JPH0619196B2 - ディスクロータ - Google Patents

ディスクロータ

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JPH0619196B2
JPH0619196B2 JP27193587A JP27193587A JPH0619196B2 JP H0619196 B2 JPH0619196 B2 JP H0619196B2 JP 27193587 A JP27193587 A JP 27193587A JP 27193587 A JP27193587 A JP 27193587A JP H0619196 B2 JPH0619196 B2 JP H0619196B2
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sprayed layer
disk rotor
rotor
alloy
pad
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健二 下田
政宏 仲川
隆司 友田
真治 大石
譲治 三宅
誠 小沢
繁 市川
原嗣 小山
健治 柿原
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はディスクブレーキに使用されるディスクロータ
(ブレーキディスク)に関し、詳しくは金属製ディスク
ロータの少なくとも摺動面に耐摩耗性、耐熱性の溶射層
が形成されたディスクロータに関する。
〔従来の技術〕
自動車等のブレーキとしてディスクブレーキが多用され
ている。このディスクブレーキの構成部品の一つがディ
スクロータであり、ディスクブレーキで制動作用をさせ
るためにパッドが押しつけられる円板状の部品である。
このディスクロータは、比較的大きな部品であり、従来
はアルミニウム合金、鋳鉄、鋼等の金属を用いて本体を
作製し、パッドが当接する摺動面に鉄系材料等をプラズ
マ溶射して耐摩耗性、耐熱性等の特製を持たしていた
(例えば、Industrial Heating:198年2月刊、P45)。
特開昭51-34369号公報にてアルミニウム合金のデイスク
本体にFe −Cr −C系合金の溶射層を形成したブレー
キディスクが提案され、特開昭51-34370号公報にてFe
−Cr −C系合金の溶射層を形成したものが提案されて
いる。また、特開昭60-89558号公報にてアルミニウム合
金部材にクロム−炭素−鉄合金の溶射層を形成したブレ
ーキ部材が提案されている。
これら提案のFe −Cr −C系合金の溶射層を有するデ
ィスクローク(ブレーキディスク、ブレーキ部材)に関
連して、本発明者らがFe −Cr −C系合金溶射層を鋳
鉄ディスクロータ上に形成した場合で次のような実験を
行なつたところ後述するような問題がある。
第1図の断面図に示すようなデイスクロータ本体1(外
径 250mm)をねずみ鋳鉄(FC20)で鋳造により作製し
た。デイスクロータ本体1の摺動面に第1表のFe −C
r −C合金溶射材料をプラズマ溶射して溶射層2(厚
さ:0.3mm)を形成した。
このプラズマ溶射は、電流 450A、アルゴンガス流量8
0CFH 、水素ガス流量15CFH 、溶射距離 100mmの条件
で行なつた。溶射後に、溶射層を研摩して所定寸法に仕
上げた。
得られたディスクロータA〜Eを下記条件ロータ耐摩耗
性試験および錆固着力試験の評価試験にかけた。
(a)ロータ耐摩耗性試験条件 速度: 100km/H→0km/H 減速度:0.3G ブレーキイン温度:50℃ 制動回数: 500回 相手材:セミメタ系パッド (b)錆固着力試験条件 アスベスト系パッドを5%塩水に1時間浸漬後、面圧1
kg/cm2の荷重を加えて72時間放置し、錆固着力を測
定する。
これら評価試験の結果を第3図に示す。この図からわか
るようにCr 量が増加すると耐摩耗性及び耐錆性が向上
する。しかしながら、Fe −Cr −C合金溶射層は熱伝
導性が悪いために、制動時に過度のロータ表面温度上昇
が起こり、ブレーキの効きが低下する。また、この溶射
層が硬いために、相手攻撃性が大きく、パッド摩耗が増
大する。このようにブレーキ性能において耐摩耗性の向
上は可能であるが、効き、相手攻撃性などは不十分であ
る。
そこで、ディスクロータ(溶射量)の表面温度の上昇を
抑えるために、Fe −Cr −C系合金溶射層とディスク
ロータ本体との間に熱伝導性の良好な中間層を形成する
ことが、特開昭62-88827号公報にて提案されている。
さらに、表面温度の上昇を抑えかつ溶射層の硬度を低く
するために、本発明者らはFe −Cr −C系合金粉末に
熱伝導性が良く軟らかいCu 粉末を混合した溶射材料を
用いて溶射層を形成することを試みた。上述したプラズ
マ溶射条件で、溶射材料を第2票に示すFe −Cr −C
合金粉末とCu 粉末との混合粉末として溶射層を形成し
た。
なお、Fe −Cr −C合金の組成は60wt%Cr 、2.
2wt%C、残部Fe である。
得られたディスクロータF〜Jを下記条件のロータ耐摩
耗性試験、効力試験(摩擦係数で評価)およびパッド摩
耗試験の評価試験にかけた。
(a)ロータ耐摩耗性試験条件 上述した場合と同じ (b)効力試験条件 速度: 100km/H→0km/H 減速度:0.6G ブレーキイン温度:65℃ 相手材:セミメタ系パッド (c)パッド摩耗試験条件 速度:50km/H→0km/H 減速度:0.3G ブレーキイン温度: 200℃ 制動回数:1000回 相手材:アスベスト系パッド (d)パッド摩耗試験条件 速度:50km/H→0km/H 減速度:0.3G ブレーキイン温度: 200℃ 制動回数:1000回 相手材:アスベスト系パッド これら評価試験の効果を第4図に示す。第4図そして第
3図から見て、溶射材料中のCu(粉末)割合が35〜65wt
%であり、Fe −Cr −C合金でのCr 割合が55〜65wt
%であることが好ましい。
また、銅(Cu )を銅合金(例えば、アルミ青銅)とす
ることによつてディスクロータ摩耗量(溶射層摩耗量)
の低減が図れることが下記の実験からわかつた。
先の実験と同じ工程(同じ条件)で、溶射材料を第4表
のようにして、ディスクロータ本体1上にプラズマ溶射
層2(第1図)を形成し、研摩を施してディスクロータ
を作製した。
なお、Fe −Cr −C合金は60wt%Cr、2.2wt%C、
残部Fe の組成の粉末であり、アルミ青銅は10wt%A
l、1wt%Fe 、残部Cu の組成の粉末であつた。
得られたディスクロータK〜Mを下記条件のロータ摩耗
性試験、効力試験(摩擦係数で評価)およびパッド摩耗
試験の評価試験にかけた。
(a)ロータ耐摩耗性試験条件 上述した場合と同じ (b)効力試験条件 速度: 100km/H→0km/H 減速度:0.6G ブレーキイン温度:65℃ 相手材:セミメタ系パッド (c)パッド摩耗試験条件 速度:50km/H→0km/H 減速度:0.3G ブレーキイン温度: 200℃ 制動回数:1000回 相手材:アスベスト系パッド これら評価試験の結果を第5図(a),(b)および
(c)に示す。これらの図からわかるように、本発明に
係るアルミ青銅を含有したディスクロータKは摩擦係数
およびパッド摩耗量はCu含有の場合(ディスクロータ
L)とほぼ同じであるが、ロータ摩耗量(溶射層摩耗
量)はより少ない。
〔発明が解決しようとす問題点〕
溶射層をFe −Cr −C系合金と銅又は銅合金とで構成
することによつて耐錆性、相手攻撃性、効きなどは良好
であるが、耐摩耗性を更に望むような場合には限界があ
る(不十分である)。
本発明の目的は、銅又は銅合金の採用で熱伝導性は向上
した軟かいために溶射層の耐摩耗性向上が不十分である
ので、耐摩耗性を向上させたディスクロータを提供する
ことである。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の目的が、少なくとも摺動面に耐摩耗性、耐熱性の
溶射層が形成されているディスクロータにおいて、溶射
材料がFe −Cr −C系合金粉末と、銅又は銅合金粉末
と、金属の炭化物および/又は酸化物の硬質粒子粉末と
を混合したものであり、前記溶射層中に銅又は銅合金お
よび硬質粒子がほぼ均一に分散していることを特徴とす
るディスクロータによつて達成される。
上述の硬質粒子はCr3C2,Al2O3,TiCなどであり、硬質
粒子粉末の溶射材料中の割合が10〜30wt%であることが
望ましい。
銅合金の例であるアルミ青銅はCu を主成分としてAl
を含有するCu −Al 合金であって、アルミ青銅粉末の
溶射材料中の割合が35〜65wt%であることが望ましい。
また、アルミ青銅の組成としては8〜12wt%Al 、0.5
〜2wt%Fe 、残部Cu が好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施態様例および比較例によって本発明
を詳しく説明する。
先に説明した本発明者らによる実験と同じねずみ鋳鉄
(FC20)製で外径 250mmのディスクロータ本体1 (第1
図)に、第4表の溶射材料をプラズマ溶射して溶射層2
(厚さ:0.3mm)を形成した。
なお、Fe −Cr −C合金には60wt%Cr 、2.2wt
%C、残部Fe の組成の粉末を用いて、これに同重量の
Cu 粉末を混合した。この混合粉末に対して硬質粒子で
あるCr3C2 の粉末を第3表に示すように添加混合して溶
射材料とした。
このときのプラズマ溶射は、先の実験と同じ条件である
電流 450A、アルゴンガス流量80CFH 、水素ガス流量
15CFH 、溶射距離 100mmにて行なった。そして、溶射
層を研摩して所定寸法に仕上げた。
得られたディスクロータN〜Sを下記条件のロータ耐摩
耗製試験およびパッド摩耗試験にかけて、ロータ(溶射
層の)摩耗量およびパッド摩耗量を測定した。
(a)ロータ耐摩耗性試験 速度: 100km/H→0km/H 減速度:0.3G ブレーキイン温度:50℃ 制動回数:1000回 相手材:セミメタ系パッド これらの試験結果を第2図に示す。第2図からわかるよ
うに、硬質粒子Cr3C2(Hv1600) を溶射層中にほぼ均一に
分散させることによってマトリックス(特に、硬質のC
u 部分)を強化して溶射層の耐摩耗性を向上させること
が、10wt%以上であればできる。一方、30wt%を越
えると相手材のパッドの摩耗量が大きくなる(相手材を
大きく攻撃する)ことになる。したがって、硬質粒子の
割合は10〜30%が好ましい。また、Cr3C2 の代わりに A
l 2O3,TiCを用いてもほぼ同様の結果が得られた。そし
て、銅を代わりにアルミ青銅の銅合金を用いてもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、Fe −Cr −C系合金に銅又は銅合金
および硬質粒子を加えた溶射層は、そのディスクロータ
の耐摩性を更に向上させることができて、ブレーキ機能
としての効きおよび相手攻撃性を優れたものとしてい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は溶射層を有するディスクロータの断面図であ
り、 第2図は、硬質粒子(Cr3C2)含有の溶射層を有するデ
ィスクロータのロータ摩耗量およびパッド摩耗量を示す
グラフであり、 第3図はFe −Cr −C系合金の溶射層を有するディス
クロータのロータ摩耗量および錆固着力を示すグラフで
あり、 第4図はCu 含有の溶射層を有するディスクロータのロ
ータ摩耗量、摩擦係数およびパッド摩耗量を示すグラフ
であり、 第5図(a),(b)および(c)はアルミ青銅含有の
溶射層を有するディスクロータのロータ摩耗量、摩擦係
数およびパッド摩耗量を示すグラフである。 1……ディスクロータ本体、 2……溶射層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 真治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 三宅 譲治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小沢 誠 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 市川 繁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小山 原嗣 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柿原 健治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも摺動面に耐摩耗性、耐熱性の溶
    射層が形成されているディスクロータにおいて、溶射材
    料がFe−Cr−C系合金粉末と、銅又は銅合金粉末と、
    金属の炭化物および/又は酸化物の硬質粒子粉末とを混
    合したものであり、前記溶射層中に銅又は銅合金および
    硬質粒子がほぼ均一に分散していることを特徴とするデ
    ィスクロータ。
  2. 【請求項2】前記硬質粒子粉末は前記溶射材料の10〜30
    wt%であること特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    ディスクロータ。
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JPH05179232A (ja) * 1991-12-26 1993-07-20 Toshiba Tungaloy Co Ltd ブレーキ用焼結金属摩擦材
PL194963B1 (pl) * 1999-10-29 2007-07-31 Man B & W Diesel A/S Sposób wytwarzania części maszyn wyposażonych w co najmniej jedną powierzchnię ślizgową
JP5391448B2 (ja) * 2009-05-15 2014-01-15 曙ブレーキ工業株式会社 ブレーキ用ディスクロータ

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