JPH061902Y2 - 電動式パワーステアリング装置の電動機出力部構造 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置の電動機出力部構造

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JPH061902Y2
JPH061902Y2 JP17877387U JP17877387U JPH061902Y2 JP H061902 Y2 JPH061902 Y2 JP H061902Y2 JP 17877387 U JP17877387 U JP 17877387U JP 17877387 U JP17877387 U JP 17877387U JP H061902 Y2 JPH061902 Y2 JP H061902Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、電動機の回転軸と歯車機構の出力軸との間に
クラッチ機構をそなえた電動式パワーステアリング装置
の電動出力部構造に関する。
[従来の技術] 車両の走行条件に応じたきめ細かな制御が可能である電
動式のパワーステアリング装置は、一般に普及している
油圧式パワーステアリング装置に代わるものとして開発
が進められている。
このような従来より開発されている電動式パワーステア
リング装置としては、例えば特開昭59−11965号
公報および特開昭60−25853号公報に開示された
ものなどがあり、ステアリングハンドル軸に入力された
操舵トルクに基づき電動機が作動し、この電動機の補助
動力を電動機の回転軸からクラッチ機構を介して歯車機
構への出力軸に伝達し、さらに、この歯車機構を通じて
適当に減速して、操舵用出力軸またはこの操舵用出力軸
にラックアンドピニオン方式で連結するラック軸に伝達
するように構成している。
そして、電動機の出力部分の構造は、電動機側アツセン
ブリを本体側に組み付けて形成されている。電動機側ア
ツセンブリは、クラッチ機構を電動機に装着して構成さ
れており、このクラッチ機構は、電動機の回転軸に直結
されたフライホイールと、このフライホイールと適宜断
接されるクラッチ板とをそなえている。そして、電動機
側アッセンブリを本体側に組み付ける際、本体側にそな
えられる歯車機構への出力軸をフライホイールに形成さ
れる穴部へ嵌入させて、両者をセレーション結合して、
出力軸がフライホイールと一体回転できるように構成す
る。
この出力軸とフライホイールの穴部とのセレーション結
合を容易にするため、出力軸とフライホイールの穴部と
の間には適当な遊びが設けられている。
[考案が解決しようとする問題点] ところで、上述の従来より開発されている電動式パワー
ステアリング装置の電動機出力部構造では、電動機の作
動時に、電動機出力部構造部分から異音が発生するとい
う問題がある。この異音の発生は、出力軸とフライホイ
ールの穴部との間に設けられた遊びが原因となってい
る。
そこで、この異音の発生を防止すべく、第3〜5図に示
すような電動式パワーステアリング装置の電動機出力部
構造が提案されている。なお、この電動式パワーステア
リング装置およびその部材は、第3〜5図中の右方を上
方にして設置される。
この電動機出力部構造では、第3図に示すように、電動
機26の回転軸27はベアリング27aを介して電動機
のケーシング26aに軸支されている。このケーシング
26aには、回転軸27の周囲を囲むようにして電磁コ
イル51が環状に配設されており、回転軸27にはフラ
イホイール72が、電磁コイル51の端面と適当な隙間
を有して、セレーションまたはキー結合で装着されてお
り、回転軸27に、フライホイール72の下方よりワッ
シャ87aを介してロックナット87を装着することに
よって、フライホイール72が出力軸71に対して軸回
り方向のみならず軸方向にも固定されている。
電動機26は、これらの電磁コイル51およびフライホ
イール72を装着された電動機アッセンブリ70として
予め組み立てられる。
一方、装置本体のハウジング1,14には、回転軸27
と同軸上に回転軸27から適当に離隔して出力軸71が
配設されている。この出力軸71は、上端をベアリング
61を介して上カバー1に、下端をベアリング62を介
してハウジング14にそれぞれ支持されており、中間部
に歯車機構80を構成する駆動歯車29が装着されてい
る。なお、この駆動歯車29は、図示しない車輪操向シ
ャフトに通じる歯車機構80の減速歯車31に噛合して
いる。また、出力軸71の上端とベアリング61の内輪
とは圧入により結合され、出力軸71の下端部とベアリ
ング62の内輪との間にはギャップ調整用カラー81が
介装されており、出力軸71のさらに下端にはベアリン
グ62の内輪の下端と接触してロックナット82が装着
されている。
カラー81は、第4図に示すように、内周に雌ねじ部8
1aを形成されており、その外周をベアリング62の内
輪に圧入により結合されるとともに、その内周の雌ねじ
部81aに出力軸71の下端を螺合されている。このカ
ラー81と出力軸71とによってクラッチギャップ調整
機構86が構成されている。そして、このクラッチキャ
ップ調整機構86のカラー81に対して出力軸71を回
転させながら進退させてギャップ調整した後に、出力軸
71を固定するために、出力軸71のさらに下端に、ロ
ックナット82が装着される。なお、符号83は、ハウ
ジング14に形成されるギャップ調整用穴であり、符号
84はこのギャップ調整用穴83に装着される蓋部材で
ある。また、出力軸71のベアリング61よりも突出し
た上端部には、ロータ75が圧入により配設されてい
る。
このロータ75には、ピン79を介してリング74が装
着されており、これらのロータ75およびリング74の
間に板ばね76が挟持されている。このリング74およ
び板ばね76は、複数のピン穴74a,76aが環状に
配設され、これらのピン穴74a,76aに挿通されロ
ータ75に形成されるピン穴に嵌入されるピン79によ
って、リング74および板ばね76がロータ75に軸回
り方向へ固定されて装着されている。また、板ばね76
は、第5図に示すように、ロータ75と整合する内環部
分76bと、この内環部分76bと同心上に位置する外
環部分76cと、これらの内環部分76bと外環部分7
6cとを結合する放射状のばね部分76dとから構成さ
れている。
この板ばね76の外環部分76cには、第5図に示すよ
うに、ピン77を介して、環状のクラッチディスク(ク
ラッチ板)78が、板ばね76と一体回転して且つフラ
イホイール72と適度な隙間(ギャップ)を有するよう
に装着されている。
つまり、板ばね76の外環部分76cおよびクラッチデ
ィスク78には、複数のピン穴76a,78aが環状に
並んで形成され、これらのピン穴76a,78aおよび
ロータ75に形成されるピン穴にピン70を嵌入するこ
とによって、板ばね76の外環部分76cとクラッチデ
ィスク78とが結合される。
このようなロータ75,板ばね76およびクラッチディ
スク78は、電動機アッセンブリ70を組み付ける前
に、装置本体側(ハウジング1,14側)に予め装着さ
れて、装置本体側がアッセンブリ化される。
そして、電磁クラッチ(クラッチ機構)85は、これら
の電磁コイル51,フライホイール72,ロータ75,
板ばね76およびクラッチディスク78等から構成さ
れ、電磁コイル51への給電によりフライホイール72
が磁化すると、フライホイール72が磁力によりクラッ
チディスク78を吸引してクラッチディスク78と一体
に結合し、電磁コイル51への給電が断たれると、クラ
ッチディスク78は板ばね76の復元力によってフライ
ホイール72と適当なギャップを有する元の状態に復帰
するように構成されている。
上述のような構成によって、装置の組立を以下のように
行なう。
つまり、電動機26に電磁コイル51およびフライホイ
ール72を装着して電動機アッセンブリ70を組み立
て、ロータ75,板ばね76およびクラッチディスク7
8を装着本体側に装着して、装置本体側をアッセンブリ
化する。なお、この装置本体のアッセンブリ化の際に
は、出力軸71を回転させることで駆動歯車29を減少
歯車31に位相合わせ調整する。
ついで、電動機アッセンブリ70をボルト25によって
本体アッセンブリに組み付けると、電動式パワーステア
リング装置の組立が完了する。
したがって、アッセンブリ相互の組付時に、電動機26
側(回転軸27側)と歯車機構80側(出力軸71側)
とを直接接続する必要がなく、これらの電動機26側と
歯車機構80側と間にガタが生じることもなくなる。し
たがって、電動機26の作動時に電動機出力部構造部分
からの異音の発生が確実に防止される。
また、これらの両アッセンブリの結合が容易である上
に、電動機アッセンブリ70および本体アッセンブリ
(ハウジング1,14側のアッセンブリ)の各アッセン
ブリは、構成が複雑でないのでそれぞれの組み付けも容
易であるため、装置全体の組立も容易となる。
そして、フライホイールとクラッチ板との間のギャップ
調整は、装置組立後に、クラッチギャップ調整機構86
により、クラッチディスク78を出力軸71とともにそ
の軸方向へ移動させることによって確実に行なえる。
つまり、蓋部材84をハウジング14から取外し、ギャ
ップ調整用穴83を開口させた上で、カラー81と螺合
する出力軸71を、固定されたカラー81に対して回転
させることにより、この出力軸71を進退動(第3図中
の左右方向移動)させて、出力軸71と一体に固定され
たクラッチディスク78を、電動機26に軸方向に固定
されたフライホイール72に対して離接させる。
これによって、クラッチディスク78とフライホイール
72との間のギャップが所定の大きさに調整される。そ
して、調整後には、出力軸71を軸方向に固定するため
に、出力軸71のさらに下端にロックナット82を螺合
装着する。
このようにして、装置組立後に、容易で確実にギャップ
調整できるため、装置の組立時にギャップ管理をする煩
わしさが解消されて、この点でも装置の組立が容易なも
のとなる。
しかしながら、このような電動式パワーステアリング装
置の電動機出力部構造は、電動機の作動時に電動機出力
部構造部分からの異音の発生を防止できるとともに、そ
の組み付けおよびクラッチのギャップ管理を容易に行な
える利点があるが、カラー81の雌ねじ部81a,ロッ
クナット82の雌ねじ部およびこれらの各雌ねじ部に螺
合する出力軸71の各雄ねじ部は、いずれも通常右ねじ
に加工されるため、出力軸71の軸方向移動によるクラ
ッチギャップの調整後ロックナット82によって出力軸
71を軸方向に固定しようとする際に、ロックナット8
2の回転に伴い出力軸71も回転して出力軸71が軸方
向に移動してしまうおよれがある。このため、調整後の
クラッチギャップが変化してしまう他、ロックナット8
2の締め付け作業が困難となる問題点がある。
本考案は、このような問題点を解決しようとするもの
で、電動機の作動時に電動機出力部構造部分からの異音
の発生を防止できるとともにその組み付けと電磁クラッ
チのギャップ管理とを容易に且つ確実に行なえるように
した電動式パワーステアリング装置の電動機出力部構造
を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] このため、本考案の電動式パワーステアリング装置の電
動機出力部構造は、ステアリングハンドル軸に入力され
た操舵トルクに基づき作動する電動機と、上記電動機の
回転軸と離隔した出力軸を有し上記電動機の回転力を車
輪操向シャフトへ伝達する動力伝達用歯車機構と、相互
に対抗するクラッチ板とフライホイールとを有し上記の
電動機の回転軸と歯車機構の出力軸との間に介装される
クラッチ機構とをそなえた電動式パワーステアリング装
置の電動機出力部において、上記回転軸側に上記フライ
ホイールが装着され、上記出力軸側に、上記クラッチ板
が装着されるとともに上記クラッチ板をその軸方向へ移
動させて上記のクラッチ板とフライホイールとの間のギ
ャップを調整しうるクラッチギャップ調整機構が設けら
れ、上記クラッチギャップ調整機構が、第1の雄ねじ部
と第2の雄ねじ部とを形成された上記出力軸と、上記歯
車機構のケーシングに装着された軸受のインナレースに
固定されるとともに上記出力軸の第1の雄ねじ部と螺合
する雌ねじ部を形成されたカラーと、上記出力軸の第2
の雄ねじ部と螺合して上記出力軸を上記カラーに対して
軸方向に固定するロックナットとをそなえ、上記の第1
の雄ねじ部と第2の雄ねじ部とが互いに逆ねじに形成さ
れていることを特徴としている。
[作用] 上述の本考案の電動式パワーステアリング装置の電動機
出力部構造では、電動機の回転軸側にフライホイールが
装着されるともとに、上記回転軸と離隔した動力伝達用
歯車機構の出力軸側にクラッチ板が装着されるので、上
記フライホイールを上記電動機側に予め装着してこれを
アッセンブリ化し、上記クラッチ板を上記歯車機構側に
予め装着してこれをアッセンブリ化した上で、両アッセ
ンブリを上記のフライホイールとクラッチ板とのギャッ
プを設けながら組み付けることによって、電動式パワー
ステアリング装置の組立が行なえる。したがって、アッ
センブリ相互の組付時に、上記の電動機側と歯車機構側
とを直接接続する必要はなく、これらの電動機側と歯車
機構側と間にガタが生じることもなくなる。
そして、上記のフライホイールとクラッチ板との間のギ
ャップ調整は、クラッチギャップ調整機構において、出
力軸をカラーおよび上記歯車機構のケーシングに対して
回転させながら軸方向へ進退させて上記クラッチ板をそ
の軸方向へ移動させることによって行なわれる。そし
て、クラッチギャップ調整後にこのクラッチギャップを
保持するために、ロックナットを出力軸に装着させて、
この出力軸を軸方向に固定する。この時、上記出力軸の
上記カラーと螺合する第1の雄ねじ部と、上記ロックナ
ットと螺合する第2の雄ねじ部とが互いに逆ねじに形成
されているので、上記ロックナットの装着時に、上記出
力軸の回転が防止され、上記クラッチギャップの変化が
回避されるとともに、上記ロックナットの装着作業が容
易に行なえるようになる。
[実施例] 以下、図面により本考案の一実施例としての電動式パワ
ーステアリング装置の電動出力部構造について説明する
と、第1図はその断面図、第2図はそのギャップ調整作
業の状態を示す要部側面図である。なお、この電動式パ
ワーステアリング装置は、第1,2図中の右方を上方に
して設置される。
本実施例の電動式パワーステアリング装置の電動機出力
部構造の全体構成は、第3〜5図に示す電動機出力部構
造とほぼ同様に構成され、第1図に示すように、図示し
ないステアリングハンドル軸に入力された操舵トルクに
基づき作動する電動機26の回転軸27は、ベアリング
27aを介して電動機のケーシング26aに軸支されて
いる。このケーシング26aには、回転軸27の周囲を
囲むようにして電磁コイル51が環状に配設されてお
り、回転軸27にはフライホイール72が電磁コイル5
1の端面と適当な隙間を有して圧入により配設されてい
る。そして、電動機26は、これらの電磁コイル51お
よびフライホイール72を装着された電動機アッセンブ
リ70として予め組み立てられる。
一方、装置本体のハウジング1,14には、回転軸27
と同軸上に回転軸27から適当に離隔して出力軸71が
配設されている。この出力軸71は、上端をベアリング
61を介して上カバー1に、下端をベアリング62を介
してハウジング14にそれぞれ支持されており、中間部
に、電動機26の回転力を図示しない車輪操向シャフト
へ伝達する動力伝達用歯車機構80を構成する駆動歯車
29が装着されている。なお、この駆動歯車29は、図
示しない車輪操向シャフトに通じる歯車機構80の減速
歯車31に噛合している。そして、出力軸71の上端と
ベアリング61の内輪とは圧入により結合され、出力軸
71の下端部とベアリング62の内輪との間には、ギャ
ップ調整用カラー81が介装されており、また、出力軸
71のさらに下端には、ベアリング62の内輪の下端と
接触してロックナット82が装着されている。
カラー81は、第4図に示すように、内周に雌ねじ部8
1aを形成されており、その外周をベアリング62の内
輪に圧入により結合されるとともに、その内周の雌ねじ
部81aに出力軸71の下端部に形成された第1の雄ね
じ部71aと螺合される。
このカラー81に対して出力軸71を回転させながら進
退させてギャップ調整した後に、出力軸71を固定して
ギャップを所定の大きさに保持するために、出力軸71
のさらに下端に、ロックナット82が装着される。この
ロックナット82は、出力軸71の下端に形成された第
2の雄ねじ部71bと螺合される。
そして、出力軸71に形成される第1の雄ねじ部71a
と第2の雄ねじ部71bは、互いに逆ねじに形成されて
いる。本実施例では、第1の雄ねじ部71aが左ねじ
に、第2の雄ねじ部71bが右ねじに加工されており、
これに対応して、カラー81の雌ねじ部81aは左ねじ
に、ロックナット82の雌ねじ部は右ねじに加工されて
いる。また、第1の雄ねじ部71aは、第2の雄ねじ部
71bよりも適当に大きな径に設定されている。
なお、出力軸71の下端部には、軸心線に沿ってクラッ
チギャップ調整用治具88(第2図参照)を装着するた
めの穴部71cが、第1の雄ねじ部71aと逆ねじの右
ねじに加工されている。第2図中の符号88aは、治具
88に差し込まれるクラッチギャップ調整用レバーを示
す。
これらのカラー81と出力軸71とロックナット82と
からクラッチギャップ調整機構86が構成されている。
なお、符号83は、ハウジング14に形成されるギャッ
プ調整用穴であり、符号84はこのギャップ調整用穴8
3に装着される蓋部材である。
一方、出力軸71のベアリング61よりも突出した上端
部には、ロータ75がセレーションまたはキー結合で装
着されており、出力軸71の上端に、ロータ75の上方
よりワッシャ73aを介してロックナット73を装着す
ることによって、ロータ75が出力軸71に対して軸回
り方向のみならず軸方向にも固定されている。
このロータ75には、ピン79を介してリング74が装
着されており、これらのロータ75およびリング74の
間に板ばね76が挟持されている。このリング74およ
び板ばね76は、複数のピン穴74a,76aが環状に
配設され、これらのピン穴74a,76aに挿通されロ
ータ75に形成されるピン穴に嵌入されるピン79によ
って、リング74および板ばね76がロータ75に軸回
り方向へ固定されて装着されている。
また、板ばね76は、第3図に示すように、ロータ75
と整合する内環部分76bと、この内環部分76bと同
心上に位置する外環部分76cと、これらの内環部分7
6bと外環部分76cとを結合する放射状のばね部分7
6dとから構成されている。
この板ばね76の外環部分76cには、第3図に示すよ
うに、ピン77を介して、環状のクラッチディスク(ク
ラッチ板)78が、板ばね76と一体回転して且つフラ
イホイール72と適度な隙間(ギャップ)を有するよう
に装着されている。つまり、板ばね76の外環部分76
cおよびクラッチディスク78には、複数のピン穴76
a,78aが環状に並んで形成され、これらのピン穴7
6a,78aおよびロータ75に形成されるピン穴にピ
ン79を嵌入することによって、板ばね76の外環部分
76cとクラッチディスク78とが結合される。
このようなロータ75,板ばね76およびクラッチディ
スク78は、電動機アッセンブリ70を組み付ける前
に、装置本体側(ハウジング1,14側)に予め装着さ
れて、装置本体側がアッセンブリ化される。
そして、電磁クラッチ(クラッチ機構)85は、これら
の電磁コイル51,フライホイール72,ロータ75,
板ばね76およびクラッチディスク78等から構成さ
れ、電磁コイル51への給電によりフライホイール72
が磁化すると、フライホイール72が磁力によりクラッ
チディスク78を吸引してクラッチディスク78と一体
に結合し、電磁コイル51への給電が断たれると、クラ
ッチディスク78は板ばね76の復元力によってフライ
ホイール72と適当なギャップを有する元の状態に復帰
するように構成されている。
本実施例の一実施例としての電動式パワーステアリング
装置の電動機出力部構造は、上述のように構成されるた
め、装置の組立は以下のように行なわれる。
つまり、電動機26に電磁コイル51およびフライホイ
ール72を装着して電動機アッセンブリ70を組み立
て、ロータ75,板ばね76およびクラッチディスク7
8を装置本体側に装着し、本体側をアッセンブリ化す
る。
ついで、電動機アッセンブリ70をボルト25によって
本体アッセンブリのハウジング1に組み付けると、装置
全体の組立が完了する。
したがって、アッセンブリ相互の組付時に、電動機26
側(回転軸27側)と歯車機構80側(出力軸71側)
とを直接接続する必要がなく、また、これらの両アッセ
ンブリの結合が容易である上に、電動機アッセンブリ7
0および本体アッセンブリの各アッセンブリは、構成が
複雑でないのでそれぞれの組み付けも容易であるため、
装置全体の組み組立も容易となる。
そして、フライホイールとクラッチ板との間のギャップ
調整は、装置組立後に、クラッチギャップ調整機構86
により、クラッチディスク78を出力軸71とともにそ
の軸方向へ移動させることによって確実に行なえる。
つまり、蓋部材84をハウジング14から取外し、ギャ
ップ調整用穴83を開口させた上で、第2図に示すよう
に、クラッチギャップ調整用治具88の先端を出力軸7
1のねじ穴71cに螺合装着させて、この治具88にロ
ックナット82を装着した後、治具88の穴部にレバー
88aを差し込みこのレバー88aを操作しながら、カ
ラー81と螺合する出力軸71をハウジング14に固定
されたカラー81に対して回転させる。これにより、出
力軸71が進退動(第1図中の左右方向移動)して、出
力軸71と一体に固定されたクラッチディスク78が、
電動機26に軸方向に固定されたフライホイール72に
対して離接する。
これによって、クラッチディスク78とフライホイール
72との間のギャップが所定の大きさに調整される。そ
して、調整後には、出力軸71を軸方向に固定するため
に、出力軸71のさらに下端にロックナット82を螺合
装着する。
特に、本電動機出力部構造では、出力軸71に加工され
たカラー81の雌ねじ部81aと螺合する第1の雄ねじ
部71aと、ロックナット82と螺合する第2の雄ねじ
部71bとが互いに逆ねじに形成されているので、ロッ
クナット82の装着時に、出力軸81の回転が防止さ
れ、クラッチギャップの変化が回避されるとともに、む
しろロックナット82の締結によってこのロックナット
82とカラー81とが協働してベアリング62のインナ
レース62aを挟着し出力軸81を固定するようになる
ので、ロックナット82の本来の機能が十分に発揮さ
れ、ロックナット82の装着作業が容易に行なえるよう
になる。
このようにして、装置組立後に、容易で確実にギャップ
調整できるため、装置の組立時にギャップ管理をする煩
わしさが解消されて、この点でも装置の組立が容易なも
のとなる。
なお、第3図に示すように、出力軸71にロータ75が
圧入によって軸回り方向および軸方向に固定されるよう
に構成してもよく、また、フライホイール72を回転軸
27に圧入するのでなく、第3図に示すように、フライ
ホイール72を回転軸27にセレーシヨンまたはキー結
合によりに装着し、回転軸27の先端にロックナット8
7およびワッシャ87aを装着して、フライホイール7
2を回転軸27に固定してもよい。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案の電動式パワーステアリン
グ装置の電動機出力部構造によれば、ステアリングハン
ドル軸に入力された操舵トルクに基づき作動する電動機
と、上記電動機の回転軸と離隔した出力軸を有し上記電
動機の回転力を車輪操向シャフトへ伝達する動力伝達用
歯車機構と、相互に対抗するクラッチ板とフライホイー
ルとを有し上記の電動機の回転軸と歯車機構の出力軸と
の間に介装されるクラッチ機構とをそなえた電動式パワ
ーステアリング装置の電動機出力部において、電動機の
回転軸側にクラッチ機構のフライホイールが装着され、
動力伝達用歯車機構の出力軸側に、クラッチ機構のクラ
ッチ板が装着されるとともに上記クラッチ板をその軸方
向へ移動させて上記のクラッチ板とフライホイールとの
間のギャップを調整しうるクラッチギャップ調整機構が
設けられて、上記クラッチギャップ調整機構が、第1の
雄ねじ部と第2の雄ねじ部とを形成された上記出力軸
と、上記歯車機構のケーシングに装着された軸受のイン
ナーレースに固定されるとともに上記出力軸の第1の雄
ねじ部と螺合する雌ねじ部を形成されたカラーと、上記
出力軸の第2の雄ねじ部と螺合して上記出力軸を上記カ
ラーに対して軸方向に固定するロックナットとをそな
え、上記の第1の雄ねじ部と第2の雄ねじ部とが互いに
逆ねじに形成されるという構成により、電動機の作動時
における電動機出力部構造部分からの異音の発生を防止
できるようになり、しかも、装置全体の組み付けが容易
にできるようになるとともに、クラッチ機構のギャップ
管理も容易で確実に行なえるようになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1,2図は本考案の一実施例としての電動式パワース
テアリング装置の電動機出力部構造を示すもので、第1
図はその断面図、第2図はそのギャップ調整作業の状態
を示す要部側面図であり、第3〜5図は本考案の案出過
程で提案された電動式パワーステアリング装置の電動機
出力部構造を示すもので、第3図はその断面図、第4図
はそのギャップ調整用カラーの斜視図、第5図はそのロ
ータおよび板ばねを示す分解斜視図である。 1…ハウジング(上カバー)、14…ハウジング、25
…ボルト、26…電動機、26a…電動機のケーシン
グ、27…電動機の回転軸、27a…ベアリング、29
…駆動歯車(ドライブギヤ)、51…電磁コイル、6
1,62…ベアリング、70…電動機アッセンブリ、7
1…出力軸、71a…第1の雄ねじ部、71b…第2の
雄ねじ部、71c…穴部、72…フライホイール、73
…ロックナット、73a…ワッシャ、74…リング、7
4a…ピン穴、75…ロータ、76…板ばね、76a…
ピン穴、76b…内環部分、76c…外環部分、76d
…放射状のばね部分、77…ピン、78…環状のクラッ
チディスク(クラッチ板)、78a…ピン穴、79…ピ
ン、80…動力伝達用歯車機構、81…ギャップ調整用
カラー、81a…雌ねじ部、82…ロックナット、83
…ギャップ調整用穴、84…蓋部材、85…電磁クラッ
チ(クラッチ機構)、86…クラッチギャップ調整機
構、87…ロックナット、87a…ワッシャ、88…ク
ラッチギャップ調整用治具、88a…クラッチギャップ
調整用レバー。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングハンドル軸に入力された操舵
    トルクに基づき作動する電動機と、上記電動機の回転軸
    と離隔した出力軸を有し上記電動機の回転力を車輪操向
    シャフトへ伝達する動力伝達用歯車機構と、相互に対抗
    するクラッチ板とフライホイールとを有し上記の電動機
    の回転軸と歯車機構の出力軸との間に介装されるクラッ
    チ機構とをそなえた電動式パワーステアリング装置の電
    動機出力部において、上記回転軸側に上記フライホイー
    ルが装着され、上記出力軸側に、上記クラッチ板が装着
    されるとともに上記クラッチ板をその軸方向へ移動させ
    て上記のクラッチ板とフライホイールとの間のギャップ
    を調整しうるクラッチギャップ調整機構が設けられ、上
    記クラッチギャップ調整機構が、第1の雄ねじ部と第2
    の雄ねじ部とを形成された上記出力軸と、上記歯車機構
    のケーシングに装着された軸受のインナレースに固定さ
    れるとともに上記出力軸の第1の雄ねじ部と螺合する雌
    ねじ部を形成されたカラーと、上記出力軸の第2の雄ね
    じ部と螺合して上記出力軸を上記カラーに対して軸方向
    に固定するロックナットとをそなえ、上記の第1の雄ね
    じ部と第2の雄ねじ部とが互いに逆ねじに形成されてい
    ることを特徴とする、電動式パワーステアリング装置の
    電動出力部構造。
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