌水用チューブ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0715405Y2 (ja) | 1995-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2342360C (en) | Pipe with coupling conforming to pipe diameter | |
JP3457007B2 (ja) | 割れ目入り環状シース | |
JPS604400B2 (ja) | 継手付ホース | |
US4453749A (en) | Cut off nipples | |
JP3200828B2 (ja) | 中空糸束ラップ用パイプとその製造方法および製造装置 | |
JPH0715405Y2 (ja) | 灌水チューブ | |
WO2018068990A1 (de) | Kabelummantelung und kabelbaum | |
CN103322341B (zh) | 高刚度聚乙烯金属缠绕结构壁管材及其生产方法及设备 | |
JPH0655433B2 (ja) | インフレ−シヨンフイルム、その製法と装置 | |
WO2018123779A1 (ja) | 複合管 | |
JP3527602B2 (ja) | ビニールハウス換気用フィルム巻き上げパイプ | |
JPH0414693Y2 (ja) | ||
JP2849640B2 (ja) | 継手付波形管とその製造方法 | |
JPH0545620Y2 (ja) | ||
DE60204983T2 (de) | Zerreissbares kernelement und ein solches aufweisende kaltschrumpfrohrvorrichtung | |
CN202118396U (zh) | 一种增强型pvc-u双壁波纹管 | |
CN220523488U (zh) | 一种pe异型带缠绕管 | |
TW201837356A (zh) | 複合管(三) | |
CN213484429U (zh) | 一种可伸缩式mpp电力电缆护套管 | |
KR900005827B1 (ko) | 나선코러게이트관용 연결플랜지의 제조방법 | |
JPH0413152Y2 (ja) | ||
JPH0237344Y2 (ja) | ||
CN221446845U (zh) | 一种金属包覆信号线缆 | |
CN201875298U (zh) | 用梯形钢带的钢塑复合缠绕管 | |
JPS59170504A (ja) | 継手末端を備えた所定長さのホ−ス節を製造するためのホ−ス及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |