JPH0619136U

JPH0619136U - 磁気テープ装置

Info

Publication number: JPH0619136U
Application number: JP034986U
Authority: JP
Inventors: ヒュッテルハインリッヒ
Original assignee: フィリップスエレクトロニクスネムローゼフェンノートシャップ
Priority date: 1992-06-26
Filing date: 1993-06-28
Publication date: 1994-03-11
Also published as: AT397734B; EP0576083B1; DE69320710T2; DE69320710D1; SG49216A1; ATA130792A; US5452833A; EP0576083A2; EP0576083A3; MY131498A

Abstract

(57)【要約】【目的】キャプスタンに押し付けられる圧力ローラの
内側軸受表面と軸受部材の外側軸受表面との間に同一子
午線半径の円環状の窪み−突起部分を設けることによ
り、これら窪み及び突起部分がクリアランスを有して嵌
合することにより圧力ローラが軸受部材に対して摩擦な
く滑らかに回動して磁気テープの送りを安定させる磁気
テープ装置を得る。【構成】圧力ローラ29に関連する内側軸受表面55を所
定の子午線半径を有する内側円環状表面により形成し、
また軸受部材51の外側軸受表面56を所定の子午線半径を
有する外側円環状表面により形成し、軸受部材51の外側
円環状表面56を圧力ローラ29に関連する内側円環状表面
55にクリアランスを有して掛合する形状のものとして構
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気テープを駆動するための回転駆動自在のキャプスタンを備え、更に、前記キャプスタンに押し付けるべき圧力ローラと、圧力ローラ支持体と、前記圧力ローラ支持体により担持した圧力ローラスピンドルと、及び前記圧力ローラを回転自在に支持するよう前記圧力ローラスピンドルに配置したほぼ回転対称の軸受部材とを有する圧力ローラ装置を備え、前記圧力ローラに内側軸受表面を設け、また前記軸受部材には前記内側軸受表面に連係動作する外側軸受表面を設け、前記圧力ローラに関連する前記内側軸受表面及び前記軸受部材の前記外側軸受表面の各々に、前記圧力ローラの軸線方向を前記キャプスタンの軸線方向に適合するよう前記圧力ローラが回動できる湾曲形状表面を設けた磁気テープ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

このようなタイプの装置は例えば、ドイツ国実用新案登録第1,793,121 号に記されている。この既知の装置においては、圧力ローラに関連する内側軸受表面及び軸受部材の外側軸受表面の双方がほぼ球面形状を有している。圧力ローラに関連する内側軸受表面は、圧力ローラの環状部分に設けた第１軸受表面部分及びドーム状インサートに設けた第２軸受表面部分によって形成し、圧力ばねをインサートに作用させることによりインサートを圧力ローラスピンドルに取り付けた軸受部材即ち、軸受部材の外側軸受表面に押し付ける。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この結果、数個の部分よりなる比較的複雑な構造になり、インサートを軸受部分に押し付けるばね負荷は、インサートと軸受部材との間に比較的大きな静的摩擦を発生し、圧力ローラが回動してこの圧力ローラの軸線方向をキャプスタンの軸線方向に適合することができるようになるのにこの摩擦に打ち勝たねばならない。従って、連続した回動ではなく、中断した回動を生じ、このことはテープ駆動にとって好ましくない。

【０００４】更に、この既知の装置における圧力ローラの回動は、球形軸受表面の中心に正確に位置する即ち、圧力ローラの軸線に一致する回動中心の周りに生ずる。この結果、回動中心と圧力ローラが押し付けられるキャプスタンの接触表面との間の距離が比較的大きくなり、圧力ローラの軸線方向におけるキャプスタンとこのキャプスタンに押し付けられる圧力ローラとの間に不均一かつ非対称の力及び圧力分布を生じがちになり、キャプスタンと圧力ローラとの間の磁気テープ部分が圧力ローラの軸線方向に変位し、従って、磁気テープが適正動作に必要なテープ経路から外れる恐れがあり、このことはテープに損傷を与え、テープ送りにとって好ましくない。

【０００５】従って、本考案の目的は、上述の問題を回避し、圧力ローラの軸受装置を構造簡単かつ安価にし、圧力ローラの連続的な回動を保証し、キャプスタンと圧力ローラとの間に非対称な力の分布を生じない上述のタイプの装置得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案磁気テープ装置は、前記圧力ローラに関連する内側軸受表面を所定の子午線半径を有する内側円環状表面により形成し、また前記軸受部材の前記外側軸受表面を所定の子午線半径を有する外側円環状表面により形成し、前記軸受部材の前記外側円環状表面を前記圧力ローラに関連する前記内側円環状表面にクリアランスを有して嵌合する形状のものとして構成したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

この構成によれば、回動を可能にする圧力ローラの軸受装置の構造が極めて簡単になり、高い信頼性及び安価の生産にとってこのことは有利である。更に、圧力ローラに関連した内側軸受表面と軸受部材の外側軸受表面との間に静的摩擦がほとんどなくなり、圧力ローラの途切れのない連続回動が可能となり、圧力ローラの軸線方向をキャプスタンの軸線方向に適合させることができる。従って、圧力ローラが回動する回動中心は実際上２個の円環状軸受表面間の接触帯域によって生じ、この帯域はキャプスタンに隣接し、キャプスタンの接触表面に比較的接近し、この結果、キャプスタンと圧力ローラとの間に非対称な力の分布はほとんど生ずることなく、テープは好ましくない負荷を受けず、適正なテープ送りを保証できる。

【０００８】圧力ローラスピンドル及びこの圧力ローラスピンドルに取り付けた軸受部材は単一の部分を形成し、圧力ローラを２個の部分により構成し、圧力ローラを軸受部材に取り付けるようにする。即ち、圧力ローラの第１部分を取り付け、この後に、圧力ローラの第２部分を圧力ローラの第１部分に嵌合及び連結する。しかし、前記軸受部材を前記圧力ローラスピンドルに回転自在に取り付けかつ中空円筒形内周面によって前記圧力ローラスピンドルを包囲し、また前記軸受部材には、ほぼ半径方向の溝孔を設け、これら溝孔は周方向に交互に前記外側円環状表面を有する外周面及び前記圧力ローラスピンドルを包囲する内周面に終端させ、周方向に互いに隣接する溝孔が互いに半径方向にオーバーラップする形状に形成すると好適である。この構成は、圧力ローラの構造を簡単にし、また圧力ローラの軸受部材に対する取り付けが簡単になる点で特に有利である。即ち、軸受部材は周方向に弾性的に圧縮可能であり、一体ピースの圧力ローラの内部孔に軸線方向に導入し、内側円環状表面の位置で圧力ローラに嵌合できるためである。

【０００９】更に、前記軸受部材の前記外側円環状表面及び前記圧力ローラの前記内側円環状表面の子午線半径を同一にすると好適である。この構成によれば、圧力ローラがキャプスタンに対して平行位置からずれる際にも（このことは実際上起こりうる）、圧力ローラの軸線方向をキャプスタンの軸線方向に適合させる信頼性及び安定性が高まる。

【００１０】次に、図面につき本考案の好適な実施例を説明する。

【００１１】図１は、テープ形式の磁化可能な記録キャリヤ（以下「磁気テープ」と略称する）に対してテレビジョン信号及びオーディオ信号を記録再生する構成とした記録再生装置１を示す。このような装置１は磁気テープ装置と称されるのが一般的である。磁気テープは図１に線図的に示したカセット２に収納する。このカセット２は互いに並置した２個のリールハブを有し、これらリールハブ間に磁気テープはカセットのテープ案内によって規定される経路に沿って延在する。カセット２は手で装置１内に矢印５に示す方向に開口４から挿入することができ、この開口４は内方に移動することができるカバー３によって閉じることができる。カセット２を装置１内に装填するとき、カセットは可動カセットホルダ内に挿入され、カセットの装置内への挿入が完了した際に、装置はカセットをカセットの主壁に直交する方向に、図２に線図的に示す装置内部の動作位置に下降させる。「記録」、「ノーマル再生」、「スチル再生」、「ノーマル逆再生」、「順早送り」、「逆早送り」等の装置のモードを開始するため、装置１には第１制御ボタンセット６を設ける。装置のプログラミングを行うため、また他のデータを入力するため、例えば、デイタイムクロックをセットするため、装置１には、第２制御ボタンセット７を設ける。更に、装置１には、２個のディスプレイ装置8,9 を設け、それぞれ例えば、７セグメント表示を有し、例えば、テープ長測定カウンタのカウントを表示したり、デイタイムを表示したりする。

【００１２】上述のように、装置１に挿入したカセット２を装置内の動作位置に下降させる。図２に線図的に示したように、カセット２は２個の互いに並置した回転駆動自在のリールハブ10,11 を収容し、これらリールハブ間において磁気テープ12をカセット２内で一点鎖線13により部分的に示した経路に沿って延在させ、磁気テープをこれらリールハブの周りに矢印14,15 で示したようにそのときの送り方向及び逆巻取方向に従って巻き付ける。カセット２を装置１内の動作位置に下降させると、装置１のデッキプレート18に回転自在に支持した２個のリールスピンドル 16,17 がカセット２内のリールハブ10,11 に駆動掛合する。リールスピンドル16 ,17 は、これらスピンドルに同軸状に掛合する２個のリールハブ10,11 を回転駆動する。リールスピンドル16,17 は図示のものとは異なる構造にすることができ、例えば、各スピンドルにリールハブを位置決めするための心決めマンドレルと、この心決めマンドレルに偏心させリールハブを駆動する駆動マンドレルを設けることもできる。２個のリールスピンドル16,17 を互いに逆の方向14,15 に駆動するため、図２に線図的にのみ示した駆動装置19を設け、この駆動装置は、装置１内の定位置に配置してモータ駆動することができる第１駆動ホイール20と、この第１駆動ホイール20により駆動され、デッキプレート18に平行に移動自在に支持した第２駆動ホイール21とを有し、この第２駆動ホイール21は２個のリールスピンドルホイール22,23 のいずれか一方の周縁に選択的に駆動掛合するように移動でき、これらリールスピンドルホイール22,23 は、それぞれ軸線方向の同一レベルに配置してリールスピンドル16,17 に同軸状に回転不能にロックする。

【００１３】カセット２が装置１内の動作位置に降下すると、カセットの前面24に配置した図示しないカセットシャッタが開いて前面24のカセット開口を露出させ、このカセット開口からカセット２内に収納した磁気テープ12を引き出すことができ、４個のテープ案内25,26,27,28 及び圧力ローラ29（これらすべては図２では一点鎖線で示した休止状態にある）が、カセット内の３個の開口30,31,32に掛合し、一点鎖線13で示す位置では磁気テープ12の背後に掛合する。カセット２が装置１内の動作位置に下降した後には、テープ案内25,26,27,28 は図２に実線で示した動作位置に移動することができ、圧力ローラ29は更に、キャプスタン33の近傍の図２に示さない中間位置に移動することもできる。磁気テープ12は、このときカセット２からカセットの前面24のカセット開口を経て引き出される。中間位置からは、圧力ローラ29は図２に実線で示した動作位置に移動することができ、この動作位置では磁気テープ12をキャプスタン33に押し付ける。カセットシャッタを開放するための装置、テープ案内及び圧力ローラを動作させる装置、及び圧力ローラをキャプスタンに押し付ける装置は本考案に関係ないので、分かりやすくするため示さない。このような装置はこのタイプの既存の装置において既知である。圧力ローラ29は図３につき以下詳細に説明する圧力ローラ装置の一部をなす。

【００１４】テープ案内25,26,27,28 及び圧力ローラ29が動作位置に移動した後、磁気テープ12の経路は実線で示すようになる。磁気テープは、リールハブ10からリールハブ11まで、カセット２に設けた２個のテープ案内34,35 、図示しないテープ張力制御ユニットの一部をなすテープ張力センサピン36、可動テープ案内25,27,26、磁気テープ12に記録したすべての信号を消去する固定磁気ヘッド37、磁気テープの長手方向に対して傾斜した隣接のビデオトラックに対してテレビジョン信号を記録及び再生するための回転磁気ヘッドを有するドラム状走査ユニット38、固定テープ案内39、磁気テープ１２の長手方向に延在するオーディオトラックに記録したオーディオ信号を消去する固定磁気ヘッド40、オーディオトラックにオーディオ信号を記録及び再生するためのまた磁気テープの長手方向に延在しかつオーディオトラックに平行な同期トラックに対して同期信号を記録及び再生するための他の固定磁気ヘッド41、圧力ローラ29によって磁気テープ12が押し付けられるキャプスタン33、可動テープ案内28、固定テープ案内42、及びカセット２に設けた他の２個のテープ案内43,44 を経て延在する。

【００１５】通常のようにフライホイール45に連結したキャプスタン33を一定速度で２個の回転方向のうちのいずれか一方の方向に選択的に駆動することができる。圧力ローラ29がキャプスタン33に押し付けられると、このキャプスタン33は磁気テープ 12を一定の送り速度で２個の正逆両方向のうちの一方の方向に選択的に駆動することができる。キャプスタン33は、図２で見て反時計方向に所定速度で駆動されると、磁気テープ12は矢印46で示される方向に駆動され、この矢印46の方向はいわゆる「記録」モードで信号を記録するための並びに「ノーマル順再生」モードで信号を再生するための「ノーマル順送り動作」に対応し、この状態ではリールスピンドル17に回転不能にロックされたリールスピンドルホイール23は駆動装置 19の駆動ホイール21によって駆動され、磁気テープ12をリールハブ11に矢印15で示す方向に巻き付ける。キャプスタン33を同一速度で時計方向に駆動すると、磁気テープ12は矢印46で示す方向とは反対方向に駆動され、この状態はいわゆる「ノーマル逆動作」又は「逆動作」とも称する動作状態に対応し、この状態では「ノーマル逆再生」モードでは記録したテレビジョン信号を再生して逆モーションシーンが得られ、このときリールスピンドル16に回転不能にロックしたリールスピンドルホイール22は駆動装置19の駆動ホイール21によって駆動され、磁気テープ12をリールハブ10に矢印14の方向に巻き付ける。

【００１６】上述のように、装置は、「順早送り」及び「逆早送り」モードにセットすることができ、これらモードでは磁気テープ12はリールハブ10,11 間でより高速で巻き取り走行させる。図示の装置では、このような巻き取り動作の前に、過度テープ案内25,26,27,28 及び圧力ローラ29を動作位置から図２の一点鎖線で示す休止位置にリセットし、また同時に駆動装置19の駆動ホイール21によって矢印14で示す方向にリールスピンドル16を駆動することにより、磁気テープ12はカセット２に復帰させ、この後磁気テープ12は再び一点鎖線13で示す経路に沿って延在する。磁気テープ12を「順早送り」及び「逆早送り」モードで巻き取るとき、磁気テープ12は２個のリールハブ10,11 のうちの一方を駆動することによってのみ駆動し、この２つのモードでは２個のリールスピンドル16,17 はやはり駆動装置19によって駆動することができ、この場合、駆動ホイール21が「順早送り」モードではリールスピンドルホイール23に周縁が駆動掛合し，「逆早送り」モードでリールスピンドル22に周縁が駆動掛合する。

【００１７】上述のように、早巻き中は圧力ローラ29は磁気テープ12に掛合しない。しかし、例えば、「ノーマル順送り」及び「ノーマル逆送り」モードでは磁気テープ12 は圧力ローラ29によってキャプスタン33に押し付けられる。磁気テープ12の適正な送りのためには、圧力ローラ29の周縁がキャプスタン33に正確に圧着するよう位置決めされ、圧力ローラ29の一部の位置で磁気テープ12が圧力ローラ29とキャプスタン33との間に介在する状態になることが最も重要である。図示の実施例では圧力ローラ29のキャプスタン33に対する正確な位置決めは、圧力ローラ29の軸線がキャプスタン33の軸線に正確に平行であることを意味するものと理解されたい。このことを保証するため、圧力ローラ29を、図３につき詳細に説明するように回動自在に支持する。

【００１８】装置１の圧力ローラ装置47を図３に示し、圧力ローラ29はこの装置47の一部である。圧力ローラ装置47は、図示しない方法で、デッキプレート18（図３には示さない）に対して移動可能なレバータイプの圧力ローラ支持体48を有し、この支持体48を軸受スリーブ49に一体に連結する。スチール製の圧力ローラスピンドル 50を軸受スリーブ49内に圧入する。軸受スリーブ49から突出する圧力ローラスピンドル50の一部の位置で、圧力ローラ29を回転自在に支持するため、圧力ローラスピンドル50によってほぼ回転対称なプラスチック製の軸受部材51を担持し、軸受部材51の内周面52により圧力ローラスピンドル50を包囲する。図４から構造が明らかな軸受部材51は、ほぼ円筒形の内方部分53を有し、この内方部分53の外周面から円環状部分54を突出させ、また圧力ローラ29に関連した内側軸受表面55に嵌合して連結動作する外側軸受表面56を設ける。軸受部材51の外側軸受表面56及び圧力ローラ29に関連する内側軸受表面55の各々には、圧力ローラ29が回動してこの圧力ローラ29の軸線方向をキャプスタン33の軸線方向に適合できる湾曲形状にする。

【００１９】圧力ローラ装置47に関しては、軸受部材の軸線方向を保持リング57により保持し、この保持リングは圧力ローラスピンドル50に圧装する。圧力ローラ装置47の圧力ローラ29は、金属製例えば、スチール又はアルミニウムのスリーブ58を有し、このスリーブ58の内面に内側軸受表面55を形成しておく。シールディスク60をスリーブ58の圧力ローラ支持体48から遠い方の端部部分に形成した溝59に嵌合する。スリーブ58の外周面61には、ゴム又はエラストメリック材料のシース62を設け、キャプスタン33と連係動作しうるようにする。

【００２０】図３及び図４から明らかなように、軸受部材51の外側軸受表面56は、円環状部分54の外側円環状表面によって形成すると有利であり、この円環状表面は所定の子午線半径部を有し、圧力ローラ29に関連した内側軸受表面55を所定子午線半径を有する内側円環状表面によって形成する。好適には、外側円環状表面56及び内側円環状表面55は同一の子午線半径にする。このとき、軸受部材51の外側円環状表面56及び圧力ローラ29に関連した内側円環状表面55はクリアランスを有して相互嵌合させることが重要である。軸受部材51には、ほぼ半径方向の溝孔64,65 を有し、これら溝孔64,65 は、周方向に交互に外側円環状表面56を構成する外周面 63で終端し、また圧力ローラスピンドル50を包囲する内周面52に終端し、それぞれ２個の周方向に隣接する溝孔が半径方向に互いにオーバーラップする。

【００２１】本願人により実際に実現した圧力ローラ装置47に対して、圧力ローラ29の内側円環状表面55及び軸受部材51の外側円環状表面56のノーマルな子午線半径は3.0 mmに選択し、外側円環状表面56の位置での軸受部材51のノーマル直径を8.7mm とし、内側円環状表面55の位置での圧力ローラ29のノーマル内径を9.0mm とし、内側円環状表面55と外側円環状表面56との間のクリアランスが0.3mm の公称値になるようにする。

【００２２】圧力ローラ装置47を組み立てるため、圧力ローラスピンドル50を先ず圧力ローラ支持体48内に圧入する。次に、軸受部材51を圧力ローラ29内に軸線方向に挿入する。このとき、軸受部材51が先ず周方向に弾性的に圧縮され、次いで内側円環状表面55の位置で外側円環状表面56が圧力ローラ29内にスナップ嵌合する。次に、軸受部材51を圧力ローラ29とともに圧力ローラスピンドル50上に滑り込ませ、この後には軸受部材51はもはや周方向には圧縮されない。次に、保持リング57を圧力ローラスピンドル50に圧装し、軸受部材51の軸線方向の位置決め及び保持を行う。この後、シールディスク60を圧力ローラ29の溝59内に嵌合する。この作業の後に、圧力ローラ29は、圧力ローラ支持体48に対向する位置で軸受スリーブ49 によって比較的満足のいく状態で閉鎖され、またこの位置では原理的には開放しており、反対側ではシールディスク60によってシールされ、従って、軸受部材51 が位置する圧力ローラ29の内部空間全体が汚れや他の好ましくない影響を受けるのを保護される。上述の説明から明らかなように、この構成により構造が極めて簡単であり、圧力ローラの取り付けが極めて簡単になる。

【００２３】図３には、圧力ローラ装置47の圧力ローラ29がニュートラル中心位置をとる状態を示す。装置１のノーマル動作中圧力ローラ29はキャプスタン33に押し付けられ、軸受部材51の外側円環状表面56が、半径方向にキャプスタン33に対向する位置のほぼ線接触帯域で圧力ローラ29の内側円環状表面55に圧着する。この接触帯域は、圧力ローラ29が軸受部材51の外側円環状表面56と圧力ローラ29の内側円環状表面55との間のクリアランスによって回動して圧力ローラ29の軸線方向をキャプスタン33の軸線方向に適合できる回動中心を形成する。回動中心を、圧力ローラ29が圧着するキャプスタン33の周面に比較的接近して位置するため、キャプスタン33と圧力ローラ29との間にはほぼ常に均一な力又は圧力の分布が確実に得られ、磁気テープ12には好ましくない負荷が加わらない。更に、圧力ローラ29のための高い位置安定性が得られる。この高い位置安定性は、軸受部材51の外側円環状表面56及び圧力ローラ29の内側円環状表面55の子午線半径が等しい場合に特に向上する。しかし、２個の子午線半径は僅かに異ならせることもでき、この場合、ミクロン（マイクロメータ）のスケールで圧力ローラ29の内側円環状表面55を軸受部材51の外側円環状表面56よりも子午線半径を小さくするとコカ位置位置安定性を得るのに好適であることを本願人は見出した。更に、高い位置安定性はキャプスタン33との連係動作中圧力ローラ29のゴムシース62の撓み作用によっても向上する。

【００２４】装置１のノーマル動作中軸受部材51の内周面52を圧力ローラスピンドル50上で摺動し、また軸受部材51の外側円環状表面56と圧力ローラ29の内側円環状表面55 との間で転動プロセスを生じ、この間には静的摩擦がほとんどなく、また摩擦力作用がほとんど生ずることがなく、このことは圧力ローラ29の軸受部材51に対してリニアな回動帯域に沿う滑らかで均一なかつ無摩擦回動にとって有利である。内周面52と圧力ローラスピンドル50との間即ち、小さい半径を有する領域で摺動を生ずるため、摩耗を生ずる固有の半径依存ふらつきを極めて小さく抑制することができる。更に、摺動は面接触帯域即ち、内側円環状表面52と圧力ローラスピンドル50との間の接触帯域で生じ、従って、両者のいずれにも大きな摩耗は生ずることがなく、また２個の円環状表面55、56間の本来的に摩耗をおこしがちな線接触帯域において転動プロセスを生じ、いずれの表面にもほとんど摩耗は生じない。従って、高い耐摩耗構造が得られ、このことは圧力ローラ装置47の寿命を延ばすのに有利である。

【００２５】上述の構造とは異なる実施例も可能である。例えば、軸受部材を他の構造とし、互いにオーバーラップする半径方向溝孔を設けない構造とすることができる。更に、軸受部材は圧力ローラスピンドルに一体にし、全体をプラスチックにより形成することもできる。更にまた、圧力ローラ装置は、他の構造の圧力ローラ支持体を有するものとして構成することができる。また本考案は異なる構造の磁気テープ装置に使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】２個の互いに並置したリールハブ間に延在し、
回転可能な磁気ヘッドによって傾斜トラックにテレビジ
ョン信号を記録又は再生することができるテープの形式
の磁化可能な記録キャリヤを収納したカセットを収容す
る構造のテレビジョン信号及びオーディオ信号記録再生
装置の縮尺した線図的斜視図である。

【図２】図１と比べて拡大した図１の装置の一部を線図
的に示した説明図であり、カセットを装置内に装填し、
記録キャリヤをカセットから引出し、装置の案内及び走
査素子の周りに巻き付けた状態の説明図である。

【図３】図１及び図２の装置の圧力ローラ装置の圧力ロ
ーラの拡大縦断面図であり、圧力ローラを軸受部材によ
って圧力ローラスピンドルに対して回転自在かつ回動自
在に取り付けた状態を示す縦断面図である。

【図４】図３の圧力ローラ装置の軸受部材の斜視図であ
る。

【符号の説明】

1 記録再生装置 2 カセット 3 カバー 4 開口 6 第１制御ボタンセット 7 第２制御ボタンセット 8,9 ディスプレイ装置 10,11 リールハブ 18 デッキプレート 16,17 リールスピンドル 19 駆動装置 20 第１駆動ホイール 21 第２駆動ホイール 22,23 リールスピンドルホイール 24 前面 25,26,27,28,34,3543,44 テープ案内 29 圧力ローラ 30,31,32 開口 33 キャプスタン 36 テープ張力センサピン 37 固定磁気ヘッド 38 ドラム状走査ユニット 39,42 固定テープ案内 40,41 固定磁気ヘッド 45 フライホイール 47 圧力ローラ装置 48 圧力ローラ支持体 49 軸受スリーブ 50 圧力ローラスピンドル 51 軸受部材 52 内周面 53 内方部分 54 円環状部分 55 内側軸受表面 56 外側軸受表面 57 保持リング 58 スリーブ 59 溝 60 シールディスク 61 外周面 62 シース 64,65 溝孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】磁気テープ(12)を駆動するための回転駆動
自在のキャプスタン(33)を備え、更に、前記キャプスタ
ン(33)に押し付けるべき圧力ローラ(29)と、圧力ローラ
支持体(48)と、前記圧力ローラ支持体(48)により担持し
た圧力ローラスピンドル(50)と、及び前記圧力ローラ(2
9)を回転自在に支持するよう前記圧力ローラスピンドル
(50)に配置したほぼ回転対称の軸受部材(51)とを有する
圧力ローラ装置(47)を備え、前記圧力ローラ(29)に内側
軸受表面(55)を設け、また前記軸受部材(51)には前記内
側軸受表面(55)に連係動作する外側軸受表面(56)を設
け、前記圧力ローラ(29)に関連する前記内側軸受表面(5
5)及び前記軸受部材(51)の前記外側軸受表面(56)の各々
に、前記圧力ローラ(29)の軸線方向を前記キャプスタン
(33)の軸線方向に適合するよう前記圧力ローラ(29)が回
動できる湾曲形状表面を設けた磁気テープ装置(1) にお
いて、前記圧力ローラ(29)に関連する内側軸受表面(55)
を所定の子午線半径を有する内側円環状表面により形成
し、また前記軸受部材(51)の前記外側軸受表面(56)を所
定の子午線半径を有する外側円環状表面により形成し、
前記軸受部材(51)の前記外側円環状表面(56)を前記圧力
ローラ(29)に関連する前記内側円環状表面(55)にクリア
ランスを有して嵌合する形状のものとして構成したこと
を特徴とする磁気テープ装置。
【請求項２】前記軸受部材(51)を前記圧力ローラスピン
ドル(50)に回転自在に取り付けかつ中空円筒形内周面(5
2)によって前記圧力ローラスピンドル(50)を包囲し、ま
た前記軸受部材(51)には、ほぼ半径方向の溝孔(64,65)
を設け、これら溝孔は周方向に交互に前記外側円環状表
面(56)を有する外周面(63)及び前記圧力ローラスピンド
ル(50)を包囲する内周面(52)に終端させ、周方向に互い
に隣接する溝孔が互いに半径方向にオーバーラップする
形状に形成した請求項１記載の磁気テープ装置。
【請求項３】前記軸受部材(51)の前記外側円環状表面(5
6)及び前記圧力ローラ(29)の前記内側円環状表面(55)の
子午線半径を同一にした請求項１又は２記載の磁気テー
プ装置。