JPH06193424A - ブローバイガス用オイル分離装置 - Google Patents

ブローバイガス用オイル分離装置

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JPH06193424A
JPH06193424A JP35934492A JP35934492A JPH06193424A JP H06193424 A JPH06193424 A JP H06193424A JP 35934492 A JP35934492 A JP 35934492A JP 35934492 A JP35934492 A JP 35934492A JP H06193424 A JPH06193424 A JP H06193424A
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JP
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oil
blow
gas
separation device
thread
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JP35934492A
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English (en)
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Koichi Hirakata
晃一 平形
Isao Kanazawa
偉佐男 金澤
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Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブローバイガスがオイル分離装置内を通過す
る際の通気抵抗を低く保ちつつオイルを良好に分離す
る。 【構成】 シリンダヘッドカバー10の内部に油滴捕捉
部材12を有するオイル分離装置11を配設する。油滴
捕捉部材12は、波板30により構成し、波板30は鋼
線31から成るたて糸32とよこ糸34との平織組織を
有する網の積層体とする。互いに隣接する波板30によ
って上下方向に並んだ管状通路を形成するとともに、そ
れら管状通路を波板30の隙間によって上下に繋がらせ
る。ブローバイガス中の油滴はたて糸32とよこ糸34
とに付着し、たて糸32を伝わって下方へ流れ、溝20
に及び、排出口18から流出する。排出口18を構成す
るパイプ22に金網24から鳴る内張層を形成し、オイ
ルの排出を助ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブローバイガス用オイ
ル分離装置(以降、オイル分離装置という)であって、
特に油滴捕捉部材によりブローバイガス中のオイルを分
離する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼室からピストンとシリン
ダとの隙間を経てクランクケース内へ洩れ出すブローバ
イガスは、炭化水素化合物,一酸化炭素,水蒸気等の燃
焼生成物を含んでいる。これらの燃焼生成物には、クラ
ンクケース中に滞留すると内燃機関の構成部品に錆を発
生させ、あるいは潤滑用オイルを劣化させる等内燃機関
の寿命に悪影響を及ぼす物質が含まれている。そのた
め、速やかにクランクケース外に排出することが必要で
ある。そこで、自動車用内燃機関にあっては、単に燃焼
生成物を大気中に排出するのではなく、この燃焼生成物
による大気汚染を防止するため、ブローバイガスを空気
燃料混合気または空気とともに内燃機関の燃焼室に導入
して燃焼させている。しかし、前記クランクケースの内
部やブローバイガスが通過するシリンダヘッドカバーの
内側空間には、ピストンやクランクシャフトあるいはカ
ムシャフトを潤滑するオイルの飛沫が存在するので、排
出されるブローバイガス中には微細な油滴が多く含まれ
ている。したがって、ブローバイガスをそのまま内燃機
関の燃焼室に導くと、潤滑用オイルが燃焼消費され、ま
た潤滑用オイルが不完全燃焼した場合は、排気中の有害
物質の濃度が増大する等の不具合が生ずる恐れがある。
【0003】これらの不具合を防止するため、様々なオ
イル分離装置が開発されている。例えば、実開昭57−
58326号公報には、繊維集合体であるメタルウール
によりブローバイガス中の油滴を捕捉する装置が開示さ
れている。これは、繊維集合体にブローバイガスを通
し、繊維とブローバイガス中の油滴とを接触させて、ブ
ローバイガス中の油滴を繊維に付着させるものである。
ブローバイガスが繊維集合体中を通過する過程におい
て、ブローバイガスは繊維に進路を妨げられて方向転換
を繰り返し、その方向転換の際、ブローバイガス中の油
滴が繊維に付着するのである。したがって、繊維集合体
中をブローバイガスが通過する際に、油滴が殆ど全て繊
維集合体によって捕捉される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メタルウール
等の繊維集合体では、繊維の配列に方向性がなく、繊維
同士の隙間の大きさも一定でない。そのため、水平方向
に沿った繊維に付着し凝集したオイルは、下方に流れず
そこに滞留する。特に隣接する繊維との間隔が狭ければ
その間に油膜を形成し、通気抵抗を増大させる。また、
隣接する繊維同士の間隔が狭ければその間にオイルの酸
化物や燃料未燃焼物質から生じたオイル不溶解物質が膜
状に固着し、通気抵抗が経時的に増大する。
【0005】通気抵抗が増大すると、オイル分離装置内
部のオイル排出口近傍の圧力とクランクケースやシリン
ダヘッドカバーの内部圧力との差が大きくなる。クラン
クケース等から排出され、オイル分離装置で捕捉された
オイルは、オイル排出口から重力による自然落下によっ
てクランクケース等に回収される。しかし、オイル分離
装置内部のオイル排出口近傍の圧力とクランクケース等
の内部圧力との差が大きいと、オイル排出口からブロー
バイガスがオイル分離装置内部に流入し、オイル排出口
からのオイルの自然落下が起こりにくくなる。特に内燃
機関が高速で回転する場合のようにブローバイガスの発
生量が多くなり上記圧力差が大きくなると、自然落下に
よるオイルの回収が困難となる場合がある。そこで、本
発明は、通気抵抗を低く保ちつつブローバイガス中のオ
イルを捕捉することにより、オイルの回収を円滑に行う
ことのできるオイル分離装置を開発することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、油滴を捕捉する油滴捕捉部材を
含むオイル分離装置において、油滴捕捉部材を、水平面
に対して傾斜した複数枚の仕切板を有し、その仕切板の
少なくとも表面部分が繊維状材料で形成され、かつ、そ
れら仕切板の間に油滴捕捉部材におけるブローバイガス
入口からブローバイガス出口に向かうガス通路が形成さ
れたものとしたことを要旨とする。請求項2の発明は、
上記複数枚の仕切板の少なくとも一部を、それら仕切板
間のガスの流線に沿って延びる複数の山および谷を有す
る波板とし、かつ、互いに隣接する波板の山および谷同
士を互いに対向させたことを要旨とする。請求項3の発
明は、前記複数枚の仕切板を、ほぼ鉛直面に沿って配設
されしたことを要旨とする。請求項4の発明は、上記仕
切板を、少なくとも互いに交差する2方向に延びる一の
糸および他の糸を有し、これらの糸のうち、他の糸より
水平面と交差する角度が大きい一の糸の数が、他の糸の
数の2倍以上であるものとしたことを要旨とする。請求
項5の発明は、上記仕切板を、少なくとも互いに交差す
る2方向に延びる一の糸および他の糸を有し、一の糸が
水平面となす角度と他の糸が水平面となす角度とがほぼ
等しく、一の糸と他の糸とがなす上下方向に開いた夾角
が30°乃至90°であるものとしたことを要旨とす
る。請求項6の発明は、オイル分離装置のオイル排出管
の内壁面に繊維状材料からなる内張層を設けたことを要
旨とする。請求項7の発明は、上記オイル排出管の内壁
面に、そのオイル排出管の軸方向の方向成分を有して延
びる溝を設けたことを要旨とする。
【0007】
【作用】本発明のオイル分離装置内へ流入したブローバ
イガスは、油滴捕捉部材を構成する複数枚の仕切板の間
のブローバイガスの通路(以降、ガス通路という)を通
過した後、オイル分離装置外へ流出する。ブローバイガ
ス中に浮遊している油滴は、ガス通路を通過する過程で
仕切板に付着する。油滴捕捉部材の入口から流入したブ
ローバイガスは、ガス通路中で巨視的には一定の方向に
流れるが、微視的には様々な方向の運動成分を持ち、仕
切板との衝突を繰り返しながら方向を変えて進行する。
そのため、ブローバイガス中の油滴も仕切板と接近,離
間を繰り返し、いずれ仕切板と接触して付着する。仕切
板は少なくとも表面が繊維状材料で形成されているた
め、その繊維状材料によって表面に多数の凹凸が形成さ
れ、仕切板の表面積が大きい。仕切板上の巨視的な単位
面積当たりの微視的な表面積が大きくなると、油滴の仕
切板への付着が行われやすくなる。また、凹凸の程度に
よってはブローバイガスの流れを乱すこととなって油滴
と仕切板表面とが接触する確率が高くなる。したがっ
て、油滴捕捉部材の少なくとも表面を繊維状材料で形成
することによって、ブローバイガス中の油滴を良好に捕
捉することができる。この際、一旦繊維に付着したオイ
ルを吹き飛ばさないため、ブローバイガスの流速は小さ
いほうが好ましい。なお、繊維状材料は、単繊維であっ
てもよく、複数の繊維が縒り合わされた糸であってもよ
い。また、その材質は、オイルとの濡れ性が高い材質が
好ましく、特に、鋼,アルミニウム,ポリプロピレン樹
脂等が好適である。
【0008】仕切板全体が繊維状材料で形成され、特に
その繊維状材料の密度が高くない場合には、油滴捕捉部
材による油滴の捕捉が一層良好に行われる。例えば、仕
切板が金属繊維または合成繊維からなる網を積層して成
形された網積層体である場合、仕切板の内部にブローバ
イガスが入り込むためブローバイガス中に含まれる油滴
と仕切板との接触の機会が多くなる。また、このような
網積層体は、ガス通路を進行するブローバイガスの流れ
を乱すため、油滴と仕切板との接触の機会がより大きく
なる。その結果、油滴の捕捉が良好に行われる。なお、
仕切板は水平面に対して傾きを有しているため、捕捉さ
れた油滴は仕切板の傾斜の方向に沿って流れ落ち、上記
網積層体の場合は網を構成する繊維を伝わって流れ落ち
る。
【0009】ガス通路を形成する仕切板の少なくとも一
部が、ガスの流線に沿って延びる複数の山および谷を有
する波板であり、かつ、互いに隣接する波板の山および
谷同士が互いに対向している場合には、隣接波板間にほ
ぼ管状の通路が複数本形成される。ガス通路がこのよう
に管状であると、油滴捕捉部材が単なる平板状である場
合に比べて、表面積を増加させることができ、油滴と油
滴捕捉部材との接触の機会を増やすことができる。
【0010】このような管状通路を形成する仕切板が、
オイル分離装置内でほぼ鉛直面に沿って配設されれば、
仕切板に付着した油滴が仕切板に沿って下方に流れ易く
なる。そのため、繊維状材料によって形成されている仕
切板表面の凹凸が、捕捉された油滴によって埋められて
実質的に表面積が小さくなってしまうことがない。ただ
し、この場合、繊維表面が必ずしも直接ブローバイガス
に接している必要はなく、凹凸形状を保った状態にあれ
ば油膜に覆われていてもよい。
【0011】また、ほぼ鉛直面に沿って配設された仕切
板が、少なくとも互いに交差する2方向に延びる一の糸
および他の糸を有し、これらの糸のうち、他の糸より水
平面と交差する角度が大きい一の糸の数が、他の糸の数
より多ければ、仕切板に付着した油滴は、速やかに下方
に流れ落ちる。油滴は繊維に沿って流れるため、水平面
と交差する角度の大きな糸が多くあれば、その糸に沿っ
て流れ落ちる量が多くなるためである。特に、水平面と
交差する角度の大きい糸の量が、その他の糸の量の2倍
以上あると、その効果が大きい。ここで、仕切板が平
板、あるいは山,谷が鉛直方向に延びる波板であって、
仕切板上の全ての部分が、ほぼ鉛直面上に有る場合に
は、水平面と交差する角度の大きな糸と水平面とのなす
角は、60°以上であるのが好ましい。一方、波板の
山,谷の延びる方向が鉛直方向から傾いており、波板上
において部分的に鉛直方向から傾斜した面、例えば、水
平方向の管状通路を形成する波板の山と谷とを結ぶ面等
においては、水平面と交差する角度の大きい糸と水平面
とのなす角度は、水平面に対して20°以上あるのが好
ましい。
【0012】また、仕切板が平板、あるいは山,谷が鉛
直方向に延びる波板であって、仕切板上の全ての部分
が、ほぼ鉛直面上に有る場合、少なくとも互いに交差す
る2方向に延びる一の糸と他の糸とにおいて、一の糸が
水平面となす角度と他の糸が水平面となす角度とがほぼ
等しく、一の糸と他の糸とがなす上下方向に開いた夾角
が30°乃至90°であれば、油滴は速やかに下方に流
れ落ちる。油滴を捕捉した繊維が、水平面に対して一定
以上の角度を有していると、油滴はその繊維に沿って下
方に流れる。しかし、これらの繊維のなす上下方向に開
いた夾角が小さすぎると十分な寸法精度と形状安定性を
備えた仕切板あるいは仕切板表面の成形が困難となる。
この夾角が30°乃至90°であれば、油滴の下方への
流れと仕切板あるいは仕切板表面の成形性とが両立し、
特に、60°前後の夾角が好適である。また、波板の
山,谷の延びる方向が鉛直面から傾いている場合には、
前記と同様に一の糸あるいは他の糸と水平面とのなす角
度は、水平面に対して20°以上あるのが好ましい。
【0013】仕切板に付着した油滴は、その仕切板上を
下方に流れ、オイル排出口から排出される。一般に、シ
リンダヘッドカバーやクランクケースに組み込まれたオ
イル分離装置では、オイル分離装置の内圧よりもシリン
ダヘッドカバーやクランクケースの内圧のほうが高いの
で、オイル排出口からオイル分離装置のなかにブローバ
イガスが吹き込む。ブローバイガスの流速が大きい場合
には、オイルはブローバイガスの流れに妨げられて流出
しない。しかし、オイル分離装置のオイル排出管の内壁
面に軸方向に連続する細孔を有する多孔質の材料からな
る内張層を設ければ、排出口に至ったオイルは毛細管現
象によって内張層中に進入し、ブローバイガスの流れに
関わらず内張層の下端部に達する。下端部に達したオイ
ルは、その下端部から滴下する。なお、多孔質の材料と
は、固体に多数の孔を有するいわゆる多孔質材料のみで
なく、繊維集合体の如く、多数の小片が集合した結果、
空隙部を有する集合体として取扱が可能となったものも
含む。
【0014】さらに、このオイル排出管の内壁面に、そ
の軸方向の方向成分を有して延びる溝を設けると、設け
ない場合に比較して多量のオイルを排出することができ
る。上記内張層の存在により、溝へのブローバイガスの
流れの影響が小さくなり、オイルが溝を経て排出される
ためである。なお、軸方向の方向成分を有して延びる溝
は、軸方向に沿って直線状に延びてもよく、あるいは、
軸方向に対して傾斜を有して延びてもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明に従って、少なくとも表面部分を
繊維状材料で形成した仕切板で油滴捕捉部材を構成する
ことにより、ブローバイガスと仕切板との接触表面積が
大きくなり、油滴と油滴捕捉部材とが接触する確率が高
くなって、油滴の捕捉を良好に行うことができる。ま
た、仕切板を波板状とし、その波板の山同士を対向させ
て管状のガス通路を形成すれば、通気抵抗をそれほど増
大させることなく、同一容積のオイル分離装置中での油
滴捕捉部材の表面積を大きくでき、油滴の捕捉を一層良
好に行うことができる。
【0016】仕切板をほぼ鉛直面に沿って配設すれば、
油滴を速やかに下方に移動させ、仕切板表面の凹凸が油
滴に埋められることを防いで油滴と仕切板との接触面積
の減少を回避し、油滴捕捉部材の油滴捕捉能力を維持す
ることができる。また、仕切板における糸の配列を工夫
し、水平面となす角の大きな糸の数を、それに交差し水
平面と成す各野小さな糸の数より多くすれば、仕切板で
捕捉された油滴を下方へ速やかに移動させて油滴と仕切
板との接触面積の低下を回避し、油滴捕捉部材の油滴捕
捉能力を維持することができる。仕切板において、各糸
が水平面と一定以上の角度を有し、それらの糸のなす上
下に開いた夾角が特定範囲になるようにしても、仕切板
で捕捉された油滴を速やかに下方へ移動させて油滴と仕
切板との接触面積の低下を回避し、油滴捕捉部材の油滴
捕捉能力を維持することができる。
【0017】また、オイル排出管の内壁面に、軸方向に
連続する細孔を有する多孔質の材料からなる内張層を設
ければ、ブローバイガスのオイル排出口からの吹き込み
に関わらず、オイルをオイル分離装置外部に良好に排出
することができる。多孔質の材料からなる内張層を設け
たオイル排出管の内壁面に、排出管の軸方向の方向成分
を有して延びる溝を設ければ、オイルをオイル分離装置
外部に速やかに排出することができる。
【0018】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1及び図2に示す如く、内燃機関の上部に備え
られるシリンダヘッドカバー10の内部にオイル分離装
置11が設けられている。そのオイル分離装置11の主
構成要素である油滴捕捉部材12が、アンダカバー14
に支持されている。アンダカバー14には、ブローバイ
ガス入口16および分離されたオイルを排出口18に導
く複数の溝20が形成されている。排出口18は、アン
ダカバー14に鉛直に取り付けられた鋼製のパイプ22
とそのパイプ22に内接する円筒状の金網24で形成さ
れている。金網24の上端部はパイプ22の上端部より
も上方に金網24の厚さの2倍突き出ている。パイプ2
2の下端面と金網24の下端面とは水平面に対して傾斜
させられており、パイプ22の下端面は金網24の下端
面より下方に延びだしている。
【0019】排出口18近傍のアンダカバー14の上部
には、オイル分離後のブローバイガスをシリンダヘッド
カバー10の外部へ放出するブローバイガス出口26が
設けられている。ブローバイガス出口26とアンダカバ
ー14との間には、カバー28が設けられ、溝20を流
れるオイルがアンダカバー14の振動によって撥ね上げ
られ、ブローバイガス出口26から流出するブローバイ
ガスと共に外部へ排出されることが防止されている。
【0020】油滴捕捉部材12は、図2に示す如く、、
複数枚の波板30で構成されている。波板30は、ほぼ
鉛直面に沿って配設されている。また、波板30はブロ
ーバイガス入口16とブローバイガス出口26とを結ぶ
方向とほぼ平行な複数の山および谷を有しており、互い
に隣接する波板30の山同士および谷同士が対向させら
れて管状のガス通路が形成されている。波板30は、線
径の極めて小さな鋼線を用いて形成される。図3に示す
ように、複数本の鋼線31が束ねられて繊維束とされ
る。この繊維束が、たて糸32およびよこ糸34に使用
され、たて糸32の打込数がよこ糸34の打込数の2.
5倍である平織組織網が製織される。この網が複数枚積
層され、その網積層体がプレスで成形されて波板30と
されるのである。なお、網は、波板30が油滴捕捉部材
12としてオイル分離装置に組み込まれる際に、たて糸
32の方向と重力方向とが一致するよう積層される。
【0021】次に作用について説明する。油滴を含むブ
ローバイガスは、ブローバイガス入口16よりオイル分
離装置11内に流入し、油滴捕捉部材12の入口36を
経て油滴捕捉部材12内部を流れ、出口38から油滴捕
捉部材12の外に出て、さらにブローバイガス出口26
からシリンダヘッドカバー10の外に排出される。
【0022】ブローバイガスが油滴捕捉部材12内部を
通過する間に、ブローバイガスに含まれる油滴が波板3
0の壁面に付着する。波板30は網積層体であるため、
その壁面は巨視的にも、微視的にも凹凸を有している。
これらの巨視的および微視的凹凸は、波板30の壁面の
表面積を大きくし、ガス通路中でのブローバイガスの流
れを乱して油滴と波板30とが接触する確率を増大させ
る。
【0023】互いに隣接する波板30によって形成され
た複数本の管状通路は、山と山との間に形成された狭い
隙間によって、上下方向に繋がっている。そのため、波
板30の壁面および壁内部に付着した油滴は壁面および
壁内部を伝わって良好に下方に流れる落ちる。波板30
を構成する網の組織は、たて糸32の打ち込み本数がよ
こ糸34の打ち込み本数の2.5倍であるため、たて糸
とよこ糸との打込み数が同じである場合に比較して、糸
の密度の割にたて糸32が多く、付着した油滴はたて糸
32に沿って速やかに流れ落ちる。流れ落ちたオイル
は、溝20内に流入して排出口18のパイプ22に至
る。
【0024】溝20を経て排出口18に備えられた金網
24の上端部に達したオイルは、毛管現象により金網2
4中に吸い込まれる。この際、金網24の上端がパイプ
22の上端部より上方へ金網24の厚みの2倍の厚さ分
だけ突き出ているため、オイルと金網の接する面積が大
きく、そのため、排出口18に達するオイルの量が多い
場合であっても、オイルは速やかに金網24中に吸い込
まれる。オイル分離装置内外に圧力差があり、排出口1
8を通ってオイル分離装置内へブローバイガスが吹き込
んでいる場合であっても、オイルは毛管現象により金網
24内を下方に移動する。金網24内を移動し金網24
の下端部に集合したオイルは、表面張力と重力との作用
で油膜状にパイプ22内面上を移行し、パイプ22の下
端に達した後は鋭角的に尖った先端部に集まって滴下す
る。
【0025】このように、油滴捕捉部材12を備えたオ
イル分離装置に油滴を含むブローバイガスを通すことに
より、油滴は油滴捕捉部材12に捕捉され、シリンダヘ
ッドカバー10の外部に排出されるブローバイガス中の
オイルは無視できる程度に減らされる。その結果、当該
内燃機関の燃焼室内で発生するブローバイガス中のオイ
ルの殆どが再びオイル溜まりに戻り、燃焼する量が減少
するために、オイルの燃焼により発生する排気中の有害
物質の濃度が低下する。
【0026】また、油滴捕捉部材12に捕捉されたオイ
ルは油滴捕捉部材12を構成する繊維を伝わって溝20
に流入し、さらに、パイプ22内に設けた金網24に入
り、毛管現象と表面張力の作用でパイプ22の下端部よ
り円滑にクランクケース等に回収され、内燃機関の潤滑
油として回収される。その結果、当該内燃機関のオイル
消費量は減少する。
【0027】以上から明らかなように、本実施例では、
鋼線31が繊維状材料を構成し、たて糸32が一の糸を
構成し、よこ糸34が他の糸を構成している。また、パ
イプ22がオイル排出管を構成し、金網24が内張層を
構成している。
【0028】次に、第2の実施例を示す。図4は、油滴
捕捉部材40がシリンダヘッドカバー10内側の側面に
取り付けられたオイル分離装置41を示す。油滴捕捉部
材40には、ほぼ鉛直方向にガス通路が形成されてい
る。油滴捕捉部材40は、図5に示すように複数の波板
44によって構成されている。波板44は、アルミニウ
ム線で形成された網の積層体である。ただし、図6に示
すように、網の組織は実施例1とは異なっており、2方
向に交差する糸の打ち込み本数は同じであり、交差する
角度は60°である。この網は、たて糸とよこ糸から製
織するのは困難であるため、2方向の糸の溶着により製
造されている。網は、油滴捕捉部材40がシリンダヘッ
ドに取り付けられる際に、2方向の糸が成す60°の夾
角が、上下方向に開いた向くように積層されている。
【0029】ブローバイガスは油滴捕捉部材40の下方
からブローバイガス通路に入り、油滴が取り除かれつつ
上方に通り抜け、ブローバイガス出口42に達してエン
ジン側に供給される。捕捉されたオイルは、ブローバイ
ガスの流れに逆行しながら油滴捕捉部材40を構成する
波板44に沿って流れ落ち、シリンダヘッド内部に滴下
する。波板44は2方向の糸が成す上下方向に開いた夾
角が60°である網の組織を有しているため、波板44
に付着したオイルは、毛管現象と重力の作用により速や
かに流れ落ちる。
【0030】図7に本発明の第3の実施例における排出
口の例を示す。排出口を構成するパイプ50の内周面に
溝51が軸方向に沿って設けてあり、溝51の縁に接し
て円筒状の金網52が挿入されている。排出口に至った
オイルは、一部が金網52の上部から毛管現象により金
網を伝わって下方に移動し、他のオイルは溝51の内側
を流れ落ちる。
【0031】図8には、軸方向にその断面積が変化する
タイプの排出口の例を示す。第1の実施例において、オ
イル分離装置の外部から、その内部にむかってパイプ2
2の内部をブローバイガスが流れる場合、パイプ22内
部の静圧はパイプ22の下端部周辺の静圧よりも低くな
る。しかし、パイプ22内部ではブローバイガスの流速
が流れの方向について一定であるため流れ方向の静圧の
勾配は小さい。その結果、パイプ22の下端周辺からパ
イプ22の内部にかけて大きな静圧勾配が発生し、これ
が金網24内部の毛管現象によるオイルの流れ落ちを阻
止するおそれがある。図8に示すテーパ状のパイプ54
と金網56の内部をブローバイガスが流れる場合、パイ
プ54の内部には流れの方向に比較的大きな静圧勾配が
発生するため、パイプ54の下端周辺からパイプ54の
内部にかけて発生する静圧の勾配が第1の実施例の場合
よりも小さくなる。その結果、金網56内部の毛管現象
によるオイルの流れ落ちが阻止されない。パイプ54と
金網56のテーパ角度の最適値は、金網56の平均長さ
と平均内径の比により異なるが、例えば、この比が3の
場合については、6°乃至18°が適当である。
【0032】以上、本発明のいくつかの実施例について
説明したが、本発明はこれらの実施例に限られるもので
はない。例えば、オイル分離装置の位置は、シリンダヘ
ッドカバーの上部或いは側部に限らず、油滴捕捉部材が
設置できる位置であれば良く、油滴捕捉部材の材料も全
体が繊維状材料で形成されている必要はなく、ブローバ
イガスとの接触面のみが繊維状材料で覆われているもの
等でもよい。材質も鋼およびアルミニウムに限られず、
他の金属、ポリプロピレン等の樹脂、セラミック等種々
のものを用いることができる。また、繊維のみで油滴捕
捉部材が構成される際、網状体である必要はなく、布,
不織布等であってもよい。網の組織についても、本実施
例の2種類に限らず、たて糸の打込数がよこ糸の打込数
より多く、かつ、たて糸,よこ糸ともに水平面に対して
傾斜しているようなものでもよい。また、油滴捕捉部材
の形状と織りの組み合わせは特に限定されるものではな
く、第1の実施例で用いた網積層体と第2の実施例で用
いた網積層体とを入れ換えて使用等してもよい。また、
油滴捕捉部材は単一の材料から作られている必要はな
く、種々の材料を組み合わせたものでもよい。また、油
滴捕捉部材で形成されるブローバイガス通路は、直線状
である必要はなく、全体的に湾曲していたり、途中で屈
曲等していてもよい。また、ブローバイガス通路の幅も
一定である必要はなく、ブローバイガスの進行方向にむ
けて変化してもよく、上下方向に変化してもよい。
【0033】さらに、排出口に取り付けられる内張層も
金網に限られず、発泡金属、焼結体、金属フェルト等を
用いることもできる。排出口を形成するパイプおよび内
張層の形状も単なる円筒状に限らず図8の例を始め、種
々の形状が可能である。
【0034】その他、特許請求の範囲を逸脱すること無
く、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるブローバイガス用
オイル分離装置の正面断面図である。
【図2】上記ブローバイガス用オイル分離装置の側面断
面図である。
【図3】上記ブローバイガス用オイル分離装置の油滴捕
捉部材を形成する網の構造を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例であるブローバイガス用
オイル分離装置の正面断面図である。
【図5】上記第2の実施例であるブローバイガス用オイ
ル分離装置の油滴捕捉部材の斜視図である。
【図6】上記油滴捕捉部材を構成する網の構造を示す図
である。
【図7】本発明の第3の実施例における排出口の正面断
面図である。
【図8】パイプおよび内張層の断面積が変化する排出口
の例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
11 オイル分離装置 12 油滴捕捉部材 18 排出口 22 パイプ 24 金網 31 鋼線 40 油滴捕捉部材 50 パイプ 52 金網 54 パイプ 56 金網

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油滴を捕捉する油滴捕捉部材を含むブロ
    ーバイガス用オイル分離装置であって、 前記油滴捕捉部材が、水平面に対して傾斜した複数枚の
    仕切板を有し、その仕切板の少なくとも表面部分が繊維
    状材料で形成され、かつ、それら仕切板の間に前記油滴
    捕捉部材におけるブローバイガス入口からブローバイガ
    ス出口に向かうガス通路が形成されたことを特徴とする
    ブローバイガス用オイル分離装置。
  2. 【請求項2】 前記複数枚の仕切板の少なくとも一部
    が、それら仕切板の間のガスの流線に沿って延びる複数
    の山および谷を有する波板であり、かつ、互いに隣接す
    る波板の山および谷同士が互いに対向していることを特
    徴とする請求項1記載のブローバイガス用オイル分離装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数枚の仕切板が、ほぼ鉛直面に沿
    って配設されたことを特徴とする請求項1または2記載
    のブローバイガス用オイル分離装置。
  4. 【請求項4】 前記仕切板が、少なくとも互いに交差す
    る2方向に延びる一の糸および他の糸を有し、これらの
    糸のうち、前記他の糸より水平面と交差する角度が大き
    い前記一の糸の数が、前記他の糸の数の2倍以上である
    ことを特徴とする請求項3記載のブローバイガス用オイ
    ル分離装置。
  5. 【請求項5】 前記仕切板が、少なくとも互いに交差す
    る2方向に延びる一の糸および他の糸を有し、該一の糸
    が水平面となす角度と前記他の糸が水平面となす角度と
    がほぼ等しく、前記一の糸と前記他の糸とがなす上下方
    向に開いた夾角が30°乃至90°であることを特徴と
    する請求項3記載のブローバイガス用オイル分離装置。
  6. 【請求項6】 分離されたオイルを外部へ排出する排出
    管を有し、その排出管の内壁面に、軸方向に連続した細
    孔を有する多孔質の材料からなる内張層が設けられたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    のブローバイガス用オイル分離装置。
  7. 【請求項7】 前記オイル排出管の内壁面に、該オイル
    排出管の軸方向の方向成分を有して延びる溝が設けられ
    たことを特徴とする請求項6記載のブローバイガス用オ
    イル分離装置。
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