JPH06192840A - 半導体ウエハの熱処理装置 - Google Patents

半導体ウエハの熱処理装置

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JPH06192840A
JPH06192840A JP4359489A JP35948992A JPH06192840A JP H06192840 A JPH06192840 A JP H06192840A JP 4359489 A JP4359489 A JP 4359489A JP 35948992 A JP35948992 A JP 35948992A JP H06192840 A JPH06192840 A JP H06192840A
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JP
Japan
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core tube
furnace core
temperature
heater
equation
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Application number
JP4359489A
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English (en)
Inventor
Kiyohiro Sasaki
清裕 佐々木
Takashi Ito
伊藤  隆
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比べて互いに近い温度履歴で複数枚の
半導体ウエハを加熱することができるとともに、炉芯管
を洗浄することが容易な熱処理装置を提供する。 【構成】 炉芯管の長手方向に沿った外周に複数段に区
分されたヒータ30t ,30c ,30b を設置し、ヒー
タの各段にはそれぞれにヒータ熱電対32t ,32c ,
32b を設ける。また、載置台40にもプロファイラ熱
電対52t ,52c ,52b を設置する。半導体ウエハ
を炉芯管内に搬入する以前はヒータ熱電対によって検出
された温度を制御量として各ヒータの出力を調節し、一
方、半導体ウエハを搬入すると制御ループを切換え、プ
ロファイラ熱電対で検出された温度を制御量として各ヒ
ータの出力を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数枚の半導体ウエ
ハを同時に熱処理するための熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数枚の半導体ウエハを同時に熱処理す
る装置としては、例えば実開平3−96350号公報に
記載されたものがある。図9は、この公報に記載された
熱処理装置を示す概念図である。この熱処理装置は、半
導体ウエハを収納する炉芯管100の内部に複数の熱電
対102が設置されており、炉芯管100の外側にはヒ
ータ104が設置されている。ヒータ104の出力は、
熱電対102で検出した温度に応じて調節される。半導
体ウエハ200は所定の載置台に載置されて、下方から
炉芯管100内に搬入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図10は、図9の熱処
理装置によって熱処理を行なった場合の温度履歴を示す
グラフである。炉芯管100内に半導体ウエハを搬入し
た後に加熱すると、炉芯管100の上部に搬入された半
導体ウエハは比較的早く昇温し、下部に搬入された半導
体ウエハは比較的遅く昇温する。すなわち、従来の熱処
理装置では、半導体ウエハの位置によって温度履歴がか
なり異なるという問題があった。また、熱電対102は
炉芯管100内に設置されているので、炉芯管100の
洗浄を行なう際に熱電対102が邪魔になり、余分な手
間を要するという問題もあった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、従来に比べて互
いに近い温度履歴で複数枚の半導体ウエハを加熱するこ
とができるとともに、炉芯管を洗浄することが容易な熱
処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、この発明による熱処理装置では、(A)複数枚の半
導体ウエハを収納する炉芯管と、(B)前記炉芯管の外
側に設置され、前記炉芯管の長手方向に沿って複数に区
分されたヒータと、(C)前記各ヒータにそれぞれ対応
付けられ、前記ヒータと前記炉芯管との間の所定の位置
に設けられた複数の第1の温度検出器と、(D)複数枚
の半導体ウエハを載置するための載置台と、(E)前記
各ヒータにそれぞれ対応付けられ、前記載置台の長手方
向に沿って前記載置台に設けられた複数の第2の温度検
出器と、(F)前記載置台に載置された複数枚の半導体
ウエハと前記第2の温度検出器とを前記炉芯管内に搬入
・搬出する駆動機構と、(G)前記複数枚の半導体ウエ
ハが前記炉芯管内に搬入されたことを示す搬入信号を出
力する搬入信号出力手段と、(H)前記複数枚の半導体
ウエハが前記炉芯管内に搬入される際に、前記搬入信号
出力手段から前記搬入信号を受ける以前には前記第1の
温度検出器によって検出された温度を制御量として前記
各ヒータの出力を調節するとともに、前記搬入信号出力
手段から受けた前記搬入信号に応じて制御ループを切換
え、前記第2の温度検出器で検出された温度を制御量と
して前記各ヒータの出力を調節するコントローラと、を
備える。
【0006】
【作用】第2の温度検出器を載置台と一緒に炉芯管内に
搬入・搬出するので、半導体ウエハを搬入しない状態で
は炉芯管内部に温度検出器が無い。従って、炉芯管の洗
浄が容易である。また、半導体ウエハが搬入されたこと
を示す搬入信号に応じて制御ループを切換え、炉芯管内
に搬入された第2の温度検出器で検出された温度を制御
量としてヒータの出力を制御するので、半導体ウエハの
温度に近い温度で複数のヒータを制御できる。従って、
従来に比べて互いに近い温度履歴で複数枚の半導体ウエ
ハを加熱することができる。
【0007】
【実施例】
A.装置の構成:図1は、この発明の一実施例としての
熱処理装置を示す説明図である。この熱処理装置は、石
英チューブで製作された炉芯管20と、炉芯管20の外
周に設けられた環状の赤外線ヒータ30とを備えてい
る。炉芯管20の上部には窒素ガスを導入するためのノ
ズル22が設けられている。炉芯管20の下部は開放さ
れており、Oリング24を介して水冷フランジ26が取
り付けられる。水冷フランジ26にはガスを排出するた
めのノズル28が設けられている。赤外線ヒータ30
は、炉芯管20の長手方向(図1では上下方向)に沿っ
て3段に分割されている。3段の赤外線ヒータ30t ,
30c ,30b の中央部には、それぞれ熱電対32t ,
32c ,32b が設けられている。なお、熱電対32t
,32c ,32bは、赤外線ヒータ30t ,30c ,3
0b の発光部と炉芯管20との間に設置されている。
【0008】炉芯管20の下方には半導体ウエハ200
を載置するための載置台40が設けられている。載置台
40は、複数枚の半導体ウエハ200を階層状に載置す
るための石英ボート42と、石英ボート42の下方に設
けられた石英断熱板44と、載置台40全体を支持する
ステンレス鋼製のベース46とを有している。ベース4
6上には石英ボート42に沿って石英保護管50が立設
されており、石英保護管50内には3つの熱電対52t
,52c ,52b が収納されている。これらの3つの
熱電対52t ,52c ,52b は、3段の赤外線ヒータ
30t ,30c ,30b にそれぞれ対応している。な
お、以下では載置台40上に設けられた熱電対52t ,
52c ,52b を「プロファイラ熱電対52」と呼ぶ。
また、赤外線ヒータに設けられた熱電対32t ,32c
,32b を「ヒータ熱電対32」と呼ぶ。
【0009】載置台40は、エレベータ60によって駆
動されて上下に移動し、これによって半導体ウエハ20
0の炉芯管20への搬入と搬出が行なわれる。エレベー
タ60は、例えばボールネジ機構とモータとで構成され
る。エレベータ60のネジ部62の上部にはリミットス
イッチ64が設けられている。載置台40が上方に移動
して、ベース46が水冷フランジ26の下端位置まで来
ると、リミットスイッチ64がエレベータ上限信号Sup
を出力する。図2は、載置台40が上昇して半導体ウエ
ハが搬入された状態を示す説明図である。
【0010】プロファイラ熱電対52は載置台40とと
もに昇降するので、図1にも示すように、半導体ウエハ
を搬入していない状態では炉芯管20の内部にプロファ
イラ熱電対52は挿入されていない。従って、炉芯管2
0の洗浄や交換を容易に行なうことができる。
【0011】熱処理装置は、さらに、ヒータの出力制御
以外の装置全体の制御を行なうメインコントローラ70
と、熱電対の温度に応じて赤外線ヒータ30の出力を調
節する温度調節器80および電力調整器90と、電力調
整器90のための電源92とを備えている。メインコン
トローラ70は、リミットスイッチ64から出力された
エレベータ上限信号SUPに応じてエレベータ昇降信号E
UPを温度調節器80に出力する。温度調節器80は、後
述するように、ヒータ熱電対32t ,32c ,32b で
測定された温度Ht ,Hc ,Hb か、または、プロファ
イラ熱電対52t ,52c ,52b で測定された温度P
t ,Pc ,Pb に従って、操作量信号mt ,mc ,mb
を出力する。電力調整器90は、これらの操作量信号m
t ,mc,mb に応じて3段の赤外線ヒータ30t ,3
0c ,30b の出力PWt ,PWc ,PWb をそれぞれ
調整する。
【0012】図3は、図1および図2に示す熱処理装置
の制御ブロック図である。図3では、制御対象が、ヒー
タ熱電対32までの制御対象Hと、プロファイラ熱電対
52までの制御対象Pとに分けて描かれている。第1の
制御対象Hからはヒータ熱電対32で測定した温度がフ
ィードバックされ、第2の制御対象Pからはプロファイ
ラ熱電対52で測定した温度がフィードバックされる。
図3では図示の便宜上、上段のヒータに対応する量(操
作量mt ,ヒータ出力PWt ,ヒータ熱電対温度Ht ,
およびプロファイラ熱電対温度Pt )のみが示されてい
る。
【0013】温度調節器80は、セルフチューニングコ
ントローラ81と、目標温度設定部82と、エレベータ
昇降判断部83と、2つのスイッチ84,85とを備え
ている。目標温度設定部82は、温度の目標値rt の時
間変化を記憶するメモリである。エレベータ昇降判断部
83は、メインコントローラ70から与えられたエレベ
ータ昇降信号EUPに応じて2つのスイッチ84,85を
切換える。なお、この温度調節器80はデジタルコンピ
ュータによって実現されており、各要素81〜85は、
メモリによって、または、所定のプログラムをコンピュ
ータが実行することによって実現される。なお、セルフ
チューニングコントローラ81の機能については、更に
後述する。
【0014】半導体ウエハの搬入前には、セルフチュー
ニングコントローラ81は、ヒータ熱電対32で測定さ
れた温度Hc に従って赤外線ヒータ30の出力を制御す
る。半導体ウエハが炉芯管20内に搬入され、エレベー
タ昇降信号EUPが温度調節器80に与えられると、エレ
ベータ昇降判断部83によって2つのスイッチ84,8
5がともに切換えられる。すなわち、制御対象Pからの
制御量Pt がフィードバックされるように制御ループが
切換えられる。この結果、赤外線ヒータ30の出力は、
プロファイラ熱電対52で測定された温度Pt に従って
制御されるようになる。なお、上段の赤外線ヒータ30
t は、これに対応するヒータ熱電対32t の温度Ht 、
または、プロファイラ熱電対52t の温度Pt に従って
制御される。同様に、中段の赤外線ヒータ30c は熱電
対32c ,52c の温度Hc ,Pc に従って、また、下
段の赤外線ヒータ30b は熱電対32b ,52b の温度
Hb ,Pb に従ってそれぞれ制御される。
【0015】B.熱処理例:図4は、この実施例による
熱処理装置を用いてステップ状に目標温度rt を上昇さ
せた場合の熱処理履歴の一例を示すグラフである。スタ
ンバイ状態では、半導体ウエハは図1に示すように炉芯
管20の下方に待機している。スタンバイ状態におい
て、炉芯管20は所定のスタンバイ温度まで予熱されて
いる。ローディング期間において載置台40がエレベー
タ60によって上昇すると、プロファイラ熱電対52の
温度Pt ,Pc ,Pb が上昇を開始する。この時、上部
のプロファイラ熱電対ほど早く炉芯管20内に挿入され
るので、温度も早く上昇する。
【0016】プロファイラ熱電対52は、半導体ウエハ
200と同時に炉芯管20内に搬入されるので、プロフ
ァイラ熱電対52で測定される温度は半導体ウエハの温
度に近い履歴を示していると考えられる。少なくとも、
ヒータ熱電対32で測定された温度Ht ,Hc ,Hb に
比べてプロファイラ熱電対52で測定された温度Pt,
Pc ,Pb の方が半導体ウエハの温度に近い。そこで、
半導体ウエハの搬入時にスイッチ84,85を切換え
て、それ以降はプロファイラ熱電対52で測定された温
度Pt ,Pc ,Pb に従って赤外線ヒータ30の出力を
制御しているのである。こうすることにより、半導体ウ
エハをより望ましい温度履歴で加熱することができる。
【0017】3段の赤外線ヒータ30t ,30c ,30
b の出力は、それぞれ対応するプロファイラ温度Pt ,
Pc ,Pb に応じて制御されるので、複数枚の半導体ウ
エハの温度が互いにほぼ等しい温度履歴となるように加
熱される。このことは、図4の昇温期間において、3つ
のプロファイラ温度Pt ,Pc ,Pb がほぼ一致するよ
うに上昇していることからも理解できる。
【0018】図4の履歴と図10に示す従来の履歴とを
比較すると、図4の履歴では、従来よりも短時間で熱処
理温度に達していることが解る。このように従来よりも
短時間で加熱できるのは、半導体ウエハの温度に近いプ
ロファイラ温度を用いて制御しているためである。この
ように、この熱処理装置では加熱時間が短くてよいの
で、スループットが向上するという利点もある。
【0019】プロファイラ温度が所定の熱処理温度にほ
ぼ等しくなると、所定の時間だけその温度で保持され
る。その後、アンローディング期間で半導体ウエハが搬
出されるとともに、ヒータ30と炉芯管20とが冷却さ
れてスタンバイ状態に戻る。
【0020】図5は、この実施例による熱処理装置を用
いてランプ状(勾配を持った直線状)に目標温度rt を
上昇させた場合の熱処理履歴の一例を示すグラフであ
る。半導体ウエハの搬入後(昇温期間の始期以後)に
は、プロファイラ熱電対52で測定された温度Pt ,P
c ,Pb に従って赤外線ヒータ30の出力を制御してい
るので、半導体ウエハの温度が目標温度の履歴に近い形
でランプ状に上昇する。これは、ヒータ熱電対32で測
定される温度Ht ,Hc ,Hb に従ってヒータを制御し
た場合には達成が困難な履歴である。
【0021】上述したように、この実施例では、半導体
ウエハの搬入前はヒータ熱電対32の温度をフィードバ
ックして制御を行ない、半導体ウエハの搬入後にはプロ
ファイラ熱電対52の温度をフィードバックして制御を
行なっているので、半導体ウエハを目標温度の履歴に近
い形で上昇させることができるという利点がある。ま
た、複数段のヒータで加熱される複数枚の半導体ウエハ
をほぼ等しい熱履歴で加熱することができるという利点
がある。
【0022】 C.セルフチューニングコントローラの詳細: C−1.セルフチューニングコントローラの構成:図6
は、セルフチューニングコントローラ81の機能を示す
ブロック図である。セルフチューニングコントローラ8
1は、調節操作部86と、同定部87と、パラメータ計
算部88と、参照モデル設定部89とを備えている。ま
た、同定部87は、閉ループ伝達関数同定部87aと対
象伝達関数同定部87bとを含んでいる。なお、図6の
制御対象は、図3における電力調整器90と制御対象H
(またはH+P)を1つにまとめたものである。また、
図6では図3に記載されている目標温度設定部82と、
エレベータ昇降判断部83と、2つのスイッチ84,8
5とが省略されている。
【0023】以下ではまず、調節操作部86と制御対象
とで構成される制御系の閉ループ伝達関数を連続時間系
と離散時間系について求めるとともに、離散時間系の閉
ループ伝達関数に対応する差分方程式を求める手順を説
明する。次に、制御系の差分方程式および閉ループ伝達
関数の同定、制御対象の伝達関数の同定、調節操作部8
6の制御パラメータの決定について順次説明する。
【0024】 C−2.制御系の閉ループ伝達関数および差分方程式:
制御対象の伝達関数Gp(s)を、むだ時間と1次遅れ
で表わされると考えると、伝達関数Gp(s)は次の数
式1で与えられる。
【数1】 ここで、Kはゲイン、Lはむだ時間、Tは1次遅れ時間
である。
【0025】数式1において、むだ時間を表わす指数関
数をマクローリン展開し、伝達関数Gpの分母をsの3
次項まで取って近似すると、数式1は次の数式2のよう
に書き換えられる。
【数2】 ここで、gi (i= 0,1,2,3)は定数である。
【0026】この実施例においては、調節操作部86の
制御方式としてI−PD制御を採用する。図7は、調節
操作部86の機能を示すブロック図である。調節操作部
86は、目標値Rと制御量Yの偏差Eに応じた積分動作
を行なう積分要素86aと、制御量Yに応じた比例動作
と微分動作を行なう比例微分要素86bとで構成され
る。
【0027】操作量M(s)は、目標値R(s)と制御
量Y(s)とによって次の数式3のように与えられる。
【数3】 ここで、f0 は比例定数、f1 は微分定数、ki は積分
定数である。
【0028】調節操作部86と制御対象とで構成される
制御系全体の閉ループ伝達関数W(s)は次の数式4で
表わされる。
【数4】
【0029】数式4を離散時間系のZ変換で近似する
と、次の数式5が得られる。
【数5】 ここで、yt は離散時間系における制御量、rt は離散
時間系における目標値である。なお、数式5の係数a0
〜a4 は次の数式6で与えられる。
【数6】 ここで、△tはサンプリング周期である。
【0030】上記の数式5を離散時間系の差分方程式に
変換すると、次の数式7が得られる。
【数7】 ここで、Ai ,B0 は次の数式8で与えられる。
【数8】 数式6,7,8が、同定の対象となる制御系の差分方程
式である。
【0031】C−3.差分方程式および閉ループ伝達関
数の同定:閉ループ伝達関数同定部87aは、逐次最小
2乗法を用いて上記の差分方程式の係数を決定する。な
お、各種の最小2乗法を用いたシステムの同定は自動制
御の分野において周知の技術なので、以下では概要のみ
を簡単に説明する。
【0032】最小2乗法で同定を行なう場合に、数式7
の差分方程式は、いわゆる式誤差eを含む次の数式9の
ような線形回帰モデル表示に書き換えられる。
【数9】 ここで、肩付き文字の「 T]は転置行列を表わす。
【0033】この実施例における逐次最小2乗法では、
NとyNの値(すなわち、時刻tまでの制御量yt〜y
t-4と、時刻tにおける目標値rt )に基づいて、式誤
差eの2乗を最小にするようなθN の値を推定する。θ
N の推定値<θN >は、次の数式10の漸化式で与えら
れる。
【数10】 ここで、下付き文字の「 N」は時刻tまでに得られたデ
ータ点数を示している。すなわち、<θN-1 >は時刻
(t−1)における推定値である。
【0034】数式10において、θN の初期値<θ0
とPN の初期値P0 を予め設定しておけば、数式10に
従って各時刻における推定値<θN >が算出できる。初
期値P0 は、104 程度の値の単位行列に設定される。
または、初期値<θ0 >は、各要素が10-3程度の0に
近い値の行列、または、なるべく推定される値に近い値
を有する行列に予め設定する。例えば、セルフチューニ
ングを一度実行し、その結果として得られた推定値<θ
N >を初期値<θ0 >として設定する。こうすれば、早
い時刻からよい推定値を得ることができる。
【0035】θN は数式9で定義されているように、数
式7に示す差分方程式の係数なので、その推定値<θN
>が得られれば差分方程式が同定されたことになる。な
お、差分方程式(数式7)の係数と閉ループ伝達関数
(数式5)の係数a0 〜a4 とは、数式8によって関係
づけられているので、差分方程式の係数が求まれば閉ル
ープ伝達関数の係数も容易に算出できる。換言すれば、
制御系の差分方程式を同定することは、離散時間系の閉
ループ伝達関数を同定することと等価である。
【0036】C−4.制御対象の伝達関数の同定:推定
値<θN >が得られると、対象伝達関数同定部87b
が、上記の数式6と数式8の関係から、制御対象の連続
時間系の伝達関数Gp(s)(数式2)の係数g0 〜g
3 を次の数式11に従って算出する。
【数11】 ここで、ki(t-1),f0(t-1),f1(t-1)は、現在の時刻
tの1周期前の時刻(t−1)において使用した制御パ
ラメータki ,f0 ,f1 の値である。
【0037】以上のようにして制御対象の伝達関数が同
定されると、次に、予め設定された参照モデルと制御系
の閉ループ伝達関数(数式4)のマッチングが実行さ
れ、調節操作部86の制御パラメータが決定される。
【0038】C−5.制御パラメータの決定:参照モデ
ルは、制御系の望ましい制御性能を表現した伝達関数で
ある。参照モデルについては、例えば、「制御系設計の
為の実用的な汎用参照モデル」(計測自動制御学会論文
集、第19卷第7号第74頁〜第76頁、昭和58年7
月)に詳しく記載されている。
【0039】この実施例では、連続時間系の閉ループ伝
達関数(数式4)の分母が4次式で近似されているの
で、これに適した参照モデルの伝達関数Gm(s)は次
の数式12のように表わされる。
【数12】 ここで、σは参照モデルのステップ応答が約60%に立
ち上がるまでの時間である。
【0040】数式12の係数αi は、例えば次の数式1
3によって与えられる。
【数13】 ここで、bi は表1の2項展開標準形の係数列であり、
i は表2のITAE標準形の係数列である。βは、こ
れらの2種類の標準形を内外挿するための重み係数であ
り、応答形状係数とも呼ばれている。
【表1】
【表2】 なお、表1と表2におけるnは、参照モデルの分母の次
数である。この実施例では、参照モデル(数式12)の
分母の次数は4なので、n=4の行の係数が用いられ
る。
【0041】オペレータは、予め数式13における重み
係数βの値を参照モデル設定部89に設定しておく。参
照モデル設定部89は、設定された重み係数βの値と、
表1および表2の係数列を記憶するメモリである。パラ
メータ計算部88は、参照モデル設定部89に設定され
ている参照モデルの伝達関数(数式12,13)と、制
御系の閉ループ伝達関数(数式4)とを比較し、それぞ
れの分母における各次数の係数を互いに等しいと置くこ
と(いわゆるマッチング)によって調節操作部86の制
御パラメータを決定する。これによると、PID定数は
次の数式14に従って算出される。
【数14】 ここで、ki *はI定数、f0 *はP定数、f1 *はD定数で
あり、肩付きの記号「 *」は、時刻tにおいて新たに得
られた値であることを示している。数式14において、
制御対象の伝達関数の係数gi は、数式11に従って予
め求められている。
【0042】なお、この実施例では、数式1におけるむ
だ時間の項をマクローリン展開で近似したので、制御系
の閉ループ伝達関数(数式4)の分母を高次多項式によ
って表わすことができ、この結果、参照モデルとのマッ
チングを容易に行なうことができるという特徴がある。
【0043】調節操作部86は、数式14で求められた
制御パラメータを用いて、数式3を差分方程式で表わし
た次の数式15に従って操作量mt を算出し、制御対象
に出力する。
【数15】
【0044】C−6.制御手順:図8は、上述した制御
を実行する手順を示すフローチャートである。ステップ
S1では各種のパラメータの初期値を設定する。また、
ステップS2では目標値rt を設定する。なお、目標値
t の時間変化は、図3に示す目標温度設定部82から
与えられる。
【0045】ステップS3では制御量yt を読み込む。
この実施例では、ヒータ熱電対32の温度またはプロフ
ァイラ熱電対の温度が制御量である。ステップS4では
逐次最小2乗法(数式10)に従って数式7の係数
0 ,Ai を推定する。そして、ステップS5では数式
11に従って制御対象の伝達関数の係数gi を算出す
る。ステップS6では数式14に従って新たなPID定
数を算出し、ステップS7では数式15に従って操作量
t を算出し、制御対象(図1の電力調整器90)に出
力する。ステップS8では制御が終了したか否かが判断
され、終了していなければステップS2に戻り、ステッ
プS2〜S7の処理を繰り返す。
【0046】上記のセルフチューニングコントローラ8
1では、従来のように制御量yt と操作量mt を用いて
制御対象を同定する代わりに、制御量yt と目標値rt
とに基づいて制御系全体と制御対象とを同定しているの
で、同定に伴う誤差を小さく抑えることができるという
利点がある。この結果、操作量mt の変動の影響を直接
的に受けずに安定した制御パラメータ(すなわPID定
数)を求めることが可能となっている。
【0047】D.変形例:なお、この発明は上記実施例
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形が可能である。
【0048】(1)上記実施例では温度調節器80がセ
ルフチューニングコントローラ81を含むものとした
が、これに限らず、ヒータ熱電対32の温度とプロファ
イラ熱電対52の温度を制御量とし、これらを切換えて
制御するコントローラを使用すればよい。コントローラ
における適切な制御パラメータは、炉温度や半導体ウエ
ハの枚数やガス流量などの条件によって変化するが、セ
ルフチューニングコントローラを用いれば、これらの条
件を考慮せずに常に適切な制御パラメータを求めること
ができるという利点がある。
【0049】(2)複数段の赤外線ヒータの各段の出力
は、複数のプロファイラ熱電対の少なくとも一部を用い
て制御するようにすればよい。上記実施例では、3つの
プロファイラ熱電対52t ,52c ,52b に従って、
それぞれ対応する段の赤外線ヒータ30t ,30c ,3
0b の出力が制御されるとしたが、例えば、上段のヒー
タ30t を、上部の2つの熱電対52t ,52c で測定
された温度に基づいて制御するようにしてもよい。この
場合には、例えば2つの熱電対で測定された温度の重み
付き平均を制御量とすることができる。また、ヒータの
段数とヒータ熱電対の数とプロファイラ熱電対の数を互
いに等しくする必要はない。一般には、複数のヒータ熱
電対と複数のプロファイラ熱電対を、各段のヒータに対
応付けておけばよい。
【0050】(3)上記実施例では、半導体ウエハが炉
芯管20内に搬入されたことを示す信号をリミットスイ
ッチ64を用いて発生していたが、半導体ウエハが搬入
された時点を示す信号は、他の種々の手段で発生するこ
とが可能である。例えば、載置台40のベース46の高
さを示すエンコーダを用いて搬入信号を発生させること
もできる。また、載置台40を上昇させる時間をタイマ
で計測しておき、載置台40の上昇開始から所定の時間
が経過した時点で半導体ウエハが搬入されたと判断して
搬入信号を発生することも可能である。
【0051】(4)上記実施例では、半導体ウエハが搬
入されたことを示すエレベータ上限信号SUPが発生する
と直ちに制御ループをヒータ熱電対32側からプロファ
イル熱電対52側に切換えていたが、所定の時間経過後
に制御ループを切換えるようにしてもよい。すなわち、
半導体ウエハが搬入されたことを示す信号に応じて制御
ループを切換えるようにすればよい。
【0052】(5)上記実施例では温度検出器として熱
電対を用いたが、パイロメータなどの他の温度検出器を
用いてもよい。
【0053】(6)本発明の熱処理装置は、アニール、
拡散、ベーク、CVD、SOGなどの各種の熱処理工程
に使用する熱処理装置に適用することができる。また、
縦型炉に限らず、横型炉にも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱処理装
置によれば、従来に比べて互いに近い温度履歴で複数枚
の半導体ウエハを加熱することができ、また、炉芯管の
洗浄も容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例としての熱処理装置を示す
説明図。
【図2】半導体ウエハ搬入後の熱処理装置を示す説明
図。
【図3】実施例による熱処理装置の制御ブロック図。
【図4】実施例よるステップ状の熱処理履歴の一例を示
すグラフ。
【図5】実施例よるランプ状の熱処理履歴の一例を示す
グラフ。
【図6】セルフチューニングコントローラの機能を示す
ブロック図。
【図7】調節操作部の機能を示すブロック図。
【図8】セルフチューニングコントローラによる制御手
順を示すフローチャート。
【図9】従来の熱処理装置を示す概念図。
【図10】従来の装置による温度履歴を示すグラフ。
【符号の説明】
20…炉芯管 22…ノズル 24…Oリング 26…水冷フランジ 28…ノズル 30,30t ,30b ,30c …赤外線ヒータ 32…ヒータ熱電対 40…載置台 42…石英ボート 44…石英断熱板 46…ベース 50…石英保護管 52…プロファイラ熱電対 60…エレベータ 62…ネジ部 64…リミットスイッチ 70…メインコントローラ 80…温度調節器 81…セルフチューニングコントローラ 82…目標温度設定部 83…エレベータ昇降判断部 84,85…スイッチ 86…調節操作部 86a…積分要素 86b…比例微分要素 87…同定部 87a…閉ループ伝達関数同定部 87b…対象伝達関数同定部 88…パラメータ計算部 89…参照モデル設定部 90…電力調整器 92…電源 100…炉芯管 102…熱電対 104…ヒータ 200…半導体ウエハ Ht ,Hc ,Hb …ヒータ熱電対温度 Pt ,Pc ,Pb …プロファイラ熱電対温度 PWt ,PWc ,PWb …ヒータ出力

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の半導体ウエハの熱処理を行なう
    ための熱処理装置であって、(A)複数枚の半導体ウエ
    ハを収納する炉芯管と、(B)前記炉芯管の外側に設置
    され、前記炉芯管の長手方向に沿って複数に区分された
    ヒータと、(C)前記各ヒータにそれぞれ対応付けら
    れ、前記ヒータと前記炉芯管との間の所定の位置に設け
    られた複数の第1の温度検出器と、(D)複数枚の半導
    体ウエハを載置するための載置台と、(E)前記各ヒー
    タにそれぞれ対応付けられ、前記載置台の長手方向に沿
    って前記載置台に設けられた複数の第2の温度検出器
    と、(F)前記載置台に載置された複数枚の半導体ウエ
    ハと前記第2の温度検出器とを前記炉芯管内に搬入・搬
    出する駆動機構と、(G)前記複数枚の半導体ウエハが
    前記炉芯管内に搬入されたことを示す搬入信号を出力す
    る搬入信号出力手段と、(H)前記複数枚の半導体ウエ
    ハが前記炉芯管内に搬入される際に、前記搬入信号出力
    手段から前記搬入信号を受ける以前には前記第1の温度
    検出器によって検出された温度を制御量として前記各ヒ
    ータの出力を調節するとともに、前記搬入信号出力手段
    から受けた前記搬入信号に応じて制御ループを切換え、
    前記第2の温度検出器で検出された温度を制御量として
    前記各ヒータの出力を調節するコントローラと、を備え
    る半導体ウエハの熱処理装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0855810A (ja) * 1994-08-16 1996-02-27 Nec Kyushu Ltd 拡散炉
US5676869A (en) * 1994-11-07 1997-10-14 Tokyo Electron Limited Vertical heat treatment apparatus
JP2000183072A (ja) * 1998-10-07 2000-06-30 Kokusai Electric Co Ltd 半導体製造装置およびその温度制御方法
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WO2024135039A1 (ja) * 2022-12-23 2024-06-27 株式会社Kokusai Electric 温度制御システム、半導体装置の製造方法、処理装置、及び、プログラム

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