JPH06192771A - 高力高導電性銅合金 - Google Patents

高力高導電性銅合金

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JPH06192771A
JPH06192771A JP34649992A JP34649992A JPH06192771A JP H06192771 A JPH06192771 A JP H06192771A JP 34649992 A JP34649992 A JP 34649992A JP 34649992 A JP34649992 A JP 34649992A JP H06192771 A JPH06192771 A JP H06192771A
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JP
Japan
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copper alloy
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less
alloy
workability
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JP34649992A
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English (en)
Inventor
Hironobu Sawato
広信 沢渡
Takatsugu Hatano
隆紹 波多野
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Nikko Kinzoku KK
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Nikko Kinzoku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体機器のリード材や導電性ばね材に要求
される導電性、強度、ばね特性、打ち抜き加工性並びに
曲げ加工性等を兼備した銅合金を提供する。 【構成】 銅合金を、Zn:1.5%以上25%未満、
Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種以上:総量で
0.0005%以上0.05%未満を含有し、あるいは
さらにSi,Sn,P,Fe,Cr,B,Be,Co,
Mg,Ni,AlまたはMnのうちの1種以上:総量で
0.01%以上1%未満をも含むと共に、残部がCu及
び不可避的不純物からなる成分組成とするか、又はこれ
に加えてその平均結晶粒径を25μm未満に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トランジスタや集積
回路(IC)等のような半導体機器のリード材やコネク
ター端子、リレー、スイッチ等の導電性ばね材として好
適な、高い強度、導電性等に加えて優れた打ち抜き加工
性、曲げ加工性を備えた銅合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体機器のリード材には、熱膨
張係数が低く、素子及びセラミックスとの接着性、封着
性の良好な“コバール(商品名:Fe−29wt%Ni
−16wt%Co合金)”或いは“42合金”等といっ
た高ニッケル合金が好んで使われてきた。
【0003】ところが、近年、半導体回路の集積度向上
に伴って消費電力の高いICが多く使用されるようにな
ってきたことや、封止材料として樹脂が多く用いられた
こと等の事情もあって、半導体機器のリード材に放熱性
の良い銅基合金を使用する傾向が目立つようになってい
る。
【0004】ところで、材料の種類はともかく、このよ
うな半導体機器のリード材には一般に次のような特性が
要求されている。 (1)リードは電気信号伝達部であると同時に、パッケ
ージング工程中及び回路使用中に発生する熱を外部に放
出する機能を必要とするので、熱及び電気の伝導性に優
れること。
【0005】(2)半導体素子保護の観点から“リード
とモールドとの密着性”が重要であるため、熱膨張係数
がモールド材と近いこと。 (3)パッケージング時に種々の加熱工程が加わるた
め、耐熱性が良好であること。
【0006】(4)リードは、リード材を打ち抜きし、
また曲げ加工して作製されるものが殆どであるため、こ
れらの加工性が良好であること。
【0007】(5)リードには表面に貴金属のめっきが
施されるため、これらの貴金属とのめっき密着性が良好
であること。
【0008】(6)パッケージング後にも封止材の外に
露出している所謂“アウター・リード部”に半田付けす
る場合が多いので、良好な半田付け性を示すこと。 (7)機器の信頼性及び寿命の観点から耐食性が良好な
こと。 (8)価格が低廉であること。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の各種の要求特性に対し、従来より使用されている無酸
素銅、錫入り銅、りん青銅、コバール(商品名)及び4
2合金には何れも一長一短があり、前記特性の全てを満
足し得るものではなかった。
【0010】特にリードの多ピン化、小型化の進展に伴
って形状の複雑化やピンの狭小化が進み、材料に一層良
好な打ち抜き性及び曲げ加工性が求められていることを
考慮すれば、上記従来材はこれらの点で十分な性能を有
しているとは言い難かった。一方、同様に優れた導電
性、耐食性、強度、打ち抜き性、曲げ加工性等が要求さ
れるところの電気機器、計測機器、スイッチあるいはコ
ネクター等に用いられるばね材料として、従来から比較
的安価な“黄銅”、ばね特性の優れた“りん青銅”、ば
ね特性に加えて耐食性にも優れた“洋白”といった銅合
金が使用されてきた。
【0011】しかし、一層の高性能化が進む前記機器類
のばね材として上記銅合金を検討すると、黄銅は強度や
ばね特性の点で十分満足できるものではなく、また強度
及びばね特性に優れる洋白やりん青銅にしても部品の軽
薄短小化が進むにつれてより厳しい打ち抜き加工、曲げ
加工が施されるようになったことから、従来の材料では
これらの加工性面で不満が指摘されるようになってき
た。したがって、より改善された打ち抜き加工性及び曲
げ加工性を示し、かつばね特性の優れた合金の出現が待
たれていた。
【0012】このようなことから、本発明の目的は、銅
系材料の優れた電気、熱の伝導性を生かすと同時に、半
導体機器のリード材や導電性ばね材として十分に満足で
きる強度、ばね特性、耐食性、打ち抜き加工性並びに曲
げ加工性をも兼備した銅合金を実現することに置かれ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、「優れた
強度、ばね特性等を備えるCu−Zn合金の成分調整を
行った上で、これに適量のTi,Zr,HfまたはTh
を含有させると、半導体機器のリード材や導電性ばね材
としての必要特性に格別な悪影響を及ぼすことなく十分
とは言えなかった打ち抜き加工性や曲げ加工性が著しく
向上する。」との新事実が明らかとなり、更には「この
ような組成を有した銅合金の結晶粒度を特性の細かい領
域に調整するとその打ち抜き加工性や曲げ加工性が一層
向上する」という知見も得ることができた。
【0014】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたものであり、「銅合金を、Zn:1.5%以上2
5%未満(以降、成分割合を表す%は重量%とする)、
Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種以上:総量で
0.0005%以上0.05%未満を含有し、あるいは
さらにSi,Sn,P,Fe,Cr,B,Be,Co,
Mg,Ni,AlまたはMnのうちの1種以上:総量で
0.01%以上1%未満を含むと共に残部がCu及び不
可避的不純物からなる成分組成とするか、又はこれに加
えてその平均結晶粒径を25μm未満に調整することに
より、半導体機器のリード材として十分満足できる優れ
た電気及び熱伝導性ばね材としても十分な強度、ばね特
性、導電性、加工性を兼備せしめた点」に大きな特徴を
有している。
【0015】次に本発明において銅合金の成分組成、平
均結晶粒径を前記の如くに限定した理由を、その作用と
共に説明する。
【0016】Zn量:Znは合金の強度を確保する作用
があるが、その含有量が1.5%未満であると所望とす
る300N/mm2以上の強度が得られず、一方、25
%以上の割合でZnを含有させると導電率が30%IA
CS以下まで低下することから、Zn含有量は「1.5
%以上25%未満」と定めた。
【0017】Ti,Zr,HfまたはTh量:Ti,Z
r,Hf,ThのIV族a族元素には微量添加により打ち
抜き加工性及び曲げ加工性を改善する等しい作用がある
ことから、この1種又は2種以上の添加がなされる。な
お、上記元素がこれらの作用を発揮する機構は現在研究
中であるが、Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種
又は2種以上の含有量が総量で0.0005%未満であ
ると前記作用による所望の効果が得られず、一方、その
含有量が総量で0.05%以上であると打ち抜き加工性
及び曲げ加工性が逆に劣化すると共に、導電性も低下す
ることから、これら元素の含有量は総量で「0.000
5%以上0.05%未満」と定めた。
【0018】Si,Sn,P,Fe,Cr,B,Co,
Mg,Ni,AlまたはMn量;Si,Sn,P,F
e,Cr,B,Co,Mg,Ni,AlまたはMnに
は、上記銅合金の強度並びに耐熱性を更に改善する等し
い作用があるので必要により1種又は2種以上の添加が
なされる。しかし、その含有量が総量で0.01%未満
であると前記作用による所望の効果が得られず、一方、
総含有量が1%以上になると導電率が著しく低下するこ
とから、これらの含有量は総量で「0.01%以上1%
未満」と定めた。
【0019】結晶粒径;本発明に関わる銅合金では、そ
の結晶粒の粗大化が打ち抜き加工性及び曲げ加工性に少
なからぬ悪影響を及ぼす。特に平均結晶粒径が25μm
以上となると打ち抜き加工性、曲げ加工性の劣化が顕著
となる。従って、良好な打ち抜き加工性及び曲げ加工性
を確保するためには、平均結晶粒径25μm以上となら
ぬように調整するのが良い。
【0020】上述のように、本発明に係わる銅合金は、
優れた強度、ばね特性、電気伝導性、耐熱性等を具備す
ると共に良好な打ち抜き加工性及び曲げ加工性を示し、
しかも半田付け性、めっき密着性にも優れるものである
が、以下、実施例によって本発明をより具体的に説明す
る。
【0021】
【実施例】電気銅を原料とし高周波溶解炉にて表1及び
表2に示される各種成分組成の銅合金を溶製し、皮削り
後熱間圧延を行い6mmの厚さとした。この材料を皮削
り後冷間圧延した後、焼鈍、圧延を繰返し、最後に歪取
焼鈍を行い、0.3mm厚さの板とした。これらの材料
について、引張り強さ、伸び、曲げ性の調査を行った。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】引張り強さは、伸びは圧延方向に平行方向
にJIS5号引張り試験片を採取し、引張り試験を行い
測定した。
【0026】電気伝導性(放熱性)の評価は導電率(%
IACS)の測定により評価した。また、“打ち抜き加
工性”の評価は打ち抜き加工後のプレス破面を観察する
ことで行い、破断面率[(破断面)/(板厚)×10
0]が20%以上のときを「良好」、20%未満のとき
を「不良」と判断した。
【0027】曲げ加工性については、図1に示すように
10mm幅の件の試験片を、内側曲げ半径0.3mm
(=板厚)で圧延方向と直角に、片側に90°の曲げを
繰返し行い、破断までの曲げ回数(往復で1回とする)
を測定した。試験はn=5で行い、その平均値で評価し
た。これらの評価結果を、前記表1及び表2に併せて示
す。
【0028】さて、表1及び表2に示される結果からも
明らかなように、本発明合金No.1〜No.19は、いず
れも優れた強度、伸び、導電率、耐熱性を有すると共に
良好な打ち抜き加工性及び曲げ加工性を示すことがわか
る。
【0029】これに対し、比較合金No.20は本発明合
金No.1に比べて、比較合金No.21は本発明合金No.
13と比べて、比較合金No.22は本発明合金No.7と
比べて、そして比較合金No.23は本発明合金No.11
と比べて、同量のZn及びその他の成分を含有し結晶粒
径が同等であるにもかかわらず、Ti,Zr,Hfまた
はThを含有していないため打ち抜き加工性及び曲げ性
が劣る。
【0030】同様に、比較合金No.26はZrを0.0
5%以上含有するため、発明合金No.1と比較して打ち
抜き加工性及び曲げ加工性が却って悪くなり、導電率も
低くなっている。また、比較合金No.27はZnの含有
量が少ないために強度が低く、一方、比較合金No.28
はZn含有量が多すぎるために導電率が低くなってい
る。
【0031】更に比較合金No.25はNi含有量が1%
以上と高いために導電率が低くなっている。ところで、
合金No.24は結晶粒の粗大化したものの例であるが、
合金No.1と比較すれば明らかなように、結晶粒径がこ
のように大きいと打ち抜き加工性及び曲げ加工性が悪く
なることを確認できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した如く、この発明によれば、
半導体機器のリード材及び導電性ばね材としての従来合
金に指摘された打ち抜き性及び加工性の難点を克服し、
前記材料の性能を大幅に向上する高力高導電性銅合金を
提供することが可能となるほど、産業上極めて有用な効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲げ加工性の試験の説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量割合にて、Zn:1.5%以上25
    %未満、Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種以
    上:総量で0.0005%以上0.05%未満を含むと
    共に、残部がCu及び不可避的不純物からなることを特
    徴とする高力高導電性銅合金。
  2. 【請求項2】 重量割合にて、Zn:1.5%以上25
    %未満、Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種以
    上:総量で0.0005%以上0.05%未満、Si,
    Sn,P,Fe,Cr,B,Be,Co,Mg,Ni,
    AlまたはMnのうちの1種以上:総量で0.01%以
    上1%未満を含むと共に、残部がCu及び不可避的不純
    物からなることを特徴とする高力高導電性銅合金。
  3. 【請求項3】 重量割合にて、Zn:1.5%以上25
    %未満、Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種以
    上:総量で0.0005%以上0.05%未満を含むと
    共に、残部がCu及び不可避的不純物からなり、かつ平
    均結晶粒径が25μm未満であることを特徴とする高力
    高導電性銅合金。
  4. 【請求項4】 重量割合にて、Zn:1.5%以上25
    %未満、Ti,Zr,HfまたはThのうちの1種以
    上:総量で0.0005%以上0.05%未満、Si,
    Sn,P,Fe,Cr,B,Be,Co,Mg,Ni,
    AlまたはMnのうちの1種以上:総量で0.01%以
    上1%未満を含むと共に、残部がCu及び不可避的不純
    物からなり、かつ平均結晶粒径が25μm未満であるこ
    とを特徴とする高力高導電性銅合金。
JP34649992A 1992-12-25 1992-12-25 高力高導電性銅合金 Pending JPH06192771A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004022805A1 (ja) * 2002-09-09 2004-03-18 Sambo Copper Alloy Co., Ltd. 高強度銅合金
WO2007091690A1 (ja) * 2006-02-10 2007-08-16 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. 半融合金鋳造用原料黄銅合金

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004022805A1 (ja) * 2002-09-09 2004-03-18 Sambo Copper Alloy Co., Ltd. 高強度銅合金
WO2007091690A1 (ja) * 2006-02-10 2007-08-16 Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. 半融合金鋳造用原料黄銅合金
JP2007211310A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sanbo Copper Alloy Co Ltd 半融合金鋳造用原料黄銅合金

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