JPH06173629A - ブローバイガス用オイル分離装置 - Google Patents

ブローバイガス用オイル分離装置

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JPH06173629A
JPH06173629A JP35096192A JP35096192A JPH06173629A JP H06173629 A JPH06173629 A JP H06173629A JP 35096192 A JP35096192 A JP 35096192A JP 35096192 A JP35096192 A JP 35096192A JP H06173629 A JPH06173629 A JP H06173629A
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JP
Japan
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oil
blow
tubular body
gas
separation device
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JP35096192A
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English (en)
Inventor
Koichi Hirakata
晃一 平形
Isao Kanazawa
偉佐男 金澤
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Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブローバイガスがオイル分離装置内を通過す
る際の通気抵抗を低く保ちつつオイルを分離することに
より、ブローバイガス中に含まれるオイルの回収を円滑
に行う。 【構成】 シリンダヘッドカバー10内部に構成された
オイル分離装置11の油滴捕捉部材12に、複数の互い
に平行な管状体22が横一列に並んだ管状体束24が多
層に重なった集合体が用いられており、管状体束24を
構成する管状体22の両端面が管状体22の軸方向に対
して40°の傾斜を有している。また、両端部には繊維
状材料からから成る上部及び下部マット部材28,30
が設けられ、下部マット部材は、オイル排出口に繋がる
溝が形成されたアンダカバー14で支持されている。ブ
ローバイガス中の油滴が管状体束24を通過する過程で
管状体22の内壁面に付着してブローバイガスより分離
され、クランクケースに回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブローバイガス用オイ
ル分離装置であって、特に油滴を含むブローバイガスを
管状体内部に通して、その内壁面に油滴を付着させるこ
とによりブローバイガス中のオイルを分離する装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼室からピストンとシリン
ダの隙間よりクランクケース内へ洩れ出すブローバイガ
スは、炭化水素化合物,一酸化炭素,水蒸気等の燃焼生
成物を含んでいる。これらの燃焼生成物には、クランク
ケース中に滞留すると内燃機関の構成部品に錆を発生さ
せ、あるいは潤滑用オイルを劣化させる等内燃機関の寿
命に悪影響を及ぼす物質が含まれているので、速やかに
クランクケース外に排出することが必要である。自動車
用内燃機関にあっては、前記の燃焼生成物による大気汚
染を防止するため、ブローバイガスを空気燃料混合気ま
たは空気とともに内燃機関の燃焼室に導入して燃焼させ
ている。しかし、前記クランクケースの内部およびブロ
ーバイガスが通過するシリンダヘッドカバーの内側の空
間には、ピストンやクランクシャフトあるいはカムシャ
フトを潤滑するオイルの飛沫が存在するので、排出され
るブローバイガス中には微細な油滴が多く含まれてい
る。したがって、ブローバイガスをそのまま内燃機関の
燃焼室に導くと、潤滑用オイルが消費され、またオイル
の不完全燃焼により排気中の有害物質の濃度が増大する
等の不具合が生じる。
【0003】これらの不具合を防止するため、様々なオ
イル分離装置が開発されている。その機構としては、例
えば、実開昭55−46703号公報に開示されたブロ
ーバイガスを邪魔板に吹きつけて油滴を邪魔板に付着さ
せる機構をはじめ、回転翼または案内翼でブローバイガ
スに旋回運動を起こさせ、遠心力で油滴を通路内壁面や
容器壁面に衝突させ付着させる機構、繊維集合体または
発泡体にブローバイガスを通し、繊維表面または泡の内
壁面に油滴を付着させる機構、容器のオイル中にブロー
バイガスを通して気泡としてオイル中を上昇させ、その
間に油滴をオイルに捕捉させる機構等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのいず
れにおいてもブローバイガスの通気抵抗が高くなる。油
滴を壁面等に衝突させる機構では、ブローバイガスを高
速で壁面に衝突させて、その流れの方向を急激に転換さ
せることが必要であるため、流路断面積が小さくされて
通気抵抗が高くなり、また、繊維集合体等を用いる機構
では、繊維集合体等を通過する際に方向転換が頻繁に行
われるため通気抵抗が高くなり、オイル中にガスを吹き
込む機構では、ブローバイガスをオイルに吹き込む際の
抵抗が大きいため通気抵抗が高くなる。このように、通
気抵抗が高い場合、オイル分離装置のオイル排出口側圧
力とクランクケースやシリンダヘッドカバーの内部圧力
との差が大きくなる。クランクケース等から排出され、
オイル分離機構で捕捉されたオイルは、オイル排出口か
ら重力による自然落下によってクランクケース等に回収
されるのであるが、オイル分離装置のオイル排出口側圧
力とクランクケース等の内部圧力との差が大きいと、重
力による自然落下が起こりにくくなる。特に内燃機関が
高速で回転する場合のようにブローバイガスの発生量が
多くなり圧力差が大きくなると、重力によるオイルの落
下が妨げられ、あるいはオイルが分離装置の中を逆流す
る場合がある。そこで、本発明は、通気抵抗を低く保ち
つつブローバイガス中のオイルを捕捉することにより、
オイルの回収を円滑に行うことのできるオイル分離装置
を開発することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、油滴捕捉部材として複数の互い
に平行な管状体からなる管状体束を用いることを要旨と
し、請求項2の発明は、管状体の端面と軸方向とのなす
角を鋭角とすることを要旨とし、請求項3の発明は、管
状体束に接して繊維状材料で形成されたマット部材を設
けることを要旨とし、請求項4の発明は、オイル排出口
に繋がる溝が形成された溝形成部材を前記マット部材に
接して設けることを要旨とするものである。
【0006】
【作用】請求項1のブローバイガス分離装置では、ブロ
ーバイガスが油滴捕捉部材を構成する複数の平行な管状
体の束である管状体束中を通過する際に、ブローバイガ
ス中に含まれる油滴が管状体内壁面に付着し、ブローバ
イガスより分離される。ブローバイガスが管状体内を通
過する際、管状体内壁面がオイルに対する濡れ性の良い
材質、例えば鋼板やアルミニウム板、あるいはポリプロ
ピレン樹脂等で形成されていると、ブローバイガス中の
油滴は管状体内壁面に容易に付着し、油膜が形成され
る。特に、ブローバイガスの流動方向が管状体の軸方向
と一致せず種々の方向を有する場合には、ブローバイガ
ス中の油滴は管状体内壁面と接近,離間を繰り返すた
め、管状体内を通過する間にその殆どが管状体内壁面に
接触し、付着して管状体内壁面に油膜が形成される。こ
の際、管状体内壁面への油滴の付着量は、ブローバイガ
スの流速に依存している。流速が大きい場合には、ブロ
ーバイガス中の油滴が管状体内壁面に接触する機会が少
なく、油滴の多くは管状体を通過してしまうが、流速が
小さい場合にはブローバイガス中の油滴が管状体内壁面
に接触する機会が多くなり、油滴の殆どが管状体内壁面
に付着する。したがって、管状体束からなる油滴捕捉部
材によって油滴を捕捉するにはブローバイガスの流速が
小さい方が良い。
【0007】ブローバイガス中の油滴の付着により管状
体内壁面に形成された油膜は、重力,管状体内壁面の傾
斜,ブローバイガスの風圧および内燃機関の振動等によ
り管状体のブローバイガス入口部や出口部に移動させら
れる。この際、管状体のブローバイガス入口部または出
口部、すなわち管状体端部の形状が適当でないと、端部
に移動させられたオイルが、その粘性および表面張力に
より管状体の開口部に滞留し、その滞留量が増してブロ
ーバイガスの通路が閉塞される場合がある。例えば、管
状体の軸方向が重力方向と一致する場合、管状体の下端
面が重力方向と直角であればオイルが下端部に滞留しや
すく、開口部が閉塞されやすい。しかし、下端面が重力
方向に対して傾斜していると、オイルは重力により傾斜
部の最下端部に流れて油滴となり、この油滴が成長して
自らの重量で最下端部より落下する。
【0008】例えば、常温において鉛直に設置されたポ
リプロピレン製の管状体(約4mm角)と粘度指数SA
E30のエンジンオイルを用いた場合、管状体下部の端
面が管状体の軸線に対して90°をなす場合には、管状
体端部内壁面に約4mmの長さのオイルが滞留するが、
端面と軸線の成す角が40°になると殆ど滞留は起こら
ない。更にこの角度を小さくして零度に近づければオイ
ルは一層滞留しにくくなる。オイルの粘度等によって滞
留が発生しない角度は変化するが、内燃機関に一般に使
用されるオイルの場合には、管状体端面と管状体軸線と
の成す角度は40°以下が望ましい。
【0009】繊維状材料で形成されたマット部材が管状
体端部に接して設けられておれば、管状体内壁面に付着
し、重力等の作用で管状体端部に移動させられたオイル
が毛細管現象により速やかにマット部材に吸収される。
また、ブローバイガスが油滴捕捉部材中のつづら折り上
に配置された複数の管状体束を次々に通過する場合に管
状体束の端部に接してマット部材を設ければ、マット部
材自体によってもブローバイガス中の油滴が分離され
る。ブローバイガスがつづら折り上に配置された各管状
体束を通過する場合、その端部において反転を繰り返
す。その反転の際に、管状体束の端部にあるマット部材
に油滴が衝突し、付着する。特に、マット部材が繊維状
材料で形成されている場合には、ブローバイガス中の油
滴がマット内部に進入して繊維により捕捉され繊維間に
大量に保持される。
【0010】マット部材内に保持されたオイルは、その
マット部材に接して溝形成部材が設けられていれば、溝
形成部材の溝に沿って速やかに流れ、排出口から排出さ
れる。
【0011】
【発明の効果】管状体束を油滴捕捉部材に使用すること
によって、ブローバイガスの流速が低い状態で油滴をブ
ローバイガスから分離できる。そのため、オイル分離装
置のオイル排出口側の圧力とクランクケース等の内部の
圧力との差が小さくなり、オイル分離装置のオイル排出
口からのオイルの自然落下が容易に行われる。また、管
状体の端面と軸方向とのなす角を鋭角、好ましくは40
°以下にすることによって、オイルの管状体端部での滞
留が無くなり、あるいは減少するので、管状体内部をブ
ローバイガスが容易に通過し、管状体束によるオイルの
捕捉が好適に行われる。さらに、管状体に接して繊維状
材料からなるマット部材を設けることによって、管状体
内壁面に付着し、重力等によって管状体端部に移動させ
られたオイルが管状体からマット部材へ速やかに移動す
る。そのため、管状体内に滞留するオイルの量が減少
し、管状体束中のブローバイガスの流れが妨げられな
い。そして、溝形成部材をマット部材に接して設けるこ
とによって、マット部材中に保持されたオイルが溝形成
部材の溝に案内されて排出口から速やかに排出される。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1及び図2に示す如く、内燃機関の上部に備え
られるシリンダヘッドカバー10の内部にオイル分離装
置11(本発明に係るブローバイガス用オイル分離装置
を構成する)が設けられている。そのオイル分離装置1
1の主構成要素であり、内燃機関の燃焼室からクランク
ケースに洩れ出すブローバイガスと共にクランクケース
から流出する微細な油滴を捕捉する油滴捕捉部材12
が、アンダカバー14に支持されている。アンダカバー
14には、ブローバイガス入口16,ブローバイガスか
ら分離されたオイルの排出口18および分離されたオイ
ルを排出口18に導く複数本の溝20が形成されてい
る。アンダカバー14が溝形成部材としても機能するの
である。
【0013】油滴捕捉部材12は、図4に示すように、
横断面が長方形の複数の管状体22が横一列に束ねられ
た管状体束24が多層に重なり合った集合体であり、各
層間の隔壁の位置が互いに平行を保ったまま管状体22
の長手方向に交互にずれさせられることによって、各管
状体束24が直列につながれて、つづら折り状のブロー
バイガス通路を形成している。なお、この油滴捕捉部材
12は、アルミニウムの押出成形により製造されたもの
である。各管状体22の上端面および下端面は、図3に
示すように管状体22の軸方向に対して40°の傾斜角
をもって形成されている。格子状の隔壁を持つ押出成形
された長手部材をワイヤカッティング等により鋸歯状に
切断することによって油滴捕捉部材12を製造する場
合、上下端の形状が互いに補完的となり、上下端面の傾
斜角が同一となっているので、この形状における油滴捕
捉部材12の量産の歩留りが向上するものの、本来上下
端面の傾斜は同一である必要はない。なお、長手部材を
切断する際には両側壁に複数のV字形の切欠が生じるた
め、油滴捕捉部材12の両側面には、管状体22内部を
通過するブローバイガスが横に洩れるのを防ぐ目的で側
板26が当てられている。
【0014】油滴捕捉部材12は、メタルウールで形成
された上部マット部材28および下部マット部材30で
上下から挟まれてており、上部マット部材28はシリン
ダヘッドカバー10の天板下面に接し、下部マット部材
30はアンダカバー14の溝20を形成する凸部の頂面
に接して設けられている。排出口18近傍のアンダカバ
ー14の上方には、オイル分離後のブローバイガスをシ
リンダヘッドカバー10の外部へ放出するブローバイガ
ス出口32が設けられている。ブローバイガス出口32
とアンダカバー14との間には、カバー34が設けら
れ、溝20を流れるオイルがアンダカバー14の振動に
よって撥ね上げられ、ブローバイガス出口32から流出
するブローバイガスと共に外部へ排出されることが防止
されている。
【0015】次に作用について説明する。油滴を含むブ
ローバイガスは、ブローバイガス入口16よりオイル分
離装置11内に流入し、油滴捕捉部材12の入口36を
経て油滴捕捉部材12内部を上方および下方への反転を
繰り返しつつ流れ、出口38から油滴捕捉部材12の外
に出て、さらにブローバイガス出口32からシリンダヘ
ッドカバー10の外に排出される。
【0016】ブローバイガスが油滴捕捉部材12内部を
反転しながら流れる間に、ブローバイガスに含まれる油
滴は管状体22の内壁面に付着し、また、一部の油滴は
反転時に上部および下部マット部材28,30に捕捉さ
れ吸収される。管状体22の内壁面に付着した油滴は凝
集して油膜を形成し、重力及びブローバイガスの風圧に
より、内壁面を上方あるいは下方に移動する。重力方向
とブローバイガスの流れの方向とが一致している場合は
油膜は下方に移動する。重力方向とブローバイガスの流
れの方向とが逆である場合には重力とブローバイガスの
風圧の大きさによって移動方向が決まる。重力よりブロ
ーバイガスの風圧の方が大きい場合には、油膜が上方に
移動し、逆の場合には下方へ移動するのである。したが
って、管状体22の内壁面に付着し、管状体22の内壁
面を下方に移動する油膜は、下部マット部材30に流れ
込み、一方、上方に移動する油膜は上部マット部材28
に一旦吸収された後、油膜が下方に移動する内壁面に流
れ出し、その内壁面を移動して下部マット部材30に流
れ込む。また、反転時に上部マット部材28に捕捉され
吸収されたオイルも、管状体22の内壁面に流れ出し、
内壁面を移動して下部マット部材30に流れ込む。
【0017】管状体22の内壁面の油膜を形成するオイ
ルが下部マット部材30に流れ込む際、管状体22の端
面が軸方向に垂直に近い角度を有していると、オイルの
粘性抵抗および表面張力により端部にオイルが滞留し、
端部の閉塞を起こす場合がある。特にオイルの捕捉効率
を向上させるために断面積の小さい管状体22を用いる
場合には閉塞が起きやすい。この閉塞を回避するため、
本実施例では図3に示すように管状体22の端面が軸方
向に対して角度40°で傾斜させられ、管状体22から
オイルが流出しやすいようにされている。そのため、管
状体22の内壁面を下降してきたオイルは、管状体22
下端部から下部マット部材30に速やかに流出する。さ
らに、溝20と下部マット部材30とが接しているた
め、下部マット部材30に流れ込んだオイルは、溝20
と下部マット部材30との接触部から容易に溝20に流
れ出し、排出口18からオイル分離装置11の外部、す
なわちシリンダヘッドカバー10内へ流れ出す。
【0018】以上のように、油滴を含んだブローバイガ
スが油滴捕捉部材12を通過することにより、管状体2
2の内壁面,上部マット部材28および下部マット部材
30にオイルが捕捉される。この際、油滴捕捉部材12
内の流速は小さくてよいため、通気抵抗を小さくするこ
とができ、クランクケース等の内部圧力とオイル分離装
置11の出口側の圧力との差は小さく、したがって捕捉
されたオイルは溝20および排出口18を経て、円滑に
オイル分離装置の外部に流出し、当該内燃機関の潤滑油
として回収される。その結果、当該内燃機関のオイル消
費量が減少する。
【0019】次に、図5および図6に第2の実施例を示
す。油滴捕捉部材を除く各部材の番号と機能は第1の実
施例の場合と同じである。本実施例では、2束の管状体
束42が一定の距離を隔てて直列に並べられて、油滴捕
捉部材を構成している。管状体束42は、図6に示すよ
うに、横断面が上下方向に長い長方形である管状体44
が複数個組み合わされたものであり、上部マット部材2
8および下部マット部材30を介してシリンダヘッドカ
バー10の天板とアンダカバー14とに挟まれている。
また、管状体束42の軸方向はブローバイガス入口16
からブローバイガス出口32を結ぶ方向とほぼ一致して
おり、管状体束42へのブローバイガスの入口46およ
び出口48の端面50,52はそれぞれ軸方向に対して
40°傾斜させられている。また、管状体44の底板に
は開口54が形成されており、管状体44に捕捉された
オイルが開口54からも下部マット部材30へ流出す
る。
【0020】油滴を含むブローバイガスは、ブローバイ
ガス入口16よりオイル分離装置11内に流入し、各管
状体束42の入口46を経て管状体44内部を流れ、出
口48から管状体束42の外に出る。2束の管状体束4
2を通過したブローバイガスは、ブローバイガス出口3
2からシリンダヘッドカバー10の外に排出される。こ
の際、ブローバイガス中の油滴は、管状体42の内壁面
に付着する。第1の実施例では上部および下部マット部
材28,30によっても油滴が捕捉されたが、本実施例
においては上部および下部マット部材28,30は管状
体44の天板および底板によってブローバイガス通路か
ら隔離されているため、油滴の捕捉機能は殆ど果たさな
い。本実施例における上部および下部マット部材28,
30の役割は、管状体束42によって捕捉されたオイル
を出口48または開口54を経て速やかに溝20へ導く
ことと、管状体束42を弾性的に保持してがたつきをな
くすこととである。
【0021】管状体44の内壁面に付着したオイルはブ
ローバイガスの風圧により内壁面を移動し、その一部は
開口54から下部マット部材30に流れ込み、他のオイ
ルは出口48に到って下部マット部材30に流れ込む。
下部マット部材30に流れ込んだオイルは溝20に流れ
出し、排出口18に到ってオイル分離装置11の外部に
流れ出す。なお、オイルの表面張力および粘性抵抗によ
るオイルの管状体44端部での滞留は、第1の実施例と
同様問題である。
【0022】図5の如くほぼ水平に置かれた管状体44
の内部では、内壁面上部に付着したオイルが重力により
内壁面下部に移動するため、管状体44の断面下部に比
較的多量のオイルが溜まる。この断面下部のオイルはブ
ローバイガスの風圧により管状体44の下流方向に移動
させられ、出口48付近に油滴が成長する。油滴の成長
に伴って出口48の開口断面積は徐々に縮小するが、油
滴はある大きさに成長すると、重力による平衡が崩れ、
油滴は潰れて下部マット30に流れ、吸収される。適当
な角度の傾斜が端面52に付与されていると、ブローバ
イガスの風圧によりオイルは傾斜部の先端方向に吹き寄
せられるが、傾斜部にある油滴はオイルの表面張力の影
響で、傾斜部の上縁より実質的には高くならないから、
油滴の成長は傾斜を端部に設けることで制限される。ま
た、出口の端面52に直角な方向の開口断面積は管状体
44の軸直角方向の断面積より傾斜角の余割(cosec )
倍だけ大きいから、端部に成長する油滴がブローバイガ
スの流れに与える影響は小さい。
【0023】以上、2つの実施例について説明したが、
本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、オ
イル分離装置の設置場所はシリンダヘッド上部に限定さ
れるものではなく油滴捕捉部材が設置可能な場所であれ
ば良い。また、管状体の材料は、アルミニウムに限ら
ず、鋼板等の他の金属,セラミックス等の焼結材料でも
よく、あるいはポリプロピレン樹脂等の樹脂でもよい。
管状体の軸方向は何ら規制されず、どのような傾斜を有
していてもよい。管状体束の製造方法についても限定さ
れず、例えば複数枚の波形板材の波の頂面同士を突き合
わせて管状体束を形成する方法等によってもよい。管状
体端部の加工についても特に限定はなく、少数の管状体
束44からなる管状体束に端面の加工を施した後に目的
とする管状体束に組み立てる方法、あるいは予め端部が
加工された単独の管状体を組み合わせて管状体束を形成
する方法等によってもよい。さらに、管状体の横断面は
一定の断面積を有する必要はなく、管状体の軸方向に異
なった断面積を有していてもよい。その他、特許請求の
範囲を逸脱すること無く、当業者の知識に基づいて種々
の変形,改良を施した態様で本発明を実施することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるブローバイガス用
オイル分離装置の正面断面図である。
【図2】上記ブローバイガス用オイル分離装置のA−A
断面図である。
【図3】上記ブローバイガス用オイル分離装置の有する
管状体の断面の一部拡大図である。
【図4】上記ブローバイガス用オイル分離装置の油滴捕
捉部材の斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例であるブローバイガス用
オイル分離装置の正面断面図である。
【図6】上記ブローバイガス用オイル分離装置のB−B
断面図である。
【符号の説明】
11 オイル分離装置 12 油滴捕捉部材 18 排出口 20 溝部 22 管状体 24 管状体束 28 上部マット部材 30 下部マット部材 42 管状体束 44 管状体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の互いに平行な管状体からなる管状
    体束を油滴捕捉部材として含むことを特徴とするブロー
    バイガス用オイル分離装置。
  2. 【請求項2】 前記管状体の端面と軸方向とのなす角が
    鋭角であることを特徴とする請求項1記載のブローバイ
    ガス用オイル分離装置。
  3. 【請求項3】 前記管状体束に接して繊維状材料で形成
    されたマット部材を備えることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載のブローバイガス用オイル分離装置。
  4. 【請求項4】 前記マット部材に接し、かつオイル排出
    口に繋がる溝が形成された溝形成部材を含むことを特徴
    とする請求項3記載のブローバイガス用オイル分離装
    置。
JP35096192A 1992-12-04 1992-12-04 ブローバイガス用オイル分離装置 Pending JPH06173629A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025371A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 株式会社工進 エンジンの潤滑装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015025371A (ja) * 2013-07-24 2015-02-05 株式会社工進 エンジンの潤滑装置

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