JPH06192168A - α−アリールプロピオン酸類の光学分割方法 - Google Patents
α−アリールプロピオン酸類の光学分割方法Info
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- JPH06192168A JPH06192168A JP34609592A JP34609592A JPH06192168A JP H06192168 A JPH06192168 A JP H06192168A JP 34609592 A JP34609592 A JP 34609592A JP 34609592 A JP34609592 A JP 34609592A JP H06192168 A JPH06192168 A JP H06192168A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式(I)
【化1】
(式中、R は芳香族基であり、*は不斉炭素を表す。)
で示されるα−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物をそのまま直接、多糖誘導体を有効成分とす
る分離剤を用いる液体クロマトグラフィーにより光学分
割する。 【効果】 α−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物から簡便な液体クロマトグラフィー技術によ
って医薬品、また医薬中間体として有用な光学活性なα
−アリールプロピオン酸類を直接得ることができる。
で示されるα−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物をそのまま直接、多糖誘導体を有効成分とす
る分離剤を用いる液体クロマトグラフィーにより光学分
割する。 【効果】 α−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物から簡便な液体クロマトグラフィー技術によ
って医薬品、また医薬中間体として有用な光学活性なα
−アリールプロピオン酸類を直接得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−アリールプロピオン
酸類の直接光学分割方法に関するものであり、詳しく
は、簡便な液体クロマトグラフィー法を用いるα−アリ
ールプロピオン酸類の直接光学分割方法に関するもので
ある。
酸類の直接光学分割方法に関するものであり、詳しく
は、簡便な液体クロマトグラフィー法を用いるα−アリ
ールプロピオン酸類の直接光学分割方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般式
(I)
(I)
【0003】
【化2】
【0004】(式中、R は芳香族基であり、*は不斉炭
素を表す。)で示されるα−アリールプロピオン酸類は
医薬品や医薬中間体として有用な化合物であり、光学異
性体すなわち (R)体と (S)体が存在する。しかし、医薬
品として市販されているα−アリールプロピオン酸類の
ほとんどがラセミ体である。これは、α−アリールプロ
ピオン酸類のin vitroにおける生理活性は一般に各々の
光学活性体で異なり絶対配置が (S)体の方が (R)体より
も強力な生理活性を有するが、in vivo ではその差はほ
とんどなくなってしまうからである。in vivo で(S)体
と (R)体との生理活性の差がほとんどなくなってしまう
理由は、体内で(R)体のみが選択的に肝ミクロソーム又
はミトコンドリアでアシル CoAと反応してチオエステル
に移行し、このチオエステルがラセマーゼによって異性
化(キラル反転)、次いで加水分解され、薬効の強い
(S)体に転換されるためである。これに対して (S)体は
アシル CoA合成酵素の基質にならないので (S)体から
(R)体への異性化が全く起こらないためである(Y. Naka
mura et al., proceedings of the12th Symposium on D
rug Metabolism and Action, Kanagawa, P.6 (1986))。
素を表す。)で示されるα−アリールプロピオン酸類は
医薬品や医薬中間体として有用な化合物であり、光学異
性体すなわち (R)体と (S)体が存在する。しかし、医薬
品として市販されているα−アリールプロピオン酸類の
ほとんどがラセミ体である。これは、α−アリールプロ
ピオン酸類のin vitroにおける生理活性は一般に各々の
光学活性体で異なり絶対配置が (S)体の方が (R)体より
も強力な生理活性を有するが、in vivo ではその差はほ
とんどなくなってしまうからである。in vivo で(S)体
と (R)体との生理活性の差がほとんどなくなってしまう
理由は、体内で(R)体のみが選択的に肝ミクロソーム又
はミトコンドリアでアシル CoAと反応してチオエステル
に移行し、このチオエステルがラセマーゼによって異性
化(キラル反転)、次いで加水分解され、薬効の強い
(S)体に転換されるためである。これに対して (S)体は
アシル CoA合成酵素の基質にならないので (S)体から
(R)体への異性化が全く起こらないためである(Y. Naka
mura et al., proceedings of the12th Symposium on D
rug Metabolism and Action, Kanagawa, P.6 (1986))。
【0005】α−アリールプロピオン酸類は、上記の通
り全てが (S)体に変換されることを期待したプレドラッ
グとしてラセミ体で供給されているのが現状であるが、
一方で、この変換における中間体である (R)体のチオエ
ステルが生体内での脂肪酸の代謝と同様に混合トリグリ
セリドとなって脂肪組織中に蓄積されることが懸念され
ているので (S)体のみの供給が望ましいとされ、その光
学分割の方法が必要とされている(竹越敏夫ら、ファル
マシア、Vol. 25, No.4(1989) ,P322−327)。
り全てが (S)体に変換されることを期待したプレドラッ
グとしてラセミ体で供給されているのが現状であるが、
一方で、この変換における中間体である (R)体のチオエ
ステルが生体内での脂肪酸の代謝と同様に混合トリグリ
セリドとなって脂肪組織中に蓄積されることが懸念され
ているので (S)体のみの供給が望ましいとされ、その光
学分割の方法が必要とされている(竹越敏夫ら、ファル
マシア、Vol. 25, No.4(1989) ,P322−327)。
【0006】従来、α−アリールプロピオン酸類の光学
分割の方法としては、特定の光学活性アミンを用い光学
分割する方法(特開平2−289536号)や、キナアルカロ
イドをシリカゲル表面に固定した分離剤を用いた方法
(特開平4−29958 号)がある。しかし、前者は純粋な
光学活性体を得るには再結晶を繰り返す必要があり、ま
た、後者は分離能が低いなどといった問題があり、必ず
しも良好な方法とは言えなかった。
分割の方法としては、特定の光学活性アミンを用い光学
分割する方法(特開平2−289536号)や、キナアルカロ
イドをシリカゲル表面に固定した分離剤を用いた方法
(特開平4−29958 号)がある。しかし、前者は純粋な
光学活性体を得るには再結晶を繰り返す必要があり、ま
た、後者は分離能が低いなどといった問題があり、必ず
しも良好な方法とは言えなかった。
【0007】従って、本発明の目的は光学活性なα−ア
リールプロピオン酸類を高い光学純度で、再現性がよ
く、また工業規模でも光学分割できる分離効率の良い製
造手段を開発することにある。
リールプロピオン酸類を高い光学純度で、再現性がよ
く、また工業規模でも光学分割できる分離効率の良い製
造手段を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、分離剤として、
多糖誘導体を用いることによって一連のα−アリールプ
ロピオン酸類が高い光学純度で得られることを見出し、
本発明を完成させるに到った。即ち、本発明は、上記一
般式(I)で示されるα−アリールプロピオン酸類のエ
ナンチオマーの混合物をそのまま直接、多糖誘導体を有
効成分とする分離剤を用いる液体クロマトグラフィーに
より光学分割することを特徴とする、α−アリールプロ
ピオン酸類の光学分割方法を提供するものである。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、分離剤として、
多糖誘導体を用いることによって一連のα−アリールプ
ロピオン酸類が高い光学純度で得られることを見出し、
本発明を完成させるに到った。即ち、本発明は、上記一
般式(I)で示されるα−アリールプロピオン酸類のエ
ナンチオマーの混合物をそのまま直接、多糖誘導体を有
効成分とする分離剤を用いる液体クロマトグラフィーに
より光学分割することを特徴とする、α−アリールプロ
ピオン酸類の光学分割方法を提供するものである。
【0009】次に本発明の詳細について述べる。本発明
の分離対象であるα−アリールプロピオン酸類について
は、上記一般式(I)において Rはいかなる芳香族基で
もよいが、好ましくは炭素数4〜20の置換または非置換
の芳香族炭化水素基、あるいは置換または非置換の複素
環式芳香族基であり、具体的には4−イソブチルフェニ
ル基、3−ベンゾイルフェニル基、3−フェノキシフェ
ニル基等が挙げられる。一般式(I)で表されるα−ア
リールプロピオン酸類の具体例としては、下記式(I-1)
で表されるイブプロフェン、下記式(I-2) で表されるケ
トプロフェン、下記式(I-3) で表されるフェノプロフェ
ン、下記式(I-4) で表されるフルレビプロフェン、下記
式(I-5) で表されるアルミノプロフェン、下記式(I-6)
で表されるプラノプロフェンなどが挙げられる。
の分離対象であるα−アリールプロピオン酸類について
は、上記一般式(I)において Rはいかなる芳香族基で
もよいが、好ましくは炭素数4〜20の置換または非置換
の芳香族炭化水素基、あるいは置換または非置換の複素
環式芳香族基であり、具体的には4−イソブチルフェニ
ル基、3−ベンゾイルフェニル基、3−フェノキシフェ
ニル基等が挙げられる。一般式(I)で表されるα−ア
リールプロピオン酸類の具体例としては、下記式(I-1)
で表されるイブプロフェン、下記式(I-2) で表されるケ
トプロフェン、下記式(I-3) で表されるフェノプロフェ
ン、下記式(I-4) で表されるフルレビプロフェン、下記
式(I-5) で表されるアルミノプロフェン、下記式(I-6)
で表されるプラノプロフェンなどが挙げられる。
【0010】
【化3】
【0011】また、本発明に用いる分離剤は多糖誘導体
を有効成分とするものである。ここでいう多糖とは合成
多糖、天然多糖、天然物変成多糖の何れかを問わず、光
学活性であればいかなるものでもよいが、好ましくは規
則性の高いホモグルカンであり、しかも結合様式が一定
なものである。更に好ましくは高純度の多糖を容易に得
ることのできるセルロース、アミロース、キチン、β−
1,4 −キトサン、β−1,4 −マンナン、β−1,4 −キシ
ラン、イヌリン、α−1,3 −グルカン(カードラン)な
どである。多糖の誘導体とは、上記多糖の有する水酸基
上の水素原子の一部あるいは全部、好ましくは85%以上
を他の原子団で置換したものである。ここで言う他の原
子団とは、下記式で示されるエステル、カルバメート又
はエーテル等の結合を形成する原子団である。
を有効成分とするものである。ここでいう多糖とは合成
多糖、天然多糖、天然物変成多糖の何れかを問わず、光
学活性であればいかなるものでもよいが、好ましくは規
則性の高いホモグルカンであり、しかも結合様式が一定
なものである。更に好ましくは高純度の多糖を容易に得
ることのできるセルロース、アミロース、キチン、β−
1,4 −キトサン、β−1,4 −マンナン、β−1,4 −キシ
ラン、イヌリン、α−1,3 −グルカン(カードラン)な
どである。多糖の誘導体とは、上記多糖の有する水酸基
上の水素原子の一部あるいは全部、好ましくは85%以上
を他の原子団で置換したものである。ここで言う他の原
子団とは、下記式で示されるエステル、カルバメート又
はエーテル等の結合を形成する原子団である。
【0012】
【化4】
【0013】(上記式中、R2は炭素数1〜3より成る脂
肪族基、3〜8より成る環式脂肪族基、炭素数4〜20よ
り成る芳香族基もしくはヘテロ芳香族基であり、いずれ
も置換基を有していてもよい。) これらの多糖の誘導体は公知の化学反応を用いて容易に
合成することができる。これら多糖誘導体の具体例とし
ては、セルロース トリス(4−メトキシベンゾエー
ト)、セルロース トリス(2−メチルベンゾエー
ト)、セルロース トリス(3−メチルベンゾエート)
等が挙げられる。
肪族基、3〜8より成る環式脂肪族基、炭素数4〜20よ
り成る芳香族基もしくはヘテロ芳香族基であり、いずれ
も置換基を有していてもよい。) これらの多糖の誘導体は公知の化学反応を用いて容易に
合成することができる。これら多糖誘導体の具体例とし
ては、セルロース トリス(4−メトキシベンゾエー
ト)、セルロース トリス(2−メチルベンゾエー
ト)、セルロース トリス(3−メチルベンゾエート)
等が挙げられる。
【0014】これら多糖誘導体は分離剤の耐圧能力の向
上、移動相に用いる溶媒による膨潤、収縮の防止、理論
段数の向上のため、担体に担持させることが好ましい。
用いる担体の大きさは使用するカラムの大きさにより変
わるが、一般に1μm 〜10mmであり、好ましくは1μm
〜300 μm である。担体は多孔質であることが好まし
く、平均孔径は10Å〜100 μm であり、好ましくは50Å
〜10000 Åである。多糖誘導体を担持させる量は担体に
対して1〜100 重量%、好ましくは5〜50重量%であ
る。
上、移動相に用いる溶媒による膨潤、収縮の防止、理論
段数の向上のため、担体に担持させることが好ましい。
用いる担体の大きさは使用するカラムの大きさにより変
わるが、一般に1μm 〜10mmであり、好ましくは1μm
〜300 μm である。担体は多孔質であることが好まし
く、平均孔径は10Å〜100 μm であり、好ましくは50Å
〜10000 Åである。多糖誘導体を担持させる量は担体に
対して1〜100 重量%、好ましくは5〜50重量%であ
る。
【0015】多糖誘導体を担体に担持させる方法として
は化学的方法でも物理的方法でもよい。化学的な方法と
しては多糖を誘導体化する際に一部の水酸基を保護して
おき、誘導体化後、脱保護し、これとシリカゲルとを化
学的に結合させるという方法がある(Y. Okamoto et a
l., J. Liq. Chromatogr., 10(8&9),1613−162
8,1987)。物理的方法としては、多糖誘導体を可溶性
の溶剤に溶解させ、担体と良く混和し、減圧下、加温下
または気流下で溶剤を留去させる方法などがある。
は化学的方法でも物理的方法でもよい。化学的な方法と
しては多糖を誘導体化する際に一部の水酸基を保護して
おき、誘導体化後、脱保護し、これとシリカゲルとを化
学的に結合させるという方法がある(Y. Okamoto et a
l., J. Liq. Chromatogr., 10(8&9),1613−162
8,1987)。物理的方法としては、多糖誘導体を可溶性
の溶剤に溶解させ、担体と良く混和し、減圧下、加温下
または気流下で溶剤を留去させる方法などがある。
【0016】担体としては、多孔性有機担体または多孔
性無機担体があり、好ましくは多孔性無機担体である。
多孔性有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリレートなどからなる高分
子物質が挙げられる。多孔性無機担体として適当なもの
はシリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、ガラ
ス、ケイ酸塩、カオリンのような合成もしくは、天然の
物質が挙げられ、多糖誘導体との親和性を良くするため
に表面処理を施してもよい、表面処理の方法としては有
機シラン化合物を用いたシラン化処理や、プラズマ重合
による表面処理法等がある。
性無機担体があり、好ましくは多孔性無機担体である。
多孔性有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリレートなどからなる高分
子物質が挙げられる。多孔性無機担体として適当なもの
はシリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、ガラ
ス、ケイ酸塩、カオリンのような合成もしくは、天然の
物質が挙げられ、多糖誘導体との親和性を良くするため
に表面処理を施してもよい、表面処理の方法としては有
機シラン化合物を用いたシラン化処理や、プラズマ重合
による表面処理法等がある。
【0017】本発明においては、このようにして得た多
糖の誘導体を有効成分とする分離剤を用い、液体クロマ
トグラフィーにより、上記一般式(I)で表されるα−
アリールプロピオン酸類のエナンチオマーの混合物をそ
のまま直接光学分割する。液体クロマトグラフィーを行
う場合の溶離液としては、多糖の誘導体を有効成分とす
る分離剤を溶解またはこの分離剤と反応する液体を除い
て特に制約はなく、またこの分離剤を化学的方法で担体
に結合した場合には反応性液体を除いては制約はない
が、好ましくはn−ヘキサン、各種アルコール、テトラ
ヒドロフランなどの混合溶液が用いられる。いうまでも
なく、溶離液によってα−アリールプロピオン酸類の光
学異性体の分離特性は変化するので、各種溶剤の混合比
による分離特性を検討することが望ましい。また、α−
アリールプロピオン酸類の光学分割には溶離液にトリフ
ルオロ酢酸や酢酸の様な酸をアディティブとして 0.1〜
0.5 重量%添加すると良好な分離を得ることができる。
糖の誘導体を有効成分とする分離剤を用い、液体クロマ
トグラフィーにより、上記一般式(I)で表されるα−
アリールプロピオン酸類のエナンチオマーの混合物をそ
のまま直接光学分割する。液体クロマトグラフィーを行
う場合の溶離液としては、多糖の誘導体を有効成分とす
る分離剤を溶解またはこの分離剤と反応する液体を除い
て特に制約はなく、またこの分離剤を化学的方法で担体
に結合した場合には反応性液体を除いては制約はない
が、好ましくはn−ヘキサン、各種アルコール、テトラ
ヒドロフランなどの混合溶液が用いられる。いうまでも
なく、溶離液によってα−アリールプロピオン酸類の光
学異性体の分離特性は変化するので、各種溶剤の混合比
による分離特性を検討することが望ましい。また、α−
アリールプロピオン酸類の光学分割には溶離液にトリフ
ルオロ酢酸や酢酸の様な酸をアディティブとして 0.1〜
0.5 重量%添加すると良好な分離を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、合成例及び実施例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定され
るものでないことは言うまでもない。尚、実施例中で用
いられるパラメータk'及びαは以下のように定義され
る。
体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定され
るものでないことは言うまでもない。尚、実施例中で用
いられるパラメータk'及びαは以下のように定義され
る。
【0019】
【数1】
【0020】合成例1 セルロース(1.0g) のピリジン(75ml)懸濁液に90℃で
4−メトキシベンゾイルクロライド(9.47g)を加え、
18時間反応し、該反応溶液をメタノール 800mlに加え、
生じた沈殿物を収集し、収率88%でセルロース トリス
(4−メトキシベンゾエート)を得た。
4−メトキシベンゾイルクロライド(9.47g)を加え、
18時間反応し、該反応溶液をメタノール 800mlに加え、
生じた沈殿物を収集し、収率88%でセルロース トリス
(4−メトキシベンゾエート)を得た。
【0021】IR(cm-1) :1728.7, 1240.6 元素分析値(%): C 63.5, H 4.89, N 0実施例1 合成例1で得られたセルロース トリス(4−メトキシ
ベンゾエート)(1g)をクロロホルム7mlに溶解し、
表面処理したシリカゲル(4g)に加え、これをよく攪
拌した後、窒素気流下で乾燥した後、減圧、加熱下でさ
らに乾燥することにより充填剤約5gを得た。この充填
剤をステンレスカラム(0.46cmφ×25cmL)にスラリー法
により充填した。高速液体クロマトグラフィーとしては
日本分光製880-PU、875-UVを用い、溶離液としてn−ヘ
キサンと2−プロパノールの混合液に 0.1%のトリフル
オロ酢酸を添加したものを用い、表1に示す各種α−ア
リールプロピオン酸類の光学分割を行った。その分割結
果を表1に示す。
ベンゾエート)(1g)をクロロホルム7mlに溶解し、
表面処理したシリカゲル(4g)に加え、これをよく攪
拌した後、窒素気流下で乾燥した後、減圧、加熱下でさ
らに乾燥することにより充填剤約5gを得た。この充填
剤をステンレスカラム(0.46cmφ×25cmL)にスラリー法
により充填した。高速液体クロマトグラフィーとしては
日本分光製880-PU、875-UVを用い、溶離液としてn−ヘ
キサンと2−プロパノールの混合液に 0.1%のトリフル
オロ酢酸を添加したものを用い、表1に示す各種α−ア
リールプロピオン酸類の光学分割を行った。その分割結
果を表1に示す。
【0022】合成例2 上記合成例1と同様の方法でセルロースに2−メチルベ
ンゾイルクロライドを反応させ、セルロース トリス
(2−メチルベンゾエート)を合成した。
ンゾイルクロライドを反応させ、セルロース トリス
(2−メチルベンゾエート)を合成した。
【0023】 元素分析値(%): C 69.72 H 5.39, N 0実施例2 合成例2で得られたセルロース トリス(2−メチルベ
ンゾエート)(1g)をクロロホルム7mlに溶解し、表
面処理したシリカゲル(4g)に加え、これをよく攪拌
した後、窒素気流下で乾燥した後、減圧、加熱下でさら
に乾燥することにより充填剤約5gを得た。この充填剤
をステンレスカラム(0.46cmφ×25cmL)にスラリー法に
より充填した。高速液体クロマトグラフィーとしては日
本分光製880-PU、875-UVを用い、溶離液としてn−ヘキ
サンと2−プロパノールの混合液に 0.1%のトリフルオ
ロ酢酸を添加したものを用い、表1に示す各種α−アリ
ールプロピオン酸類の光学分割を行った。その分割結果
を表1に示す。
ンゾエート)(1g)をクロロホルム7mlに溶解し、表
面処理したシリカゲル(4g)に加え、これをよく攪拌
した後、窒素気流下で乾燥した後、減圧、加熱下でさら
に乾燥することにより充填剤約5gを得た。この充填剤
をステンレスカラム(0.46cmφ×25cmL)にスラリー法に
より充填した。高速液体クロマトグラフィーとしては日
本分光製880-PU、875-UVを用い、溶離液としてn−ヘキ
サンと2−プロパノールの混合液に 0.1%のトリフルオ
ロ酢酸を添加したものを用い、表1に示す各種α−アリ
ールプロピオン酸類の光学分割を行った。その分割結果
を表1に示す。
【0024】合成例3 上記合成例1と同様の方法でセルロースに3−メチルベ
ンゾイルクロライドを反応させ、セルロース トリス
(3−メチルベンゾエート)を合成した。
ンゾイルクロライドを反応させ、セルロース トリス
(3−メチルベンゾエート)を合成した。
【0025】 元素分析値(%): C 69.74 H 5.40, N 0実施例3 合成例3で得られたセルロース トリス(3−メチルベ
ンゾエート)(1g)をクロロホルム7mlに溶解し、表
面処理したシリカゲル(4g)に加え、これをよく攪拌
した後、窒素気流下で乾燥した後、減圧、加熱下でさら
に乾燥することにより充填剤約5gを得た。この充填剤
をステンレスカラム(0.46cmφ×25cmL)にスラリー法に
より充填した。高速液体クロマトグラフィーとしては日
本分光製880-PU、875-UVを用い、溶離液としてn−ヘキ
サンと2−プロパノールの混合液に 0.1%のトリフルオ
ロ酢酸を添加したものを用い、表1に示す各種α−アリ
ールプロピオン酸類の光学分割を行った。その分割結果
を表1に示す。
ンゾエート)(1g)をクロロホルム7mlに溶解し、表
面処理したシリカゲル(4g)に加え、これをよく攪拌
した後、窒素気流下で乾燥した後、減圧、加熱下でさら
に乾燥することにより充填剤約5gを得た。この充填剤
をステンレスカラム(0.46cmφ×25cmL)にスラリー法に
より充填した。高速液体クロマトグラフィーとしては日
本分光製880-PU、875-UVを用い、溶離液としてn−ヘキ
サンと2−プロパノールの混合液に 0.1%のトリフルオ
ロ酢酸を添加したものを用い、表1に示す各種α−アリ
ールプロピオン酸類の光学分割を行った。その分割結果
を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】注) 表中のアルファベットは使用した溶離液を示す。 A:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢
酸=90/10/0.1 (v/v) B:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢
酸=95/5/0.1 (v/v) C:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢
酸=100/1/0.1(v/v) 表1から明らかなように、多糖誘導体を有効成分とする
分離剤を用いることによって、目的とするα−アリール
プロピオン酸類を、高い光学純度で効率良くそれぞれの
光学活性体に分離することができる。これら3種類の分
離剤を用いることにより実施例に示したα−アリールプ
ロピオン酸以外の化合物を光学分割することも可能であ
る。また、用いるカラムのサイズを大きくしたり、疑似
移動床法を用いることにより、数グラムから数キロある
いは数トンのα−アリールプロピオン酸類の光学活性体
を製造することも可能となる。
酸=90/10/0.1 (v/v) B:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢
酸=95/5/0.1 (v/v) C:n−ヘキサン/2−プロパノール/トリフルオロ酢
酸=100/1/0.1(v/v) 表1から明らかなように、多糖誘導体を有効成分とする
分離剤を用いることによって、目的とするα−アリール
プロピオン酸類を、高い光学純度で効率良くそれぞれの
光学活性体に分離することができる。これら3種類の分
離剤を用いることにより実施例に示したα−アリールプ
ロピオン酸以外の化合物を光学分割することも可能であ
る。また、用いるカラムのサイズを大きくしたり、疑似
移動床法を用いることにより、数グラムから数キロある
いは数トンのα−アリールプロピオン酸類の光学活性体
を製造することも可能となる。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により、上記一般式(I)
で表されるα−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物から簡便な液体クロマトグラフィー技術によ
って医薬品、また医薬中間体として有用な光学活性なα
−アリールプロピオン酸類を直接得ることができる。
で表されるα−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物から簡便な液体クロマトグラフィー技術によ
って医薬品、また医薬中間体として有用な光学活性なα
−アリールプロピオン酸類を直接得ることができる。
【図1】実施例1においてプラノプロフェンを光学分割
した時のクロマトグラムである。
した時のクロマトグラムである。
【図2】実施例1においてアルミノプロフェンを光学分
割した時のクロマトグラムである。
割した時のクロマトグラムである。
【図3】実施例2においてイソプロフェンを光学分割し
たときのクロマトグラムである。
たときのクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 59/68 8930−4H 59/84 8930−4H 227/34 229/40 8930−4H C07D 491/052 7019−4C
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R は芳香族基であり、*は不斉炭素を表す。)
で示されるα−アリールプロピオン酸類のエナンチオマ
ーの混合物をそのまま直接、多糖誘導体を有効成分とす
る分離剤を用いる液体クロマトグラフィーにより光学分
割することを特徴とする、α−アリールプロピオン酸類
の光学分割方法。 - 【請求項2】 多糖誘導体を有効成分とする分離剤がセ
ルロース トリス(4−メトキシベンゾエート)である
ことを特徴とする請求項1記載の光学分割方法。 - 【請求項3】 多糖誘導体を有効成分とする分離剤がセ
ルロース トリス(2−メチルベンゾエート)であるこ
とを特徴とする請求項1記載の光学分割方法。 - 【請求項4】 多糖誘導体を有効成分とする分離剤がセ
ルロース トリス(3−メチルベンゾエート)であるこ
とを特徴とする請求項1記載の光学分割方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34609592A JP3159815B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | α−アリールプロピオン酸類の光学分割方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06192168A true JPH06192168A (ja) | 1994-07-12 |
JP3159815B2 JP3159815B2 (ja) | 2001-04-23 |
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ID=18381106
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3159815B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1215216A1 (en) * | 2000-12-15 | 2002-06-19 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Cellulose ester of aromatic carboxylic acid |
EP1762842A2 (en) * | 1995-12-21 | 2007-03-14 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Packing material for high-performance liquid chromatography |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP34609592A patent/JP3159815B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
EP1762842A2 (en) * | 1995-12-21 | 2007-03-14 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Packing material for high-performance liquid chromatography |
EP1762842A3 (en) * | 1995-12-21 | 2011-01-26 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Packing material for high-performance liquid chromatography |
EP1215216A1 (en) * | 2000-12-15 | 2002-06-19 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Cellulose ester of aromatic carboxylic acid |
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JP3159815B2 (ja) | 2001-04-23 |
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