JP2005139903A - オイル分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブローバイガスに含まれるオイルミストを捕集して回収するオイル分離装置において、微小粒径のオイルミストでも良好に回収可能な構成を提供する。
【解決手段】 エンジン本体内に形成されるブローバイガス流路3に地面に対して傾斜あるいは垂直にオイル流し網4を設け、このオイル流し網4にオイル11を流すとともに、前記ブローバイガス流路3に導入されたブローバイガスBBGが前記オイル流し網4を通過するように構成した。このオイル流し網4は傾斜状に設けられている。更に、ブローバイガス流路3の前記オイル流し網4より下流側には、衝突法のオイルセパレータ8が設けられている。オイル流し網4に流されるオイル11は、シリンダヘッドカバー5内に供給されて動弁系等を潤滑した後のオイルである。
【選択図】 図1
【解決手段】 エンジン本体内に形成されるブローバイガス流路3に地面に対して傾斜あるいは垂直にオイル流し網4を設け、このオイル流し網4にオイル11を流すとともに、前記ブローバイガス流路3に導入されたブローバイガスBBGが前記オイル流し網4を通過するように構成した。このオイル流し網4は傾斜状に設けられている。更に、ブローバイガス流路3の前記オイル流し網4より下流側には、衝突法のオイルセパレータ8が設けられている。オイル流し網4に流されるオイル11は、シリンダヘッドカバー5内に供給されて動弁系等を潤滑した後のオイルである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エンジンで生じるブローバイガスからオイルミストを分離させるためのオイル分離装置に関する。
エンジンを作動させると、通常は、シリンダブロックとピストンとの隙間やピストンリング等から、未燃ガス(ブローバイガス;BBG)がクランクケース内に微量ながら漏れてくる。このブローバイガスをエンジン内部に滞留させておくとエンジン内部の腐食やオイルの劣化を招くことになるので、ブローバイガスをインテークマニホールドに戻して燃焼させるシステム(ポジティブクランクケースベンチレーション;PCV)が従来から提案されている。
この構成において、ブローバイガスは通常、クランクケースからシリンダブロック及びシリンダヘッドに形成されたPCV通路等を介してインテークマニホールドへ送られる。しかしながら、クランクケースの内部(クランク室)では多量のオイルが飛散しているので、クランクケースから供給されるブローバイガスにはオイルの粒子(オイルミスト)が多量に含まれている。この状態のブローバイガスをそのままインテークマニホールドに送ると、オイルの消費の悪化を招き、また、オイルが吸気中に再循環されることから排気ガスのHCが増加してしまう。また、このようなブローバイガス内のオイルミスト(あるいはオイルの燃焼生成物の粒子)が動弁系等に付着すると、デポジットが堆積してしまう。
従って、ブローバイガスに含まれるオイルミストをインテークマニホールドに送る前に分離する分離装置が、特許文献1で提案されている。
この特許文献1には2つの分離装置が開示されている。第1の分離装置を特許文献1の図5を参照して説明すると、シリンダヘッドカバー31上にオイルセパレータとしてPCVルーム32を設け、PCV通路より流入したブローバイガスがPCVルーム32内の迷路状の通路34を通ることで、そのブローバイガスに含まれるオイルが仕切り板33に衝突することにより回収される。
また第2の分離装置を特許文献1の図2を参照して説明すると、シリンダブロック3とシリンダヘッド4との間にガスケット5を介在させ、このガスケット5は、PCV通路3・4と対応する部位に、複数層のセパレータ10を備えている。それぞれのセパレータ10には小孔11を多数開口し、これによってフィルタ9を形成している。この構成で、クランクケース内に漏れ出したブローバイガスは、インテークマニホールドで発生した負圧によってPCV通路3・4内に吸入される。そしてブローバイガスは、フィルタ9に配設された各セパレータ10に次々と衝突する。この結果、ブローバイガスに含まれるオイルは各セパレータ10に付着し、確実に取り除かれるという。
特開平6−336911号公報(段落番号0014,0015)
しかし、上記特許文献1に2つ示される分離装置はいずれも衝突法による分離装置である。一方、ブローバイガスに含まれるオイルミストの中には、例えば粒径10μm以下といった微小なものも存在する。そのような微小なオイルミストは慣性力が小さいため、前記仕切り板33や前記セパレータ10に衝突せずに、ブローバイガスの流れに乗って吸気系へ排出されてしまう。その結果、オイルの消費の悪化などの前述の問題を良好に解消できていないという課題があった。
なお、このような微小粒径のオイルミストを捕集するために、前記PCV通路の中途に目の細かい例えば不織布等のフィルタを設置することも考えられる。しかしながらこの構成では、オイルによる目詰まりが起こり易く、フィルタの定期的なメンテナンス(交換)が必要になってしまう。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
◆本発明の第1の観点によれば、エンジン本体内に形成されるブローバイガス流路に地面に対して傾斜あるいは垂直にオイル流し網を設け、このオイル流し網にオイルを流すとともに、前記ブローバイガス流路に導入されたブローバイガスが前記オイル流し網を通過するように構成した、オイル分離装置が提供される。
ここで、「オイル流し網」とは、網上でオイルをその自重によって流すことができる構成の網をいい、例えば平坦な面の網、段状の網、曲面状の網が含まれる。また、網は地面に対して垂直に設置されていても良いし、傾斜状に設置されていても良いが、水平な網上ではオイルは流れないので、水平なものは上記「オイル流し網」に含まれない。
この構成によると、オイル流し網にオイルが自重で流れることによってその網目に油膜が形成される。そして、ブローバイガスがオイル流し網を通過する際に、そのブローバイガスに含まれるオイルミストが前記網目の油膜に取り込まれて除去される。従って、オイルの消費の悪化が低減される。また、オイルミストを油膜により取り込んで回収する構成であるから、粒径10μm以下といった微小なオイルミストも問題なく除去することができ、オイルの回収効率に優れる。加えて、オイル流し網にオイルが流れているために網目の目詰まりが起こりにくいから、必要なメンテナンス作業を低減することができ、あるいはメンテナンスを不要とすることができる。また、オイル流し網をブローバイガス流路に設置するだけの簡易な構成であるため、上記のような回収効率に優れるオイル分離装置を安価で提供できる。
◆前記のオイル分離装置においては、エンジンのシリンダヘッドカバー内に供給されたオイルが前記オイル流し網に流れることが好ましい。
これにより、エンジンのシリンダヘッドカバー内で潤滑あるいは冷却を行った後のオイルを、オイルミストの回収・除去のために使用する合理的な構成とできる。また、オイルパンのオイルをオイル流し網に供給するためのオイル流路を簡素化できる。
◆前記のオイル分離装置においては、前記オイル流し網は細長い条体を編んで構成されていることが好ましい。
これにより、網目に油膜が均等に形成され易い構成とでき、オイルミストの回収効率が一層向上する。
◆前記のオイル分離装置においては、前記オイル流し網は傾斜状に設けられていることが好ましい。
なお、「傾斜状に設けられている」とは、オイル流し網の少なくとも一部が傾斜状の部分を含んでいることをいう。即ち、オイル流し網の全体が傾斜している場合と、一部が傾斜している場合と、の両方が含まれる。
これにより、上下方向(垂直方向)にブローバイガス流路を構成した場合に、そのブローバイガス流路に交差するようにオイル流し網を設置できる。また、オイル流し網上にオイルの自重による流れを形成できるから、オイルがオイル流し網の全体に容易に行き渡って、油膜が安定して形成され易い。従って、オイルミストの回収効率を一層向上させることができる。
◆前記のオイル分離装置においては、前記ブローバイガス流路の前記オイル流し網より下流側に、衝突法のオイルセパレータを設けたことが好ましい。
これにより、オイル流し網に形成された油膜がブローバイガスの流れによって引き千切られてオイルミストとなったとしても、その下流のオイルセパレータによって確実に回収することができる。
◆前記のオイル分離装置においては、前記オイル流し網は一枚の網で構成されていることが好ましい。
これにより、オイル分離装置の構成をより一層簡素とすることができる。
◆前記のオイル分離装置においては、前記ブローバイガス流路は地面に対してほぼ垂直に延設されているとともに、前記オイル流し網は、前記ブローバイガス流路の延設方向に対して平行あるいは傾斜するように設けられていることが好ましい。
これにより、ブローバイガスを地面に対してほぼ垂直に流すことができ、また、ブローバイガスが前記オイル流し網を適切に通過することができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1に従って説明する。図1は、第1実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した模式断面図である。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1に従って説明する。図1は、第1実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した模式断面図である。
図1に示すエンジンでは、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とがガスケット10を介して接合されている。そしてシリンダブロック1、ガスケット10及びシリンダヘッド2には、クランク室内のブローバイガスをインテークマニホールドに導入するためのPCV通路3が、上下方向に(地面に対してほぼ垂直に)貫通状に形成されている。このPCV通路3の一端は前記クランク室に連通し、他端はシリンダヘッドカバー5の内部空間に連通している。
シリンダヘッドカバー5の上部にはオイルセパレータ8が取り付けられる。このオイルセパレータ8は衝突法のオイルセパレータ(ラビリンス構造のオイルセパレータ)であり、前記特許文献1の図5に示すものとほぼ同様である。具体的に説明すると、オイルセパレータ8のハウジングの内部には、複数枚の仕切板21・21・・・が交互に設置され、ハウジングの内部に迷路状の通路が形成されている。この構成で、オイルセパレータ8の迷路状の通路に導入されたブローバイガスに含まれるオイルミストは、仕切板21に衝突することにより回収される。
この構成で、図1の白抜き矢印で示すように、エンジンのクランク室のブローバイガス(BBG)はPCV通路3内を下から上に吹き上げ、前記シリンダヘッドカバー5の内部空間を通過し、前記オイルセパレータ8によりオイルとガスの分離を行った後、図略のブローバイガスホースを介してエアクリーナに導かれ、吸気経路へ戻る(エアクリーナを通過させず、エアクリーナの下流側の吸気経路へ直接戻しても良い)。本実施形態では、前記PCV通路3や前記シリンダヘッドカバー5の内部空間等がブローバイガス流路を構成している。
そして、シリンダブロック1に形成される前記PCV通路3の中途には、オイル流し網4が設置されている。このオイル流し網4は、細長い金属糸(条体)を格子状に編んだものであり、1ミリメートル前後の網目が多数並んで形成されている。オイル流し網4の周縁部は、前記PCV通路3の内壁に接している。従って、前記PCV通路3に導入されたブローバイガスの全量が、オイル流し網4を下から上に通過することになる。
図1に示すように、このオイル流し網4は、一側が上、他側が下となるように傾斜して設置されている。そして、このオイル流し網4の上端にはオイル11を、前記PCV通路3の内壁面を伝わらせて導いている。このオイル11は、オイルパン9から図示せぬオイルポンプによって汲み上げられてシリンダヘッドカバー5内に供給され、図略の動弁系等を潤滑しあるいは冷却した後のオイルである。前記オイル流し網4の上端に供給されたオイル11は、その自重によって、当該オイル流し網4に沿って斜めに流れる。オイル流し網4の下端に至ったオイルは、前記PCV通路3の内壁面を伝って、オイルパン9へと落下する。
以上の構成で、オイルが自重によって前記オイル流し網4上を流れ、これによって当該オイル流し網4の網目のそれぞれに油膜が形成される。そして、ブローバイガスがオイル流し網4を通過する際に、当該ブローバイガスに含まれるオイルミストは前記網目の油膜に取り込まれた後、オイル流し網4上を流れてオイルパン9に戻ることになる。従って、ブローバイガスに含まれるオイルミストはエアクリーナ(インテークマニホールド)への導入前に回収されるので、オイルの消費の悪化が回避され、大気汚染の少ないエンジンを提供できる。
また、ブローバイガスに含まれるオイルミストをオイル流し網4の油膜により取り込んで除去する構成であるため、例えば粒径10μm以下といった微小なオイルミストも問題なく回収することができる。従って、オイルの回収効率がきわめて優れている。
なお、オイル流し網4の網目の油膜がブローバイガスの流れによって引き千切られて、オイルミストとなってPCV通路3の下流側に吹き飛ばされることも考えられる。特に、エンジンの負荷が増大しインテークマニホールドの吸込み量が大きくなった場合には、PCV通路3を流れるブローバイガスの流速も大きくなり、オイル流し網4の油膜が引き千切られる現象が発生し易いと考えられる。しかしながら、このような油膜の引き千切りにより形成されたオイルミストはその粒径が比較的大きいために、ブローバイガスの吹上げにもかかわらず前記PCV通路3内を重力により落下して、オイル流し網4の油膜に付着することになる。また、オイルミストがブローバイガスの流れに乗ってオイルセパレータ8まで吹き飛ばされたとしても、その粒径が比較的大きいために当該オイルセパレータ8において前記仕切板21に衝突し易いので、良好に回収されることになる。この点でも、本実施形態の構成はオイルの回収効率が優れているということができる。
また、本実施形態ではオイル流し網4によってオイルミストを捕集する構成であり、オイル流し網4にオイルが流れているために網目の目詰まりも起こりにくいことから、メンテナンス作業の必要頻度を低減し、あるいは全く不要(メンテナンスフリー)とすることができる。
加えて、オイル流し網4には、エンジンのシリンダヘッドカバー5内に供給されたオイル11が流れるように構成している。従って、シリンダヘッドカバー5内で動弁系を潤滑しあるいは冷却した後のオイルを、ブローバイガスからのオイルミストの回収・除去のために使用する合理的な構成とできる。また、オイルパン9のオイルをオイル流し網4に供給するためのオイル流路を簡素化できる。
更に、オイル流し網4は、細長い金属糸を格子状に編んで形成されている。従って、網目が均一に形成され、油膜が網目のそれぞれに均等に形成され易いので、オイルミストの回収効率に一層優れる構成とすることができる。
また、前記オイル流し網4は傾斜状に設けられているため、図1に示すように上下方向にPCV通路3を形成した場合に、そのPCV通路3に交差するようにオイル流し網4を適切に設置することができる。また、オイル流し網4にオイルの自重による流れを形成できるから、オイルがオイル流し網4の全体に容易に行き渡って、網目に油膜が安定して形成され易い。従って、オイルミストの回収効率を一層向上することができる。
加えて、オイル流し網4をPCV通路3に設置するだけの簡易な構成であるため、上記のような回収効率に優れるオイル分離装置を低コストで提供することができる。特に本実施形態ではオイル流し網4を一枚設けるだけの構成であるから、オイル分離装置の構成をより一層簡素とすることができ、コストや製造工数を一層低減することができる。
また、前記PCV通路3は地面に対してほぼ垂直に延設されているとともに、前記オイル流し網は、前記ブローバイガス流路の延設方向に対して傾斜するように設けられている。これにより、ブローバイガスを地面に対してほぼ垂直に流すことができ、また、ブローバイガスに前記オイル流し網4を適切に通過させることができる。また本実施形態では、前記オイル11がその自重で前記PCV通路3の内壁を伝って流れることで前記オイル流し網4に供給される構成であるから、前記PCV通路3に、オイルパン9のオイルをオイル流し網4に供給するためのオイル流路としての役割を果たさせることができる。従って、流路構成を簡素化でき、低コストな構成が実現されている。
〔第2実施形態〕
図2は、第2実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した模式断面図である。
図2は、第2実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した模式断面図である。
この第2実施形態は第1実施形態のオイル流し網4の形状を異ならせたものである。図2に示すように、本実施形態のオイル流し網4は、周縁部が上、中央部が下となる円錐状(釣鐘を上下逆さまにしたような形状)に構成されており、その周縁部を前記PCV通路3の内壁に接触させるようにして設けている。
この構成で、オイル流し網4の上端(周縁部)には、前記シリンダヘッドカバー5からのオイル11を、前記PCV通路3の内壁面を伝わらせて導いている。前記オイル流し網4の上端に供給されたオイル11は、その自重により当該オイル流し網4に沿って斜めに流れる。オイル流し網4の下端(中央部)に至ったオイルは、油滴となってオイルパン9へと落下する。この第2実施形態の構成でも、微小粒径のオイルミストを良好に捕集して回収することができる。
〔第3実施形態〕
図3は、第3実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した要部断面図である。この第3実施形態は、OHV(オーバーヘッドバルブ)形式のエンジンにおいて、本発明のオイル分離装置をプッシュロッドの収容部に適用したものである。
図3は、第3実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した要部断面図である。この第3実施形態は、OHV(オーバーヘッドバルブ)形式のエンジンにおいて、本発明のオイル分離装置をプッシュロッドの収容部に適用したものである。
図3に示すように、図略のカムシャフトの動きを上部のバルブに伝えるためのプッシュロッド13が、シリンダヘッド2に形成されたPCV通路3の内部で、上下方向に配置されている。
図3に示すように、本実施形態においてオイル流し網4は、シリンダヘッド2の前記PCV通路3に設置されている。前記オイル流し網4は、周縁部が下、中央部が上となる円錐状に構成されている。このオイル流し網4は、その周縁部を前記PCV通路3の内壁に接触させるようにして設けている。また、このオイル流し網4には、その頂部の部分において、前記プッシュロッド13を挿通させる孔14が形成されている。この孔14の内面は、プッシュロッド13の外周面に軽く接触するように構成している。言い換えれば、前記オイル流し網4は、プッシュロッド13の周囲を取り巻くように構成している。
以上の構成で、オイル流し網4の上端(中央部)には、前記シリンダヘッドカバー5からのオイル11を、前記プッシュロッド13の外周面を伝わらせて導いている。前記オイル流し網4の上端に供給されたオイルは、自重により当該オイル流し網4に沿って斜めに流れる。そして、オイル流し網4の下端(周縁部)に至ったオイルは、前記PCV通路3の内壁面を伝って落下し、最終的にはオイルパン(図略)へ戻される。この第3実施形態の構成でも、微小粒径のオイルミストを良好に捕集して回収することができる。
〔第4実施形態〕
図4は、第4実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した要部断面図である。この第4実施形態は前記の第3実施形態の変形例として構成されており、前記オイル流し網4の設置の向きが上下逆になっている。
図4は、第4実施形態のオイル分離装置の全体的な構成を示した要部断面図である。この第4実施形態は前記の第3実施形態の変形例として構成されており、前記オイル流し網4の設置の向きが上下逆になっている。
この構成で、オイル流し網4の上端(周縁部)には、前記シリンダヘッドカバー5内のオイル11を、前記PCV通路3の内壁面を伝わらせて導いている。前記オイル流し網4の上端に供給されたオイルは、当該オイル流し網4に沿って斜めに流れる。そして、オイル流し網4の下端(中央部)に至ったオイルは、前記プッシュロッド13の外周面を伝って落下し、最終的にはオイルパン(図略)へ戻される。
〔変更態様〕
以上に本発明の4つの実施形態を示したが、本発明は更に以下のように変更して実施することができる。
以上に本発明の4つの実施形態を示したが、本発明は更に以下のように変更して実施することができる。
(1)オイル流し網4の形状は、図1のように平坦な面に形成したり、図2のように釣鐘状に形成したり、図3・図4のように円錐状に形成したりするほか、例えば、球面状、円弧面状、段状に形成することができる。
(2)オイル流し網4の素材は、金属に限られず、例えばカーボンファイバー等を用いることができる。
(3)オイル流し網4の網目は格子状に形成されることに限定されない。また、網目の大きさは1ミリメートル前後とすることに限定されない。網目の大きさは、オイルの粘度や表面張力を考慮して、網目に油膜が良好に形成されるように適宜設定すればよい。
(4)オイル流し網4は、PCV通路3に取付け/取外し可能に(即ち交換可能に)設置しても良い。
(5)オイル流し網4の下流に設置されるオイルセパレータ8は、衝突法によりオイルミストを回収する構造のものであれば十分であり、図1等に示したような構成(ラビリンス構造)に限定されない。例えば、サイクロン構造のオイルセパレータを採用することができる。
(6)オイル流し網4は、一枚だけ設置する構成に限られず、例えば所定間隔で二枚重ねて設置する構成としても良いし、三枚以上重ねて設置する構成としても良い。
(7)オイル流し網4の設置の向きは任意であり、例えば、PCV通路3を水平に形成した場合は、オイル流し網4を垂直に設置して、そのオイル流し網4の上端にオイルを供給して流す構成とすることができる。なお、網を水平に設置した場合はオイルを供給してもオイルをその自重によって流すことができないため、網は垂直方向に或いは傾斜させて設けるのが良い。また、PCV通路(ブローバイガス流路)3が斜めになっているエンジン(例えば、V型エンジン等)の場合、オイル流し網4が前記PCV通路3の延設方向に対して垂直であっても、オイル流し網4が地面に対して斜めになっていれば十分である。
(8)オイル流し網4の設置位置としては、シリンダブロック1の部分(図1・図2)やシリンダヘッド2の部分(図3・図4)に設けることに限定されず、ブローバイガス流路に設けられている限り、他の箇所に設置されていても良い。例えば、シリンダブロック1とシリンダヘッド2の間のガスケット10に前記オイル流し網4が設けられていても良い。
(9)ブローバイガスはその全量が前記オイル流し網4を通過することが望ましいが、ブローバイガス流路を流れるブローバイガスの一部のみが前記オイル流し網4を通過するように構成しても良い。
3 PCV通路(ブローバイガス流路)
4 オイル流し網
5 シリンダヘッドカバー
8 衝突法のオイルセパレータ
11 オイル
4 オイル流し網
5 シリンダヘッドカバー
8 衝突法のオイルセパレータ
11 オイル
Claims (7)
- エンジン本体内に形成されるブローバイガス流路に地面に対して傾斜あるいは垂直にオイル流し網を設け、このオイル流し網にオイルを流すとともに、前記ブローバイガス流路に導入されたブローバイガスが前記オイル流し網を通過するように構成したことを特徴とするオイル分離装置。
- 請求項1に記載のオイル分離装置であって、エンジンのシリンダヘッドカバー内に供給されたオイルが前記オイル流し網に流れることを特徴とするオイル分離装置。
- 請求項1又は請求項2に記載のオイル分離装置であって、前記オイル流し網は細長い条体を編んで構成されていることを特徴とするオイル分離装置。
- 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のオイル分離装置であって、前記オイル流し網は傾斜状に設けられていることを特徴とするオイル分離装置。
- 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のオイル分離装置であって、前記ブローバイガス流路の前記オイル流し網より下流側に、衝突法のオイルセパレータを設けたことを特徴とするオイル分離装置。
- 請求項1から請求項5までの何れか一項に記載のオイル分離装置であって、前記オイル流し網は一枚の網で構成されていることを特徴とするオイル分離装置。
- 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載のオイル分離装置であって、前記ブローバイガス流路は地面に対してほぼ垂直に延設されているとともに、前記オイル流し網は、前記ブローバイガス流路の延設方向に対して平行あるいは傾斜するように設けられていることを特徴とするオイル分離装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125952A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Daihatsu Motor Co Ltd | 内燃機関 |
WO2016035203A1 (ja) * | 2014-09-05 | 2016-03-10 | 東京濾器株式会社 | ミスト状オイルの分離方法、及び、オイルセパレータ |
WO2016035204A1 (ja) * | 2014-09-05 | 2016-03-10 | 東京濾器株式会社 | オイルセパレータ |
WO2016046944A1 (ja) * | 2014-09-25 | 2016-03-31 | 東京濾器株式会社 | オイルセパレータ用分離ディスク、オイルセパレータ用ローター、及びオイルセパレータ |
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2003
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