JPH0618954A - カメラ用防振装置 - Google Patents

カメラ用防振装置

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JPH0618954A
JPH0618954A JP19453492A JP19453492A JPH0618954A JP H0618954 A JPH0618954 A JP H0618954A JP 19453492 A JP19453492 A JP 19453492A JP 19453492 A JP19453492 A JP 19453492A JP H0618954 A JPH0618954 A JP H0618954A
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correction optical
vibration
period
driving
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JP19453492A
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Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Canon Inc
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 補正光学手段を自重に逆らって位置検出手段
の出力が零となるべく位置に保つのに必要となる出力を
不要とし、消費電流を低減させる。 【構成】 補正光学手段の駆動初期である第1の期間と
それ以後の第2の期間とで駆動手段の設定を変更する設
定変更手段51,52,53を設け、第1の期間におい
て、自重による補正光学手段と位置検出手段556p,
557pとの位置誤差補正量に相当する出力を、言換え
れば、補正光学手段を自重に逆らって位置検出手段の出
力が零となるべく位置に保つのに必要な出力を保持し、
第2の期間においては、この出力分を減算出力として位
置制御ループ55内に入力し、自重が生じている際の補
正光学手段の位置における位置検出手段の出力があたか
も零となるような位置制御ループを形成するようにして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ鏡筒に加わる振
動を検出し、これに起因して生じる像振れを抑制するカ
メラ用防振装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となる従来技術を以下に説
明する。
【0003】現代のカメラでは、露出決定やピント合せ
等の撮影にとって重要な作業はすべて自動化されている
ため、カメラ操作に未熟な人でも撮影の失敗を起す可能
性は非常に少なくなっているが、カメラ振れによる撮影
の失敗だけは自動的に防ぐことが困難とされていた。
【0004】そこで、近年このカメラ振れに起因する撮
影失敗をも防止することを可能とするカメラが意欲的に
研究されており、特に、撮影者の手振れによる撮影失敗
を防止することのできるカメラについての開発、研究が
進められている。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れのない写真を撮影可能とするための基本的な考えと
して、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検
出値に応じて補正レンズを変位させてやらなければなら
ない。従って、カメラの振れが生じても像振れを生じな
い写真を撮影できることを達成するためには、第1にカ
メラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変
化を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度、角速度、角変位等を検出する振動
センサと該センサの出力信号を電気的或は機械的に積分
して角変位を出力するカメラ振れ検出手段をカメラに搭
載することによって行うことができる。そして、この検
出情報に基づき撮影光軸を偏心させる補正光学機構を駆
動させて像振れ抑制が行われる。
【0007】ここで、角変位検出装置を用いた防振シス
テムについて、図10を用いてその概要を説明する。
【0008】図10の例は、図示矢印61方向のカメラ
縦振れ61p及びカメラ横振れ61yに由来する像振れ
を抑制するシステムの図である。
【0009】同図中、62はレンズ鏡筒、63p,63
yは各々カメラ縦振れ角変位、カメラ横振れ角変位を検
出する角変位検出装置で、それぞれの角変位検出方向を
64p,64yで示してある。65p,65yは演算回
路であり、角変位検出装置63p,63yからの信号を
演算して補正光学系駆動信号に変換する。そしてこの信
号により補正光学機構66(67p,67yは各々その
駆動部、68p,68yは補正光学位置検出センサ)を
駆動させて像面69での安定を確保する。
【0010】図11乃至図14は前記振動センサとして
の角変位検出装置の構成例を示すものであり、以下これ
らの図を用いて説明する。
【0011】図11乃至図13において、51は装置を
構成する各部品を取付ける地板、52は内部に後述の浮
体53及び液体54を封入した室をもつ外筒である。5
3は軸53a回りに回転自在に後述の浮体保持体55に
より保持された浮体で、突起53bにはスリット状の反
射面が形成されており、永久磁石から成る材料にて構成
されて上記軸53a方向に着磁されている。又、この浮
体53は軸53a回りの回転バランス及び浮力バランス
がそれぞれとられたものとして構成されている。
【0012】55は後述のピボット軸受56を介して浮
体53を保持した状態で外筒52に固定されている浮体
保持体である。57は地板51に取付けられたコの字形
状のヨークで、浮体53と共に閉磁路を形成している。
514は巻線コイルで、浮体53とヨーク57の間に配
置されて外筒52と固定関係に設けられている。58は
通電により光を発生する発光素子(iRED)であり、地板5
1に取付けられている。59は受ける光の位置によって
出力の変化する受光素子(PSD)であり、地板51に
取付けられている。そして、これら発光素子58及び受
光素子59が上記浮体53の突起(反射面)53bを介
して光を伝送する方式の光学的な角変位検出の手段を構
成している。
【0013】510は発光素子58の前面に配置された
マスクで、光を透過するスリット穴510aを有してい
る。511は外筒52に取付けられたストッパ部材で、
定められた範囲以上浮体53が回転しないように回転規
制をしている。
【0014】尚上記した浮体53の回転自在の保持は次
のようにして行われている。即ち浮体53の中心には図
12(図11AーA断面)で示すように、上下に先端が
尖鋭なピボット512が圧入されている。一方、前記の
浮体保持体55のコ字形の上下腕の先端には互いに内向
きに対向してピボット軸受56が設けられ、上記ピボッ
ト512の尖鋭な先端がこのピボット軸受56に嵌合す
ることで浮体の保持がされる。
【0015】513は外筒52の上蓋であり、シリコン
接着剤等を用いた公知の技術により該外筒52内に液体
54を封入すべくシール接着されている。
【0016】以上の構成において、浮体53はいずれの
姿勢においても重力の影響による回転モーメントが発生
することなく、またピボット軸に実質的に負荷が作用し
ないように、回転軸53a回りに対し対称形状をしてい
るうえに、液体54と同比重の材料にて構成されてい
る。現実には、アンバランス成分ゼロというのは不可能
ではあるが、形状誤差分は比重差分だけしかアンバラン
スとして作用しないので実質的には十分小さく、慣性に
対する摩擦のSN比が極めて良好であることは容易に理
解できよう。
【0017】かかる構成においては、外筒52が回転軸
53a回りに回転しても内部の液体54は慣性により絶
対空間に対し静止するので、浮遊状態にある浮体53は
回転せず、従って外筒52と浮体53は回転軸53a回
りに相対的に回転することになる。これらの相対的な角
変位は、上記発光素子58,受光素子59を用いた光学
的検知手段で検出できる。
【0018】さて、以上の構成を有する装置において、
角変位の検出は次のように行われる。
【0019】まず、発光素子58から発せられた光はマ
スク510のスリット穴510aを通過し浮体53に照
射され、ここで突起53bのスリット状反射面により反
射されて受光素子59に至る。上記光の伝送の際にはこ
の光はスリット穴510aとスリット状反射面とにより
略平行光となり、受光素子59の上にはボケのない像が
形成されることになる。
【0020】そして外筒52,発光素子58,受光素子
59はいずれも地板51に固定されているものであって
一体に運動するので、外筒52と浮体53の間で相対的
な角変位運動が生じると、該変位に応じた量だけ受光素
子59上のスリット像は移動することになる。従って、
受光した光の位置によって出力の変化する光電変換素子
である該受光素子59の出力は、該スリット像の位置変
位に比例した出力となり、該出力を情報として外筒52
の角変位を検出することができる。
【0021】ところで、前述したように浮体53は液体
54と同比重をもつ永久磁石材料にて構成されている
が、それは例えば次の様にして成すものである。
【0022】液体54としてフッ素系の不活性液体を用
いた場合、プラスチック材をベースにフィラーとして永
久磁石材料(例えばフェライト等)の微粉を含有させて
その含有率を調整すれば、体積含有率8%前後にて液体
の比重 「1.8」 と同程度の比重にすることは容易であ
る。かかる材料にて浮体3を成形した後、又は同時に前
記軸53a方向に着磁すれば、浮体53は永久磁石とし
ての性質を持つこととなる。
【0023】図14は浮体53とヨーク57と巻線コイ
ル514の関係を表した、図11のBーB断面である。
【0024】該図の如く浮体53は軸53a方向に着磁
されており、この図では上側がN極、下側がS極に着磁
されている。N極から出た磁力線はコの字型のヨーク5
7を通り、S極に入るという閉磁路を構成しており、こ
の磁路内に配置された巻線コイル514に図の様に紙面
裏側から表側へ電流を流せば、フレミングの左手の法則
に従って該巻線コイル514は矢印f方向に力を受け
る。ところが、該巻線コイル7は前述したように外筒5
2に対し固定されていることから動くことができず、よ
ってその反作用である矢印F方向に力が働き、該力によ
って浮体53が駆動されることになる。この力は巻線コ
イル514に流す電流に比例し、力の方向も電流を上記
とは逆に流せば逆方向に働くことは言うまでもないこと
である。即ち以上の構成に於ては、浮体53を自在に駆
動することが可能である。
【0025】この駆動力により浮体53に及ぼされるバ
ネ力は、原理的には浮体53を外筒52に対して一定の
姿勢に維持させる(つまり一体に移動させる)力である
から、そのバネ力が強いと外筒52と浮体53は一体と
なって運動してしまい、目的とする角変位の為の相対角
変位は生じないと云う問題を招くが、駆動力(バネ力)
が浮体53の慣性に対し十分に小さければ、比較的低い
周波数の角変位にも応答し得る様に構成できる。
【0026】図15は以上の様な角変位検出装置の電気
回路を示す図である。
【0027】電流ー電圧変換アンプ515a,515b
(及び抵抗R33〜R36)は発光素子58の反射光5
16により受光素子59に生じる光電流517a,51
7bを電圧に変化し、差動アンプ518(及び抵抗R3
7〜40)は前記電流ー電圧変換アンプ515a,51
5bの出力差、つまり角変位(外筒52と浮体53の間
の相対的な角変位運動)を求める。この出力を抵抗51
9a,519bで分割して極めて小さい出力にし、巻線
コイル514に電流を流す駆動アンプ520(及び抵抗
R41,トランジスタTR11,TR12)に入力し
て、負帰還(差動アンプ518が出力すると、浮体53
が中心に戻る様に巻線コイル514の配線及び浮体53
の着磁方向を設定する)を行うと、前述の様に液体54
の慣性に対し十分に小さいバネ力(駆動力)が生じる。
【0028】加算アンプ521(及び抵抗R42〜4
5)は前記アンプ515a,515bの和(受光素子の
発光素子58からの反射光516の受光量総和)を求め
ており、その出力を発光素子58を発光させる駆動アン
プ522(及び抵抗R47〜R48,トランジスタTR
13,コンデンサC11)に入力している。
【0029】発光素子58は温度差に極めて不安定にそ
の発光量を変化させてしまうが、上記の様に受光量総和
により発光素子58を駆動させれば、受光素子59の出
力する光電流総和は常に一定となり、差動アンプ518
の角変位検出感度は極めて安定なもとなる。
【0030】図16は他の振動センサとしてのサーボ角
加速度センサの構造図を示すものである。
【0031】図16において、523は外枠底部であ
り、この外枠底部523と一体的に固着される支持部5
24及びボールベアリング等摩擦の少ない軸受525
a,525bによりシャフト526の両端が支持されて
いて、該シャフト526によってコイル527a,52
7bを取付けられたシーソ528が揺動可能に支持され
ている。
【0032】上記コイル527a,527b及びシーソ
528の上下には、これらと離隔されて蓋部としての磁
気回路板530a,530bと永久磁石531a,53
1b,532a,532bが対向して配置されていて、
磁気回路板530a,530bは上述の如く外枠の蓋部
も兼ねている。永久磁石531a,531b,532
a,532bは各々外枠523の底部に固定される磁気
回路背板533a,533b上に取付けられている。
【0033】また、上記シーソ528のコイル527a
の上部には厚み方向に貫通したスリット534aを形成
するスリット板534が設けられており、このスリット
534aの上方の外枠の蓋部を兼ねる磁気回路板530
aにはSPC(Separate Photo Diode)等の光電式の変
位測定器535が配置され、スリット534aの下方の
磁気回路背板533a上には赤外発光ダイオード等の発
光素子536が配置されている。
【0034】以上の構成において、いま角加速度aが図
15の外枠に対して矢印537で示すように働いたとす
ると、シーソ528は相対的に角加速度aと反対の方向
に傾き、この振れ角はスリット534aを介する発光素
子536からのビームの変位測定器535上の位置によ
り検出できる。
【0035】ところで、上記永久磁石531a,531
bからの磁束は、各々永久磁石531a,531b→コ
イル527a,527b→磁気回路板530a,530
b→コイル527a,527b→永久磁石532a,5
32bに、他方永久磁石532a,532bからの磁束
は、各々永久磁石532a,532b→磁気回路背板5
33a,533b→永久磁石532a,532bを通
り、全体として閉磁気回路を形成しており、コイル52
7a,527bに対し垂直な方向の磁束を形成するよう
になっている。そしてコイル527a,527bに制御
電流を流すことにより、フレミングの法則によって、シ
ーソ528を上記角加速度aの振れ方向に沿って両側に
動かすことが出来るように設けられている。
【0036】図17は上記構成のサーボ角加速度センサ
に用いられる角加速度検出回路の構成の一例を示したも
のである。
【0037】この回路は、上記変位検出器535からの
出力を増幅する変位検出増幅器538と、このフィード
バック回路を安定な回路系とするための補償回路539
と、上記変位検出増幅器538からの増幅された出力を
更に電流増幅してコイル527a,527bに通電する
駆動回路540と、コイル527a,527bとが直列
的に接続されて成っている。
【0038】そして本例においては、上記コイル527
a,527bに通電がなされた場合は、外部角加速度a
によるシーソ528の振れ方向とは反対方向に力が発生
するよう該コイル527a,527bの巻線方向及び永
久磁石531a,531b,532a,532bの極性
が設定されている。
【0039】以上の構成のサーボ角加速度センサの作動
原理を説明すると、いま上記構成の角加速度センサに外
部から図17に示す様に角加速度aが加わったとする
と、シーソ528は慣性力によって外枠に対して相対的
に反対回転方向に振れ、従ってシーソ528に設けられ
ているスリット534aがL方向に移動する。このため
に発光素子536から変位検出器535に入射する光束
の中心が変位し、変位検出器535から、その変位量に
比例した出力が発生する。
【0040】その出力は上述の如く変位検出増幅器53
8で増幅され、更に補償回路を介して駆動回路540に
より電流増幅され、コイル527a,527bに通電さ
れる。
【0041】以上のようにコイル527a,527bに
制御電流の通電があると、シーソ528には外部角加速
度aのL方向とは逆の方向であるR方向への力が発生
し、変位検出器535に入射する光束が上記外部角加速
度aの加わらない時の初期位置に戻るように制御電流が
調整して発生される。
【0042】尚、この際コイル527a,527bを流
れる制御電流の値はシーソ528に加わる回転力に比例
しており、更にシーソ528に加わる回転力は該シーソ
528を原点に戻す力、つまり外部角加速度aの大きさ
に比例しているから、抵抗541を通して電流を電圧V
として読取ることにより、例えばカメラの像振れ抑制シ
ステム等に必要な制御情報としての角加速度aの大きさ
を求めることができる。
【0043】そして、この得られた角加速度出力を公知
のアナログ積分回路、或は、ディジタル積分回路で2階
積分して角変位出力に変換して手振れ出力とする。
【0044】図18は前記図17の角加速度検出回路を
より具体的に示した図である。
【0045】図18において、増幅アンプ538a,抵
抗538b,538cは図17の変位検出増幅器538
に相当し、変位測定器535からの光電流を電圧変換増
幅して位置検出を行う。コンデンサ539a及び抵抗5
39b,539cは補償回路539に相当し、駆動アン
プ540a,トランジスタ540b,540c,抵抗5
40d,540e,540fはコイル527a,527
bの駆動を行う駆動回路540に相当する。
【0046】図19はかかるシステムに好適に用いられ
る補正光学機構及びその位置検出手段や駆動手段を示す
図であり、補正レンズ545は光軸と直交する互いに直
角な2方向〔ピッチ方向546pとヨー方向546y
(61p,61yに対応する)〕に自在に駆動可能であ
る。以下にその構成を示す。
【0047】図19において、補正レンズ545を保持
する固定枠547は、ポリアセタール樹脂(以下POM
と記す)等のすべり軸受548pを介してピッチスライ
ド軸549p上を摺動出来る様になっている。又、固定
枠547はピッチスライド軸549pと同軸のピッチコ
イルバネ551pに挟まれており、中立位置付近に保持
される。ピッチスライド軸549pは第1の保持枠55
0に取り付けられている。
【0048】固定枠547に取付けられたピッチコイル
552pはピッチマグネット553pとピッチヨーク5
54pで構成される磁気回路中に置かれており、電流を
流すことで前記固定枠547がピッチ方向546pに駆
動されることになる。又、ピッチコイル552pにはピ
ッチスリット555pが設けられており、発光素子55
6p(赤外発光ダイオードiRED)と受光素子557p
(半導体位置検出素子PSD)の関連により、固定枠5
47のピッチ方向546pの位置検出を行う。
【0049】第1の保持枠550にはPOM等のすべり
軸受548yが嵌合されており、ヨースライド軸549
yが取付けられたハウジング558上を摺動出来る。そ
してハウジング558は不図示のレンズ鏡筒に取付けら
れる為、第1の保持枠550はレンズ鏡筒に対しヨー方
向546yに移動可能となる。又、ヨースライド軸54
9yと同軸にヨーコイルバネ551yが設けられてお
り、固定枠547と同様中立位置付近に保持される。
【0050】又、上記固定枠547にはヨーコイル55
2yが設けられており、ヨーコイル552yを挟むヨー
マグネット553yとヨーヨーク554yの関連で固定
枠547はヨー方向546yにも駆動される。上記ヨー
コイル552yにはヨースリット555yが設けられて
おり、ピッチ方向と同様固定枠547のヨー方向546
yの位置検出を行う。
【0051】図19において、受光素子557p,55
7yの出力を増幅器559p,559yで増幅して図示
の様な各回路(後述)を介してコイル(ピッチコイル5
52p,ヨーコイル552y)に入力すると、固定枠5
47が駆動されて受光素子557p,557yの出力が
変化する。ここでコイル552p,552yの駆動方向
(極性)を受光素子557p,557yの出力が小さく
なる方向にすると(負帰還)、閉じた系が形成され、受
光素子557p,557yの出力がほぼゼロになる点で
安定する。
【0052】なお、補償回路560p,560yは図1
9の系をより安定化させる回路であり、加算回路563
p,563yは増幅器559p,559yと入力される
指令信号562p,562yを加算する回路であり、駆
動回路561p,561yはコイル552p,552y
の印加電流を補う回路である。
【0053】上記の様な系に外部から指令信号562
p,562yを与えると、補正レンズ545はピッチ方
向546pとヨー方向546yに該指令信号562p,
562yに極めて忠実に駆動される。
【0054】この様に、位置出力をコイルに負帰還して
駆動する方式を位置制御駆動と云い、上記閉じた系を閉
ループ系と云う。
【0055】そして、指令信号562p,562yとし
て各々角変位検出器63p,63yの出力を入力する
と、補正レンズ545はその出力に基づいて忠実に駆動
され、つまり、手振れに応じて補正レンズ545が駆動
されるため、その振れ方向と補正レンズ駆動方向を補正
レンズ545の光学特性に応じて調整すれば、防振が行
われることになる。
【0056】図20は補正レンズ545を駆動する先の
各回路より成る駆動手段をより詳細に示した図であり、
ここではピッチ方向546pについてのみ説明する。
【0057】電流ー電圧変換アンプ563a,563b
は発光素子556pにより受光素子557p(抵抗R
1,R2より成る)に生じる光電流を電圧に変換し、差
動アンプ565は各電流ー電圧変換アンプ563a,5
63bの差を求めるものであり、この差信号が補正レン
ズ545のピッチ方向546pの位置を表す。以上、電
流ー電圧変換アンプ563a,563b、差動アンプ5
65及び抵抗R3〜R10にて図19の増幅器559p
を構成している。
【0058】アンプ566は指令信号562pを、差動
アンプ565の差信号に加算するもので、抵抗R11〜
R14とで図19の加算回路563pを構成している。
【0059】抵抗R15,16及びコンデンサC1は公
知の位相進み回路であり、これが図19の補償回路56
0pに相当し、系を安定化させている。
【0060】前記加算回路563pの出力は補償回路5
60pを介して駆動アンプ567へ入力し、ここでピッ
チコイル552pの駆動信号が生成され、補正レンズ5
45が変位する。該駆動アンプ567、抵抗R17及び
トランジスタTR1,TR2にて図19の駆動回路56
1pを構成している。
【0061】加算アンプ568は電流ー電圧変換アンプ
563a,563bの出力の和(受光素子557pの受
光量総和)を求め、この信号を受ける駆動アンプ569
はこれにしたがって発光素子556pを駆動する。以
上、加算アンプ568,駆動アンプ569、抵抗R18
〜R22及びコンデンサC2により発光素子556pの
駆動回路を構成している(図19では不図示)。
【0062】上記の発光素子556pは温度等に極めて
不安定にその投光量が変化し、それに伴い差動アンプ5
65の位置感度が変化するが、上記の様に受光量総和一
定となる様に前述の駆動回路によって発光素子556p
を制御すれば、位置感度が変化する事は無い。
【0063】図21は前記補正光学機構を可変頂角プリ
ズムを用いて構成した場合を示す図である。
【0064】図21において、570は屈折率の高い、
例えばシリコン系の液体であり、2枚の平面ガラス57
1p,571yとポリエチレンフィルム572により気
泡なく封じられている。平面ガラス571pはピッチ保
持枠573pで保持され、又、このピッチ保持枠573
pはピッチ軸574p回りに回転可能に軸止されてい
る。平面ガラス571yはヨー保持枠573yで保持さ
れ、ヨー保持枠573yはヨー軸574y回りに軸止さ
れている。
【0065】ピッチ,ヨー保持枠573p,573yに
は各々ピッチコイル575p,ヨーコイル575yが設
けられており、これらコイルは固定されたピッチ,ヨー
マグネット576p,576y、ピッチ,ヨーヨーク5
77p,577yで形成される閉磁路中に置かれる為、
ピッチ,ヨーコイル575p,575yに各々電流を流
す事で、ピッチ,ヨー保持枠573p,573yは各々
ピッチ,ヨー軸回りに回転駆動される。
【0066】又、ピッチ,ヨー保持枠573p,573
yの腕578p,578yには各々変位検出受光素子5
79p,579yが取付けられており、これらは固定さ
れた赤外発光素子580p,580yから孔581p,
581yを通して照射される絞られた光線により、各々
ピッチ軸574p、ヨー軸574y回りの回転検出を行
う。この変位検出受光素子579p,579yとピッ
チ,ヨーコイル575p,575yの間にも公知の位置
制御が行われており、これについてはスライド式の補正
光学機構で述べた為、説明は省く。
【0067】以上の様な構成において、ピッチ保持枠5
73pがピッチ軸回りに回転し、平面ガラス571pが
ピッチ軸574p回りに傾くと、屈折率の高い液体57
0内を通る光線は矢印546pの方向に偏心させられ、
又、ヨー保持枠573yがヨー軸回りに回転し、平面ガ
ラス571yがヨー軸574y回りに傾くと、光線は矢
印546yの方向に偏心させられる。
【0068】そして、このような可変頂角プリズムの最
大の特徴は、光軸方向の可変頂角プリズム前後がどの様
な光学系であっても、光軸の偏心が可能なことであり、
例えばどのようなレンズの前後に取り付けたとしても、
光軸の補正が可能なことである。
【0069】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した防振カメ
ラ用の防振システムにおいて、補正光学機構(図19,
図21)は位置制御駆動されており、故に振動センサの
出力を目標値として精度良く駆動されるが、この位置制
御駆動方式の為に、以下の様な問題点を有していた。
【0070】図19において、補正光学機構の位置制御
が成されていない状態において、矢印Aで示す方向の重
力Gが加わっていると、補正レンズ545を含む固定枠
547はピッチコイルバネ551pで中立付近に保持さ
れている訳ではない。それは、補正レンズ545と固定
枠547の自重と釣合う位置までピッチコイルバネ55
1pが撓んでしまうからである。ところが、防振システ
ムが作動して補正光学機構の位置制御駆動が開始される
と、固定枠547は受光素子557pの出力がほぼゼロ
になる点(中立付近)で安定する。故に、この安定点は
固定枠547が位置制御駆動前にピッチコイルバネ55
1pのバネ力と釣合って安定している点とは異なり、こ
の受光素子557pの出力ゼロ点になる点まで重力Gに
逆らって固定枠547を安定させる為にピッチコイルバ
ネ551pに継続して一定電流を流し続ける必要があ
る。
【0071】この事は、図21の可変頂角プリズムを補
正光学系とした補正光学機構を持つ防振システムの場合
も同様で、重力G(矢印A)方向に液体570が集まる
為、平面ガラス571p,571yの関係がハの字状に
なる。そして位置制御駆動時には、液体570の自重に
逆らって平面ガラス571p,571yを平行にさせる
為にピッチコイル575pに継続して電流を流す必要が
ある。
【0072】以上の様に、補正光学系の駆動手段には一
定電流を流し続ける必要があり、その電流量は実験によ
れば100mA以上必要であり、民生品として常時これ
だけの大電流を流すことは好ましくなく、より省電力化
が望まれている。
【0073】次に、別の問題点について説明する。
【0074】上記の防振システムにおける補正光学機構
は、上述した様に位置制御駆動されており、補正光学機
構を駆動させる事で閉ル−プが形成され、受光素子55
7p,557yの出力がほぼゼロ(零)になる点で固定
枠547が安定する様に、ピッチ或はヨーコイル552
p,552yに電流を流し続ける。何故ならば、撮影状
態で図19の矢印Aで示す様に補正光学機構には重力G
が加わっている事が多く、その重力Gによる固定枠54
7及び補正レンズ545の自重に逆らって補正光学機構
を受光素子557p,557yの中心近傍に保持し続け
なければならないからである。よって、ピッチ或はヨー
コイル552p,552yには常時100mA程度の電
流を流しておく必要があり、民生品用機器としては好ま
しくない。
【0075】この点に鑑み、位置制御ループ内に低域カ
ットフィルタを入れて、重力の様な極低周波には反応し
ない様にして省電力化を行う提案もされている。この場
合、固定枠547はその自重とピッチ或はヨーコイルバ
ネの551p,551yのバネ力と釣合った点まで下降
して安定となる。
【0076】図22はその様子を示した図であるが、ピ
ッチコイルバネ551paが縮み、551pbが伸び
て、固定枠547の自重分を吸収している。その為、光
軸中心O1 と補正レンズ545の中心O2 が大きくズレ
ている。そして、固定枠547が下降している分だけ
(マグネット,ヨーク等の外部固定部材とズレを生じて
おり)、補正光学機構は矢印Aの方向の駆動ストローク
に余裕が無くなっている。その為、大きな手振れを補正
する為にこの方向に補正光学機構を駆動しようとして
も、駆動ストロークが足りずに補正し切れない場合も生
じて来る。
【0077】そこで、ピッチコイルバネ551paのバ
ネ力を強く設定して、補正レンズ545を光軸中心O1
近傍で安定させる事も考えられるが、その様に設定する
と、重力Gが加わらない場合(上向,下向の撮影)や、
カメラを縦に構えた場合(この場合、重力Gは矢印Bの
方向になる)には、ピッチコイルバネ551paのバネ
力が強い分、補正レンズ545の中心O2 が光軸中心O
1 に対して矢印Aと反対側にズレてしまい、その方向の
駆動ストロークが足りなくなってしまう問題があった。
【0078】本発明の第1の目的は、補正光学手段を自
重に逆らって位置検出手段の出力が零となるべく位置に
保つのに必要となる出力を不要とし、消費電流を低減さ
せることのできるカメラ用防振装置を提供することであ
る。
【0079】本発明の第2の目的は、補正光学手段の二
次元方向の適正な駆動ストロークを確保し、精度の良い
防振を行うことのできるカメラ用防振装置を提供するこ
とである。
【0080】
【課題を解決するための手段】本発明は、補正光学手段
の駆動初期である第1の期間とそれ以後の第2の期間と
で駆動手段の設定を変更する設定変更手段を設け、ま
た、設定変更手段は、第1の期間においては、位置検出
手段の出力をそのまま駆動手段による位置制御ループ内
へ入力すると共に、この時の位置検出手段の出力を保持
し、その後の第2の期間においては、この保持した出力
を、位置検出手段の出力の駆動手段へ減算出力として位
置制御ループ内へ入力する手段であり、また、設定変更
手段は、第1の期間においては、補正光学手段に推力を
与えるべく駆動手段に発生する出力をそのままに位置制
御ループ内へ入力すると共に、この時の駆動手段の出力
を保持し、その後の第2の期間においては、この保持し
た出力を、駆動手段の出力の減算出力として位置制御ル
ープ内へ入力する手段であり、第1の期間において、自
重による補正光学手段と位置検出手段との位置誤差補正
量に相当する出力を、言換えれば、補正光学手段を自重
に逆らって位置検出手段の出力が零となるべく位置に保
つのに必要な出力を保持し、第2の期間においては、こ
の出力分を減算出力として位置制御ループ内に入力し、
自重が生じている際の補正光学手段の位置における位置
検出手段の出力があたかも零となるような位置制御ルー
プを形成するようにしている。
【0081】また、本発明は、補正光学手段をレンズ鏡
筒に対して相対的に移動可能に支持する支持部材と、該
支持部材を補正光学手段の駆動方向と同一方向に移動さ
せる移動手段とを設け、移動手段により、支持手段を補
正光学手段に加わる重力の方向とは逆方向に移動させ、
重力に逆らって補正光学手段をその駆動ストローク範囲
の中点位置まで移動させるようにしている。
【0082】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0083】図1は本発明の第1の実施例における防振
装置の補正光学機構の位置検出手段や駆動手段などを示
すブロック図であり、図19と同じ部分は同一符号を付
してある。
【0084】図1において、サンプルホールド回路5
1、差動増幅器52、タイマ53が無く、加算器563
pと補償回路616pが一点鎖線54で接続された状態
は、図19の従来例の位置制御駆動状態であり、破線で
示す閉じたループ(位置制御ループ)55が形成されて
いる。
【0085】ここで、ピッチコイル552pに電流が流
れると、スリット555p、発光素子556pが移動
し、受光素子557pの出力を小さくしてゆき、それに
伴いピッチコイル552pの電流量が減少し、最終的に
は、駆動回路561pが固定枠547の自重に見合う量
の電流量をピッチコイル552pに流す値と対応した出
力を増幅器559pの出力をする受光素子557pの位
置でスリット555pは安定する(位置制御精度を高め
ると、このスリット555pの位置は受光素子557p
の位置に極めて近くなる)。つまり、固定枠547の自
重で補正レンズ545が沈む分、受光素子557pに出
力が生じ、この受光素子557pの出力がピッチコイル
552pの電流量を決定することになる。
【0086】この第1の実施例においては、一点鎖線5
4の接続を断ち、加算器563pを介する増幅器559
pの出力信号を2つに分岐し、1つは差動増幅器52
へ、もう1つはサンプルホールド回路51を介して差動
増幅器52へ、それぞれ入力するようにし、この差動増
幅器52の出力が補償回路560pへ入力する構成とし
ている。
【0087】サンプルホールド回路51はタイマ53の
入力で加算器563pを介する増幅器559pの出力信
号をホールドし、それ迄はサンプリングを続けている。
又、タイマ3は防振システム作動開始(矢印56で入力
される)と共に作動し、一定期間(第1の期間)後に出
力をする。
【0088】以上の様な構成において、防振システム作
動の初期、つまり第1の期間中は差動増幅器52からの
出力はゼロである。何故ならば、差動増幅器52に入力
される2つの信号〔増幅器559pの出力とサンプルホ
ールド回路51(該回路はタイマ3の入力が無い限り、
増幅器559pの出力をサンプリングを続けている)の
出力〕は同じだから、その差はゼロとなる為である。し
たがって、駆動回路561pにはゼロ信号しか入力され
ず、コイル552pには電流が流れない(固定枠547
は駆動されない)。そして、固定枠547はピッチコイ
ルバネ551pと自重の釣合った点に支持されている。
【0089】次に、タイマ53が防振システム作動開始
から一定期間(30msec程度)後にサンプルホール
ド回路51に出力すると、サンプルホールド回路51は
この時の増幅器559pの出力をホールドする。このた
め、その後は増幅器559pの出力(変化する指令信号
562pが加算された出力)とサンプルホールド回路5
1のホールドした出力(一定バイアス電圧)に差が生
じ、この差分出力が差動増幅器52より出力され、駆動
回路561pを介してピッチコイル552pへ電流とし
て流され、固定枠547が駆動される。
【0090】つまり、防振開始から一定期間後に駆動回
路561pに一定バイアス電圧(サンプルホールド回路
51のホールド出力)を差動増幅器52に与える事で、
固定枠547を自重に逆らって受光素子557pの中心
近傍に保持する為にピッチコイル552pに大電流を流
すことを止め、固定枠547はピッチコイルバネ551
pと釣合った点を中心に角変位検出装置からの手振れ信
号を指令信号562pからの目標値として駆動される事
になる。
【0091】尚、以上の構成はアナログ回路にて説明し
たが、同様な構成は増幅器559pの出力をA/D変換
(アナログーディジタル変換)した後、数値的に同様な
処理を行える事は言う迄もなく、この発明の本質である
「自重に逆らって固定枠547を受光素子557p中心
近傍に保持する為の電力分を差引く」構成であれば他に
多くの変形例が考えられる。
【0092】(第2の実施例)図2は本発明の第2の実
施例における防振装置の補正光学機構の位置検出手段や
駆動手段等を示すブロック図であり、図1や図19と同
じ部分は同一符号を付してある。
【0093】第1の実施例と異なるのは、図1では増幅
器559pの出力を基に一定バイアス電圧を決め、駆動
回路561pに与えていたが、この第2の実施例では、
ピッチコイル552pに流れる電流量から一定バイアス
電圧を決定している点にある。
【0094】図2において、はじめに防振システムを作
動すると、固定枠547は重力Gに逆らって従来と同様
に受光素子557pの中心近傍に保持される。そして、
その状態を維持する為にピッチコイル552pに電流を
流し続ける。例えば、この電流が100mA,ピッチコ
イル552pの抵抗が10Ωとすると、ピッチコイル5
52pの電位差は1Vとなる。そして、この電圧がサン
プルホールド回路51に入力され、防振システム作動か
ら一定期間経過後、タイマ53の出力によってサンプル
ホールド回路51は入力されるピッチコイル電圧をホー
ルドし、又これと同時にタイマ53の出力によってスイ
ッチ57は閉じ、前記一定バイアス電圧(サンプルホー
ルド回路51のホールド値)が差動駆動回路58に入力
されることになる。
【0095】差動駆動回路58は、スイッチ57が開放
(GNDに接続)中は、第1の実施例における駆動回路
561pと同様の機能(補償回路560pの出力とGN
Dの差でピッチコイル552pに電流を流す)を果たす
が、スイッチ57が閉じると、補償回路560pの出力
と一定バイアス電圧の差でピッチコイル552pに電流
を流す。
【0096】つまり、スイッチ57が閉じることで、重
力Gに逆らう分の電流は流れなくなる。その為、固定枠
547はピッチコイルバネ551pと自重が釣合う点ま
で下降し、そこを中心に角変位検出装置からの指令信号
562pを目標値として固定枠547を駆動して防振を
行う。
【0097】(第3の実施例)図3は本発明の第3の実
施例における防振装置の補正光学機構の位置検出手段や
駆動手段等を示すブロック図であり、図1や図19と同
じ部分は同一符号を付してある。
【0098】第1の実施例と異なるのは、指令信号56
2pの先にスイッチ59を設けている点にある。
【0099】防振システム作動の初期から第1の期間に
至るまでは、スイッチ59は開放(GND60と接続)
しており、指令信号562pは駆動回路561p側には
入力されない。そして、その間にサンプルホールド回路
51は一定バイアス電圧を決定して駆動561pに与え
た後、スイッチ59は閉じ、指令信号562pを駆動回
路561pに入力する。
【0100】この様な構成にすると、一定バイアス電圧
が決定されるまで指令信号(手振れ信号)562pは入
力されない。つまり、手振れが混在しないで重力Gに逆
らう分の必要駆動力により精度良く一定バイアス電圧が
求まる為、より省電力化が図れる。
【0101】(第4の実施例)図4は本発明の第4の実
施例における防振装置の補正光学機構の位置検出手段や
駆動手段等を示すブロック図であり、図1や図19と同
じ部分は同一符号を付してある。
【0102】第1の実施例と異なるのは、低域通過回路
62を設けている点である。この様に低域通過回路62
を設けていると、次の利点が生れる。
【0103】固定枠547は自重に逆らって受光素子5
57pの中心近傍に保持する為にピッチコイル552p
に電流を必要とするとが、実際には固定枠547には重
力G以外にも加速度(カメラに加わる手振れ等の交番振
動による加速度)が加わっており、ピッチコイル552
pはその加速度にも逆らって受光素子557pの中心近
傍に保持する為にも電流を流しており、上記の第1〜第
3の実施例までは厳密な意味で自重分の電流をキャンセ
ルしたとは言え無い。
【0104】ところが、図4の様に低域通過回路62を
設けることで、交番加速度を除去し、更にこの低域通過
回路62の周波数析点を手振れの下限周波数より低く設
定すると、指令信号562pからの信号も該低域通過回
路62で除去されるため、サンプルホールド回路51が
ホールドする一定バイアス電圧は純枠に自重保持電流を
キャンセルする分だけ与えられる為、極めて省電力化が
図れる。
【0105】尚、この時のタイマ53による第1の期間
は、低域通過回路62の時定数より長く設定されるのは
言う迄もない。
【0106】(第5の実施例)図5は本発明の第5の実
施例における防振装置の補正光学機構の位置検出手段や
駆動手段等を示すブロック図であり、図1や図19と同
じ部分は同一符号を付してある。
【0107】第1の実施例と異なるのは、差動回路6
3、基準出力回路64、差動増幅器52と63の出力を
加算する加算器65、及び防振システム作動初期の一定
期間には開放しており、その後に接続されるスイッチ3
7を設けている点である。
【0108】任意設定可能な基準出力回路64とサンプ
ルホールド回路51のホールド出力の差を差動増幅器6
3で求め、これをスイッチ37を介して加算器65へ出
力し、差動増幅器52の出力と加算するようにしてい
る。
【0109】この様な構成にすると、サンプルホールド
回路51の一定バイアス電圧が大きい時には、基準出力
回路64の設定により差動増幅器63出力が補う。
【0110】つまり、あまり受光素子557pの中心か
ら離れた点を中心に防振を行いたくない時は、多少省電
力を犠牲にしても基準出力回路64の設定を変更する事
で、受光素子557pの中心にある程度近い所で防振が
出来る様になる。
【0111】以上の第1乃至第5の実施例によれば、駆
動手段による補正光学機構の消費電流を減少させる様に
該駆動手段の設定を変更する手段を設けている為、大幅
な省電力が可能になった。
【0112】(第6の実施例)図6は本発明の第6の実
施例における補正光学機構やその駆動手段等を示す図で
あり、図19と同じ部分は同一符号を付してある。
【0113】図19と異なるのは、支持基板11がヨー
シャフト549yを支持しており、スリップダイヤフラ
ム12,13に挟まれてバネ14、ネジ15(ハウジン
グ614にネジ込まれる)により矢印17方向に付勢さ
れており、通常はスリップダイヤフラム12の突起12
p,12yは各々支持基板11に設けられた3対の溝1
8p,18yの中央の溝に入って安定しており、スリッ
プダイヤフラム13の突起13p,13yも同様に支持
基板の背面に同様に設けられた溝(不図示)に入って安
定している。そして、重力Gが矢印A方向に働いている
場合は、固定枠547はその方向に自重とピッチコイル
バネ551pのバネ力と釣合う点まで下降する。
【0114】そして、この様な時は、外部操作ノブ16
pを矢印19pの方向に引上げると支持基板11はバネ
14のバネ力に逆らってスリップダイヤフラム12,1
3を押し広き、スリップダイヤフラム12,13の突起
12p,13pは各々支持基板11の3対の溝18p及
び支持基板背面に同様に設けられた3対の溝の中で一番
下側の溝に入って安定する。そうする事で、光軸中心と
補正レンズ545の中心のズレを補正する。
【0115】同様に、矢印B方向に重力Gが加わった場
合、固定枠547はその方向にズレ、光軸と補正レンズ
545の中心もその方向にズレるが、外部操作ノブ16
yを矢印19y方向に操作すると、このズレも補正する
事が出来る。
【0116】以上の様に、外部操作ノブ19を撮影者が
操作する事で、補正光学機構の駆動ストロークを確保す
る事が出来る。
【0117】尚、図6の564p,564yは低域カッ
トフィルタである。
【0118】(第7の実施例)図7は本発明の第7の実
施例における補正光学機構やその駆動手段等を示す図で
あり、図6と同じ部分は同一符号を付してある。
【0119】この第7の実施例では、図6における外部
操作ノブ16p,16yの代りに、プランジャ21p,
21yが設けられている。そして、重力Gが矢印A方向
に加わっている時は、固定枠547がその方向に下降す
る事が受光素子557pの出力により検出できる為、そ
の時にはプランジャ21pを駆動して支持基板11を引
上げて、駆動ストロークを確保する。
【0120】また、重力Gが矢印Bの方向に加わってい
る時は、その状態を受光素子557yの出力により検出
できる為、その時にはプランジャ21yを駆動して支持
基板11を矢印16yの方向に移動させ、駆動ストロー
クを確保する。プランジャ21yが支持基板を矢印20
y方向に移動させて駆動ストロークを確保する。この様
な構成にすると外部操作不要で光軸と補正レンズ中心の
ズレを補正出来る。
【0121】尚、図7では、プランジシャを用いて支持
基板11を移動したが、これに限られるものではなく、
形状記憶合金,圧電部材等、他のアクチュエータでも良
いのは言う迄もない。
【0122】(第8の実施例)図8は本発明の第8の実
施例における補正光学機構やその駆動手段等を示す図で
あり、図6と同じ部分は同一符号を付してある。
【0123】支持基板11にはボールジョイント31,
32が設けられ、このボールジョイント31,32によ
りバー35は支持基板11に対して矢印31a,32a
方向に回転可能に支持されている。バー35はボールジ
ョイント31内を矢印36方向に摺動可能に支持されて
おり、更にボールジョイント31によりバー35はハウ
ジング614に対してボールジョイント31を中心に任
意方向に角度変更可能である。バー35の他端にはカウ
ンタウエイト34が設けられており、このカウンタウエ
イト34の重さは補正レンズ545等の補正光学機構可
動部の合計の重さより重く設定されている。
【0124】この様な構成にすると、重力Gが矢印A方
向に加わっている時には、カウンタウエイト34がこの
方向に下降する為、逆に支持基板11は引上げられて光
軸と補正レンズ545の中心ズレを補正する。
【0125】また、同様に重力が矢印B方向に加わる時
も、カウンタウエイト34がその方向に下降する為、支
持基板11は矢印20y方向に移動する。
【0126】この様な構成にした場合、図7の様にアク
チュエータが必要ない為、コンパクトに出来る。
【0127】(第9の実施例)図9は本発明の第9の実
施例における補正光学機構やその駆動手段等を示す図で
あり、図6と同じ部分は同一符号を付してある。
【0128】固定枠547に突起37p1 ,37p2
が、第1の支持枠550に37y1 ,37y2 が設けら
れている。そして、重力Gが矢印A方向に加わっている
時には、その事を受光素子557pで検出できることは
前述したが、この時にピッチコイル552pにより固定
枠547を矢印Aと反対方向に大きく駆動させる。する
と、突起37p1 が支持基板11と衝突し、該支持基板
11を押し上げて図22と同様にスリップダイヤフラム
12,13の突起が支持基板11の次の溝に入って安定
し、光軸と補正レンズ545の中心のズレを無くす。
【0129】支持基板11を戻す時には、固定枠547
を逆方向に駆動し、突起37p2 を第1の支持枠550
に衝突させて戻す。
【0130】重力Gが矢印B方向に加わっている時は、
突起37y1 が支持基板11を押し、又、重力Gが矢印
Bと反対方向に加わっている時は、突起37y2 が支持
基板11を押して光軸と補正レンズ545の中心のズレ
を無くす。
【0131】以上の様な構成にすると、アクチュエータ
もカウンタウエイトも必要なく、コンパクト、且つ、軽
量化が可能になる。
【0132】以上の第6乃至第9の実施例によれば、補
正光学機構を支持する支持基板11を移動可能にする構
成にしているため、常に(どのような重力の方向でも)
駆動ストロークを確保でき、精度良い防振を行うことが
可能となる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
補正光学手段の駆動初期である第1の期間とそれ以後の
第2の期間とで駆動手段の設定を変更する設定変更手段
を設け、また、設定変更手段は、第1の期間において
は、位置検出手段の出力をそのまま駆動手段による位置
制御ループ内へ入力すると共に、この時の位置検出手段
の出力を保持し、その後の第2の期間においては、この
保持した出力を、位置検出手段の出力の駆動手段へ減算
出力として位置制御ループ内へ入力する手段であり、ま
た、設定変更手段は、第1の期間においては、補正光学
手段に推力を与えるべく駆動手段に発生する出力をその
ままに位置制御ループ内へ入力すると共に、この時の駆
動手段の出力を保持し、その後の第2の期間において
は、この保持した出力を、駆動手段の出力の減算出力と
して位置制御ループ内へ入力する手段であり、第1の期
間において、自重による補正光学手段と位置検出手段と
の位置誤差補正量に相当する出力を、言換えれば、補正
光学手段を自重に逆らって位置検出手段の出力が零とな
るべく位置に保つのに必要な出力を保持し、第2の期間
においては、この出力分を減算出力として位置制御ルー
プ内に入力し、自重が生じている際の補正光学手段の位
置における位置検出手段の出力があたかも零となるよう
な位置制御ループを形成するようにしている。
【0134】よって、補正光学手段を自重に逆らって位
置検出手段の出力が零となるべく位置に保つのに必要と
なる出力を不要とし、消費電流を低減させることが可能
となる。
【0135】また、本発明によれば、補正光学手段をレ
ンズ鏡筒に対して相対的に移動可能に支持する支持部材
と、該支持部材を補正光学手段の駆動方向と同一方向に
移動させる移動手段とを設け、移動手段により、支持手
段を補正光学手段に加わる重力の方向とは逆方向に移動
させ、重力に逆らって補正光学手段をその駆動ストロー
ク範囲の中点位置まで移動させるようにしている。
【0136】よって、補正光学手段の二次元方向の適正
な駆動ストロークを確保し、精度の良い防振を行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における防振装置の補正
光学機構の駆動手段などを示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例における防振装置の補正
光学機構の駆動手段などを示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施例における防振装置の補正
光学機構の駆動手段などを示すブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施例における防振装置の補正
光学機構の駆動手段などを示すブロック図である。
【図5】本発明の第5の実施例における防振装置の補正
光学機構の駆動手段などを示すブロック図である。
【図6】本発明の第6の実施例における防振装置の要部
構成を示す図である。
【図7】本発明の第7の実施例における防振装置の要部
構成を示す図である。
【図8】本発明の第8の実施例における防振装置の要部
構成を示す図である。
【図9】本発明の第9の実施例における防振装置の要部
構成を示す図である。
【図10】従来の防振装置の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図11】従来の振動検出手段の一つである角変位検出
装置を示す平面図である。
【図12】図11のAーA断面図である。
【図13】図11に示した角変位検出装置の斜視図であ
る。
【図14】図11のBーB断面図である。
【図15】図11に示した角変位検出装置の電気的構成
を示す回路図である。
【図16】従来の振動検出手段の一つであるサーボ角加
速度計の構成を示す分解斜視図である。
【図17】図16のサーボ角加速度計の電気的構成を示
すブロック図である。
【図18】図17の電気的構成を具体的に示す回路図で
ある。
【図19】図10の防振装置における補正光学機構やそ
の駆動手段などを示す図である。
【図20】図19に示した駆動手段等の電気的構成を具
体的に示した回路図である。
【図21】図10の防振装置における補正光学機構の他
の例を示す斜視図である。
【図22】従来の防振装置の問題点について説明するた
めの主要部分の正面図である。
【符号の説明】
11 支持基板 12,13 スリップダイヤフラム 14 バネ 16p,16y 外部操作ノブ 18p,18y 溝 21p,21y プランジャ 34 カウンタウエイト 51 サンプルホールド回路 52,58,63 差動増幅器 53 タイマ 55 位置制御ループ 59 スイッチ 62 低域通過回路 64 基準出力回路 545 補正レンズ 547 固定枠 551p,551y ピッチ,ヨーコイルバネ 556p,556y 発光素子 557p,557y 受光素子 559p,559y 増幅器 561p,561y 駆動回路 562p,562y 指令信号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ群を保持するレンズ鏡筒内に配置
    され、前記レンズ群の光軸を偏心させる、前記レンズ鏡
    筒に対して相対的に駆動可能に弾性支持される補正光学
    手段と、該補正光学手段の位置を検出する位置検出手段
    と、前記レンズ鏡筒に入力される振動を検出する振動検
    出手段と、該振動検出手段からの出力を目標値として前
    記補正光学手段を位置制御駆動する駆動手段とを備えた
    カメラ用防振装置において、前記補正光学手段の駆動初
    期である第1の期間とそれ以後の第2の期間とで前記駆
    動手段の設定を変更する設定変更手段を設けたことを特
    徴とするカメラ用防振装置。
  2. 【請求項2】 設定変更手段は、第1の期間において
    は、位置検出手段の出力をそのまま駆動手段による位置
    制御ループ内へ入力すると共に、この時の位置検出手段
    の出力を保持し、その後の第2の期間においては、この
    保持した出力を、位置検出手段の出力の駆動手段へ減算
    出力として位置制御ループ内へ入力する手段であること
    を特徴とする請求項1記載のカメラ用防振装置。
  3. 【請求項3】 設定変更手段は、第1の期間において
    は、補正光学手段に推力を与えるべく駆動手段に発生す
    る出力をそのままに位置制御ループ内へ入力すると共
    に、この時の駆動手段の出力を保持し、その後の第2の
    期間においては、この保持した出力を、駆動手段の出力
    の減算出力として位置制御ループ内へ入力する手段であ
    ることを特徴とする請求項1記載のカメラ用防振装置。
  4. 【請求項4】 位置検出手段の出力の低域周波数成分の
    みを通過させる低域通過手段を具備したことを特徴とす
    る請求項2又は3記載のカメラ用防振装置。
  5. 【請求項5】 第1の期間は、駆動手段への振動検出手
    段よりの入力を禁止する入力禁止手段を具備したことを
    特徴とする請求項2,3又は4記載のカメラ用防振装
    置。
  6. 【請求項6】 設定変更手段内に、駆動手段へ減算出力
    として位置制御ループ内へ入力するべく保持出力が、位
    置検出手段の出力が一定範囲内に収まるように制限する
    制限手段を具備したことを特徴とする請求項2,3,4
    又は5記載のカメラ用防振装置。
  7. 【請求項7】 レンズ群を保持するレンズ鏡筒内に配置
    され、前記レンズ群の光軸を偏心させる補正光学手段
    と、前記レンズ鏡筒に入力される振動を検出する振動検
    出手段と、該振動検出手段からの出力に基づいて前記補
    正光学手段を前記レンズ鏡筒に対し相対的に変位させる
    駆動手段とを備えたカメラ用防振装置において、前記補
    正光学手段を前記レンズ鏡筒に対して相対的に移動可能
    に支持する支持部材と、該支持部材を前記補正光学手段
    の駆動方向と同一方向に移動させる移動手段とを設けた
    ことを特徴とするカメラ用防振装置。
  8. 【請求項8】 移動手段は、支持部材をレンズ鏡筒に加
    わる重力の方向に基づいて補正光学手段を移動させる手
    段であることを特徴とする請求項7記載のカメラ用防振
    装置。
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