JPH0618937Y2

JPH0618937Y2 - 自立式包装容器

Info

Publication number: JPH0618937Y2
Application number: JP17380587U
Authority: JP
Inventors: 裕幸飛山
Original assignee: 本州製紙株式会社
Priority date: 1986-11-21
Filing date: 1987-11-16
Publication date: 1994-05-18
Anticipated expiration: 2002-11-16
Also published as: JPS63164470U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は熱可塑性のプラスチックシートまたはそれらの
複合シートを用いて、内容物収納用膨出成形部とその膨
出成形部の周縁にフランジを張出させてなる成形容器に
おいて、当該容器に自立性を付与した包装容器に関する
ものである。

［従来の技術と問題点］従来より、２枚のサーモフォーミングされた成形シート
の間に内容物を入れ、その外周をシールして密封包装し
たものは知られている。同じくサーモフォーミングされ
たシートに内容物を収容する膨出部を形成し、その膨出
部内に適宜な物品を収容した上で、前記シートの裏面を
カード状の板紙、段ボール、その他のベースシートに重
合接着したブリスターパックは玩具、文具、日用品、菓
子、薬剤などの包装容器として広く用いられている。

この種のパッケージに用いられる成形シートは真空成形
や圧空成形により成形する際に、膨出成形部の周縁部に
必ずフランジを設けなければならない。その理由はフラ
ンジを設けないと、型抜きの際に成形物を型から容易に
取出すことができず、また成形シートとベースシートと
を膨出成形部の外周で接着シールすることができない。

ところで、上述のように膨出成形部の周縁にフランジを
張出させたブリスターパック等は、フランジ面を水平に
置く場合は良いが、そのフランジ面が垂直になるように
置いた場合は、外側に出っ張るフランジのために底面が
一平面とならず、ガタついて安定性ならびに自立性に欠
ける難点があった。

本考案は上記問題点を解決することを目的として提案し
たものである。すなわち膨出成形部の周縁にフランジを
張出させた包装容器において、前記フランジ面が垂直と
なるように床に置いて使用した場合に、容器の外周縁に
フランジがあっても、そのために容器がガタつくことな
く、容器自体が安定性ならびに自立性を有する包装容器
を提供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］上記目的を達成するために、本考案はプラスチックの単
層シートまたは複合シートを熱成形して膨出成形部を形
成する際に、該膨出成形部を内容物を収容する本体部と
脚部との２部材で構成させると共に、前記両者をヒンジ
部を介して屈曲自在に連結し、かつ前記本体部または脚
部の一方に、他方の脚部または本体部を嵌め込み固定す
る凹所を設けた上で、前記本体部と脚部とをヒンジ部を
介して90゜折り曲げることにより、脚部または本体部を
前記凹所に嵌め込み固定させて、目的とする自立式容器
を得るようにしたものである。

なお、本考案においては前記組合せからなる本体部と脚
部とが、プラスチックシートの一体成形により形成した
ヒンジ部によって相互に連結したものと、本体部と脚部
との両者を切り目により別体とすると共に、前記本体部
と脚部とを別途に用意された裏打ち基材により相互に折
曲可能に連結されているものとを含むものである。

［実施例］次に本考案を実施例に基づいて具体的に説明する。第１
図ないし第６図は本考案の一実施例を示し、符号１は成
形シートであり、ＰＥ、ＰＰ、ＰＶの如き熱可塑性の透
明又は着色されたプラスチックシートを真空成形法もし
くは圧空成形法等により熱成形して膨出成形部２と該膨
出成形部の周縁にフランジ部３とを張出させた構成を有
している。膨出成形部２は内容物（被包装物）を収容す
る本体部２ａと、通常内容物を入れない脚部２ｂの２部
材が一体に成形されている。本体部２ａと脚部２ｂは第
１図及び第２図に示すように一体ヒンジ部４により屈曲
自在に連結されている。ところで、前記本体部２ａまた
は脚部２ｂの何れか一方には、他方の脚部または本体部
を嵌め込む凹所５を形成する。この凹所５は図示例では
本体部側に形成されていて、その凹所５における例えば
対向する両側面に窪み６、６を形成する。一方、この窪
みに対応した突起７、７が他方の脚部側または本体部側
に形成されている。前記本体部２ａと脚部２ｂは、ヒン
ジ部４に沿って第５図矢印に示すように90゜折り曲げる
と、いずれか一方（図示例では本体部２ａ）に設けた凹
所５内に脚部２ｂが格納されると共に、前記窪み６と突
起７とが互いに噛合って本体部２ａと脚部２ｂとは固定
される（第６図）のである。

なお、本体部または脚部収納用凹所に設けた突起と窪み
に代えて、前記凹所に脚部または本体部を圧嵌めして摩
擦的に固定するようにしてもよい。

第２図に示す符号８は、成形シート１における少なくと
も本体部２ａの裏面に重合する封緘シートであって、フ
ランジ３とシート８の重合面を加圧加熱又は接着剤等に
より一体に接合すると、ブリスターパック形の製品が得
られる。封緘シートは板紙などの紙質基材、アルミ箔、
プラスチック等の複合シートが用いられ、表面に印刷な
どが施されていてもよい。

次に上記のような構成からなる本実施例の作用効果につ
き説明すると、第５図及び第６図に示すように、内容物
を収容した容器本体部２ａと脚部２ｂとが一体ヒンジ部
４によって屈曲自在に連結され、かつ前記本体部または
脚部の一方に他方の脚部または本体部を嵌め込み固定す
る凹所が設けられているので、前記一体ヒンジ部４を介
して成形シート１を90゜折り曲げると脚部２ｂを凹所５
内に格納することができるから、脚部２ｂの底面に張出
するフランジを本体部２ａの周縁に張出するフランジに
対して直交する方向に配置させることができる。したが
って、膨出成形部の周縁にフランジ３が張出されていて
も脚部底面のフランジ面が支持面と平行になり、陳列台
等の上に本体部を安定良く垂直に自立させることができ
る。

次に本考案の変形例につき説明する。第７図は容器本体
部２ａの脚部収納用凹所５に内外に貫通した開口部９を
穿設し、他方の脚部２ｂに開口部９に対応させて凸部10
を設けた例である。このような構成を有する容器にあっ
ては脚部２ｂをヒンジ部を介して矢印の方向に90゜折曲
げると、脚部２ｂ側の凸部10は容器本体部２ａの凹所５
の開口部９に対するキャップ部材として機能するもので
ある。第８図の変形例は第７図のものと同様な２枚の成
形シートを合掌状に重ね合せて、本体部２ａの周縁のフ
ランジ面同士３、３を接着してシールしたものである。

第９図及び第10図として示す変形例は、背の高い品物あ
るいは細長い内容物を収納するに適した瓶状容器11を示
すものである。この実施例の容器は脚部２ｂ側に本体部
２ａを嵌め込み固定する凹所５を設けている。因みに凹
所５に突起７または窪み６を設け、これに対応して本体
部２ａ側にも窪み６または突起７を形成してある。な
お、第10図の容器は第８図の場合と同様に、２枚の成形
シートの間に内容物を入れ、本体部２ａの外周のフラン
ジ面同士３、３を接着シールして製品とするものであ
り、第９図は成形シート１の裏面に封緘シート８を重合
接着して、ブリスター包装として使用するものである。

ところで、上記第１図ないし第10図に示した実施例は、
何れも熱可塑性のプラスチックシートをサーモフォーミ
ングして本体部２ａと脚部２ｂとを成形する際に、前記
本体部２ａと脚部２ｂとの間に、両者を折曲自在に連結
する一体ヒンジ部４を形成した例である。

しかし、前記ヒンジ部４は本体部２ａ及び脚部２ｂと一
体成形される必要はなく、本体部２ａと脚部２ｂとを予
め別体とした上で、両者に対して別途に用意された共通
のシール材もしくは裏打ち材を一体的に貼り付け、この
シール材もしくは裏打ち材をヒンジとして利用すること
ができる。

第11図は本体部２ａと脚部２ｂとを予め別個の成形過程
で別体に成形し、或いは両者を一体成形後それらの間に
切り目24を設けて別体とし、かつそれらの間を共通の裏
打ちシート26で折曲可能に連結した本考案容器の一実施
例を示すものである。以下、この実施例について説明す
ると本体部２ａの上面には装飾的なフルート溝21が形成
され、また一側面に後述する凹所22に対応する突起23が
一体に形成されている。脚部２ｂの上面には前記突起23
に対応してこれが嵌合し固定される凹所22が形成されて
いる。突起23と凹所22の嵌合面は予めアンダーカット25
とされ、机上などに容器を自立させるときは、突起23を
凹所22に挿入して雌雄状に嵌合する。符号26で示される
裏打ちシートは、一般に板紙と呼ばれている程度の紙質
基材が用いられるが、それに限らず、プラスチックシー
ト、その他各種の積層材を用いることが可能である。裏
打ちシート26と本体部２ａ及び脚部２ｂとは熱接着によ
って互いに固着してもよいが、イージーピール性のある
粘着紙を裏打ち材に用いて、少なくとも本体部２ａに対
して裏打ちシート26を容易に引き剥すことができるよう
にする。このようにしておくと、本体部２ａと脚部２ｂ
とは切り目24により予め別体とされているので、脚部２
ｂが引き剥し用のツマミとなり、このツマミを指で引張
りながら、裏打ちシート26を本体部から剥していくこと
ができるから、本体部を開封して内容物を取出す際の作
業性が改善される。

第13図は、脚部２ｂも商品の収容部とした場合を示す。
この脚部２ｂには本体２ａに収容した主たる商品の付属
品、例えば菓子、おもちゃなどを収容した後、裏打ちシ
ート26を図示のように脚部２ｂの裏面に貼りつけて使用
することができる。

第14図は本体部32aと脚部32bとが別途に用意されたシー
ル材35により折曲げ可能に連結されている本考案の包装
容器を効率的に製造する場合の一例を工程順に図解した
ものである。

図中符号31はサーモフォーミングされた複数組の膨出部
を有するほぼ矩形の広幅の成形シートであり、例えばポ
リエチレンを素材に作られている。この成形シート31に
は、本体部32aと脚部32bとから構成される膨出成形部32
を並列状態で複数組形成させる。すなわち、熱可塑性シ
ート上に所望の形状の本体部32aと脚部32bとを多面付け
し、任意のサーモフォーミング手段によって形成する
（第１工程）。次に、このものの前記本体部32aと脚部3
2bとの間を切り抜いて第１のカット線33を穿設する（第
２工程）。この場合、第１のカット線33の両端部と成形
シート31の端縁との間に、非切離し部34を設けるように
切断し、次いで前記本体部32aの内側に被包装物（商
品）を載置してから、成形シート31の裏面（第14図
（ハ）において上面）全体に広幅のシール材35をかぶせ
て重合させる（第３工程）。シール材35の接着面には符
号36で示すように予めのり（粘着剤）を塗布し、この粘
着剤を介して成形シート31とシール材35とを接着する。
なお、成形シートとシール材とを加熱加圧により一体化
してもよい。こうしてシール材35を裏打ちした成形シー
ト31を後段の截断工程に送り込み、ここで所望の寸法の
フランジ部を残して第14図（ニ）に示すように、それぞ
の容器間に第２のカット線37を施すと共に、第１と第２
のカット線の両端部を含む成形シートの余端部（マージ
ン）38をカットオフする。第15図がカットオフ後の個別
の容器の完成状態を示す平面図であり、第16図は裏面に
貼りつけたシール材35を剥して、本体部32aを開封する
途中を示す斜視図である。

［考案の効果］以上説明したように本考案によれば、内容物収納用膨出
成形部とその周縁にフランジを張出させた成形シートか
らなる自立式容器が比較的簡単な手段で廉価に得られ
る。

本考案は膨出成形部を本体部と脚部の２部材で構成させ
ると共に、その両者をヒンジ部を介して屈曲自在に連結
し、かつ前記本体部または脚部の一方に、他方の脚部ま
たは本体部が嵌り込み固定される凹所を設けた簡単な構
成であるから、本体部と脚部はフランジを含めて一体成
形することができ、また嵌脱自在とされた本体部と脚部
とを使用時に嵌め込み自立させ、また不使用時は両者を
離脱させてコンパクトに運搬保存することができるか
ら、ディスプレイ機能を兼ね備えた包装容器として有用
性が高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に用いる成形シートの一例を示す平面
図、第２図は第１図におけるII−II線に沿う断面図、第
３図は同じくIII−III線の断面図、第４図は同じくIV−
IV線の断面図、第５図は同上成形シートの斜視図、第６
図は自立状態を示した本考案容器の斜視図、第７図ない
し第10図は本考案容器の変形例を示した斜視図、第11図
は同じく本考案容器の変形例を示す平面図、第12図、第
13図は同じく変形例を示す斜視図、第14図（イ）〜
（ニ）は同上変形例の加工工程を説明する略図、第15図
は同上容器の完成状態を示す平面図、第16図同上容器の
開封途中の状態を示す斜視図である。１…成形シート、２…膨出成形部、２ａ…本体部、２ｂ
…脚部、３…フランジ部、４…ヒンジ部、５…凹所、６
…窪み、７…突起、８…封緘シート、９…開口部、10…
凸部、11…瓶状容器、21…フルート溝、22…凹所、23…
突起、24…切り目、25…アンダーカット、26…裏打ちシ
ート、31…成形シート、32…膨成成形部、32a…本体
部、32b……脚部、33、37…カット線、34…非切離し
部、35…シール材、36…接着剤。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】膨出成形部と該成形部の周縁にフランジ部
を張出させた成形シートからなる包装容器であって、膨
出成形部を内容物を収容する本体部と脚部との２部材で
構成させると共に、前記両者をヒンジ部を介して屈曲自
在に連結し、かつ前記本体部または脚部の一方に、他方
の脚部または本体部を嵌め込み固定する凹所を設けたこ
とを特徴とする自立式包装容器。
【請求項２】本体部または脚部収納用凹所の適宜な個所
に窪みを設け、この窪みに対応した突起を他方の脚部側
または本体部側に形成させて、それら両者を嵌め合わせ
ることによって本体部と脚部とを固定させてなる実用新
案登録請求の範囲第１項記載の自立式包装容器。
【請求項３】本体部または脚部収納用凹所に対し、脚部
または本体部を圧入して摩擦的に固定させてなる実用新
案登録請求の範囲第１項記載の自立式包装容器。
【請求項４】本体部の裏面にシール材が重合接着されて
いる実用新案登録請求の範囲第１項、第２項または第３
項記載の自立式包装容器。
【請求項５】２枚の成形シートを合掌状に突き合せ、本
体部外周を接着シールしている実用新案登録請求の範囲
第１項、第２項または第３項記載の自立式包装容器。
【請求項６】本体部に設けた凹所は脚部により封鎖され
うる開口部を有している実用新案登録請求の範囲第１
項、第２項または第３項記載の自立式包装容器。
【請求項７】本体部と脚部は、両者間に設ける一体ヒン
ジ部により相互に連結されている実用新案登録請求の範
囲第１項、第２項または第３項記載の自立式包装容器。
【請求項８】本体部と脚部は両者間に設ける切り目によ
り別体とされ、かつ前記本体部と脚部はそれらに裏打ち
された共通の基材により相互に折曲可能に連結されてい
る実用新案登録請求の範囲第１項、第２項または第３項
記載の自立式包装容器。